JP2001026862A - スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲットおよびその製造方法

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JP2001026862A
JP2001026862A JP20127199A JP20127199A JP2001026862A JP 2001026862 A JP2001026862 A JP 2001026862A JP 20127199 A JP20127199 A JP 20127199A JP 20127199 A JP20127199 A JP 20127199A JP 2001026862 A JP2001026862 A JP 2001026862A
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JP20127199A
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Takeo Ohashi
建夫 大橋
Hideyuki Takahashi
秀行 高橋
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Nippon Mining Holdings Inc
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Nikko Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリングターゲットを汚染させること
なく、スパッタリングターゲットの上面や側面に形成さ
れた堆積膜の剥離を効果的に防止し、スパッタリング期
間中の長期に亘ってパ−ティクルの異常発生を抑制し安
定化させる。 【解決手段】 スパッタリングターゲットの一部の面の
不要な薄膜の堆積が生じる部分に、複数の凹凸が形成さ
れるようにマスキングし、次にこれをエッチング加工し
た後、マスキングを除去することにより複数の凹凸を形
成することを特徴とするスパッタリングターゲットの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、成膜中にパ−テ
ィクルの発生が少ないスパッタリングターゲットおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路の電極や拡散バリヤ用薄
膜、磁気記録媒体用磁性薄膜、液晶表示装置のITO透
明導電膜などの多くに気相成長による薄膜形成技術が使
用されている。特に、気相成長法の一つであるスパッタ
リング法は上記のような広範囲な材料に適用でき、また
薄膜形成の制御が比較的容易であることから広く利用さ
れている。このスパッタリング法は周知のように、荷電
粒子によりスパッタリングタ−ゲットを衝撃し、その衝
撃力により該タ−ゲットからそれを構成する物質の粒子
をたたき出し、これをタ−ゲットに対向させて配置し
た、例えばウエハ等の基板に付着させて薄膜を形成する
成膜法である。
【0003】ところで、上記のようなスパッタリングな
どの気相成長による薄膜の形成に際し、パ−ティクルの
発生という問題が大きく取り上げられるようになってき
た。このパ−ティクルは、たとえばタ−ゲットを起因と
するものについて説明すると、タ−ゲットをスパッタリ
ングした場合、薄膜は基板以外に薄膜形成装置の内壁や
内部にある部材などいたるところに堆積する。そして該
薄膜形成装置内にある部材等から剥離した薄片が直接基
板表面に飛散して付着することがパ−ティクル発生の一
要因であると考えられている。この他タ−ゲット表面に
はタ−ゲット側面や薄膜形成装置内にある部材等から剥
離した薄片が核となって発生すると考えられているノジ
ュールと呼ばれる異物が直径数〜数百μm程度に成長す
る。そしてこのようなノジュールはある程度成長した時
点で破砕し、基板表面に飛散して付着することがパ−テ
ィクル発生の一要因であると考えられている。そして、
上記のようなパ−ティクルが基板上の細い配線などに堆
積すると、例えばLSIの場合は配線の短絡や逆に断線
を引き起こすなどの問題を生ずる。
【0004】最近では、LSI半導体デバイスが集積度
が上がる(16Mビット、64Mビットさらには256
Mビット等)一方、配線幅(ルール)が0.25μm以
下になるなどより微細化されつつあるので、上記のよう
なパ−ティクルによる配線の断線や短絡等といった問題
がより頻発するようになった。このように電子デバイス
回路の高集積度化や微細化が進むにつれてパ−ティクル
の発生は一層大きな問題となってきたのである。
【0005】上記に述べたようにパ−ティクル発生の原
因の一つとして薄膜形成装置の内壁や内部に存在する部
材の、本来ならば膜の形成が不必要である部分への薄膜
の堆積の問題が大きく上げられる。具体的には基板の周
辺部、シールド、バッキングプレート、シャッター、タ
ーゲットの非エロージョン部およびこれらの支持具など
への堆積である。
【0006】上記のように、不必要な薄膜の堆積があっ
たところから、この膜が剥離、飛散しパ−ティクルの発
生原因となるので、これらの堆積物が厚くなり、剥離す
る前に薄膜形成装置の内壁や基板の周辺部、シールド、
バッキングプレート、シャッターおよびこれらの支持具
などを定期的にクリーニングするかまたは交換する手法
がとられた。また、多量に堆積する部材(機器)の部位
には一旦付着した薄膜が再び剥離、飛散しないように、
金属溶射皮膜を形成したり(特開昭61−56277
号、特開平8−176816号参照)、ブラスト処理な
どの物理的な表面粗化処理を施して堆積物を捕獲してお
くという手段がとられた(特開昭62−142758号
参照)。
【0007】さらにまた、上記のような作業は薄膜形成
の作業能率を低下させる原因と考えられたので、堆積物
が剥離、飛散しないように捕獲する防着板という取り外
し可能な板が考案され、さらにこの板の熱膨張係数を変
えたり、板の表面にサンドブラスト処理やヘヤライン処
理をするなどの工夫がなされた(特開昭63−1628
61号、特開平2−285067号、特開平3−138
354号参照)。これらの中では、特別な表面処理を施
した、いわゆるパーティクルゲッター(商標名)が当時
の技術の中ではパ−ティクルの発生を効果的に防止する
画期的なもの(特開平1−316456号、特開平3−
87357号参照)であった。
【0008】しかしながら、最近では上記のように配線
ルールの微細化によりコンタクトホールやビアホールの
アスペクト比が3以上と大きくなり、その結果、従来の
スパッタリング方式ではこれらのホールの穴埋めが困難
になってきた。このため、コリメーションスパッタリン
グ、ロングスローなどの高い指向性のスパッタリングが
登場したが、これらのスパッタリングでは投入電力が従
来の2倍以上という大電力である。これによって、スパ
ッタリング時に形成されるプラズマの密度およびその広
がりが拡大し、プラズマ近傍に位置するシールド、コリ
メーター、ターゲットなどは薄膜の堆積と同時にこれら
の表面層もスパッタリングされるようになった。
【0009】上記の堆積物が剥離、飛散しないように捕
獲しておく手段として装置の内壁や機器に直接あるいは
防着板の上に、金属溶射皮膜やブラスト処理を施したも
のは、金属溶射皮膜についてはそれ自体が、またブラス
ト処理が施されたものについては部材に残存するブラス
ト材が、特にスパッタリング開始初期にスパッタリング
され、スパッタリング装置内部全体を汚染させてしまう
という問題を生じた。また上記の防着板単独の場合でも
それ自体が厚みを有するので、取り付け箇所には限界が
あるし、また上記のようにスパッタリング投入パワーが
著しく増大した場合には、金属溶射皮膜やブラスト処理
材と同様の問題を生じた。
【0010】このように、パーティクル発生は依然とし
て存在し、またパーティクルの発生を防止しようとして
採用された金属溶射皮膜やブラスト処理などの手段ある
いはこれらを施した防着板などはかえって薄膜の汚染の
原因になるという極めて重要な問題を発生した。このよ
うなことから、本発明者らは先に薄膜形成装置の内壁ま
たは装置内にある部材の一部の面または全面の不要な薄
膜の堆積が生ずる部分に、複数の凹凸が形成されるよう
にマスキングし、次にこれをエッチング加工した後、前
記マスキングを除去して複数の凹凸を形成した薄膜形成
装置用部材及びその製造方法を提案した(特開平10−
330971号)。この方法により、従来に比べてトー
タル量としてのパ−ティクルの発生は著しく抑制するこ
とが可能となった。しかしながら、スパッタリング開始
初期や長時間スパッタリングを継続した場合に、原因不
明の突発的なパ−ティクルの異常増大があり、その場合
には成膜の品質を著しく悪化させるという問題を生じ
た。したがって、スパッタリング期間中の長期に亘って
成膜の品質をより安定化させるために、さらに改善が必
要であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明はターゲットのエロージョンされる部分にも凹凸
をつけてデポジット膜の剥離防止を実現し、パ−ティク
ルのトータル量を減少させるとともに、突発的なパ−テ
ィクルの異常増大を防止し、スパッタリング期間中の長
期に亘ってパ−ティクルの発生を抑制かつ安定化させる
技術を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)スパッ
タリングターゲットの一部の面の不要な薄膜の堆積が生
じる部分に、複数の凹凸が形成されるようにマスキング
し、次にこれをエッチング加工した後、マスキングを除
去することにより複数の凹凸を形成することを特徴とす
るスパッタリングターゲットの製造方法、(2)スパッ
タリングターゲットの一部の面の不要な薄膜の堆積が生
じる部分に、複数の凹凸が形成されるようにマスキング
し、次にこれをエッチング加工した後、マスキングを除
去することにより形成した複数の凹凸の中心線平均粗さ
が5〜100μmである複数の凹部または凸部を備えて
いることを特徴とするスパッタリングターゲット、
(3)スパッタリングターゲットの一部の面の不要な薄
膜の堆積が生じる部分に、複数の凹凸が形成されるよう
にマスキングし、次にこれをエッチング加工した後、マ
スキングを除去することにより形成した複数の凹凸の中
心線最大粗さが10〜500μである複数の凹部また
は凸部を備えていることを特徴とするスパッタリングタ
ーゲット、(4)凹凸の間隔が一定であり、規則的に配
列されていることを特徴とする上記(2)または(3)
に記載するスパッタリングターゲット、(5)エッチン
グ加工面に、単位面積(1平方mm)当たり1〜100
000個の凹部または凸部が形成されていることを特徴
とする上記(2)〜(4)のそれぞれに記載するスパッ
タリングターゲット、(6)スパッタリングターゲット
の一部の面の不要な薄膜の堆積が生じる部分に、複数の
凹凸が形成されるようにマスキングし、次にこれをエッ
チング加工した後、マスキングを除去することにより形
成した複数の凹凸部分において、該スパッタリングター
ゲットを構成する元素および窒素や炭素などのガス成分
元素を除く汚染物質元素の濃度が凹凸の加工前に比べ、
同じまたは減少していることを特徴とする上記(2)〜
(5)のそれぞれに記載するスパッタリングターゲッ
ト、を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成す
べく鋭意研究を行った結果、次のような知見が得られ
た。すなわち、従来の金属溶射皮膜は被溶射物に密着し
易く、かつスパッタリングによる堆積物の応力を吸収で
きるニッケルやアルミニウムなどの比較的軟質の金属が
用いられるが、いずれの溶射用金属原料も純度が2N程
度とレベルが低いため薄膜形成装置用部材などに溶射し
た場合、そのまま汚染につながること。またブラスト処
理では、通常使用されるアルミナや炭化珪素などのブラ
スト材の形状が魁状または針状のため被ブラスト材に食
い込み、表面に残存することが分かった。そして、この
ような異物は薄膜形成の初期にスパッタリングされ、薄
膜形成装置内を広く汚染し、最悪の場合には基板上のス
パッタリング薄膜すらも汚染してしまうということにな
るからである。さらに、ターゲットそのものにも不要な
薄膜の堆積が発生するので、ターゲットの側面または上
面の一部、すなわち従来は非エロージョン部分に限定さ
れていた堆積膜の剥離防止粗化範囲をエロージョンの境
界領域さらにはエロージョン領域にまで拡張し、スパッ
タリングターゲットを起源とするパーティクルの発生を
最大限抑制することが必要である。
【0014】そこで、上記の問題を解決するため、まず
汚染のない表面粗化を実現するために、従来の物理的な
方法による表面粗化方法ではなく、化学的な方法として
エッチング処理を試みた。結果として、エッチングによ
り表面の清浄度を保ち、かつ表面を粗化させることで十
分な堆積物の密着強度が達成可能であり、スパッタリン
グターゲットのエロージョン境界領域さらにはエロージ
ョン領域まで適用可能であることが判明した。
【0015】このように薄膜形成装置の内壁や装置の内
部に配置されている機器(部材)だけでなく、スパッタ
リングターゲットの一部の面の不要な薄膜の堆積が生じ
る部分をエッチング加工して複数の凹凸を形成し、これ
によりスパッタリングターゲットに堆積した薄膜の剥
離、飛散を防止して、スパッタリングの操作中のパーテ
ィクルの突発的異常発生を防止し、かつ安定した成膜を
得る発想は今まで全く存在せず、大きな効果が上げられ
ることが判明した。
【0016】エッチング加工によりスパッタリングター
ゲットに形成した凹凸は、該ターゲット表面積を著しく
増加させ、単位面積当たりの堆積量を減少させ、また堆
積量の増大に伴う内部応力の上昇を抑制して堆積物の亀
裂および剥離を著しく低減させることができるという著
しい効果を有する。
【0017】エッチング加工により形成された凹凸部の
エッチング加工面の中心線表面粗さ(Ra)を5〜10
0μmとしたのは、表面積を著しく増加させ、堆積物に
対する凹部または凸部のアンカー効果による密着力を十
分に持たせるためである。この密着力は5μm未満では
不十分であること、他方100μmを超えるとプラズマ
側に向いた凹部または凸部の側面にのみ集中して薄膜が
堆積し、逆に反対の面では堆積量が少なくなるかまたは
全く堆積しなくなる。このような場合には、全体として
は不均一な堆積となり凹部または凸部のアンカー効果が
有効に働かず、剥離が生じやすいためである。また、同
様にエッチング加工により形成された凹凸部のエッチン
グ加工面の中心線最大粗さを10〜500μmとするこ
とによっても達成できる。これにより、表面積を著しく
増加させ、堆積物に対する凹部または凸部のアンカー効
果による密着力を十分に持たせるためである。この密着
力は中心線最大粗さ10μm未満では不十分であり、他
方500μmを超えるとプラズマ側に向いた凹部または
凸部の側面にのみ集中して薄膜が堆積し、逆に反対の面
では堆積量が少なくなるかまたは全く堆積しなくなる。
このような場合には、全体としては不均一な堆積となり
凹部または凸部のアンカー効果が有効に働かず、剥離が
生じやすいためである。
【0018】上記からも明らかなように、凹部または凸
部のアンカー効果による密着力をより十分に持たせるた
めには、エッチング加工により形成された凹凸の間隔が
一定であり、規則的に配列されていることが望ましい。
このようにすることにより、スパッタリングターゲット
への薄膜の堆積が均一となる可能性を増加させ、アンカ
ー効果による密着力を効果的に発揮させることができ
る。前記マスキングおよびエッチング加工により表面粗
化された面は清浄面であり、副次的な作用として堆積物
と被処理面との界面に汚染層がないので、従来のブラス
トによる粗化処理よりも密着性が向上していることが判
明した。
【0019】マスキング材としては当然のことながら耐
エッチング性があるもので、かつエッチング加工後の洗
浄で容易に除去できるものであればよく、特に限定する
必要はない。一例として、例えば一般に電子回路を形成
するために使用する光硬化型のレジストを使用すること
ができる。図1にその例を示す。(A)は処理前の被処
理材の断面、(B)は被処理材の表面にレジストを塗布
した断面、(C)はエッチング加工を施して被処理材の
一部を除去した断面、(D)はエッチング加工後レジス
トを除去した被処理材の断面を示すそれぞれの概略説明
図であり、(A)〜(D)に工程順に配列したものであ
る。
【0020】この図1に示すように、例えばチタン(T
i)製スパッタリングターゲットの被処理面1にレジス
ト2を一定間隔で塗布する。次に、下地の素材すなわち
被処理材1とレジスト材2に応じて、酸性水溶液もしく
はアルカリ水溶液または反応性ガスなどのエッチング材
を選択する。そしてレジスト材2を塗布した被処理材1
を前記選択したエッチング雰囲気に置き、レジスト2が
残存する場所以外をエッチング加工3して表面に凹凸を
形成する。表面の粗化の状態はマスキングする部位の個
々のサイズと単位面積当たりの凹部または凸部の数およ
び使用するエッチング材の組成および反応時間により調
整する。図2に被処理材にエッチング加工により凹凸を
形成した平面(A)および断面(B)の模式図(写真を
模写したもの)を示す。この図2に示すように、エッチ
ング加工により形成した凹凸は、間隔が一定であり規則
的に配列されている。
【0021】スパッタリングターゲット自体の材料には
純度の高い素材をを使用する。また、従来行なわれてい
たスパッタリングターゲットへの純度の低い溶射皮膜や
ブラスト処理によって残存するアルミナや炭化珪素など
の汚染物質は存在してはならない。 このようなことか
ら、EPMA(Electron Probe Mic
ro Analyzer)分析によって検出される窒
素、炭素などの軽元素(ここではガス成分と総称する)
を除く汚染物質元素の濃度が凹凸の加工前に比べ、同じ
かまたは減少していることが必要である。これによっ
て、成膜時の基板上への汚染物質の堆積は著しく減少す
る。
【0022】パーティクル発生防止を行なう上で、上記
の凹凸の中心線平均粗さ(Ra)または中心線最大粗さ
(Rmax)が大きく影響するが、スパッタリングター
ゲットへの飛来物質を捕獲する上で、十分なアンカー効
果を働かせるために、単位面積当たりの凹凸の個数およ
び個々の凹凸の大きさ(径)を調整することも重要であ
る。凹凸の個数でいうと、1個/mm2 未満では堆積物
を固定する凹凸部の数が不足し、アンカー効果が十分に
働かない。他方100000個/mm2 を超えると凹凸
の間隔が狭くなり、必要以上に粗化された面では凹部の
底または凸部間にシャドウ(影)部ができ、飛来物質の
堆積しない部分が生じて必然的にアンカー効果が弱まる
ことになる。したがって、エッチング加工面に単位面積
(1平方mm)当たり1〜100000個の凹部または
凸部が形成されていることが必要であり、この範囲に調
整することが望ましい。
【0023】また凹部の孔または凸部の平坦な頂部を上
から見た形状すなわち平面形状は、円形、楕円形あるい
は矩形など種々のものを選択できる。ただし、上記にお
いて同一の凹凸で凹凸部を楕円とみなした場合の長軸径
と短軸径との間に著しい差があるような凹凸の平面形状
は、短軸方向では凹凸形状に十分な平均線中心粗さまた
は平均線最大粗さが得られるが、長軸方向での凹凸形状
は十分な粗さが得られず耐剥離強度に異方性が生じやす
いので、なるべくこのような凹凸の平面形状は避ける必
要がある。したがって、凹部の孔の径または凸部の平坦
な頂部の面の径は均一な径のもの、例えば円形や正方形
が望ましい。
【0024】上記エッチング加工で凹凸の形成を述べた
が、マスキングおよびエッチングにより、部材などの表
面に凹部のみを形成した場合あるいは凸部のみを形成し
た場合も、飛来する物質を捕獲するアンカー効果は殆ど
同じなので、必要に応じ凹凸は適宜選択できる。
【0025】
【実施例】直径330mm、厚さ6mmの円盤状スパッ
タリングターゲット(チタン)の上面外周部10mm及
び側面5mmに、円形のレジストを170μm間隔で塗
布することでマスキングを作成し、該部分を酸でエッチ
ングすることで凹凸の中心線平均粗さが6μmであり、
1平方mm当たり約35個の複数の凸部を形成した。本
実施例では凹凸の間隔を一定とし、規則的に凹凸を配列
したものである。なお、薄膜形成装置の内壁や内部機器
上面の不要な薄膜の堆積が生じる部分を、同様なエッチ
ング加工して複数の凹凸を形成し、これにより同機器に
堆積した薄膜の剥離、飛散を防止する処理を施した。こ
のターゲットを用い窒素ガス雰囲気中でリアクティブ
(反応性)スパッタリングを行い、8インチウエハーの
基板に窒化チタン(TiN)の薄膜を形成した。積算電
力量に対するパーティクル発生量の変化、すなわち積算
電力量1〜120kWhの範囲で、1kWh毎にパーテ
ィクル発生量を調べ、20kWh毎に平均値として求め
た。この結果を表1に示す。パーティクル発生量は、上
記8インチウエハーの基板上に形成された0.2−0.
3μm及び≧0.3μmのパーティクル径に分別して、
その個数をカウントしたものである。また同時に、基板
に形成されたTiN薄膜の汚染の有無をSIMS(二次
イオン質量分析法)により分析した。なお、スパッタリ
ングターゲットについては、予めEPMA分析によって
得られる窒素、炭素などのガス成分を除く汚染物質元素
の検出面積の和を測定した。なお、EPMA分析装置
は、島津製作所製EPMA−8705を使用し、加速電
圧:15KV、プローブ径:1μm、サンプルカレン
ト:0.04μAの測定条件で実施した。これによる
と、スパッタリングターゲットを構成する元素および窒
素や炭素などのガス成分元素を除く汚染物質元素の濃度
は凹凸の加工前後では差がなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【比較例】比較例として、表面粗化を全く施していない
チタン製スパッタリングターゲット使用し、同様の条件
でスパッタリングにより8インチウエハー基板に窒化チ
タン(TiN)の薄膜を形成した。なお、実施例と同様
の条件で薄膜形成装置の内壁や内部機器上面の不要な薄
膜の堆積が生じる部分を、同様なエッチング加工して複
数の凹凸を形成し、これにより同機器に堆積した薄膜の
剥離、飛散を防止する処理を施した。そして、表1に示
す通り、積算電力量1〜120kWhの範囲で、1kW
h毎にパーティクル発生量を調べ20kWh毎に平均値
として求めた。すなわち実施例と同様に、8インチウエ
ハーの基板上に形成された0.2−0.3μm及び≧
0.3μmのパーティクル径に分別して個数をカウント
し、実施例と同様にパーティクル発生量を調べた。な
お、この比較例においてはエッチング処理がないので、
スパッタリング前後におけるTiN薄膜の汚染の増減は
ない。この積算電力量に対するパーティクル発生量の変
化の結果を実施例と対比して、同様に表1に示す。
【0028】次に、上記本発明の実施例を比較例と対比
して説明する。表1に示すように、実施例のスパッタリ
ングターゲットを使用した場合には、積算電力量1〜1
20kWh間の測定において、上記8インチウエハーの
基板上に形成されたパーティクル径0.2−0.3μm
の範囲のもので6.1〜9.0個、パーティクル径≧
0.3μmの大きなサイズで3.9〜8.6個であり、
スパッタリングの長期に亘って、パーティクル数が少な
くかつ変化がなく、安定した成膜が達成されている。こ
れに対し、比較例のスパッタリングターゲットを使用し
た場合には、積算電力量1〜120kWh間の1kWh
毎の測定において、上記8インチウエハーの基板上に形
成されたパーティクル径0.2−0.3μmの範囲のも
ので3.2〜34.6個、パーティクル径≧0.3μm
の大きなサイズで1.4〜16.8個であり、スパッタ
リング中のパーティクル数のバラツキが大きく、安定し
た成膜が達成されていないことが分かる。パーティクル
量が少ないときもあるが、突発的に異常発生することが
あり、成膜の品質が安定しない結果となる。これは、ス
パッタリングターゲットの側面または周上面の一部に不
要な薄膜の堆積が生じ、これらが剥離しかつその薄片が
直接基板表面に飛散して付着してパ−ティクル発生の原
因となったものと考えられる。そしてトータル量として
も、比較例におけるパーティクル量は多い。
【0029】なお、本発明実施例において、エッチング
加工による凹または凸の種類を変えてテストしたが、本
発明の凹凸の条件にあれば、この凹凸の種類による剥離
性に差がなかった。以上、本発明の実施例においては比
較例との対比からも明らかなように、スパッタリングタ
ーゲットに起因する汚染物質がなくなり、また同スパッ
タリングターゲットに堆積する材料からの剥離やそれに
よる飛散が減るので、基板に形成された配線材料などの
薄膜形成品におけるパ−ティクルの発生が著しく減少す
るという優れた効果があることが分かった。また、本発
明は上記の例に基づいて説明したが、あくまでこれは一
例にすぎず本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
変更し得るものである。そして、本発明はそれらを全て
包含するものである。
【0030】
【発明の効果】スパッタリングターゲットを汚染させる
ことなく、またスパッタリングターゲットの上面や側面
の不要な薄膜の堆積が生じる部分に複数の凹凸を形成
し、これによって堆積膜の剥離を効果的に防止し、スパ
ッタリング期間中の長期に亘ってパ−ティクルの突発的
異常発生を抑制するとともに安定化させ、これにより基
板に形成された薄膜の品質を向上させることができる優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッチング加工の一例を示す工程の概略説明図
である。
【図2】被処理材にエッチング加工により凹凸を形成し
た平面および断面の模式図である。
【符号の説明】
1 被処理材 2 レジスト材 3 エッチング加工部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリングターゲットの一部の面の
    不要な薄膜の堆積が生じる部分に、複数の凹凸が形成さ
    れるようにマスキングし、次にこれをエッチング加工し
    た後、マスキングを除去することにより複数の凹凸を形
    成することを特徴とするスパッタリングターゲットの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 スパッタリングターゲットの一部の面の
    不要な薄膜の堆積が生じる部分に、複数の凹凸が形成さ
    れるようにマスキングし、次にこれをエッチング加工し
    た後、マスキングを除去することにより形成した複数の
    凹凸の中心線平均粗さが5〜100μmである複数の凹
    部または凸部を備えていることを特徴とするスパッタリ
    ングターゲット。
  3. 【請求項3】 スパッタリングターゲットの一部の面の
    不要な薄膜の堆積が生じる部分に、複数の凹凸が形成さ
    れるようにマスキングし、次にこれをエッチング加工し
    た後、マスキングを除去することにより形成した複数の
    凹凸の中心線最大粗さが10〜500μmである複数の
    凹部または凸部を備えていることを特徴とするスパッタ
    リングターゲット。
  4. 【請求項4】 凹凸の間隔が一定であり、規則的に配列
    されていることを特徴とする請求項2または3に記載す
    るスパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】 エッチング加工面に、単位面積(1平方
    mm)当たり1〜100000個の凹部または凸部が形
    成されていることを特徴とする請求項2〜4のそれぞれ
    に記載するスパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】 スパッタリングターゲットの一部の面の
    不要な薄膜の堆積が生じる部分に、複数の凹凸が形成さ
    れるようにマスキングし、次にこれをエッチング加工し
    た後、マスキングを除去することにより形成した複数の
    凹凸部分において、該スパッタリングターゲットを構成
    する元素および窒素や炭素などのガス成分元素を除く汚
    染物質元素の濃度が凹凸の加工前に比べ、同じかまたは
    減少していることを特徴とする請求項2〜5のそれぞれ
    に記載するスパッタリングターゲット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100473114B1 (ko) * 2002-01-05 2005-03-09 주식회사 티.엠.테크 스퍼터링 타겟

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