JP2001033534A - 心内電気現象診断装置 - Google Patents

心内電気現象診断装置

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JP2001033534A
JP2001033534A JP11205279A JP20527999A JP2001033534A JP 2001033534 A JP2001033534 A JP 2001033534A JP 11205279 A JP11205279 A JP 11205279A JP 20527999 A JP20527999 A JP 20527999A JP 2001033534 A JP2001033534 A JP 2001033534A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】心臓の位置を心磁図のパターンから計測するこ
とによって胴体及び心臓の位置を特別な手段を用いて計
測する必要を無くする。 【解決手段】心磁図計測における心臓位置の計測及び胴
体の動きの補正に関する。心磁図計測装置は、心臓の電
気的活動に伴って発生する磁場又は電位を体外又は体表
で測定する手段(11,12a,12b)と、心臓の位
置、向き、及び形状を表現する特徴量を必要とする解析
法を前記測定値に適用して心臓内の電気生理的現象を解
析し提示する手段(12〜14)とを備える。さらに、
被検者の呼吸を表す信号を計測する手段(15)と、特
徴量が呼吸信号に応じて所定関数で変化すると仮定して
当該特徴量を推定する手段(12a,12b)とを備え
る。また本願では、被検者の胴体の動きを補正すること
で胴体の動きがあっても良い加算平均法や胴体位置の連
続計測法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、心臓内の電気生理
的現象を解析し表示する心内電気現象診断装置に係る。
とくに、好適には、被検者の心臓から発生されている微
弱磁界(磁場)を検出して心磁図(MCG:magne
tcardiogram)を収集し、この心磁図から心
臓内電気現象を解析する心磁図計測装置に関する。さら
に詳しくは、被検者の胴体の動きを考慮した心磁図デー
タの測定及び解析、及び、その解析時に必要な心臓の位
置情報をより容易に取得することができる心磁図計測装
置などに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生体磁界計測装置は、SQUID
(superconductingquantum i
nterference device: 超伝導量子
干渉計)を用いた超伝導システムの代表格として研究開
発が進んでおり、人体などの被検者の脳から発生する微
弱な脳磁界や心臓から発生する微弱な心磁界を計測・解
析する装置である。この内、脳磁界を計測・解析する装
置は脳磁図計測装置と、心磁界を計測・解析する装置は
心磁図計測装置と呼ばれている。
【0003】心磁図計測装置により計測される心磁図
は、心臓の電気的活動に因って発生する磁場を胸面上で
検出した波形情報である。この心磁図を収集するには、
以前は、1ch又は7ch程度の少数チャンネルのSQ
UIDセンサ有するSQUID磁束計を用い、この磁束
計全体の位置を少しずつ移動させながら胸前の測定範囲
を多数回に分けて計測を行っていた。
【0004】しかし、近年では、多チャンネルのSQU
ID心磁図計測システムが開発され、測定範囲全体を一
度にカバーして計測できるようになっている。このよう
に計測した心磁図は、右室負荷試験や左室負荷試験を通
して心肥大や心筋症、狭心症などの検出に有効性を発揮
することが分かっている。心磁図を用いてこれらの病気
を診断するには、心磁図のその波形が胸面のどの位置で
計測したものであるかが重要な情報になる。また、心磁
図のパターンも診断に利用されるので、心磁図の被検者
胸部に対する位置関係を再現性良く計測することが重要
である。
【0005】<解析法の従来例>心磁図あるいは心電図
の計測結果から心臓内の興奮伝播過程や活動電位振幅あ
るいは導電率の分布を解析し表示する技術が、本発明者
らによって特願平9−135627に示されている。こ
の方法は計算機内に心室の形状を表すモデルを構築し、
そのモデルに興奮到達時刻や活動電位振幅(あるいは導
電率、電流ダイポール密度)の分布を設定し、それに基
づいてQRS期問にわたる心電図あるいは心磁図の空間
分布および波形を計算し、測定した心電図あるいは心磁
図と計算した心電図あるいは心磁図との差がなるべく小
さくなるように、心室モデルに設定する興奮到達時刻や
活動電位振幅などの分布を変更していって、最終的に得
られた興奮到達時刻や活動電位振幅の分布を最終的な解
析結果とし、画面などに表示するものである。
【0006】この方法を適用して心内電気現象を解析す
る場合、予め心臓の形状および位置が既知となっている
必要がある。心臓の形状、位置、向きを計測してモデル
化する方法としては、別に撮影した患者のMRIなどの
画像から心臓の位置、向き、および形状を測定し、計算
機の画面上で手作業で心臓モデルを構築するか、あるい
は特願平9−135627に開示されているようにΜR
I画像等から自動的に心臓モデルを構築する方法が知ら
れている <位置合わせ法(1)>心磁図計測装置を被検者の胸部
前面に配置した後、胸部とSQUIDセンサの位置合わ
せが行われる。この位置合わせは、被検者の胴体の特徴
点(例えば、胸骨丙中央くぼみや剣状突起)とセンサ容
器に付けた基準目印とを目視で合わせることで行われ
る。この位置合わせ後、被検者には動かないように指示
して心磁図が計測される。この位置合わせ法の場合、そ
れほど高い精度が確保できないが、心磁図の時間波形や
パターンから診断を行うときには使用可能な手法であ
る。
【0007】<位置合わせ法(2)>一方、近年の心磁
図計測装置は、計測した心磁図をそのまま診断に供する
機能のみならず、その心磁図を解析して心臓内電気現象
を推定する機能を備えている。シングルダイポール法は
その推定法を代表するアルゴリズムであり、ある瞬間の
胸面上の磁場分布に基づき、1点に限局して存在すると
仮定した磁場の発生源(電流ダイポール)の位置を推定
することができる。この電流ダイポールの推定位置をM
RI(磁気共鳴イメージング)によって得られた胸部の
画像に重ね合わせると、心筋の電気的活動の位置を特定
することができる。
【0008】この重ね合わせを行うには、電流ダイポー
ルの推定位置がMRI画像上のどの位置に相当するのか
を決めなければならない。これを決定するには、被検者
の胴体の特定位置とSQUIDセンサ(磁場センサ)の
位置関係を定めること、及び、胴体上の実際の特定位置
がMRI画像上でどこの位置になるのかを知ることが必
須である。このように心臓内電気現象の推定診断までも
行う場合、最初の位置合わせにずれがあると、推定され
る電流ダイポールの位置もずれてしまい、診断能の低下
を招来してしまう。このため、このような診断には、高
い位置合わせ精度が要求される。
【0009】この高精度の位置合わせを行える従来法と
して、3次元デジタイザを用いるものが知られている。
この心磁図計測装置では、被検者の胸部に配置された胸
部上の特徴点の位置及びSQUIDセンサに標された標
識位置が3次元デジタイザで正確に計測され、両者の位
置関係が求められる。
【0010】この後、被検者には動かないように指示し
て心磁図が計測される。電流ダイポール位置などの推定
結果をMRI画像上に重ね合わせるときには、通常、目
視により、胸部の特徴点の位置がMRI画像上で指定さ
れ、これを基にして重ね合わせが行われる。なお、胸部
の特徴点の代わりに、体表の任意位置に付けた印を用い
ることもある。この場合には、かかる体表上の任意位置
にMRIで描出されるマーカを付けてMRイメージング
がなされる。これにより、体表上の任意位置の印とMR
I画像上のマーカとを位置合わせすることができる。
【0011】<加算平均処理>前述したように、心臓か
ら発生する磁場の強度は非常に微弱である。計測環境中
に普通に存在する環境磁場の影響を抑制して心磁図を精
度良く計測するには、磁気シールドルームやグラジオメ
ータといったハードウエア上の工夫もさることながら、
加算平均による後処理も有効である。つまり、複数の心
拍にわたって心磁図を計測し、各心拍の同じ時相のデー
タ同士を重ね合わせて加算平均する。この加算平均の手
法を併用することで、磁気シールドルームをより簡易な
構造のものにできるといったメリットがある。
【0012】<運動負荷心磁図>運動負荷を掛けながら
心磁図を計測する手法がある。例えば虚血性心疾患の診
断には、運動負荷を掛けて虚血を誘発させる検査が行わ
れることがある。運動前、運動中、及び回復後の心磁図
が夫々計測され、計測した運動負荷心磁図の時間波形や
パターンから診断を行ったり、シングルダイポール法な
どを適用する場合には、この計測の期間にわたって胴体
とSQUIDセンサの位置関係が一定に保持されるか、
あるいは、その位置関係を逐次、計測しておくことが必
要である。
【0013】<心臓内電気現象の解析方法>心臓内電気
現象として、心臓内の興奮伝搬過程及び活動電位振幅分
布(又は電流密度分布や導電率分布)を解析する手法が
知られている(例えば、特開平10−323335号公
報)。この解析を行うには、心室の形状及び位置の情報
(すなわち、SQUIDセンサに対して心室がどこにあ
るかの位置情報)が必要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の心磁図
計測装置にあっては、とくに運動負荷時など、被検者が
計測中に動く又は動かざるを得ない場合、その動き(運
動)の影響が大きすぎて心磁図計測の精度が低下し、さ
らに心臓内電気現象の推定精度も劣化するという問題が
ある。この問題は具体的には以下のような態様で表れ
る。
【0015】(A).被検者に動かないように指示する
ことは、被検者の心理的負担が大きくなるので、極力、
そのような指示は出したくない。
【0016】(B).運動負荷時の心磁図を計測する場
合、運動に拠って被検者の呼吸が荒くなるなど、被検者
の動きを制限することは殆ど不可能である。このため、
計測中に胴体に動きがあると、心磁図波形の胸面上の位
置が心拍毎に異なってしまうため、加算平均により心磁
図波形が変形してしまう。
【0017】(C).シングルダイポール法などの従来
の推定方法は、推定した電流ダイポールの位置をMRI
画像に重畳して表示するので、MRI画像を別途、撮影
する必要がある。このため、例えば不整脈の検査を行う
ときに通常は必要ないMRI撮影が必要になる。したが
って、検査コストも上がってしまうという問題があっ
た。
【0018】(D).推定結果をMRI画像に重畳する
には、MRI画像とSQUIDセンサとの間の位置関係
を3次元デジタイザなどの装置を用いて計測する必要が
ある。運動負荷心磁図を計測する場合、被検者は計測用
の寝台上で負荷運動を行うか、専用の負荷機器(トレッ
ドミル、自転車エルゴメータなど)から負荷運動を受け
るようにし、運動負荷前の安静時、運動負荷中の数分置
き、及び運動負荷後の数分置きに心磁図計測用の寝台上
に横になって計測を行うことになる。いずれの方法にし
ても、負荷中に体位の変化は殆ど避けられない。したが
って、心磁図計測の度に位置計測をし直す必要がある。
しかし、従来の方法は位置計測に手間が掛かるため、迅
速に位置計測することができず、位置計測と心磁図計測
のために運動負荷を休止する時間が長くなり、運動負荷
心磁図検査としては好ましくない。
【0019】(E).正確に位置合わせした後であって
も、被検者の疲労及び荒い呼吸などに因り患者の動きを
完全に抑制することはできず、位置ずれに起因する誤差
は回避不可能であった。
【0020】本発明は、上述した従来技術に伴う様々な
困難を打破すべくなされたもので、以下の事項を目的と
する。
【0021】運動負荷などに因り体位の変動が生じて
も、心磁図を加算平均したときの心磁図の変形が無く、
且つ、加算平均による雑音低減効果を十分に発揮させる
ことができる心磁図計測装置などの心内電気現象診断装
置を提供することを、第1の目的とする。
【0022】また、心室の形状や位置の情報を必要とす
る逆問題解析(すなわち、心臓内電気現象の推定)を行
うときに、心臓の位置、大きさ、形状などを別途(事前
に)計測しなくても、かかる解析を行うことができる心
磁図計測装置などの心内電気現象診断装置を提供するこ
とを、第2の目的とする。
【0023】さらに、被検者に動かないように指示する
など、計測時の体動を制限することに因る心理的負担を
解消するとともに、計測時間を短縮することができる心
磁図計測装置などの心内電気現象診断装置を提供するこ
とを、第3の目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述した第1の目的を達
成するため、本願の第1の発明によれば、測定対象であ
る被検者の胴体の動き状態を検出する動き検出手段と、
前記胴体の心磁図データを測定する心磁図測定手段と、
前記動き検出手段の検出結果を参照して前記心磁図測定
手段により測定された心磁図データを加算平均する加算
平均手段と、この加算平均手段により加算平均された心
磁図データを表示する表示手段とを備えたことを特徴と
する。
【0025】好適な一例として、前記動き検出手段は、
前記胴体の位置データを経時的に連続して計測する胴体
位置計測手段と、前記位置データに基づき前記胴体の位
置ずれの基準量を演算する基準量演算手段と、前記位置
データに基づき前記胴体の位置ずれ量を演算する位置ず
れ量演算手段と、前記位置ずれ量と前記基準量とを比較
して前記加算平均手段による加算平均に処する前記心磁
図データを弁別する弁別手段とを備える。この場合、例
えば、前記基準量演算手段は、前記心磁図データから各
心拍について基準時刻を定め、この基準時刻における前
記基準量を演算する手段である。
【0026】また好適には、前記動き検出手段は、前記
胴体の位置データを経時的に連続して計測する胴体位置
計測手段を備え、この胴体位置計測手段により計測され
た位置データから胴体の動き状態を検出するようにして
もよい。
【0027】上述した胴体位置計測手段は、前記胴体上
に定めた標識点の位置を検出する位置センサを有するこ
とが好適である。
【0028】更に好適には、前記動き検出手段の検出結
果を参照して前記心磁図測定手段により測定された心磁
図データを補正する補正手段を有し、前記加算平均手段
は、この補正手段より補正された心磁図データを加算平
均することである。この場合、一例として、前記心磁図
測定手段は、前記心磁図データを検知する磁場センサを
有し、前記補正手段は、前記心磁図データの内、前記磁
場センサの配置面に並行な方向の胴体移動に対応する成
分を補正する手段である。また別の例として、前記心磁
図測定手段は、前記心磁図データを検知する磁場センサ
であって、前記胴体の胸面に概ね沿った形状の面に配置
されたセンサと当該配置面からずれた位置に配置した別
のセンサとを有し、前記補正手段は、前記心磁図データ
の内、前記配置面にほぼ直交する方向の胴体移動に対応
する成分を補正する手段であってもよい。
【0029】また、前記加算平均手段により加算平均さ
れた心磁図データに基づき心臓内電気現象を解析する解
析手段を備えていてもよい。
【0030】以上の第1の発明及びそれに関連する発明
によれば、心磁図の波形やパターンから診断するとき、
診断精度を向上させる。また、運動負荷心磁図など、従
来では加算平均処理を用いることができなかった場合で
も、加算平均処理を行うことができる。これにより、S
/Nが大幅に向上するので、磁気シールドルームがより
簡易な構造のもので済み、磁気シールドルームの製造コ
ストを下げることが可能になる。さらに、逆問題を適用
するときに、その推定結果の精度を向上させて、診断精
度を上げることができる。
【0031】上述した第2の目的を達成するため、本願
の第2の発明によれば、被検者の心臓の電気的活動に伴
って発生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを通
して測定する手段と、心臓の位置及び向きと磁場又は電
位測定手段のセンサとの位置関係、並びに心臓又は胴体
の形状を表現する特徴量を必要とする解析法を前記測定
値に適用して心臓内の電気生理的現象を解析し提示する
手段とを備えた心内電気現象診断装置において、前記被
検者の呼吸を表す信号を計測する呼吸計測手段と、前記
特徴量が前記呼吸信号に応じて予め定められた関数形で
変化すると仮定して当該特徴量を推定する特徴量推定手
段とを備えたことを特徴とする。
【0032】例えば、前記特徴量推定手段は、前記特徴
量が前記呼吸信号に応じて1次関数形で変化すると仮定
する手段である。また、これを、2次関数形で変化する
と仮定する手段であってもよい。さらに、これを、スプ
ライン関数により近似される関数形で変化すると仮定す
る手段であってもよい。さらにまた、これを、呼吸信号
に依存する非線形関数の関数値に応じて1次関数形で変
化すると仮定する手段であってもよい。また、前記特徴
量を4×4のアフィン変換行列の要素の値で表現すると
ともに、この値と前記呼吸信号とが1次関数形で変化す
ると仮定する手段であってもよい。
【0033】また、この第2の発明において、前記特徴
量と前記呼吸信号の関係を表す関数に含まれるパラメー
タを前記磁場又は電位の測定値から決定する解析演算手
段を有することもできる。また、前記特徴量と前記呼吸
信号の関係を表す関数に含まれるパラメータを前記磁場
又は電位の測定値から非線形最適化アルゴリズムを用い
て決定する解析演算手段を有していてもよい。
【0034】また第2の目的を達成するために、被検者
の心臓内の電気生理的現象を解析し提示する心内電気現
象診断装置において、前記被検者の体動状態を経時的に
連続して計測する体動計測手段と、前記心臓の位置、向
き、及び形状を表現する特徴量が前記体動計測手段によ
り計測される体動に応じて予め定められた関数で変化す
ると仮定した状態で当該特徴量を推定的に解析する解析
演算手段とを備えていてもよい。
【0035】さらに第2の目的を達成するために、被検
者の心臓が発生する磁場を心磁図データとして測定する
心磁図測定手段と、この心磁図測定手段により測定され
た心磁図データの中の各心拍に応じたデータから前記電
気生理的現象の分布データを夫々推定的に解析し、この
解析した分布データを加算平均し、この加算平均された
分布データを表示する手段とを備えていてもよい。
【0036】この第2の発明によれば、MRI装置など
のモダリティによって心臓の形状、位置、及び大きさを
計測する必要が無くなり、そのようなモダリティによる
撮影に関わる時間及びコストを節約することができる。
また、体動を制限する必要が無いので、運動負荷心磁図
を容易に計測することができる。さらに、3次元デジタ
イザなどを用いた磁場センサの位置計測が不要になり、
全体の検査時間を短縮することができる。このため、負
荷中に心磁図計測をより多くの回数にわたって行うこと
ができる。
【0037】更に第3の目的を達成するため、本願の第
3の発明によれば、被検者の心臓内の電気生理的現象を
解析し提示する心内電気現象診断装置において、前記被
検者の体表に取り外し可能に取り付けるプローブと、こ
のプローブに一端側が結合された撓み性のあるひも状体
と、このひも状体の他端側を常時引っ張り状態に置き且
つその引き出されている長さを計測する長さ計測手段
と、この長さ計測手段の計測長さに基づき前記被検体の
体表の移動に伴う前記プローブの位置を演算する演算手
段とを備え、この演算手段の演算結果を前記解析に反映
させるようにしたことを特徴とする。
【0038】好適な態様として、前記プローブは、前記
体表上の所望の指標点に取り外し可能に取り付けるベー
ス部と、このベース部に着脱自在に嵌着され且つ前記ひ
も状体の一端側に結合されたキャップ部とを備える。
【0039】例えば、前記ひも状体は複数本のワイヤか
ら構成され、前記長さ計測手段は前記複数本のワイヤ夫
々の他端側を常時引っ張り状態に置き且つその引き出さ
れている長さを計測する複数個の長さ計から構成され、
この複数個の長さ計を前記被検者に対して設定した異な
る座標軸上の位置に固定される。一例として、3本のワ
イヤ及び3個の長さ計から成り、前記演算手段はその3
個の長さ計の計測結果に基づき前記プローブの3次元位
置を演算する手段とする構成である。
【0040】この第3の発明により、呼吸性体動や運動
負荷時の体動制限する必要が無くても、高精度な電気生
理的現象の推定を行うことができる。とくに、運動負荷
心磁図を容易に且つ精度良く計測することができる。ま
た、3次元デジタイザなどを用いた磁場センサの位置計
測が不要になり、全体の検査時間を短縮することができ
る。このため、負荷中に心磁図計測をより多くの回数に
わたって行うことができる。
【0041】さらに、本発明では、その別の態様とし
て、被検者の心臓の電気的活動に伴って発生する磁場又
は電位を体外又は体表でセンサを通して測定する手段
と、心臓の位置及び向きと磁場又は電位測定手段のセン
サとの位置・向きの関係、並びに心臓又は胴体の形状を
表現する特徴量を必要とする解析法を前記測定値に適用
して心臓内の電気生理的現象を解析し提示する手段とを
備えた心内電気現象診断装置において、前記特徴量の最
適値を前記測定値から推定する手段を備えたことを特徴
とする。
【0042】この場合、前記解析・提示手段は、前記測
定値の中の第1の測定値から前記特徴量と共に興奮到達
時刻分布と心筋電気活動量分布を解析する第1のステッ
プと、前記測定値の中の第2の測定値から、前記第1の
ステップで得た興奮到達時刻分布を参照して前記特徴量
と共に心筋電気活動量分布を解析する第2のステップと
を実行する手段である。例えば、前記第1又は第2の測
定値は、異なる測定条件における測定値の差である。ま
た例えば、前記解析・提示手段は、前記測定値から興奮
到達時刻分布を前記特徴量と共に解析する第1のステッ
プと、この第1のステップで得られた興奮到達時刻分布
を参照して心筋電気活動量分布を前記特徴量と共に解析
する第2のステップとを実行する手段であってもよ
い。。
【0043】さらに別の態様として、本発明の心内電気
現象診断装置は、第1の心磁図と第2の心磁図との差分
を演算して第3の心磁図を演算する差分心磁図演算手段
と、この差分心磁図演算手段により差分演算された第3
の心磁図から心内電気活動量を解析する解析手段とを備
えたことを特徴とする。この場合、前記解析手段は、前
記第3の心磁図から等価電流双極子の位置を求める手段
である。さらに、測定対象である被検者の胴体の動き状
態を検出する動き検出手段と、前記胴体の前記第1及び
第2の心磁図を測定する心磁図測定手段と、前記動き検
出手段の検出結果を参照して前記心磁図測定手段により
測定された第1及び第2の心磁図を加算平均する加算平
均手段とを備え、この加算平均された第1及び第2の心
磁図を前記差分心磁図演算手段に与えるようにしてもよ
い。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
心内電気現象診断装置を、添付図面を参照して説明す
る。なお、以下の実施形態やその変形形態にあっては、
心内電気現象診断装置の一例として、心磁界を体表外で
測定して心臓内の電気生理的現象を解析し表示する心磁
図計測装置を説明するが、以下に述べる手法は、心臓の
電気的活動に伴って発生する電位を体表で測定した測定
値から心臓内の電気生理的現象を解析し表示する装置に
も同様に適用できる。
【0045】<第1の実施の形態>第1の実施形態に係
る心磁図計測装置を図1〜図5に基づき説明する。
【0046】この心磁図計測装置は、測定した心磁図デ
ータから心室の位置を推定し、これにより、MRI装置
などのモダリティを用いた心室位置の測定を省くことが
でき、被検者の計測中の体動を抑制する手段をわざわざ
設けなくても済むという特徴を有する。
【0047】まず、心磁図計測装置の電気的な概略構成
から説明する。この装置は、図1に示す如く、磁気セン
サとしてのSQUID磁束計11、解析及び制御用のコ
ンピュータ装置12、心臓の画像を収集する画像収集装
置13、画像転送装置14、及び呼吸モニタ装置15を
備える。
【0048】SQUID磁束計11は、SQUIDセン
サ11a及び駆動回路11bを備え、高感度な磁気セン
サとしての、マルチチャンネルSQUID磁束計であ
る。このSQUID磁束計11は胸面上の数点での心臓
磁場波形をSQUIDセンサ11aで検出し、その波形
信号を駆動回路11b内の回路で増幅及びフィルタリン
グし、コンピュータ装置12に送る。
【0049】コンピュータ装置12は、その入力側に設
けた信号収集回路12aと、この回路12aに接続され
た演算処理装置12bと、この装置に接続された入力装
置12c、記憶装置12d、及び表示装置12eとを備
える。SQUID磁束計11から送られてきた波形信号
は、信号収集回路12aでA/D変換されてデジタルデ
ータになり、演算処理装置12bに取り込まれる。
【0050】画像収集装置13は、例えばMRI装置、
X線CT装置、超音波診断装置などの3次元画像データ
を収集できるモダリティの一つ又は複数の装置で構成さ
れる。このため、画像収集装置13は、被検者の心臓を
含む領域の複数枚の断層像データを収集することがで
き、これを画像転送装置14に送る。
【0051】画像転送装置14は、送られてきた被検者
の断層像データをコンピュータ装置12に転送する。こ
の画像転送装置14は好ましくは、ネットワークを経由
して又は記憶媒体により断層像データをコンピュータ装
置12に転送する構成を有する。つまり、前者の場合、
画像転送装置14はネットワーク通信装置として構成さ
れ、後者の場合、外部記憶装置として構成される。ま
た、必要に応じて、画像転送装置14は画像フォーマッ
トの変換や3次元画像データへの再構成を行うように構
成される。これらの変換や再構成の処理は、図示しない
CPUが図示しないメモリに記憶させたソフトウェアプ
ログラムを実行することによりなされる。
【0052】コンピュータ装置12は、心臓内の興奮伝
搬過程を解析するための解析演算の機能を有し、この機
能を前述した演算処理装置12b、記憶装置12c、入
力装置12c、及び表示装置12dで実現する構成を採
っている。演算処理装置12bは、図示しないCPUを
その主要回路として備え、記憶装置12cに格納した興
奮到達時刻及び活動電位振幅の解析プログラムや画像転
送・解析結果の表示などを実行するプログラムを読み出
して順次、処理するようになっている。
【0053】呼吸モニタ装置15は、被検者の胸部に取
り付けられる呼吸計測装置15aと、この装置15aを
制御する制御回路15bとを備える。呼吸計測装置15
aの概略構造の例を図2(a)〜(c)に例示する。こ
れらの構造はいずれも公知のものであり、呼吸状態を計
測することができるものであれば他の構造のものであっ
てもよい。
【0054】同図(a)の呼吸計測装置15aによれ
ば、被検者に空気バッグABとベルトBTが取りつけら
れ、空気バッグAB内の圧力が呼吸に応じて変化するよ
うに構成されている。この変化する圧力が圧力センサP
Sにより検出され、制御回路15bに送られる。また、
同図(b)の呼吸計測装置15aは、被検者に伸縮可能
なベルトBTを取りつけるもので、このベルトBTは例
えばゴムなどの伸縮可能素材に炭素粉末を混入させて構
成される。このため、ベルトBTが伸縮すると、その抵
抗値が変化するので、この抵抗値の変化を制御回路15
bにより検出することで呼吸状態を計測するようになっ
ている。このベルト構造に替えて、水銀を充填させたチ
ューブを用い、呼吸に伴うチューブ内の水銀の抵抗値変
化を検出する構造を採用してもよい。さらに、同図
(c)の呼吸計測装置15aは、ベッドBDに複数の圧
力センサPSを配設し、呼吸時の体動に因る圧力変化を
計測する構造を有している。
【0055】演算処理装置12bは、一例として、図3
に示す手順にしたがって興奮到達時刻及び活動電位振幅
の分布を推定解析する。
【0056】これを説明すると、演算処理装置12b
は、まず、SQUID磁束計11から供給された磁場波
形データ及び呼吸モニタ装置15から供給された呼吸信
号を信号収集回路12aを介して入力する(図3のステ
ップS1及び図4(a)参照)。呼吸信号は、ここで
は、被検者の動きを表す計測信号の一態様として扱われ
る。
【0057】この磁場波形データ及び呼吸信号は次いで
信号処理に付される(ステップS2)。この信号処理と
して、磁場波形データに対しては、雑音除去のためのフ
ィルタ処理、各種の補正演算などが実行され、心磁図の
QRS群及びT波が各心拍毎に抽出される(図4(b)
参照)。また、呼吸信号に対しては、抽出した各心拍の
心磁図波形と同じ時間帯の呼吸信号も同時に抽出され、
記憶装置12dに記憶される(図4(b)参照)。各心
拍に対応する磁場波形データ(心磁図データ)はB
Β,…,Βとして記憶装置12dに記憶される。Β
はk番目の心拍に対するサンプリング時刻毎の磁場分
布を縦に並べたベクトルを表す。また、対応する呼吸信
号の波形をf,f,…,fとして記憶装置12d
に記憶される。fはk番目の心拍に対する呼吸信号の
値をサンプリング時刻毎に縦に並べたベクトルを表す。
【0058】次いで、演算処理装置12bは画像転送装
置14から複数枚の断層像データを入力し、この画像デ
ータを用いて心室形状および心室位置・向きを測定し、
この測定結果から複数の6面体から成る心室形状モデル
を構築する(ステップS3,S4)。このようにして測
定し構築した心室形状モデルの模式図を図5(a),
(b)に示す。測定した心室の位置は3次元の座標
,y,zにより表現され、記憶装置12dに記
憶される。心室の向きはオイラーの角θ、φ、ψ
で表現され、同様に記憶装置12dに記憶される。
【0059】次いで、演算処理装置12bは、画像収集
装置13からの画像データから設定した心室の形状及び
位置、並びに、抽出した心磁図データに基づいて心室内
の興奮到達時刻分布及び活動電位振幅分布の解析を行な
う(ステップS5〜S12)。
【0060】興奮到達時刻分布および活動電位振幅分布
を解析するアルゴリズムとしては、例えば順ニュートン
法、共役勾配法、コンジュゲートディレクション法、シ
ミュレーテッドアニーリング法、遺伝的アルゴリズムな
ど各種の非線形最適化アルゴリズムを使用できる。
【0061】これらの典型的なアルゴリズムには興奮到
達時刻分布・活動電位振幅分布の初期値設定処理(ステ
ップS5)、心臓内電流源分布の計算処理(ステップS
6)、磁場計算処理(ステップS7)、誤差算出処理
(ステップS1O)、及び、興奮到達時刻分布・活動電
位振幅分布の変更処理(ステップS9)が含まれ、誤差
算出結果が最も小さくなるように反復される(ステップ
S8,S11)。これらの処理ステップそれぞれをどの
ような順序で実行するかは、個々の非線形最適化アルゴ
リズムにおいて周知であり、採用するアルゴリズムにし
たがってその順序が決められる。フローチャートには多
くのアルゴリズムに適用される順序を模式的に示してあ
る。以下に各ステップの典型的な処理内容を説明する。
【0062】ステップS5に係る興奮到達時刻分布・活
動電位振幅分布の初期値設定処理では、心内膜・外膜興
奮到達時刻の初期値及び活動電位振幅の初期値が設定さ
れる。心内膜・心外膜興奮到達時刻の初期値設定によ
り、図5の心室モデルの心内膜側、あるいは心外膜側の
全ての頂点に対して興奮到達時刻の初期値が設定され
る。これは予め定められた範囲内、例えばQRS開始時
刻を基準として0〜80msの間でランダムに決定して
もよいし、正常心臓の典型的な興奮開始時刻を設定して
もよい。活動電位振幅の場合も同様に心室モデルの心内
膜側、あるいは心外膜側の全ての頂点に対して心筋電気
活動量の初期値が設定される。その範囲は、ランダムで
もよく、あるいは正常の心筋電気活動量である約−90
mVを全ての頂点に与えてもよい。
【0063】ステップS6に係る心内電流源分布計算処
理では、心室モデルの各6面体内部の興奮到達時刻や活
動電位振幅を補間法により演算し、それら補間によって
求めた興奮到達時刻と活動電位振幅の値を用いてQRS
期間中のいくつかの時刻の興奮波面の形状と興奮波面上
の電流源分布が計算される。補間法としては、有限要素
法でよく用いられる,例えば(1)式のような補間多項
式を用いればよい。補間方法は興奮到達時刻分布を例に
説明するが、心筋電気活動量分布に対しても同様の方法
が取られる。
【0064】
【数1】
【外1】
【0065】
【数2】 ここで、σは導電率テンソル、Φは活動電位振幅、δ
(x)はx≠0では0;δ(0)=∞であり、∫δ
(x)dx=lとなる関数である。Ωeは対象とする6
面体の領域を表す。6面体内の電流ダイポールの位置
は、例えば6面体の重心位置であると仮定すればよい。
【0066】ステップS7における磁場計算処理では、
計算された多数の電流ダイポールの位置、向き、大きさ
と、MRI装置などの画像収集装置13による収集され
た画像データから測定・設定した心室位置及び向き
,y,z,θ,φ,ψとに基づき、胸面上に設
置された各磁場センサーで計測される磁場をQRS期間
中の各時刻毎に計算する。被検者の胴体の導電率分布を
無限一様媒質又は半無限平板と仮定してビオーサバール
の法則に基づいて計算してもよいし、同心球状導電率球
と仮定してサーバスの式を用いて計算してもよい。ある
いは、境界要素法や有限要素法を用いて心筋、血液、
肺、脂肪層、皮膚などの実形状を考慮して計算するよう
にしてもよい。このように、画像収集装置13が出力し
た画像データから求めた心室位置及び向きを用いて計算
した磁場波形をCとして記憶装置12dに記憶され
る。Cはある時刻毎の磁場分布をサンプル時刻毎に縦
に並べたベクトルである。同様に心室位置をx軸方向に
少しだけ(例えば1cm)移動したときの磁場波形をC
、y軸方向に移動したときの磁場分布をC、Z軸方
向に移動したときの磁場波形をC、θ方向に心室の角
度を少しだけ(例えば10度)回転したときの磁場波形
をCθ、φ方向に回転したときの磁場波形をCφ、ψ方
向に回転したときの磁場波形をCψとして記憶装置12
dに記憶される。
【0067】また、ステップS9の興奮到達時刻分布・
心筋電気活動量分布の変更処理では、心室モデルに設定
されている興奮到達時刻分布と心筋電気活動量分布が変
更される。具体的にどのように変更するかは各種非線形
最適化アルゴリズムにより異なる。
【0068】さらに、ステップS10の誤差算出処理で
は、ステップS7で計算した心磁図データとステップS
1,S2の処理を介して得た心磁図データとがどの位異
なるのかを表す誤差eが計算される。このとき、呼吸に
応じて心臓の位置や向きが変化することを考慮するた
め、k番目の心拍の磁場波形B(k=1,…,N)が
近似的に次の(3)式のように表されると仮定する。こ
れは、心臓(心室)の位置及び向きが呼吸信号の1次関
数で変化し、かつ、心臓の位置及び向きと磁場分布とが
線形関係にあるということを表している。
【0069】
【数3】 ここで、α,α,α,αθ,αφ,αψ,β
β,β,βθ,β φ,βψは上記の関数形を具体的
に決定する係数である。これらパラメータは、以降の演
算により、磁場の測定値から決定される。
【0070】上記(3)式を行列により表現すると、磁
場の測定値Βを縦に並べたベクトル
【数4】
【数5】 のように表される。
【0071】ただし
【数6】 である。このとき、測定した磁場波形Bとの2乗誤差を
最小にする磁場波形は
【数7】
【数8】 のように求められる。ここでΑはΑのムーア・ぺンロ
ーズ一般逆行列である。測定した磁場波形と心臓の動き
を考慮して計算した磁場波形の誤差の最小値は次の
(9)式により計算する。
【0072】
【数9】
【0073】上述したステップS6〜S1Oを、採用し
た非線形最適化アルゴリズムにしたがって反復的に実行
する(ステップS8,S11)。これにより、誤差eが
なるべく小さくなるような興奮到達時刻と活動電位振幅
の心室内の分布が求められる。
【0074】このようにして推定した興奮到達時刻およ
び活動電位振幅の分布データは表示装置12eに表示さ
れる(ステップSl2)。
【0075】なお、構成面における上記実施形態と本発
明との対応に関しては、呼吸モニタ装置15が本発明の
呼吸計測手段及び体動計測手段を成す。また、SQUI
D磁束計11、信号収集回路12、演算処理装置12
b、及び記憶装置12dが本発明の心磁図測定手段の要
部を形成する。さらに、演算処理装置12b及び記憶装
置12dが本発明の特徴量推定手段及び解析演算手段を
機能的に構成する。
【0076】(効果…その1)このように、本実施形態
の推定解析によれば、測定した呼吸信号と心臓の位置及
び向きとの関係が予め定義付けられた状態で解析が行わ
れるという効果がある。この効果を、従来法と対比させ
ながら説明する。
【0077】心内電気現象をより正確に解析するには、
心室(心臓)モデルの位置及び向きは、解析に用いる心
磁図を計測したときの心臓の位置及び向きと一致してい
ることが望ましい。しかし、心臓の位置及び向きは被検
者の呼吸に応じて大きく動くことが知られている。この
ため、従来のように呼吸に因る心臓の動きを何ら考慮せ
ず、心磁図波形を無作為に抽出して解析を行うと、MR
I装置などの画像収集装置で断層像を撮影したときの呼
吸相(呼吸の位相)と心磁図を計測したときの呼吸相と
が異なってしまうという状態が頻発する。そのような状
態が発生すると、心臓モデルの位置及び向きと心磁図を
計測したときの心臓の位置及び向きとが異なるので、正
確な解析を行うことができなかった。
【0078】これに対し、本実施形態の解析によれば、
計測した呼吸信号と心臓モデルの位置及び向きとの関係
が予め定められた関数形を採るとして、呼吸に因る心臓
の動きを組み込んだ状態で解析される。つまり、呼吸に
因る心臓の位置及び向きの変化が考慮されて解析され
る。加えて、かかる関数に含まれるパラメータは、測定
磁場分布データから決定するように解析演算が実行され
るので、具体的な関数形を予め知る必要が無く、呼吸信
号に沿って心臓がどの位置及び向きに移動するかは測定
磁場分布から決定される。したがって、MRI装置など
で断層像を撮影したときと解析に用いる心磁図を測定し
たときとで、心臓の位置及び向きが呼吸相の違い等に因
り異なっている場合であっても、常に安定且つ高精度で
興奮到達時刻分布や活動電位振幅分布などの心内電気現
象に関わる量を解析することができる。
【0079】(効果…その2)また、本実施形態の推定
解析の処理における別の効果は、呼吸信号と心臓の位置
及び向きの関係とを表す関数に含まれる少なくとも1個
のパラメータを、測定した磁場分布データから決定する
ことである。心臓内の電気現象の分布を推定する従来法
の場合、通常、SQUIDセンサに対する心室位置や向
きを前もって知っている必要がある。これに対し、本実
施形態によれば、心室位置は、測定した心磁図パターン
と逆問題モデルに基づいて算出した心磁図パターンの残
差が小さくなるように定められる。これにより、心室の
位置や向きが予め分かっていなくても推定できる。した
がって、MRI装置によるそれらの測定が不要になり、
検査コストおよび検査時間が低減される。
【0080】なお、上記パラメータの決定を、本実施形
態では線形最小2乗法により行う例を説明したが、本発
明は必ずしもこれに限るものではない。例えば、非線形
最適化アルゴリズムにより反復的に行って、かかるパラ
メータを決めるようにしてもよい。
【0081】(効果…その3)また、本実施形態によれ
ば、前述したように、呼吸に拠る心臓の位置変化が考慮
されて推定解析が行われるので、運動負荷時などに見ら
れるように、呼吸に拠る心臓の動きが大きい場合でもそ
のことに起因した解析精度の低下を防止できる。したが
って、運動負荷時の心磁図データも高精度に解析でき、
虚血性心疾患などに対する高い診断精度を確保できる。
さらに、運動負荷時に体動抑制するように指令しなけれ
ばならないといった、被検者にとって殆ど無理な注文を
出さなくて済むので、検査が受け易く、また行い易くな
る。
【0082】(効果…その4)さらに、本実施形態にお
ける別の効果を説明する。実用新案登録第252739
5号には、呼吸検出装置を備え、この装置により検出さ
れた呼吸周期の内の所定位相に対応する心磁図データの
みを取り出して加算するSQUID磁束計が記載されて
いる。この技術と特願平9−135627号に記載の、
MRI装置などの画像から自動的に心臓モデルを構築す
る手法とを組み合わせ、同一の呼吸相に同期させて加算
平均した心磁図を用いて興奮到達時刻分布や活動電位振
幅分布などを解析すれば、特定の呼吸相に対応する心磁
図を得ることができると考えられる。一方、MR撮影を
行うときに、心磁図と同一の呼吸相となるように息止め
或いは呼吸同期で撮影を行う。例えば、MR撮影時には
軽く息を吸った時点で息止めして撮影し、心磁図を抽出
するときに、最大吸気付近の心磁図データを加算平均す
る。このような手法を採用すれば、心磁図に対応する呼
吸位相とMR撮影時の呼吸位相を大体、一致させること
ができると考えられる。
【0083】しかしながら、この手法の場合、MR撮影
時の呼吸深さは患者に対するオペレータの主観的な指示
に基づくものである。このため、心磁図の加算時に用い
る呼吸モニタも吸気量を定量的に計測する要素たり得な
いことから、呼吸の深さを完全に同一にすることができ
ず、心臓の位置や向きのずれに拠る解析精度の劣化を完
全に取り除くことはおよそ不可能であった。
【0084】また、呼吸の同一位相のみの心磁図波形を
加算平均する手法であるため、特定の呼吸位相の心磁図
を計測するために、例えば100回の加算平均を実行す
るためには少なくとも100回以上の呼吸に対応する期
間の心磁図を計測する必要がある。この期間は100心
拍分の時間よりも常に相当に長いことから、計測時間が
長期化してしまうという状況を招来していた。
【0085】これに対して、本実施形態によれば、前述
したように、呼吸に因る心臓の位置及び向きの変化が考
慮されて解析されるので、常に安定且つ高精度で興奮到
達時刻分布や活動電位振幅分布などの心内電気現象に関
わる量を解析することができる。また、上述した計測時
間の長期化については、例えば100心拍分の心磁図デ
ータを使って加算平均を行う場合、100心拍分きっか
りの心磁図データと呼吸信号を計測するのみでよい。し
たがって、計測に要する時間を大幅に短縮することがで
き、100回の加算平均を行う従来法と同等な解析精度
の改善効果を得ることができる。
【0086】なお、本実施形態では、呼吸信号と心臓の
位置及び向きとの関係は1次関数で表されると仮定した
が、本発明はこれに限るものではない。例えば呼吸信号
の非線形関数値と心臓の位置及び向きの関係が1次関数
で表されると仮定してもよいし、1次関数の代わりに2
次関数やスプライン関数など、他の多項式で近似するよ
うにしてもよい。
【0087】また、上述した実施形態では、呼吸に対応
して変化するのは心臓の位置及び向きのみであるとし、
心臓の位置及び向きの表現法として3次元座標による位
置及びオイラー角を用いたが、本発明は必ずしもこれに
限るものではない。例えば、呼吸に応じて変化する変数
として、心臓の位置及び向きのほか、例えば心室の長軸
長さなど、心臓の形状を表現できる特徴量が含まれてい
てもよいし、心臓の位置、向き及び大きさを表現するの
に、3次元空間の座標変換行列である4×4のアフィン
変換行列の各要素の値を用いてもよい。
【0088】<第1の実施形態の変形例(1)>この変
形例は、磁場分布のコンターマップ上で残差が最小にな
るように心室位置をフィッティングする手法である。
【0089】前述した第1の実施形態では、呼吸に伴っ
て動ぐ心臓の位置ずれを考慮して推定を行っているが、
この心臓の動きを無視した、簡略化した推定を行うこと
ができる。
【0090】
【外2】
【0091】なお、前記第1の実施形態では複数の心拍
の測定データを測定値として用いているが、この簡略化
した推定を行うに際して、運動負荷中など、体動が特に
大きい場合、1心拍のみをデータとして推定し、推定結
果の分布を心拍毎に加算平均することが望ましい。
【0092】<応用例>本実施形態の応用例を説明す
る。この応用例は、安静時及び負荷時に心磁図を計測し
て夫々の心磁図データを解析し、両者の差を比較するこ
とで心筋虚血などの異常を検出する手法への応用に関す
る。なお、この応用例における計測、処理及び解析は、
SQUID磁束計11、コンピュータ装置12、画像収
集装置13、画像転送装置14などの装置を中心にして
実行される。
【0093】具体的には、安静時の心磁図から心室位置
(逆にとればセンサ位置)と共に、興奮到達時刻分布と
心筋電気活動量分布を解析し、負荷時の心磁図からは、
安静時に得られた興奮到達時刻分布を与えて(興奮到達
時刻がその周辺であるとして)心室位置と共に心筋電気
活動量分布を解析し、安静時及び負荷時に得られた心筋
電気活動量分布の差を求める手法である。これはまた、
効果的には、負荷時と安静時の差の心磁図から、安静時
に得られた興奮到達時刻分布を与えて(興奮到達時刻が
その周辺であるとして)心室位置と心筋電気活動量の変
化分を求めることと等価でもある。
【0094】安静時及び負荷時において正確にセンサ位
置を合わせることは困難であるが、この応用例のよう
に、本実施形態を利用することで、安静時及び負荷時共
に、各々に対応するセンサ位置を求めることが可能にな
る。したがって、安静時と負荷時とでセンサ位置を完全
に同一にしなくても済み、この状態で心筋虚血などの異
常を検出することができる。
【0095】また、他の応用例として、計測した心磁図
から一度、興奮到達時刻分布を心室位置(又はセンサ位
置)と共に解析し、これにより得られた興奮到達時刻分
布を与えて(興奮到達時刻がその周辺であるとして)、
同一の心磁図から心筋電気活動量分布を心室位置(セン
サ位置)と共に解析する手法がある。この手法に従え
ば、センサの位置を正確に測定することなく、心筋梗塞
のように正常時との比較が不可能な症例においても、心
筋電気活動量の異常を検出できるとともに、2つのステ
ップに分けて解析しているので、興奮到達時刻分布、心
筋電気活動量分布、及び心室位置を全て一度に解析する
場合に比べて、より高精度に解析できるという効果が得
られる。
【0096】なお、前述の呼吸信号fの代わりに、後述
する第2の実施形態で説明する如く、体位の変化を連続
して計測したデータを用いることができる。これによ
り、演算処理装置12bは、呼吸も含めた体動に因る位
置ずれの補正を容易に行うことができ、運動負荷心磁図
からの虚血性心疾患の精度向上に大いなる効果を発揮で
きる。
【0097】<第1の実施形態の変形例(2)>この変
形例は、図6にその概念を説明する如く、心室の水平方
向の位置だけフィッティングにより求め、深さ方向の位
置は固定することで簡略化した心室位置演算法を提供す
るものである。
【0098】
【外3】
【0099】心臓とSQUIDセンサとの間の距離に因
る磁場パターンの変化は比較的小さいため、パターンの
差から心室の深さ位置を推定しても、その推定精度は低
い。逆に言えば、深さ方向の心室位置を固定にした場合
でも、逆問題の推定精度はさほど劣化しない。従って、
本変形例のように構成することで、推定の演算を簡単化
でき且つ逆問題の推定精度を更に向上させることができ
る。
【0100】なお、上述の実施形態及び変形例では、興
奮到達時刻と活動電位振幅の心室内の分布を解析する例
を説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、
心臓内の電気生理的現象を解析するアルゴリズムに広く
適用される。
【0101】また、上述した実施形態及び変形例で用い
ている呼吸モニタ装置は、被検者の胴体の動き(体動)
を経時的且つ連続的に計測することを意図したものであ
る。この胴体の動きは、呼吸のみによって発生するとは
限らず、運動負荷などに伴って胴体そのものが移動する
こともある。したがって、この胴体の動きを計測又は検
出する機構としては、上述した呼吸モニタ装置に限られ
ることなく、一例として、後述する第2の実施形態(図
7〜9)に記載の胴体位置計測装置(体動計測手段)を
用いることもできる。
【0102】<第2の実施の形態>次に、本発明に係る
第2の実施形態を図7〜図9に基づき説明する。なお、
ここで第1の実施形態で説明したものと同一又は同等の
構成要素には同一符号を付してその説明を省略又は簡略
化する。
【0103】この実施形態の心磁図計測装置は被検者の
胴体の動きを検出する新規の機構に特徴を有する。具体
的には、この計測装置は、図7に示す如く、前述した呼
吸モニタ装置に代えて、被検者の胴体の動きを連続的に
計測する胴体位置計測装置21を備える。その他の要素
は第1の実施形態のものと同様に構成されている。
【0104】胴体位置計測装置21は、被検者の体表に
付着させるプローブ22と、このプローブ22に撓み性
のある紐23A〜23C(ひも状体)を夫々介して連結
させた3個の長さ計24A〜24C(長さ計測手段)
と、この長さ計24A〜24Cに電気的に接続された3
次元位置演算器25(演算手段)とを備える。この3次
元位置演算器25は、前述したコンピュータ装置12の
信号収集回路12aに接続され、かかる演算値が信号収
集回路12aを介して演算処理装置12bに取り込まれ
る。
【0105】プローブ22は被検者の胴体上の指標点に
取り付けられる。つまり、プローブ22は、図8に示す
如く、体表P上の所望の指標点に粘着テープATを介し
て取り外し自在に貼り付けるベース部22Aと、このベ
ース部22Aに着脱自在に取り付けられるキャップ部2
2Bとを備える。ベース部22Aは適宜な形状に形成さ
れ、その上面に突起22Aaが形成されている。
【0106】キャップ部22Bは例えば軟質プラスチッ
ク材で形成され、その内側に突起22Aaを圧入可能で
且つ圧入後は適宜なマージンを持った凹みを有してい
る。このため、ベース部22Aを指標点に取りつけた
後、その突起22Aaにキャップ部22Bを着脱自在に
被せることができる。キャップ部22Bをベース部22
Aに取りつけた後では、キャップ部22Bがベース部2
2Aに対して、一定範囲で3次元的に自由に回転可能に
なっている。
【0107】キャップ部22Bには3本の紐23A〜2
3Cの各一端が取リ付けられるととも、それらの紐のも
う一方の端部は3台の長さ計24A〜24Cに夫々巻き
取られている。したがって、被検者の胴体の位置が移動
すると、プローブ22の位置もこれに伴って移動する。
この移動情報は紐紐23A〜23Cを介して長さ計24
A〜24Cに伝達される。
【0108】長さ計24A〜24Cの夫々は従来周知の
巻き取り式長さゲージとして構成されている。つまり、
各長さ計24A(〜24C)ではロータに紐23A(〜
23C)が巻かれ、ロータに結合したコイル式ばねによ
り紐が巻き取られる。紐を引っ張り出したときには、引
っ張り出した長さの分だけプーリが回転し、その回転角
度がロータリーエンコーダで計測され、その回転角度は
引っ張り出した長さに変換される。この長さ信号は前述
したように3次元位置演算器25に送られる。
【0109】このように、1つのプローブ22に対して
3個の巻き取り式の長さ計24A〜24Cが用意され、
心磁図計測装置のセンサ部又は寝台に取り付けられる。
図9には、長さ計24A〜24Cを寝台に取り付けた例
を示す。寝台Bには、寝台側部から上方に延び、その途
中でL字状に横方向に延びる防護用ガイド26が取りつ
けられている。つまり、この防護用ガイド26は寝台上
に横になった被検者の胸部をその横から上面にかけて覆
うことになる。この防護用ガイド26にはX軸〜Z軸の
3方向夫々における被検者胴体の移動成分を検出可能な
適宜な水平方向及び高さ方向の位置が決められ、これら
の3位置に長さ計24A〜24Cが各別に取り付けられ
る。
【0110】3次元位置演算器25は、長さ計24A〜
24Cから送られてくる各軸方向の移動長さ情報を用い
て胴体の指標点の3次元位置を演算する。演算された3
次元位置の情報は同時に計測している心磁図信号と同時
にコンピュータ装置12に取り込まれ、逐一、記録され
る。この記録結果は、演算処理装置12bにより実行さ
れる心内電気現象の推定解析時に参照される。
【0111】以上の構成において、胴体位置計測装置2
1は、本発明の動き検出手段の一部を成す胴体位置計測
手段を成す。また、演算処理装置12b及び記憶装置1
2dは、第1の実施形態で実現する機能的手段に加え、
本発明の補正手段の要部をも機能的に構成する。
【0112】このように本実施形態に拠る心磁図計測装
置は、被検者の胴体の位置変化を連続的に測定しながら
心磁図を計測することができる。したがって、被検者の
計測中の体動を抑制する手段をわざわざ設けなくても済
むという特徴を有する。
【0113】この特徴は、この心磁図計測装置を用いて
運動負荷試験を行う場合に特に有利に作用する。運動負
荷試験を行う場合、安静時、低容量負荷時、高容量負荷
時に分けて心磁図データを計測するが、従来のように負
荷ステージ毎に3次元デジタイザで位置計測を行った
り、負荷時に体位変化を抑えるよう患者に要請するとい
ったことも不要になる。プローブ22が被検者胴体の3
次元位置を常に連続的に計測しているから、その体位変
化を連続的に監視できる。この位置変化に基づいた適宜
なデータ処理により高精度な画像化が可能なる。これと
ともに、被検者にその動きを禁止してもらう必要も無く
なるので、被検者及びオペレータ双方にとって、より容
易化された負荷試験が可能なる。さらに、負荷ステージ
毎に位置計測を行うことも不要になるから、全体の試験
時間も短縮される。
【0114】また、プローブ22が容易に脱着可能であ
るので、運動負荷中に数回のステップに分けて心磁図を
計測する途中で、位置計測を中断する必要がある場合で
も、再現性良くかつ手間を掛けること無く位置計測を再
開できる。
【0115】また、本実施形態では、長さ計を支持する
のに、被検者を防護するガイドを兼用できるので、支持
体を別途装備する必要は無く、構造の複雑化も回避でき
る。
【0116】なお、プローブは図10に示す如く、体表
に吸着させる吸盤22xを用いた吸盤式のプローブ22
であってもよい。
【0117】ここで、被検者の胴体の胸面上にSQUI
Dセンサ11aを配置するときの位置合わせ法を図11
〜15に基づき説明する。
【0118】SQUIDセンサ11aは、被検者胴体の
特徴点に手動で位置合せする。特徴点としては、図11
に示す如く、胸骨丙中央窪みや剣状突起が好適である。
【0119】これらの特徴点にSQUIDセンサ11a
の筐体27を位置合わせするために、図12、13に示
す如く、その筐体の寝台長手方向の側面2箇所に位置合
わせ治具28,28が取り付けられている。各位置合わ
せ治具28は、図14に例示する如く、筐体27に固定
された目盛28aと、この目盛28aに対して可動のス
ライダ28bとを備える。スライダ28bはその長手方
向が上下方向に向けて圧接ばね28c、コイルばね28
d、ストッパ28eを備えて形成される。スライダ28
bには目盛用マークMが付けられている。
【0120】これにより、2つの位置合わせ治具28、
28の内、一方の治具のスライダ先端が頭側の特徴点で
ある胸骨柄中央窪みを指し、且つもう一方の治具のスラ
イダ先端が下肢側の特徴点である剣状突起の付近を指す
ように筐体27、すなわちSQUIDセンサ11aを位
置合わせする。スライダ28bはばねで押し上げられて
いるので、必要なときにこれを手動で押し下げる。これ
に応じてスライダ28bが下方に滑動し、その滑動量を
目盛28aで読み取ることで、SQUIDセンサ11a
の体表からの距離を測定することができる。また、この
スライダは所定長さ以上には下方に突出しないように調
整されている。
【0121】なお、この位置合わせ治具28に代えて、
図15に示す如く、レーザ距離計29を用いてもよい。
このレーザ距離計29は、その下端から下方に向けてレ
ーザビームを発射し、その反射光を用いて体表との距離
を測定し、その測定結果を距離表示部29aに表示す
る。レーザビームを前述した胸面上の特徴点に位置合わ
せすれば、前述した位置合わせ治具と同等の機能を得
る。
【0122】<第3の実施の形態>次に、本発明の第3
の実施形態を図16〜20に基づき説明する。
【0123】この実施形態は、心磁図データを計測して
いるときに、運動負荷を与えるなどして、被検者の体位
が変化することがあっても、この体位変化の影響を計測
後のデータ処理によって排除又は抑制するようにしたこ
とに特徴を有する。このデータ処理は、例えば演算処理
装置12bで実行される。
【0124】かかるデータ処理は、被検者の胴体位置を
連続的に計測したデータを参照して心磁図データを加算
平均する手法を採る。すなわち、胴体の位置が動いてい
ても波形が歪むことなく加算平均される。この手法の具
体例としては以下の実施例(1)〜(3)のように様々
なものがあり、計測目的などに応じて使い分けられる。
【0125】いま、一例として、前述の第2の実施形態
で説明した胴体位置計測装置21によって、心磁図の計
測中に胴体上の位置(複数でも良い)が時系列的に連続
計測されているものとする。
【0126】
【外4】
【0127】一例として、これらの記号を用いると、単
純な加算平均波形a(τ)は次のように表される。
【0128】
【数10】
【0129】基準時刻tを求めるには、いくつかの方
法が知られている。例えば、心磁図波形b(t)のピ
ークを検索し、その前後の区間にわたってその微分波形
を計算し、微分波形が値0になる時刻を基準時刻t
することで求められる。
【0130】上述の加算平均は、本実施形態では、
(1)位置ずれの大きい心磁図データを破棄する方法、
(2)水平方向の動きがある場合、心磁図データを並行
移動して加算する方法、及び、(3)直交方向の動きも
補正して加算する方法の3通りの実施例で演算できる。
【0131】まず、最初の「(1)位置ずれの大きい心
磁図データを破棄する方法」の実施例を説明する。この
実施例の概念を図16に示す。
【0132】この実施例の場合、j番目の心拍におけ
る、基準位置ずれ量に対する胴体の位置ずれ量をd
したとき、位置ずれ量がd<dとなる心拍の心磁図
データのみを加算平均する。ここで、dは位置ずれが
大きいか否かを判定するための基準量である。反対に、
≧dとなる他の心磁図データは、位置ずれが大き
過ぎて加算平均された心磁図波形を乱すとして加算平均
に使用しない(破棄する)。本態様による加算平均波形
は次式で表される。
【0133】
【数11】 ここで、Mはd<dとなる心拍の数を表す。
【0134】胴体の位置ずれ量は次のように求められ
る。
【0135】
【数12】
【外5】
【0136】
【数13】 続いて、「(2)水平方向の動きがある場合、心磁図デ
ータを並行移動して加算する方法」の実施例を説明す
る。この実施例は概念的には図17のように表される。
【0137】本実施例では、水平方向の動きがある場
合、心磁図を平行移動して動きを補正し、その後で加算
平均する。時刻tにおける胴体の位置ずれが
【数14】 のように表されると仮定する。行列Tは下記の連立方程
【数15】 の最小2乗解を求めることで決定される。
【0138】
【外6】
【数16】 となる。
【0139】補間関数は以下の式を満足する関数であ
る。
【0140】
【数17】
【0141】
【外7】
【数18】 となる。したがって、加算平均波形は以下のように求め
る。
【0142】
【数19】
【0143】この加算平均の基底関数として、磁場セン
サの配置面に対して直交する方向には変化しない関数が
採用される。これにより、磁場センサに平行な方向の胴
体の動きは補正されるが、それに直交する方向の動きは
補正されず、そのまま加算平均される。したがって、本
実施例により、水平方向の動きのみを補正して加算平均
することができる。
【0144】なお、この変形例として、磁場センサを一
定の曲面上のみに配置するセンサ構造とする代わりに、
一定曲面からずれた位置にも配置し、配置面に直交する
方向に変化する関数を基底関数として採用することがで
きる。これにより、配置面に直交する方向における胴体
の動きも補正することができる。例えば、図18に示す
如く、2段に配置したセンサ構造を利用する場合の基底
関数の例を図19(a)又は(b)に示す。図19では
補間方法として線形補間を利用する場合を例にとってい
るが、より高次の多項式補間やスプライン補間など他の
補間方法を用いる場合でも補間関数が異なるだけであ
り、同じ方法を用いることができる。
【0145】さらに、「(3)直交方向の動きも補正し
て加算する方法」の実施例を説明する。この実施例は概
念的には図20に示す如く表される。
【0146】この実施例は、上述の実施例(2)を更に
変形したもので、センサの配置面に直交する方向の胴体
の動きをより正確に補正することができるという特徴が
ある。
【0147】以下では、複数のSQUIDセンサが一定
の曲面上のみに配置されている場合を例にとって説明す
るが、そうでない場合にも容易に変形して適用すること
ができる。
【0148】本実施例で採用する補間式には、センサ配
置面に対する直交方向の変化を考慮する項が追加され
る。すなわち、
【数20】
【外8】
【0149】
【数21】
【外9】
【0150】
【数22】
【0151】なお、上述した構成と本発明の構成との対
応については、演算処理装置12b及び記憶装置12d
が本発明の加算平均手段及び解析手段を機能的に実現し
ている。また、演算処理装置12b及び記憶装置12d
が本発明に係る基準量演算手段、位置ずれ量演算手段、
及び弁別手段を機能的に実現している。さらに、胴体位
置計測装置21(図7参照)、信号収集回路12b、演
算処理装置12b及び記憶装置12dによって本発明の
動き検出手段が構成される。
【0152】上述した如く、図7に示す演算処理装置1
2bは実施例(1)〜(3)を択一的に又は適宜に組み
合わせて実行することにより、被検者が呼吸や運動負荷
などに因りその胴体を動かした場合でも、心磁図データ
の加算平均を行うことができ、S/Nの高い心磁図デー
タを得ることができる。とくに、負荷心電図を測定する
ときに、かかるS/N向上の効果が顕著である。また、
被検者は「動かないようにする」という心理的負担から
開放され、検査を受け易くなる。
【0153】<応用例>次に、この第3の実施形態の構
成を応用した心筋虚血の診断法を説明する。図21は、
この応用例において、SQUID磁束計11、コンピュ
ータ装置12、画像収集装置13、画像転送装置14な
どの装置を中心にして実行される処理の流れを概念的示
す。
【0154】この応用例では、図21に示す如く、ま
ず、第3の実施形態で説明した手法を利用して安静時の
加算平均された心磁図(MCG)が計測される。さら
に、薬剤負荷又は運動負荷を実施した状態において負荷
時の加算平均された心磁図(MCG)が計測される。次
いで、これら計測した心磁図の差が演算される。
【0155】この心磁図の差は、薬剤又は運動負荷に因
る心筋の電気的活動の変化により発生する量に相当し、
主に、薬剤又は運動負荷に因って誘発された心筋虚血に
因る変化分を反映している。したがって、この差の心磁
図そのものを表示することで、心筋虚血の診断が可能に
なる(又は、そのような診断に必要な情報を与えること
ができる)。また、この差の心磁図に基づいて心筋内の
電気的活動を解析すれば、心筋虚血に伴う電気的活動の
変化を調べることができる。この解析手段としては、心
筋電気活動量の分布を求めるための心内電気現象の解析
手段でもよく、さらには、従来周知の等価電流双極子法
を用いてもよい。
【0156】この応用例によれば、第3の実施形態に記
載された加算平均法を用いて安静時及び負荷時の加算平
均心磁図を計測するので、安静時と負荷時とにおいて正
確に体位を一致させる必要は無く、高精度にこれらの差
を計算することができる。このため、これらの差の心磁
図から虚血に伴う心筋電気活動量の変化を高精度に解析
することができ、虚血性心疾患の診断をより容易に且つ
より高精度に実施可能にするという優れた効果を発揮す
る。
【0157】なお、上記第1〜第3の実施形態は適宜に
組み合わせて実行するようにしてもよい。その場合、被
検者の胴体の動きを計測する手段は、呼吸モニタ装置及
び胴体位置計測装置の何れか一方または両方を用いても
よい。
【0158】この実施形態の組み合わせの形態例とし
て、第2の実施形態(胴体位置の連続的計測)を、第1
の実施形態(心臓の位置を心磁図のパターンから計測す
ることによって胴体及び心臓の位置を特別な手段を用い
て計測する必要の無い心磁界解析法)、又は、第3の実
施形態(胴体の動きを補正することによって胴体の動き
があってもよい加算平均法)に組み合わせる例が挙げら
れる。これにより、運動負荷心磁図による高精度な解析
・診断を行うことができる。
【0159】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、第1
に、被検者に呼吸に因る動きがある場合でも、心磁図の
加算平均が可能になり、S/Nの高いデータを計測する
ことができる。さらに、負荷心磁図のS/Nを向上させ
ることができる。
【0160】第2に、MRI等による心室位置の計測が
不要になる。また、心内電気現象を測定しているとき
に、被検者の胴体の動きを制限する必要が無い。従っ
て、運動負荷時の心磁図を途中、長時間休止すること無
く計測可能になり、運動負荷中における心臓内の電気現
象の分布を高精度に画像化でき、虚血性心疾患などの疾
患に対する高精度な検査が実現できる。
【0161】第3に、胴体位置計測手段のプローブが指
し示す3次元位置を計測することにより、被検者の体位
を連続的に計測することができる。このため、運動負荷
中に数回のステップに分けて心磁図を計測する場合、プ
ローブが容易に脱着可能なので、途中で位置計測を中断
した場合でも、再現性良くかつ手間を掛けること無く位
置計測を再開できる。さらに、この計測結果を心内電気
現象の解析に反映させることで、被検者は体動を抑制す
る必要が無くなり、被検者は楽な姿勢で測定を受けるこ
とがでるから、とくに、運動負荷心磁図を容易に測定す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る心磁図計測装置
の構成を示す概略ブロック図。
【図2】図2(a)〜(c)は心磁図計測装置に用いた
呼吸モニタ装置の概要を各々説明する説明図。
【図3】心磁図計測装置の演算処理装置で実施される興
奮到達時刻分布及び活動電位振幅分布の解析手順の概略
を示すフローチャート。
【図4】心磁図波形と呼吸信号、及び、それらの心拍毎
の抽出を説明する図。
【図5】心室形状モデルの一例を示すモデル図。
【図6】第1の実施形態の変形例における心室位置の推
定法を説明する概念図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る心磁図計測装置
の構成を示す概略ブロック図。
【図8】この心磁図計測装置に搭載した胴体位置計測装
置のプローブの概略構造を示す説明図。
【図9】プローブの寝台への取りつけを説明する説明
図。
【図10】プローブの別の例を説明する図。
【図11】SQUIDセンサの位置合わせに用いる胸面
上の特徴点の例を示す図。
【図12】SQUIDセンサの位置合わせ治具の配置位
置を説明する図。
【図13】SQUIDセンサの位置合わせ治具の配置状
況を説明する図。
【図14】位置合わせ治具の構造を示す概略説明図。
【図15】位置合わせ治具の別の例を示す図。
【図16】本発明の第3の実施形態における第1の実施
例に係る加算平均処理を説明する概念図。
【図17】本発明の第3の実施形態における第2の実施
例に係る加算平均処理を説明する概念図。
【図18】第2の実施例の変形例を示すセンサ配置図。
【図19】図18の変形例に適用可能は基底関数の例を
示す図。
【図20】本発明の第3の実施形態における第3の実施
例に係る加算平均処理を説明する概念図。
【図21】第3の実施形態の応用例における処理の流れ
を示す概念図。
【符号の説明】
11 SQUID磁束計 11a SQUIDセンサ 12 コンピュータ装置 12a 信号収集回路 12b 演算処理装置 12d 記憶装置 13 画像収集装置 14 画像転送装置 15 呼吸モニタ装置 21 胴体位置計測装置 22 プローブ 24A〜24C 長さ計 25 3次元位置演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相田 聡 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AC01 AD32 BA15 BA18 4C027 AA00 AA02 AA10 CC01 FF01 FF03 GG00 GG13 HH13 JJ00 KK03 KK05

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象である被検者の胴体の動き状態
    を検出する動き検出手段と、前記胴体の心磁図データを
    測定する心磁図測定手段と、前記動き検出手段の検出結
    果を参照して前記心磁図測定手段により測定された心磁
    図データを加算平均する加算平均手段と、この加算平均
    手段により加算平均された心磁図データを表示する表示
    手段とを備えたことを特徴とする心内電気現象診断装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の診断装置において、 前記動き検出手段は、前記胴体の位置データを経時的に
    連続して計測する胴体位置計測手段と、前記位置データ
    に基づき前記胴体の位置ずれの基準量を演算する基準量
    演算手段と、前記位置データに基づき前記胴体の位置ず
    れ量を演算する位置ずれ量演算手段と、前記位置ずれ量
    と前記基準量とを比較して前記加算平均手段による加算
    平均に処する前記心磁図データを弁別する弁別手段とを
    備えた心内電気現象診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の診断装置において、 前記基準量演算手段は、前記心磁図データから各心拍に
    ついて基準時刻を定め、この基準時刻における前記基準
    量を演算する手段である心内電気現象診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の診断装置において、 前記動き検出手段は、前記胴体の位置データを経時的に
    連続して計測する胴体位置計測手段を備え、この胴体位
    置計測手段により計測された位置データから胴体の動き
    状態を検出する心内電気現象診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は4に記載の診断装置におい
    て、 前記胴体位置計測手段は、前記胴体上に定めた標識点の
    位置を検出する位置センサを有する心内電気現象診断装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の診断装置において、 前記動き検出手段の検出結果を参照して前記心磁図測定
    手段により測定された心磁図データを補正する補正手段
    を有し、前記加算平均手段は、この補正手段より補正さ
    れた心磁図データを加算平均するようにした心内電気現
    象診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の診断装置において、 前記心磁図測定手段は、前記心磁図データを検知する磁
    場センサを有し、 前記補正手段は、前記心磁図データの内、前記磁場セン
    サの配置面に並行な方向の胴体移動に対応する成分を補
    正する手段である心内電気現象診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の診断装置において、 前記心磁図測定手段は、前記心磁図データを検知する磁
    場センサであって、前記胴体の胸面に概ね沿った形状の
    面に配置されたセンサと当該配置面からずれた位置に配
    置した別のセンサとを有し、 前記補正手段は、前記心磁図データの内、前記配置面に
    ほぼ直交する方向の胴体移動に対応する成分を補正する
    手段である心内電気現象診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の診断装置において、 前記加算平均手段により加算平均された心磁図データに
    基づき心臓内電気現象を解析する解析手段を備えたこと
    を特徴とする心内電気現象診断装置。
  10. 【請求項10】 被検者の心臓の電気的活動に伴って発
    生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを通して測
    定する手段と、心臓の位置及び向きと磁場又は電位測定
    手段のセンサとの位置関係、並びに心臓又は胴体の形状
    を表現する特徴量を必要とする解析法を前記測定値に適
    用して心臓内の電気生理的現象を解析し提示する手段と
    を備えた心内電気現象診断装置において、 前記被検者の呼吸を表す信号を計測する呼吸計測手段
    と、前記特徴量が前記呼吸信号に応じて予め定められた
    関数形で変化すると仮定して当該特徴量を推定する特徴
    量推定手段とを備えたことを特徴とする心内電気現象診
    断装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量推定手段は、前記特徴量が前記呼吸信号に応
    じて1次関数形で変化すると仮定する手段である心内電
    気現象診断装置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量推定手段は、前記特徴量が前記呼吸信号に応
    じて2次関数形で変化すると仮定する手段である心内電
    気現象診断装置。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量推定手段は、前記特徴量が前記呼吸信号に応
    じてスプライン関数により近似される関数形で変化する
    と仮定する手段である心内電気現象診断装置。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量推定手段は、前記特徴量が、前記呼吸信号に
    依存する非線形関数の関数値に応じて1次関数形で変化
    すると仮定する手段である心内電気現象診断装置。
  15. 【請求項15】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量推定手段は、前記特徴量を4×4のアフィン
    変換行列の要素の値で表現するとともに、この値と前記
    呼吸信号とが1次関数形で変化すると仮定する手段であ
    る心内電気現象診断装置。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量と前記呼吸信号の関係を表す関数に含まれる
    パラメータを前記磁場又は電位の測定値から決定する解
    析演算手段を有する心内電気現象診断装置。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載の心内電気現象診断
    装置において、 前記特徴量と前記呼吸信号の関係を表す関数に含まれる
    パラメータを前記磁場又は電位の測定値から非線形最適
    化アルゴリズムを用いて決定する解析演算手段を有する
    心内電気現象診断装置。
  18. 【請求項18】 被検者の心臓内の電気生理的現象を解
    析し提示する心内電気現象診断装置において、 前記被検者の体動状態を経時的に連続して計測する体動
    計測手段と、前記心臓の位置、向き、及び形状を表現す
    る特徴量が前記体動計測手段により計測される体動に応
    じて予め定められた関数で変化すると仮定した状態で当
    該特徴量を推定的に解析する解析演算手段とを備えたこ
    とを特徴とする心内電気現象診断装置。
  19. 【請求項19】 被検者の心臓内の電気生理的現象を解
    析し提示する心内電気現象診断装置において、 前記被検者の心臓が発生する磁場を心磁図データとして
    測定する心磁図測定手段と、この心磁図測定手段により
    測定された心磁図データの中の各心拍に応じたデータか
    ら前記電気生理的現象の分布データを夫々推定的に解析
    し、この解析した分布データを加算平均し、この加算平
    均された分布データを表示する手段とを備えたことを特
    徴とする心内電気現象診断装置。
  20. 【請求項20】 被検者の心臓内の電気生理的現象を解
    析し提示する心内電気現象診断装置において、 前記被検者の体表に取り外し可能に取り付けるプローブ
    と、このプローブに一端側が結合された撓み性のあるひ
    も状体と、このひも状体の他端側を常時引っ張り状態に
    置き且つその引き出されている長さを計測する長さ計測
    手段と、この長さ計測手段の計測長さに基づき前記被検
    体の体表の移動に伴う前記プローブの位置を演算する演
    算手段とを備え、この演算手段の演算結果を前記解析に
    反映させるようにしたことを特徴とする心内電気現象診
    断装置。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の診断装置におい
    て、 前記プローブは、前記体表上の所望の指標点に取り外し
    可能に取り付けるベース部と、このベース部に着脱自在
    に嵌着され且つ前記ひも状体の一端側に結合されたキャ
    ップ部とを備えた心内電気現象診断装置。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の診断装置におい
    て、 前記ひも状体は複数本のワイヤから構成され、前記長さ
    計測手段は前記複数本のワイヤ夫々の他端側を常時引っ
    張り状態に置き且つその引き出されている長さを計測す
    る複数個の長さ計から構成され、この複数個の長さ計を
    前記被検者に対して設定した異なる座標軸上の位置に固
    定した心内電気現象診断装置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の診断装置におい
    て、 前記複数本のワイヤは3本のワイヤから成り、前記複数
    個の長さ計は3個の長さ計から成り、前記演算手段はそ
    の3個の長さ計の計測結果に基づき前記プローブの3次
    元位置を演算する手段である心内電気現象診断装置。
  24. 【請求項24】 被検者の心臓の電気的活動に伴って発
    生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを通して測
    定する手段と、心臓の位置及び向きと磁場又は電位測定
    手段のセンサとの位置・向きの関係、並びに心臓又は胴
    体の形状を表現する特徴量を必要とする解析法を前記測
    定値に適用して心臓内の電気生理的現象を解析し提示す
    る手段とを備えた心内電気現象診断装置において、 前記特徴量の最適値を前記測定値から推定する手段を備
    えたことを特徴とする心内電気現象診断装置。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の診断装置におい
    て、 前記解析・提示手段は、前記測定値の中の第1の測定値
    から前記特徴量と共に興奮到達時刻分布と心筋電気活動
    量分布を解析する第1のステップと、前記測定値の中の
    第2の測定値から、前記第1のステップで得た興奮到達
    時刻分布を参照して前記特徴量と共に心筋電気活動量分
    布を解析する第2のステップとを実行する手段であるこ
    とを特徴とする心内電気現象診断装置。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の診断装置におい
    て、 前記第1又は第2の測定値は、異なる測定条件における
    測定値の差であることを特徴とする心内電気現象診断装
    置。
  27. 【請求項27】 請求項24に記載の診断装置におい
    て、 前記解析・提示手段は、前記測定値から興奮到達時刻分
    布を前記特徴量と共に解析する第1のステップと、この
    第1のステップで得られた興奮到達時刻分布を参照して
    心筋電気活動量分布を前記特徴量と共に解析する第2の
    ステップとを実行する手段であることを特徴とする心内
    電気現象診断装置。
  28. 【請求項28】 第1の心磁図と第2の心磁図との差分
    を演算して第3の心磁図を演算する差分心磁図演算手段
    と、この差分心磁図演算手段により差分演算された第3
    の心磁図から心内電気活動量を解析する解析手段とを備
    えたことを特徴とする心内電気現象診断装置。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の診断装置におい
    て、 前記解析手段は、前記第3の心磁図から等価電流双極子
    の位置を求める手段であることを特徴とする心内電気現
    象診断装置。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の診断装置におい
    て、 測定対象である被検者の胴体の動き状態を検出する動き
    検出手段と、前記胴体の前記第1及び第2の心磁図を測
    定する心磁図測定手段と、前記動き検出手段の検出結果
    を参照して前記心磁図測定手段により測定された第1及
    び第2の心磁図を加算平均する加算平均手段とを備え、
    この加算平均された第1及び第2の心磁図を前記差分心
    磁図演算手段に与えることを特徴とする心内電気現象診
    断装置。
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