JP2001026027A - 真空積層装置および真空積層方法 - Google Patents

真空積層装置および真空積層方法

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JP2001026027A
JP2001026027A JP11201571A JP20157199A JP2001026027A JP 2001026027 A JP2001026027 A JP 2001026027A JP 11201571 A JP11201571 A JP 11201571A JP 20157199 A JP20157199 A JP 20157199A JP 2001026027 A JP2001026027 A JP 2001026027A
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laminated
plate
film
lower plate
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JP11201571A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ogawa
昭彦 小川
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Meiki Seisakusho KK
Original Assignee
Meiki Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜体により被積層材を加圧すると共に効率よ
く適切な温度に加熱することができる真空積層装置およ
び真空積層方法を提供する。 【解決手段】 真空積層装置は、密閉チャンバを形成す
る上板1,下板2と、下板2の対向面に設けられ上板1
の対向面に向かって膨出されることにより被積層材Hを
加圧する膜体3と、チャンバ内を減圧する減圧手段と、
任意に膜体3をその設けられた下板2の対向面に密接さ
せると共に上板1対向面に向かって膨出させて被積層材
Hを加圧するよう膜体3を操作する膜体操作手段7と、
膜体3によって上板1の対向面に対して加圧される被積
層材Hを加熱する加熱手段8と、膜体3とその膜体3が
設けられた下板2の対向面との間に配置された加熱手段
9と、膜体3の上板1の対向面に向かう膨出に追従して
膜体3の裏面と接触するように加熱手段9を移動させる
追従移動手段10と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被積層材を真空雰
囲気下において加圧・加熱することにより積層する真空
積層装置および真空積層方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、特開昭63−29
5218号公報に開示されているように、内外に開口す
る2つの搬送口を有する加熱容器と、この加熱容器の内
部に収容されかつ前記両搬送口の開口周縁に設けられそ
の内部で2種のステージ材料を一体化する筒状のラバー
とを備え、このラバーに管体を介して真空源を接続した
成形プレスが知られている。このものにおいては、加熱
容器に接続された加熱装置が図示されている。
【0003】また、特開昭63−299895号公報に
開示されているように、被成形物を移送する移送手段
と、この移送手段の中間部に開閉駆動可能に配置され、
上記被成形物をその移送過程で加熱・加圧して一体成形
する真空チャンバーと、この真空チャンバーを開閉駆動
するチャンバー開閉手段と、上記真空チャンバーを加熱
する加熱機構とを備えた真空プレス装置が知られてい
る。このものにおいては、真空チャンバーを構成する可
動側チャンバーと固定側チャンバーとの内部にそれぞれ
耐熱性のラバーシートが張設されており、両ラバーシー
トの間で密閉された真空室が形成され、この真空室には
真空ポンプで負圧が作用し、かつ、可動側チャンバーと
固定側チャンバーが加熱機構で加熱されていることによ
り、ステージ材料が加熱・加圧され一体成形されるなど
と記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術にあっては、被成形物またはステージ材料を加
熱するために、加熱容器に接続された加熱装置(特開昭
63−295218号公報)や、可動側チャンバーおよ
び固定側チャンバーに接続された加熱機構(特開昭63
−299895号公報)によって加熱容器またはチャン
バーを加熱するものであり、被成形物またはステージ材
料を加圧するときには、筒状のラバーまたはラバーシー
トが加熱容器あるいはチャンバーから引き離された状態
となる。すなわち、被成形物またはステージ材料は、筒
状のラバーまたはラバーシートにより加圧されていると
きに、加熱された加熱容器またはチャンバーから離れた
状態となる。そのため、加圧される被成形物またはステ
ージ材料を効率よく適切な温度に精度よく加熱すること
ができないという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、膜体により被積層材を加圧すると共に効率
よく適切な温度に加熱することができる真空積層装置お
よび真空積層方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の真空積層装置
に係る発明は、上記目的を達成するため、被積層材が収
容される、少なくとも一面が膜体によって形成された密
閉チャンバと、密閉チャンバ内を真空引きする吸引手段
と、膜体の膨出を阻止して真空引きされた密閉チャンバ
内の被積層材が加圧されないように、または、膜体を膨
出させてその表面により被積層材を加圧させるように、
任意のタイミングで膜体を操作する膜体操作手段と、被
積層材を加熱する加熱手段と、を備えた真空積層装置で
あって、被積層材を加圧するために膨出された膜体の裏
面に加熱手段が接するように、加熱手段を膜体の膨出に
応じて移動可能としたことを特徴とするものである。
【0007】請求項2の真空積層方法に係る発明は、上
記目的を達成するため、被積層材を少なくとも一面が膜
体によって形成されたチャンバに収容して密閉する工程
と、被積層材が加圧されないように膜体の膨出を阻止し
た状態で密閉されたチャンバ内を減圧する工程と、この
減圧を維持しつつ膜体を膨出させてその表面で被積層材
を加圧すると共に加熱手段により被積層材を加熱する工
程と、を含む真空積層方法であって、被積層材を加圧す
るときの膜体の膨出に応じて加熱手段が膜体の裏面に接
するように、加熱手段を移動させることを特徴とするも
のである。
【0008】本発明の請求項1に係る真空積層装置で
は、被積層材を収容して密閉チャンバを形成し、膜体が
膨出して被積層材を不用意に加圧しないように、膜体操
作手段により膜体をその設けられた対向面に密着させ、
密閉チャンバ内を減圧する。その後、膜体操作手段によ
り膜体をその設けられた対向面から離間させるようにし
て膨出させ被積層材を加圧する。このとき、膜体の膨出
に応じて加熱手段を膜体の裏面に接するように移動さ
せ、被積層材を加熱する。膜体に加熱手段が接した状態
で膜体が被積層材を加圧するため、被積層材は効率よく
加熱される。
【0009】また、本発明の請求項2に係る真空積層方
法では、被積層材を少なくとも一面が膜体によって形成
されたチャンバに収容して密閉し、被積層材が加圧され
ないように膜体の膨出を阻止した状態で密閉されたチャ
ンバ内を減圧し、この減圧を維持しつつ膜体を膨出させ
てその表面で被積層材を加圧すると共に加熱手段により
被積層材を加熱する。この被積層材を加圧及び加熱する
とき、膜体の膨出に応じて加熱手段が膜体の裏面に接す
るように、加熱手段を移動させる。膜体に加熱手段が接
した状態で膜体が被積層材を加圧するため、被積層材は
効率よく加熱される。
【0010】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の真空積層装置の
実施の一形態を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。
なお、図において同一符号は同一部分または相当部分と
する。
【0011】この実施の形態における本発明の真空積層
装置は、図1および図2に示すように、概略、相対向し
て相対的に近接遠退可能に設けられ、近接したときに被
積層材Hが収容された密閉チャンバ5を形成する上板1
および下板2と、上板1または下板2のいずれか一方の
対向面に設けられ、上板1または下板2のいずれか他方
の対向面に向かって膨出されることにより該他方の対向
面との間で被積層材Hを加圧する膜体3と、チャンバ5
内を減圧する減圧手段6と、任意に膜体3を、その設け
られた上板1または下板2の一方の対向面に密接させる
と共に、上板1または下板2のいずれか他方の対向面に
向かって膨出させて被積層材Hを加圧するよう膜体3を
操作する膜体操作手段7と、膜体3によって上板1また
は下板2のいずれか他方の対向面に対して加圧される被
積層材Hを加熱する加熱手段8と、膜体3とその膜体3
が設けられた上板1または下板2の一方の対向面との間
に配置された加熱手段9と、該膜体3と上板1または下
板2の一方の対向面との間に配置された加熱手段9を、
膜体3の上板1または下板2のいずれか他方の対向面に
向かう膨出に追従して、膜体3の裏面と接触するように
移動させる追従移動手段10と、を備えてなる。
【0012】上板1は、略矩形の平板状体からなるもの
で、この実施の形態の場合、支持台(図示を省略した)
などにより所定の高さに固定保持されている。上板1の
下面には、他方の対向面を構成する上定盤11と、上定
盤11に対して加圧される被積層材Hを加熱する加熱手
段としての電気ヒータ8と、断熱材12とを収容するた
めの凹部16が形成されている。凹部16は、断熱材1
2および電気ヒータ8を介して取付けられた上定盤11
の下面が上板1の凹部16の周囲の下面と連続してほぼ
同一面を形成するよう設定されている。断熱材12は、
ビス13により上板1の凹部16の底面(天井面)に取
付けられている。上定盤11は、ボルト14により上板
1に取付けられている。
【0013】また、電気ヒータ8は、上定盤11と共に
ボルト14が挿通されていることにより、上板1との間
に断熱材12を介して固定されており、上定盤11を所
定の温度に加熱することができるように、すなわち、上
定盤11に対して押圧される被積層材Hを加熱すること
ができるよう配置されている。上定盤11、電気ヒータ
8、および断熱材12の周側面と凹部16の側壁面との
間には、チャンバ5内に開口するような間隙が形成され
ている。上板1のほぼ中央には、減圧手段6としての真
空ポンプ(図示を省略した)に接続されるポートを有す
る通路6aが凹部16に貫通するように穿設されてい
る。上板1の断熱材12と接する凹部16の天井面に
は、間隙と通路6aとを連通する溝15が格子状に複数
形成されている。
【0014】なお、上定盤11の下面は、剛性を有する
平滑な表面が形成されているが、必要に応じてシリコン
ゴムなどの耐熱性弾性層を貼着することもできる。ま
た、加熱手段8は、電気ヒータに限定されることなく、
図示は省略するが、油や蒸気などの加熱流体を流通循環
させるための流路を上板内に形成してもよい。さらに、
図示した実施の形態では、上板1の凹部16の天井面に
溝15を形成した場合によって説明したが、断熱材12
の凹部16と接する面に溝を形成することもできる。
【0015】下板2は、上板1と略同じ大きさの矩形の
平板状体からなるもので、この実施の形態の場合、所定
の高さに固定保持された上板1に対して近接遠退可能に
支持され、昇降駆動手段(図示を省略した)が接続され
ている。昇降駆動手段により下板2を上板1に対して近
接させるよう上昇させると、後述する枠体20が上板1
と下板2との間に挟持されてチャンバ5が形成され、下
板2を上板1から離間させるよう下降させるとチャンバ
5が開放されることとなる。
【0016】下板2の上面には、上板1の凹部16とほ
ぼ同じ大きさの開口を有する枠体20がボルト21によ
り取付けられている。下板2の上面(上板に対する一方
の対向面)には断熱材22を昇降可能に収容する凹部2
8が形成されており、断熱材22の上面には加熱手段と
しての電気ヒータ9と下定盤23とが順次載置されてい
る。すなわち、電気ヒータ9は、膜体3とこの膜体3が
設けらている下板2の一方の対向面との間に配置されて
いる。下板2の凹部28の周囲と枠体20の間には、下
定盤23上を覆うように配置された膜体3の周縁が気密
に挟持されている。
【0017】さらに、枠体20の上面には、Oリングな
どのシール部材25を保持するための溝20aが形成さ
れている。下板2を上昇させて枠体20のシール部材2
5が上板1に当接押圧されると、密閉されたチャンバ5
が形成されることとなる。そして、形成されたチャンバ
5は、その一面が膜体3によって形成されることとな
る。なお、膜体3は、伸縮性、可撓性、弾性、耐熱性等
を有する、例えばシリコンゴムやフッ素ゴム等の素材が
用いられている。膜体3の周縁は、下板2の凹部28の
周囲と枠体20の間で挟持されることに限定されず、枠
体20の下面に対して接着剤などにより固着することも
できる。枠体20の高さ(厚さ)を変更することによ
り、被積層材Hの厚さに応じてチャンバ5の高さを変更
することもできる。
【0018】下板2上の、枠体20および下板2の間に
挟持された膜体3の周縁と対応する位置には、Oリング
などのシール部材26を保持するための溝27が形成さ
れている。このシール部材26により、下板2と膜体3
との間の気密性が保証されている。すなわち、膜体3の
下方の下板2の内部には密閉された空間が形成されてい
る。下板2のほぼ中央には、後述する膜体操作手段7が
接続されるポートを有する通路7aが凹部28に貫通す
るように穿設されている。下定盤23は、例えば所謂パ
ンチングメタルのような多孔板により構成されている。
また、断熱材22と電気ヒータ9には通路7aと整合す
るように孔51,50がそれぞれ形成されている。膜体
操作手段7により通路7aを介して供給・吸引される空
気などの作動流体は、断熱材22および電気ヒータ9の
孔51,50を通って多孔板からなる下定盤23を通過
することとなり、その流動作用を膜体3の全面にわたっ
て均等に及ぼすことができる。
【0019】さらに、下板2の下面には複数の取付プレ
ート30がボルト31により固定され、各取付プレート
30には、電気ヒータ9を昇降移動させる追従移動手段
10を構成する複数のアクチュエータ32がボルト33
によりそれぞれ取付けられている。そして、下板2に
は、各アクチュエータ32と断熱材22を収容する凹部
28との間にわたって貫通する孔34が形成されてお
り、各孔34には昇降ロッド35が挿通されると共に、
各孔34と昇降ロッド35との間の気密性を保つための
シールブッシュ36が設けられている。昇降ロッド35
の一端はボルト37により断熱材22と固定されてお
り、他端はアクチュエータ32の作動杆32aと連結さ
れている。アクチュエータ32の作動杆32aを伸長駆
動すると、昇降ロッド35を介して断熱材22に載置さ
れた電気ヒータ9が上昇される。なお、アクチュエータ
32は、この実施の形態の場合、少なくともピストンロ
ッドなどの作動杆32aを伸長駆動することが可能な単
動式の流体作動シリンダを使用することができるが、作
動杆32aを伸長・退縮駆動することが可能な複動シリ
ンダ(図4を参照)や、昇降ロッド35を軸方向に移動
させることが可能な他の形式のアクチュエータを使用す
ることもできる。
【0020】膜体操作手段7は、図2および図3に示す
ように、真空ポンプ40と、エアコンプレッサなどの圧
縮空気源41と、圧縮空気源41から圧縮空気を所定圧
力P1に減圧して供給するための圧力調整弁42と、真
空ポンプ40と圧縮空気源41とをそれぞれ接続・遮断
するように切り替え操作する切替弁43,44と、各切
替弁43,44を通路7aのポートと並列に接続する管
路45と、を備えてなる。また、圧縮空気源41の切替
弁44にはアクチュエータとしての単動式シリンダ32
と接続する管路50が並列に接続されており、この管路
50の途中には圧縮空気を所定の圧力P2に減圧してシ
リンダ室32bに供給するための圧力調整弁51とシリ
ンダ室32b内に供給された空気の排出を許容するよう
設けられた逆止弁52とが並列に介装されている。
【0021】図2に示すように、圧縮空気源41の接続
を遮断するように切替弁44を操作すると共に、真空ポ
ンプ40を管路45と接続するように切替弁43を操作
すると、膜体3と下板2との間の密閉された空間内の空
気が下定盤23の全面と電気ヒータ9および断熱材9
a,22の孔50,51とを介して通路7aから吸引さ
れ、チャンバ5内が減圧されたときであっても膜体3が
不用意に膨出して被積層材Hを加圧することがないよう
に、膜体3を全面にわたって下板2の下定盤23に密着
させる。なお、膜体操作手段7による膜体3の吸着力
は、減圧手段6によりチャンバ5内を減圧したときに、
膜体3が下定盤23から離間しないように、減圧手段6
による減圧力以上に設定されている。
【0022】また、図3に示すように、真空ポンプ40
の接続を遮断するように切替弁43を操作すると共に、
圧縮空気源41を管路45と接続するように切替弁44
を操作すると、圧力調整弁42で所定の圧力P1に調整
された圧縮空気は、管路45と、通路7aと断熱材22
および電気ヒータ9の孔51,50とを介して多孔板か
らなる下定盤23の全面から膜体3の下方の下板2の内
部の密閉された空間に供給されて、膜体3が被積層材H
を全面にわたって上定盤11に対して均等に押圧して加
圧するように、チャンバ5内に膨出する。そして、圧力
調整弁51で所定の圧力P2に調整された圧縮空気が管
路50を介してシリンダ室32bに供給されてピストン
ロッド32aを伸長駆動させ電気ヒータ9などを上昇さ
せて、被積層材Hを加圧すべく上定盤11に向かって膨
出される膜体3の裏面に下定盤23を介して接する。こ
こで、シリンダ32の内径(ピストンの外径)をDと
し、昇降ロッド35の外径をdとする。電気ヒータ9
の、膜体3の裏面に対する接触力は、次式のように表す
ことができる。 接触力=(D2 P2−d2 P1)π/4
【0023】シリンダ32に供給される圧縮空気は、圧
縮空気源41からの圧縮空気を圧力調整弁42によって
所定の圧力P1に減圧された後に、さらに圧力調整弁5
1によって所定の圧力P2に減圧される。すなわち、圧
力調整弁42を介して通路7aから膜体3の下方の空間
に供給される圧縮空気の圧力P1は、圧力調整弁51を
介してシリンダ32に供給される圧縮空気の圧力P2よ
りも高いため、膜体3を上定盤11に向かって膨出させ
ると同時に、昇降ロッド35を押し下げるように作用す
る傾向がある。しかしながら、ピストンの外径Dが昇降
ロッド35の外径dよりも大きいために、このような傾
向が実際に引き起こされることはなく、電気ヒータ9
は、被積層材Hを加圧すべく上定盤11に向かって膨出
される膜体3に追従して緩やかに上昇移動して下定盤2
3を介して膜体3の裏面に接し、下定盤23および膜体
3を介して被積層材Hを効率よく適切な温度で加熱す
る。
【0024】なお、電気ヒータ9の接触力は、被積層材
Hを膜体3の膨出により加圧するため、下定盤23を介
して電気ヒータ9が膜体3を所定の温度に加熱すること
ができる程度でよい。また、下板2の電気ヒータ9は、
上板1の被積層材Hが押し当てられる上定盤11を加熱
するための電気ヒータ8と同じ温度に設定することがで
き、また、膜体3が冷えない程度の保温温度に加熱手段
よりも低く設定したり、あるいは、下定盤23および膜
体3を介して被積層材Hを実質的に加熱することができ
るように電気ヒータ8以上の温度に設定することもでき
る。
【0025】被積層材Hが加圧と共に加熱されて積層成
形が完了すると、圧縮空気源41の管路45との接続を
遮断するように切替弁44を操作し、真空ポンプ40を
管路45に接続するように切替弁43を操作すると、再
び膜体3と下板2との間の密閉された空間内の空気が下
定盤23の全面と電気ヒータ9および断熱材22の孔5
0,51とを介して通路7aから吸引されて、膜体3が
全面にわたって下板2に密着され、電気ヒータ9がその
自重と共に膜体3の吸着により下降され、シリンダ室3
2bの空気が逆止弁52から排出される。
【0026】本発明の真空積層装置は、上述したよう
に、上板1に減圧手段6を接続すると共に、下板2に枠
体20、膜体3、膜体操作手段7、および追従移動手段
10を設けた実施の形態に限定されることなく、図4に
示すように、上板1に枠体20、膜体3、膜体操作手段
7、および追従移動手段10を設けると共に、下板2に
減圧手段6を接続することもできる。この場合にあって
は、追従移動手段10のアクチュエータとして複動型の
シリンダ32’を使用し、これに伴って、3ポート切替
弁44’を使用することが好ましい。上定盤11は多孔
板により構成され、下定盤23の上面は剛性を有する平
滑な表面が形成される。そして、上板の凹部16に断熱
材12が昇降可能に収容され、追従移動手段10のアク
チュエータ32’により電気ヒータ8が膜体3の膨出に
応じて昇降移動される。
【0027】さらに、上述した実施の形態では上板1ま
たは下板2のいずれか一方の対向面のみに膜体3を向け
た場合によって説明したが、本発明の真空積層装置は、
これに限定されることなく、図5に示すように、両対向
面にそれぞれ膜体3,4を膨出可能に設け、両膜体3,
4の膨出に追従してその裏面にそれぞれ加熱手段として
の両電気ヒータ8,9が接するように、追従移動手段1
0を設けることもできる。この場合にあっては、被積層
材Hは、両膜体3,4間で加圧されると共に、これら膜
体3,4の裏面に接した電気ヒータ8,9により加熱さ
れて積層される。この場合には、上定盤11および下定
盤23の双方が多孔板により構成され、また、上板1お
よび下板2の双方に膜体操作手段7がそれぞれ接続さ
れ、枠体20に減圧手段の通路6aが形成される。
【0028】また、上述した実施の形態では、枠体20
が上板1と下板2との間で挟持されることにより密閉チ
ャンバ5が形成されるよう構成した場合によって説明し
たが、上板1と下板2とを相対的に近接させたときに密
閉チャンバ5が形成されるのであれば、例えば(図示は
省略する)、上板1および/または下板2の対向面の外
周に突出させて枠体20のような部分を一体に形成する
こともできる。
【0029】次に、本発明の真空積層方法を図1〜図3
に示された真空積層装置を使用した場合によって説明す
る。この実施の形態における本発明の真空積層方法は、
概略、被積層材Hを対面させて上板1または下板2のい
ずれか一方の対向面に設けられた膜体3と他方の対向面
との間に位置させる工程と、上板1と下板2とを相対的
に近接させて前記膜体3と上板1または下板2の対向面
のいずれか他方との間に被積層材Hが収容された密閉チ
ャンバ5を形成する工程と、膜体3が被積層材Hを加圧
することがないように膜体3をその設けられた上板1ま
たは下板2のいずれか一方の対向面に密着させた状態
で、密閉チャンバ5内を減圧する工程と、この減圧を維
持しつつ上板1または下板2のいずれか他方の対向面と
の間で被積層材Hを加圧するように膜体3を膨出操作す
ると共に加熱する工程と、膜体3の裏面に加熱手段9を
接触させて膜体3を介して被積層材Hを加熱する工程
と、から構成されている。
【0030】被積層材Hは、例えば、積層基板やフレキ
シブル積層基板に支持体フィルムおよび感光層からなる
フィルム状フォトレジスト形成層を積層する場合のよう
に、複数の板状、シート状あるいはフィルム状材料から
なるもので、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂製フィルム
同士、または該フィルム状物と基材、例えば木材板、金
属板、有機材料、無機材料もしくは複合材料からなるシ
ートとを貼り合わせるためにも適用できることはいうま
でもない。ここで、上記フィルム状物同士の積層は同種
または異種のものを2層または3層以上で行われてもよ
く、基材へのフィルム状物の積層は基材の片面のみ、ま
たは両面に行われてもよい。図1〜図3に示された実施
の形態の場合においては、被積層材Hは、膜体3上に載
置される。
【0031】その後、下板2を上板1に対して近接移動
させると、図2に示すように、被積層材Hが上定盤11
と膜体3の間に収容された状態で、密閉されたチャンバ
5が形成される。そして、圧縮空気源41の接続を遮断
するように切替弁44を操作すると共に、真空ポンプ4
0を管路45と接続するように切替弁43を操作するこ
とにより、膜体3を全面にわたって下板2の下定盤23
に密着させる。この状態で減圧手段6を作動して密閉チ
ャンバ5内の空気を吸引すると、被積層材Hは、膜体3
に加圧されることなくその周囲が減圧される。
【0032】密閉チャンバ5内の減圧が完了したら、図
3に示すように、真空ポンプ40の接続を遮断するよう
に切替弁43を操作すると共に、圧縮空気源41を管路
45と接続するように切替弁44を操作し、膜体3を下
定盤23から離間させるように上定盤11に向かって膨
出させて、被積層材Hを全面にわたって上定盤11に対
して均等に押圧することにより加圧する。上定盤11が
電気ヒータ8によって所定の温度に加圧されているた
め、被積層材Hは加圧と同時に加熱されることとなる。
また、膜体3が膨出すると同時に、またはわずかに遅れ
て、アクチュエータ32が伸長するように駆動されて、
昇降ロッド35を介して断熱材22上の電気ヒータ9が
追従移動され膜体3の裏面に接することとなる。このと
き、電気ヒータ9が所定の温度に加熱されており、膜体
3は被積層材Hを冷却しない程度に保温され、あるい
は、被積層材Hを実質的に積層成形することができるよ
うな熱を保有している。この電気ヒータ9により膜体3
に伝播される加熱温度は、被積層材Hの種類などの条件
によって設定される。
【0033】被積層材Hの積層成形が完了したら、減圧
手段6の駆動を停止して密閉チャンバ5内に大気を導入
すると共に、圧縮空気源41の管路45との接続を遮断
するように切替弁42を操作し真空ポンプ40を管路4
5に接続するように切替弁43を操作して、膜体3と下
板2との間の密閉された空間内の空気を吸引し、下定盤
23に膜体3を密着させて電気ヒータ9などを下降さ
せ、下板2を上板1から離間させるように下降させてチ
ャンバ5を開放し、積層品を取り出す。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、被積層材を加
圧するために膨出された膜体の裏面に加熱手段が接する
ように、加熱手段を膜体の膨出に応じて移動可能とした
ことにより、被積層材を膜体により効率よく適切な温度
に加熱すると共に加圧することができる真空積層装置を
提供することができる。
【0035】請求項2の発明によれば、被積層材を加圧
するときの膜体の膨出に応じて加熱手段が膜体の裏面に
接するように、加熱手段を移動させることにより、被積
層材を膜体により効率よく適切な温度に加熱すると共に
加圧することができる真空積層方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空積層装置の実施の一形態を示す断
面図である。
【図2】図1に示した真空積層装置において、被積層材
をチャンバ内に収容した状態を示す部分拡大図である。
【図3】図2の状態から被積層材を加熱・加圧するとき
に、加熱手段が膜体の膨出に追従して移動した状態を示
す部分拡大図である。
【図4】本発明の真空積層装置の別の実施の形態を示す
断面図である。
【図5】本発明の真空積層装置のさらに別の実施の形態
を示す断面図である。
【符号の説明】
H 被積層材 1 上板 2 下板 3 膜体 4 膜体 5 チャンバ 6 減圧手段 7 膜体操作手段 8 電気ヒータ(加熱手段) 9 電気ヒータ(加熱手段) 10 追従移動手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被積層材が収容される、少なくとも一面
    が膜体によって形成された密閉チャンバと、 密閉チャンバ内を真空引きする吸引手段と、 膜体の膨出を阻止して真空引きされた密閉チャンバ内の
    被積層材が加圧されないように、または、膜体を膨出さ
    せてその表面により被積層材を加圧させるように、任意
    のタイミングで膜体を操作する膜体操作手段と、 被積層材を加熱する加熱手段と、を備えた真空積層装置
    であって、 被積層材を加圧するために膨出された膜体の裏面に加熱
    手段が接するように、加熱手段を膜体の膨出に応じて移
    動可能としたことを特徴とする真空積層装置。
  2. 【請求項2】 被積層材を少なくとも一面が膜体によっ
    て形成されたチャンバに収容して密閉する工程と、 被積層材が加圧されないように膜体の膨出を阻止した状
    態で密閉されたチャンバ内を減圧する工程と、 この減圧を維持しつつ膜体を膨出させてその表面で被積
    層材を加圧すると共に加熱手段により被積層材を加熱す
    る工程と、を含む真空積層方法であって、 被積層材を加圧するときの膜体の膨出に応じて加熱手段
    が膜体の裏面に接するように、加熱手段を移動させるこ
    とを特徴とする真空積層方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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