JP2001017176A - 病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素 - Google Patents

病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素

Info

Publication number
JP2001017176A
JP2001017176A JP11189129A JP18912999A JP2001017176A JP 2001017176 A JP2001017176 A JP 2001017176A JP 11189129 A JP11189129 A JP 11189129A JP 18912999 A JP18912999 A JP 18912999A JP 2001017176 A JP2001017176 A JP 2001017176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
polypeptide
plant
elicitor
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11189129A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Shiraishi
友紀 白石
Itsuki Furusawa
巖 古澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto University
Original Assignee
Kyoto University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto University filed Critical Kyoto University
Priority to JP11189129A priority Critical patent/JP2001017176A/ja
Publication of JP2001017176A publication Critical patent/JP2001017176A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物に対して病害抵抗性を付与する目的に有
用な、新たな遺伝子を得る。 【解決手段】 本発明により、エンドウ品種ミドリウス
イ(Pisum sativum L.cv.Mido
riusui)由来の、植物細胞壁に存在するヌクレオ
チドトリホスフェイト分解酵素(NTPase)、及び
当該酵素をコードする遺伝子であるPsNTPase−
1遺伝子及びPsNTPase−2遺伝子が与えられ
た。細胞壁NTPaseは植物の防御系の情報伝達に深
く関与する酵素であると共に、病原菌のエリシター及び
サプレッサーと結合する事から、本発明の遺伝子を植物
に導入する事により、植物に病害抵抗性を付与する事が
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドウ品種ミド
リウスイ(Pisum sativum L.cv.M
idoriusui)由来の、植物細胞壁ヌクレオチド
トリホスフェイト(NTP)分解酵素、及び当該酵素を
コードする遺伝子である、PsNTPase−1遺伝子
及びPsNTPase−2遺伝子に関する。更に、本発
明は当該遺伝子を植物に導入する事により植物に病害抵
抗性を付与する方法、及び病害抵抗性を付与した形質転
換植物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人口の爆発的な増加、地球の温暖
化、環境破壊等により、人類は食糧不足の危機にひんし
ている。人類の生存に必要不可欠な食糧の増産におい
て、農業技術の果たす役割は大きい。病害を防ぐ事によ
る食糧の増産技術に関して、これまでの農薬等の化学物
質に頼る方法から、実際に病原菌に感染する原因につい
て分子的レベルから解明しようとする、植物病理学的な
新たな方法へと移行しつつある。植物に病原菌抵抗性を
付与する目的で、抵抗性遺伝子を導入したトランスジェ
ニック植物の作成が行われている。キチナーゼやグルカ
ナーゼ等の、直接的な抗菌性が期待できる遺伝子を導入
する事により、病害耐性の付与が行われているが、その
効果は様々であり、必ずしも満足の行くものではない。
また、各種の病原体に対する抵抗性遺伝子がクローニン
グされているが、それらの生理学的な役割については、
まだ十分解明されていないのが現状であり、実用化には
至っていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】近年、植物の病原菌に対する抵抗性に関す
るメカニズムに関する、新たな知見が得られるようにな
ってきた。植物伝染病の80%以上はカビ(糸状菌)に
よって引き起こされ、7%が細菌、7%がウイルス、残
りはウイロイドやファイトプラズマなどの難培養性微生
物、線虫や原虫などが原因である。糸状菌を例にとれ
ば、地球上には数十万種のカビが存在するが、この中で
植物を加害するものは約八千種である。しかし、例えば
イネの場合、加害するカビは約50種であり、更に大き
な被害をもたらすものは10指にも満たない。このよう
に、一つの植物種や品種は大多数の病原菌に対して抵抗
性ないし免疫性であり、一握りの病原菌のみが特定の植
物への感染に成功して、大きな被害をもたらす。このよ
うな病原菌感染の「宿主−寄生者の特異性」のメカニズ
ムを解明することにより、宿主特異性に関与する遺伝子
を提供する事が本発明の課題である。病原菌抵抗性に関
与する遺伝子が与えられる事により、植物に病害抵抗性
を付与する、新たな手段が与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】植物の抵抗性には、静的(構成的)抵抗性
と動的(誘導的)抵抗性がある事が知られている。静的
抵抗性とは、植物が本来備えている各種の性質による抵
抗性を示し、細胞壁の厚さや硬さ、潜在性抗菌物質など
が挙げられる。一方、動的抵抗性とは、植物が病原菌の
攻撃により新たに誘導される防御反応の事である。現在
知られている最も速い動的抵抗性はO2 - やH22
ような活性酸素種の生成に伴う、細胞壁糖蛋白質の不溶
化や感染阻害物質の生成であり、数分から15分で生じ
る。その後、遺伝子の発現を伴った、ファイトアレキシ
ン(低分子抗菌性物質)の蓄積、感染特異的蛋白質(P
R蛋白質:グルカナーゼ、キチナーゼ等)の増加が認め
られる。この他にも、細胞壁のリグニン化、過敏感細胞
死、パピラの形成などが起こる。これら、動的抵抗性
は、植物側の病原菌認識機構によるものであり、そのメ
カニズムについて、植物の病原菌に対する抵抗性/感受
性の決定は、植物側の抵抗性遺伝子と病原菌の持つ非病
原性遺伝子の相互作用によるものだとする、遺伝子体遺
伝子説により明らかとなってきた。現在、いくつかの抵
抗性遺伝子がクローニングされており、これらの遺伝子
の翻訳産物の機能や構造を明らかにすると共に、病原体
認識から核への情報伝達に至るまでのメカニズムについ
ての解明が、現在行われている。
【0005】このような動的抵抗性を誘導する因子が多
数の微生物から見出されており、エリシターと呼ばれて
いる。エリシターは、元々ファイトアレキシン生成の誘
導因子を指すものであったが、現在では植物防御応答を
誘導する物質に広く用いられている。エリシター活性
は、菌体成分である、グルカン、キチン、キトサン、ペ
プチド、糖ペプチドあるいは脂質等においても認められ
ている。また、病原菌は、エリシターによって誘導され
る抵抗反応を抑制もしくは遅延させる事によって感染す
る事ができる、という事が明らかとなってきた。このよ
うな物質はサプレッサーと呼ばれ、エリシターによって
誘導される抵抗反応を種特異的に阻害している。これま
での報告によれば、サプレッサーは糖やペプチドを含む
水溶性物質である。例えば、エンドウ褐紋病菌(Myc
osphaerella pinodes)の生産する
サプレッサーであるサプレッシンAの構造はGalNA
c−O−SSGであり、サプレッシンBの構造はGal
−GalNAc−O−SSGDETである。
【0006】ジャガイモと共に、エンドウにおいて情報
伝達系におけるサプレッサーの作用が検討されており、
発明者らはエンドウ褐紋病菌におけるサプレッサーの作
用メカニズムに注目した。エリシター処理エンドウにお
いて、ファイトアレキシンの蓄積は6時間以内に認めら
れ、生合成系の鍵となる酵素である酵素遺伝子の転写活
性化は1時間以内に認められる。しかし、サプレッサー
共存下ではこれらの応答は3〜6時間遅れる。このよう
に、サプレッサーの作用点は、遺伝子発現より上流にあ
る。情報伝達系につき種々探索した結果、蛋白質リン酸
化の系とポリホスホイノシチド(PI)代謝系が深く関
与していることが判った。
【0007】近年、エンドウ褐紋病菌サプレッサーがア
デノシントリホスフェイト分解酵素(ATPase)を
阻害する事が明らかとなってきた。サプレッサーによる
防御反応の種特異性を検討したところ、エンドウ褐紋病
菌のサプレッサーで処理された植物のうち、褐紋病菌の
宿主だけナシ黒班病菌が感染可能となる。ところが、褐
紋病菌サプレッサーはダイズ、インゲン、ササゲ、オオ
ムギから分離された細胞膜のATPase活性も阻害
し、インビトロでの細胞膜ATPaseに対する作用
に、厳密な特異性は認められなかった。一方、細胞化学
的にATPase活性が調べられた結果、サプレッサー
の阻害作用は細胞レベルでは種特異的であり、供試作物
のうちエンドウ細胞の活性だけを阻害した。これらの、
種特異性の結果は、植物に特有で、最外層に位置する細
胞壁が、病源菌シグナルの受容や変換に深く関与する可
能性を示している。
【0008】発明者らは、数種のマメ科植物から細胞壁
を調製し、エンドウ褐紋病菌が生産するエリシターとサ
プレッサーの、ATPase活性に対する作用を調べた
ところ、(1)エリシターは細胞壁ATPaseの活性
を非特異的に上昇させる事、(2)サプレッサーは宿主
非特異的にそれらの活性を阻害し、非宿主についてはエ
リシターと同様に上昇させる事を見出した。これらの結
果は、インビトロにおける感染、ATPase活性、さ
らに防御応答に対するサプレッサーの作用と完全に一致
している。また、細胞壁画分中にはNADH依存性のO
2 - 生成活性(ペルオキシダーゼ、POX)が存在し、
更に本O2 - 生成活性はATPaseと同様に病原菌シ
グナルによって制御されることから、細胞壁は病原菌シ
グナルの認識のみならず、その後の抵抗反応にも関与し
ているものと考えられる。即ち、細胞壁ATPaseは
エリシター及びサプレッサーのレセプターとして作用し
ており、そのATPaseを改変する事は、病原菌耐性
の付与において新たな手法を提供するものであり、細胞
壁ATPaseの遺伝子を単離して遺伝子解析を行うこ
とにより、本発明はそのような手法を提供するものであ
る。
【発明の実施の形態】
【0009】発明者らは病原菌シグナルに応答性を持つ
細胞壁画分ATPaseの精製を試みた。エンドウの黄
化子苗から細胞壁画分を調製し、細胞壁の蛋白質を可溶
化して精製する事により、エリシター、サプレッサーに
応答性を持つATPase複合体が精製された。そのア
ミノ酸配列を解析したところ、N末端12アミノ酸配列
(EEISXYAVVFDA)が明らかとなった。本発
明において、このアミノ酸配列の情報をもとにオリゴヌ
クレオチドを作成し、これをプライマーとしてエンドウ
から調製した相補的DNA(cDNA)から、リバース
トランスクリブターゼポリメラーゼ連鎖反応(RT−P
CR)及び5’−rapid amplificati
on of cDNA ends(5’−RACE)を
行うことにより、エリシター、サプレッサー結合蛋白質
遺伝子の単離を行った。その結果、配列表の配列番号3
に示す遺伝子、及び配列表の配列番号4に示す遺伝子を
単離し、それらの塩基配列を決定した。更に、得られた
遺伝子をを大腸菌により発現させて、組み換えATPa
seを得た。発現した組み換え蛋白質の性質を検討した
ところ、ATPase活性及びエリシター、サプレッサ
ー結合活性が認められた。
【0010】本発明のエンドウ黄化子苗由来の、2つの
細胞壁ATPase遺伝子の塩基配列は、配列表の配列
番号3に記載した塩基配列及び配列表の配列番号4に記
載した塩基配列により特定される。それらの遺伝子は、
エンドウ品種ミドリウスイ(Pisum sativu
m L.cv.Midoriusui)由来のヌクレオ
チドトリホスフェイト分解酵素(NTPase)をコー
ドする遺伝子であるため、PsNTPase−1遺伝子
及びPsNTPase−2遺伝子と名付けられた。本遺
伝子はATPaseとして単離されたが、実施例で示す
様に、細胞壁ATPaseはATPのみならず、ウリジ
ントリホスフェイト(UTP)、シチジントリホスフェ
イト(CTP)等の他のヌクレオチドトリホスフェイト
もまた基質として水解反応を触媒するため、その本質は
NTPaseである。
【0011】上述したように、PsNTPaseはエリ
シター、サプレッサーの受容体として作用していると考
えられ、PsNTPase−1遺伝子及びPsNTPa
se−2遺伝子は、受容体の改変という、新たな病原菌
耐性の付与の手段を提供するものである。遺伝子組み換
え技術によれば、基本となるDNAの特定の部位に、当
該DNAがコード化する物の基本的な特性を変化させる
ことなく、あるいはその特性を改善する様に、人為的に
変異を起こすことができる。本発明により提供される天
然の塩基配列を有する遺伝子、あるいは天然のものとは
異なる塩基配列を有する遺伝子に関しても、同様に人為
的に挿入、欠失、置換を行うことにより天然の遺伝子と
同等のあるいは改善された特性を有するものとすること
が可能であり、本発明はそのような変異遺伝子を含むも
のである。
【0012】また、PsNTPase−1遺伝子及びP
sNTPase−2遺伝子は同一のコーディング領域を
有し、当該コーディング領域の塩基配列は配列表の配列
番号2に記載した配列により特定される。その塩基配列
よりコードされる推定アミノ酸配列は、配列表の配列番
号1に記載した配列により、それぞれ特定される。多く
のアミノ酸については、それをコード化するDNAの塩
基配列は複数存在する。本発明で明らかにされた細胞壁
ATPaseのアミノ酸配列をコード化する遺伝子の場
合にも、そのDNAの塩基配列として、天然の遺伝子の
塩基配列以外にも、多数の塩基配列が存在する可能性が
ある。しかし、本発明の遺伝子は、天然のDNA塩基配
列のみに限定されるものではなく、本発明により明らか
にされた細胞壁ATPaseのアミノ酸配列をコード化
する、他のDNA塩基配列を含むものである。
【0013】これまで述べてきた本発明の概念を、図1
及び図2に示す。非病原菌による接触が起こった場合、
エリシターにより細胞壁ATPase(NTPase)
が活性化し、それに引き続き (1)ペルオキシダーゼ(POX)の活性化による活性
酸素の産生 (2)ビトロネクチン(VR)系を介してのポリホスホ
イニシチド(PI)代謝系の活性化による原形質膜AT
Paseの活性化 (3)ビトロネクチン系及びアクチン系を介して、又は
ビトロネクチン系及びポリホスホイニシチド代謝産物で
あるジアシルグリセロール(DAG)を介してのフィト
アレキシン等の防御物質の産生 等の現象が起こり、結果として感染は拒絶される。しか
し、サプレッサーの存在下においては上述したメカニズ
ムは作用せず、従って活性酸素の産生、防御物質の産生
は行われない。
【0014】本発明の遺伝子を植物に導入して形質転換
を行う方法、及び形質転換した植物もまた、本発明の範
囲内である。サプレッサーの認識が発病の成否及び種特
異性を担っていることを考えると、発明の細胞壁ATP
ase(NTPase)遺伝子を改変あるいは破壊する
ことにより、本来羅病性を示す植物体を抵抗性にする事
ができる。本発明の遺伝子中のサプレッサー結合部位を
改変し、サプレッサーに感受性を失ったPsNTPas
eを、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法、あ
るいはウイルスベクター法等の通常の形質転換方法によ
って、種々の植物を形質転換する事が可能である。ま
た、抵抗性植物のNTPaseを大量に異なる羅病性植
物内で発現させて、病害抵抗性にする事も可能である。
本発明の遺伝子は、種々の植物に導入する事が可能であ
り、導入可能な植物の例としてはエンドウの他、イネ、
トウモロコシ、アスパラガス、コムギ等の単子葉植物、
またシロイヌナズナ、タバコ、ニンジン、ダイズ、トマ
ト、ジャガイモ等の双子葉植物が挙げられる。以下に実
施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明
は、上述した例又は以下の実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術分野における通常の変更をする事が
できる。
【0015】
【実施例】(サプレッサー、エリシター結合蛋白質の分
離精製)エンドウの黄化子苗の細胞壁から、0.5M
NaClで可溶化した蛋白質より60〜80%飽和硫安
で沈殿する画分を回収し、30mM Tris−HCl
(pH7.6)に溶解し、分子量1万の限外濾過を行
い、内液を回収した。回収した蛋白質溶液をATP結合
アガロースゲル(Sigma)を詰めたカラムに供し、
50mM Tris−HCl(pH7.6)で洗浄した
後に0.5M NaClを含む同バッファーで洗浄する
事により、ATP結合蛋白質を採取した。100mM
NaClを含む20mM Tris−HCl(pH8.
0)で平衡化したモノQカラムに、得られたATP結合
蛋白質をを供し、同バッファーで洗浄後、NaCl 1
00〜250mMのリニアグラジエント(40分)で溶
出した。モノQカラムにより2回精製したところ、ほぼ
単一の蛋白質が得られた。精製の過程における活性の回
収率及び精製度を、表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】モノQカラム溶出画分をネイティブポリア
クリルアミドゲル電気泳動(Native−PAGE)
で分画し、Native−PAGEを行ったサンプルに
つき、銀染色(Silver)、ATPase活性染
色、ペルオキシダーゼ(POX)活性染色を行った(図
3)。銀染色については第一化薬の染色キットを使用し
た。ATPase活性染色は、電気泳動終了後、30m
M Tris−MES(pH6.5)で10分程度イン
キュベートし、終濃度3mM ATP、3mMMgSO
4 0.12%酢酸鉛を含む30mM Tris−MES
(pH6.5)中、25℃で1時間インキュベートし、
その後0.1%Na2 Sに浸す事により、バンドを検出
した。POXの活性染色は、電気泳動終了後、30mM
Tris−MES(pH6.5)で10分程度インキ
ュベートし、0.5mM過酸化水素、0.5mMオルト
−ジアニシジンを含む30mM Tris−MES(p
H6.5)中で25℃でインキュベートする事により、
バンドを検出した。図3において検出されたバンドは、
精製蛋白質とATPase、精製蛋白質とPOXの会合
を示唆するものである。
【0018】また、モノQカラム溶出画分をドデシル硫
酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE)で分画し、銀染色(Silver)、抗A
TP抗体によるウエスタン解析(ATPase)ATP
結合蛋白質(ABP)、、抗ホースラディッシュペルオ
キシダーゼ(HRP)抗体によるウエスタン解析(PO
X)を行った(図4)。ウエスタンブロッティングはT
ris−グリシンバッファーの系を用いてトランスファ
ーを行った後、ブロッキングを行い、酵素に対する特異
的な抗体を用いた通常のイムノブロッティングにより検
出を行った。ATP結合蛋白質は、精製蛋白質に1mM
5’−パラフルオロスルホニルベンゾイルアデノシン
(pfluorosulfonylbenzoylad
enosine:FSBA)(ATPバインディングプ
ロテインディテクションキット:ベーリンガー)を加
え、インキュベートした後に、電気泳動及びトランスフ
ァーした後、抗FSBA抗体、アルカリフォスファター
ゼ標識抗ウサギ二次抗体で処理して、発色試薬(BCI
P/NBT)でバンドを検出した。図4において60k
Da付近にバンドが認められ、やはり精製蛋白質とAT
Pase、精製蛋白質とPOXの会合が示された。
【0019】更に、モノQカラムで精製して得られたA
TPaseに、エリシター及びサプレッサーが及ぼす影
響を検討した。エリシターは褐紋病菌由来の高分子糖蛋
白エリシター(図5)、合成エリシターは合成エリシタ
ーNo.4(図6)、サプレッサーは、サプレッシンA
Bを含有する部分精製標品を用いた(図7)。モノQカ
ラムで精製した蛋白質画分と、ビオチン化ラベル合成エ
リシターあるいはビオチン化サプレッサーを30mM
Tris−MES(pH6.5)中において混合後、2
5℃で5分間インキュベートし、UVランプ(360n
m)を5分間照射し、SDS−PAGEを行う。その後
PVDF膜にブロットし、アルカリホスファターゼ結合
アビジンで処理を行い、アルカリホスファターゼの基質
であるCDP−starによる発光をX線フィルムで検
出した。尚、ビオチン化リガンド(エリシター、サプレ
ッサー)の調製は、基本的にレセプターバインディング
アナリシスキット(ベーリンガー)のプロトコールに従
って行った。イムノブロティングで検出したラベル化リ
ガンドの結合、及び非ラベル化エリシター、非ラベル化
サプレッサーによる結合の抑制を、図8に示す。
【0020】その結果、10μMのビオチン化合成エリ
シターに由来するシグナルが62.5kDaの位置に認
められ、1mMまたは5mMの非ラベル化合成エリシタ
ーの存在下(図8A)において、又は1000ppmま
たは5000ppmの褐紋病菌由来エリシターの存在下
(図8B)において、62.5kDaのシグナルは弱め
られた。ビオチン化サプレッサーに由来するシグナル
が、やはり62.5kDaの位置に認められ、1000
ppmまたは3000ppmの非ラベル化サプレッサー
の存在下において、62.5kDaのシグナルは弱めら
れた(図8C)。以上の結果は、モノQカラム精製画分
の蛋白質が、エリシター及びサプレッサーと結合する性
質を有する事を示している。
【0021】モノQカラムで精製した蛋白質をSDS−
PAGEで分離し、PVDF膜に転写した後、ポンソー
Sで染色した。上記のエリシター、サプレッサー結合蛋
白質に対応する染色バンドを確認して、切り抜いて洗浄
し、アプライドABI476Aプロテインシークエンサ
ーで、アミノ末端からアミノ酸配列を解析した。その結
果、アミノ末端12アミノ酸配列であるEEISXYA
VVFDAという塩基配列が明らかとなった
【0022】(全RNAの調製)エンドウ黄化子苗よ
り、全RNAの抽出を行った(Chomczynski
及びSacchi、1987の変法)。暗所で静置した
播種後6〜7日のエンドウ黄化子苗1gを、液体窒素で
凍らせながら、乳鉢でよく粉砕した。グアニジンイソチ
オシアネート可溶化バッファー10mlを加えよく混合
し、ポリプロピレンチューブに移した。続いて水飽和酸
性フェノール10mlと、2M酢酸ナトリウム(pH
4.0)1ml、クロロホルム・イソアミルアルコール
(49:1)4mlを加え、ボルテックスした後に、氷
上に15分間静置した。3500rpmで4℃にて10
分間遠心分離を行い、上層(水層)を別のポリプロピレ
ンチューブに移した。上層と等量のイソプロパノールを
加え、ー20℃で1時間静置した。10000rpmで
4℃にて15分間遠心分離を行い、RNAのペレットを
得た。再度、グアニジンイソチオシアネート可溶化バッ
ファー(グアニジンイソチオシアネート 47.3g、
3M 酢酸ナトリウム 0.833ml、N−ラウロイ
ルサルコシネートナトリウム 0.5g、β−メルカプ
トエタノール 0.76ml 総量100ml)1ml
に溶かし、0.5mlずつ2本の1.5ml用マイクロ
チューブに分配した。上の操作と同じ手順で、酸性フェ
ノール抽出を行い、イソプロパノールでペレットを沈殿
後、70%エタノール0.5mlで洗浄し、RNAのペ
レットを得た。ペレットを10〜15分間風乾した。ジ
エチルピロカルボネート(DEPC)処理水(0.01
%のDEPCで処理した蒸留水を、37℃で2時間静置
した後にオートクレーブしたもの)100μlに溶か
し、RNA溶液とした。胚軸1gから約100μgのR
NAが回収できた。
【0023】(RT−PCRの逆転写反応)上述の過程
より得たエンドウ黄化子苗由来全RNAを鋳型として、
逆転写反応を行い、得られたcDNAについて、アミノ
酸配列の情報(YAVVFDA)を基に合成した2種類
のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、RT−PC
Rを行った。5×RTバッファー 4μl、10mMd
NTP 2μl、リバーストランスクリプターゼ 1μ
l、RNA分解酵素インヒビター 1μl、全RNA
1.5g、にジエチルピロカルボネート処理水を添加し
て総量20μlにした反応液を、サーマルサイクラーで
42℃で60分間インキュベートする事により、逆転写
反応を行った。
【0024】(RT−PCRのPCR反応)逆転写反応
で得られた1本鎖cDNAを鋳型として、スーパータク
プレミックスキットを用いてPCRを行った。反応液は
1本鎖cDNA(1μg)1.5μl、オリゴdTプラ
イマー 1μl、オリゴヌクレオチドプライマー 1μ
l、タクDNAポリメラーゼ溶液より成る溶液であり、
当該反応液につきサーマルサイクラーでPCRを行っ
た。PCRの条件は、94℃で2分−50℃で30秒−
72℃で3分を1サイクル、94℃で30秒−50℃で
30秒−72℃で3分を30サイクル、94℃で30秒
−50℃で30秒−72℃で5分を1サイクル行った。
PCRによって得られたPCR産物をアガロースゲル電
気泳動し、増幅されたDNA断片の検出及びサイズ分画
を行った。使用したプライマーは、以下の通りである。
RT−PCRの産物について電気泳動を行ったところ、
約2.5k塩基対、2.0k塩基対、1.8k塩基対の
3本のバンドが検出された。 オリゴdTプライマー:GTC GAC TCT TGA(T)25 オリゴヌクレオチドプライマー P3:TAY GCN GTN GTN TTY GAY GCN Pa:TAY GCN GTN GTN TTY GAY GC
【0025】(DNAフラグメントの回収)上記の3本
のバンドについて、結合剤であるガラスミルクをDNA
を結合させ、単離した後に回収をする方法であるジーン
クリーンキットを用いて、アガロースゲルからのDNA
抽出を行った。電気泳動後のアガロースゲルをエチジウ
ムブロマイド溶液中で染色し、UVランプ上で検出され
た目的とするバンドを切り出して、1.5mlポリプロ
ピレンチューブに移した。ゲルの1/2量のTEB修飾
剤と、4.5倍量のNaIを加えて、あらかじめ温めて
おいた恒温槽(55℃)で完全に溶かした。ゲルの重さ
に相当する適当量のガラスミルクを加えて、シェーカー
で約5分間よく攪拌した。3000rpmで5分間遠心
分離を行い、得られたペレット(ガラスミルク/DNA
複合体)を洗浄した。洗浄後、ガラスミルクと同量の滅
菌水で溶解し、遠心分離をして、上清をDNA溶液とし
た。本操作により、約80%のDNAが回収できた。
【0026】(ベクターへの導入及び形質転換)回収し
たDNAを、トポTAクローニングキットを用いてTA
ベクターへ導入し、コンピテントセルへの形質転換を行
った。回収したDNA溶液とPCR−トポベクターとを
混合し、室温でインキュベーションする事により、ライ
ゲーション反応を行った。キットに含まれているコンピ
ーテントセルに、0.5M β−メルカプトエタノール
2μlを加えて混合した。氷上で30分間インキュベ
ートした後、42℃の恒温槽で30秒間ヒートショック
し、すぐに氷上で2分間急冷した。室温に戻しておいた
SOC培地(2%トリプトン、0.5%酵母抽出物、1
0mM NaCl、2.5mM KCl、10mM M
gCl2 、10mMMgSO4 、10mM グルコー
ス)250μlを加えて、37℃で30分間、水平下で
シェーカーでよく攪拌した。あらかじめ20mg/ml
X−gal40μlと100mM 40μlをプレ
ーティングしておいた、40μg/mlのアンピシリン
を含むLB寒天培地(バクトトリプトン 10g、酵母
抽出物 5.0g、NaCl 10gを1Lに溶解し
て、pH7.0に調整)上に、50〜100μlずつプ
レーティングした。37℃で約一晩インキュベートし、
インサートが挿入されていると思われる数個〜数十個の
白コロニーを得た。
【0027】上記の白コロニーを、50μlのLuri
a−Bertani(LB)液体培地を含むマイクロタ
イタープレート中に植菌し、37℃で一晩培養した。こ
の培養液にSDS含有のローディングバッファーを加え
た後、直接電気泳動して、目的とする遺伝子が導入され
ているか、推測をした。サイズマーカーとして、インサ
ートを含まないTAベクターをロードした。電気泳動
後、導入されたcDNAの存在が確認されたコロニーに
ついて、プラスミドの精製を行った。
【0028】(cDNAを含むプラスミドの調製)プラ
スミドの精製は、以下のように行った。上記白コロニー
を採取し、50μg/mlのアンピシリンを含む2ml
のLB液体培地に植菌し、37℃で一晩震盪培養を行っ
た。培養液をチューブに移し、12000rpmで1分
間、4℃で遠心分離した後、上清を捨ててペレットを得
た。ペレットを100μlの溶液1(50mM グルコ
ース、25mM Tris−HCl pH8.0、10
mMEDTA pH8.0)でよく懸濁し、室温で5分
間静置した後、200μlの溶液2(0.2M NaO
H、1% SDS)を加え、氷中に5分間置いた。その
後、150μlの溶液3(3M 酢酸カリウム、12%
酢酸)を加え、氷中に5分間置いた後、12000r
pmで5分間、4℃で遠心分離した後、上清を採取し
て、フェノール抽出及びエタノール沈殿を行い、得られ
たペレットを100μlの滅菌水に懸濁した。RNA分
解酵素(10mg/ml RNA分解酵素A、10mM
Tris−HCl pH7.5、15mM NaCl
100℃で15分間加熱)を1μl加え、37℃で2
時間反応させ、RNAを分解させた。その後、フェノー
ル抽出及びエタノール沈殿を行い、DNAを精製し、5
0μlの滅菌水をペレットを懸濁した。分光光度計で、
精製したDNAの濃度を測定し、精製されたプラスミド
の量を確認した。更に、以下に示す制限酵素処理、PC
R反応によって、インサートが導入されているかどうか
確認した。
【0029】(TAベクターの制限酵素処理)目的とす
る遺伝子を導入したTAベクターは、そのマルチクロー
ニングサイトの両側にEcoRIサイトを含んでおり、
EcoRI消化を行うことによって、インサートを切り
出し、電気泳動で確認した。即ち、反応液(EcoRI
1μl、10×バッファー 1μl、2本鎖DNA
(4〜6μg) 3μl、滅菌水5μl)を、37℃で
2ー3時間ないし一晩培養した後に、アガロースゲル電
気泳動を行い、インサートの確認を行った。
【0030】(制限酵素処理産物のPCR)TAベクタ
ー上の配列である、M13リバースプライマーと、M1
3(−20)フォワードプライマーで挟み込んで、PC
Rを行うことによって、目的とするDNA断片の増幅が
みられるかどうか確認した。反応液(M13リバースプ
ライマー 1μl、M13フォワードプライマー 1μ
l、dsDNA(1μg)1.5μl、Taq DNA
ポリメラーゼ溶液 47μl)につき、サーマルサイク
ラーで以下に示すPCRを行った。PCRの条件は、9
4℃で2分−50℃で30秒−72℃で3分を1サイク
ル、94℃で30秒−50℃で30秒−72℃で3分を
30サイクル、94℃で30秒−50℃で30秒−72
℃で5分を1サイクル行った。反応産物につき、アガロ
ースゲル電気泳動を行い、インサートの確認を行った。
【0031】(シークエンス反応)制限酵素処理後、P
CRによってインサートの確認のできたプラスミドDN
Aを鋳型としてPCRを行い、ABIオートシークエン
サーによる解析を行った。シークエンサーによる解析
は、ABI PRISM 310の、デオキシローダミ
ンターミネーターキットのプロトコールを用いた。プラ
イマーには、センス側については、TAベクター上の配
列であるM13リバースプライマー、内部配列が明らか
となった上流から約400塩基対、700塩基対付近の
配列を基に合成したプライマー(S9、P9S)、又、
アンチセンス側についてはTAベクター上の配列である
M13(−20)フォワードプライマー、内部配列が明
らかとなった下流から約200塩基対付近の配列を基に
合成したプライマー(P9a)を用いた。使用したプラ
イマーは、以下の通りである。 (1)センス側のプライマー M13RP:CAG GAA ACA GCT ATG AC S9:GAT GGA ACC CAA GAA GGT P9S:TCT CCT AAC CCT TGC CTT (2)アンチセンス側のプライマー M13FP:G TAA AAC GAC GGC CAG P9a:GAG AAA GAA GGG AGG AAT GAG
【0032】シークエンス解析を行った結果、RT−P
CRの産物を電気泳動することによって得られた2.5
k塩基対、2.0k塩基対のバンドについては、それぞ
れリポキシゲナーゼ、多剤耐性蛋白質と相同性が認めら
れたが、いずれも1塩基の読み枠のずれを生じていた。
一方、約1.8k塩基対のバンドについては、目的とす
る配列(YAVVFDA)をふくんであり、かつエンド
ウの核NTPaseと高い相同性が見られ、Krl.8
−9と名付けた。本クローン(Krl.8−9)につい
て詳細に解析を行ったところ、全長の塩基配列が明らか
となった。Krl.8−9は、ポリAテールを含めて、
1521塩基対の塩基から構成されており、412アミ
ノ酸をコードする翻訳領域を有していた。また、エンド
ウの核NTPaseとは、塩基レベルで98%、アミノ
酸レベルでは99%の相同性を示した。
【0033】(ファーストストランドcDNAの合成)
5’側の配列を解読するために、5’−RACEを行う
事を考え、5’−RACEに使用するcDNAの合成を
試みた。即ち、エンドウ黄化子苗から抽出した全RNA
を鋳型として、逆転写反応によって一本鎖cDNAの合
成を行った。RNAサンプル1μg(1〜4μl)、c
DNA合成プライマー(10μM)1μl、更に全量6
μlになるように滅菌水を加え、サーマルサイクラーで
70℃で2分間インキュベートした後に、氷上で2分間
急冷した。さらに、反応液(5×ファーストストランド
バッファー 2μl、dNTPミックス 1μl、NM
LBリバーストランスクリプターゼ 1μl 全量10
μl)をサーマルサイクラーで、42℃で1時間インキ
ュベーションし、ファーストストランドcDNAを得
た。尚、5×ファーストストランドバッファーの組成
は、250mM Tris(pH8.3)、30mM
MgCl2 、375mM KClである。
【0034】(セカンドストランドcDNAの合成)更
に、セカンドストランドcDNAの合成を行った。セカ
ンドストランドcDNAを合成する反応液(ファースト
ストランド反応液 10μl、5×セカンドストランド
バッファー 16μl、10mM dNTP混合物
1.6μl、20×セカンドストランド酵素カクテル
4μl、滅菌水 48.4μl、全量80μl)を穏や
かに混合し、サーマルサイクラーで16℃で30分間イ
ンキュベートした。尚、5×セカンドストランドバッフ
ァーの組成は、500mM KCl、50mM 硫酸ア
ンモニウム、25mM MgCl2 、0.75mM β
−NAD、100mM Tris(pH7.5)、0.
25mg/mlウシ血清アルブミンである。20×セカ
ンドストランド酵素カクテルの組成は、大腸菌DNAポ
リメラーゼ(6ユニット/μl)、大腸菌DNAリガー
ゼ(1.2ユニット/μl)、大腸菌RNA分解酵素H
(0.25ユニット/μl)である。0.2M EDT
A4μlを加え、2本鎖cDNAの合成を終了させた。
フェノール:クロロフォルム:イソアミルアルコール
(25:24:1)100μlを加え攪拌した後に、1
4000rpmで10分間遠心分離を行い、上層を採取
した。さらに、クロロホルム:イソアミルアルコール
(24:1)を100μl加え、攪拌した後に1400
0rpmで10分間遠心分離を行い、上層を採取した。
上層の約半分量の4M酢酸アンモニウム、2.5倍量の
100%エタノールを加え、十分ボルテックスした後
に、14000rpmで室温にて遠心分離を行い、セカ
ンドストランドcDNAのペレットを得た。80%エタ
ノール300μlで洗浄し、得られたDNAペレットを
約10分間乾燥させた後に、滅菌水10μlに溶かし
た。
【0035】(アダプターライゲーション)合成した2
本鎖cDNAの半分量(5μl)を用いて、アダプター
の付加を行った。反応液(2本鎖cDNA 5μl、1
0μM マラソンcDNAアダプター 2μl、5×D
NAライゲーションバッファー 2μl、T4DNAリ
ガーゼ 1μl、全量10μl)をサーマルサイクラー
で16℃にて一晩インキュベートした。尚、5×DNA
ライゲーションバッファーの組成は、250mM Tr
is−HCl(pH7.8)、50mM MgCl2
5mM ジチオスレイトール、25%ポリエチレングリ
コール(分子量8000)である。70℃で5分間加熱
してライゲーション反応を終了させ、トライシン−ED
TAバッファーを90μl加えて100μlとした。本
DNA溶液を、5’−RACEに用いた。
【0036】前記クローン(Krl.8−9)の更に上
流の塩基配列を明らかにするために、アミノ酸配列の情
報(YAVVFDA)に相当するKrl.8−9、エン
ドウの核NTPaseの塩基配列を基にアンチセンスプ
ライマー(A−P3、A−NTP)を作製し、5’−R
ACEを行った。前項の2本鎖cDNAを鋳型として、
上述のアンチセンスプライマー及びアダプタープライマ
ー(API)を用いて、RT−PCRと同様の手順でP
CRを行い、得られたDNA断片をTAベクターに導入
し、大腸菌に形質転換した後、シークエンス解析を行っ
た。使用したプライマーは、以下の通りである。 A−P3:GGC ATC GAA GAC TAC AGC ATA A−NTP:AGC ATC GAA TAC TAC AGC GTA AP1:CCA TCC TAA TAC GAC TCA CTA TAG GGC
【0037】5’−RACEを行った結果、A−NTP
プライマーでは2種のDNA断片、A−P3プライマー
では1種のDNA断片の増幅が認められた。これらのD
NA断片に関して、4%アクリルアミドゲルを用いてサ
イズの解析を行ったところ、A−P3プライマーで増幅
されるDNA断片は数十塩基対と非常に小さく、A−N
TPプライマーでは数十塩基対と、250塩基対付近に
更に2本のDNA断片の増幅が認められた。また、プラ
イマーのみのコントロール実験を行ったところ、数十塩
基対のDNA断片の増幅が認められた。以上の結果か
ら、A−NTPプライマー、A−P3プライマーで増幅
された共通の数十塩基対のDNAは、プライマーのみで
増幅される非特異的なDNA断片であることが判った。
そこで、A−NTPプライマーで増幅が見られた2本の
バンドについて、同様にシークエンス解析を行ったとこ
ろ、全塩基配列が明らかとなった。本クローンは、それ
ぞれ、191及び174塩基対の塩基から構成されてお
り、いずれもエンドウの核NTPaseと高い相同性を
示した。また、両クローン間においては、5’側の非翻
訳領域の長さに違いが認められたものの、その他につい
てはほとんど同じであった。
【0038】(NTPaseホモログの全塩基配列の決
定)全長cDNAを得るために、5’−RACEで明ら
かとなった5’側の配列を基に、2種類のプライマーを
作製し、RT−PCRを行った。使用したプライマー
は、以下の通りである。 プライマー1:CTC TAA ATT GTT TAC CCT ACA プライマー2:CTG GAG CTA CCT AGT TTC TCT 2種類のプライマーのいずれを用いた場合においても、
RT−PCRによって増幅されるDNA断片として、約
1.7kbのバンドが検出された。本クローンについて
も、全長の塩基配列の決定をした。後に示すように、得
られた遺伝子がコードする酵素はATP、CTP、UT
P等の種々のヌクレオチドトリホスフェイトを基質とし
て分解する活性を有することから、プライマー1より得
た塩基配列をPsNTPase1(Pisum sat
ivum由来NTPase1)遺伝子と名付け、その配
列を配列表の配列番号3及び図9に示す。また、プライ
マー2より得た塩基配列をPsNTPase2(Pis
um sativum由来NTPase2)遺伝子と名
付け、その配列を配列表の配列番号4及び図10に示
す。
【0039】NTPaseのホモログをコードする遺伝
子であるPsNTPase1遺伝子、PsNTPase
2遺伝子は、それぞれ1697、1667塩基から構成
されていた。両クローン間において翻訳領域には差が認
められなかったが、5’側と3’側の非翻訳領域の配列
及び長さの違いが認められた。両クローンにおいて共通
している翻訳領域は、455アミノ酸をコードしてい
た。PsNTPase1遺伝子とPsNTPase2遺
伝子において共通している、翻訳領域の塩基配列を配列
表の配列番号2に、推定アミノ酸配列を配列表の配列番
号1に、それぞれ示す。エンドウの核NTPase(N
−NTPase)との比較を行うと、アミノ酸レベルで
は99%、塩基レベルでは98%の相同性が認められた
が、3’側の非翻訳領域では複数の塩基が核NTPas
eと異なっていた。この結果から、エンドウには複数の
NTPase遺伝子が存在する可能性が示唆された。更
に、PsNTPase1遺伝子、PsNTPase2遺
伝子に由来する推定アミノ酸配列をPROSITEを用
いて解析すると、両クローンアミノ酸配列中には、複数
のリン酸化部位、2か所の糖鎖修飾部位、及びアミノ化
部位、脂質等の修飾を受けるミリスチル化部位、又、ジ
ャガイモのアピラーゼ(St−Apyrase)等でみ
られる共通保存配列(apyrase conserv
ative region:ACR1−4)を含んでい
た(図11)。ACRの領域は、おそらくATP、AD
P、NTPaseの酵素活性に関連した保存配列である
と推定できる。また、生化学的に精製された蛋白質の分
子量は、約60kDaであるのに対し、得られたcDN
Aのオープンリーディングフレームから予想される蛋白
質の分子量は約50kDaであった。この結果から、P
sNTPase1、PsNTPase2は翻訳後に糖鎖
等の修飾を受けている可能性が示された。
【0040】本発明の遺伝子の機能を確認するために、
PsNTPase2遺伝子の、発現システムを構築し
た。即ち、PsNTPase2遺伝子の翻訳領域の全長
を、大腸菌発現用pET−16bベクターに挿入する事
を試みた。両端にBamHIサイトを付加したプライマ
ーを調製し、定法どうりPCR反応(変性反応94℃
[2分]で30秒間、アニーリング50℃で30秒間、
伸長72℃で3分間:30サイクル)を行い、増幅DN
A断片をBamHIで37℃で一晩消化した。消化した
サンプルを電気泳動した後、DNA断片を消化した。 センスプライマー:5-CGC GGA TCC GAC GGA GTT CCT TA
T TAA ACT-3 アンチセンスプライマー:5-CGC GGA TCC TTA AAC AAA
ATA CAT CAA TCG-3
【0041】(pET−16bベクターの調製)pET
−16bベクターを挿入した大腸菌(DH5a)より調
製したpET−16bプラスミド(10μg)をBam
HI消化(37℃で3時間)、フェノール・クロロホル
ム・イソアミルアルコール(PCI)処理、子牛小腸ア
ルカリホスファターゼ処理(37℃で30分、65℃で
30分)、更にPCI処理(2回)、子牛小腸アルカリ
ホスファターゼ処理を行った後、電気泳動によって切断
されたプラスミドのみを回収した。そのようにして調製
したベクター(1μl)、DNA断片(9μl)、タカ
ラライゲーションキットver.2(10μl)を混合
し、ブロックインキュベーター中で16℃で3時間反応
し、ライゲーションを行った。このライゲーションサン
プルを、エタノール沈殿(70%エタノール洗浄2
回)、滅菌水に懸濁後、コンピテントセル(大腸菌PM
109)にエレクトロポレーション法によって導入し
た。このセルをアンピシリンを添加したLBプレート上
で一晩静置したところ、400個の形質転換コロニーが
得られた。
【0042】(クローンの選抜)得られたクローンを、
アンピシリン含有LB液体培地(30μl)を入れた9
6穴マイクロタイタープレート内で培養し(8時間〜一
晩)、菌体をローディングバッファーと混合し、0.8
%アガロースゲルにて電気泳動、インサートを含まない
プラスミドと比較して、移動度の低い擬陽性クローンを
選抜した。その結果、96サンプル中16サンプルの確
率で、擬陽性クローンが得られた。これら擬陽性クロー
ンの菌体を鋳型に、T7プロモーター+T7ターミネー
ター、T7プロモーター+NTPasePet(a)プ
ライマーを用いてPCR反応(変性反応94℃[5分、
1サイクル]で30秒間、アニーリング50℃で30秒
間、伸長72℃で3分間:30サイクル)を行った後、
0.8%アガロースゲルにて電気泳動した。増幅DNA
断片サイズ、及びインサートの方向性を確認した。その
結果、12サンプル中2サンプルの確率で、陽性クロー
ンが得られた。
【0043】これらの陽性クローンをアンピシリン含有
LB液体培地(2ml)で一晩培養し、定法によってプ
ラスミド調製を行った後、RNA分解酵素処理(2時
間)後、BamHI、EcoRI、HindIII、N
deI、XhoIによって3時間消化した。0.8%ア
ガロースゲルにて電気泳動後、切り出されるDNA断片
のサイズからインサートのサイズ及び方向性を確認し
た。その結果、2サンプル中2サンプルの確率で、陽性
クローンが得られた。そのようにして得られた陽性クロ
ーンについて、T7プロモーター及びターミネータープ
ライマーを用いてシークエンス解析を行い、クローニン
グサイトの配列及びインサートの配列をチェックした。
その結果、2サンプル中2サンプルの確率で、陽性クロ
ーンが得られ、NTPaseの翻訳領域を確認した。
【0044】(蛋白質の発現誘導)上記の方法によりで
得られた陽性クローンより得たプラスミド(1μg)に
ついて、コンピテントセル(BL21(DE3))に、
ヒートショック法によって形質転換し、アンピシリン含
有LBプレート上で一晩静置した。その結果、約400
個のコロニーが得られた。この様にして得られたコロニ
ーを5つピックアップし、アンピシリン含有LBプレー
ト上で培養し、マスタープレートを作成した。同時にア
ンピシリン含有LB液体培地(2ml)で培養し、OD
600が0.6程度になるまで培養し、培養液の一部
(200μl)をエッペンドルフチューブ中で氷上で保
存した(誘導前サンプル)。残りの培養液にを最終濃度
1mMになるように添加し、蛋白質の発現を誘導した。
3時間培養後、培養液の一部(200μl)をエッペン
ドルフチューブに移し、氷上で5分静置後、誘導前サン
プルと同時に遠心分離(10000rpm、5分)後、
大腸菌懸濁バッファーに懸濁し、蛋白質をSDS−PA
GEにより分画する事により、融合蛋白質の発現を確認
した。
【0045】(融合蛋白質の精製)融合蛋白質の発現が
認められたクローンについて、アンピシリン含有液体培
地(2ml)で一晩培養し、アンピシリン液体培地(1
00ml)のラージスケールで培養した。OD600が
0.6程度になるまで培養し、培養液にを添加して(最
終濃度1mM)、蛋白質の発現を誘導した。大腸菌を遠
心分離によって回収し、5mlのBE−PCRで懸濁
し、10分間震盪した後、遠心分離によって可溶性画分
(上清)、及び不溶性画分(沈殿)を得た。得られた可
溶性画分を、ニッケルカラム(クイックカラム)を用い
て精製した。ニッケルカラムを結合バッファーで洗浄
(15ml:5ml/min)後、溶出バッファー(1
0ml:自然落下)によって融合蛋白質の溶出を行う。
サンプルは1ml毎に分取し、蛋白質の存在する画分
(蛋白質量の定量)について、SDS−PAGEによっ
て精製度を確認した。その結果、融合蛋白質に由来す
る、50kDaのメジャーな蛋白質が確認された(図1
2)。
【0046】(ビオチン化エリシター及びサプレッサー
との結合実験)融合蛋白質と、ビオチン化エリシター及
びビオチン化サプレッサーとの結合を検討した。精製し
た融合蛋白質と、ビオチン化合成エリシター(No.
4)あるいはビオチン化サプレッサー(サプレッシンA
Bを含有する部分精製標品)とを混合した後、25℃で
5分間インキュベートし、UVランプ(360nm)を
5分間照射し、SDS−PAGEを行う。その後PVD
F膜にブロットした後、ホースラディッシュパーオキシ
ダーゼ結合アビジンと反応させる事により、ビオチン化
エリシターと結合した蛋白質を、ホースラディッシュパ
ーオキシダーゼの発色試薬により検出した(図13)。
使用したエリシターの濃度は2、10、20、40μM
であり、又、使用したサプレッサーの濃度は1、10、
20、40μg/mlである。エリシターとの結合の結
果を結果を図13左に、サプレッサーとの結合の結果を
図13右に示す。図13より、ビオチン化エリシター及
びビオチン化サプレッサーの濃度に依存したシグナル強
度の上昇が認められ、精製した融合蛋白質とエリシター
及びサプレッサーの結合が認められた。
【0047】融合蛋白質とエリシター及びサプレッサー
の結合を確認するために、非ラベル化エリシター及び非
ラベル化サプレッサーを用いて拮抗実験を行った(図1
4)。即ち、20μMのビオチン化エリシターの存在下
における褐紋病菌エリシター(褐紋病菌由来の高分子糖
蛋白エリシター:非ラベル化エリシター)の影響を検討
したところ、非ラベル化エリシターの存在によりシグナ
ル強度が低下した(図14左)。また、10μg/ml
のビオチン化サプレッサーの存在下における褐紋病菌エ
リシター(非ラベル化エリシター)の影響を検討したと
ころ、非ラベル化エリシターの存在によりシグナル強度
が、やはり低下した(図14右)。これらの結果は、精
製した融合蛋白質と、エリシター及びサプレッサーとの
結合を支持するものである。
【0048】(融合蛋白質のATPase活性の測定)
融合蛋白質のATPase活性を検討した。尚、2μg
の蛋白質を用いて、定法(Perlin and Sp
answick法)により、アッセイを行った。3mM
の基質、3mMのMgSO4 、2μgの蛋白質、30m
MTris/MESバッファー(pH6.5)より成る
25μlの反応液を調製し、25℃で20分間インキュ
ベートした後、0.42%モリブデン酸アンモニウムと
10%アスコルビン酸を5:1に混合した溶液50μl
を加え、25℃で5分間インキュベートした後、820
nmの吸光度で活性を測定した。融合蛋白質の蛋白質量
と、ATPase活性の関係とを検討したところ(図1
5)、蛋白質量に依存したATPase活性が認められ
た。
【0049】更に、融合蛋白質のATPase活性に及
ぼす、エリシター(褐紋病菌由来の高分子糖蛋白エリシ
ター)又はサプレッサー(サプレッシンABを含有する
部分精製標品)の影響を検討した(図16)。エリシタ
ー又はサプレッサーを添加しない場合(WC)のATP
ase活性と比較して、100ppmのエリシター存在
下(E)においてATPase活性は上昇したが、10
0ppmのサプレッサー存在下(S)においてATPa
se活性はほぼ消失した。100ppmのエリシターと
100ppmのサプレッサーの共存下(E+S)におい
ては、部分的なATPase活性が認められた。更に、
エリシター濃度及びサプレッサー濃度を変えて検討を行
った(図17)。0、10、50、100、200μg
/mlのエリシター、又は0、10、50、100、2
00μg/mlのサプレッサーを用いて検討したとこ
ろ、ATPase活性はエリシターの濃度に依存して活
性化され、100μg/mlのエリシターで最大に達し
た(図17黒丸:E)。一方サプレッサーは濃度依存的
にATPase活性を阻害し、200μg/mlのサプ
レッサーでは、ATPase活性は100%阻害された
(図17白丸:S)。対象区として誘導前の大腸菌可溶
化画分のATPase活性を調べたところ、100μg
/mlのエリシターで活性化されず、また、100μg
/mlのサプレッサーでも阻害されなかった。
【0050】(融合蛋白質の酵素活性の諸性質)また、
3mMのアデノシントリホスフェイト(ATP)、シチ
ジントリホスフェイト(CTP)、グアノシントリホス
フェイト(GTP)、ウリジントリホスフェイト(UT
P)、パラニトロフェニルリン酸(pNPP)、ピロリ
ン酸(PPi)を用いて基質特異性を検討した、その結
果、基質としての使用されやすさは、CTP>UTP>
ATP>GTP>PPi>pNPPの順番であり(図1
8)、得られた酵素はATPaseというより、より基
質の幅が広いNTPaseである事が示された。尚、ア
ミノ酸配列が類似するエンドウ核ATPaseの基質特
異性は、ATP>UTP>CTP>GTPの順番であ
り、細胞膜ATPaseと比較して基質特異性が異なっ
ている。
【0051】融合蛋白質のATPase活性に及ぼす、
各種阻害剤の影響を検討した。1mMのオルトバナジン
酸(VO4)、50mMの硝酸ナトリウム(NO3)、
1mMのアジ化ナトリウム(N3)、5μg/mlのク
エルセチン(Qc)の存在下における、2μgの融合蛋
白質のATPase活性を測定したところ、阻害剤の非
存在下(WC)と比較して、オルトバナジン酸により酵
素活性は強く阻害されたが、硝酸ナトリウム、アジ化ナ
トリウム、クエルセチンでは全く阻害されなかった(図
19)。エンドウ核ATPaseはクエルセチンにより
強く阻害されるが、バナジン酸によっては阻害されない
事、また、同じく配列が類似するジャガイモアピラーゼ
(St−apyrase)はアジ化ナトリウムによって
強く阻害される事、が知られているが、それらとの違い
が認められた。更に、3mMのマグネシウムイオン(M
2+)、マンガンイオン(Mn2+)、カルシウムイオン
(Ca2+)を用いて融合蛋白質の二価イオン要求性を検
討したところ、これら二価イオンの存在下で融合蛋白質
のATPase活性は促進され、促進作用の強度は、マ
グネシウムイオン>マンガンイオン>カルシウムイオン
の順番であった(図20)。
【0052】
【発明の効果】本発明により、エンドウ由来の植物細胞
壁NTPase、及び当該酵素をコードする遺伝子であ
るPsNTPase−1遺伝子及びPsNTPase−
2遺伝子が与えられた。細胞壁NTPaseは植物の防
御系の情報伝達に深く関与する酵素であると共に、病原
菌のエリシター及びサプレッサーと結合する事から、本
発明の遺伝子を植物に導入する事により、植物に病害抵
抗性を付与する事が可能である。
【0053】
【配列表】 <110>出願人氏名:京都大学長 <120>発明の名称:病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病 害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドト リホスフェイト分解酵素 <160>配列の数:4 <210>配列番号:1 <211>配列の長さ:455 <212>配列の型:アミノ酸 <213>起源:Pisum sativum L.cv.Midoriusu i黄化子苗 <400>配列 MEFLIKLITF LLFSMPAITS SQYLGNNLLT SRKIFLKQEE ISSYAVVFDA GSTGSRIHVY 60 HFNQNLDLLH IGKGVEYYNK ITPGLSSYAN NPEQAAKSLI PLLEQAEDVV PDDLQPKTPV 120 RLGATAGLRL LNGDASEKIL QSVRDMLSNR STFNVQPDAV SIIDGTQEGS YLWVTVNYAL 180 GNLGKKYTKT VGVIDLGGGS VQMAYAVSKK TAKNAPKVAD GDDPYIKKVV LKGIPYDLYV 240 HSYLHFGREA SRAEILKLTP RSPNPCLLAG FNGIYTYSGR RFKATAYTSG ANFNKCKNTI 300 RKALKLNYPC PYQNCTFGGI WNGGGGNGQK NLFASSSFFY LPEDTGMVDA STPNFILRPV 360 DIETKAKEAC ALNFEDAKST YPFLDKKNVA SYVCMDLIYQ YVLLVDGFGL DPLQKITSGK 420 EIEYQDAIVE AAWPLGNAVE AISALPKFER LMYFV 455 <210>配列番号:2 <211>配列の長さ:1368 <212>配列の型:核酸 <213>起源:Pisum sativum L.cv.Midoriusu i黄化子苗 <400>配列 ATGGAGTTCC TTATTAAACT TATCACTTTT CTACTATTTT CTATGCCTGC AATCACTTCC 60 TCCCAATACT TAGGAAACAA CCTACTCACC AGTAGAAAGA TTTTCCTAAA ACAAGAGGAA 120 ATTTCCTCTT ACGCTGTAGT ATTCGATGCC GGTAGCACTG GTAGTCGCAT TCATGTTTAC 180 CATTTTAACC AGAACTTAGA CCTTCTTCAT ATTGGCAAAG GTGTCGAGTA TTATAATAAG 240 ATAACACCTG GTTTGAGTTC ATACGCTAAT AATCCAGAAC AGGCTGCAAA ATCTCTCATT 300 CCACTTTTAG AGCAAGCAGA AGATGTCGTC CCCGACGATC TTCAACCCAA GACACCCGTT 360 AGACTTGGGG CAACTGCCGG TTTAAGGCTT TTGAATGGAG ATGCTTCTGA AAAGATATTG 420 CAATCGGTAA GGGATATGCT GAGCAACAGA AGTACCTTCA ACGTTCAACC AGACGCAGTT 480 TCTATAATTG ATGGAACCCA AGAAGGTTCT TATCTATGGG TGACAGTTAA CTATGCATTG 540 GGAAATTTAG GGAAAAAGTA CACAAAAACA GTTGGAGTAA TAGATCTTGG AGGTGGATCA 600 GTTCAAATGG CGTATGCAGT ATCAAAGAAA ACTGCTAAAA ATGCTCCAAA AGTTGCAGAT 660 GGAGATGATC CATACATCAA GAAGGTTGTA CTCAAGGGAA TACCATATGA TCTTTATGTT 720 CACAGTTACT TACACTTTGG TAGAGAAGCA TCTCGAGCCG AGATTTTGAA GCTCACTCCT 780 CGTTCTCCTA ACCCTTGCCT TTTAGCTGGA TTTAATGGAA TCTATACATA TTCAGGGAGA 840 AGATTTAAGG CAACTGCTTA CACTTCTGGT GCAAACTTTA ATAAATGCAA AAACACAATT 900 CGTAAGGCTC TTAAGTTGAA CTATCCATGT CCATATCAGA ATTGCACTTT TGGTGGAATT 960 TGGAATGGTG GAGGAGGAAA TGGACAGAAA AACCTTTTTG CTTCTTCATC TTTCTTTTAC 1020 CTACCTGAAG ATACCGGTAT GGTTGATGCA AGCACACCTA ATTTCATACT TCGGCCGGTC 1080 GATATTGAGA CTAAAGCTAA AGAAGCTTGC GCGTTAAACT TCGAGGATGC GAAATCTACT 1140 TATCCATTTC TTGATAAGAA AAATGTAGCT TCATATGTAT GCATGGATCT TATATATCAG 1200 TATGTGTTAC TCGTTGATGG ATTTGGTCTT GATCCATTGC AAAAGATTAC ATCAGGGAAG 1260 GAAATTGAAT ACCAAGATGC TATTGTGGAA GCTGCATGGC CTCTAGGCAA TGCTGTAGAA 1320 GCCATATCAG CTTTACCTAA ATTTGAGCGA TTGATGTATT TTGTTTAA 1368 <210>配列番号:3 <211>配列の長さ:1697 <212>配列の型:核酸 <213>起源:Pisum sativum L.cv.Midoriusu i黄化子苗 <400>配列 CTCTAAATTG TTTACCCTAC ACAAATGGAG TTCCTTATTA AACTTATCAC TTTTCTACTA 60 TTTTCTATGC CTGCAATCAC TTCCTCCCAA TACTTAGGAA ACAACCTACT CACCAGTAGA 120 AAGATTTTCC TAAAACAAGA GGAAATTTCC TCTTACGCTG TAGTATTCGA TGCCGGTAGC 180 ACTGGTAGTC GCATTCATGT TTACCATTTT AACCAGAACT TAGACCTTCT TCATATTGGC 240 AAAGGTGTCG AGTATTATAA TAAGATAACA CCTGGTTTGA GTTCATACGC TAATAATCCA 300 GAACAGGCTG CAAAATCTCT CATTCCACTT TTAGAGCAAG CAGAAGATGT CGTCCCCGAC 360 GATCTTCAAC CCAAGACACC CGTTAGACTT GGGGCAACTG CCGGTTTAAG GCTTTTGAAT 420 GGAGATGCTT CTGAAAAGAT ATTGCAATCG GTAAGGGATA TGCTGAGCAA CAGAAGTACC 480 TTCAACGTTC AACCAGACGC AGTTTCTATA ATTGATGGAA CCCAAGAAGG TTCTTATCTA 540 TGGGTGACAG TTAACTATGC ATTGGGAAAT TTAGGGAAAA AGTACACAAA AACAGTTGGA 600 GTAATAGATC TTGGAGGTGG ATCAGTTCAA ATGGCGTATG CAGTATCAAA GAAAACTGCT 660 AAAAATGCTC CAAAAGTTGC AGATGGAGAT GATCCATACA TCAAGAAGGT TGTACTCAAG 720 GGAATACCAT ATGATCTTTA TGTTCACAGT TACTTACACT TTGGTAGAGA AGCATCTCGA 780 GCCGAGATTT TGAAGCTCAC TCCTCGTTCT CCTAACCCTT GCCTTTTAGC TGGATTTAAT 840 GGAATCTATA CATATTCAGG GAGAAGATTT AAGGCAACTG CTTACACTTC TGGTGCAAAC 900 TTTAATAAAT GCAAAAACAC AATTCGTAAG GCTCTTAAGT TGAACTATCC ATGTCCATAT 960 CAGAATTGCA CTTTTGGTGG AATTTGGAAT GGTGGAGGAG GAAATGGACA GAAAAACCTT 1020 TTTGCTTCTT CATCTTTCTT TTACCTACCT GAAGATACCG GTATGGTTGA TGCAAGCACA 1080 CCTAATTTCA TACTTCGGCC GGTCGATATT GAGACTAAAG CTAAAGAAGC TTGCGCGTTA 1140 AACTTCGAGG ATGCGAAATC TACTTATCCA TTTCTTGATA AGAAAAATGT AGCTTCATAT 1200 GTATGCATGG ATCTTATATA TCAGTATGTG TTACTCGTTG ATGGATTTGG TCTTGATCCA 1260 TTGCAAAAGA TTACATCAGG GAAGGAAATT GAATACCAAG ATGCTATTGT GGAAGCTGCA 1320 TGGCCTCTAG GCAATGCTGT AGAAGCCATA TCAGCTTTAC CTAAATTTGA GCGATTGATG 1380 TATTTTGTTT AAGTTTCTTA GATATAGTAA TAAGATCAAC TCATCAAATA AAAATTTCAG 1440 TTGACCCTAG TTTTTATAGG GAGAAGTTTT GCCTTCTCTC TATCTCATTC CTCCCTTCTT 1500 TCTCACCATC AAAGAAAGAT GATTTTTTGG TCTTTTTGAT CTGAAATCAT CTATCATCTA 1560 CATCTTTTTT TATTTTAATA ATGTTGAATT TGTGTTGTTT CTATCAATTT AAATTAATGA 1620 ATGTTTTTTT AGTAAAAAAA TAATATTTCA TCTGTTTCAT AATAATTGTC ATATTTAAAA 1680 ATAAAAAAAA AAAAAAA 1697 <210>配列番号:4 <211>配列の長さ:1667 <212>配列の型:核酸 <213>起源:Pisum sativum L.cv.Midoriusu i黄化子苗 <400>配列 CTGGAGCTAC CTAGTTTCTC TAAATTGTTT ACCCTACACA AATGGAGTTC CTTATTAAAC 60 TTATCACTTT TCTACTATTT TCTATGCCTG CAATCACTTC CTCCCAATAC TTAGGAAACA 120 ACCTACTCAC CAGTAGAAAG ATTTTCCTAA AACAAGAGGA AATTTCCTCT TACGCTGTCG 180 TATTCGATGC TGGTAGCACT GGTAGTCGCA TTCATGTTTA CCATTTTAAC CAGAACTTAG 240 ACCTTCTTCA TATTGGCAAA GGTGTCGAGT ATTATAATAA GATAACACCT GGTTTGAGTT 300 CATACGCTAA TAATCCAGAA CAGGCTGCAA AATCTCTCAT TCCACTTTTA GAGCAAGCAG 360 AAGATGTCGT CCCCGACGAT CTTCAACCCA AGACACCCGT TAGACTTGGG GCAACTGCCG 420 GTTTAAGGCT TTTGAATGGA GATGCTTCTG AAAAGATATT GCAATCGGTA AGGGATATGC 480 TGAGCAACAG AAGTACCTTC AACGTTCAAC CAGACGCAGT TTCTATAATT GATGGAACCC 540 AAGAAGGTTC TTATCTATGG GTGACAGTTA ACTATGCATT GGGAAATTTA GGGAAAAAGT 600 ACACAAAAAC AGTTGGAGTA ATAGATCTTG GAGGTGGATC AGTTCAAATG GCGTATGCAG 660 TATCAAAGAA AACTGCTAAA AATGCTCCAA AAGTTGCAGA TGGAGATGAT CCATACATCA 720 AGAAGGTTGT ACTCAAGGGA ATACCATATG ATCTTTATGT TCACAGTTAC TTACACTTTG 780 GTAGAGAAGC ATCTCGAGCC GAGATTTTGA AGCTCACTCC TCGTTCTCCT AACCCTTGCC 840 TTTTAGCTGG ATTTAATGGA ATCTATACAT ATTCAGGCAG AAGATTTAAG GCAACTGCTT 900 ACACTTCTGG TGCAAACTTT AATAAATGCA AAAACACAAT TCGTAAGGCT CTTAAGTTGA 960 ACTATCCATG TCCATATCAG AATTGCACTT TTGGTGGAAT TTGGAATGGT GGAGGAGGAA 1020 ATGGACAGAA AAACCTTTTT GCTTCTTCAT CTTTCTTTTA CCTACCTGAA GATACCGGTA 1080 TGGTTGATGC AAGCACACCT AATTTCATAC TTCGGCCGGT CGATATTGAG ACTAAAGCTA 1140 AAGAAGCTTG CGCGTTAAAC TTCGAGGATG CGAAATCTAC TTATCCATTT CTTGATAAGA 1200 AAAATGTAGC TTCATATGTA TGCATGGATC TTATATATCA GTATGTGTTA CTCGTTGATG 1260 GATTTGGTCT TGATCCATTG CAAAAGATTA CATCAGGGAA GGAAATTGAA TACCAAGATG 1320 CTATTGTGGA AGCTGCATGG CCTCTAGGCA ATGCTGTAGA AGCCATATCA GCTTTACCTA 1380 AATTTGAGCG ATTGATGTAT TTTGTTTAAG TTTCTTAGAT ATAGTAATAA GATCAACTCA 1440 TCAAATAAAA ATTTCAGTTG ACCCTAGTTT TTAGAGGGAG AAGTTTTGCC TTCTCTCTAT 1500 CTCATTCCTC CCTTCTTTCT CACCATCAAA GAAAGATGAT TTTTTGGTCT TTTTGATCTG 1560 AAATCATCTA TCATCTACAT CTTTTTTTAT TTTAATAATG TTGAATTTGT GTTGTTTCTA 1620 TCAATTTAAA TTAATGAATG TTTTTTTAGT AAAAAAAAAA AAAAAAA 1667
【図面の簡単な説明】
【図1】 非病原菌の接触で拒絶反応が誘導される場合
に、植物細胞で起こる情報伝達の機構を示した図であ
る。
【図2】 病原菌の接触で感染が誘導される場合に、植
物細胞で起こる情報伝達の機構を示した図である。
【図3】 エンドウ細胞壁より精製した細胞壁ATPa
seをNative−PAGEで分離して、銀染色、A
TPase活性染色、ペルオキシダーゼ活性染色を行っ
た結果を示す写真である。
【図4】 エンドウ細胞壁より精製した細胞壁ATPa
seをSDS−PAGEで分離して、銀染色、抗ペルオ
キシダーゼ抗体を用いたイムノブロッティング、ATP
aseの検出、抗ATPase抗体を用いたイムノブロ
ッティングを行った結果を示す写真である。
【図5】 褐紋病菌由来の高分子糖蛋白質エリシターの
化学構造を示す図である。
【図6】 合成エリシターNo.4の化学構造を示す図
である。
【図7】 サプレッシンA及びサプレッシンBの化学構
造を示す図である。
【図8】、エンドウ細胞壁より精製した細胞壁ATPa
seと、ビオチン化アゴニスト(エリシター、サプレッ
サー)との結合を示す写真である。
【図9】 PsNTPase1遺伝子の塩基配列及び遺
伝子がコードする推定アミノ酸配列を示す図である。
【図10】 PsNTPase2遺伝子の塩基配列及び
遺伝子がコードする推定アミノ酸配列を示す図である。
【図11】 PsNTPase1、PsNTPase
2、核NTPase及びジャガイモアピラーゼの推定ア
ミノ酸配列を比較した図である。
【図12】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質を、SDS−PAGEにより検出を行った結果を
示す写真である。
【図13】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質と、ビオチン化アゴニスト(エリシター、サプレ
ッサー)との結合を示す写真である。
【図14】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質と、ビオチン化アゴニスト(エリシター、サプレ
ッサー)との結合の、非ラベル化アゴニストによる阻害
を示す写真である。
【図15】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質の蛋白量と、ATPase活性との関係を示すグ
ラフである。
【図16】 エリシター及びサプレッサーが及ぼす影響
を示すグラフである。
【図17】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質のATPase活性に対して、エリシター及びサ
プレッサーが及ぼす影響の濃度依存性を示すグラフであ
る。
【図18】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質の酵素活性の、基質依存性を示すグラフである。
【図19】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質のATPase活性に対して、種々の阻害剤が及
ぼす影響を示すグラフである。
【図20】 PsNTPase遺伝子より得られた融合
蛋白質のATPase活性に対して、種々の二価イオン
が及ぼす影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD05 CA06 CA17 CA19 CB03 CD02 CD03 CD07 CD09 CD10 4B024 AA08 BA11 CA04 CA11 DA06 EA04 FA02 FA07 GA14 GA19 4B050 CC01 CC03 DD13 FF04E FF05E FF11E FF12E FF14E LL10 4H045 AA10 BA10 CA33 DA89 EA05 GA01 GA06 GA10 GA23 GA26 HA05 HA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドウ黄化子苗に由来し、以下の
    (a)または(b)に示すアミノ酸配列からなることを
    特徴とする、ポリペプチド。 (a)配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号1−4
    55で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とす
    る、ポリペプチド。 (b)ヌクレオチドトリホスフェイト分解作用を有し、
    (a)の一部が欠失、置換若しくは付加された、ポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリペプチドをコードす
    る、遺伝子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリペプチドをコード
    し、配列表の配列番号2に示す、塩基番号1−1368
    で示される塩基配列からなることを特徴とし、エンドウ
    黄化子苗に由来する、遺伝子。
  4. 【請求項4】 以下の(c)または(d)に示す塩基配
    列からなることを特徴とし、エンドウ黄化子苗に由来す
    る、遺伝子。 (c)配列表の配列番号3に示す、塩基番号1−169
    7で示される塩基配列からなることを特徴とする、遺伝
    子。 (d)請求項1記載のポリペプチドをコードし、(c)
    の一部が欠失、置換若しくは付加された、遺伝子。
  5. 【請求項5】 以下の(e)または(f)に示す塩基配
    列からなることを特徴とし、エンドウ黄化子苗に由来す
    る、遺伝子。 (e)配列表の配列番号4に示す、塩基番号1−166
    7で示される塩基配列からなることを特徴とする、遺伝
    子。 (f)請求項1記載のポリペプチドをコードして、
    (e)の一部が欠失、置換若しくは付加された、遺伝
    子。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれか一つの請求
    項記載の遺伝子を植物に導入することにより、植物に病
    害抵抗性を付与する方法。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし5のいずれか一つの請求
    項記載の遺伝子を植物に導入することにより、植物に病
    害抵抗性を付与した、形質転換植物。
  8. 【請求項8】 下記の性質を有する細胞壁ヌクレオチド
    トリホスフェイト分解酵素: (1)ヌクレオチドトリホスフェイトを基質として、当
    該基質を分解する反応を触媒し; (2)褐紋病菌のエリシター及びサプレッサーと結合活
    性を有し; (3)分子量約50kDaのタンパク質であり; (4)オルトバナジン酸の存在下において酵素活性が抑
    制されるが、クエルセチン、硝酸ナトリウム、アジ化ナ
    トリウムの存在下において酵素活性が抑制されず; (5)マンガン、マグネシウム、カルシウムイオンの存
    在下において酵素活性が促進される。
JP11189129A 1999-07-02 1999-07-02 病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素 Pending JP2001017176A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11189129A JP2001017176A (ja) 1999-07-02 1999-07-02 病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11189129A JP2001017176A (ja) 1999-07-02 1999-07-02 病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001017176A true JP2001017176A (ja) 2001-01-23

Family

ID=16235895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11189129A Pending JP2001017176A (ja) 1999-07-02 1999-07-02 病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001017176A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100342018C (zh) * 2002-03-22 2007-10-10 独立行政法人农业·生物系特定产业技术研究机构 功能性植物、为培育该功能性植物而使用的启动子及其应用方法
CN109068642A (zh) * 2015-11-12 2018-12-21 得克萨斯州大学系统董事会 含有三磷酸腺苷双磷酸酶基因组合的改良植物和用于制备具有三磷酸腺苷双磷酸酶组合的改良植物的方法
WO2020255932A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 昭和電工株式会社 外生エリシター及び内生エリシターを含む植物活力剤ならびにその使用
WO2020255933A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 昭和電工株式会社 セロオリゴ糖を含む植物活力剤及びその使用
WO2020255934A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 昭和電工株式会社 アミノ酸又はその塩とオリゴ糖を含む植物活力剤ならびにその使用

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100342018C (zh) * 2002-03-22 2007-10-10 独立行政法人农业·生物系特定产业技术研究机构 功能性植物、为培育该功能性植物而使用的启动子及其应用方法
CN109068642A (zh) * 2015-11-12 2018-12-21 得克萨斯州大学系统董事会 含有三磷酸腺苷双磷酸酶基因组合的改良植物和用于制备具有三磷酸腺苷双磷酸酶组合的改良植物的方法
EP3373730A4 (en) * 2015-11-12 2019-04-24 Board of Regents, The University of Texas System MODIFIED PLANTS CONTAINING A COMBINATION OF APYRASE GENES AND PROCESS FOR PRODUCING PLANTS MODIFIED WITH A COMBINATION OF APYRASE GENES
AU2016353320B2 (en) * 2015-11-12 2023-01-19 Board Of Regents, The University Of Texas System Modified plants containing combination of apyrase genes and method for making modified plants with combination of apyrase genes
EP4115734A1 (en) * 2015-11-12 2023-01-11 Board of Regents, The University of Texas System Modified plants containing combination of apyrase genes and method for making modified plants with combination of apyrase genes
CN109068642B (zh) * 2015-11-12 2022-05-13 得克萨斯州大学系统董事会 含有三磷酸腺苷双磷酸酶基因组合的改良植物和用于制备具有三磷酸腺苷双磷酸酶组合的改良植物的方法
US11203745B2 (en) 2015-11-12 2021-12-21 Board Of Regents, The University Of Texas System Modified plants containing combination of apyrase genes and method for making modified plants with combination of apyrase genes
CN114457096A (zh) * 2015-11-12 2022-05-10 得克萨斯州大学系统董事会 含有三磷酸腺苷双磷酸酶基因组合的改良植物和用于制备其的方法
CN113993379A (zh) * 2019-06-17 2022-01-28 昭和电工株式会社 包含氨基酸或其盐、和寡糖的植物活力剂、及其使用
CN114007423A (zh) * 2019-06-17 2022-02-01 昭和电工株式会社 包含纤维寡糖的植物活力剂及其使用
CN113993380A (zh) * 2019-06-17 2022-01-28 昭和电工株式会社 包含外源性激发子和内源性激发子的植物活力剂、及其使用
WO2020255934A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 昭和電工株式会社 アミノ酸又はその塩とオリゴ糖を含む植物活力剤ならびにその使用
TWI767251B (zh) * 2019-06-17 2022-06-11 日商昭和電工股份有限公司 含有外源誘導因子(elicitor)與內源誘導因子之植物活力劑及其使用
WO2020255933A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 昭和電工株式会社 セロオリゴ糖を含む植物活力剤及びその使用
WO2020255932A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 昭和電工株式会社 外生エリシター及び内生エリシターを含む植物活力剤ならびにその使用
CN113993380B (zh) * 2019-06-17 2023-12-22 株式会社力森诺科 包含外源性激发子和内源性激发子的植物活力剂、及其使用
JP7435606B2 (ja) 2019-06-17 2024-02-21 株式会社レゾナック セロオリゴ糖を含む植物活力剤及びその使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yin et al. Development of a host-induced RNAi system in the wheat stripe rust fungus Puccinia striiformis f. sp. tritici
Rai et al. Functional complementation of rice blast resistance gene Pi-k h (Pi54) conferring resistance to diverse strains of Magnaporthe oryzae
Liu et al. Plant innate immunity in rice: a defense against pathogen infection
Qiao et al. Oomycete pathogens encode RNA silencing suppressors
Chu et al. Double-stranded RNA mycovirus from Fusarium graminearum
Mackey et al. Arabidopsis RIN4 is a target of the type III virulence effector AvrRpt2 and modulates RPS2-mediated resistance
Takatsu et al. Transgenic chrysanthemum (Dendranthema grandiflorum (Ramat.) Kitamura) expressing a rice chitinase gene shows enhanced resistance to gray mold (Botrytis cinerea)
Song et al. Two RxLR avirulence genes in Phytophthora sojae determine soybean Rps 1k-mediated disease resistance
CN101292037B (zh) 自激活抗性蛋白
Zhao et al. A novel ourmia-like mycovirus confers hypovirulence-associated traits on Fusarium oxysporum
Menz et al. The TNL gene Rdr1 confers broad‐spectrum resistance to Diplocarpon rosae
Henriquez et al. Identification and cloning of differentially expressed genes involved in the interaction between potato and Phytophthora infestans using a subtractive hybridization and cDNA‐AFLP combinational approach
Shanmugam et al. RNAi induced silencing of pathogenicity genes of Fusarium spp. for vascular wilt management in tomato
Pai et al. Genome‐wide analysis of small RNAs from Odontoglossum ringspot virus and Cymbidium mosaic virus synergistically infecting Phalaenopsis
CN108350045B (zh) 具有马铃薯Y病毒属抗性的Pvr4基因及其用途
JP2001017176A (ja) 病害抵抗性ポリペプチド、病害抵抗性遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する方法、病害抵抗性を付与した形質転換植物、ヌクレオチドトリホスフェイト分解酵素
Rueckert et al. Use of an armored RNA standard to measure microcystin synthetase E gene expression in toxic Microcystis sp. by reverse‐transcription QPCR
Li et al. Apple russet ring and apple green crinkle diseases: Fulfillment of Koch’s postulates by virome analysis, amplification of full-length cDNA of viral genomes, in vitro transcription of infectious viral RNAs, and reproduction of symptoms on fruits of apple trees inoculated with viral RNAs
AU2017259056B2 (en) Plants and methods for controlling fungal plant pathogens
CN109504704B (zh) 一种增强单子叶植物抵御rna病毒侵染的方法
Tian et al. A MAP kinase cascade broadly regulates the lifestyle of Sclerotinia sclerotiorum and can be targeted by HIGS for disease control
Gill et al. Molecular and genetic characterization of barley mutants and genetic mapping of mutant rpr2 required for Rpg1-mediated resistance against stem rust
Bashir et al. Molecular identification of stem rust resistance gene (s) from Pakistani wheat cultivars.
Parmar et al. Molecular characterization of Turnip mosaic potyvirus (TuMV)-infecting radish (Raphanus sativus L.) crop in India
Ristić et al. The incidence and genetic diversity of Potato virus S in Serbian seed potato crops

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040805

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060711