JP2001019412A - フラーレン類の製造装置 - Google Patents

フラーレン類の製造装置

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JP2001019412A
JP2001019412A JP11196674A JP19667499A JP2001019412A JP 2001019412 A JP2001019412 A JP 2001019412A JP 11196674 A JP11196674 A JP 11196674A JP 19667499 A JP19667499 A JP 19667499A JP 2001019412 A JP2001019412 A JP 2001019412A
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fullerenes
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cooling
cooling zone
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フラーレン製造に係る収率の向上とコストの削
減を図る。 【解決手段】フラーレン類を生成する生成部1を備え、
この生成部1を、内部にガスを導入し得るように構成さ
れたチャンバ11と、このチャンバ11内においてアー
ク放電を生起すべく放電隙間dを介して対向配置された
一対の電極12、13と、一方の電極12内に設けられ
一端を放電隙間dに臨む位置に開口させるとともに内部
に流通ガスを膨脹させるノズル部12dを有した排気系
路18とを備えたものとし、ガスg1を放電隙間dに供
給してアークガスとして機能させ、その放電隙間dにお
いて炭素を蒸発させた後、その炭素蒸気g2を一方の電
極12内に設けた排気系路18に取り込んでノズル部1
2dで膨脹させることにより自冷させ、フラーレンガス
g3として排気するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラーレン、内包
フラーレン(以下、フラーレン類と称する)の製造に適
したフラーレン類の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フラーレン類は、C60、C70等の高炭素
数の炭素同素体である。C60は切頭20面体のサッカー
ボール状の格子構造を有するものであり、それよりも高
次のフラーレン類は球状ではないが、中空構造を有して
いる。このようなフラーレン類は、炭素を蒸発させ、し
かる後冷却することによって人工的に製造することがで
きることが明らかにされており、その大量生成、精製の
研究も盛んに行われている。
【0003】そのうちの具体的な生成装置の一つとし
て、反応室内に陰極とリング状の陽極とを配置し、これ
ら両電極の間にアークによるプラズマを形成し得るよう
に構成した上で、電極間にアークガスを導入し、外部よ
りキャリアガスと共にそのプラズマ中に炭素粉を供給す
ることにより、その炭素粉を蒸発させ、プラズマジェッ
トと共にその炭素蒸気を回収室に導出し、その導出時に
クエンチングガスを接触させてフラーレン類の生成のた
めに炭素蒸気を冷却するようにしたものが考えられてい
る。この回収室には、ジェットの対向位置に冷却された
回収板が配置してあり、この回収板に吹きつけた炭素蒸
気が冷却され、このときフラーレン類を含んだすすを回
収板に付着させて回収するようにしている。
【0004】また、具体的な精製装置の一つとしては、
フラーレンガスが上流側から下流側に向かって順次に配
置した複数段のゾーンを通過するように構成し、各ゾー
ンに冷却部を設け、且つ逐次各ゾーンに入る前に炭素蒸
気をヒータにより加熱するように構成して、初段のゾー
ンにフラーレン原料を加熱、蒸発させて導入することに
よりその冷却部で所定成分を捕獲し、残りを次段のゾー
ンに前記よりは低温に加熱、蒸発させて導入することに
よりその冷却部で前記とは異なる所定成分を捕獲すると
いう具合に、各段のゾーンにそれぞれ固有の成分を分離
精製して取り出すことができるようにしている。
【0005】更に、上記のフラーレン生成、精製装置に
見るように、従来のフラーレン製造装置は、生成装置で
生成したすす状のフラーレン原料を、別途に設けた精製
装置に移して同素体ごとの分離を行っているものであ
る。生成、精製を一つの製造装置としてまとめたものも
考えられているが、このものも単に生成工程の終段と精
製工程の初段との間を接続したに過ぎないものであり、
機能的に完全に分離独立している点において変わりはな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上述した
従来のものには、次のような解決すべき課題がある。先
ず、従来の生成装置では、ジェットの中心部はピンチ効
果により極高温であるが、周辺部はさほど高温には昇温
しない。そして、炭素粉の一部は中心部に運ばれ、他は
そのジェットの周辺を通過するだけであるから、加熱に
ムラを生じる。そして、プラズマジェットの周辺部を通
過する炭素粉はフラーレンの生成に寄与し得なず、一方
で、中心部を通過する炭素蒸気は極端に昇温するため、
その後のクエンチングガスの接触による冷却では冷却が
不十分となり、何れにしてもフラーレン類の収率の向上
を図ることが難しいという問題がある。更に、ガスとし
てアークガス、キャリアガス及びクエンチングガスを別
途に外部から供給しなければならないため、ガス消費量
の増大、装置の大形複雑化、コストアップが避け難いも
のとなる。
【0007】また、従来の精製装置では、冷却により一
旦生成したすす状のフラーレン原料を、再び各ゾーンご
とに加熱、蒸発した上で冷却部において冷却、析出させ
ている。このため、初段においてフラーレン原料の昇華
温度、例えば500〜600°C程度にまでフラーレン
原料を加熱する加熱機構が必要となり、次段以降もこれ
に準じた加熱機構が必要となって、装置が大掛かりなも
のになるという欠点がある。
【0008】さらに、従来のように生成装置と精製装置
とを独立に設けてバッチ的な処理をしていたのでは非常
に無駄であり、これらを一つのフラーレン製造装置とし
た場合にも、それら生成機能と精製機能とが全く分離独
立しているため、空間的、時間的、パワー的、効率的に
装置全体の大巾な改善は見込めないものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、次のような構成を採用したものであ
る。先ず、フラーレン類を効率良く生成するためには、
生成部が、内部にガスを導入し得るように構成された真
空容器と、この真空容器内においてアーク放電を生起す
べく放電隙間を介して対向配置された一対の電極と、一
方の電極内に設けられ一端を前記放電隙間に臨む位置に
開口させるとともに内部に流通ガスを膨脹させるノズル
部を有した排気系路とを備えたものであり、ガスを前記
放電隙間に供給してアークガスとして機能させ、その放
電隙間において炭素を蒸発させた後、その炭素蒸気を一
方の電極内に設けた排気系路に取り込んでノズル部で膨
脹させることにより自冷させ、フラーレンガスとして排
気するようにしていることが好ましい。
【0010】このような生成部を備えたものであれば、
アーク放電によって生じた炭素蒸気は、開放された放電
隙間において周囲から中央の排気系路に向かって流れる
際に圧縮されるので、蒸気の密度が上昇する。また、放
電隙間に常時ガスが流れ、放電面が清浄に保たれるた
め、放電の安定化も期待できる。そして、そのガスを排
気系路内のノズル部で断熱膨脹により急冷する過程で、
蒸気が過飽和になると共に拡散され、ガス中においてフ
ラーレン類の生成を効果的に促進することができる。特
に、本発明は単に炭素蒸気を口径の小さい排気系路に収
束させるものであり、ジェットのピンチ効果等を利用し
たものではないため、炭素蒸気が過度に昇温することが
なく、その後のノズル部におけるフラーレン類の生成を
促すだけでなく、下流における冷却を効果的に行ってフ
ラーレン類の収率の向上を図ることができる。更に、ガ
スはキャリアガス、アークガス及びクエンチングガスと
して機能するので、これらのガスを別途外部から導入す
る場合に比べて装置の簡素化、ガス消費量の低減による
コストダウンを図ることができる。
【0011】次に、生成したフラーレン類を効率良く精
製するためには、精製部が、上流側から下流側に向かっ
て順次低くなる温度勾配をつけた複数段の冷却ゾーンを
備えるとともに、各冷却ゾーンにそれぞれ捕捉板を配置
し、且つ各冷却ゾーン間にノズル部を設けたものであ
り、フラーレンガスが上流側から下流側に向かって各冷
却ゾーンを通過する間に、フラーレンガスを順次冷却
し、各々の冷却ゾーンの捕捉板に対応する昇華温度を有
するフラーレン類の成分を分離して精製するように構成
していることが好ましい。
【0012】このような構成からなる精製部にフラーレ
ンガスを導入すると、フラーレンガスは各冷却ゾーン間
のノズル部を通過するときに断熱膨脹により冷却される
と共に、加速されて次段の冷却ゾーンの捕捉板に衝突す
る。このとき、捕捉板の温度がフラーレン類の成分の昇
華点よりも低いとその成分は昇華して捕捉板に付着する
が、捕捉板の温度がフラーレン類の成分の昇華点以上で
あると、その成分はガス状又は再蒸発して通り抜け、下
流に位置している当該昇華点よりも低い温度の捕捉板で
昇華し、再蒸発することなく捕捉板に付着して捕捉され
る。したがって、本発明によれば、各捕捉板ごとに固有
の成分のみを分離して取り出すことができる。しかも、
各冷却ゾーンの温度勾配に沿ってその間に形成したノズ
ル部によりガスを冷却することができるので、簡素な構
成で、各冷却ゾーンにおいて期待される成分の析出を効
果的に行わせることができる。
【0013】更に、装置全体の効率を有効に高めるため
には、フラーレン類を生成する生成部と、フラーレン類
を昇華温度の異なる成分ごとに分離して精製する精製部
とを具備してなるフラーレン類の製造装置において、生
成部において生成されたフラーレンガスを相状態を変化
させることなく精製部に導くように構成していることが
好ましい。
【0014】このような構成のものであれば、生成部に
おいて生成されたフラーレンガスがそのままの形で引き
続き精製部に送られ、冷却による精製に供されるので、
途中に無駄な冷却、加熱過程を介在させる必要がなく、
空間的、時間的、パワー的、効率的に装置全体の大巾な
改善を見込むことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図3を参
照して説明する。この実施例に係るフラーレンの製造装
置は、図1に示すように、フラーレン類を生成する生成
部1と、フラーレン類を昇華温度の異なる成分ごとに分
離して精製する精製部2とを具備してなるものである。
【0016】具体的に説明すると、生成部1は、図1及
び図2に示すように、真空容器たるチャンバ11内に一
対の電極12、13を配置し、一方の電極12に排気系
路18が構成されている。チャンバ11は、密閉性のも
ので、中央部に設定したアーク放電領域Sを包囲する位
置に断熱材14を配置しており、そのアーク放電領域S
にガスを導入するために一部にガス導入系15を接続し
ている。陰極側の電極12は、先端12a側がグラファ
イト素材、基端12b側が銅電極素材からなるもので、
前記チャンバを1貫通して先端12aを前記アーク放電
領域Sに位置づけている。この電極12は、軸心位置に
前記排気系路18の構成要素として、先端12aに開口
する縦孔12cを形成し、その縦孔12cの先端と基端
の径が異ならせてあり、その途中に基端側に向けて末広
に拡径するノズル部12dを形成したもので、そのノズ
ル部12dよりも基端側の縦孔12c内にチャンバ11
外から排気管16が接続してある。一方、陽極側の電極
13は、同じく先端13a側がグラファイト素材、基端
13b側が銅電極素材からなるもので、前記チャンバ1
1を貫通して先端13aを前記アーク放電領域Sにおけ
る前記陰極側の電極の先端12aと所定放電隙間dを介
して対向する位置に位置づけており、放電を安定させる
ために先端13aに前記縦孔12aの先端側の径と略同
径の縦孔13cが穿孔されている。チャンバ11は、電
極12、13の何れに対しても、その貫通部を冷却機構
11xによって水冷できる構造になっているが、特に陽
極側の電極13はその貫通部を摺動しながら図中矢印X
で示すように軸心方向に進退可能とされていて、アーク
放電により先端13aが消費されても、全体を逐次チャ
ンバ11内に挿入することによって陰極側の電極12の
先端12aとの間のアーク放電隙間dを一定に保ことが
できるようにされている。そしてこの実施例では、上記
両電極12、13に直流電源17を接続して、アーク放
電隙間Sの温度が炭素が蒸発する温度、例えば4000
°C〜6000°C程度となるように通電するようにし
ている。直流アークの場合、電圧は20〜30Vとし、
電流は電極直径が10mmの場合で100A以上を流
す。
【0017】つまり、この生成部1は、前記ガス導入系
15よりHe等のガスg1をチャンバ内に導入し、この
ガスg1を前記放電隙間dに供給してアークガスとして
機能させ、その放電隙間dにおいて図2に示すように陽
極側の電極13を構成しているグラファイトを先端13
a側から蒸発させた後、その炭素蒸気g2をガスの流れ
により一方の電極12の中央に開口させた排気系路18
の縦孔12c内に取り込む。そして、ノズル部12dで
断熱膨脹させることによって自冷させ、フラーレンガス
g3(フラーレンを含むガス)として排気するようにし
ているものである。ガスg1はヘリウム以外にアルゴン
等も使用可能である。
【0018】一方、精製部2は、前記生成部1に接続し
た排気管16の下流側に配置されているもので、図3に
示すように、円筒状のケース21と、このケース21の
軸心位置に挿入した水冷パイプ22と、この水冷パイプ
22に取り付けて前記ケース21内に収容され該ケース
21の長手方向の間欠位置を閉塞する複数枚の円盤状を
なす捕捉板23と、ケース21内の空間の一端側と他端
側とが千鳥状に連続するように各捕捉板23の一部を切
り欠くか又は図のように折曲部23aを形成して対向す
るケース21の内面との間に形成されたノズル部24と
を具備してなるもので、隣接する一対の捕捉板23間の
間隙をそれぞれ冷却ゾーンZとなしている。そして、フ
ラーレンガスg3が上流側から下流側に向かって各冷却
ゾーンZを通過する間に、各々の冷却ゾーンZの捕捉板
23に対応する昇華温度を有するフラーレン類の成分を
分離して精製するように、同方向に向かって一定の温度
勾配が構成してある。そして、このケース21の下流端
をメカニカルブースタポンプ25a及びロータリポンプ
25bからなる排気手段25に接続している。
【0019】つまり、この実施例におけるフラーレンの
製造装置は、生成部1において生成されたフラーレンガ
スg3を相状態を変化させることなく排気管16を介し
て精製部2に導き、この精製部2で連続的にフラーレン
類の生成を行い得るようにしているものである。なお、
生成部1で発生するフラーレンガスg3は600°C程
度であり、この温度を保ってフラーレンガスg3を精製
部2に導くため、接続管16及びケース21の上流端側
の一部にはガスの温度低下を防止するためのヒータ31
が巻き付けてある。また、精製部2の終段位置には水冷
パイプ32が巻回してあり、この水冷パイプ32によっ
て終段の冷却ゾーンZの温度を室温付近、例えば30°
C程度に冷却するようにしている。冷却ゾーンZ間はこ
の間の温度勾配を等配するような温度差に設定される。
また、圧力的には、精製部2の入口圧は10Torr程
度であり、出口圧は0、1Torr程度である。
【0020】このような生成部1を備えたものであれ
ば、アーク放電によって生じた炭素蒸気は、開放された
放電隙間dにおいて周囲から中央に開口する排気系路1
8の縦孔12cに向かって流れる際に圧縮されるので、
蒸気の密度が上昇する。また、放電隙間dに常時ガスが
流れ、放電面が清浄に保たれるため、放電の安定化も期
待することができる。そして、そのガスg2を排気系路
18を構成する縦孔12c内のノズル部12dで断熱膨
脹により急冷する過程で、蒸気が過飽和になると共に拡
散し、ガス中においてフラーレン類の生成を効果的に促
進することができる。特に、本実施例は単に炭素蒸気g
2を口径の小さい縦孔12cに収束させるものであり、
ジェットのピンチ効果等を利用したものではないため、
炭素蒸気g2が過度に昇温することがなく、その後のノ
ズル部12dにおけるフラーレン類の生成を促すだけで
なく、下流における冷却を効果的に行ってフラーレン類
の収率の向上を図ることができる。更に、図1において
導入されるガスg1は、以降、キャリアガス、アークガ
ス及びクエンチングガスとして機能するので、これらの
ガスを別途外部から導入する場合に比べて装置の簡素
化、ガス消費量の低減によるコストダウンを図ることが
できる。
【0021】また、上記の構成からなる精製部2にフラ
ーレンガスg3を導入すると、フラーレンガスg3は各
冷却ゾーンZ間のノズル部24を通過するときに断熱膨
脹によって冷却されると共に、加速されて次段の冷却ゾ
ーンZの捕捉板23に衝突する。このとき、捕捉板23
の温度がフラーレン類の成分の昇華点よりも低いとその
成分は昇華して捕捉板23に付着するが、捕捉板23の
温度がフラーレン類の成分の昇華点以上であると、その
成分はガス状又は再蒸発して通り抜け、下流に位置して
いる当該昇華点よりも低い温度の捕捉板23で昇華し、
再蒸発することなくそこに付着したまま捕捉される。し
たがって、本実施例によれば、各捕捉板23ごとに固有
の成分のみを分離して取り出すことができる。具体的に
は、フラーレンの同素体としてC60、C70以外に、
76、C78、C82、C84、C90、C96…等があり、昇華
温度はC60が減圧下で400°C、C70は450°Cと
いう具合に、高次になるほど昇華温度が高くなる。そし
て、本実施例の精製部では図に例示するようにCz、C
9x、C8x、C7x、C70、C60、…という具合に、高次の
フラーレンから順次、各冷却ゾーンZの捕捉板23に析
出することとなる。しかも、各冷却ゾーンZの温度勾配
に沿ってその間に形成したノズル部24によりガスを冷
却することができるので、簡素な構成で、各冷却ゾーン
Zにおいて期待される成分の析出を効果的に行わせるこ
とができる。初段近くに析出するCz、及び終段近くに
析出するCyは各々フラーレンになり損なった巨大クラ
スタ、及び微細クラスタ等である。
【0022】更に、上記のように生成部1と精製部2と
を接続して構成すれば、生成部1において高温下に生成
されたフラーレンガスg3がそのままの形で引き続き精
製部2に送られ、冷却による精製に供されるので、途中
に無駄な冷却、加熱過程を介在させる必要がなく、空間
的、時間的、パワー的、効率的に装置全体の大巾な改善
を見込むことができる。
【0023】なお、各部の具体的な構成は、図示実施例
のものに限定されるものではない。例えば、陽極側の電
極に孔をあけて、金属棒や反応ガス(ハロゲン化物等)
を導入すれば、内包フラーレンを生成することもでき
る。また、対向電極を面にして走査することで、ナノチ
ューブを電極に垂直に成長させることも期待できる。更
に、各冷却ゾーンにスクレーバを設け、捕捉板に付着し
たフラーレン類を連続的に冷却ゾーンの下方へ収集する
ように構成することもできる。加えて、精製部は上記以
外の構成を採用することもできる。図4(a)、(b)
はその一例を模式的な平断面、縦断面として示してい
る。ケース41内は仕切り板42で複数の冷却ゾーンZ
に仕切られており、各冷却ゾーンZにはそれぞれ捕捉板
として機能するスクロール状のガイド板43が配置さ
れ、内側にガスの旋回流路44を形成しているととも
に、その旋回流路44を流れるガスが中心部に設けた円
筒部45を介して上方に抜け、これが仕切り板42の一
部に設けたノズル部46を介して次段の冷却ゾーンZの
旋回流路44に流出するようになっている。このように
すると、各冷却ゾーンZごとの冷却をより的確に行うこ
とができる。
【0024】その他の具体的構成も、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生成部を
備えたフラーレンの製造装置によれば、炭素の蒸発部と
蒸気の冷却部の条件を個別に設定することができ、また
アーク放電の安定やガスによる冷却効率の向上を通じて
フラーレン類の収率の大巾な向上を見込むことができ、
更に使用するガスの種類や消費量を低減してイニシャル
コスト、ランニングコストの削減を図ることが可能にな
る。
【0026】また、本発明の精製部を備えたフラーレン
の製造装置によれば、各冷却ゾーンごとにフラーレン類
を分離して取り出すことができ、しかも各冷却ゾーンに
沿った所定の温度勾配も捕捉板のノズル部によって簡素
に実現することができる。更に、本発明のように生成部
と精製部を関連づければ、フラーレン類の生成から精製
までを途中に無駄な冷却、加熱過程を介在させることな
く実施することができるので、空間的、時間的、パワー
的、効率的に装置全体の大巾な改善を見込むことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模式的な断面図。
【図2】図1の生成部を拡大して示す図。
【図3】図1の精製部を拡大して示す図。
【図4】本発明の他の実施例を示す図3に対応した模式
的な断面図。
【符号の説明】
1…生成部 2…精製部 11…真空容器(チャンバ) 12、13…電極 12d…ノズル部 18…排気系路 23…冷却ゾーン 24…ノズル部 g1…ガス g2…炭素蒸気 g3…フラーレンガス S…放電隙間 Z…冷却ゾーン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月10日(2000.4.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】フラーレン類の製造装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラーレン、内包
フラーレン(以下、フラーレン類と称する)の製造に適
したフラーレン類の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フラーレン類は、C60、C70等の高炭素
数の炭素同素体である。C60は切頭20面体のサッカー
ボール状の格子構造を有するものであり、それよりも高
次のフラーレン類は球状ではないが、中空構造を有して
いる。
【0003】このようなフラーレン類は、炭素を蒸発さ
せ、しかる後冷却することによって人工的に製造するこ
とができることが明らかにされており、その大量生成、
精製の研究も盛んに行われている。
【0004】具体的な精製装置の一つとしては、フラー
レンガスが上流側から下流側に向かって順次に配置した
複数段のゾーンを通過するように構成し、各ゾーンに冷
却部を設け、且つ逐次各ゾーンに入る前に炭素蒸気をヒ
ータにより加熱するように構成して、初段のゾーンにフ
ラーレン原料を加熱、蒸発させて導入することによりそ
の冷却部で所定成分を捕獲し、残りを次段のゾーンに前
記よりは低温に加熱、蒸発させて導入することによりそ
の冷却部で前記とは異なる所定成分を捕獲するという具
合に、各段のゾーンにそれぞれ固有の成分を分離精製し
て取り出すことができるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上述した
従来のものには、次のような解決すべき課題がある。
【0006】すなわち、従来の精製装置では、冷却によ
り一旦生成したすす状のフラーレン原料を、再び各ゾー
ンごとに加熱、蒸発した上で冷却部において冷却、析出
させている。このため、初段においてフラーレン原料の
昇華温度、例えば500〜600°C程度にまでフラー
レン原料を加熱する加熱機構が必要となり、次段以降も
これに準じた加熱機構が必要となって、装置が大掛かり
なものになるという欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、次のような構成を採用したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は、生成したフラーレン
類を効率良く精製するために、精製部が、上流側から下
流側に向かって順次低くなる温度勾配をつけた複数段の
冷却ゾーンを備えるとともに、各冷却ゾーンにそれぞれ
捕捉板を配置し、且つ各冷却ゾーン間にノズル部を設け
たものであり、フラーレンガスが上流側から下流側に向
かって各冷却ゾーンを通過する間に、フラーレンガスを
順次冷却し、各々の冷却ゾーンの捕捉板に対応する昇華
温度を有するフラーレン類の成分を分離して精製するよ
うに構成しているものである。
【0009】このような構成からなる精製部にフラーレ
ンガスを導入すると、フラーレンガスは各冷却ゾーン間
のノズル部を通過するときに断熱膨脹により冷却される
と共に、加速されて次段の冷却ゾーンの捕捉板に衝突す
る。このとき、捕捉板の温度がフラーレン類の成分の昇
華点よりも低いとその成分は昇華して捕捉板に付着する
が、捕捉板の温度がフラーレン類の成分の昇華点以上で
あると、その成分はガス状又は再蒸発して通り抜け、下
流に位置している当該昇華点よりも低い温度の捕捉板で
昇華し、再蒸発することなく捕捉板に付着して捕捉され
る。したがって、本発明によれば、各捕捉板ごとに固有
の成分のみを分離して取り出すことができる。しかも、
各冷却ゾーンの温度勾配に沿ってその間に形成したノズ
ル部によりガスを冷却することができるので、簡素な構
成で、各冷却ゾーンにおいて期待される成分の析出を効
果的に行わせることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図3を参
照して説明する。
【0011】この実施例に係るフラーレンの製造装置
は、図1に示すように、フラーレン類を生成する生成部
1と、フラーレン類を昇華温度の異なる成分ごとに分離
して精製する精製部2とを具備してなるものである。
【0012】具体的に説明すると、生成部1は、図1及
び図2に示すように、真空容器たるチャンバ11内に一
対の電極12、13を配置し、一方の電極12に排気系
路18が構成されている。チャンバ11は、密閉性のも
ので、中央部に設定したアーク放電領域Sを包囲する位
置に断熱材14を配置しており、そのアーク放電領域S
にガスを導入するために一部にガス導入系15を接続し
ている。陰極側の電極12は、先端12a側がグラファ
イト素材、基端12b側が銅電極素材からなるもので、
前記チャンバを1貫通して先端12aを前記アーク放電
領域Sに位置づけている。この電極12は、軸心位置に
前記排気系路18の構成要素として、先端12aに開口
する縦孔12cを形成し、その縦孔12cの先端と基端
の径が異ならせてあり、その途中に基端側に向けて末広
に拡径するノズル部12dを形成したもので、そのノズ
ル部12dよりも基端側の縦孔12c内にチャンバ11
外から排気管16が接続してある。一方、陽極側の電極
13は、同じく先端13a側がグラファイト素材、基端
13b側が銅電極素材からなるもので、前記チャンバ1
1を貫通して先端13aを前記アーク放電領域Sにおけ
る前記陰極側の電極の先端12aと所定放電隙間dを介
して対向する位置に位置づけており、放電を安定させる
ために先端13aに前記縦孔12aの先端側の径と略同
径の縦孔13cが穿孔されている。チャンバ11は、電
極12、13の何れに対しても、その貫通部を冷却機構
11xによって水冷できる構造になっているが、特に陽
極側の電極13はその貫通部を摺動しながら図中矢印X
で示すように軸心方向に進退可能とされていて、アーク
放電により先端13aが消費されても、全体を逐次チャ
ンバ11内に挿入することによって陰極側の電極12の
先端12aとの間のアーク放電隙間dを一定に保ことが
できるようにされている。そしてこの実施例では、上記
両電極12、13に直流電源17を接続して、アーク放
電隙間Sの温度が炭素が蒸発する温度、例えば4000
°C〜6000°C程度となるように通電するようにし
ている。直流アークの場合、電圧は20〜30Vとし、
電流は電極直径が10mmの場合で100A以上を流
す。
【0013】つまり、この生成部1は、前記ガス導入系
15よりHe等のガスg1をチャンバ内に導入し、この
ガスg1を前記放電隙間dに供給してアークガスとして
機能させ、その放電隙間dにおいて図2に示すように陽
極側の電極13を構成しているグラファイトを先端13
a側から蒸発させた後、その炭素蒸気g2をガスの流れ
により一方の電極12の中央に開口させた排気系路18
の縦孔12c内に取り込む。そして、ノズル部12dで
断熱膨脹させることによって自冷させ、フラーレンガス
g3(フラーレンを含むガス)として排気するようにし
ているものである。ガスg1はヘリウム以外にアルゴン
等も使用可能である。
【0014】一方、精製部2は、前記生成部1に接続し
た排気管16の下流側に配置されているもので、図3に
示すように、円筒状のケース21と、このケース21の
軸心位置に挿入した水冷パイプ22と、この水冷パイプ
22に取り付けて前記ケース21内に収容され該ケース
21の長手方向の間欠位置を閉塞する複数枚の円盤状を
なす捕捉板23と、ケース21内の空間の一端側と他端
側とが千鳥状に連続するように各捕捉板23の一部を切
り欠くか又は図のように折曲部23aを形成して対向す
るケース21の内面との間に形成されたノズル部24と
を具備してなるもので、隣接する一対の捕捉板23間の
間隙をそれぞれ冷却ゾーンZとなしている。そして、フ
ラーレンガスg3が上流側から下流側に向かって各冷却
ゾーンZを通過する間に、各々の冷却ゾーンZの捕捉板
23に対応する昇華温度を有するフラーレン類の成分を
分離して精製するように、同方向に向かって一定の温度
勾配が構成してある。そして、このケース21の下流端
をメカニカルブースタポンプ25a及びロータリポンプ
25bからなる排気手段25に接続している。
【0015】つまり、この実施例におけるフラーレンの
製造装置は、生成部1において生成されたフラーレンガ
スg3を相状態を変化させることなく排気管16を介し
て精製部2に導き、この精製部2で連続的にフラーレン
類の生成を行い得るようにしているものである。なお、
生成部1で発生するフラーレンガスg3は600°C程
度であり、この温度を保ってフラーレンガスg3を精製
部2に導くため、接続管16及びケース21の上流端側
の一部にはガスの温度低下を防止するためのヒータ31
が巻き付けてある。また、精製部2の終段位置には水冷
パイプ32が巻回してあり、この水冷パイプ32によっ
て終段の冷却ゾーンZの温度を室温付近、例えば30°
C程度に冷却するようにしている。冷却ゾーンZ間はこ
の間の温度勾配を等配するような温度差に設定される。
また、圧力的には、精製部2の入口圧は10Torr程
度であり、出口圧は0、1Torr程度である。
【0016】このような生成部1を備えたものであれ
ば、アーク放電によって生じた炭素蒸気は、開放された
放電隙間dにおいて周囲から中央に開口する排気系路1
8の縦孔12cに向かって流れる際に圧縮されるので、
蒸気の密度が上昇する。また、放電隙間dに常時ガスが
流れ、放電面が清浄に保たれるため、放電の安定化も期
待することができる。そして、そのガスg2を排気系路
18を構成する縦孔12c内のノズル部12dで断熱膨
脹により急冷する過程で、蒸気が過飽和になると共に拡
散し、ガス中においてフラーレン類の生成を効果的に促
進することができる。特に、本実施例は単に炭素蒸気g
2を口径の小さい縦孔12cに収束させるものであり、
ジェットのピンチ効果等を利用したものではないため、
炭素蒸気g2が過度に昇温することがなく、その後のノ
ズル部12dにおけるフラーレン類の生成を促すだけで
なく、下流における冷却を効果的に行ってフラーレン類
の収率の向上を図ることができる。更に、図1において
導入されるガスg1は、以降、キャリアガス、アークガ
ス及びクエンチングガスとして機能するので、これらの
ガスを別途外部から導入する場合に比べて装置の簡素
化、ガス消費量の低減によるコストダウンを図ることが
できる。
【0017】また、上記の構成からなる精製部2にフラ
ーレンガスg3を導入すると、フラーレンガスg3は各
冷却ゾーンZ間のノズル部24を通過するときに断熱膨
脹によって冷却されると共に、加速されて次段の冷却ゾ
ーンZの捕捉板23に衝突する。このとき、捕捉板23
の温度がフラーレン類の成分の昇華点よりも低いとその
成分は昇華して捕捉板23に付着するが、捕捉板23の
温度がフラーレン類の成分の昇華点以上であると、その
成分はガス状又は再蒸発して通り抜け、下流に位置して
いる当該昇華点よりも低い温度の捕捉板23で昇華し、
再蒸発することなくそこに付着したまま捕捉される。し
たがって、本実施例によれば、各捕捉板23ごとに固有
の成分のみを分離して取り出すことができる。具体的に
は、フラーレンの同素体としてC60、C70以外に、C7
6、C78、C82、C84、C90、C96…等があり、昇華温
度はC60が減圧下で400°C、C70は450°Cとい
う具合に、高次になるほど昇華温度が高くなる。そし
て、本実施例の精製部では図に例示するようにCz、C9
x、C8x、C7x、C70、C60、…という具合に、高次の
フラーレンから順次、各冷却ゾーンZの捕捉板23に析
出することとなる。しかも、各冷却ゾーンZの温度勾配
に沿ってその間に形成したノズル部24によりガスを冷
却することができるので、簡素な構成で、各冷却ゾーン
Zにおいて期待される成分の析出を効果的に行わせるこ
とができる。初段近くに析出するCz、及び終段近くに
析出するCyは各々フラーレンになり損なった巨大クラ
スタ、及び微細クラスタ等である。
【0018】更に、上記のように生成部1と精製部2と
を接続して構成すれば、生成部1において高温下に生成
されたフラーレンガスg3がそのままの形で引き続き精
製部2に送られ、冷却による精製に供されるので、途中
に無駄な冷却、加熱過程を介在させる必要がなく、空間
的、時間的、パワー的、効率的に装置全体の大巾な改善
を見込むことができる。
【0019】なお、各部の具体的な構成は、図示実施例
のものに限定されるものではない。例えば、陽極側の電
極に孔をあけて、金属棒や反応ガス(ハロゲン化物等)
を導入すれば、内包フラーレンを生成することもでき
る。また、対向電極を面にして走査することで、ナノチ
ューブを電極に垂直に成長させることも期待できる。更
に、各冷却ゾーンにスクレーバを設け、捕捉板に付着し
たフラーレン類を連続的に冷却ゾーンの下方へ収集する
ように構成することもできる。加えて、精製部は上記以
外の構成を採用することもできる。図4(a)、(b)
はその一例を模式的な平断面、縦断面として示してい
る。ケース41内は仕切り板42で複数の冷却ゾーンZ
に仕切られており、各冷却ゾーンZにはそれぞれ捕捉板
として機能するスクロール状のガイド板43が配置さ
れ、内側にガスの旋回流路44を形成しているととも
に、その旋回流路44を流れるガスが中心部に設けた円
筒部45を介して上方に抜け、これが仕切り板42の一
部に設けたノズル部46を介して次段の冷却ゾーンZの
旋回流路44に流出するようになっている。このように
すると、各冷却ゾーンZごとの冷却をより的確に行うこ
とができる。
【0020】その他の具体的構成も、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の精製部を
備えたフラーレンの製造装置によれば、各冷却ゾーンご
とにフラーレン類を分離して取り出すことができ、しか
も各冷却ゾーンに沿った所定の温度勾配も捕捉板のノズ
ル部によって簡素に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模式的な断面図。
【図2】図1の生成部を拡大して示す図。
【図3】図1の精製部を拡大して示す図。
【図4】本発明の他の実施例を示す図3に対応した模式
的な断面図。
【符号の説明】 1…生成部 2…精製部 11…真空容器(チャンバ) 12、13…電極 12d…ノズル部 18…排気系路 23…冷却ゾーン 24…ノズル部 g1…ガス g2…炭素蒸気 g3…フラーレンガス S…放電隙間 Z…冷却ゾーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラーレン類を生成する生成部を具備して
    なるフラーレン類の製造装置であって、前記生成部が、
    内部にガスを導入し得るように構成された真空容器と、
    この真空容器内においてアーク放電を生起すべく放電隙
    間を介して対向配置された一対の電極と、一方の電極内
    に設けられ一端を前記放電隙間に臨む位置に開口させる
    とともに内部に流通ガスを膨脹させるノズル部を有した
    排気系路とを備えたものであり、ガスを前記放電隙間に
    供給してアークガスとして機能させ、その放電隙間にお
    いて炭素を蒸発させた後、その炭素蒸気を一方の電極内
    に設けた排気系路に取り込んでノズル部で膨脹させるこ
    とにより自冷させ、フラーレンガスとして排気するよう
    にしたことを特徴とするフラーレン類の製造装置。
  2. 【請求項2】フラーレン類を精製する精製部を具備して
    なるフラーレン類の製造装置であって、前記精製部が、
    上流側から下流側に向かって順次低くなる温度勾配をつ
    けた複数段の冷却ゾーンを備えるとともに、各冷却ゾー
    ンにそれぞれ捕捉板を配置し、且つ各冷却ゾーン間にノ
    ズル部を設けたものであり、フラーレンガスが上流側か
    ら下流側に向かって各冷却ゾーンを通過する間に、フラ
    ーレンガスをノズル部で順次冷却し、各々の冷却ゾーン
    の捕捉板に対応する昇華温度を有するフラーレン類の成
    分を分離して精製するように構成したことを特徴とする
    フラーレン類の製造装置。
  3. 【請求項3】フラーレン類を生成する生成部と、フラー
    レン類を昇華温度の異なる成分ごとに分離して精製する
    精製部とを具備してなるフラーレン類の製造装置であっ
    て、生成部において生成されたフラーレンガスを相状態
    を変化させることなく精製部に導くように構成したこと
    を特徴とするフラーレン類の精製装置。
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