JP2001027635A - オイル劣化度診断装置 - Google Patents

オイル劣化度診断装置

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JP2001027635A
JP2001027635A JP11201297A JP20129799A JP2001027635A JP 2001027635 A JP2001027635 A JP 2001027635A JP 11201297 A JP11201297 A JP 11201297A JP 20129799 A JP20129799 A JP 20129799A JP 2001027635 A JP2001027635 A JP 2001027635A
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Japan
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light
oil
transmission loss
deterioration
light guide
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JP11201297A
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Yoshitaka Takezawa
由高 竹澤
Junichi Katagiri
純一 片桐
Masayoshi Sugano
正義 菅野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、温度変化や初期オイルの呈色
の影響を受けない光学方式の簡便で信頼性の高いオイル
劣化度診断装置を提供することにある。 【解決手段】近赤外2波長における光透過損失及び損失
差からオイルの劣化度を診断できる照射用導光体,受光
用導光体に同一の一本の光ファイバを用いた反射型のレ
ベルゲージ型オイル劣化度診断装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な自動車エン
ジンオイル等のオイル劣化度診断装置に関している。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンオイルの劣化診断方法に
は、特開平3−111741 号公報に記載のように、エンジン
オイル中に含まれるカーボン粒子量をその粒子濃度によ
って変化するエバネッセント波の強度によって評価する
光学式センサ,特開平8−62207号公報に記載のように、
450〜700nmの可視光と800〜1100nmの
近赤外光の2波長を用いた吸光度値から劣化パターン
(初期型,中間型,後期型)を識別し、次いでそれぞれの
劣化パターンの校正曲線から劣化度を評価する手法が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記光
学式オイル劣化度診断技術は、エンジンの運転状況によ
り大幅に変化するエンジンオイルの温度変化に対して、
光センサの検知出力が大きく変化する問題点があった。
また、800nm以下の可視光を短波長側波長として用
いた2波長診断では、酸化防止剤等の様々な添加剤の影
響のために銘柄毎に異なっている初期オイルの呈する色
の影響を受け、正確な判定ができない問題点を有してい
た。さらに、上記の技術ではオイルの性能を評価する指
標である全酸価,動粘度,不溶解分量などの各物性値の
一つの指標を評価できるのみであり、同時評価はできな
かった。上記の指標は運転状況によって変化が異なるた
め、一つの指標だけでは劣化の状況を把握できないとい
う問題があった。
【0004】本発明の目的は全酸価,動粘度,不溶解分
量などの指標を同時評価し、温度変化の影響や初期オイ
ルの呈色の影響を受けないオイル劣化度診断装置を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自動車エ
ンジンオイルのオイルの劣化度と近赤外域における単位
長さ当たりの光透過損失スペクトル特性との関係を検討
した結果、近赤外短波長側の光透過損失スペクトルの傾
きと近赤外長波長側の光透過損失スペクトルのベースラ
インの増大がスラッジ量(不溶解成分量)や動粘度,全
酸価,全塩基価の値と相関を有することを見出した。さ
らに、レベルゲージ型の光ファイバを使用したオイル劣
化度診断装置が効果的にエンジンオイルの劣化度を検知
できることを確認し、本発明に到達した。即ち本発明の
要旨は次のとおりである。
【0006】(1)波長800nm以上1550nm以
下の発光ピーク波長を有する相異なる2種の半導体レー
ザあるいは発光ダイオードを用いた近赤外単色光光源か
らなる光源部と、該光源部からの照射光を自動車エンジ
ンのオイルレベルゲージ口を経由してエンジンオイル中
に導く光ファイバを用いた照射用導光体と、該照射用導
光体からの出射光が透過距離aなるエンジンオイル中を
透過後、該透過光を受光し、オイルレベルゲージ口を経
由して外部に導く光ファイバを用いた受光用導光体と、
該受光用導光体からの伝送光強度を測定する受光部と、
該伝送光強度から単位長さ当たりの光透過損失(α,d
B/mm)および2波長間の光透過損失差(Δα,dB/
mm)を演算し、さらに予め記憶されておいた該エンジン
オイルの劣化度と光透過損失および光透過損失差との関
係(マスターカーブ)を比較演算することによって劣化
度を判定し、かつ上記光源部,受光部の制御を行う制御
・演算部と、該制御・演算部で判定された劣化度判定結
果を自動車の運転室内のメーターパネル内に表示する表
示部とを備えたオイル劣化度診断装置において、前記照
射用導光体,受光用導光体が同一の一本の光ファイバか
らなり、かつ該照射用導光体からの出射光がエンジンオ
イルを透過後、反射して進路を反転させるための反射部
(ミラー)を有することを特徴とするオイル劣化度診断
装置にある。
【0007】近赤外単色光光源としては、波長800n
m以上1550nm以下の発光ピーク波長を有する半導
体レーザ(LD)あるいは発光ダイオード(LED)が
入手容易で寿命も長く性能も安定しており好適である。
特に800,820,830,850,870,94
0,950,1300,1310,1550nm等のL
D,LEDが好適である。上記領域以外の短い波長の光
源では、オイルの劣化度が比較的小さいうちに受光部内
の光検出器がオーバーレンジとなり、測光不能となるた
め適していない。また、上記領域以外の長い波長の光源
では、オイルの劣化度の進行に対して受光部内の光検出
器の感度が小さく、やはり測光に適していない。
【0008】また、照射用導光体,受光用導光体,反射
部(ミラー)を自動車エンジンのオイルレベルゲードに
組み込んでいるため、従来のエンジンシステムに設計上
全く変更を加える必要がない。従って、新規設計車にの
み適用が限られることがない。劣化度の判定結果の表示
方法は、車内のメーターパネル上にセルフチェック機能
の一部として交換推奨時期のみのアラームとしての表示
も、劣化の程度をパーセント表示での表示もいずれも可
能である。
【0009】さらに、前記照射用導光体,受光用導光体
を2本の異なる光ファイバで構成すると、長期間にわた
る自動車運転時のエンジンの振動や、自主点検でエンジ
ンオイル量をチェックする時にレベルゲージを布等を使
って拭き取る際に光ファイバ部に当たり光軸がずれる問
題が発生する。本発明では両者を同一の1本の光ファイ
バで構成しているため、光軸がずれる問題が発生しない
ことを最大の特徴としている。光ファイバとして多成分
ガラス系,石英系,プラスチック系のいずれでも使用で
き、また、複数本の光ファイバ素線を束ねて1本の光フ
ァイバとしたバンドル系の光ファイバを用いても良好に
動作する。
【0010】(2)波長800nm以上1550nm以
下の発光ピーク波長を有する相異なる2種の半導体レー
ザあるいは発光ダイオードを用いた近赤外単色光光源か
らなる光源部と、該光源部からの照射光を自動車エンジ
ンのオイルレベルゲージ口を経由してエンジンオイル中
に導く光ファイバを用いた照射用導光体と、該照射用導
光体からの出射光が透過距離aなるエンジンオイル中を
透過後、該透過光を受光し、オイルレベルゲージ口を経
由して外部に導く光ファイバを用いた受光用導光体と、
該受光用導光体からの伝送光強度を測定する受光部と、
該伝送光強度から単位長さ当たりの光透過損失(α,d
B/mm)および2波長間の光透過損失差(Δα,dB/
mm)を演算し、さらに予め記憶されておいた該エンジン
オイルの劣化度と光透過損失および光透過損失差との関
係(マスターカーブ)を比較演算することによって劣化
度を判定し、かつ上記光源部,受光部の制御を行う制御
・演算部と、該制御・演算部で判定された劣化度判定結
果を表示する表示部とを備え、該光源部,受光部,制御
・演算部,表示部がオイルレベルゲージの上部のグリッ
プ内に設置され、電池で駆動可能であるオイル劣化度診
断装置において、前記照射用導光体,受光用導光体が同
一の一本の光ファイバからなり、かつ該照射用導光体か
らの出射光がエンジンオイルを透過後、反射して進路を
反転させるための反射部(ミラー)を有することを特徴
とするオイル劣化度診断装置にある。
【0011】光源部,受光部,制御・演算部,表示部が
オイルレベルゲージの上部のグリップ内に設置され、電
池で駆動するため、本装置単独で携帯型としても使用可
能である。劣化度の判定結果の表示方法は、交換推奨時
期のみのアラームとしての表示も、劣化の程度をパーセ
ント表示での表示もいずれも可能である。
【0012】一般に、自動車エンジンオイルの劣化度と
近赤外域における単位長さ当たりの光透過損失スペクト
ルとは、図3で示されるような変化で代表される。これ
らの光透過損失スペクトルは測定温度の影響を受けない
ため、運転前の始業点検時での測定でも、運転中の測定
でも同一値が得られる。該図のように劣化に伴って80
0nm以下の可視領域の光透過損失は著しい増加を示す
ので、オイルは黒色化し、受光部内の光検出器は劣化の
進行が比較的小さいうちにオーバーレンジとなってしま
う。従って、検討の結果、800nm以下の可視光での
評価はオイル劣化には不適であると結論できた。この短
波長側からのスペクトル増大は、主にオイルの熱酸化劣
化に伴う電子遷移吸収損失の増大や、ブローバイガスの
中和で生成した微細な凝集体によるレイリー散乱損失に
起因するものである。ここで、2波長間の光透過損失差
でみると、初期ではA−A′間の傾きを、劣化(中)で
はB−B′間の傾きを、劣化(大)ではC−C′間の傾
きを示すことになり、劣化の進行に伴ってその傾きは大
きくなっていく。さらに、ベース値の光透過損失に着目
すると、A′,B′,C′の近傍のピーク(C−H結合
の高調波吸収ピーク)の大きさが変化していないことか
ら、A′,B′,C′の順に大形凝集体による光散乱損
失(いわゆるミー散乱)が増大していることになり、そ
の不溶解成分量が検知できることになる。さらに、図4
には各種使用状況の異なる実機エンジンオイルと初期品
(新油)12の光透過損失スペクトルを示したが、酸化
防止剤等の添加剤の影響でここに示した4種の初期オイ
ルは異なる色を呈しているが、800nm以上の領域で
は光透過損失スペクトルは全く同一値を示している。即
ち、近赤外光を用いれば、オイルの銘柄の影響を受けず
に診断できるといえる。一例として、図8には走行距
離,車種,使用状況の異なる様々な実車のエンジンオイ
ルの1310nmにおける光透過損失と40℃における
動粘度との関係図を、同様に図9には950nmと13
10nm間における光透過損失差と全酸価値との関係図
を、同様に図10には1310nmにおける光透過損失
とペンタン不溶解分との関係図を示す。各パラメータは
光透過損失及び光透過損失差と良好な相関を有してお
り、逆に光透過損失及び光透過損失差を測定すればこれ
らのパラメータを同時評価できることがわかる。
【0013】この劣化に伴う光透過損失及び光透過損失
差の変化が前記オイルの劣化度を示す尺度となるパラメ
ータと相関を有するため、光透過損失及び光透過損失差
を測定することのみでオイルの物性低下、即ち劣化度を
診断できる。また、特開平3−226651号公報に記載され
ているように、劣化度は換算時間θで表すことが一般的
である。換算時間θで表すことにより、様々な劣化履歴
を有する材料であっても、θが等しければ同じ劣化度で
あることを意味する。換算時間θは(1)式で定義され
る。
【0014】 θ=t×exp(−ΔE/RT) …(1) ここで、ΔEは劣化のみかけの活性化エネルギー(J/m
ol)、Rは気体定数(J/K/mol)、Tは劣化の絶対
温度(K),tは劣化時間(h)である。オイル劣化の
ΔEはアレニウスプロットにより容易に算出できる。さ
らに、予め求めておいたオイルの寿命点における換算時
間をθ0 とすれば、実測から求めた換算時間θとの差Δ
θが余寿命に相当する換算時間となり、劣化度判定の尺
度となる。即ち、余寿命Δθ(h)は(2)式で表され
る。
【0015】 Δθ(=θ0 −θ) …(2) (2)式より時間t以降のオイルの平均使用温度条件が
定まれば、余寿命の時間Δt(=t0 −t)を求めるこ
とができる。なお、光透過損失差及び光透過損失をパラ
メータとしたときの余寿命判定用の診断マスターカーブ
の例を図5及び図6に示す。図5の光透過損失差は図9
に示したようにオイルの全酸価と相関を有する。従っ
て、図5を用いればオイル物性値の全酸価から判定した
余寿命が算出できる。図6の光透過損失は図8,図10
に示したようにオイル物性値の動粘度,ペンタン不溶解
分と相関を有する。従って、図6を用いれば動粘度,ペ
ンタン不溶解分から判定した余寿命が算出できる。実際
の判定では、両者から算出されたより短い余寿命がオイ
ルの余寿命として導かれる。本診断では、全酸価,動粘
度,不溶解分量等のオイル物性値を同時評価できるの
で、一つの物性のみに着目した従来評価技術では見落と
された他の物性値変化を捉えた総合的な診断が初めて可
能になる。このような診断マスターカーブは加速劣化試
験によって(1)式を用いて簡単に作成することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
【0017】(実施例1)図1は自動車エンジンのオイ
ル劣化度診断装置の適用形態を示す模式図である。ま
た、図7に劣化度判定のための演算のフローチャートを
示す。図1において制御・演算部7は測定データ記憶用
メモリー,読み出し専用メモリーを内蔵したマイクロプ
ロセッサからなっており、光源部5の光源波長の切り替
え、受光部6の受光強度測定,演算まで行う。制御・演
算部9からの信号は車内のメータパネル8に伝送され、
状況に応じて交換推奨時期であれば警告灯9が点灯す
る。光源部5からの照射光は光コネクタ10を介して光
ファイバケーブル4を伝送し、レベルゲージ3へ到達す
る。図2に示すように、照射光はミラー11で反射し、
再び光ファイバケーブル4を経て、光コネクタ10を介
して受光部6へ入射する。本実施例では図11を用い
て、照射用導光体,受光用導光体に同一の一本の光ファ
イバを用いた装置での説明をする。光源としてはλ1=
950nmの発光ダイオード(LED)光源1(13)
とλ2=1310nmの半導体レーザ(LD)光源2(1
4)を用いた。まず、各光源波長のレファレンス光量
(L0,λ)を測定する。λ1からの照射光は光コネクタ
10内に設置してある、λ1の光を反射し、λ2の光を
透過する干渉フィルタ16を挟んだ2本の1/4ピッチ
の屈折率分布型ロッドレンズ15に入射する。該干渉フ
ィルタ16で反射したλ1からの照射光は光ファイバケ
ーブル4内を通り、レベルゲージ3に導かれる。光ファ
イバケーブル4としては、多成分ガラス系の光ファイバ
単線を用いた。光ファイバケーブル4からの出射光は、
レベルゲージ3上に形成された反射部(ミラー)11で反
射して光路を反転させ、再び光ファイバケーブル4に入
射する。なお、光ファイバ端面とミラー11との間隙
は、本実施例では光路長1.0mm に設定されているが、
0.5〜2.0mmまで可変である。反射光は光コネクタ1
0へと導かれ、受光器1(17)に到達する。受光器1
(17)にてλ1における透過光強度を検出し、制御・
演算部7にて光透過損失として演算・記憶される。同様
にしてλ2からの照射光に対する透過光強度を測定し、
制御・演算部7にてλ2の光透過損失として演算・記憶
する。制御・演算部7では図5及び図6に示したような
予め記憶されていたオイルの劣化と光透過損失及び光透
過損失差との関係図(マスターカーブ)からオイルの劣
化度を換算時間として算出し、結果を車内に設置されて
いる警告灯に劣化度(%)として表示する。また、全酸
価,動粘度,不溶解分量などの指標でも評価,表示もで
きる。なお、この検査はエンジン始動後セルフチェック
機能として作動するシステムとなっている。実車で本装
置を10000km走行後まで機能を確認した結果、表1
に示したように最後まで良好に動作し、光ファイバの軸
ずれに伴う測光不能現象は発生しなかった。また、測光
値は運転前の始業点検時での測定でも、運転中の測定で
も同一値が得られ、測定温度の影響を受けなかった。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例2)実施例1と同様にして、図1
2を用いて照射用導光体,受光用導光体に同一の一本の
光ファイバを用いた異なる構成の装置での説明をする。
光源としてはλ1=800nmのLED光源1(13)
とλ2=950nmのLED光源2(14)を用いた。
まず、各光源波長のレファレンス光量(L0,λ)を測定
する。λ1からの照射光はλ1の光を反射し、λ2の光
を透過する干渉フィルタ16を挟んだ光ファイバに入射
する。該干渉ファルタ16で反射したλ1からの照射光
は光分岐結合器19を介して、光ファイバケーブル4内
を通り、レベルゲージ3に導かれる。光ファイバケーブ
ル4としては、ポリカーボネート製のプラスチック系光
ファイバ単線を用いた。光ファイバケーブル4からの出
射光は、レベルゲージ3上に形成された反射部(ミラ
ー)11で反射して光路を反転させ、再び光ファイバケ
ーブル4に入射する。なお、光ファイバ端面とミラー1
1との間隙は、本実施例では光路長0.5mm に設定し
た。反射光は光分岐結合器19へと導かれ、受光器1
(17)に到達する。受光器1(17)にてλ1におけ
る透過光強度を検出し、制御・演算部7にて光透過損失
として演算・記憶される。同様にしてλ2からの照射光
に対する透過光強度を測定し、制御・演算部7にてλ2
の光透過損失として演算・記憶する。制御・演算部7で
は図5及び図6に準じたような予め記憶されていたオイ
ルの劣化と光透過損失及び光透過損失差との関係図(マ
スターカーブ)からオイルの劣化度を換算時間として算
出し、結果を車内に設置されている警告灯に劣化度
(%)として表示する。また、全酸価,動粘度,不溶解
分量などの指標でも評価,表示もできる。なお、この検
査はエンジン始動後セルフチェック機能として作動する
システムとなっている。実車で本装置を10000km走
行後まで機能を確認した結果、表1に示したように最後
まで良好に動作し、光ファイバの軸ずれに伴う測光不能
現象は発生しなかった。また、オイルの銘柄を変えて同
様の試験を実施したが、ほぼ同一の測光値が得られた。
【0020】(比較例1)実施例2に準じた構成で、図
12における光分岐結合器19を用いずに照射用導光
体,受光用導光体に異なる2本の光ファイバをそのまま
延長して用いた装置を作製した。実車で本装置を100
00km走行後まで機能を確認した結果、表1に示したよ
うに6000km走行後まで良好に動作したが、その後、
測光不能となった。分解してチェックした結果、光ファ
イバの軸ずれが発生していた。
【0021】(実施例3)実施例2と同様に、照射用導
光体,受光用導光体に同一の一本の光ファイバを用いた
システムにて、図13に示すように光源部,受光部,制
御・演算部,表示部(液晶パネル)がオイルレベルゲー
ジの上部のグリップ(40×100×25mm)内に設置
され、ボタン型電池で駆動する重さ750gの携帯型装
置を作製した。同一実車で繰り返し耐久性を調べた結
果、測定毎にレベルゲージに付着したオイルを布で拭き
取りながら評価したが、1000回後でも同一値を示
し、光ファイバの軸ずれに伴う測光不能現象は発生しな
かった。
【0022】(比較例2)実施例3に準じた構成で、照
射用導光体,受光用導光体に異なる2本の光ファイバを
用いた装置を作製した。同一実車で繰り返し耐久性を調
べた結果、測定毎にレベルゲージに付着したオイルを布
で拭き取りながら評価したが、230回後まで同一値を
示したが、その後測光不能となった。分解してチェック
した結果、光ファイバの軸ずれが発生していた。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、自動車エンジンに使用
されているオイルの劣化度を光学方式のレベルゲージ型
装置により測定温度や初期のオイルの色の影響を受ける
ことなく、全酸価,動粘度,不溶解分量などの指標で同
時評価し、診断できる。また、車載型としても携帯可能
な電池駆動タイプとしても運用可能な診断装置を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車エンジンのオイル劣化度診断装置の適用
形態を示す模式図。
【図2】レベルゲージ型オイル劣化度診断装置の模式
図。
【図3】エンジンオイルの劣化に伴う光透過損失スペク
トルの変化。
【図4】各種使用状況の異なる実車エンジンオイルと新
油の光透過損失スペクトル。
【図5】光透過損失差をパラメータにした診断マスター
カーブの例。
【図6】光透過損失をパラメータにした診断マスターカ
ーブの例。
【図7】オイル劣化度判定のための診断のフローチャー
ト。
【図8】各種使用状況の異なる実車エンジンオイルの光
透過損失と動粘度との関係図。
【図9】各種使用状況の異なる実車エンジンオイルの光
透過損失差と全酸価との関係図。
【図10】各種使用状況の異なる実車エンジンオイルの
光透過損失とペンタン不溶解分との関係図。
【図11】照射用導光体,受光用導光体に同一の一本の
光ファイバを用いたオイル劣化度診断装置の適用形態
(ロッドレンズ型)を示す模式図。
【図12】照射用導光体,受光用導光体に同一の一本の
光ファイバを用いたオイル劣化度診断装置の適用形態
(干渉フィルタ型)を示す模式図。
【図13】レベルゲージグリップ部表示タイプオイル劣
化度診断装置の例。
【符号の説明】
1…オイル、2…エンジン、3…レベルベージ、4…光
ファイバケーブル、5…光源部、6…受光部、7…制御
・演算部、8…メーターパネル、9…警告灯、10…光
コネクタ、11…ミラー、12…初期品、13…光源
1、14…光源2、15…ロッドレンズ、16…干渉フ
ィルタ、17…受光器1、18…受光器2、19…光分
岐結合器、20…表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 正義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2G059 AA03 BB04 EE01 EE11 FF08 GG01 GG02 GG03 HH01 HH06 JJ03 JJ13 JJ17 LL03 MM01 MM04 MM05 MM10 MM12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長800nm以上1550nm以下の発
    光ピーク波長を有する相異なる2種の半導体レーザある
    いは発光ダイオードを用いた近赤外単色光光源からなる
    光源部と、該光源部からの照射光を自動車エンジンのオ
    イルレベルゲージ口を経由してエンジンオイル中に導く
    光ファイバを用いた照射用導光体と、該照射用導光体か
    らの出射光が透過距離aなるエンジンオイル中を透過
    後、該透過光を受光し、オイルレベルゲージ口を経由し
    て外部に導く光ファイバを用いた受光用導光体と、該受
    光用導光体からの伝送光強度を測定する受光部と、該伝
    送光強度から単位長さ当たりの光透過損失(α,dB/
    mm)および2波長間の光透過損失差(Δα,dB/mm)
    を演算し、さらに予め記憶されておいた該エンジンオイ
    ルの劣化度と光透過損失および光透過損失差との関係
    (マスターカーブ)を比較演算することによって劣化度
    を判定し、かつ上記光源部,受光部の制御を行う制御・
    演算部と、該制御・演算部で判定された劣化度判定結果
    を自動車の運転室内のメーターパネル内に表示する表示
    部とを備えたオイル劣化度診断装置において、 前記照射用導光体,受光用導光体が同一の一本の光ファ
    イバからなり、かつ該照射用導光体からの出射光がエン
    ジンオイルを透過後、反射して進路を反転させるための
    反射部(ミラー)を有することを特徴とするオイル劣化
    度診断装置。
  2. 【請求項2】波長800nm以上1550nm以下の発
    光ピーク波長を有する相異なる2種の半導体レーザある
    いは発光ダイオードを用いた近赤外単色光光源からなる
    光源部と、該光源部からの照射光を自動車エンジンのオ
    イルレベルゲージ口を経由してエンジンオイル中に導く
    光ファイバを用いた照射用導光体と、該照射用導光体か
    らの出射光が透過距離aなるエンジンオイル中を透過
    後、該透過光を受光し、オイルレベルゲージ口を経由し
    て外部に導く光ファイバを用いた受光用導光体と、該受
    光用導光体からの伝送光強度を測定する受光部と、該伝
    送光強度から単位長さ当たりの光透過損失(α,dB/
    mm)および2波長間の光透過損失差(Δα,dB/mm)
    を演算し、さらに予め記憶されておいた該エンジンオイ
    ルの劣化度と光透過損失および光透過損失差との関係
    (マスターカーブ)を比較演算することによって劣化度
    を判定し、かつ上記光源部,受光部の制御を行う制御・
    演算部と、該制御・演算部で判定された劣化度判定結果
    を表示する表示部とを備え、該光源部,受光部,制御・
    演算部,表示部がオイルレベルゲージの上部のグリップ
    内に設置され、電池で駆動可能であるオイル劣化度診断
    装置において、 前記照射用導光体,受光用導光体が同一の一本の光ファ
    イバからなり、かつ該照射用導光体からの出射光がエン
    ジンオイルを透過後、反射して進路を反転させるための
    反射部(ミラー)を有することを特徴とするオイル劣化
    度診断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008544275A (ja) * 2005-06-20 2008-12-04 ビーピー オイル インターナショナル リミテッド 分光法的プローブ用の使い捨て可能/密封可能なキャップの改良
JP2011501121A (ja) * 2007-10-12 2011-01-06 エスペ3アッシュ 流体分析用の分光測定デバイス
CN102243191A (zh) * 2011-04-27 2011-11-16 洛阳轴研科技股份有限公司 高温润滑油热老化安定性试验方法

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