JP2001032285A - 法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。 - Google Patents

法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。

Info

Publication number
JP2001032285A
JP2001032285A JP11209356A JP20935699A JP2001032285A JP 2001032285 A JP2001032285 A JP 2001032285A JP 11209356 A JP11209356 A JP 11209356A JP 20935699 A JP20935699 A JP 20935699A JP 2001032285 A JP2001032285 A JP 2001032285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
pile
parts
string
fixing jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11209356A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Kobori
忠司 小堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP11209356A priority Critical patent/JP2001032285A/ja
Publication of JP2001032285A publication Critical patent/JP2001032285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、法面緑化用防護ネットの固
定に使用する杭の数を減らし、杭の回収を必要とせず、
土中の杭を放置しても弊害を起こすことのない安全で環
境に優しい法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ
構造及び固定治具を提供する。 【解決手段】 本発明の固定治具の組み合わせ構造は、
法面緑化用防護ネットの固定に、貫通孔3を設けた生分
解性樹脂製の杭1と、貫通孔3に挿通させる生分解性樹
脂製の紐2を組み合わせ、杭1と杭間に張り巡らした紐
2により、防護ネットを上から押さえて固定するととも
に、植物の生長する時期に合わせて、上記杭と紐を、生
分解により自然に消滅させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線路や道路際等の
法面緑化に使用する防護ネット固定治具の組み合わせ構
造及び固定治具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、法面緑化に使用する防護ネット
は、一般に、図6に示すような、先端21が鋭角に形成
された、鉄、木、ポリプロピレン、ポリエチレン製等の
杭22を、法面に張った防護ネットの上から打ち込み、
杭頭部の係止部23を防護ネットに引っ掛かけて固定し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記杭により防護ネッ
トを固定する場合、法面に植えた植物が生長した後で、
防護ネットは撤去されるが、土中に打ち込まれた杭は、
回収作業に手間がかかるため放置されることが多く、回
収する場合も、土中の杭は見つけにくく、回収漏れとな
って土中に放置されたままになることが多い。
【0004】土中の杭は、時間の経緯とともに、頭部が
土の表面から突出することがあり、これにより草刈機の
刃が破損したり、破損した破片が作業者を傷付けたりす
る。また、法面に立ち入った者が、突出した杭につまず
いてけがをしたり、土から抜け出た杭が、線路や路面に
落下し、車両に当るなどして不慮の事故を誘発する。
【0005】さらに、上記従来の杭による防護ネットの
押さえは、杭のみで固定するいわば‘点押さえ’である
ため、十分な押さえ効果を得るには、杭の数を多くする
必要があり、その分、土中に残される杭の数も増えて、
上記のような事故につながる。
【0006】本発明の課題は、上記従来の問題点に鑑み
なされたもので、使用する杭の数を減らし、杭の回収を
必要とせず、土中の杭を放置しても弊害を起こすことの
ない安全で環境に優しい法面緑化用防護ネット固定治具
の組み合わせ構造及び固定治具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の固定治具の組み合わせ構造は、法面緑化
用防護ネットの固定に、貫通孔を設けた生分解性樹脂製
の杭と、前記貫通孔に挿通させる生分解性樹脂製の紐を
組み合わせ、杭と杭間に張り巡らした紐により、防護ネ
ットを上から押さえて固定するとともに、植物の生長す
る時期に合わせて、上記杭と紐を、生分解により自然に
消滅させている。
【0008】また、請求項3の固定治具は、貫通孔が設
けられた生分解性樹脂製の杭と、この貫通孔に嵌入する
生分解性樹脂製の係止棒から構成される。この係止棒
は、防護ネットを引っ掛けて法面に固定し、また、請求
項1の固定治具に使用する生分解性樹脂製の紐を括り付
けて、紐の終端として使用する。前記杭と係止棒も、生
分解性樹脂製であるため植物の生長する時期に合わせて
自然に消滅させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の固定治具の実施の
形態を図面に基づいて説明する。図1は、請求項1の固
定治具の組み合わせ構造を構成する杭と紐の一例を示す
斜視図であり、図2は、上記固定治具を、法面に設置さ
れた防護ネットの固定に用いた状態の一例を示す斜視図
であり、図3は、上記固定治具における他の例の杭を用
いた使用状態の模式的斜視図である。図4は、請求項3
の固定治具を構成する杭と係止棒の使用状態の一例を示
す斜視図であり、図5は、図4の杭の他の例を示す部分
斜視図である。
【0010】本発明の固定治具は、図1に示すように、
生分解性樹脂製の杭1と、生分解性樹脂製の紐2を組み
合わせた構成であり、杭1には、貫通孔3が形成されて
いる。前記固定治具は、図2に示すように、法面に張ら
れた防護ネット4の上から、間隔を空けて杭1を貫通孔
3が埋没しない程度に土中に打ち込み、さらに、順次紐
2を各杭1の貫通孔3に挿通させた後、全ての杭の頭部
を土中に打ち込む。これにより、防護ネット4は、杭1
及び杭間を結んで張り巡らせた紐2によって、網掛け状
に、上から押圧固定されるので、従来の‘点押さえ’と
異なり十分な強度が得られる。なお、杭と杭の間隔及び
杭間を結ぶ紐によって形成される模様は、工事現場とな
る法面の状況に応じて自由に決定される。
【0011】杭1は、通常、長さが20〜50cm、径が
1〜3cmの中空に形成される。杭1は、中実に形成して
も良いが、中空の方が、生分解の速度を早めることがで
きるので好ましい。杭1の貫通孔3は、紐2が容易に挿
通できる大きさで、通常、図1に示すように杭の上端部
に形成するが、図3に示すように、頂部から離れた部分
に形成しても良い。この場合は、杭の貫通孔3に紐2を
挿通させて、杭1の頭部を上から叩くと、貫通孔3'が
土中深くに押し込まれると共に、貫通孔3' に挿通させ
た紐2'も土中へ引きずり込まれるため、地上部の紐2
に張力が掛かり、防護ネット4の押圧固定力をさらに強
化できる。
【0012】請求項3の固定治具は、図4に示すよう
に、生分解性樹脂製の杭11と生分解性樹脂製の係止棒
12から構成され、杭11には貫通孔13が設けられ、
この貫通孔13に、係止棒12が嵌着できるようになっ
ている。この固定治具の杭11を、土中に打ち込むこと
により、貫通孔13に嵌着させた係止棒12が、防護ネ
ットを引っ掛けて法面に固定する。また、前記係止棒1
2に、請求項1の固定治具で使用した紐2を縛って結束
したまま、杭を土中に打ち込むと、防護ネットと紐を法
面に同時に固定でき、紐の終端としても使用できる。杭
11は、図5に示すように、貫通孔13の外周縁に、半
円形の切欠14を設け、この切欠14に紐2を挿通さ
せ、貫通孔13に係止棒12を嵌着することにより、紐
2が係止棒12で押圧されて杭11に固定されるように
構成すると、紐2が杭11に結束されたと同じ状態にな
るので、紐2の終端用治具としても利用できる。
【0013】請求項1の発明を構成する杭、並びに請求
項3の発明を構成する杭及び係止棒は、いずれも脂肪族
ポリエステル系樹脂と、籾殻を粉砕した微細粉末と、ベ
ヘニン酸とペンタエリスリトール−アジピン酸−ステア
リン酸・複合エステルの混合物とを主に含有する組成物
からなる。上記脂肪族ポリエステル系樹脂としては、分
子中に芳香環を含まない公知のポリヒドロキシアルカノ
エート系樹脂あるいはポリアルキルアルカノエートが何
ら制限なく用いられる。ポリヒドロキシアルカノエート
系樹脂としては、ポリ乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン
系樹脂、あるいは3−ヒドロキシブチレートと3−ヒド
ロキシバリレート共重合体が挙げられる。3−ヒドロキ
シトと3−ヒドロキシバリレート共重合体は、例えば水
素細菌 Alcaligenes eutrophus等の微生物によって、産
出された樹脂である。なお、3−ヒドロキシブチレート
の共重合比は、実用面から5〜20%が好ましい。
【0014】前記ポリ乳酸系樹脂としては、例えば、グ
ルコースの乳酸発酵により得られた乳酸を閉環反応によ
りラクチドとした後、開環重合する公知の方法によるも
の、あるいは乳酸を直接脱水縮重合して得られるもので
ある。ポリ乳酸系樹脂を構成する乳酸は不斉炭素を有す
るため、L−体、D−体及びDL−体の3種類の光学異
性体が存在するが、それらのいずれを使用してもよく、
またそれらの混合物であってもよい。
【0015】しかし、物性面、耐熱性及び入手の容易さ
からL−体の含有率85%以上である方が好ましく、さ
らに好ましくは95%以上である。分子量は、特には制
限がないが、分子量が高くなると強度は向上するもの
の、逆に溶融粘度が高くなり成形加工性が低下する。し
たがって、好ましくは、重量平均分子量で20,000
〜1,000,000であるが、さらに好ましくは、重
量平均分子量で50,000〜500,000である。
重量平均分子量が20,000未満の場合は、実用的物
性がほとんど発現されないので問題が生じる。
【0016】重量平均分子量が1,000,000を超
える場合は、溶融粘度が高くなりすぎて成形が困難とな
る。また、乳酸とジカルボン酸とジグリコールとを脱水
縮合した脂肪族ポリエステル及び/またはジカルボン酸
とポリエーテルポリオールとを脱水縮合したポリエーテ
ルポリエステルとの共重合体も本発明の効果を阻害しな
い範囲で添加しても構わない。
【0017】ジグリコール成分と脂肪族ジカルボン酸成
分またはその誘導体成分を構成単位として含むポリアル
キルアルカノエート系樹脂は、構造単位中に芳香族環を
含まないものであれば何れのものでも使用可能である。
ポリアルキルアルカノエート系樹脂の構成成分であるジ
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサメ
チレングリコール等を挙げることができ、これらの中か
ら適宜選択され、少なくとも1種が用いられる。
【0018】ポリアルキルアルカノエート系樹脂の構成
成分である脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコ
ハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸、それら誘導体、及びそれらの無水物を挙げるこ
とができ、これらの中から適宜選択され、少なくとも1
種類が挙げられる。必要に応じてリンゴ酸、酒石酸、ク
レン酸等のオキシカルボン酸を加えてもよい。これらの
中からそれぞれ1種類以上選択して縮合重合した樹脂も
必要に応じて用いることができる。また、分子量は、高
くなると強度は向上するが、逆に成形加工性が低下する
ので、数平均分子量が5,000〜300,000の範
囲が好ましい。
【0019】ポリアルキルアルカノエート系樹脂の分子
量を溶融流動性で示すと、温度190℃、荷重2.16
kgfにおける溶融流動性は、好ましくは0.5〜50
g/10分の範囲、更に好ましくは3.0〜30g/1
0分の範囲である。溶融流動性が0.5g/10分未満
の場合は、溶融粘度が著しく高くなり成形が困難とな
る。溶融流動性が50g/10分を超える場合は、実用
的物性がほとんど発現されないので問題が生じる。
【0020】ポリカプロラクトン系樹脂は、アルコール
等の活性水素を開始剤として、ε−カプロラクトンを常
温の開環重合で得たものを使用することができる。前記
開始剤の官能数は特に制限がなく、2官能あるいは3官
能のものが好ましく使用できる。分子量を溶融流動性で
示すと、温度190℃、荷重2.16kgfにおける溶
融流動性は、好ましくは0.5〜50g/10分の範
囲、更に好ましくは3.0〜30g/10分の範囲であ
る。
【0021】溶融流動性が0.5g/10分未満の場合
は、溶融粘度が著しく高くなり成形が困難となる。溶融
流動性が50g/10分を超える場合は、得られた生分
解性ランナー止めは靱性が失われ、実用的物性がほとん
ど発現されないので問題を生じる。これら脂肪族ポリエ
ステル系樹脂は、単独で用いても構わず、2種類以上を
併用しても構わない。
【0022】また、籾殻を粉砕した微細粉末は、その粒
径が、通常250〜26μm程度の範囲内のものが使用
されるが、特に粒径の小さなものが、強度が向上する点
で好ましい。本発明を構成する杭は、上記脂肪族ポリエ
ステル系樹脂100重量部に対し、籾殻を粉砕した微細
粉末20〜200重量部が好ましく、より好ましくは5
0〜120重量部及びベヘニン酸とペンタエリスリトー
ル−アジピン酸−ステアリン酸・複合エステルの混合物
を0.1〜3.0重量部が好ましく、より好ましくは、
0.4〜1.0重量部の割合で含有してなる組成物で形
成されたものが良い。
【0023】まず、脂肪族ポリエステル系樹脂100重
量部に対し、籾殻を粉砕した微細粉末20重量部未満の
場合には、柔らかくなり強度が不足するという不利が発
生しやすく、逆に200重量部を超えると、脆く成形が
困難になるという不利が発生しやすくなる。また、脂肪
族ポリエステル系樹脂100重量部に対し、べへニン酸
とペンタエリスリトール−アジピン酸−ステアリン酸・
複合エステルの混合物が0.1重量部未満の場合には、
離型不良による寸法不良という不利が発生しやすく、逆
に3.0重量部を超えると、添加剤が浮き出すブリード
現象という不利が発生しやすくなる。
【0024】なお、べへニン酸とペンタエリスリトール
−アジピン酸−ステアリン酸・複合エステルの混合物
は、べへニン酸1に対し、ペンタエリスリトール−アジ
ピン酸−ステアリン酸・複合エステル1の重量割合で配
合されたものがより好ましい。
【0025】請求項1の発明を構成する紐は、脂肪族ポ
リエステル系樹脂に、充填剤及び離型剤を含有してなる
組成物で主に構成される。前記脂肪族ポリエステル系樹
脂としては、上記杭に使用される材料として例示された
ものが挙げられる。また、充填剤は、無機充填剤と有機
充填剤のいずれであってもよい。無機充填剤としては、
従来公知の、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリ
ウム、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム等の金属より選ばれた1種の金属酸
化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩またはケイ酸塩等が使
用できる。
【0026】特に好適に使用される無機充填剤を具体的
に例示すると、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸
化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム等の酸化物、炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の
水酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミ
ニウム等の硫酸化物、含水ケイ酸マグネシウム(タル
ク)、含水ケイ酸アルミニウム(クレー)等のケイ酸塩
等が挙げられる。好ましくは、酸化チタン、酸化ケイ
素、含水ケイ酸マグネシウム、含水ケイ酸アルミニウム
等である。これらの充填剤は、樹脂の結晶化を促進する
効果を有するため成形サイクルを高めることができる。
【0027】有機充填剤としては、小麦、玉蜀黍、米な
どの穀物、馬鈴薯、甘藷、タピオカなどの芋類の澱粉、
セルロース、キチン、キトサン等の多糖類等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、また2種以上を組み
合わせてもよい。上記充填剤は、粒子同士の凝集及び脂
肪族ポリエステルとの親和性を向上させる目的でシラン
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ
ネート系カップリング剤、アセチレングリコールあるい
はアセチレンアルコール等の表面改質剤を用いて、乾式
法、湿式法あるいはインテグラルブレンド法により表面
改質しても構わない。上記充填剤の平均粒径は、0.0
1〜10μmの範囲であり、好ましくは0.05〜5μ
mである。0.01μm未満では、脂肪族ポリエステル
系樹脂中での充填剤の分散が悪く、10μmを超えると
紐の靭性が低下するおそれもある。
【0028】充填剤の添加量は、脂肪族系ポリエステル
系樹脂100重量部に対して、10〜150重量部の範
囲が好ましく、より好ましくは30〜100重量部であ
る。この添加量が10重量部未満の場合は、生分解性速
度を向上させる効果がほとんど認められないうえ、紐の
生産コストを下げることが困難である。逆に150重量
部を超える場合は、紐の靭性が低くなり、紐として要望
される特性が失われるうえ、溶融粘度が高くなり紐の成
形が困難となる。
【0029】一方、離型剤としては、ステアリン酸等の
炭素数10〜21の脂肪族カルボン酸、ペンタエリスリ
トール−アジピン酸−ステアレート・複合エステル、ジ
ペンタエリスリトール−アジピン酸−ステアリン酸・複
合エステルの脂肪族エステル、25℃における粘度が1
0〜10,000csの範囲にあるアルキル変性シリコ
ーン、メチルスチリル変性シリコーン、ポリエーテル変
性シリコーン、高級脂肪酸アルコキシ変性シリコーン、
高級脂肪酸含有シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シ
リコーン、メタクリル変性シリコーン、フッ素変性シリ
コーン等の変性シリコーン、パラフィン、脂肪族アミド
などが挙げられる。離型剤の添加量は、脂肪族ポリエス
テル樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部の
範囲内が好ましく、特に0.5〜3重量部の範囲がより
好ましい。この添加量が0.1重量部未満の場合には充
分な離型効果が得られず、5.0重量部を超えると添加
剤が浮き出すブリード現象が起こり、外観及び機械的物
性に悪影響を及ぼす。上記構成の紐は、生分解により自
然に消滅するが、消滅時期の調整は、籾殻の添加量の増
減によって容易に行える。
【0030】本発明を構成する前記杭及び係止棒を構成
する組成物には、必要に応じてグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪族エステル、ジ−2−エチルヘ
キシルアゼレート等の界面活性剤、リン系、フェニル系
あるいは乳酸無機塩等の安定剤、顔料、その他の添加剤
を添加することができる。この組成物は、温度190
℃、荷重2.16kgfにおける溶融流動性が0.5/
10分〜50g/10分の範囲、好ましくは3g/10
分〜30g/10分である。溶融流動性が0.5g/1
0分未満の場合は、溶融粘度が著しく高くなり成形が困
難となる。溶融流動性が50g/10分を超える場合
は、上記杭、紐及び係止棒の靱性が低くなり、要望され
る特性が失われる。上記杭及び係止棒の消滅時期の調整
は、籾殻の添加量の増減によって容易に行える。また、
上記杭及び係止棒の成分である籾殻は、生分解による消
滅に際し、植物の有効な肥料となる。
【0031】本発明の上記杭及び係止棒を製造するに
は、上記で例示された材料を用いて、通常用いられる成
形法、例えば、射出成形などにより、所望の形状のもの
を作製すればよい。これらは、中空もしくは中実いずれ
でもよい。
【0032】
【実施例】[実施例1]脂肪族ポリエステル系樹脂とし
てのビオノーレ(昭和高分子(株)社製、商品名)10
0重量部(ビオノーレ1001、70重量部とビオノーレ30
01、30重量部)に対し、籾殻を粉砕した粒径75μm
以下の微細粉末90重量部、及びべへニン酸とペンタエ
リスリトール−アジピン酸−ステアリン酸・複合エステ
ルの混合物(1:1)1重量部を含有した組成物を用
い、これを押出成形機により、図1に示す生分解性樹脂
製の杭を作製し、この杭の座屈試験及び折曲試験を次の
方法により行い、その結果を表1に示した。
【0033】[座屈試験]長さ100mmの試験片
(杭)を、管軸方向に10mm/minの速度で圧縮を
行い、座屈するまでの強度を調べて評価した。 [折曲試験]長さ150mmの試験片(杭)を、スパン
100mmとして載置し、管軸と垂直な方向に、圧縮速
度10mm/minで荷重を加え、試験片が折れ曲がる
までの強度を調べて評価した。
【0034】次に、脂肪族ポリエステル系樹脂としての
ビオノーレ(昭和高分子(株)社製、商品名)100重
量部(ビオノーレ1001、70重量部とビオノーレ3001、
30重量部)に対し、充填剤としての重質炭酸カルシウ
ムを90重量部、及び離型剤としてのベヘニン酸とペン
タエリスリトール−アジピン酸−ステアリン酸・複合エ
ステルの混合物(1:1)を1.2重量部を含有した組
成物を用い、これを押出成形機により、図1に示す生分
解性樹脂製の紐を作製した。
【0035】得られた上記杭と紐を用いて、図2に示す
ように法面に張られた防護ネット上から、間隔を空けて
杭を土中に打ち込み、紐を順次、各杭の貫通孔に挿通さ
せて、防護ネットを、杭と紐による点と線状で押さえて
固定したところ、十分な押さえ効果を有するともに、杭
と紐とが生分解性樹脂からなるため、その回収作業が不
要となった。
【0036】[実施例2]杭の成分として、籾殻を粉砕
した粒径180μm以下の微細粉末を用いた以外は、実
施例1と同様にして生分解性樹脂製の杭を作製した。こ
れについて実施例1と同様の方法により、座屈試験及び
折曲試験を行い、その結果を表1に示した。次に、実施
例1と同様にして紐を作製し、得られた杭と紐を用い
て、防護ネットを押さえたところ、十分な押さえ効果を
有するとともに、杭と紐とが生分解性樹脂からなるた
め、その回収作業が不要となった。
【0037】[比較例1]杭の成分として、籾殻を粉砕
した微細粉末に代えて、炭酸カルシウム100重量部を
用いた以外は、実施例1と同様にして生分解性樹脂製の
杭を作製した。この杭を実施例1と同様の方法により、
座屈試験及び折曲試験を行い、その結果を表1に示し
た。次に、実施例1と同様にして紐を作製し、得られた
杭と紐を用いて、防護ネットを押さえたところ、杭の強
度が弱く、杭が折れたり曲がったりするため、防護ネッ
トとしては、不適当であった。
【0038】[比較例2]杭の成分として、ポリプロピ
レン回収品にタルク40%混合品を用いて、杭を作製し
た。これについて実施例1と同様の方法により、座屈試
験及び折曲試験を行い、その結果を表1に示した。次
に、実施例1と同様にして紐を作製し、得られた杭と紐
を用いて、防護ネットを押さえたところ、十分な押さえ
効果を有するが、生分解性樹脂ではないため、杭の回収
に手間がかかってしまい、防護ネットとしては、不適当
であった。
【0039】
【表1】
【0040】[実施例3]実施例1と同様の配合割合か
らなる組成物を用いて、杭を作製した。次に、この杭と
同様の配合割合からなる組成物を用いて、図4に示すよ
うな生分解性樹脂製の係止棒12を作製した。得られた
杭と係止棒を用いて、防護ネットを押さえたところ、十
分な押さえ効果を有するとともに、杭と係止棒とが生分
解性樹脂からなるため、その回収作業が不要となった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、法面緑化用防護ネット
の固定に使用する杭の数を減らすことができ、また土中
に打ち込んだ杭は、植物の生長期に合わせて生分解によ
り自然消滅させることができるので、回収を必要とせ
ず、自然に悪影響を起こすことなく安全で環境に優しい
法面緑化用防護ネットの固定治具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固定治具の組み合わせ構造を構成する
杭と紐の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の固定治具を、法面に設置された防護ネッ
トの固定に用いた状態の一例を示す斜視図である。
【図3】図1の固定治具における他の例の杭を用いた使
用状態の斜視図である。
【図4】本発明の固定治具を構成する杭と係止棒の使用
状態の一例を示す斜視図である。
【図5】図4の杭の他の例を示す部分斜視図である。
【図6】従来の固定治具の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11 杭 2 紐 3,13 貫通孔 4 防護ネット 12 係止棒 14 切欠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防護ネットを法面に固定するための治具
    であって、貫通孔が設けられた生分解性樹脂製の杭と、
    前記貫通孔に挿通させる生分解性樹脂製の紐を組み合わ
    せたことを特徴とする法面緑化用防護ネット固定治具の
    組み合わせ構造。
  2. 【請求項2】 前記杭が、脂肪族ポリエステル系樹脂1
    00重量部に対し、籾殻を粉砕した微細粉末20〜20
    0重量部及びベヘニン酸とペンタエリスリトール−アジ
    ピン酸−ステアリン酸・複合エステルの混合物を0.1
    〜3.0重量部の割合で含有してなる組成物で形成さ
    れ、前記紐が、脂肪族ポリエステル系樹脂100重量部
    に対し、充填剤10〜150重量部及び離型剤0.1〜
    5.0重量部の割合で含有してなる組成物で形成される
    請求項1記載の法面緑化用防護ネット固定治具の組み合
    わせ構造。
  3. 【請求項3】 防護ネットを法面に固定するための治具
    であって、貫通孔が設けられた生分解性樹脂製の杭と、
    前記貫通孔に嵌着される係止棒を組み合わせてなる法面
    緑化用防護ネット固定治具。
  4. 【請求項4】 前記杭と係止棒が、いずれも脂肪族ポリ
    エステル系樹脂100重量部に対し、籾殻を粉砕した微
    細粉末20〜200重量部及びベヘニン酸とペンタエリ
    スリトール−アジピン酸−ステアリン酸・複合エステル
    の混合物を0.1〜3.0重量部の割合で含有してなる
    組成物で形成される請求項3記載の法面緑化用防護ネッ
    ト固定治具。
JP11209356A 1999-07-23 1999-07-23 法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。 Pending JP2001032285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11209356A JP2001032285A (ja) 1999-07-23 1999-07-23 法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11209356A JP2001032285A (ja) 1999-07-23 1999-07-23 法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001032285A true JP2001032285A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16571600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11209356A Pending JP2001032285A (ja) 1999-07-23 1999-07-23 法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001032285A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100971175B1 (ko) * 2009-12-11 2010-07-20 주식회사 삼윤이엔씨기술사사무소 친환경 사면 안정 녹화체 및 시공 방법
KR101199543B1 (ko) 2011-02-16 2012-11-12 청호산업 유한회사 지면보호 네트 설치용 고정구

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100971175B1 (ko) * 2009-12-11 2010-07-20 주식회사 삼윤이엔씨기술사사무소 친환경 사면 안정 녹화체 및 시공 방법
KR101199543B1 (ko) 2011-02-16 2012-11-12 청호산업 유한회사 지면보호 네트 설치용 고정구

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ferreira et al. How do cellulose nanocrystals affect the overall properties of biodegradable polymer nanocomposites: A comprehensive review
Zhao et al. Strategies and techniques for improving heat resistance and mechanical performances of poly (lactic acid)(PLA) biodegradable materials
Niaounakis Biopolymers: applications and trends
AU773904B2 (en) Biodegradable resin compositions
JP6177423B2 (ja) ポリマー組成物
JP4860093B2 (ja) 乳酸系樹脂組成物とそれよりなる成形体
ES2305201T3 (es) Mezclas ternarias de poliesteres biodegradables y productos fabricados a partir de las mismas.
JP3440915B2 (ja) ポリ乳酸樹脂および成形品
US20020028857A1 (en) Compostable, degradable plastic compositions and articles thereof
CA1339026C (en) Degradable thermoplastics from lactides
CN1481408A (zh) 具有改善的结晶性能的可生物降解的聚羟基链烷酸酯共聚物的制备方法
CN100467535C (zh) 具有改善的结晶性能的可生物降解的聚羟基链烷酸酯共聚物
JP2001335626A (ja) 脂肪族ポリエステル樹脂および成形品
CN100436539C (zh) 聚(3-羟基链烷酸酯)组合物及其成型体
JP2007308650A (ja) 生分解性樹脂組成物
Sarasini Thermoplastic biopolymer matrices for biocomposites
Arrieta Influence of plasticizers on the compostability of polylactic acid
JP2001032285A (ja) 法面緑化用防護ネット固定治具の組み合わせ構造及び固定治具。
JP6935650B2 (ja) 脂肪族ポリエステル樹脂組成物および成形体
Sari et al. Properties and Food Packaging Application of Poly‐(Lactic) Acid
JP2004147613A (ja) 生分解性農業用マルチ
JP5689375B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP2014005435A (ja) 樹脂組成物および成形体
JP2004057016A (ja) 生分解性農業用マルチ
JPH11215925A (ja) 生分解性ランナー止め