JP2001026786A - オレフィン類の製造 - Google Patents
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Abstract
出液に軽質オレフィンが含まれる方向に選択性のある方
法。 【解決手段】 本方法に、1種以上のオレフィン成分を
ある一番目の組成で有するオレフィン含有炭化水素原料
を結晶性シリケート触媒に前記触媒の安定性が向上する
ように水素の存在下で接触させることで前記原料と実質
的に同じオレフィン重量含有量を持ちながら1種以上の
オレフィン成分をある二番目の組成で有する流出液を生
じさせることを含める。
Description
料の分解で流出液に軽質オレフィンが含まれる方向に選
択性のある方法に関する。特に、精油所または石油化学
プラントで得られるオレフィン原料をその原料に含まれ
ていたオレフィンがその結果として生じる流出液の中に
再分配されて含まれるように選択的に変化させることが
できる。
パラフィン類をより軽質の生成物に変化させる目的でゼ
オライト類が用いられることは本技術分野で公知であ
る。脱ろうの目的ではないが、パラフィン系炭化水素の
少なくとも一部がオレフィン類に変化する。そのような
工程で例えばMFI型の結晶性シリケート類が用いられ
ることは公知であり、この3文字表示「MFI」はSt
ructure Commission of the
International ZeoliteAss
ociationが確立した如き特別な結晶性シリケー
ト構造型を表す表示である。MFI型の結晶性シリケー
トの例は合成ゼオライトZSM−5およびシリカライト
(silicalite)であり、他のMFI型の結晶
性シリケート類も本技術分野で公知である。
は、結晶性シリケート触媒、特にZSM−5を用いて炭
化水素原料から直鎖パラフィン類および若干分枝鎖のパ
ラフィン類を除去する脱ろう方法が開示されている。ま
た、米国特許第4247388号にも、ZSM−5型の
結晶性シリケートを用いて石油および合成炭化水素原料
の接触水素化脱ろうを行う方法が開示されている。米国
特許第4284529号および米国特許第561407
9号にも同様な脱ろう方法が開示されている。その触媒
は結晶性アルミノ−シリケート類であり、そしてこの上
に示した従来技術の資料には幅広い範囲のSi/Al比
の使用が開示されており、かつその開示された脱ろう方
法にはいろいろな反応条件が開示されている。
シリカライト触媒を用いた炭化水素原料の脱ろう方法が
開示されている。米国特許第4394251号にはアル
ミニウムを含有する外側殻を有する結晶性シリケート粒
子を用いた炭化水素変換が開示されている。
化水素、特にパラフィン類を含有する炭化水素供給材料
をより低い分子量を有していてオレフィン類を有意量で
含有する生成物混合物に選択的に変化させることができ
ることも本技術分野で公知である。この変換は、英国特
許出願公開第2075045号、米国特許第44015
55号および米国特許第4309276号に開示されて
いるように、シリカライトとして知られる結晶性シリケ
ートに供給材料を接触させることで行われている。シリ
カライトは米国特許第4061724号に開示されてい
る。
よびいろいろな結晶形態を有するシリカライト触媒が存
在する。Cosden Technology,In
c.の名前で発行されたヨーロッパ特許出願公開第01
46524号および0146525号には、単斜対称を
有するシリカライト型の結晶性シリカ類およびそれの製
造方法が開示されている。このようなシリケート類が有
するアルミニウムに対するケイ素の原子比は80を越え
る。
イトが接触分解で示すブテン選択率を向上させる目的
で、中程度の孔を有するゼオライトを蒸気で処理した後
それを酸性溶液で処理することが開示されている。
V.が出版したApplied Catalysis
A:General 154 1997 221−24
0のde Lucas他著の表題が“De−alumi
nation of HZSM−5 zeolite
s:Effect of steaming on a
cidity and aromatization
activity”の論文に、そのような脱アルミニウ
ムを受けさせた(dealuminated)ゼオライ
トを用いてアセトン/n−ブタノール混合物を炭化水素
に変化させることが開示されている。
ばZSM−5などを用いて石油溜分の脱ろうを行って軽
質オレフィン溜分、例えばC3からC4のオレフィン溜分
を生じさせることができることも、例えば米国特許第4
171257号などから公知である。典型的には反応槽
の温度を約500℃にまで到達させており、そして石油
溜分からプロピレンへの変換にとって好都合な低い炭化
水素分圧が反応槽内で用いられている。脱ろうではパラ
フィン鎖が分解を受ける結果として原料溜分の粘度低下
がもたらされるが、また、そのパラフィン類の分解でオ
レフィン類の産出が少量であるがもたらされる。
号には炭化水素の接触変換で気体状のオレフィン類を製
造することが開示されている。ヨーロッパ特許第034
7003号には炭化水素含有原料を軽質オレフィン類に
変換する方法が開示されている。WO−A−90/11
338にはC2−C12パラフィン系炭化水素を石油化学
原料、特にC2からC4のオレフィンに変換する方法が開
示されている。米国特許第5043522号およびヨー
ロッパ特許出願公開第0395345号には炭素原子数
が4以上のパラフィン類からオレフィン類を製造するこ
とが開示されている。ヨーロッパ特許出願公開第051
1013号には、蒸気による活性化を受けさせた燐含有
触媒とH−ZSM−5を用いて炭化水素からオレフィン
類を製造することが開示されている。米国特許第481
0356号にはシリカライト触媒を用いた脱ろうでガス
オイルの処理を行う方法が開示されている。英国特許出
願公開第2156845号にはプロピレンまたはプロピ
レン含有炭化水素混合物からイソブチレンを製造するこ
とが開示されている。英国特許出願公開第215983
3号には軽質溜分の接触分解でイソブチレンを製造する
ことが開示されている。
いると長鎖オレフィン類の方が相当する長鎖パラフィン
よりもずっと速い速度で分解を受ける傾向があることが
本技術分野で知られている。
変換で結晶性シリケート類を触媒として用いると上記変
換が経時的に安定でないことも知られている。稼働時間
が長くなるにつれて変換率が低下し、このような低下
は、コークス(炭素)が生じて触媒に付着することによ
るものである。
に分解を受けさせて軽質分子を生じさせる目的で用いら
れている。しかしながら、プロピレンの製造を望む場合
には、収率が低いばかりでなくまた結晶性シリケート触
媒の安定性も低い。例えば、FCC装置における典型的
なプロピレン産出率は3.5重量%である。分解を受け
させる流入炭化水素原料からプロピレンをより多い量で
「絞り」出すことができるように公知ZSM−5触媒を
FCC装置に導入することを通してFCC装置で産出さ
れるプロピレン産出量を約7−8重量%のプロピレンに
まで高めることは可能である。このような収率上昇度合
は極めて小さいばかりでなくまたそのようなZSM−5
触媒がFCC装置中で示す安定性も低い。
ピレンの需要が増えて来ている。
体、特にポリプロピレンの数量が増大している結果とし
てプロピレンの入手性に関して重大な窮地に直面してい
る。プロピレンの生産量を高める伝統的な方法は必ずし
も完全には満足されるものではない。例えば、プロピレ
ンに比べてエチレンをほぼ2倍の量でもたらす追加的ナ
フサ蒸気分解装置は、原料が高価でありかつ資本投下が
非常に高いことから、プロピレンを得るには高価な方法
である。ナフサは精油所でガソリンを製造する時の基材
であることから、それは蒸気分解装置の原料として競合
状態にある。プロパンの脱水素化反応ではプロピレンが
高い収率でもたらされるが、原料(プロパン)が費用効
果的であるのは年度の限られた期間のみであることか
ら、そのような工程は高価でありかつプロピレンの生産
量が制限される。プロピレンはFCC装置から得られる
が、収率が比較的低く、その収率を高くするのは高価で
かつ限られた度合であることが確かめられている。複分
解または不均化として知られる更に別のルートでエチレ
ンとブテンからプロピレンを製造することも可能であ
る。この技術はしばしば蒸気分解装置と組み合わせて用
いられ、エチレンが原料として使用されているが、エチ
レンは少なくともプロピレンと同じほど価値があること
から、このような技術は高価である。
号には炭素原子数が4から12のオレフィン類をプロピ
レンに変換する方法が開示されている。結晶性でゼオラ
イト構造(例えばZSM−5またはZSM−11)を有
していて300に等しいか或はそれより低いSiO2/
Al2O3モル比を有するアルミノ−シリケートに上記オ
レフィン類を接触させている。上記明細書の場合、高い
プロピレン収率を達成するには高純度のゼオライト1k
g当たり50kg/時以上の高い空間速度が要求され
る。上記明細書には、また、空間速度を高くすればする
ほど一般にSiO 2/Al2O3モル比(Z比と呼ばれて
いる)を低くすると記述されている。上記明細書に例示
されているオレフィン変換方法は短時間(例えば数時
間)のもののみであり、触媒がより長い時間(例えば少
なくとも数日間)(これは商業的生産で要求される)に
渡って安定であることを保証することに関する問題は取
り扱われていない。更に、オレフィン変換方法を商業的
に実行しようとする場合には、空間速度を高くする必要
があることは望ましいことではない。
(市場で代わりの用途をほとんど持たない)を利用して
プロピレンを高い収率でもたらしかつ精油所または石油
化学プラントと容易に一体化可能な方法が求められてい
る。
名前のヨーロッパ特許出願公開第0921179号に、
オレフィン含有原料の接触分解でプロピレンを製造する
方法が開示されている。炭化水素原料に1種以上のジエ
ン類がオレフィン類と一緒に含まれる場合には前記ジエ
ン類に水添を接触分解過程前に受けさせておくと触媒が
安定になることが開示されている。前記水添は典型的に
パラジウムを基とする触媒を用いて実施される。接触分
解過程前にジエン類を除去しておく理由は結晶性シリケ
ート触媒を用いるとジエン類がコークス前駆体を形成す
る傾向がある点にある。コークスが触媒に付着すると、
その触媒は次第に活性を失う。
過程の上流で用いて炭化水素原料に水素化処理を受けさ
せ(hydrotreated)ておいても常にジエン
類が接触分解反応槽の出口の所に検出されることを見い
出した。従って、ジエン類、即ちコークス前駆体が接触
分解過程に存在しないようにして触媒の失活低下を達成
する改良方法が求められている。更に、接触分解段階の
上流で個別の水添段階を実施することを避けることがで
きれば、これも望ましいことである。
もオレフィン類のオリゴマー化で用いられるよく知られ
た触媒である。例えばヨーロッパ特許出願公開第003
1675号にはZSM−5の如き触媒を用いてオレフィ
ン含有混合物をガソリンに変換することが開示されてい
る。本分野の技術者に明らかなように、オリゴマー化反
応の操作条件は分解で用いられる操作条件とは大きく異
なる。オリゴマー化反応槽内の温度は典型的に約400
℃以下であり、圧力を高くした方がオリゴマー化反応に
とって好都合である。
シリカライトを触媒として用いてオレフィン類の異性化
を行う方法が開示されている。米国特許第457998
9号にはシリカライト触媒を用いてオレフィン類をより
高い分子量の炭化水素に変換することが開示されてい
る。米国特許第4746762号には結晶性シリケート
触媒を用いた軽質オレフィン類の高級化でC5+液が豊
富な炭化水素を製造することが開示されている。米国特
許第5004852号にはオレフィン類を高オクタンの
ガソリンに変換する2段階方法が開示されており、そこ
では第一段階でオレフィン類にオリゴマー化を受けさせ
てC5+オレフィン類を生じさせている。米国特許第5
171331号には、孔サイズが中程度の結晶性ケイ素
含有モレキュラーシーブ触媒、例えばシリカライト、ハ
ロゲン安定化シリカライトまたはゼオライトなどを用い
てC2−C6オレフィン含有原料のオリゴマー化を行うこ
とを含むガソリン製造方法が開示されている。米国特許
第4414423号には、通常は気体状の炭化水素から
高沸点の炭化水素を製造する多段階方法が開示されてお
り、そこでの第一段階は、中間的な孔サイズを有する結
晶性のケイ素含有モレキュラーシーブ触媒の上に通常は
気体状のオレフィンを供給することを含む。米国特許第
4417088号にはシリカライトを用いて高炭素(h
igh carbon)オレフィン類の二量化および三
量化を行うことが開示されている。米国特許第4417
086号にはシリカライトを用いたオレフィン類のオリ
ゴマー化方法が開示されている。英国特許出願公開第2
106131号および英国特許出願公開第210613
2号にはゼオライトまたはシリカライトの如き触媒を用
いてオレフィン類のオリゴマー化を行って高沸点の炭化
水素を製造することが開示されている。英国特許出願公
開第2106533号にはゼオライトまたはシリカライ
トを用いて気体状のオレフィン類のオリゴマー化を行う
ことが開示されている。
は、ナフサと混ざり合っている状態のエチレンに熱変換
をスチームクラッカー(steam cracker)
内で受けさせる方法が開示されている。
来技術の方法とは対照的に、オレフィン類をより軽質な
オレフィン類、特にプロピレンに接触変換する方法の原
料として精油所および石油化学プラントに存在するあま
り価値がないオレフィンを用いる方法を提供することに
ある。
ピレン収率および純度でもたらす方法を提供することに
ある。
レード品質内のオレフィン流出液をもたらし得る上記方
法を提供することにある。
経時的に安定なオレフィン変換率および安定な生成物分
配でもたらす方法を提供することにある。
の変換をこのオレフィン原料の源および組成に関係なく
プロピレンに向かう高いオレフィン基準収率(yiel
don an olefin basis)でもたらす
方法を提供することにある。
の分解で流出液に軽質オレフィンが含まれる方向に選択
性のある方法を提供し、この方法に、1種以上のオレフ
ィン成分をある一番目の組成で有するオレフィン含有炭
化水素原料を結晶性シリケート触媒に接触させることで
前記原料と実質的に同じオレフィン重量含有量を持ちな
がら1種以上のオレフィン成分をある二番目の組成で有
する流出液を生じさせることを含め、ここでは、前記触
媒の安定性が向上するように前記原料を前記触媒に水素
の存在下で接触させることを含める。
Vおよび触媒の性質に応じて多様であり得る。この水素
の分圧を好適には15バール以下、より好適には7.5
バール以下、更により好適には0.1から5.7バー
ル、最も好適には0.1から5バールにする。炭化水素
のオレフィン性(olefinicity)の維持、即
ち原料と流出液が実質的に同じオレフィン含有量を持つ
ことを確保する目的で、オレフィンの分圧およびLHS
Vを容易に実行できる範囲(即ちオレフィン分圧を0.
1から2バールおよびLHSVを10から30時-1)に
保持して本発明の好適な触媒を用いる場合には水素の分
圧を典型的には7.5バール以下にする。しかしなが
ら、水素の分圧を高くするとオレフィンが水添を受ける
結果としてパラフィンが生じることからオレフィン性が
低下する傾向があるが、異なるオレフィン分圧、LHS
Vおよび触媒を用いるならば15バールに及ぶ水素分圧
を用いることも可能である。
解過程を受けさせる前の炭化水素原料にエチレンを添加
する。
ってもよく、新しく接触分解装置に導入してもよいか、
或は別の段階または工程から再利用したものであっても
よい。
プラントで得られるオレフィンが豊富な炭化水素流れ
(生成物)に選択的分解を受けさせることで軽質オレフ
ィン類ばかりでなく特にプロピレンを生じさせる方法を
提供することを可能にするものである。このオレフィン
が豊富な原料を、例えば合成でか或は蒸気処理/脱アル
ミニウム処理後に得たSi/Al原子比が特に少なくと
も180の結晶性シリケート触媒の上に通してもよい。
この原料を上記触媒の上に0.1から2バールのオレフ
ィン分圧下10から30時-1のLHSVにおいて500
から600℃の範囲の温度で通すことで上記原料中のオ
レフィン含有量を基にしてプロピレンを少なくとも30
から50%生じさせることができる。
レフィン類にしておく試みで供給材料に水素化処理を接
触分解段階前に受けさせておいてもジエン類が常に接触
分解反応槽の出口の所に検出されることを本発明者らが
見い出したことを基にしている。本発明者らは、従っ
て、接触分解反応槽内でオレフィン類が分解を起こす結
果としてジエン類が生じる可能性があると結論付けた。
従って、理論で範囲を限定するものでないが、本発明者
らは、水素を原料に添加するとジエン類の生成量が少な
くなりそして/またはジエン類が脱水素を受けてコーク
ス前駆体になる度合が低くなることによってコークス前
駆体の生成量が低下することで触媒の安定性が向上する
と考えている。
料に水素を添加するとジエンの生成が制限されそして今
度はいくらか起こる触媒の失活が制限されることを見い
出した。水素を原料に添加すると反応がジエン類が生じ
る方向とは反対の方向に推進されることによってオレフ
ィン分解の熱力学的平衡が変わる傾向があると考えてい
る(理論で範囲を限定するものでないが)。このように
して接触分解装置内に存在するジエン類の量が少なくな
ることで触媒上に生成するコークスの量が低くなる傾向
があり、従って触媒の安定性が向上する。本発明者ら
は、また、コークス生成に関してはC4ジエン類の方が
C5またはC6ジエン類よりも有害でない傾向があること
も見い出した。
選択的水添を受けさせる装置を接触分解過程の上流に設
ける必要がなくなる。それによって、また、所定触媒の
サイクル時間、即ち逐次的触媒再生と再生の間の時間を
長くすることができる傾向がある。
者らは、また、エチレン(新鮮なエチレンまたは再利用
エチレンのいずれか)を接触分解装置用炭化水素原料に
添加すると接触分解装置から出る流出液に含まれるプロ
ピレンの収率が高くなる傾向があることも見い出した。
エチレンの導入は水素供給と一緒に実施可能である。こ
のようにしてエチレンを原料に添加すると、典型的には
エチレンの少なくとも約20重量%が他のオレフィン類
に変化する結果として、プロピレンの選択率が典型的に
少なくとも約20%になる。エチレンの添加量は原料に
含まれる残りの成分の重量を基準にして約0.1から約
50重量%に及んで多様であり得る。
C6オレフィン類の追加的供給と一緒に実施可能であ
る。それによって今度はプロピレンの収率が向上する。
そのような組み合わせ供給を行うことによって、エチレ
ンを水素とメタンから分離して再利用する必要がなくな
りかつまた全体としてのプロピレン収率もオレフィンを
基準にして約30から50%になる。
ウム原子比」は材料全体のSi/Al原子比を意味する
ことを意図し、これは化学分析で測定可能である。特
に、結晶性シリケート材料の場合に述べるSi/Al比
は、厳密には結晶性シリケートのSi/Al骨組には当
てはまらず、むしろ材料全体に当てはまる。
は約180以上にする。ケイ素/アルミニウム原子比が
約180より低い場合でも、オレフィンが豊富な原料の
接触分解の結果として生じる軽質オレフィン類、特にプ
ロピレンの収率は、従来技術の方法の場合よりも高い可
能性がある。上記原料は未希釈状態でか或は不活性ガ
ス、例えば窒素などで希釈された状態で供給可能であ
る。後者の場合の原料の絶対圧力は、炭化水素原料が不
活性ガスおよび水素中で示す分圧を構成する。
ン類が分解を受けて軽質オレフィン類が生じそして選択
的にプロピレンが生じる意味でオレフィン類の分解を実
施する。この原料と流出液は好適には実質的に同じオレ
フィン重量含有量を有する。この流出液に含まれるオレ
フィンの含有量は、典型的に、上記原料に含まれるオレ
フィン含有量の±15重量%以内、より好適には±10
重量%以内である。このような原料には、オレフィンを
含有する如何なる種類の炭化水素流れも含まれ得る。こ
の原料のオレフィン含有量は典型的に10から100重
量%であってもよく、更にそれを未希釈状態でか或は希
釈剤で希釈して供給してもよく、このような希釈剤に任
意に非オレフィン系の炭化水素を含めてもよい。このよ
うなオレフィン含有原料は、特に、炭素数がC4からC
10の範囲、より好適には炭素数がC4からC6の範囲のノ
ルマルおよび分枝オレフィンを含有する炭化水素混合物
であってもよく、これは任意に、炭素数がC4からC10
の範囲のノルマルおよび分枝パラフィンおよび/または
芳香族との混合物の状態であってもよい。このオレフィ
ン含有流れの沸点は典型的に約−15から約180℃で
ある。
素原料に精油所および蒸気分解装置から得られるC4混
合物を含める。そのような蒸気分解装置では幅広く多様
な原料の分解が行われており、そのような原料にはエタ
ン、プロパン、ブタン、ナフサ、ガスオイル、燃料油な
どが含まれる。最も特別には、この炭化水素原料に原油
精油所の流動床接触分解(FCC)装置(重質油をガソ
リンおよび軽質産物に変換する目的で用いられる)から
得られるC4溜分を含めてもよい。そのようなFCC装
置から得られるC4溜分は典型的にオレフィンを約50
重量%含有する。別法として、上記炭化水素原料に原油
精油所内のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)(こ
れはメタノールとイソブテンから作られる)製造用装置
から得られるC4溜分を含めることも可能である。その
ようなMTBE装置から得られるC4溜分も典型的にオ
レフィンを約50重量%含有する。このようなC4溜分
は個々のFCCまたはMTBE装置の出口の所で分溜さ
れたものである。更にその上、上記炭化水素原料に石油
化学プラントのナフサ蒸気分解装置から得られるC4溜
分を含めることも可能であり、そこでは沸点の範囲が約
15から180℃のC 5からC9種を含有するナフサに蒸
気分解を受けさせることが行われており、とりわけC4
溜分が生じる。そのようなC4溜分は典型的に1,3−
ブタジエンを40から50重量%、イソブチレンを約2
5重量%、ブテン(ブテ−1−エンおよび/またはブテ
−2−エンの形態)を約15重量%およびn−ブタンお
よび/またはイソブタンを約10重量%含有する。ま
た、上記オレフィン含有炭化水素原料に、ブタジエン抽
出後(抽残液1)またはブタジエン水添後の蒸気分解装
置から得られるC4溜分を含めることも可能である。
で得られるブタジエンが豊富なC4溜分、典型的にはC4
をオレフィンとして50重量%以上の量で含有するC4
溜分を含めることも可能である。また、上記炭化水素原
料に、石油化学プラントで製造された高純度のオレフィ
ン原料を含めることも可能である。
含有原料に蒸気分解装置から得られる軽質分解ナフサ
(LCN)[さもなくば軽質接触分解スピリット(LC
CS)としても知られる]またはC5溜分か或は軽質分
解ナフサ(この軽質分解ナフサは本明細書の上で考察し
た原油精油所のFCC装置の流出液の分溜で得られたナ
フサである)を含めることも可能である。そのような原
料は両方ともオレフィン類を含有している。更にその
上、別法として、上記オレフィン含有原料に、上記FC
C装置から得られる中質(medium)分解ナフサま
たは原油精油所内の真空蒸留装置の残渣を処理するため
のビスブレーキング(visbreaking)装置か
ら得られるビスブレーキングを受けたナフサを含めるこ
とも可能である。
1種以上から成る混合物を含めてもよい。
換を受けさせるとC2からC4のオレフィン類が生じ得
る。このC4溜分にはオレフィン類、特にイソブテンが
非常に豊富に含まれており、これはMTBE装置の供給
材料として興味が持たれる。C 4溜分に変換を受けさせ
ると、一方ではC2からC3のオレフィン類が生じそして
他方ではイソ−オレフィン類を主に含有するC5からC6
のオレフィン類が生じる。残りのC4溜分にはブタン
類、特にイソブタンが豊富に含まれており、これは精油
所のアルキル化装置の原料として興味が持たれる(ガソ
リンで用いられるアルキレートはC3とC5の原料混合物
から製造される)。イソ−オレフィン類を主に含有する
C5からC6溜分は第三アミルメチルエーテル(TAM
E)の製造で興味の持たれる供給材料である。
方法に従ってオレフィン原料に選択的変換を受けさせる
と結果として生じる流出液に上記原料に含まれていたオ
レフィンが再分配を受けたものが含まれることを見い出
した。この方法では、原料に関係させて触媒および工程
条件を選択すると、それによって、特定のオレフィンに
向かう特別なオレフィン基準収率が得られる。本方法で
は、触媒および工程条件を選択すると、オレフィン原料
の源、例えばFCC装置から得られたC4溜分、MTB
E装置から得られたC4溜分、軽質分解ナフサ、または
軽質分解ナフサから得られたC5溜分などに関係なく、
典型的に、プロピレンに向かう方向で同じく高いオレフ
ィン基準収率が得られる。このことは公開された従来技
術を基にすると極めて予想外である。オレフィンを基準
にしたプロピレン収率は、原料のオレフィン含有量を基
準にして典型的に30から50%である。個々のオレフ
ィンのオレフィン基準収率を、流出液に含まれるオレフ
ィンの重量を初期のオレフィン含有量全体重量で割った
値として定義する。例えば、原料にオレフィンが50重
量%入っている時に流出液にプロピレンが20重量%含
まれる場合のオレフィン基準プロピレン収率は40%で
ある。このことは、製品の実際の収率(これは生じた生
成物の重量を供給材料の重量で割った値として定義され
る)とは対照的であり得る。本発明の好適な面に従い、
原料に含まれるパラフィン類および芳香族が変換を受け
る度合は若干のみである。
用触媒にMFI系列の結晶性シリケートを含め、これは
ゼオライト、シリカライトまたは上記系列に入る他の如
何なるシリケートであってもよい。
ャンネルが酸素が10個の環で限定されている高いケイ
素/アルミニウム原子比を有するものである。
することで互いに連結しているXO 4四面体骨組を基と
する微孔性で結晶性の無機ポリマーであり、ここで、X
は三価(例えばAl、B...)または四価(例えばG
e、Si...)であり得る。結晶性シリケートの結晶
構造は四面体単位の骨組が一緒に連結する特定の配列に
よって限定されている。結晶性シリケートの孔開口の大
きさは、四面体単位の数または別法として孔の形成に要
する酸素原子の数、そしてその孔内に存在するカチオン
の性質によって決定される。それらは下記のユニークな
特性組み合わせを有する:内部表面積が高いこと;均一
に存在する孔が1種以上の個別サイズを有すること;イ
オン交換能力を有すること;熱安定性が良好なこと;そ
して有機化合物を吸着する能力を有すること。このよう
な結晶性シリケートの孔の大きさは実際上興味の持たれ
る数多くの有機分子のサイズに類似していることから、
反応体および生成物の出入りを調節し、その結果とし
て、触媒反応に特別な選択性を示す。MFI構造を有す
る結晶性シリケート類は下記の孔直径を有する双方向交
差孔系を有する:[010]に沿った真っすぐなチャン
ネル:0.53−0.56nmおよび[100]に沿っ
た正弦チャンネル:0.51−0.55nm。
化学的特性を持たせて、それを接触分解が容易に進行す
るような特別な反応条件下で用いる。この触媒にはいろ
いろな反応路が存在し得る。好適な工程条件、即ち流入
温度を約500から600℃、より好適には520から
600℃、更により好適には540から580℃にし、
そしてオレフィン分圧を0.1から2バール、最も好適
にはほぼ大気圧にすると、原料に含まれるオレフィンが
有する二重結合のシフトが容易に達成され、その結果と
して、二重結合の異性化がもたらされる。更に、そのよ
うな異性化は熱力学的平衡に到達する傾向がある。プロ
ピレンは、例えばヘキセンまたは重質オレフィン原料の
接触分解で直接製造可能である。オレフィンの接触分解
は結合の開裂による短分子の生成過程を含むと理解する
ことができる。
ウム原子比、例えば少なくとも約180、好適には約2
00を越える、より好適には約300を越える比率を持
たせ、このようにすると、この触媒は比較的低い酸性度
を示すようになる。水素移動反応は触媒上に存在する酸
部位の強さおよび密度に直接関係し、好適には上記反応
を抑制してオレフィン変換過程中にコークスの生成が起
こらないようにし、そうしないと、触媒の経時的安定性
が低下することになるであろう。上記水素移動反応では
飽和物、例えばパラフィン類など、不安定な中間体であ
るジエン類および環状オレフィン類および芳香族が生じ
る傾向があり、これらはいずれも軽質オレフィン類を生
じさせる分解で用いるには好都合でない。環状オレフィ
ン類は芳香族およびコークス様分子の前駆体であり、特
に固体状酸、即ち酸性の固体状触媒が存在していると、
それらの前駆体になる。触媒の酸性度は、触媒をアンモ
ニアに接触させることで触媒上の酸部位にアンモニアを
吸着させ次に高温でアンモニアを脱離させた後に触媒上
に残存するアンモニアの量を示差熱重量分析で測定する
ことを通して測定可能である。上記ケイ素/アルミニウ
ム比を好適には180から1000、最も好適には30
0から500の範囲にする。
シリケート触媒中のケイ素/アルミニウム比を高くして
いることからオレフィン原料の源および組成がどのよう
であろうとも安定なオレフィン変換を30から50%の
高いオレフィン基準プロピレン収率で達成することがで
きる点である。そのように比率を高くしておくと触媒の
酸性度が低くなり、それによって触媒の安定性が向上す
る。
いケイ素/アルミニウム原子比を持たせた触媒は、商業
的に入手可能な結晶性シリケートからアルミニウムを除
去することで製造可能である。典型的な市販シリカライ
トのケイ素/アルミニウム原子比は約120である。結
晶性シリケートの骨組に存在する四面体アルミニウムの
量を低下させてアルミニウム原子を非晶質アルミナ形態
の八面体アルミニウムに変化させる蒸気処理を商業的に
入手可能な結晶性シリケートに受けさせることを通し
て、それの修飾を行う。この蒸気処理段階ではアルミニ
ウム原子が結晶性シリケート骨組構造から化学的に取り
除かれてアルミナ粒子が生じるが、このような粒子は、
ある程度であるが、骨組内に存在する孔またはチャンネ
ルの障害物になる。これは本発明のオレフィン分解過程
を抑制するものである。従って、蒸気処理段階の後の結
晶性シリケートに抽出段階を受けさせることで、その非
晶質アルミナを孔から除去し、それによって、少なくと
もある程度であるが、細孔容積を回復させる。水に溶解
し得るアルミニウム錯体を生じさせることを経由した滲
出段階で上記非晶質アルミナを上記孔から物理的に除去
すると、結晶性シリケートの全体的脱アルミニウム効果
がもたらされる。このようにして、結晶性シリケートの
骨組からアルミニウムを取り除いた後それによって生じ
たアルミナを上記孔から除去する過程は、触媒に含まれ
る孔表面全体に渡る実質的に均一な脱アルミニウムを達
成するに役立つ。その結果として触媒の酸性度が低下
し、それによって、分解工程で起こる水素移動反応の度
合が低くなる。このような酸性度の低下を理想的には結
晶性シリケートの骨組内に限定されている孔全体に渡っ
て実質的に均一に起こさせる。この理由は、そのように
するとオレフィン分解過程で炭化水素種が孔の中に深く
入り込むことができるようになるからである。従って、
酸性度の低下、従って触媒の安定性を低くする可能性が
ある水素移動反応の低下が骨組内の孔構造物全体に渡っ
て生じるようにする。好適な態様では、上記過程を用い
て骨組のケイ素/アルミニウム比を少なくとも約18
0、好適には約180から1000、より好適には少な
くとも200、更により好適には少なくとも300、最
も好適には約480の値にまで高める。
はシリカライトを結合剤、好適には無機結合剤と一緒に
混合して所望形状、例えばペレットなどに成形する。こ
の結合剤を、これが触媒製造過程および次に行うオレフ
ィン類の接触分解過程で用いる温度および他の条件に耐
えるように選択する。この結合剤は粘土、シリカ、金属
酸化物、例えばZrO2など、および/または金属、ま
たはシリカと金属酸化物の混合物を含有するゲルなどか
ら選択される無機材料である。好適には、この結合剤に
アルミナを含めない。それ自身が触媒作用を示す結合剤
を結晶性シリケートと一緒に用いると、それによって、
上記触媒が示す変換率および/または選択性が変化する
可能性がある。結合剤用の不活性な材料は、適切には、
反応速度を調節する他の手段を用いることなく製品を経
済的にかつ秩序正しく得ることができるように変換度合
を調節する希釈剤として働き得るものである。触媒に良
好な破壊強度(crush strength)を持た
せるのが望ましい。これは、商業的使用で触媒が粉末様
材料に分解することがないようにするのが望ましいから
である。そのような粘土または酸化物である結合剤を用
いる目的は、通常は、単に触媒の破壊強度を向上させる
ことにある。本発明の触媒で用いるに特に好適な結合剤
にはシリカが含まれる。
無機酸化物マトリックスの相対比は幅広く多様であり得
る。この結合剤の含有量を複合触媒の重量を基準にして
典型的には5から95重量%、より典型的20から50
重量%の範囲にする。そのような結晶性シリケートと無
機酸化物結合剤の混合物を調合結晶性シリケートと呼
ぶ。
調合してペレット状にするか、押出し加工して他の形状
にするか、或は噴霧乾燥で粉末にすることも可能であ
る。
ト触媒を押出し加工で一緒に混合する。このような加工
では、結合剤、例えばゲル形態のシリカを上記結晶性シ
リケート触媒材料と一緒に混合した後、その結果として
得た混合物を押出し加工で所望形状、例えばペレット状
にする。その後、この調合結晶性シリケートに焼成を典
型的には200から900℃の温度の空気中または不活
性ガス中で1から48時間受けさせる。
ウム化合物も含めず、例えばアルミナなどを含めない。
この理由は、上述したように、本発明で用いる好適な触
媒では、それに脱アルミニウムを受けさせて結晶性シリ
ケートのケイ素/アルミニウム比を高くしておくからで
ある。結合剤中にアルミナが存在している場合に結合段
階をアルミニウム抽出段階に先立って実施すると他の余
分なアルミナが生じる。アルミニウムを含有する結合剤
をアルミニウム抽出後の結晶性シリケート触媒と一緒に
混合すると、それによって上記触媒が再びアルミニウム
化される。結合剤中にアルミニウムが存在していると、
触媒が示すオレフィン選択性が低下しかつ触媒の経時的
安定性が低下する傾向がある。
処理および抽出段階の前または後のいずれでも実施可能
である。
200kPaの水分圧下、高温、好適には425から8
70℃の範囲、より好適には540から815℃の範囲
の温度で実施する。この蒸気処理を好適には蒸気が5か
ら100%入っている雰囲気中で実施する。この蒸気処
理を好適には1から200時間、より好適には20時間
から100時間に渡って実施する。上述したように、こ
の蒸気処理では、結晶性シリケートの骨組内に存在する
四面体アルミニウムの量がアルミナの生成を伴って低下
する傾向がある。
を滲出で除去する目的で、抽出過程を実施する。好適に
は、アルミナと一緒になって可溶錯体を形成する傾向が
ある錯化剤を用いて、アルミニウムを結晶性シリケート
から抽出する。この錯化剤を好適にはそれが入っている
水溶液の状態にする。このような錯化剤には有機酸、例
えばクエン酸、蟻酸、しゅう酸、酒石酸、マロン酸、こ
はく酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル
酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロトリ酢酸、ヒド
ロキシエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテ
トラ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など、ま
たは上記酸の塩(例えばナトリウム塩)、または上記酸
もしくは塩の2種以上から成る混合物が含まれ得る。こ
のアルミニウム用錯化剤は、好適には、アルミニウムと
一緒になって水に溶解し得る錯体を形成して、特に蒸気
処理段階中に生じたアルミナを上記結晶性シリケートか
ら除去するものである。特に好適な錯化剤にはアミン、
好適にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)また
はそれの塩、特にそれのナトリウム塩が含まれ得る。
後の触媒に焼成を例えば大気圧下400から800℃の
温度で1から10時間受けさせる。
性を示し、特に数日間、例えば10日間に及んで安定な
プロピレン収率をもたらす能力を有することを確認し
た。それによって、オレフィン分解過程を2基の並列
「自在(swing)」反応槽を用いて連続的に実施す
ることができ、このような連続運転では、1つの反応槽
を運転している時にもう一方の反応槽で触媒再生を行
う。また、本発明の触媒は数回に渡って再生可能であ
る。この触媒は、また、それを製油所または石油化学プ
ラントのいろいろな給源から来るいろいろな組成の多様
な原料(純粋または混合物のいずれも)の分解で用いる
ことができる点で柔軟性を示す。
触分解過程で用いるオレフィン含有原料中にジエン類が
存在しているとそれによって触媒の失活がより早期に起
こる可能性があることを見い出した。それによって、所
望オレフィン、例えばプロピレンを製造する時に触媒が
示すオレフィン基準収率が稼働時間が長くなるにつれて
大きく低下する可能性がある。本発明の方法に従い、触
媒に安定な経時的活性、典型的には少なくとも10日間
に渡って安定な活性を持たせるのが望ましい。
分解を行うに先立って、水素をオレフィン含有原料に添
加する。
応槽または流動床反応槽内で実施可能である。典型的な
可動床反応槽は連続接触改質型の反応槽である。この上
に記述したように、本方法は1対の並列「自在」反応槽
を用いて連続的に実施可能である。
間、典型的には少なくとも約10日間に渡って高い安定
性を示すことから、触媒再生の頻度は低い。従って、よ
り特別には、本触媒の寿命は1年を越え得る。
溜装置に送り込んでその流出液から所望のオレフィンを
分離する。本接触分解方法をプロピレンの製造で用いる
場合には、C3溜分(これには少なくともプロピレンが
95%入っている)に分溜を受けさせた後、混入物、例
えば硫黄種、ひ素などを全部除去する目的で、それの精
製を行う。C3より大きい重質オレフィンは再利用可能
である。
用いるシリカライト触媒に蒸気処理および抽出を受けさ
せておくと原料中に典型的に存在する硫黄含有化合物、
窒素含有化合物および酸素含有化合物による触媒活性低
下(即ち触媒毒)に特別抵抗を示すようになることを見
い出した。
では、多様な異なるオレフィン原料を用いることができ
るばかりでなく、また使用する工程条件および個々の触
媒を適切に選択することを通して、結果として生じる流
出液に含まれるオレフィンが選択的に特別な分布を示す
ようにオレフィン変換過程を調節することができる。
または石油化学プラントから得られるオレフィンが豊富
な流れに分解を受けさせて軽質オレフィン、特にプロピ
レンを生じさせる。この流出液に含まれる軽質溜分、即
ちC2およびC3溜分はオレフィンを95%を越える量で
含有し得る。このような溜分の純度は化学グレードのオ
レフィン原料を構成するに充分なほど高い。本発明者ら
は、上記方法におけるオレフィン基準プロピレン収率は
C4またはそれ以上のオレフィン類を1種以上含有する
原料のオレフィン含有量を基にして30から50%の範
囲になり得ることを確認した。本方法の流出液に含まれ
るオレフィンの分布は原料のそれに比較して異なるが、
全オレフィン含有量は実質的に同じである。
高い選択性が得られ、経時的に安定なオレフィン変換率
が得られかつ流出液中に安定なオレフィン生成物分布が
得られるように工程条件を選択する。圧力を低くし、流
入温度を高くしかつ接触時間を短くすることと協力させ
て触媒中の酸密度を低くする(即ちSi/Al原子比を
高くする)と、上記目的が好適に達成されるが、そのよ
うな工程パラメーターは全部相互に関係して全体として
累積効果を与える(例えば圧力をより高くした場合には
流入温度を更に高くすることでそれを相殺または補うこ
とができる)。パラフィン類、芳香族およびコークス前
駆体の生成をもたらす水素移動反応が助長されないよう
な工程条件を選択する。従って、本方法を操作する条件
では高い空間速度、低い圧力および高い反応温度を用い
る。好適には、LHSVを10から30時-1の範囲にす
る。オレフィンの分圧を好適には0.1から2バール、
より好適には0.5から1.5バールの範囲にする。特
に好適なオレフィン分圧は大気圧(即ち1バール)であ
る。上記炭化水素原料の供給を好適にはこの原料が反応
槽の中を運ばれるに充分な全体的流入圧力下で行う。こ
の炭化水素原料は未希釈状態でか或は不活性ガス、例え
ば窒素などで希釈された状態で供給可能である。反応槽
内の全絶対圧力を好適には0.5から10バールの範囲
にする。本発明者らは、本分解方法で低いオレフィン分
圧、例えば大気圧を用いると水素移動反応が起こる度合
が低くなる傾向があり、それによって今度は、触媒の安
定性を低くする傾向があるコークスの生成が低下し得る
ことを確認した。上記オレフィンの分解を好適には50
0から600℃、より好適には520から600℃、更
により好適には540から580℃、典型的には約56
0℃から570℃の原料流入温度で実施する。
原料に好適には約7.5バール以下の水素分圧で導入し
ておく。水素を原料に添加すると、典型的には、触媒の
逐次的再生と再生の間のサイクル時間を2倍にすること
ができる。水素を原料に入れて用いると、また、オレフ
ィン分解過程に先立ってジエンの選択的水添を行う必要
がなくなる。水素の分圧を低くすると(典型的には約5
バール未満)、プロピレンの純度、即ち存在するC3種
全体を基準にしたプロピレンの重量が高くなる。水素の
分圧をより高くして、例えば15バールにすると、触媒
の安定性は高いままであっても、水素の分圧を高くすれ
ばするほどプロピレンがプロパンに変化してC3種に含
まれるプロピレンの純度が低くなる傾向がある。典型的
には、原料への水素添加を10日間に及ぶ期間に渡って
用いると触媒は安定なままであり、それによって、C4
原料から出発した時のプロピレン収率が約15重量%を
越えるようになる。オレフィン含有原料への水素添加を
用いた時のオレフィン基準プロピレン収率は相当する期
間に渡って典型的に30%を越える。
ってオレフィンが豊富な炭化水素原料に分解を受けさせ
る方法の図式図を示す。この態様では、水素ガスを分解
過程を受けさせる前の原料に添加する。一般に2で示す
接触分解装置には、直列連結した2基の反応槽4、6が
含まれており、原料を反応槽4に供給して流出液を反応
槽6から取り出す。反応槽4、6を追加的対の反応槽
4’、6’と一緒に並列(自在)反応槽として配置す
る。使用時、反応槽4、6をサイクル時間として知られ
る時間(これは典型的に数日間に相当する)運転する。
反応槽4、6に入っている触媒の再生を行う必要がある
時には、反応槽4、6を原料および流出液用のフローラ
インから外し(swung out)そして並列反応槽
4’、6’を組み入れて(swung into po
sition)運転する。反応槽4’、6’の運転を行
っている間、反応槽4、6内に存在する触媒に再生を受
けさせる。
槽(4、6)の上流に対になった個々の1番目の加熱装
置と2番目の加熱装置(8、10)を位置させ、それら
は個々の反応槽4、6への原料を必要な温度に加熱する
に適合した装置である。分解を受けさせるべき原料を原
料搬送ライン14の入り口12の中に送り込む。また、
水素もライン14の中に例えば入り口12の下流に位置
する2番目の入り口16の所で送り込む。次に、この一
緒になった原料/水素の混合物は3番目の加熱装置18
の所で加熱された後、この態様では、反応槽20内で選
択的水添を受ける。選択的水添は本発明の方法にとって
必須ではない。このような選択的水添過程ではニッケル
を基とするか或はパラジウムを基とする触媒を用いる
か、或は最初の段階の熱分解であるガソリン水添で典型
的に用いられる他の触媒を用いる。特に好適な触媒はパ
ラジウムを基としていて例えばアルミナに支持されてい
るパラジウムを触媒の重量を基準にして0.2−0.8
重量%含有する触媒である。このような水添方法を好適
には5から50バール、より好適には10から30バー
ルの絶対圧力下40から200℃の流入温度で実施す
る。典型的には水素とジエンの重量比を少なくとも1、
より好適には1から5、最も好適には約3にする。1時
間当たりの液体空間速度(liquid hourly
space velocity)(LHSV)を好適
には少なくとも2時-1、より好適には2から5時-1にす
る。このような選択的水添過程を用いると、原料に含ま
れるジエンが好適に除去される結果として、反応槽4、
6に供給される前の原料に含まれる最大ジエン含有量が
約0.1重量%、好適には約0.05重量%、より好適
には約0.03重量%になる。
器22に通すことで、この流出液から熱を除去した後、
この流出液を圧縮装置24に送り込む。次に、このよう
にして圧縮した流出液を逐次的縦続分溜カラム26、2
8、30に通すことで今度は前記流出液に含まれるC2
種、C3種およびC4種を逐次的に除去する。このC3種
にはプロピレンが含まれ、これを回収する。
参照して説明するが、これは単に例として示すものであ
る。
ミノシリケート触媒の存在下で受けさせた。この触媒
は、ケイ素/アルミニウム原子比が約272になるよう
に脱アルミニウム処理を受けさせておいた市販シリカラ
イトを含んで成っていた。この触媒の調製では、UOP
(米国のChickasaw)から商標S115の下で
商業的に入手可能なシリカライトに蒸気が72体積パー
セントで窒素が28体積パーセントの蒸気を用いた処理
を大気圧下550℃で48時間受けさせた。その後、こ
の蒸気処理を受けさせた2kgの触媒をNa2EDTA
が0.057M入っている8.4リットルの水溶液に浸
漬して18時間還流させた。その結果として得たスラリ
ーを水で徹底的に洗浄した。次に、前記処理を受けさせ
た640gのシリカライトをDegussa(フランク
フルト、ドイツ)から商標FK500の下で商業的に入
手可能な112gの沈澱シリカおよびAkzo−Nob
el(ドイツ)から商標Nyacol 2040の下で
商業的に入手可能な726gの40重量%シリカゾルと
一緒に混合すると共に、これらの成分を500mlの蒸
留水と一緒に混合した。このようにして生じさせたスラ
リーを0.5時間混合した。その後、Nalco Ch
emical BV(オランダ)から商標Nalco
9779の下で商業的に入手可能な10gの高分子電解
質および30gのチロース(tylose)を加えた。
このスラリーをペーストが得られるまで蒸発させた。こ
のペーストを押出し加工して2.5mmのクオドロロー
ブ(quadrolobe)押出し加工品を生じさせ
た。この押出し加工品を110℃で16時間乾燥させた
後、それに焼成を600℃の温度で10時間受けさせ
た。最後に、この触媒に触媒1kg当たり4.2リット
ルの量の0.5N塩化アンモニウムを用いた塩化アンモ
ニウムによる交換を還流条件下で受けさせた後、洗浄、
110℃における乾燥そして焼成を400℃で3時間受
けさせた。その結果として得た触媒は下記の組成(重量
パーセント)を示した:Al2O3が0.3110で、N
a2Oが0.0091で、K2Oが0.0020で、Ca
Oが0.015で、Fe2O3が0.0590で、残りが
SiO2。この触媒に含まれるケイ素/アルミニウムの
原子比は271.9であり、強熱後の損失量は1.60
重量%であった。
行いながら流出液に含まれる成分の組成を経時的に測定
した。この原料は、MTBE装置から得られたC4原料
の第一溜分と軽質接触分解スピリット(light c
atalytic cracked spirit)
(LCCS)の第二溜分を含んで成る混合原料から成っ
ていた。この一緒にした原料の組成を表1に示し、これ
はパラフィン類を47.8重量%、オレフィン類を4
8.86重量%、芳香族を3.25重量%およびジエン
類を0.1重量%含有していた。この原料には予備水添
処理を受けさせておかなかった。分解温度を560℃に
し、LHSVを10時-1にしそして炭化水素原料の分圧
を1.5バールにした。
で全圧を1.5バラ(bara)にした。流出液の組成
を経時的に示す図2から分かるであろうように、初期の
流出液に含まれるプロピレンの収率は約15重量%であ
った。水素を添加する前の流出液の組成を表1の縦列A
に示す。約35時間の稼働時間後、水素を前記炭化水素
原料に全圧が5バラになるように3.5バールの分圧で
加えた。流出液の組成そして稼働時間が長くなることに
伴う組成変化を検出して、その結果を図2に示す。表1
の縦列Bに水素添加後の流出液の組成を示す。
るとプロピレンの収率が典型的に約17重量%の値にま
で高くなることを示している。このようなプロピレンの
収率はほぼ300時間に及ぶ稼働時間、即ち10日を越
える時間に渡って一定のままであった。
るオレフィン類のオレフィン基準収率を稼働時間に関係
させた関係を示す。図3中の黒記号(solid sy
mbols)を伴う線1および2はそれぞれ実施例1に
関する稼働時間に伴うプロピレン収率変化およびエチレ
ン収率変化を表している。水素ガスを原料に添加すると
オレフィン基準プロピレン収率が長期間に渡って高いま
まで安定であることが図2の場合と同様に図3の線1か
らも分かるであろう。
ls)を伴う線3および4も含めるが、これらは、パラ
フィン類を44.45重量%とオレフィン類を52.0
重量%と芳香族を3.18重量%とジエン類を0.35
重量%含有する以外は実施例1の原料に類似した原料に
水素添加を受けさせなかった比較実施例に関する稼働時
間に伴うプロピレン収率変化およびエチレン収率変化を
表している。図3の線3が示すように、水素ガスを原料
に添加しないと、オレフィン基準プロピレン収率が最初
の比較的短い期間の後に迅速に低下した。このように、
オレフィン分解用の炭化水素原料に水素ガスを添加する
と触媒の安定性が大きく向上して触媒のサイクル時間が
長くなることが分かるであろう。
が表2に示す組成を有する原料を同じ触媒の上に通し、
そして前記炭化水素原料に実施例1の場合と同じ分圧と
LHSVを持たせ、かつまた分解温度も実施例1の場合
と同じにした。この触媒はシリカライトを含んで成って
いて、前記原料はパラフィン類を46.89重量%、オ
レフィン類を49.11重量%、芳香族を3.9重量%
およびジエン類を0.1重量%含有していた。分解過程
開始時には水素分圧を非常に高くして13.5バールに
し、その結果として水素ガスと原料の圧力は全体として
15バールになった。流出液に含まれるいろいろな成分
の収率と稼働時間の間の関係を図4に示す。約300時
間後、水素ガスの分圧を下げて8.5バールにした(そ
れによって全圧が10バラになった)。更に約40時間
後、水素ガスの分圧を下げてゼロにし、そして更に約8
0時間後、即ち全体で約400時間の稼働時間後、水素
の分圧を再び高くして約3.5バールにした。
流出液の組成を示す、即ち縦列A、B、CおよびDのそ
れぞれに全圧を15バラ、10バラ、1.5バラおよび
5バラにした場合の流出液の組成を示す。
ルおよび8.5バールにするとプロピレンの収率が次第
に上昇して経時的にかなり安定して約15重量%になる
ことが図4および表2から分かるであろう。しかしなが
ら、流出液に存在する短C1−C3パラフィンの量がより
多くなることから、プロピレンの純度は比較的低い。表
2を参照して、水素の分圧を8.5バールにすると流出
液に含まれるオレフィンの含有量が原料のそれ(約16
%)に比較して低下した。言い換えれば、流出液のオレ
フィン性が低下した。水素の分圧を高くすればするほど
プロピレンがプロパンに変化してプロピレンの純度が下
がる傾向がある。水素ガスを取り除く介在期間を置く
と、それによってプロピレンの収率がより高くなるが、
コークス前駆体が生じることで触媒が失活する傾向があ
った。水素を3.5バールの分圧で添加した後でも触媒
の失活が起こった。水素を約3.5バールの分圧で添加
しても、水素ガスを存在させないで触媒を用いた先の運
転によって触媒の失活が既に起こっていた。水素の分圧
を3.5バールにするとC1からC3パラフィンの量が少
なくなる結果としてプロピレンの純度が向上することが
分かるであろう。典型的には、水素を約5バール以下の
分圧で用いるとC3種の90%を越えるプロピレン純度
を得ることができる。
ンを再利用して原料に戻す本発明の態様に従ってオレフ
ィンが豊富な炭化水素原料に分解を受けさせる方法の図
式図を示す。また水素も前記原料に添加したことから水
素も流出液から再利用して前記エチレンと一緒に前記原
料に戻す。
連結した2基の反応槽54、56が含まれており、原料
を反応槽54に供給して流出液を反応槽56から取り出
す。この2基の反応槽54、56にはそれぞれそれらの
上流に1番目または2番目の加熱装置58、60が与え
られている。この反応槽54、56を反応槽54’、5
6’と一緒に並列(自在)反応槽として配置する。使用
時、反応槽54、56をサイクル時間として知られる時
間(これは典型的に数日間に相当する)運転する。反応
槽54、56に入っている触媒の再生を行う必要がある
時には、反応槽54、56を原料および流出液用のフロ
ーラインから外しそして並列反応槽54’、56’を組
み入れて運転する。反応槽54’、56’の運転を行っ
ている間、反応槽54、56内に存在する触媒に再生を
受けさせる。
熱装置58につながっている供給ライン64の1番目の
入り口62に送り込む。水素ガスを前記原料に送り込む
ための2番目の入り口66を前記供給ライン64に与え
る。2番目の反応槽56の出口ライン68に中間的熱回
収装置70を与え、これを分離装置72につなげる。分
離装置72はライトエンド(light ends)
(水素、メタン、エタンおよびエチレンを含んで成る)
を炭化水素流出液から分溜で分離するに適合している。
ージ地点(purge point)76に送り、この
地点で、ライトエンドの一部を除去する[軽質パラフィ
ン類、即ちメタンおよびエタンが反応槽54、56内に
蓄積しないように]。残りのライトエンドを圧縮装置7
8に送り込んで、その圧縮されたライトエンドの流れ
(水素とエチレンが入っている)を圧縮装置78からラ
イン80に沿って供給ライン64の3番目の入り口82
に送り込むことで、エチレンと水素を1番目の加熱装置
58の上流で原料に導入する。
即ちC3+炭化水素は、前記分離装置72からライン8
4に沿って直列連結した分溜装置86、88に送り込ま
れる。前記流出液が1番目の分溜装置86の中で分溜を
受けることで、C3炭化水素が残りの重質炭化水素から
分離される。このC3炭化水素はライン90に沿って取
り出されそしてC4+炭化水素はライン92に沿って2
番目の分溜装置88に送り込まれる。2番目の分溜装置
88内でC4炭化水素が分離され、その結果としてC4炭
化水素はライン94に沿って取り出され、その残りのC
5+炭化水素(パラフィン種とオレフィン種の両方を含
みかつ恐らくは芳香族種をいくらか含む)はライン96
に沿ってパージ地点98を経由して供給ライン64にそ
れの4番目の入り口100に通して送り込まれる。パー
ジ地点98の所でC5+種のいくらかを除去する(重質
溜分およびパラフィン類が接触分解反応槽54、56内
に蓄積しないように)。
り出され、これはプロパンをある少ないレベルで伴う。
このプロピレンの純度は典型的に約90重量%を越え
る。望まれるならば、ライン94に沿って取り出したC
4溜分を炭化水素原料に再利用することも可能である。
素原料に接触分解を受けさせた。この炭化水素原料は表
3に示す組成を有していた。エチレンを前記原料にエチ
レンに対するブテンのモル比が1になるように加えた。
それによって前記原料中のエチレン濃度が非常に高くな
った。この原料を、実施例1の触媒組成と同じ組成を有
する触媒の上に558℃の温度において12.5時-1の
1時間当たり重量空間速度(weight hourl
y space velocity)(WHSV)およ
び1.5バラの全炭化水素分圧(エチレンの分圧を包
含)で通した。流出液に含まれるいろいろな成分の重量
パーセントの意味で収率を経時的に測定し、その結果を
図6に示す。エチレンを用いると流出液中のプロピレン
の収率が最初ほぼ20重量%まで上昇することが分かる
であろう。約50時間の稼働時間後、流出液に含まれる
プロピレンの量が低下し、このことは、触媒が特に安定
ではないことを示している。それにも拘らず、このこと
は、エチレンを主にC4炭化水素を含有する炭化水素原
料に添加するとプロピレンの収率が高くなる傾向がある
ことを示している。
同じ量でオレフィン分解過程前に添加した。言い換えれ
ば、ブテン/エチレンのモル比を1にした。加うるに、
水素も前記原料に添加した。炭化水素の分圧(エチレン
を包含)は1.5バールで水素の分圧は3.5バールで
あり、原料全体の圧力は5バラであった。この一緒にし
た原料/エチレンを560℃の温度において13時-1の
1時間当たり重量空間速度(WHSV)で実施例3で用
いた触媒と同じ触媒の上に送り込んだ。稼働時間を長く
して、流出液に含まれるいろいろな成分の組成を検出
し、その結果を図7および表4に示す。エチレンを炭化
水素原料に添加すると流出液に含まれるプロピレンの収
率が約19重量%にまで高くなる傾向があることが図7
および表4から分かるであろう。この収率は経時的に低
くなりはするが、その度合は実施例3の場合に比較して
低く、これは水素を原料に添加したことによる。
単独に同じ接触分解過程を受けさせた場合のC4オレフ
ィン基準プロピレン収率を示す。エチレンと水素の両方
を接触分解過程前の原料に導入する本発明に従うとC4
オレフィン基準プロピレン収率が10日間を越える期間
に渡って高いままでありかつ初期には約45重量%に及
ぶことが図8から分かるであろう(黒記号を伴わせてプ
ロットした線で示されるように)。このC4オレフィン
基準プロピレン収率は10日間経過した後でも約30重
量%である。それとは対照的に、エチレンおよび水素を
C4原料に添加しないとC4オレフィン基準プロピレン収
率は低く、10日間に渡って約35重量%である(白記
号を伴わせてプロットした線で示されるように)。この
ように、エチレンを炭化水素原料に導入するとプロピレ
ンの収率が高くなる傾向がある。
ある。
分解で流出液に軽質オレフィンが含まれる方向に選択性
のある方法であって、1種以上のオレフィン成分をある
一番目の組成で有するオレフィン含有炭化水素原料を結
晶性シリケート触媒に前記触媒の安定性が向上するよう
に水素の存在下で接触させることで前記原料と実質的に
同じオレフィン重量含有量を持ちながら1種以上のオレ
フィン成分をある二番目の組成で有する流出液を生じさ
せることを含んで成る方法。
にする第1項記載の方法。
ルにする第2項記載の方法。
に前記水素を前記原料に添加する第1から3項いずれか
1項記載の方法。
出液から再利用する前項いずれか記載の方法。
加しておく前項いずれか記載の方法。
記流出液から再利用する第6項記載の方法。
0.1から50重量%を構成するようにする第6項また
は第7項記載の方法。
れより高級なオレフィン類の少なくとも一部を前記原料
に再利用することを更に含んで成る第6から8項いずれ
か1項記載の方法。
前項いずれか記載の方法。
イ素/アルミニウム原子比を持たせる前項いずれか記載
の方法。
る前項いずれか記載の方法。
解装置から得られるC4溜分か或は精油所のメチルt−
ブチルエーテル製造用装置から得られるC4溜分か或は
蒸気分解装置から得られるC4溜分を含める第1から1
1項いずれか1項記載の方法。
ィン含有量を基準にして30から50%のオレフィン基
準プロピレン収率を示す前項いずれか記載の方法。
と前記流出液のオレフィン重量含有量が互いの±15%
以内にある前項いずれか記載の方法。
600℃の流入温度で接触させる前項いずれか記載の方
法。
℃にする第16項記載の方法。
2バールのオレフィン分圧下で接触させる前項いずれか
記載の方法。
にする第18項記載の方法。
ら30時-1のLHSVで通す前項いずれか記載の方法。
大濃度を0.1重量%にする前項いずれか記載の方法。
富な炭化水素原料に分解を受けさせる方法の流れ図の図
式図であり、
関するいろいろな産物(プロピレンを包含)の収率と時
間の間の関係を示すグラフであり、
レンを包含)の収率と時間の間の関係を示すグラフであ
り、
関するとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示
し、
富な炭化水素原料に分解を受けさせる方法の流れ図の図
式図を示し、
触分解方法以前に添加した原料に関するとりわけプロピ
レンの収率と時間の間の関係を示し、
方法に関するいろいろな産物(プロピレンを包含)の収
率と時間の間の関係を示し、そして
方法に関するいろいろな産物(プロピレンを包含)の収
率と時間の間の関係を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 オレフィンが豊富な炭化水素原料の分解
で流出液に軽質オレフィンが含まれる方向に選択性のあ
る方法であって、1種以上のオレフィン成分をある一番
目の組成で有するオレフィン含有炭化水素原料を結晶性
シリケート触媒に前記触媒の安定性が向上するように水
素の存在下で接触させることで前記原料と実質的に同じ
オレフィン重量含有量を持ちながら1種以上のオレフィ
ン成分をある二番目の組成で有する流出液を生じさせる
ことを含んで成る方法。
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