JP2001029717A - 筒状フィルター - Google Patents

筒状フィルター

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JP2001029717A JP20712399A JP20712399A JP2001029717A JP 2001029717 A JP2001029717 A JP 2001029717A JP 20712399 A JP20712399 A JP 20712399A JP 20712399 A JP20712399 A JP 20712399A JP 2001029717 A JP2001029717 A JP 2001029717A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過精度、通水性、濾過ライフに優れた筒状
フィルターを提供する。 【解決手段】 舌片部を有する熱可塑性繊維を含む帯状
不織布を有孔筒状体に綾状に巻き付けてなる筒状フィル
ター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体濾過用の筒状
フィルターに関する。詳しくは、熱可塑性繊維を含有し
その繊維交点の少なくとも一部が接着され、切り込みな
どの方法によって舌片部が設けられた帯状不織布を、有
孔円筒体に綾状に巻き付けてなる、通液性、濾過ライ
フ、濾過精度等の濾過性能が良好な筒状フィルターに関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、さまざまな産業分野で流体中の異
物等を濾過するために多様なフィルターが使用されてい
る。中でも、フィルターの交換が容易であるカートリッ
ジ型のフィルター(以下、筒状フィルターと記す)は、
各種液体原料に含まれる異物の除去、メッキ液やエッチ
ング液に発生する懸濁粒子の除去、塗料中に発生する凝
集物の除去、工業用水やプール水の浄化などの幅広い分
野で使用されている。筒状フィルターの中では糸巻き型
筒状フィルターがよく知られており、これは有孔円筒状
のコアに濾材となる紡績糸を綾状に巻き付けることで作
られている。糸巻き型筒状フィルターでは、濾過精度の
グレードを揃える際に紡績糸を巻き付けるコアの回転数
に対する綾振りの速度を変更し、紡績糸同士の間隔を調
節することで、糸巻き形状を変えてフィルターの濾過精
度を調節している。このため多種の紡績糸を用意する必
要がなく、製造が容易で安価なため、古くから利用され
ており、現在でも非常に多くの数が使用されている。
【0003】しかしながら、この糸巻き型筒状フィルタ
ーにはいくつかの欠点がある。例えば、フィルターの粒
子捕集方法は、紡績糸自身の開孔部で粒子を捕集する
他、紡績糸から発生する毛羽や紡績糸同士の間隙でも粒
子を捕集するものであるが、毛羽の発生量や紡績糸同士
の間隙にばらつきが生じ易いため、製品の濾過精度のば
らつきが大きく、紡績糸の細かな濾過精度分けが難しい
という欠点がある。また、紡績糸に使用される繊維の細
さに限界があるため、濾過精度の高精度化が難しく、更
に、紡績糸同士の間隔を広げすぎると粒子の捕集が充分
にできなくなるため、濾過精度を粗くする方向にも限度
がある。この結果、紡績糸による糸巻き型筒状フィルタ
ーでは製造できる濾過精度の範囲に限界が生じてしま
う。更には、紡績糸は短繊維を撚って作られるため、液
体を濾過した際、紡績糸から繊維が脱落し、濾液に混入
するという欠点もある。
【0004】このような従来の糸巻き型筒状フィルター
の問題点を解決するための方法として、例えば実公平6
−7767号公報には、多孔性を有するテープ状の紙や
不織布に撚りを加えながら、テーパ状のコーンを通すこ
とで押し潰して絞り込み、その直径を3mm程度に規制
した濾過素材を、多孔性内筒に密接綾で巻回した形の糸
巻き型筒状フィルターが提案されている。また、巻回の
巻きピッチを多孔性内筒より外に向かうに従って大きく
することで大きな粒子を外側で捕集し、小さい粒子を濾
過材中心部で捕集できるため濾過作用を長期に渡って得
ることができるとしている。しかし、濾過素材を押し潰
して絞り込んでいるために、濾過素材の空隙率が低くな
り、濾過素材自身に取り込まれる粒子の捕集量は僅かに
なり、通液性も低下することになる。しかも密接綾巻き
により、濾過素材同士の間隙も僅かであるため、通液し
易い空間が無く、フィルター自体の通液性が低下するこ
とになる。また、外側の巻ピッチを大きくすることで、
大きな粒子を濾過素材同士の間隙で捕集するとあるが、
粒子捕集に有効な間隙の部分は僅かであるため、間隙に
勾配を持たせても粒子捕集量は増えず、表面閉塞され易
く、濾過ライフは非常に短くなってしまう。更に、濾過
精度の粗いフィルターを作るために、同じ濾過素材で間
隔を開けて巻くと、濾過素材には紡績糸のような毛羽が
ないため、濾過素材同士の間隙から粒子が流出するた
め、本来、粗い粒子程、捕集効率が上がるはずが、ある
粒径で捕集効率の低いまま頭打ちになったり、粗い粒子
の捕集効率が低下してくる結果になる。このため、濾過
精度の異なるフィルターを作るためには、濾過精度毎に
繊維径や空隙率の異なるテープ状の紙や不織布を用意し
なければならず、生産性の低下や原料費の増加を招いて
しまう。
【0005】別の方法として、特開平4−45810号
公報には、構成繊維の10重量%以上が0.5デニール
以下に分割されている複合繊維からなるスリット不織布
を、多孔性芯筒上に繊維密度が0.18〜0.30g/
cm3となるように巻き付けたワインドフィルターが提
案されている。この方法を利用すると、繊度の小さい繊
維によって液体中の細かな粒子を捕捉できるという特長
がある。しかしながら、複合繊維を分割させるためは高
圧水流などの物理的応力を加える必要があり、不織布全
体を均一に分割させることが難しく、均一に分割され
ず、太い繊維が残っていると不織布中に捕集効率の悪い
部分が生じるため、フィルター全体として濾過精度が低
下してしまう。また、分割繊維の紡糸と分割に要する生
産コストが通常の紡績糸より増加することにより、フィ
ルターの価格が高くなり、従来、糸巻き型筒状フィルタ
ーが使われていた、安価であることが求められる分野に
は適さなくなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題が解決された、通液性、濾過ライフ、濾過精度等の
濾過性能が良好な、糸巻き型の筒状フィルターを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、熱可塑性繊維を含有し、その繊維交点の少なく
とも一部が接着され、舌片部となる切り込みが設けられ
た帯状不織布を有孔円筒体に綾状に巻き付けてなる筒状
フィルターが、上記課題を解決することを見出し本発明
を完成した。本発明は下記の構成を有する。 (1)熱可塑性繊維を含有し、その繊維交点の少なくと
も一部が接着された、舌片部を有する帯状不織布を、有
孔筒状体に綾状に巻き付けてなる筒状フィルター。 (2)舌片部を有する帯状不織布が、熱可塑性繊維を少
なくとも30重量%含有する不織布である前記(1)項
記載の筒状フィルター。 (3)舌片部を有する帯状不織布が、熱エンボスロール
で熱圧着されている前記(1)または(2)項記載の筒
状フィルター。 (4)舌片部を有する帯状不織布の繊維交点の少なくと
も一部が、熱接着されている前記(1)〜(3)項のい
ずれか1項記載の筒状フィルター。 (5)舌片部を有する帯状不織布の全面積に対する舌片
部の面積率が、10〜80%である前記(1)〜(4)
項のいずれか1項記載の筒状フィルター。 (6)舌片部を有する帯状不織布に撚りが加えられた前
記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の筒状フィルタ
ー。 (7)筒状フィルターの濾過層の空隙率が65〜90%
である前記(1)〜(6)項のいずれか1項記載の筒状
フィルター。 (8)舌片部を有する帯状不織布が長繊維からなる不織
布である前記(1)〜(7)項のいずれか1項記載の筒
状フィルター。 (9)舌片部を有する帯状不織布を構成する熱可塑性繊
維が低融点樹脂と高融点樹脂からなり、それら両樹脂の
融点差が10℃以上の複合繊維である前記(1)〜
(8)項のいずれか1項記載の筒状フィルター。 (10)筒状フィルターの濾過層の一部に舌片部を有す
る帯状不織布以外の多孔性材料が用いられた前記(1)
〜(9)のいずれか1項記載の筒状フィルター。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の筒状フィルターは、熱可塑性繊維を含有
し、その繊維交点の少なくとも一部が接着され、かつ、
図2、図3に示すような舌片部を有する帯状不織布が集
束された後、図1に示すような有孔筒状体6に綾状に巻
回されてなる筒状フィルター5である。筒状フィルター
の濾過層の素材として、舌片部を有する帯状不織布を用
いることで、帯状不織布の集束物で形成される間隙に舌
片部が存在するため、従来は間隙を通過して捕集できな
かった粒子が舌片部に捕集され、捕集効率が向上し、更
に、舌片部の凹凸による粒子捕集面積の増加により、粒
子の捕集量が多くなることによって、筒状フィルターの
濾過精度、濾過ライフ等が優れたものとなる。
【0009】本発明の筒状フィルターの素材としては、
熱可塑性繊維を含有し、その繊維交点の少なくとも一部
が接着された、舌片部を有する帯状不織布(以下、舌片
部含有帯状不織布という)が用いられる。前記舌片部含
有帯状不織布は、未処理不織布(以下、原反不織布とい
う)をスリット等により所望の幅にした後、加圧された
刃付きロールとゴムロールの間に通して切り込みを入れ
る方法等で得られる。スリット等は原反不織布に切り込
みを入れた後に行っても構わない。尚、以下の説明にお
いて単に不織布という場合は、前記舌片部含有帯状不織
布と原反不織布の総称を意味する。
【0010】前記熱可塑性繊維の原料には、溶融紡糸が
可能な熱可塑性樹脂を使用することができる。その例と
して、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンとエ
チレンの共重合体、プロピレン/エチレン/ブテン−1
共重合体、プロピレンと他のα−オレフインとの二〜三
元共重合体等をはじめとするチグラーナッタ触媒やメタ
ロセン触媒を用いて重合されたポリオレフィン系樹脂、
ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ
−ト、酸成分をテレフタル酸以外にイソフタル酸を併用
して共重合した低融点ポリエステル、ナイロン−6、ナ
イロン−66などのポリアミド系樹脂、ポリスチレン、
シンジオタクチツクポリスチレンなどのポリスチレン系
樹脂、ポリウレタンエラストマ−、ポリエステルエラス
トマ−、乳酸系ポリエステル等の生分解性樹脂等を挙げ
ることができ、これら熱可塑性樹脂は単独で使用して
も、二種以上を混合して使用してもよい。また、前記熱
可塑性繊維を用いて原反不織布を形成する際には、前記
熱可塑性繊維を単独もしくは二種類以上を混ぜて用いる
ことが出来る。
【0011】前記熱可塑性繊維は、融点差が10℃以上
好ましくは15℃以上ある低融点樹脂と高融点樹脂から
なる熱可塑性複合繊維であると熱処理等により、原反不
織布の繊維接合点の熱接着を確実に行なうことが出来
る。融点差の上限は特にないが、溶融紡糸可能な熱可塑
性樹脂の内、最高融点の樹脂と最低融点の樹脂との温度
差が該当する。なお、明確な融点が存在しない樹脂の場
合には流動開始温度を融点と見なす。複合繊維の形態と
しては、並列型や鞘芯型等、低融点樹脂が繊維表面の少
なくとも一部に存在する形態であればよい。
【0012】複合繊維の低融点樹脂と高融点樹脂の組合
せは、融点差が10℃以上好ましくは15℃以上あれば
特に限定されない。例えば、線状低密度ポリエチレレン
/ポリプロピレン、高密度ポリエチレン/ポリプロピレ
ン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレン
と他のα−オレフインとの共重合体/ポリプロピレン、
線状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン/高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン/ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリプロピレン
/ポリエチレンテレフタレ−ト、エチレングリコ−ルと
酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸を共重合した
低融点ポリエステル/ポリエチレンテレフタレ−ト、ナ
イロン6/ナイロン66等が例示できる。特に耐薬品性
に優れるポリオレフイン系樹脂/ポリオレフイン系樹
脂、ポリオレフイン系樹脂/ポリエチレンテレフタレ−
ト等が好ましく用いられる。また、複合繊維のいずれか
の成分または両方の成分に二種以上の混合樹脂を用いて
もかまわない。
【0013】本発明で用いられる不織布には熱可塑性繊
維が少なくとも30重量%含まれている方が好ましい。
勿論この熱可塑性繊維が100重量%であってもよい。
熱可塑性繊維を含むことで後記の繊維同士の熱接着が可
能となり、各種バインダーで繊維を接合した場合に比
べ、通水性、耐薬品性、濾材脱落防止等の性能が向上す
る。不織布に含まれている熱可塑性繊維が30重量%未
満であると熱圧着処理やスル−エア熱処理等で熱接着し
た際の繊維接着点の強力や数が充分でないため、濾過時
に繊維が脱落し易くなり濾液に混入する恐れが出てく
る。また、前記不織布には70重量%以下の範囲で熱可
塑性繊維以外の繊維を用いることができる。前記熱可塑
性繊維以外の繊維としては、レ−ヨン、キュプラ、綿、
麻、パルプ、炭素繊維、金属繊維等が例示できる。
【0014】前記不織布の形成に用いられる繊維の単糸
繊度は、筒状フィルターの用途や要求される濾過性能に
よって異なるが、0.01〜500dtexが好適であ
る。前記繊維によつて形成される不織布としては、長繊
維不織布、短繊維不織布、長繊維と短繊維不織布が混合
された不織布、これら、不織布を組み合わせた積層不織
布等が例示でき、何れも本発明の筒状フィルターの素材
に使用可能である。製法別による不織布の種類として
は、スパンボンド法不織布、メルトブロー法不織布、ト
ウ開繊法不織布、エアレイド法不織布、カード法不織
布、高圧水絡合不織布等が例示でき、何れも本発明の筒
状フィルターの素材に使用可能である。特に、スパンボ
ンド法不織布やメルトブロー法不織布は、濾液の泡立ち
の原因となる繊維仕上げ剤を含まないため、これを嫌う
濾過用途には有効である。更に、これら不織布は、活性
炭、イオン交換樹脂、殺菌剤等をバインダーや熱接着
法、樹脂練り込み法等で含有していてもよい。
【0015】前記不織布の繊維交点の接着は、熱エンボ
スロール、熱フラットカレンダーロール、超音波エンボ
スのような装置を使用し、熱圧着したものや、熱風貫流
型、上下方向熱風噴流型、赤外線ヒーター型等の熱処理
機を使用し、熱接着したもの等が例示できる。また、前
記不織布が熱エンボスロール圧着不織布の場合、不織布
部分の全面積に対するエンボス熱圧着面積の割合である
熱圧着面積率は5〜30%、より好ましくは5〜25%
とすることが望ましい。熱圧着面積率が5%を下回る
と、繊維交点の接着部分が少ないために繊維の脱落が多
くなったり、不織布強度が低下し、筒状フィルターを製
造する際、舌片部含有帯状不織布が切断し易く、均一な
濾過性能を有するものが得られない。また、熱圧着面積
率が30%を越えると、筒状フィルターの通液性や濾過
ライフが低下する。
【0016】前記原反不織布の空隙率は、60〜95
%、より好ましくは65〜92%である。空隙率60〜
95%の原反不織布から得られる舌片部含有帯状不織布
を用いた場合、筒状フィルターの濾過層は必要以上に密
になることが抑えられ、フィルターとして使用したとき
の圧力損失が十分に抑えられ、粒子捕集効率をより向上
させることができる。また、前記原反不織布の空隙率を
95%以下とすることにより、舌片部含有帯状不織布の
有効筒状体への巻回が容易となり、得られる筒状フィル
ターの負荷圧力による変形をより小さくすることができ
る。
【0017】前記舌片部含有帯状不織布としては、広幅
の原反不織布を帯状にスリットしたものが好ましく用い
られる。スリットされた帯状不織布の幅は、0.5〜2
0cmが好ましく、更に好ましくは1〜10cmであ
る。この幅が0.5cm未満であると有孔筒状体に綾状
に巻回する時に舌片部含有帯状不織布が切断する恐れが
あり、また、張力の調節が困難である。また、20cm
を越えると、舌片部含有帯状不織布を集束させ有孔筒状
体に綾状に巻回する時に、舌片部が集束した不織布内部
へ封入され易くなり、舌片部の効果が十分に発揮されな
くなる。なお、不織布の目付は、10〜200g/m2
が好ましい。この値が10g/m2よりも小さくなる
と、繊維量が少なくなるために、不織布のむらが大きく
なったり、あるいは不織布の強度が低下してフィルター
への加工が難しくなる。一方、この値が200g/m2
よりも大きくなると、不織布が厚くなるため、舌片部の
形成が困難になる。
【0018】次に、舌片部について説明する。舌片部は
帯状不織布の一部に切れ込みを入れるたり、不織布の一
部を除去することで形成される。舌片部の例としては、
図2(A)(B)(C)のように帯状不織布のエッジ4
から舌片部3となる切れ込み2を入れた形状や、図3
(A)(B)(C)のように帯状不織布の面内に舌片部
3となる形状の切れ込み2を入れた形状が示される。帯
状不織布に形成される舌片部3の長さや大きさは、全て
同じでなくてもよく、切れ込み2の方向、形状、形状の
向き等についても異なったものが混在したり、図2と図
3の形状を組み合わせたものでも構わない。また、帯状
不織布1における舌片部3の位置が長さ方向に対して左
右対称でなくてもよく、更に、片側にだけ配置させても
よい。ただし、舌片部含有帯状不織布1が先に有孔筒状
体に巻かれる方向を上流、逆方向を下流とした場合、図
2のような形状については、上流側から下流側に向けて
切れ込みが入る形状、図3の形状については、帯状不織
布と繋がる部分が下流側にある方が、有孔筒状体に巻き
付ける際、ワインダーのガイドを通って帯状不織布が絞
り込まれたときに舌片部3が立ち易く、舌片部3による
効果がより顕著に現れるため望ましい。
【0019】帯状不織布に舌片部を形成する方法例とし
ては、舌片部となる切れ込みを入れるための刃を持つプ
レス用金型を用い、この金型をセットしたテープ用連続
プレス機に帯状不織布を通す方法、片側に舌片部となる
切れ込みを入れるための刃を持つロールとフラットロー
ルとで加圧された間に帯状不織布を通す方法、高圧水流
による切断する方法や加熱された刃を押しつけたり、レ
ーザー光線により溶融除去する方法等が挙げられる。な
お、原反不織布に舌片部を加工した後、スリットして舌
片部含有帯状不織布としてもよい。
【0020】前記舌片部の全面積は、舌片部含有帯状不
織布の全面積に対して10〜80%である。なお、不織
布が除去されている場合は、その部分の面積は計算に含
まない。舌片部の面積率が10%未満であると舌片部に
よる濾過精度や濾過ライフの向上が現れず、80%を越
えると、舌片部含有帯状不織布の強度が低下してしまい
筒状フィルターへの加工が困難になる。なお、ここで言
う舌片部の面積とは、図2のような形状については、図
4(A)または(B)に示すように帯状不織布のエッジ
4と切れ込み2、及び、切れ込み2の両端部同士を結ん
だ線(破線で示す)で囲まれる斜線の部分、図3のよう
な形状については、図5(A)または(B)に示すよう
に切れ込み2と切れ込み2の先端同士を結んだ線(破線
で示す)で囲まれた斜線の部分が該当する。
【0021】前記舌片部含有帯状不織布を加撚後、有孔
筒状体へ巻き付ける方法も好ましく用いられる。舌片部
含有帯状不織布に撚りを加えると、舌片部含有帯状不織
布に対して舌片部が立ち、その状態がしっかりと保持さ
れるため、撚りを加えないときに比べて舌片部による効
果が向上する。また、単位長さ当たりの撚りの数によ
り、舌片部含有帯状不織布の空隙率を変化させることが
できるので、濾過精度を調整することができる。撚り数
は、舌片部含有帯状不織布1m当たり15〜150回の
範囲が好ましい。この値が15回よりも小さくなると、
撚りによる効果がほとんど得られない。また、この値が
150回よりも多くなると、舌片部含有帯状不織布が強
く絞られ繊維が詰まった状態になり、通水性や粒子捕集
性が低下なるため好ましくない。
【0022】次に、筒状フィルターの製造方法について
図6を用いて説明する。ワインダーのスピンドル9に有
孔筒状体6を装着し、その端部にワインダーの糸道を通
した舌片部含有帯状不織布1を巻き付けて固定する。ス
ピンドル9のC方向への回転と共に、舌片部含有帯状不
織布1は、トラバースガイド10によってB、B’方向
に綾状に振られて巻き付けられる。その時の巻き付け条
件は、通常の糸巻き型フィルターの条件に準じて設定す
ればよく、例えばスピンドル回転速度500〜1500
rpmにし、繰り出し速度を調節し、適当な張力をかけ
ながら巻き付ければよい。巻き付け時の張力を調節し
て、筒状フィルターの内側の空隙率を密にし、中層、外
層と徐々に張力を軽くして巻き付けることにより、濾過
層の空隙率が変化した密度勾配型の筒状フィルターも得
ることができる。この方法を用いると深層濾過による濾
過ライフの向上が図れる。また、濾過精度はトラバース
ガイドの綾振り速度とスピンドルの回転速度の比率を調
整して巻き付けパターンを変えることによっても変更す
ることができる。そのパターンの付け方は、すでに公知
である通常の糸巻き型筒状フィルターの方法を使用で
き、ある糸(本発明では舌片部含有帯状不織布の集束物
7)とその1つ下の層に巻かれた糸との糸間隔8が広い
場合には濾過精度は粗くなり、逆に狭い場合には細かく
なる。これらの方法により、舌片部含有帯状不織布を有
孔筒状体の外径の1.5倍〜3倍程度の外径まで巻き付
けて筒状フィルターに成形する。これをそのままフィル
ターとして用いてもよいし、端面に厚さ3mm程度の発
泡ポリエチレンのガスケットを貼り付けるなどして、フ
ィルター端面とハウジングとの密着性を上げるても良
い。
【0023】本発明において有孔筒状体は、筒状フィル
ターの芯材の役目をするものであり、その材質や形状は
濾過時の外圧に耐えられる強度を持ち、圧力損失が著し
く高くなければ特に限定されるものではない。例えば、
ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を格子状の開孔部をも
つ筒状体に加工したもの、セラミックやステンレスを同
様に加工したもの等でもよい。また、濾材がひだ折り加
工されたプリーツ型フィルターや不織布巻回型フィルタ
ー等、外径が小さい他の種類のフィルターを使用しても
よい。
【0024】本発明において、筒状フィルターの濾過層
の空隙率は65〜90%の範囲であることが好ましい。
この値が65%よりも小さくなると、繊維密度が高くな
りすぎるために通液性が低下してくる。前記空隙率が9
0%よりも大きくなると濾過層の強度が弱くなり、濾過
圧力が高い場合に濾過層が変形するなどの問題が生じて
くる。前記空隙率を調節する方法として、舌片部含有帯
状不織布の幅や舌片部の数や大きさ、舌片部含有帯状不
織布の加撚量、舌片部含有帯状不織布を有孔筒状体へ巻
回する時の張力等が挙げられる。
【0025】本発明においては、筒状フィルターの濾過
層の一部に舌片部含有帯状不織布以外の多孔性材料を用
いてもかまわない。その例としては、ポリエチレン/ポ
リプロピレン複合繊維不織布、メルトブロー法極細繊維
不織布、ポリエチレン微多孔膜、ポリテトラフルオロエ
チレン微多孔膜、活性炭繊維や抗菌性繊維による不織
布、イオン交換樹脂や活性炭等を担持させた不織布等が
例示できる。このような舌片部含有帯状不織布以外の多
孔性材料の使用により、濾過精度のコントロール、抗菌
性や金属イオン吸着性等の機能付与等の効果が得られ
る。
【0026】
【実施例】以下実施例で本発明を更に詳細に説明する。
なお、各例において不織布及び得られた筒状フィルター
の濾過性能等の評価は以下に記載する方法で行った。
【0027】(原反不織布の目付)原反不織布の面積が
400cm2となるように3箇所から帯状不織布を切り
取り、重量を測定して、その平均値を1m2当たりの重
量に換算して目付(g/m2)とした。
【0028】(原反不織布の繊度)原反不織布から無作
為に5カ所サンプリングして、それらを走査型電子顕微
鏡で撮影し、1カ所につき20本の繊維を無作為に選ん
で、それらの繊維径を測定し、その平均値をその原反不
織布の繊維径(μm)とした。また、繊度(dtex)
は繊維径と不織布原料の密度(g/cm3)を使って次
式から求めた。なお、2種類以上の繊維が混綿等されて
いる場合は、各々の繊維について前記の測定を行い、各
繊維の繊度を計算した。 (繊度)=π(繊維径)2×(密度)/400
【0029】(舌片部含有帯状不織布の舌片部面積率)
舌片部含有帯状不織布から舌片部を含む面積が400c
2となる長さの帯状不織布を切り取り、その舌片部の
全面積(単位cm2)を測定し、次式から舌片部面積率
(%)を計算した。 (舌片部面積率)={(舌片部の全面積)/400cm
2}×100
【0030】(筒状フィルターの濾過層の糸間隔)表層
にある帯状不織布集束物(あるいは以下の実施例におい
て有孔筒状体に巻き付けられた糸状物)と並行してその
1つ下の層に巻かれた帯状不織布集束物との間隔(図1
の8に示す)を1本の筒状フィルターにつき10箇所測
定し、その平均値を糸間隔(mm)とした。なお、舌片
部として出ている部分は除いて測定した。
【0031】(筒状フィルターの濾過層の空隙率)筒状
フィルターの外径、内径、長さ、重量を測定し、次式を
使って空隙率(%)を求めた。なお、濾過層そのものの
空隙率を求めるため、内径の値には有孔筒状体外径を使
用し、濾過層重量の値には筒状フィルターの重量から有
孔筒状体の重量を引いた値を用いた。 (濾過層の見かけ体積)=π{(フィルターカートリッ
ジ外径)2−(濾過層内径)2}×(フィルターカートリ
ッジ長さ)/4 (濾過層の真体積)=(濾過層の重量)/(濾過層の原
料の密度) (濾過層の空隙率)={1−(濾過層の真体積)/濾過
層の見かけ体積)}×100
【0032】(濾過精度、圧力損失、濾過ライフ)循環
式濾過性能試験機のハウジングに長さ250mmのフィ
ルターカートリッジ1本を取り付け、ポンプで流量を毎
分25リットルに調節して通水循環する。この時のハウ
ジング入口側と出口側の圧力差を測定し圧力損失(MP
a)とした。次に循環している水にJIS−Z−890
1に定められた試験用粉体Iの7種(JIS7種と略
す。中位径:27〜31μm)を0.5g/分で連続添
加し、添加開始から10分後に原液と濾液を採取する。
採取した液を適当な倍率で希釈した後にそれぞれの液に
含まれる粒径毎の粒子数を光遮断式粒子検出器を用いて
粒径毎の捕集効率を算出した。次にその値を内挿して、
捕集効率80%と98%を示す粒径を求めそれぞれを濾
過精度、濾過精度(μm)とした。また、ケーキ添
加開始から0.2MPaに達した時のケーキ添加時間を
濾過ライフ(分)とした。
【0033】(初期濾液の泡立ち及び繊維脱落)循環式
濾過性能試験機のハウジングに長さ250mmのフィル
ターカートリッジ1本を取り付け、ポンプで流量を毎分
10リットルに調節してイオン交換水を通水する。ハウ
ジング出口で初期濾液を5リットル採取した内の25c
cを比色瓶に移して激しく攪拌し、攪拌停止10秒後に
泡立ちをみた。泡の体積(液面から泡の頂点までの体
積)が10cc以上ある場合を×、1cc以上10cc
未満の場合を△、1cc未満の場合を○として泡立ちを
判定した。また、初期濾液の内0.5リットルを孔径
0.8μmのニトロセルロース濾紙で濾過し、濾紙上に
長さ1mm以上の繊維が20本以上ある場合を×、10
〜19本の場合を△、5〜9本の場合を○、4本以下の
場合を◎として繊維脱落を判定した。
【0034】(実施例1)原反不織布として、繊度2.
1dtexのポリプロピレン繊維70%と、繊度2.4
dtexのレーヨン繊維30%からなり、目付28.1
g/m2、不織布面積の20%が熱エンボスロールで熱
圧着されたカード法による不織布を使用した。この原反
不織布を幅4cmでスリットした後、加圧された刃付き
ロールとゴムロールの間に通すことで、図3(A)に示
すようなV字型の切れ込みを1m当たり80ヶ所入れ
て、舌片部面積率20%の舌片部含有帯状不織布とし
た。また、有孔筒状体として、内径30mm、外径34
mm、長さ250mmのポリプロピレン製射出成型品を
使用した。舌片部先端が巻き取り方向を向くように舌片
含有帯状不織布繰り出し、スピンドル回転数800rp
mで、有孔筒状体に外径62mmになるまで巻き取り、
糸間隔1.2mm、濾過層空隙率81%の筒状フィルタ
ーを得た。濾過性能の測定結果を表1に示す。紡績糸を
用いた比較例1と比べると、濾過精度が上がってお
り、濾過ライフも向上している。また、繊維脱落も減少
している。
【0035】(実施例2)原反不織布として、繊度2.
2dtex、高密度ポリエチレンを鞘成分、ポリプロピ
レンを芯成分とした鞘芯比5:5の鞘芯型複合繊維40
%と、繊度2.1dtexの綿60%からなり、目付2
5.3g/m2、繊維交点が熱風貫流式加熱機で熱接着
されたカード法による不織布を使用した。この原反不織
布を幅4cmでスリットした後、実施例1と同じ装置で
刃付きロールを交換することで、図3(A)に示すよう
なV字型の切れ込みを1m当たり100ヶ所入れて、舌
片部面積率35%の舌片部含有帯状不織布とした。ま
た、有孔筒状体として、実施例1と同じものを使用し
た。舌片部先端が巻き取り方向を向くように舌片含有帯
状不織布繰り出し、スピンドル回転数800rpmで、
有孔筒状体に外径62mmになるまで巻き取り、糸間隔
1.0mm、濾過層空隙率83%の筒状フィルターを得
た。濾過性能の測定結果を表1に示す。舌片部面積率数
が増えたことで、濾材の捕集面積が増え、実施例1より
濾過ライフが向上した。また、熱風貫流式加熱機で加工
したことで熱接合点が増えたため、実施例1に比べ繊維
の脱落が減少した。
【0036】(実施例3)原反不織布として、繊度2.
4dtex、高密度ポリエチレンを鞘成分、ポリエステ
ルを芯成分とした鞘芯比5:5の鞘芯型複合繊維100
%からなり、目付20.3g/m2、不織布面積の15
%が熱エンボスロールで熱圧着されたスパンボンド法に
よる不織布を使用した。この原反不織布を幅5cmでス
リットした後、実施例1と同じ装置で刃付きロールを交
換することで、図2(B)に示すような不織布両サイド
からの切れ込みを1m当たり両側で100ヶ所入れて、
舌片部面積率40%の舌片部含有帯状不織布とした。ま
た、有孔筒状体として、実施例1と同じものを使用し
た。舌片部先端が巻き取り方向を向くように舌片含有帯
状不織布繰り出し、スピンドル回転数800rpmで、
有孔筒状体に外径62mmになるまで巻き取り、糸間隔
1.3mm、濾過層空隙率82%の筒状フィルターを得
た。濾過性能の測定結果を表1に示す。スパンボンド法
による長繊維不織布を用いたことで、泡立ちがなくな
り、実施例1に比べ繊維の脱落が減少した。
【0037】(実施例4)原反不織布として、繊度2.
0dtex、線状低密度ポリエチレンを鞘成分、ポリプ
ロピレンを芯成分とした鞘芯比5:5の鞘芯型複合繊維
100%からなり、目付22.3g/m2、不織布面積
の12%が熱エンボスロールで熱圧着されたスパンボン
ド法による不織布を使用した。この原反不織布を幅5c
mでスリットした後、実施例3と同じ装置で同じ切れ込
みを入れ、舌片部面積率40%の舌片部含有帯状不織布
とした。次に、この舌片部含有帯状不織布を加撚機にか
けて巻き取ることで、撚り数80回/mの集束物とし
た。また、有孔筒状体として、実施例1と同じものを使
用した。舌片部先端が巻き取り方向を向くように舌片部
含有帯状不織布集束物を繰り出し、スピンドル回転数8
00rpmで、有孔筒状体に外径62mmになるまで巻
き取り、糸間隔1.5mm、濾過層空隙率83%の筒状
フィルターを得た。濾過性能の測定結果を表1に示す。
撚りを加えたことで舌片部による効果が向上し、実施例
3より濾過ライフが向上した。
【0038】(実施例5)原反不織布として、繊度0.
06dtexのポリプロピレン繊維100%からなり、
目付6g/m2のメルトブロー法による不織布の両面
に、繊度2.4dtexのポリプロピレン繊維100%
からなり、目付12g/m2のスパンボンド法による不
織布が積層され、この積層不織布面積の12%が熱エン
ボスロールで熱圧着された不織布を使用した。この原反
不織布を幅5cmでスリットした後、実施例2と同じ装
置で同じ切れ込みを入れて、舌片部面積率35%の舌片
部含有帯状不織布とした。次に、この舌片部含有帯状不
織布を加撚機にかけて巻き取ることで、撚り数60回/
mの集束物とした。また、有孔筒状体として、実施例1
と同じものを使用した。舌片部先端が巻き取り方向を向
くように舌片部含有帯状不織布繰り出し、スピンドル回
転数800rpmで、有孔筒状体に外径62mmになる
まで巻き取り、糸間隔1.3mm、濾過層空隙率82%
の筒状フィルターを得た。濾過性能の測定結果を表1に
示す。不織布に細繊度の繊維が含まれることで実施例3
より濾過精度が上がっており、撚りをかけたことで舌片
部の効果が上がり、実施例3に近い濾過ライフを示して
いる。
【0039】(実施例6)実施例4と同じ舌片部含有帯
状不織布を使用した。次に、この舌片部含有帯状不織布
を加撚機にかけて巻き取ることで、撚り数80回/mの
集束物とした。また、有孔筒状体として、実施例1と同
じものを使用した。先ず、繊度0.1dtex、目付2
4.8g/m2のポリプロピレン繊維からなるメルトブ
ロー法による広幅の不織布を有孔筒状体に2周巻き付け
た後、その上に、実施例4で得た舌片含有帯状不織布集
束物を先端が巻き取り方向を向くように繰り出し、スピ
ンドル回転数800rpmで、有孔筒状体に外径62m
mになるまで巻き取り、糸間隔1.5mm、濾過層空隙
率83%の筒状フィルターを得た。濾過性能の測定結果
を表1に示す。内層に細繊度の不織布を挿入することで
濾過精度が上がっているにも係わらず、撚りを加えた舌
片部含有帯状不織布を用いたことで舌片部の効果によ
り、濾過精度のかなり低い比較例1と同等の濾過ライフ
を示している。
【0040】(比較例1)舌片部含有帯状不織布のかわ
りに、繊度2.2dtexのポリプロピレン繊維100
%からなる1078texの紡績糸を使用し、スピンド
ル回転数800rpmで、実施例1と同じ有孔筒状体に
外径62mmになるまで巻き取り、糸間隔1.0mm、
濾過層空隙率82%の円筒状フィルターカートリッジを
得た。濾過性能の測定結果を表1に示す。濾過精度、
濾過精度ともに低く、その差が大きいことから分別性
に劣っている。また、泡立ちと濾材の脱落が非常に多か
った。
【0041】(比較例2)実施例1の原反不織布を4c
m幅にスリットし、実施例1と同じ有孔筒状体にスピン
ドル回転数800rpmで、外径62mmになるまで巻
き取り、糸間隔1.0mm、濾過層空隙率80%の筒状
フィルターを得た。濾過性能の測定結果を表1に示す。
実施例1に比べ、濾過精度は同等であるが分別性が劣
り、濾過ライフも劣っていた。
【0042】(比較例3)原反不織布として、鞘側が高
密度ポリエチレン、芯側がポリプロピレンからなり鞘芯
比5:5で繊度2.2dtexの鞘芯型複合繊維20%
と、繊度2.1dtexの綿80%からなり、目付2
4.5g/m2、繊維交点が熱風貫流式加熱機で熱接着
されたカード法による不織布を使用した。この原反不織
布を実施例2と同じ製法で加工することで同じ舌片部面
積率の舌片部含有帯状不織布とした。次に、この舌片部
含有帯状不織布を加撚機にかけて巻き取ることで、撚り
数180回/mの集束物とした。また、有孔筒状体とし
て、実施例1と同じものを使用した。舌片部先端が巻き
取り方向を向くように舌片部含有帯状不織布繰り出し、
スピンドル回転数800rpmで、有孔筒状体に外径6
2mmになるまで巻き取り、糸間隔1.7mm、濾過層
空隙率77%の筒状フィルターを得た。濾過性能の測定
結果を表1に示す。撚りを加え過ぎたことで、集束物の
空隙率が低下し、実施例2よりも、初期圧力損失が大き
くなり、濾過精度が低下した。また、濾過ライフも劣
っていた。更に、熱可塑性繊維の割合が少ないため、繊
維脱落が多くなり、綿に含まれる繊維仕上げ剤の影響で
泡立ちも多くなった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の筒状フィルターは、従来の糸巻
き型筒状フィルターに較べ、通水性、捕集効率、濾過ラ
イフ共に優れており、更に、粗い精度側の捕集効率低下
を防ぐため、分別性に優れている。また、繊維の脱落が
少なく、スパンボンド法やメルトブロー法による不織布
を用いたものは泡立ちがみられない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒状フィルターの斜視図である。
【図2】本発明で用いられる舌片部含有帯状不織布を説
明するための図で、帯状不織布サイドに舌片部が形成さ
れた例を示す図面である。
【図3】本発明で用いられる舌片部含有帯状不織布を説
明するための図で、帯状不織布面内に形成された舌片部
の例を示す図面である。
【図4】図2で示される舌片部の面積を示す図面であ
る。
【図5】図3で示される舌片部の面積を示す図面であ
る。
【図6】舌片部含有帯状不織布をトラバースガイドに通
して巻き付ける様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 舌片部含有帯状不織布 2 切れ込み(不織布を除去して形成した場合も含む) 3 舌片部 4 帯状不織布のエッジ 5 筒状フィルター 6 有孔筒状体 7 舌片部含有帯状不織布の集束物 8 糸間隔 9 スピンドル 10 トラバースガイド A 舌片部含有帯状不織布の巻き付け方向 B、B’ トラバースガイドの移動方向 C スピンドルの回転方向

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維を含有し、その繊維交点の
    少なくとも一部が接着された、舌片部を有する帯状不織
    布を、有孔筒状体に綾状に巻き付けてなる筒状フィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】 舌片部を有する帯状不織布が、熱可塑性
    繊維を少なくとも30重量%含有する不織布である請求
    項1に記載の筒状フィルター。
  3. 【請求項3】 舌片部を有する帯状不織布が、熱エンボ
    スロールで熱圧着されている請求項1または請求項2に
    記載の筒状フィルター。
  4. 【請求項4】 舌片部を有する帯状不織布の繊維交点の
    少なくとも一部が、熱接着されている請求項1〜3のい
    ずれかに記載の筒状フィルター。
  5. 【請求項5】 舌片部を有する帯状不織布の全面積に対
    する舌片部の面積率が、10〜80%である請求項1〜
    4のいずれかに記載の筒状フィルター。
  6. 【請求項6】 舌片部を有する帯状不織布に撚りが加え
    られた請求項1〜5のいずれかに記載の筒状フィルタ
    ー。
  7. 【請求項7】 筒状フィルターの濾過層の空隙率が65
    〜90%である請求項1〜6のいずれかに記載の筒状フ
    ィルター。
  8. 【請求項8】 舌片部を有する帯状不織布が長繊維から
    なる不織布である請求項1〜7のいずれかに記載の筒状
    フィルター。
  9. 【請求項9】 舌片部を有する帯状不織布を構成する熱
    可塑性繊維が低融点樹脂と高融点樹脂からなり、それら
    両樹脂の融点差が10℃以上の複合繊維である請求項1
    〜8のいずれかに記載の筒状フィルター。
  10. 【請求項10】 筒状フィルターの濾過層の一部に舌片
    部を有する帯状不織布以外の多孔性材料が用いられた請
    求項1〜9のいずれかに記載の筒状フィルター。
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