JP2001018084A - レーザ加工光学系並びにレーザ出力モニタ光学系 - Google Patents

レーザ加工光学系並びにレーザ出力モニタ光学系

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JP2001018084A JP11188873A JP18887399A JP2001018084A JP 2001018084 A JP2001018084 A JP 2001018084A JP 11188873 A JP11188873 A JP 11188873A JP 18887399 A JP18887399 A JP 18887399A JP 2001018084 A JP2001018084 A JP 2001018084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の主に同時多点加工が可能なレーザビーム
分割光学系において、分割用の誘電多層膜ミラーに反射
率の偏光依存特性があるため、レーザビームの偏光成分
比率の変化があると、分割比率が変動し同時多点加工時
の高い加工精度が得られなかった。 【解決手段】レーザ発振器から出力されたレーザ出力ビ
ームを分割ミラー1により分割し、分割された分割パワ
ーの高い一方のビーム中に低反射率調整用ミラー2を挿
入する。分割ミラー1のP波およびS波の透過率の比
と、分割ミラー1で反射し調整用ミラー2を透過するP
波及びS波の透過率の比を等しくなるように分割ミラー
および調整用ミラーの反射率や角度を調整することによ
り、元のレーザビームの偏光成分が変化しても分割比率
は一定に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に同時多点のレ
ーザ加工を行うためのレーザビーム分割用の光学系並び
にレーザ発振器の出力を高精度にモニタリングするモニ
タリング光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に同時多点加工を行うレーザ加工機
では、レーザビームの分割に誘電多層膜コーティングミ
ラーを用い、一定の強度割合にてレーザビーム光線を複
数分岐し、分岐されたビームのそれぞれを加工点に導い
て加工に供している。分割されたビームに求められる特
性は加工の目的によって異なる。例えば同一ワークを並
列化し、それぞれ同一の加工を行い、生産タクトを向上
させることを目的としている場合などは、分割されたビ
ームの強度が同一でなければ同じ加工特性を得ることが
出来ない。一方、同一のライン上にてレーザビームの出
力を制御して異なるワーク、もしくは加工を行う場合に
は、分割されたレーザビーム間の分割比率が常に正しく
維持されていなければ同様に同じ加工特性を得ることが
出来ない。更に、製品品質を管理する上では、レーザ発
振器の出力を高精度にモニタリングすることも要求され
る。
【0003】レーザ加工機によく用いられるレーザ発振
器として、高出力マルチモードで発振するロッドタイプ
の固体レーザ発振器があるが、この種のレーザ発振器で
は、高出力を求めるため、特定の直線偏光成分のみを発
振させるための偏光素子は共振器内にとくには設けられ
ていない。このため、出力するレーザビームは、単一偏
光ではなく、また、励起強度によってレーザロッドの熱
複屈折が変化する等の原因から、偏光成分の比率も一定
していない。そのため、同時多点加工を行うためにレー
ザビーム分割に使うビームスプリッタには、高精度な分
割比とレーザ発振器の励起レベルによって分割比率が変
化しないために、ビーム分割比が入射光の偏光特性に依
存しない特性(通称無偏光ビームスプリッタ)が求めら
れる。誘電体膜では、一般に膜面に斜め入射する光は偏
光成分によってその反射率(透過率)が異なる。無偏光
ビームスプリッタでは、用いられている誘電体多層膜の
層数や誘電体各層の厚さ及び屈折率を適切に設計し、ま
た、成膜条件を制御して、P偏光成分とS偏光成分とで
透過率や反射率が等しくなるように作製されているが、
現実の製品には偏光成分間に偏差があり、その大きさは
数%程度に及ぶ。そのため、高出力のマルチモード固体
レーザをレーザ源とし、無偏光ビームスプリッタをビー
ム分割手段に用いるレーザ加工光学系では、分割比はレ
ーザ発振光の偏光成分比率に応じて変化し、一定に維持
することが困難である。とくに、励起光強度の変化に伴
いレーザ出力だけではなく熱複屈折性等の変化も生じ、
これにより出力パワーの変化と共に偏光成分比率も同時
に変化するため、分割比が絶えず変動するという状態が
生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の状況に鑑み、高出力のマルチモード固体レーザを
レーザ源とし、誘電体ミラーを使ったビームスプリッタ
をビーム分割手段に用いるレーザ加工光学系において、
分割比率を厳密に調整し、かつ、これをレーザ発振器の
励起レベルに依存しないように補償することを目的とし
ている。また、別なる目的は、出力光に偏光成分に変動
のあるレーザ発振器の出力パワーを出力偏光特性に関わ
りなく、高精度にモニタすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ加工光学
系は、レーザ発振器からのレーザ出力ビームを、第1の
誘電体ミラーによって特定の分割比率に2分割し、分割
されたビームのそれぞれを異なる加工光学系に導いて同
時多点加工を可能にするレーザ加工光学系であって、2
分割された一方のビームを第2の誘電体ミラーに透過又
は反射させた後加工光学系に導くことを特徴とする。ま
た、本発明のレーザ加工光学系は、レーザ発振器からの
レーザ出力ビームを、誘電体ミラーによって特定の分割
比率に2分割し、分割されたビームのそれぞれを異なる
加工光学系に導いて同時多点加工を可能にするレーザ加
工光学系であって、2分割された一方のビームを誘電体
ミラーを含む光学部品を備えたレーザ光強度調整光学系
に透過させた後加工光学系に導くことを特徴とするレー
ザ加工光学系。また、本発明のレーザ加工光学系は、前
記レーザ光強度調整光学系が、第1及び第2の2枚の誘
電体ミラーを備え、前記第1の誘電体ミラーへの入射光
軸と前記第1の誘電体ミラーの反射光軸のなす平面と、
前記第1の誘電体ミラーの反射光軸と前記第2の誘電体
ミラーの反射光軸のなす平面とが直交するように配設し
たことを特徴とする。また、本発明のレーザ加工光学系
は、前記レーザ光強度調整光学系が、第1及び第2の2
枚の誘電体ミラーと1/2波長板とを備え、透過光軸上
に前記第1の誘電体ミラーと前記1/2波長板と前記第
2の誘電体ミラーを配設したことを特徴とする。
【0006】本発明のレーザ加工光学系は、レーザ発振
器からのレーザ出力ビームを、第1の誘電体ミラーによ
って特定の分割比率に2分割し、分割されたビームのそ
れぞれを異なる加工光学系に導いて同時多点加工を可能
にするレーザ加工光学系であって、2分割された一方の
ビームを第2の誘電体ミラーに透過又は反射させた後加
工光学系に導き、第1の誘電体ミラーによって2分割さ
れた一方のビームの前記レーザ出力ビームに対するP波
のパワー伝達率とS波のパワー伝達率との比と、前記第
二の誘電体ミラーを透過又は反射した他方のビームの前
記レーザ出力ビームに対するP波のパワー伝達率とS波
のパワー伝達率との比とを等しくしたことを特徴とす
る。また、本発明のレーザ加工光学系は、レーザ発振器
からのレーザ出力ビームを、誘電体ミラーによって特定
の分割比率に2分割し、分割されたビームのそれぞれを
異なる加工光学系に導いて同時多点加工を可能にするレ
ーザ加工光学系であって、2分割された一方のビームを
誘電体ミラーを含む光学部品を備えたレーザ光強度調整
光学系に透過させた後加工光学系に導き、前記誘電体ミ
ラーによって2分割された一方のビームの前記レーザ出
力ビームに対するP波のパワー伝達率とS波のパワー伝
達率との比と、前記レーザ光強度調整光学系透過した他
方のビームの前記レーザ出力ビームに対するP波のパワ
ー伝達率とS波のパワー伝達率との比とを等しくしたこ
とを特徴とする。また、本発明のレーザ出力モニタ光学
系は、レーザ発振器からのレーザ出力ビームを、第1の
誘電体ミラーによってその出力の一部を分岐し、分岐し
たレーザビームを光電変換して前記レーザ発振器のレー
ザ出力をモニタする手段を有するレーザ出力モニタ光学
系であって、前記第1の誘電体ミラーによって分岐され
たビームを前記第1の誘電体ミラーと同一の反射特性を
備えた第二の誘電体ミラーによって反射させ、該第2の
誘電体ミラーを前記レーザ出力ビームと前記第1の誘電
体ミラーによって反射した光軸のなす平面と、前記第1
の誘電体ミラーによって反射した光軸と前記第二の誘電
体ミラーによって反射した光軸のなす平面とが直交する
ように配設し、前記第二の誘電体ミラーによって反射し
たビームを前記モニタ手段に導くことを特徴とする。ま
た、本発明のレーザ出力モニタ光学系は、レーザ発振器
からのレーザ出力ビームを、第1の誘電体ミラーによっ
てその出力の一部を分岐し、分岐したレーザビームを光
電変換して前記レーザ発振器のレーザ出力をモニタする
手段を有するレーザ出力モニタ光学系であって、前記第
1の誘電体ミラーをによって透過分岐されたビームを1
/2波長板に透過し、前記1/2波長板を透過したビー
ムを前記第1の誘電体ミラーと同一の反射特性を備えた
第二の誘電体ミラーによって反射させ、前記第二の誘電
体ミラーによって反射したビームを前記モニタ手段に導
くことを特徴とするレーザ出力モニタ光学系。また、本
発明のレーザ加工光学系は、レーザ発振器からのレーザ
出力ビームの光軸中の前記レーザ発振器と前記第1の誘
電体ミラーとの間に、前記の2つのレーザ出力モニタ光
学系の内のいずれか一つを配設したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して詳細を説明する。
【0008】図1は本発明の第一の実施形態である同時
2点加工を行うための2光路分割光学構成の原理図であ
る。その主たる構成は、誘電体多層膜の透明基板へのコ
ーティングで作られる分割ミラー1と同様の製法になる
調整用ミラー2とよりなっている。レーザ発振器3から
出力されたレーザ出力ビーム6は分割ミラー1の透過と
反射によってほぼ等強度に2分割される。分割ミラー1
によって強度を分割されてこれを透過する透過ビーム7
は第一の加工光学系4に導かれる。他方、分割ミラー1
を反射によって強度を分割された反射ビーム8は、強度
を調整するための調整用ミラー2により一部反射によっ
て強度を調整され、調整されたビーム9として第二の加
工光学系5に導かれる。
【0009】レーザ出力ビーム6の強度PAll はS波成
分PS とP波成分PP の和で表される。分割ミラー1は
反射透過特性が偏光依存性を示しているため、P波に対
するパワー反射率をRP1、S波に対するパワー反射率を
S1とすると、平均パワー反射率RAve1はそれらの相加
平均、RAve1=(RP1+RS1)/2で表される。同じ
く、調整用ミラー2のパワー反射率は、RP2、RS2、R
Ave2=(RP2+RS2)/2で各々を表される。
【0010】上記の表記を用いて各ビーム7,8,9の
強度を表すと、分割ミラー1を透過する透過ビーム7の
強度PT1は、 PT1=(1−RS1)・PS +(1−RP1)・PP (1) となり、反射ビーム8の強度PR1は、 PR1=RS1・PS +RP1・PP 、 (2) 調整されたビーム9の強度PT2R1は、 PT2R1=(1−RS2)・RS1・PS +(1−RP2)・RP1・PP (3) と、それぞれ表される。
【0011】分割ミラー1のみによるレーザビームの分
割では、その分割比PT1/PR1が、 PT1/PR1={(1−RS1)・PS +(1−RP1)・PS }/ {RS1・PS +RP1・PP } (4) となり、入射ビームの偏光成分比(PS /PP )が変化
するために、RS1=RP1を満足する場合を除き、分割比
(PT1/PR1)は変化する。すなわち、入射ビームの偏
光成分比が変わっても分割比が変動を来さないために
は、分割ミラー1には反射率(透過率)の偏光依存性が
あってはならないことになり、このことは、実際上実現
が困難である。
【0012】そこで、調整用ミラー2を用意する。この
場合には、分割ミラー1を透過する透過ビーム7と調整
用ミラー2を透過する調整されたビーム9のパワー比P
T1/P T2R1は、 PT1/PT2R1={(1−RS1)・PS +(1−RP1)・PP }/ {(1−RS2)・RS1・PS +(1−RP2)・RP1・PP } (5) となる。分割ミラー1を透過した透過ビーム7と調整用
ミラー2を透過した調整されたビーム9のパワー比(P
T1/PT2R1)が、入射するレーザ出力ビームの偏光状態
に依存しないためには、微係数d(PT1/PT2R1)/d
(PS /PP )=0を満たす必要がある。これから、 (1−RS1)/RP1={(1−RS2)・RS1)}/ {(1−RP2)・RP1} (6) を満たすように、RP2とRS2が設定できれば、PT1/P
T2R1は、 PT1/PT2R1=1/{(1−RP2)・RP1} (7) となり、このことは、分割ミラー1を透過する透過ビー
ム7と調整用ミラー2を透過した調整されたビーム9の
強度比が分割ミラー1と調整用ミラー2の反射率や透過
率の定数で表され、(PS /PP )のレーザ出力ビーム
の偏光成分比には依存しないことを意味している。一般
に誘電体ミラーは光吸収損失が小さいため、透過率と反
射率とは相補的な関係にあり、(1−Rij)=Tijと透
過率で置き代えることができる。上の(6)式の条件式
を一部透過率で置き換えると、この条件は、 TP1/TS1=(RP1/RS1)・(TP2/TS2) (8) となり、これは、レーザ出力ビーム6から透過ビーム7
への分割ミラー1のもつP波に対する透過率とS波に対
する透過率との比(左辺)と、分割ミラー1の反射を介
して調整用ミラー2を透過するレーザ出力ビーム6から
調整されたビーム9へのP波の透過率とS波の透過率と
の比とを等しくする、という条件である。
【0013】具体的に数値例で示す。分割ミラー1のP
波、S波のパワー反射率が、RP1=52%、RS1=55
%、従って透過率TP1=(1−RP1)=48%、TS1
(1−RS1)=45%と、P波とS波とで3%程度の反
射率、透過率の偏差があったとき、調整用ミラー2の反
射率をRP2=8%、RS1=19%、従って透過率 T P2
=(1−RP2)=92%、TS2=(1−RS2)=81
%、に設定すれば、分割ミラー1を透過する透過ビーム
7と調整用ミラー2を透過する調整されたビーム9の強
度比が、入射するレーザ出力ビーム6の偏光成分比PS
/PP に依存せず一定となる。
【0014】上記の数値例で述べた調整用ミラー2の反
射・透過の特性を全く逆にした誘電体ミラ−を作製し、
すなわち、調整用ミラー2の特性を上記とは逆に、反射
率をRP2=92%、RS1=81%、従って透過率TP2
(1−RP2)=8%、TS2=(1−RS2)=19%に設
定してもよい、この場合には調整用ミラー2の透過光で
はなく反射光を第二の加工光学系5に導くことになり、
この場合も透過の場合と同様な効果が得られる。
【0015】また上記の数値例で述べた実施例は、分割
ミラー1が透過・反射がほぼ等しい分割の場合の例を述
べたが、必ずしも等分割である必要はなく、任意の分岐
比においても上記(6)式の条件は成立する。
【0016】上記の反射率の偏光特性を有する調整用ミ
ラー2は、誘電体光学的薄膜の技術を用いて実現でき
る。一例として数値例で述べた反射率が低い場合につい
て調整用ミラー2の実施例を説明する。
【0017】図2は屈折率1.5の光学ガラス基板にこ
れよりも屈折率nの高い誘電体膜をnd=1/4波長と
なるように厚さdで単層だけ成膜したときの、膜面に立
て単た法線となす入射光の入射角度に対する反射率の変
化を示したものである。角度特性は、よく知られている
ように、P波はブリュースタ角を有しこの入射角度では
反射率0を示し、S波の反射率は入射角に対して単調に
増加する。入射角度45゜付近でP波の反射率8%、S
波の反射率19%の値は、誘電体膜の屈折率nや厚さd
を適切に選べば実現できる。また反射率の微調整は、入
射角度の調整によって行うことが出来る。
【0018】更に、図3に示すように第2の調整用ミラ
ー30を第1の調整用ミラー2の後に設け、第1の調整
用ミラーとの間に1/2波長板31を置いても良い。第
1の調整用ミラー2はP波に対してブリュースタ角に設
定し全て透過するようにし、ブリュースタ角に設定した
角度方向と直交する方向に微調整し、S波の反射率を調
整する。第2の調整用ミラー30は第1の調整用ミラー
と同様な角度設定とする。1/2波長板31は透過する
光の偏光面を90度回転させ第2の調整用ミラー30に
入射する光はP波とS波との座標関係が交代するため、
第1の調整用ミラー2で反射調整を受けたS波成分は、
第2の調整用ミラー30に対してP波成分となって入射
する。このP波成分はブリュースタ角に設定されている
第2の調整用ミラー30を素通りし、第2の調整用ミラ
ー30では、第1の調整用ミラー2を通過し偏光回転を
90度受けた成分の反射調整を行う。第2の調整用ミラ
ー30と1/2波長板31とを、第1の調整用ミラーに
追加して備えることによって、P波成分とS波成分とを
独立してその強度を調整することが出来、調整されたビ
ーム10として、第二の加工光学系5に導びくことも出
来る。
【0019】勿論、上記のP波とS波の交代の関係が満
たされるように、第2の調整用ミラー30の設置角度を
設定すれば、1/2波長板31を省略することが出来
る。すなわち、第1の調整用ミラーに入射するレーザビ
ームとこの第1の調整用ミラーによって反射したレーザ
ビームのなす平面と、第1の調整用ミラーによって反射
したレーザビームと第2の調整用ミラーによって反射し
たレーザビームのなす平面とが直交するように配設すれ
ば、上記のP波とS波の交代の関係が満たされる。
【0020】このように、同時2点加工を行うための、
ビーム分割比がレーザ出力ビームの偏光成分比の変化に
関わりなく一定状態を保ったレーザ加工光学系を構成す
る事が出来るが、分割数は2にとどまらず2のべき乗の
同時多点加工に拡張できることは明らかである。
【0021】さらに、本発明の原理を用いると、偏光特
性が変化するレーザ発振器出力の高精度パワーモニタを
構成することが出来る。
【0022】図4は本発明により実現される高精度レー
ザ出力のモニタリングシステムの実施形態である。その
構成は、レーザ発振器3から出力されたレーザ出力ビー
ムを分離ミラー101により分割する。ここで1枚目の
分割ミラーの反射率101は、偏光依存特性を示してい
るため反射光はPR1=RS1・PS +RP1・PP となる。そ
のためレーザ光の偏光成分比の変化に伴い変化する。そ
こで、さらに同じ特性の2枚目の分割ミラー102を交
差させて配置し、これによる反射光を受光装置105に
よって検出する。すなわち、第1の分割ミラーに入射す
るレーザビームとこの第1の分割ミラーによって反射し
たレーザビームのなす平面と、第1の分割ミラーによっ
て反射したレーザビームと第2の分割ミラーによって反
射したレーザビームのなす平面とが直交するように配設
する。1枚目の分割ミラー101を反射したP波は、2
枚目の分割ミラー102にはS波となって反射し、1枚
目の分割ミラー101を反射したS波は、2枚目の分割
ミラー102にはP波となって反射することになり、2
枚の分割ミラーを反射して、受光装置105に到達する
最終的な反射光はPR2=RP2(RS1・PS )+RS2(RP1
P )=RP1・RS1(P P +PS ) =RP1・RS1・PAll
となり、偏光成分比に依存しない反射率を得ることにな
る。
【0023】上記のレーザパワーモニタの別なる実施例
は、図5に示すように1枚目の分割ミラー101と2枚
目の分割ミラー102の間に、1/2波長板106を挿
入すれば2つの分割ミラーを交差させて設ける必要が無
く、レーザ発振器3、2つの分割ミラー101および1
02、受光装置105を同一平面内に配置でき実装上都
合がよい。
【0024】本発明の第一の実施の形態である、2乃至
多点のレーザビーム分割光学系と上記本発明の第二の実
施の形態である、レーザ出力のモニタリングシステムの
各実施例とを組み合わせることで、高精度の多点レーザ
加工光学系が構成できる。
【0025】
【発明の効果】本発明により同時多点加工を目的とした
レーザ加工光学系において、励起レベルに依存したレー
ザ出力ビームの偏光成分比率の変動に対しても分割比率
を一定に維持し、その分割比率を厳密に調整出来るた
め、安定な加工特性を得ることが出来る。
【0026】本発明により、更に反射率の偏光依存特性
が同じミラーを2個用いることによって、レーザ出力ビ
ームの偏光成分比率の変動に依存しない高精度のレーザ
パワーのモニタリングを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のレーザビーム分割
光学系を表す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態のレーザビーム分割
光学系を構成する調整用ミラーの反射偏光特性を示す図
である。
【図3】本発明の第一の実施の形態のレーザビーム分割
光学系の第二の実施例を示す図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態のレーザパワーモニ
タ光学系の構成を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態のレーザパワーモニ
タ光学系の第二の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 分割ミラー 2 調整用ミラー 3 レーザ発振器 4 第一の加工光学系 5 第二の加工光学系 6 レーザ出力ビーム 7 透過ビーム 8 反射ビーム 9 調整されたビーム 10 調整されたビーム 30 第2の調整用ミラー 31 1/2波長板 101 1枚目の分割ミラー 102 2枚目の分割ミラー 105 受光装置 106 1/2波長板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器からのレーザ出力ビーム
    を、第1の誘電体ミラーによって特定の分割比率に2分
    割し、分割されたビームのそれぞれを異なる加工光学系
    に導いて同時多点加工を可能にするレーザ加工光学系で
    あって、2分割された一方のビームを第2の誘電体ミラ
    ーに透過又は反射させた後加工光学系に導くことを特徴
    とするレーザ加工光学系。
  2. 【請求項2】 レーザ発振器からのレーザ出力ビーム
    を、誘電体ミラーによって特定の分割比率に2分割し、
    分割されたビームのそれぞれを異なる加工光学系に導い
    て同時多点加工を可能にするレーザ加工光学系であっ
    て、2分割された一方のビームを誘電体ミラーを含む光
    学部品を備えたレーザ光強度調整光学系に透過させた後
    加工光学系に導くことを特徴とするレーザ加工光学系。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光強度調整光学系が、第1及
    び第2の2枚の誘電体ミラーを備え、前記第1の誘電体
    ミラーへの入射光軸と前記第1の誘電体ミラーの反射光
    軸のなす平面と、前記第1の誘電体ミラーした後前記第
    2の誘電体ミラーに入射する光軸と前記第2の誘電体ミ
    ラーの反射光軸のなす平面とが直交するように配設した
    ことを特徴とする前記請求項2記載のレーザ加工光学
    系。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光強度調整光学系が、第1及
    び第2の2枚の誘電体ミラーと1/2波長板とを備え、
    透過光軸上に前記第1の誘電体ミラーと前記1/2波長
    板と前記第2の誘電体ミラーを配設したことを特徴とす
    る前記請求項2記載のレーザ加工光学系。
  5. 【請求項5】 前記請求項1において、第1の誘電体ミ
    ラーによって2分割された一方のビームの前記レーザ出
    力ビームに対するP波のパワー伝達率とS波のパワー伝
    達率との比と、前記第2の誘電体ミラーを透過又は反射
    した他方のビームの前記レーザ出力ビームに対するP波
    のパワー伝達率とS波のパワー伝達率との比とを等しく
    したことを特徴とする前記請求項1記載のレーザ加工光
    学系。
  6. 【請求項6】 前記請求項2から4において、第1の誘
    電体ミラーによって2分割された一方のビームの前記レ
    ーザ出力ビームに対するP波のパワー伝達率とS波のパ
    ワー伝達率との比と、前記レーザ光強度調整光学系透過
    した他方のビームの前記レーザ出力ビームに対するP波
    のパワー伝達率とS波のパワー伝達率との比とを等しく
    したことを特徴とする前記請求項2から4まで記載のレ
    ーザ加工光学系。
  7. 【請求項7】 レーザ発振器からのレーザ出力ビーム
    を、第1の誘電体ミラーによってその出力の一部を分岐
    し、分岐したレーザビームを光電変換して前記レーザ発
    振器のレーザ出力をモニタする手段を有するレーザ出力
    モニタ光学系であって、前記第1の誘電体ミラーによっ
    て透過分岐されたビームを前記第1の誘電体ミラーと同
    一の反射特性を備えた第2の誘電体ミラーによって反射
    させ、該第2の誘電体ミラーを前記レーザ出力ビームと
    前記第1の誘電体ミラーによって反射した光軸のなす平
    面と、前記第1の誘電体ミラーによって反射した光軸と
    前記第2の誘電体ミラーによって反射した光軸のなす平
    面とが直交するように配設し、前記第2の誘電体ミラー
    によって反射したビームを前記モニタ手段に導くことを
    特徴とするレーザ出力モニタ光学系。
  8. 【請求項8】 レーザ発振器からのレーザ出力ビーム
    を、第1の誘電体ミラーによってその出力の一部を分岐
    し、分岐したレーザビームを光電変換して前記レーザ発
    振器のレーザ出力をモニタする手段を有するレーザ出力
    モニタ光学系であって、前記第1の誘電体ミラーをによ
    って透過分岐されたビームを1/2波長板に透過し、前
    記1/2波長板を透過したビームを前記第1の誘電体ミ
    ラーと同一の反射特性を備えた第2の誘電体ミラーによ
    って反射させ、前記第2の誘電体ミラーによって反射し
    たビームを前記モニタ手段に導くことを特徴とするレー
    ザ出力モニタ光学系。
  9. 【請求項9】 前記レーザ発振器からのレーザ出力ビー
    ムの光軸中の前記レーザ発振器と前記第1の誘電体ミラ
    ーとの間に、前記請求項7または8記載のレーザ出力モ
    ニタ光学系を配設したことを特徴とする前記請求項1か
    ら6まで記載のレーザ加工光学系。
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