JP2001025611A - 緩速濾過装置および緩速濾過方法 - Google Patents

緩速濾過装置および緩速濾過方法

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JP2001025611A JP11313155A JP31315599A JP2001025611A JP 2001025611 A JP2001025611 A JP 2001025611A JP 11313155 A JP11313155 A JP 11313155A JP 31315599 A JP31315599 A JP 31315599A JP 2001025611 A JP2001025611 A JP 2001025611A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濾過砂層に使用される砂に付着する有機性不純
物や雑菌、その他の夾雑物を効率的に取り除いておき、
濾過砂層を通過して得られた水は飲み水として安全に利
用できるようにする。 【解決手段】緩速濾過装置3において、夾雑物を予め取
り除いた焼き砂を用いて細粒度の第一濾過層19および
粗粒度の第二濾過層22を濾過水槽14内に設けて、緩
速濾過を行なうように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲用水などを生成
するための緩速濾過装置および緩速濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、河川や地下などから取水した水
(以下「原水」という)を飲料水として生成する濾過装
置には、緩速濾過装置と急速濾過装置が知られている。
古くは急速濾過装置に比べて濾過速度が遅い緩速濾過装
置が主流であったが、緩速濾過装置は前述のように濾過
速度が遅く、水源の汚染が激しいと濾過砂層が目詰まり
して濾過能力が低下するという問題があり、さらには人
口の増加や産業の発展に伴い、濾過能力の大きな急速濾
過装置が使用されてきた。しかしながら、急速濾過装置
は濾過能力の大きいものの、塩素などの薬品を使用する
ことから、処理された水は薬品臭く、また水源から取り
入れた水に含まれる物質と薬品が反応して発癌性物質が
生成されるなどの問題が生じ、さらには塩素が効かない
クリプトス汚染が発生するなどの問題も生じており、濾
過速度が遅いが、飲料水として安全な水を作ることので
きる緩速濾過装置が見直されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】緩速濾過装置は具体的
には被処理水を濾過砂層内をゆっくりと通過させ、砂壁
に付着している微生物が被処理水の汚れを取り除くよう
に構成されている。この緩速濾過装置の濾過砂として、
一般には粒度を整えた海砂、山砂、川砂などが用いられ
る。
【0004】ところで、濾過砂の洗浄濁度には規格が設
けられており、この洗浄濁度は30度以下で、有機性不
純物や雑菌、その他の夾雑物の付着ができるだけ少なく
なければならない。そして、この従来の緩速濾過装置お
よび緩速濾過方法において、海砂、山砂、川砂をそのま
ま濾過砂層として用いるために、規定の洗浄濁度を得、
有機性不純物や雑菌、その他の夾雑物を除去するまで洗
浄するのに可なりの時間と手間を要していた。
【0005】そこで、本発明は緩速濾過装置および緩速
濾過方法において、濾過砂層に使用される砂に付着する
有機性不純物や雑菌、その他の夾雑物を効率的に取り除
いておき、濾過砂層を通過して得られた水は飲み水とし
て安全に利用できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、所定の高さおよび径を有した濾過水槽の上
部に原水供給部が設けられ、下部に濾過水取出し部が設
けられ、前記濾過水槽に、所定温度で焼き洗浄水により
洗浄を繰り返し行なった後の焼き砂からなる濾過層が内
装されていることを要旨とするものである。また本発明
は、前記濾過層は上側の第一の濾過層と下側の第二の濾
過層とからなることを要旨とするものである。また本発
明は、前記第一の濾過層の最上部に濾過用布が設けられ
ていることを要旨とするものである。また本発明は、前
記第一の濾過層と下側の第二の濾過層との間に濾過炭層
が内装されていることを要旨とするものである。また本
発明は、前記第一の濾過層と下側の第二の濾過層との間
にセラミック層が内装されていることを要旨とするもの
である。また本発明は、前記濾過水槽の高さ方向途中
に、濾過水槽分割用のフランジが形成されたことを要旨
とするものである。また本発明は、前記濾過水槽に原水
を供給する前に原水の中から大きなごみや汚れを取り除
くための前処理装置が設けられ、この前処理装置は前処
理槽の下端内部に濾過砂を敷き詰めてなる濾過層が設け
られ、この濾過層の上端に濾過砂の粒径よりも小さな網
目のフィルターが設けられ、このフィルターを清掃自在
に構成したことを要旨とするものである。さらに本発明
は、所定の高さおよび径を有した濾過水槽の上部の原水
供給部から原水を供給し、前記濾過水槽に、所定温度で
焼き洗浄水により洗浄を繰り返し行なった後の焼き砂か
らなる濾過層を内装してこの濾過層で原水を濾過し、濾
過水槽の下部に設けられた濾過水取出し部から濾過水と
して取り出すことを要旨とするものである。
【0007】この構成により、所定の高さおよび径を有
した濾過水槽の上部の原水供給部から原水を供給し、濾
過層で原水を濾過し、濾過水槽の下部に設けられた濾過
水取出し部から濾過水として取り出す。そして、濾過層
を構成する濾過砂として所定温度で砂を焼き、この砂を
洗浄水により洗浄を繰り返し行なった後の焼き砂を用い
ることによって、濾過砂自体に規定の30度よりもはる
かに優れた洗浄濁度(10度以下)が得られ、この焼き
砂からなる濾過層で原水を濾過することによって砂の表
面に適当な微生物膜(スライム)を形成し、原水に含ま
れる種々の不純物(雑菌なども含む)を取り除くことが
できる。さらに、原水中に大きなごみや汚れが多く含ん
でいる場合は前処理装置によって前処理を行なっておく
ことにより、緩速濾過装置の濾過層の目詰まりが起こり
にくく、緩速濾過装置の保守点検期間も長くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて説明する。先ず、第1の実施の形態
について図1および図2に基づき説明する。本発明の実
施の形態に係る緩速濾過設備1は、図1の全体図に示す
ように、基台2に並べられた複数個(図では3個)の濾
過装置3と、これら濾過装置3の上部に対して、地下水
である原水4を既設管5から取水するための原水供給管
6と、原水濾過後の水(以下「飲料水」という)7を貯
水するための仮貯水層8と、この仮貯水層8に貯水され
た飲料水7を本水槽9に取り出し管10を介して供給す
るための供給ポンプ11と、前記本水槽9に貯水された
飲料水7を所定の場所に給水管12を介して供給するた
めの加圧ポンプ13とを備えている。
【0009】次に、図2に基づいて、前記濾過装置3の
構成を説明する。この濾過装置3は、所定の高さ例えば
H=2500mmおよび、内径例えばD=800mmを
有した蓋14a付の濾過水槽14が設けられ、その上部
には、前記原水供給管6の先端部が濾過水槽14の略法
線方向に取り付けられる原水供給部15が配置されてい
る。この原水供給部15は、例えば水深1000〜15
00mmに設定され、下部に濾過布16(例えば絹布が
用いられる)が複数枚敷設されている。なお、原水供給
管6には前記原水4の供給量を調節する調節バルブ17
が取り付けられている。
【0010】前記濾過布16の下側に、砂を所定温度
(例えば500℃〜1200℃)で焼いて処理し、その
後洗浄水により洗浄を繰り返し行なった後の焼き砂から
なる焼き砂層18が、第一濾過層19として配置され、
この第一濾過層19は、1000〜1500mmの厚み
(高さ)に形成され、0.3mm篩を通過した粒径0.
15mm〜0.29mmの種類の焼き砂が用いられてい
る。
【0011】さらに、この第一濾過層19の下側には、
備長炭層20および細かく砕いた備前焼きの備前焼き層
21(何れも濾過布に包まれている)が順に配置されて
いる。さらに備前焼き層21の下側には、第二濾過層2
2が配置され、この第二濾過層22は、粒径0.3m
m,0.4mm,0.6mm,0.8mm,1.0mm
の細粒度の焼き砂が、それぞれ30mmの厚みで順に積
層されるとともに、粒径1.5mm〜2.0mmの焼き
砂と、粒径5.8mm〜8.0mmの濾過砂利の焼き砂
利、粒径15.0mm〜25.0mmの濾過砂利の焼き
砂利が、それぞれ100mmの厚みで順に積層されてい
る。そして最下位には、ぐり層23が100mmの厚み
で配置されている。すなわち、第一濾過層19と第二濾
過層22との間に、備長炭層20および備前焼き層21
が挟持された構成となっている。
【0012】なお、本発明の濾過装置3に使用される焼
き砂は、例えば海砂が用いられるが、海砂特有の貝殻を
ほぼ完全に除去したものが用いられる。より具体的に
は、採取した海砂を振動篩で粒径別に選別し、脱塩装置
により洗浄して脱塩し、乾燥装置(例えばロータリーキ
ルンが用いられる)で上記温度で乾燥させるとともに砂
およびそこに含まれる種子(特に川砂を用いる場合)な
どの夾雑物を焼き、砂と分離しておく。そして、風力選
別装置によって砂と貝殻の比重を利用して貝殻を除去
し、また風力を利用して砂を粒径別に選別するといった
方法で生成したものである。このようにすることにより
容易に精密な粒度構成を得たものである。
【0013】ところで、濾過水槽14の下面に、前記仮
貯水層8に飲料水7を供給するための取水管24が接続
され、この取水管24は、途中に調整試験孔25が形成
され、取水管24には水量調整バルブ26が取り付けら
れ、調整試験孔25を開閉する試験バルブ27が取り付
けられている。さらに、濾過水槽14の高さ方向途中
に、濾過水槽14分割用の第一フランジ28および第二
フランジ29が形成され、この第一フランジ28は、前
記原水供給部15と第一濾過層19との分岐部に配置さ
れ、前記第二フランジ29は、前記備前焼き層21と第
二濾過砂層22の分岐部に配置され、原水供給部15の
下部に、清掃時原水の取り出し口30が開閉自在に形成
されている。
【0014】上記構成において、調節バルブ17を開と
して、原水4を既設管5から原水供給管6を介して取水
し、原水4を原水供給部15に法線方向に供給する。そ
うすると、原水4が濾過水槽14内に溜り始めるととも
に下方へ浸透し、第一濾過層19、備長炭層20、備前
焼き層21、第二濾過層22およびぐり層23を通過し
て濾過される。但し、初期段階では、水量調整バルブ2
6を閉としておき、濾過水槽14全体内に原水4が溜ま
るのを待機する。
【0015】なお、原水4は原水供給部15に法線方向
に供給されるので、原水供給部15では渦4aが発生す
るようになって原水4が円周方向に移動しながら降下す
る。これにより濾過精度を向上させることができる。そ
して、原水供給部15に設けた図示しないフロートが上
がりきると、調節バルブ17が自動的に閉となり、原水
4の供給が停止する。この時点で、試験バルブ27を開
とし、濁度を検査する。
【0016】また飲料水7が調整試験孔25から排出さ
れ、フロートが下がり出すと、調節バルブ17が開とな
り、その分だけ原水4が原水供給部15に供給されるこ
とになる。そして、所定の濁度以下になった場合、緩速
濾過が円滑に行われるようになったと判断し、試験バル
ブ27を閉とし、水量調整バルブ26を開とし、取水管
24から飲料水7を仮貯水層8に供給する。仮貯水層8
に飲料水7が溜まると、供給ポンプ11を駆動して飲料
水7を本水槽9に供給し、加圧ポンプ13を駆動して飲
料水7を所定の場所に給水管12を介して供給する。
【0017】そして、原水供給部(特に濾過布16)1
5で比較的大きな夾雑物が除去され、原水4は、焼き砂
によって構成される第一濾過層19、第二濾過層22あ
るいは備長炭層20、備前焼き層21(セラミック層)
を通過することで、これらから発生する遠赤外線によっ
て本来の自然水の味が得られ、仮貯水層8には、所謂お
いしい飲料水7が貯溜されることになる。また、第一濾
過層19は、0.3mm篩を通過した粒径0.15mm
〜0.29mmの細粒度の焼き砂が用いられているの
で、夾雑物の阻止率を向上させ、表面濾過の傾向を強化
することができ、従って、緩速濾過としては最速の8m
/日の濾過速度としても、十分な濾過効果が得られる。
【0018】本実施の形態に使用される第一濾過層19
は、0.3mm篩を通過した粒径0.15mm〜0.2
9mmの細粒度の焼き砂が用いられているので、塩素で
除去できない原虫(クリプトスポリジウム、サイクロス
ポーラー、ジアルジア)なども除去され、水中ではほと
んど溶けないダイオキシンを、主に第一濾過層19の最
上部で捕獲し、水質基準を十分に満たした安全な飲料水
7とすることができる。
【0019】そして、第一濾過層19および第二濾過層
22に用いる砂は、上記のように、採取した砂を振動篩
で粒径別に選別し、脱塩装置により洗浄して、上記温度
で乾燥させるとともにそこに含まれる夾雑物を焼いて取
り除き、さらに洗浄水により洗浄を繰り返し行なったも
のであり、従来の緩速濾過装置および緩速濾過方法のよ
うに、海砂、山砂、川砂をそのまま濾過砂層として用い
た場合に比べて、濾過砂として規定の洗浄濁度を得るの
に時間と手間を大幅に省くことができる。
【0020】ところで、この緩速濾過装置3を長期的に
使用していると、透水性が低下したりすることがあるた
め、定期的に清掃が必要であり、その場合取り出し口3
0から原水を抜き目詰まりした濾過布16を上のものか
ら順に取り出すことで、濾過布16の清掃を容易に行な
え、また、濾過水槽14の清掃は、分割用の第一フラン
ジ28および第二フランジ29が形成されているので、
これら第一フランジ28および第二フランジ29を取り
外し、濾過水槽14を分割することにより容易に行ない
得る。
【0021】また、本発明の第1の実施の形態では、第
一濾過層19として、1000〜1500mmの厚みに
形成され、0.3mm篩を通過した粒径0.15mm〜
0.29mmの微細な種類の焼き砂が用いられているの
で、濾過精度が良好であり、加えて、水量調整バルブ2
6の開度によって、生成する飲料水7の量を容易に調節
(例えば8m/日)することもでき、必要に応じた飲料
水7の量が得られる。
【0022】なお、本発明の緩速濾過装置3に使用され
る焼き砂は、上記のように、採取した砂を振動篩で粒径
別に選別し、海砂であれば脱塩装置により洗浄して脱塩
し、乾燥装置で上記温度で乾燥させるとともに砂および
そこに含まれる種子(特に川砂を用いる場合)などを焼
き、風力選別装置によって砂と貝殻、夾雑物を分離して
風力を利用して砂を粒径別に選別するといった方法で生
成したものであるので、濾過水槽14内に精密な砂の粒
度構成が得られ、濾過効果を向上させることができる。
併せて、焼き砂自体の洗浄濁度は10度以下であり、こ
の焼き砂からなる濾過層で原水を濾過することによって
砂の表面に適当な微生物膜(スライム)を形成し、原水
に含まれる種々の不純物(雑菌なども含む)を取り除く
ことができ、人体に安全な飲み水を得ることができるも
のである。
【0023】このように、本発明の第1の実施の形態に
よれば、緩速濾過装置3およびこれを用いた緩速濾過方
法において、夾雑物を予め分離した焼き砂を用い、第一
濾過層19および第二濾過層22を構成したので、良質
で人体に安全な飲み水が得られ、焼き砂層18、備前焼
き層21などから発生する遠赤外線によって原水4が浄
化され、おいしい飲料水7が得られる。
【0024】なお、上記第1の実施の形態では、第一濾
過層19と第二濾過層22との間に備長炭層20、備前
焼き層21を配置したが、これに限定されるものではな
く、備前焼き層21の代わりに他のセラミックを用いた
濾過層を配置しても良く、この場合も同様の作用効果を
奏し得る。以上、第1の実施の形態において、原水4と
して地下水を用いた場合の緩速濾過について説明した
が、河川水などを取り入れて緩速濾過を行なう第2の実
施の形態について図3に基づいて説明する。
【0025】図3は前記図2に示す濾過装置3に原水を
供給する前に大きなごみや汚れを取り除くための前処理
装置を示している。河川水に有機物や藻類が多く含まれ
ていると濾過層は急激に肥大して目詰まりを引き起こ
し、部分的に嫌気性になる可能性が高い。また、前記濾
過装置3の濾過層が目詰まりすると前記濾過装置3の処
理能力が低下するという問題がある。従って、汚濁の激
しい水には前処理を行なわない限り緩速濾過を採用する
ことができない。
【0026】そこで、第2の実施の形態では前記第1の
実施の形態の濾過装置3では目詰まりを引き起こすと考
えられる程度の汚染された水を図3に示す前処理装置で
予め前処理して前記濾過装置3に供給しようとするもの
である。図3に示す前処理装置は緩速濾過装置である前
記濾過装置3に比べて濾過速度が例えば120〜180
m/日と大幅に速くなるように設計されており、所定高
さならびに所定内径の前処理槽31の下端内部に複数層
の濾過層、具体的には上側から第1〜第4の4層の濾過
層32〜35が設けられている。最上段の第1の濾過層
32は粒径0.4mm〜0.59mmの濾過砂で構成さ
れ、その下側の第2の濾過層33は粒径0.6mm〜
0.79mmの濾過砂で構成され、その下側の第3の濾
過層34は粒径1.0mm〜1.39mmの濾過砂で構
成され、最下段の第4の濾過層35は粒径15mm〜2
0mmの濾過砂利で構成され、それぞれが例えば100
mmの厚みで順に積層されている。従って、最上段の第
1の濾過層32から第3の濾過層34に向かって濾過砂
の粒径が徐々に大きくなるように第1〜第4の濾過層3
2〜35が積層され、濾過砂の粒径が最も小さな最上段
の第1の濾過層32の上側にはこの最上段の第1の濾過
層32の濾過砂の粒径(0.4mm〜0.59mm)よ
りも小さな網目(具体的には0.3mmの網目)のフィ
ルター36が設けられている。このフィルター36はス
テンレスなどの金属製でも合成樹脂製であっても良い。
そして、前記前処理槽31の上端近傍には前処理槽31
内に原水を取り入れるための原水供給管37が接続さ
れ、前処理槽31の下端には前処理された水を取り出す
取り出し管38が接続されている。さらに、前処理槽3
1の上端近傍には上下2段階に水位検知手段39,40
が設けられ、下側の水位検知手段40が動作していると
きはフィルター36の目詰まりなどがなく濾過がスムー
ズに行なわれていることを判断し、上側の水位検知手段
39が動作したときはフィルター36の目詰まりなどに
よって濾過速度が低下したことを判断する。なお図中、
41は前記フィルター36の配設高さ位置よりも上側位
置において前処理槽31に設けられた開閉自在な排水
口、42は前記取り出し管38の上端部に設けられた1
0mmの網目のステンレス製の金網で、最下段の第4の
濾過層35の濾過砂利が取り出し管38から流出しない
ように設けられている。
【0027】上記構成において、原水供給管37より前
処理槽31内に取り入れられた原水は前記フィルター3
6を通った後、第1〜第4の濾過層32〜35を順番に
通過して取り出し管38より取り出され、前記濾過装置
3に送られる。前処理槽31内においてフィルター36
では藻類などの比較的大きなごみを捕集する。藻類など
の比較的大きなごみが除去された後の水は前記第1〜第
4の濾過層32〜35を順番に通過して、前記濾過装置
3で目詰まりを起こしそうな有機物などの汚れを微生物
処理と併せて取り除く。この前処理装置において重要な
点は、最上段の第1の濾過層32の上側にはこの最上段
の第1の濾過層32の濾過砂の粒径(0.4mm〜0.
59mm)よりも小さな網目(具体的には0.3mmの
網目)のフィルター36が設けられている点である。こ
のフィルター36が藻類などの比較的大きなごみを多く
捕集して濾過速度が低下したことを前記上側の水位検知
手段39が検知したときは、前記排水口41を開いて前
処理槽31内のフィルター36上部の水を抜き、フィル
ター36に付着する藻類などの比較的大きなごみをポン
プに繋がれた吸込み具を用いて前処理槽31内で取り除
き、フィルター36を清掃する。或いは、前処理槽31
内の水を抜かずに、フィルター36が藻類などの比較的
大きなごみを多く捕集して濾過速度が低下したときに前
処理槽31内で自動的に吸込み具が動作してフィルター
36に付着する藻類などの比較的大きなごみを取り除く
ようにしても良い。この図3に示される前処理装置に使
用される第1〜第3の濾過層32〜34の濾過砂および
第4の濾過層35の濾過砂利は前記第1の実施の形態の
濾過装置3に使用される濾過砂と同様に焼いて処理され
たものであっても良い。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明
は、濾過層を構成する濾過砂として所定温度で砂を焼
き、この砂を洗浄水により洗浄を繰り返し行なった後の
焼き砂を用いることによって、濾過層に使用される砂に
付着する有機性不純物や雑菌、その他の夾雑物を効率的
に取り除いておくことができ、濾過砂自体に規定の30
度よりもはるかに優れた洗浄濁度(10度以下)が得ら
れ、この焼き砂からなる濾過層で原水を濾過することに
よって砂の表面に適当な微生物膜(スライム)を形成
し、自然の浄化力と微生物による分解作用で水中の濁り
や雑菌だけでなく、有害成分からカビ臭の成分まで取り
除き、人体に対し安全な飲み水を得ることができる。さ
らに、原水中に大きなごみや汚れが多く含んでいる場合
は前処理装置によって前処理を行なっておくことによ
り、緩速濾過装置の濾過層の目詰まりが起こりにくく、
緩速濾過装置の保守点検期間も長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す緩速濾過設備
の全体概略構成図である。
【図2】同緩速濾過装置の内部構造を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態における前処理装置
の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 緩速濾過設備 3 濾過装置 4 原水 6 原水供給管 7 飲料水 8 仮貯水層 9 本水槽 10 取り出し管 14 濾過水槽 15 原水供給部 16 濾過布 17 調節バルブ 18 焼き砂層 19 第一濾過層 20 備長炭層 21 備前焼き層 22 第二濾過層 24 取水管 26 水量調整バルブ 28 第一フランジ 29 第二フランジ 31 前処理槽 32 第1の濾過層 33 第2の濾過層 34 第3の濾過層 35 第4の濾過層 36 フィルター 37 原水供給管 38 取り出し管 39 水位検知手段 40 水位検知手段 41 排水口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の高さおよび径を有した濾過水槽の
    上部に原水供給部が設けられ、下部に濾過水取出し部が
    設けられ、前記濾過水槽に、所定温度で焼き洗浄水によ
    り洗浄を繰り返し行なった後の焼き砂からなる濾過層が
    内装されていることを特徴とする緩速濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記濾過層は上側の第一の濾過層と下側
    の第二の濾過層とからなることを特徴とする請求項1記
    載の緩速濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の濾過層の最上部に濾過用布が
    設けられていることを特徴とする請求項2記載の緩速濾
    過装置。
  4. 【請求項4】 前記第一の濾過層と下側の第二の濾過層
    との間に濾過炭層が内装されていることを特徴とする請
    求項2または3記載の緩速濾過装置。
  5. 【請求項5】 前記第一の濾過層と下側の第二の濾過層
    との間にセラミック層が内装されていることを特徴とす
    る請求項2または3または4記載の緩速濾過装置。
  6. 【請求項6】 前記濾過水槽の高さ方向途中に、濾過水
    槽分割用のフランジが形成されたことを特徴とする請求
    項1または2または3または4または5記載の緩速濾過
    装置。
  7. 【請求項7】 前記濾過水槽に原水を供給する前に原水
    の中から大きなごみや汚れを取り除くための前処理装置
    が設けられ、この前処理装置は前処理槽の下端内部に濾
    過砂を敷き詰めてなる濾過層が設けられ、この濾過層の
    上端に濾過砂の粒径よりも小さな網目のフィルターが設
    けられ、このフィルターを清掃自在に構成したことを特
    徴とする請求項1記載の緩速濾過装置。
  8. 【請求項8】 所定の高さおよび径を有した濾過水槽の
    上部の原水供給部から原水を供給し、前記濾過水槽に、
    所定温度で焼き洗浄水により洗浄を繰り返し行なった後
    の焼き砂からなる濾過層を内装してこの濾過層で原水を
    濾過し、濾過水槽の下部に設けられた濾過水取出し部か
    ら濾過水として取り出すことを特徴とする緩速濾過方
    法。
  9. 【請求項9】 前記濾過水槽に原水を供給する前に原水
    の中から大きなごみや汚れを取り除いて前処理を行な
    い、前記濾過水槽に原水を供給することを特徴とする請
    求項8記載の緩速濾過方法。
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