JP2001025866A - 挟開先の溶接方法および溶接装置 - Google Patents
挟開先の溶接方法および溶接装置Info
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Abstract
は半自動溶接の適用を可能にした挟開先の溶接方法およ
び溶接装置を提供する。 【解決手段】MAG溶接によるV形もしくはレ形の挟開
先の溶接方法であって、溶接母材と溶加材の間に、直流
電流とパルス電流を重畳させた波形で、溶滴の移行形態
がスプレー移行となる溶接電流を印可して初層の溶接を
行った後、直流電流を印可して2層目以降の溶接を行う
Description
挟開先の溶接方法および溶接装置に関するものである。
進み、その建設機械のアーム、ブーム、バケットなどの
構造物を構成する鋼材の板厚も厚くなり、その溶接作業
に多大な時間を要するようになってきた。
あるいはレ形の開先を挟開先化して全体の溶着量を減ら
す方法があるが、挟開先化する場合、特に、初層の溶接
欠陥の発生を防止することが大きな課題となる。
に開示されているように、被溶接物が管であれば、その
端面を機械加工により高精度に加工して開先を形成し、
自動溶接することも可能であるが、建設機械の構造物の
ように、直線と曲線が組み合わされた複雑な外形形状を
持つ大型の被溶接物では、機械加工により開先を形成す
ると、その加工コストが高くなり、溶接施工の加工コス
トでは吸収しきれず、トータルコストが増大することに
なる。
溶接時の溶接電流が小さい場合は、被溶接物に対する入
熱量が小さいため、図6に示すように、一対の溶接母材
1に形成された開先2の底部に、初層の溶接ビード3で
埋められない空間4aが溶接欠陥として発生する。
すように、溶接母材1に対する入熱量を十分確保するこ
とができる反面、溶加材の溶融量が増加するため、溶接
ビード3の縦横比(溶接ビードの高さと幅の比率)が大
きくなり、溶接ビード3に高温割れ4bの溶接欠陥が発
生しやすくなる。
ると共に、溶接ビードの高温割れの発生を防止するため
には、溶接電流を大きくすると共に溶接速度を早くし
て、溶接部に形成される溶接ビードの高さを低く押さえ
ることが必要になる。
開先2の中心位置よりずれて一方の側壁に近づくと、ア
ーク7が近づいた方の側壁に流れ、溶接終了後、図9に
示すように、より大きなアンダーカット4cが発生す
る。また、アークの中心が開先2の底部に向かない(指
向性が低い)ため、開先2の底部の溶け込みが不足する
ことがある。
に作用するピンチ力により得られる。アークに作用する
ピンチ力の一つとして溶接電流によって発生する電磁ピ
ンチ力がある。この電磁ピンチ力の大きさは、溶接電流
の2乗に比例する。
構造物などの初層の溶接は、溶接ワイヤの蛇行により狙
い位置のずれが避けられない半自動溶接などの溶接法を
適用することが難しく、熟練者による手作業で行われて
いるため、溶接コストの低減が困難であった。
時に発生するアークの指向性を高め、溶接ワイヤの蛇行
による狙い位置ずれに対する許容度を大きくして、挟開
先溶接における初層溶接に自動溶接もしくは半自動溶接
の適用を可能にした挟開先の溶接方法および溶接装置を
提供することにある。
め、本出願の請求項1に記載の発明は、MAG溶接によ
るV形もしくはレ形の挟開先の溶接方法であって、溶接
母材と溶加材の間に、直流電流とパルス電流を重畳させ
た波形で、溶滴の移行形態がスプレー移行となる溶接電
流を印可して初層の溶接を行った後、直流電流を印可し
て2層目以降の溶接を行うようにした。
に記載の発明において、前記直流電流を200A〜30
0Aとし、この直流電流に重畳されたパルス電流のピー
ク値を400A〜500Aとした。
もしくは請求項2のいずれかに記載の発明において、前
記パルス電流の周波数を50Hz以上とした。
溶接によるV形もしくはレ形の挟開先の溶接装置であっ
て、溶接母材と溶加材で構成される溶接部に溶接電力を
印加する溶接電源と、予め設定された溶接電流と溶接部
に供給される溶接電流とを比較し、電流制御信号を発信
する電流制御器と、予め設定された溶接電圧と溶接部に
供給される溶接電圧を比較し、電圧制御信号を発信する
電圧制御器と、予め設定されたピーク電圧とベース電圧
および周波数に基づいてパルス波形信号を発信するパル
ス波形制御器と、前記電流制御器、電圧制御器およびパ
ルス波形制御器の出力に基づいて、前記溶接電源の出力
を制御し、前記溶接部に所要の溶接電力を印可させる出
力制御器とを設けた。
に基づいて説明する。図1ないし図3は、本発明の実施
の形態を示すもので、図1は、本発明による溶接装置の
構成図、図2は、本発明による挟開先の溶接における初
層の溶接電流波形を示す特性図、図3は、本発明による
溶接状態を示す開先の断面図である。
先2が形成されている。5は溶接トーチ。6は溶接ワイ
ヤで、送給装置8から送り出され、トーチ5の先端から
開先2内へ供給される。
1と溶接ワイヤ6が接続されている。10は電流検出器
で、溶接電源9から溶接ワイヤ6に供給される溶接電流
を検出する。11は電圧検出器で、溶接電源9から溶接
ワイヤ6に供給される溶接電流の電圧を検出する。
すべき電流値を設定する。13は電流制御器で、電流設
定器12に設定された電流値と電流検出器10で検出さ
れた電流値とを比較して、電流制御信号を発信する。
する電流の電圧値を設定する。15は電圧制御器で、電
圧設定器14に設定された電圧値と電圧検出器11で検
出された電圧値とを比較して、電圧制御信号を出力す
る。
圧設定器。18は時間設定器で、パルス時間とベース時
間を設定する。19はパルス波形制御器で、ピーク電圧
設定器16とベース電圧設定器17およびパルス時間設
定器18に接続され、それらから印可されるピーク電
圧、ベース電圧およびパルス時間とベース時間に基づい
て所望のパルス波形を生成する。
出力側に介装されている。21は切換器で、開閉器20
の開閉を行う。
圧制御器14および開閉器20を介してパルス波形制御
器19に接続され、それぞれから印可される信号に基づ
いて溶接電源9を制御する。
一対の溶接母材1の間に形成された挟開先2内に溶接ワ
イヤ6を開先中心を狙い位置として挿入すると共に、切
換器21により開閉器20を閉成させ、パルス波形制御
器19で生成されたパルス波形を出力制御器22に印加
した状態で溶接を開始する。
器19からの指令に基づいて、溶接母材1と溶接ワイヤ
6の間に、平均電流値が300A以上の溶滴移行形態が
スプレー移行となる電流値で、ピーク電流値を平均電流
値より100〜300A高くなるように設定され、図2
に示すように、電流値がA2のベース電流に電流値がA
1のパルス状のピーク電流を重畳した特性の電流を印可
する。なお、ピーク電流の周波数は、50Hz以上に設
定されている。
と、アークに作用する電磁ピンチ力として、ピーク電流
値の2乗に比例した電磁ピンチ力を得ることができる。
したがって、平均電流が同じであれば、ピーク電流の周
波数が50Hz以上パルス電流を用いることにより、ア
ークに作用する電磁ピンチ力を大きくしてアークの指向
性を向上させることができる。
置が開先2の中心位置から開先2の一方の側壁に近づく
ようにずれても、アークの指向性が大きいため、アーク
の中心は開先2の底部(ルート部)付近に向かう。すな
わち、溶接ワイヤ6の蛇行などにより、溶接ワイヤ6の
先端位置が振れても、大きな電磁ピンチ力によりアーク
の中心は溶接ワイヤ6の進行方向(開先2の底部)に向
くため、底部の溶け込みを確保することができる。
る場合に比べ、より高速での溶接が可能となり、溶接ビ
ードの高さを低く押さえることができるので、溶接ビー
ドの高温割れの発生を防止することができる。
先角度30度のレ形の開先を形成し、溶接トーチ5から
送り出される溶接ワイヤ6の狙い位置を変えて、上記の
溶接方法で溶接を行ない、その結果を目視で確認した結
果を図5に示す。
Hzの場合、狙い位置のずれ量Yが1mmであれば、欠
陥のない溶接が可能である。また、狙い位置のずれ量Y
が2mm以上になると、若干の溶け込み不足や軽度のア
ンダーカットなど、通常では品質上に問題のない軽度の
欠陥が発生した。
なると、狙い位置のずれ量が3mmであっても欠陥のな
い溶接を行うことができた。しかし、パルスの周波数が
35Hzでは狙い位置のずれ量が0mmであっても、軽
度の欠陥が発生した。
上であれば、溶接品質上問題のない溶接を行うことがで
きる。また、好ましくは、パルスの周波数を100Hz
以上とすることにより、挟開先の溶接に狙い位置が変化
する半自動溶接を適用しても欠陥のない溶接を行うこと
ができる。
促進させるため、アークが開先の側壁に流れやすい直流
電流で溶接を行う。このとき、電流、電圧、速度の設定
は、各層で必要な溶着量、ビード幅、脚長などにより設
定する。
開先の初層溶接において、狙い位置のずれ量に対する許
容度を大幅に広げることができるので、溶接ワイヤなど
の蛇行により狙い位置がずれやすい自動溶接あるいは半
自動溶接により挟開先溶接を行うことができる。また、
開先の幅を狭くすることにより溶着量を減らし溶接時間
を短縮することができる。
切断で加工された開先の溶接も可能にし、溶接構造物の
加工コストを大幅に低減することができる。
電流波形を示す特性図。
実験状態を示す断面図。
源、13…電流制御器、15…電圧制御器、19…パル
ス波形制御器、22…出力制御器。
Claims (4)
- 【請求項1】MAG溶接によるV形もしくはレ形の挟開
先の溶接方法であって、溶接母材と溶加材の間に、直流
電流とパルス電流を重畳させた波形で、溶滴の移行形態
がスプレー移行となる溶接電流を印可して初層の溶接を
行った後、直流電流を印可して2層目以降の溶接を行う
ことを特徴とする挟開先の溶接方法。 - 【請求項2】前記直流電流が200A〜300Aであ
り、この直流電流に重畳されたパルス電流のピーク値が
400A〜500Aであることを特徴とする請求項1に
記載の挟開先の溶接方法。 - 【請求項3】前記パルス電流の周波数が50Hz以上で
あることを特徴とする請求項1もしくは請求項2のいず
れかに記載の挟開先の溶接方法。 - 【請求項4】MAG溶接によるV形もしくはレ形の挟開
先の溶接装置であって、溶接母材と溶加材で構成される
溶接部に溶接電力を印加する溶接電源と、予め設定され
た溶接電流と溶接部に供給される溶接電流とを比較し、
電流制御信号を発信する電流制御器と、予め設定された
溶接電圧と溶接部に供給される溶接電圧を比較し、電圧
制御信号を発信する電圧制御器と、予め設定されたピー
ク電圧とベース電圧および周波数に基づいてパルス波形
信号を発信するパルス波形制御器と、前記電流制御器、
電圧制御器およびパルス波形制御器の出力に基づいて、
前記溶接電源の出力を制御し、前記溶接部に所要の溶接
電力を印可させる出力制御器とを設けたことを特徴とす
る挟開先の溶接装置。
Priority Applications (6)
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KR10-2001-7003066A KR100437738B1 (ko) | 1999-07-12 | 2000-03-28 | 좁은 갭의 용접방법 및 용접장치 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JP3968195B2 JP3968195B2 (ja) | 2007-08-29 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3181283A1 (en) * | 2015-12-07 | 2017-06-21 | Illinois Tool Works Inc. | Systems and method for automated root pass welding |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP19773599A patent/JP3968195B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3181283A1 (en) * | 2015-12-07 | 2017-06-21 | Illinois Tool Works Inc. | Systems and method for automated root pass welding |
US10610946B2 (en) | 2015-12-07 | 2020-04-07 | Illinois Tool Works, Inc. | Systems and methods for automated root pass welding |
US11766732B2 (en) | 2015-12-07 | 2023-09-26 | Illinois Tool Works Inc. | Systems and methods for automated root pass welding |
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