JP2001020109A

JP2001020109A - 耐刃用防護ベスト

Info

Publication number: JP2001020109A
Application number: JP11196327A
Authority: JP
Inventors: Manabu Inoue; 学井上
Original assignee: Itochu Corp
Current assignee: Itochu Corp
Priority date: 1999-07-09
Filing date: 1999-07-09
Publication date: 2001-01-23

Abstract

(57)【要約】【課題】耐刃用防護ベストの改良に関する。【解決手段】本発明の耐刃用防護ベストは少なくとも
左右前身頃を有する耐刃用防護ベストにおいて、左右前
身頃の前立て縁部に沿った耐刃板挿入口を有する耐刃板
収納用のポケットを含むことを特徴とする。耐刃板挿入
口は左右前身頃の表裏いずれ一面上または両面に形成さ
れてよい。耐刃板挿入口にはスライドファスナ等の封止
部材を設置して、左右前身頃の前立て部分からの耐刃板
の脱着および封止を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は耐刃防護ベスト、特
に耐刃板の出入れを容易にする耐刃防護ベストを提供す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の防刃、防弾用のベスト、チョッキ
を含む防護服は防護板を防護服に一体的に結合するかま
たは防護板を服の袋内に閉鎖収納するものが一般的であ
る。防護心を収納可能にした例として、複数枚の金属板
片を一体構成した防護心を防護服の裏面下部から収納可
能に構成したものがある（実開昭６３−８５６１１）。

【０００３】後者の場合、防護心の取り出しは可能であ
るが、防護服着用後の挿入は困難である。また、胸部か
ら腹部を被覆する一体物としての防護心は取扱い、保管
等の面で不便である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、耐
刃板の防護服への着脱が迅速かつ容易であり、かつ耐刃
板の取扱、保管が便利な耐刃防護ベストを提供すること
を課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明による耐刃防護ベストは、少なくとも左右前身
頃を有する耐刃用防護ベストにおいて、左右前身頃の前
立て縁部に沿った耐刃板挿入口を有するポケットを含む
ことを特徴とする。前記耐刃板挿入口は耐刃用防護ベス
トの内面上または外面上のいずれかの面、または両面上
に形成されてもよい。当然ながら、防護ベスト着用後の
耐刃板の装填、取外しはその挿入口が防護ベストの外面
上、即ち、表面上に形成された方が容易であり、また両
面上に形成されていれば防護ベストの裏表を気にするこ
となく防護ベストを着用できる。

【０００６】前記耐刃板挿入口は左右前立て縁部の内側
に各前立て縁部に実質的平行に設けられた封止部材によ
り開閉自在に構成されてよい。この場合、封止部材は各
挿入口に対して共働する一対が設置される。封止部材に
は面ファスナー、スライドファスナ等が含まれる。かか
る構成により、一枚型の耐刃板の脱着のみならず、左右
前身頃用に２分割した耐刃板を防護ベストへ左右別々に
装填できる。また、耐刃板収納用のポケットは、防護ベ
ストの本来的目的から、耐刃板が挿入口の左右に広がり
少なくとも身体胸部、選択的に腹部までを被覆するよう
に構成されるので、耐刃板は左右前立て縁部で実質的に
当接する。他の形態として、左右前身頃の左右前立て部
を拡大して相互に重合するように構成し、それによりポ
ケットを拡大前立て縁部まで拡大して、左右前身頃用に
分離した耐刃板が前立て部分で重合するように構成する
こともできる。

【０００７】好適形態において、耐刃板をポケット内に
安定設置するための耐刃板固定部が防護ベストの裾縁部
に形成される。防護ベストの後身頃は、前身頃に対応す
る形態として、前身頃の肩縁部から連続設計されてもま
たは別途に設計して縫着されてもよいが、面ファスナ等
の係止部材により取外し自在に構成する方が便利であ
る。更に、左右脇縁部は自由側部として係止部材により
取外し自在とすれば、着用者の体形に合わせた調整が可
能になる。他の形態として、前記後身頃は両肩縁部から
延びた延長バンドもしくは帯紐部材を例えば背中で交差
させて各脇縁部で前記前身頃に実質的に連結する構成で
あってよい。

【０００８】前記前身頃に対応する形態の後身頃は、好
適形態として、脇縁部で前記前身頃の脇縁部と実質的同
一長を有しかつ背丈中心部へ向かって凹曲構成された裾
縁部を有する。必要により、前記後身頃は少なくとも１
つの耐刃板挿入口を有するポケットを含む構成であって
よい。

【０００９】本耐刃用防護ベストの実質的身頃は、従来
例と同様に、メッシュ布帛により形成されることが望ま
しい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適実施形態を
添付図面を参照して説明する。図１（Ａ）は本発明によ
る耐刃用防護ベストの右前身頃の表面側１１を示し、図
１（Ｂ）は右前身頃の裏面側１２を示す。左前身頃の表
裏面は図１（Ａ）および（Ｂ）と同様に構成され（図示
せず）、左右前身頃は前立て縁部に設置されたスライド
ファスナを介して開閉自在に構成される。

【００１１】図示形態において、右前身頃は前立て縁部
３に沿ってスライドファスナ等の開閉機構３１を有し、
対応する開閉機構を取り付けた左前身頃の前立て縁部に
結合される。このように前開きに構成された左右前身頃
は好適形態として同様形態の後身頃２（図２（Ａ）およ
び（Ｂ））へ肩縁部４に設置された面ファスナ等の係止
部材４１および脇縁部６に設置された面ファスナ等の係
止部材６１，６３により取外し自在に結合される。

【００１２】前立て縁部３の開閉機構３１にはスライド
ファスナ等の各先端部が容易にほつれないように本縫い
返しまたは機械カンヌキ３２が施されている。また、肩
縁部４の係止部材４１は激しい運動により偶発的に分離
しないように、例えば面テープを使用する場合、面テー
プの幅は肩幅一杯に取り付けられる。図示例では、後身
頃の肩縁部４の裏面上に設置した面テープ４２が前身頃
の肩縁部４の表面上に設置した面テープ４１に結合する
ようにした。面テープ４１，４２は逆の関係で結合する
ように取付けられてよい。

【００１３】更に、脇縁部６には上下方向に２本の面テ
ープを取り付けて身体へ安定装着できる２段構成とし
た。図２の実施例では、後身頃２の左右脇縁部６に脇縁
部から外方へ突出する上段の面テープ６２を脇線に対し
て実質的に直角に取付け、かつ下段の面テープ６４を上
段の面テープ６２に対して下向き傾斜するように取付け
た。これらの後身頃の面テープ６２および６４が、それ
ぞれ前身頃の脇縁部６の身頃表面上に後身頃の面テープ
６２および６４に対応する位置および配向で取付けた上
段面テープ６１および下段面テープ６３上に重合関係で
係止するように構成した。この場合、下段面テープ６３
および６４は、身体腹部のでっぱりを考慮して上段面テ
ープ６２および６１よりも長く作製した。面テープ６１
〜６４は全体が面ファスナで形成されても、所定の長さ
調整部分のみに面ファスナを設置しても、またバックル
を取付けたバンド形態、相互に結び合せる帯紐形態であ
ってもよい。

【００１４】肩係止部材４１，４２および脇係止部材６
１〜６４の寸法および強度は、防護ベストの寸法、使用
材料の強度、長さ調整機能等との関係で選択できる。防
護ベストの材料には種々繊維材料を使用できるが、実施
例では通気性および軽量性を有する強力ナイロンメッシ
ュ地を選択し、防護ベストの前立て縁部、襟ぐり、肩縁
部、アームホール、脇縁部、裾縁部は本縫いバインダで
始末した。

【００１５】本発明において、耐刃板（図示されていな
い）を挿入するためのポケット９は左右前身頃にそれぞ
れ形成され、左右に分離した耐刃板を左右各ポケット９
の挿入口９１から随時出し入れできる構成とした。ポケ
ット９の範囲は耐刃板の寸法に対応し、最小限身体心臓
部から腹部を被覆する領域とする必要がある。図３およ
び４の実施例において、防護ベストの裾縁部７および脇
縁部６から心臓部に向かって略直角三角形の領域を占め
るポケット９を左右前身頃に対称的に形成した。ポケッ
ト９は、所望形状に裁断した布帛を従来方法により前身
頃の裏面上または表面上に縫合して袋状に形成されてよ
い。図示実施例では、左右各前身頃を同一形状にて４枚
裁断して二重仕立てにし、ポケット９の形状、即ち、耐
刃板の形状に合わせて点線９で示したごとく本縫いステ
ッチを入れて耐刃板収容部に形成した。

【００１６】他のポケット形状例として、図１（Ａ）お
よび（Ｂ）は実質的に前身頃全体にわたるポケットを示
す。図１（Ａ）および（Ｂ）においてポケット９は肩縁
部４の面テープ部および両脇縁部６に沿った小領域を除
いた前身頃全領域に耐刃板が収納できるように形成され
ている。耐刃板を挿入するためのポケット９の挿入口９
１は、前立て縁部３の内側で前立て縁部に平行に左右各
前身頃に形成される。挿入口９１は各前身頃の裏面上も
しくは表面上にまたは両面に形成されてよい。図１
（Ｂ）において、挿入口９１は、前身頃裏面１２上にポ
ケット９の開口部を形成し、開口縁部を補強布により縁
取りし、かつ各先端部は機械カンヌキまたは本縫い返し
５により強化することにより形成されている。

【００１７】図１（Ｂ）の補強布による挿入口９１は図
３のごとく面ファスナの小片９２で封止可能に構成して
よい（図３参照）。図１および３の縁取り構成の挿入口
９１は、他の形態として、前身頃１の表面１１上にスラ
イドファスナまたは面ファスナ等の係止部材を設置する
ことにより封止自在に構成してよい。図４（Ａ）、
（Ｂ）および（Ｃ）は他の構成の挿入口９１を示す。こ
の構成において、挿入口９１は前身頃の表裏両面上に形
成されている。右前身頃の表面１１上に形成された挿入
口９１にはスライドファスナ９３が設置され、このスラ
イドファスナ９３は左前身頃（図４Ｂ，Ｃ）の前立て縁
部３に設置された対応する対のスライドファスナ９３′
と共働して右前身頃への耐刃板の着脱、封止を可能に
し、かつ左前身頃の裏面１２上に図３と同様構成の、開
口部に縁取り補強布と面ファスナ片を付設した挿入口９
１を形成することにより左前身頃への分離耐刃板の着
脱、封止を可能にしている。この防護ベストは前身頃の
前立て部を拡大して左右前立て部が重合するように構成
されている。左右前身頃の開閉は右前身頃（図４Ａ）の
前立て縁部に設置されたスライドファスナで構成された
開閉機構３１と左前身頃裏面１２上で、前立て縁部３と
挿入口９１との間に設置した対のスライドファスナ３１
（図４Ｃ）により行われる。

【００１８】挿入後の耐刃板を固定するために、ポケッ
ト９の下縁部に耐刃板固定部を設けることが好ましい。
耐刃板固定部は前身頃の裾縁部７に沿って耐刃板を挟持
できる凹部として形成される。図６の実施形態におい
て、耐刃板固定部９４は、裾縁部７に平行して前身頃構
成地の裏面１２とポケット９構成地の内面との間に板止
めテープ９５，９５を接合して、板止めテープ９５，９
５間に耐刃板を挿入、挟持できるように構成された。板
止めテープには接着テープを使用してポケット９形成地
の対面にタタキ付けた。

【００１９】図示されていないが、必要により、後身頃
を２重に仕立てて、その表面もしくは裏面、または両面
上に開口部を形成し、前身頃と同様に耐刃板挿入口およ
び収納ポケットを設けることができる。この場合、挿入
口は後身頃２１，２２の脇縁部６の左右いずれか一方も
しくは両方、または後身頃の裾縁部に沿って内側に形成
されても、または表裏面間で構成されてもよい。

【００２０】前記前身頃に対応する好適形態の後身頃
は、図２（Ａ）（Ｂ）に図示されたように、脇縁部で前
記前身頃の脇縁部と実質的同一長を有しかつ背丈中心部
へ向かって凹曲構成された裾縁部を有する。

【００２１】

【発明の効果】上記構成の本発明による構成の耐刃用防
護ベストにより、一枚型もしくは左右分離型の耐刃板を
左右前身頃の前立て部分から封止自在に分離挿入するこ
とができるので、ベスト着用時の耐刃板の防護ベストへ
の装着、脱着を迅速かつ容易にし、それにより防護ベス
ト装備を簡便にし、耐刃板の運搬、管理を容易にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明による耐刃用防護ベストの右前
身頃の表面を示し、（Ｂ）は右前身頃の裏面を示す。

【図２】（Ａ）は本発明による耐刃用防護ベストの後身
頃の表面を示し、（Ｂ）は（Ａ）の耐刃用防護ベストの
後身頃の裏面を示す。

【図３】本発明による耐刃用防護ベストの右前身頃裏面
を示す。

【図４】（Ａ）は本発明による耐刃用防護ベストの右前
身頃表面側、（Ｂ）はその左前身頃表面側、および
（Ｃ）はその左前身頃裏面側を示す。

【図５】本発明による耐刃用防護ベストの耐刃板固定部
の詳細図である。

【符号の説明】

１…前身頃１１…前身頃表面１２…前身頃裏面２…後身頃２１…後身頃表面２２…後身頃裏面３…前立て縁部３１…開閉機構４…肩縁部４１，４２…肩封止部材６…脇縁部６１〜６４…脇封止部材７…裾縁部９…ポケット９１…挿入口９２…面テープ小片９３…封止部材９４…耐刃板固定部９５…板止めテープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも左右前身頃を有する耐刃用防
護ベストにおいて、左右前身頃の前立て縁部に沿った耐
刃板挿入口を有するポケットを含むことを特徴とする耐
刃用防護ベスト。
【請求項２】前記耐刃板挿入口は耐刃用防護ベストの
表面上に形成されている請求項１の耐刃用防護ベスト。
【請求項３】前記耐刃板挿入口は耐刃用防護ベストの
裏面上に形成されている請求項１の耐刃用防護ベスト。
【請求項４】前記耐刃板挿入口は耐刃用防護ベストの
表裏両面上に形成されている請求項１の耐刃用防護ベス
ト。
【請求項５】前記耐刃板挿入口は左右前立て縁部の内
側に各前立て縁部に実質的平行に設けられた封止部材に
より開閉自在に構成されている請求項１〜４のいずれか
１の耐刃用防護ベスト。
【請求項６】前記ポケットは少なくとも身体胸部を覆
う範囲で形成されている請求項１〜５のいずれか１の耐
刃用防護ベスト。
【請求項７】前記ポケットは身体前上半身を実質的に
覆う範囲で形成されている請求項１〜６のいずれか１の
耐刃用防護ベスト。
【請求項８】本耐刃用防護ベストは前身頃に対応する
形態の取外し自在の後身頃を有する、請求項１〜７のい
ずれか１の耐刃用防護ベスト。
【請求項９】本耐刃用防護ベストは実質的左右脇縁部
が自由縁部として構成された前身頃に対応する形態の後
身頃を有する、請求項１〜８のいずれか１の耐刃用防護
ベスト。
【請求項１０】前記後身頃は係止部材により肩縁部お
よび脇縁部で前記前身頃に連結できる構成である請求項
１〜８のいずれか１の耐刃用防護ベスト。
【請求項１１】前記後身頃の脇縁部は前記前身頃の脇
縁部と実質的同一長を有しかつ背丈中心部へ向かって凹
曲構成された裾縁部を有する請求項８〜１０のいずれか
１の耐刃用防護ベスト。
【請求項１２】前記前身頃の左右肩縁部は延長バンド
を含みかつ前記延長バンドは前記前身頃の左右脇縁部に
取外し自在に係止する構成である請求項１〜７のいずれ
か１の耐刃用防護ベスト。
【請求項１３】前記後身頃は少なくとも１つの耐刃板
挿入口を有するポケットを含む請求項１〜１１のいずれ
か１の耐刃用防護ベスト。
【請求項１４】本耐刃用防護ベストの実質的身頃はメ
ッシュ布帛により形成されている請求項１〜１３のいず
れか１の耐刃用防護ベスト。
【請求項１５】裾縁部に形成された耐刃板固定部を更
に含む請求項１〜１１４のいずれか１の耐刃用防護ベス
ト。