JP2001015324A - 超電導コイルおよびその製造方法 - Google Patents
超電導コイルおよびその製造方法Info
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Abstract
い超電導コイルおよびその製造方法を提供することを目
的とする。 【解決手段】 超電導コイル1は、巻き芯5の両側に巻
き鍔6を有する巻枠7に絶縁被覆超電導線4を多数巻回
して形成される。その巻枠7には流体が流通する複数個
の貫通孔9が設けられており、酸素含有気体はその複数
個の貫通孔9から超電導コイル1の内部まで容易に拡散
して絶縁被覆3に混入する有機物を一次熱処理工程でガ
ス化して放出する。したがって、絶縁不良を回避でき
る。
Description
導線にガラスやセラミックス絶縁を施した絶縁被覆超電
導線を巻枠に巻回し、その後に超電導生成熱処理を施し
て形成される超電導コイルおよびその製造方法に関す
る。
しては、NbTi等の金属超電導線とNb3SnやNb
Al等の金属間化合物超電導線が用いられる。この内N
b3SnやNbAl等の金属間化合物超電導線を巻枠に
巻回して形成する超電導コイルは高磁界中でも超電導特
性に優れている。その反面長手方向の引っ張り力や曲げ
歪に非常に弱く、臨界電流が急激に小さくなる欠点があ
る。
線を巻枠に巻回して超電導コイルを形成することは曲げ
歪が0.2%以下になるような大径コイルで一部実用化
されているものの、一般的には未熱処理の超電導線を巻
枠に巻回後に超電導生成熱処理を施して超電導コイルを
製造する。超電導生成熱処理はアルゴンガス等の不活性
ガスや真空炉中で600℃から700℃の高温で数十時
間処理されるために、超電導線の電気絶縁にはその温度
でも熱劣化の起きにくいセラミックス繊維やガラス繊維
が使用される。
線に被覆するガラス繊維には製紐作業等を容易にするた
めに、一般に、澱粉等の有機材料が数%混入されてい
る。このような絶縁被覆超電導線で形成された超電導コ
イルを前記したように、アルゴンガスや真空雰囲気中の
無酸素状態で600℃から700℃の超電導生成熱処理
をすると、これら有機物は所謂蒸し焼き状態になって、
導電性の炭素となってガラス繊維からなる絶縁被覆に残
留する。したがって、超電導線間や沿面方向に導電性の
電流パスができて絶縁破壊電圧が低下し、絶縁不良や絶
縁破壊が起き易くなる。
前に、超電導コイルを一度約300℃大気中で熱処理
し、有機物を一酸化炭素や二酸化炭素等にガス化して放
出する所謂一次熱処理工程が施される。しかし、この一
次熱処理工程を実施しても、絶縁被覆超電導線が幾重に
も多層に巻回された超電導コイルでは、巻き芯近傍の内
層まで大気が十分拡散浸透せず、この部分の有機物は酸
素欠乏によって未反応でそのまま残留したり、一部は蒸
し焼き状態での炭化物として残留する。この未反応で残
留した有機物は超電導生成熱処理(以下、二次熱処理工
程と称す)で当然炭化してしまい、結果として絶縁不良
や絶縁破壊が起き易くなる。
拡散するために、一次熱処理工程を長時間行うと、超電
導線を構成する銅等の酸化膜が厚くなって正味の銅が減
少し、超電導特性が不安定な超電導線になる。
ス化して放出したかの確認方法がなく、これまでは経験
に基づいて処理時間が決定されていた。そのために、超
電導コイルの形状や寸法によっては、有機物が炭化物と
して残留して絶縁不良箇所が生じ、それが原因で絶縁破
壊による放電やジュール発熱で超電導線が溶断する虞が
あった。
一定の張力を加えながら行うが、ガラス被覆絶縁は非常
に弱くて巻回時に巻線機や隣接する超電導線同士がこす
れて破損しやすく、加える張力に限界がある。したがっ
て、例えば、レーストラック状の超電導コイルを製造す
る場合など直線部の膨らみが大きく、寸法精度の悪い超
電導コイルになる。
混入している有機物を超電導線が損傷劣化しない比較的
短時間の加熱によりガス化して放出し、絶縁上有害な炭
化物が残留しない信頼性の高い超電導コイルおよびその
製造方法を提供することを目的とする。
度な張力を加えることなく、寸法精度の高い超電導コイ
ルの製造方法を提供することを目的とする。
超電導コイルは、巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠
に、絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導
コイルにおいて、巻枠に流体が流通する無数の貫通孔を
設けたことを特徴とする。
れた複数個の貫通孔から超電導コイルの内部まで容易に
拡散して、絶縁被覆に混入する有機物を一次熱処理工程
でガス化して放出できるので、絶縁不良等を回避でき
る。
請求項1の発明において、貫通孔は、巻き芯の内周と外
周を連通する穴、または巻きつばのコイル側と反コイル
側とを連通する穴の少なくともいずれか一方であること
を特徴とする。
果に加えて、酸素含有気体が巻き芯の内周と外周を連通
する穴、または巻きつばのコイル側と反コイル側とを連
通する穴から超電導コイルの内部まで容易に拡散して絶
縁被覆に混入する有機物を一次熱処理工程でガス化して
放出できるので、絶縁不良等を回避できる。
でも、酸素含有気体との反応面積が増加するとともに、
超電導コイルの内部まで容易に酸素含有気体が浸透す
る。
請求項1の発明において、貫通孔は、巻き芯の外周に軸
方向に沿う複数本の溝を形成し、一方巻き鍔には溝に対
峙する位置にコイル側と反コイル側とを連通する穴を設
けたことを特徴とする。
果に加えて、巻き芯が無空の場合でも、酸素含有気体は
巻き鍔に設けられた穴から巻き芯に形成された溝に流入
し、この溝から超電導コイルの内部まで容易に拡散して
絶縁被覆に混入する有機物を一次熱処理工程でガス化し
て放出できるので、絶縁不良等を回避できる。
巻枠の側面の貫通孔と多数回巻回された絶縁被覆超電導
線との間、または絶縁被覆超電導線間に、銀からなるシ
ート状の板を設けたことを特徴とする。
加え、酸素含有気体の透過通路は最外層から各層の絶縁
被覆を通り最内層の絶縁被覆から銀シート板を通り貫通
孔から外へ出る。また超電導線間に銀シート板を設けて
いる場合には最外層から最内層への酸素含有気体の透過
をスムーズにする。
巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、絶縁被覆超電導
線を多数回巻回して形成した超電導コイルにおいて、巻
枠はその材質として銀を用いたことを特徴とする。
優れた銀材質の巻枠から超電導コイルの内部まで容易に
拡散して絶縁被覆に混入する有機物を一次熱処理工程で
ガス化して放出できるので、絶縁不良等を回避できる。
造方法は、巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、絶縁
被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイルの
製造方法において、巻枠に流体が流通する複数個の貫通
孔を設ける工程と、巻枠へのコイル巻回に先立って巻枠
に絶縁材を被着する工程と、この絶縁材の上に絶縁被覆
超電導線を巻回する巻回工程と、絶縁材および絶縁被覆
に含まれる有機物をガス化して放出させる一次熱処理工
程と、一次熱処理工程が終了したことを判定する一次熱
処理完了判定工程と、超電導線を超電導体化するための
二次熱処理工程とを具備したことを特徴とする。
に含まれる有機物がほぼガス化して放出されたことを判
定する工程を具備したので、残留有機物が二次熱処理工
程で炭化し、絶縁不良等を起こすのを回避できる。
造方法は、巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、絶縁
被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイルの
製造方法において、巻枠に流体が流通する複数個の貫通
孔を設ける工程と、巻枠へのコイル巻回に先立って離型
剤を介して金属箔を装着する工程と、この金属箔の上に
絶縁材を被着する工程と、この絶縁材の上に絶縁被覆超
電導線を巻回する巻回工程と、絶縁材および絶縁被覆に
含まれる有機物をガス化して放出させる一次熱処理工程
と、一次熱処理工程が終了したことを判定する一次熱処
理完了判定工程と、超電導線を超電導体化するための二
次熱処理工程と、絶縁材および絶縁被覆超電導線を絶縁
物で含浸一体化する工程と、その後巻枠をコイルから分
解する工程とを具備したことを特徴とする。
加え、巻枠をコイルから分解して使用する超電導コイル
でも、コイル巻回に先立って巻枠に離型剤を介して金属
箔を装着したので、絶縁物で含浸一体化した後でも容易
に巻枠を分解できる。
を金属箔から分離し、次に金属箔を絶縁物で含浸された
超電導コイルから剥離する。この場合、薄い金属箔は可
撓性に富むので、僻開力で含浸絶縁物から容易に引き剥
がすことができる。したがって、二次熱処理終了後の脆
くなっている超電導線に過度の力が加わることもなく、
超電導性能の劣化を回避できる。
造方法は、請求項6または請求項7の発明において、巻
枠に流体が流通する複数個の貫通孔を設ける工程に代え
て、巻枠を銀で形成する工程としたことを特徴とする。
明の作用効果に加え、一次熱処理工程において、絶縁材
および絶縁被覆に含まれる有機物を適切にガス化して放
出させることができる。
造方法は、請求項6または請求項7の発明において、巻
枠に流体が流通する複数個の貫通孔を設ける工程と、巻
枠の側面の貫通孔と多数回巻回された絶縁被覆超電導線
との間、または絶縁被覆超電導線間に、銀からなるシー
ト状の板を設ける工程と追加して設けたことを特徴とす
る。
明の作用効果に加え、一次熱処理工程において、絶縁材
および絶縁被覆に含まれる有機物を適切にガス化して放
出させることができる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
一次熱処理工程は、酸素を含有する気体中で炉中加熱す
る工程であり、一次熱処理完了判定工程は、炉内の一酸
化炭素あるいは二酸化炭素濃度が規定値以下であること
確認する工程であることを特徴とする。
明の作用効果に加え、一次熱処理完了判定を炉内の一酸
化炭素あるいは二酸化炭素濃度を測定し、その値が例え
ば炉内に供給する酸素含有気体のレベルとほぼ同等であ
る規定値以下であることを確認し、一次熱処理を完了す
る。仮に酸素含有気体が大気の場合は、通常の二酸化濃
度は約400ppmであり、これを規定値にする。
認するので、超電導コイルの形状や寸法に影響しない方
法で判定できる。したがって、残留炭化物による絶縁不
良等を回避できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
一次熱処理工程は、酸素を含有する気体中で炉中加熱す
る工程であり、一次熱処理完了判定工程は、炉内の酸素
濃度が規定値以上であることを確認する工程であること
を特徴とする。
明の作用効果に加え、一次熱処理完了判定を炉内の酸素
濃度を測定し、その値が例えば炉内に供給する酸素含有
気体のレベルとほぼ同等である規定値以上であることを
確認し、一次熱処理を完了する。仮に酸素含有気体が大
気の場合は、通常、酸素濃度は約21%であることか
ら、これを規定値にする。
超電導コイルの形状や寸法に影響しない絶対法で判定で
きる。したがって、残留炭化物による絶縁不良等を回避
できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
一次熱処理完了判定工程後に、さらに、炉内を減圧脱気
して再び炉内を酸素含有気体に置換して加熱する追加の
熱処理工程を具備したことを特徴とする。
明の作用効果に加え、一次熱処理完了判定をさらに信頼
性を高めるために、例えば、二酸化炭素濃度が規定値以
下になった後に、炉内を減圧脱気して再び炉内を酸素含
有気体に置換して加熱する。減圧脱気することによりコ
イル内部の気体が排出され、酸素含有気体に容易に置換
される。この状態で加熱を続行すると、もし未反応の有
機物が残留している場合には、置換された酸素含有気体
と酸化反応して、炉内の二酸化濃度が再び上昇する。二
酸化濃度が規定値以下になるまでこの工程を繰り返して
実施する。一方、残留有機物が完全に放出されている場
合には、置換した後も二酸化濃度が規定値以下になる。
本方法によれば、一次熱処理完了判定の信頼性が格段に
向上し、絶縁不良のない超電導コイルを製造できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
一次熱処理工程は、真空中に微量の水素を含有する炉中
加熱する工程であることを特徴とする。
を除去した雰囲気中で、水素を供給して加熱するので、
絶縁被覆に混入した有機物が効率よく水素と反応し、ガ
ス化して放出できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
一次熱処理工程は、水素プラズマ雰囲気を保持している
炉中加熱する工程であることを特徴とする。
により水素を使用する場合よりも、さらに効率よく、絶
縁被覆に混入する有機物が水素と反応し、ガス化して放
出できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
請求項1乃至請求項3記載の超電導コイルを製造するた
めの超電導コイルの製造方法において、一次熱処理工程
は、巻き鍔に設けられた貫通孔をジャケットで覆い、こ
のジャケットに接続された給気管で外部から酸素含有気
体を強制給気しながら加熱する工程であることを特徴と
する。
明の作用効果に加え、外部から酸素含有気体を強制給気
しながら加熱するので、コイル内部に常に酸素が供給さ
れ、絶縁被覆に混入する有機物を効率よくガス化して放
出できる。また、強制給気することによって、酸化反応
で生成した二酸化炭素等のガスもコイル内部に滞留する
ことなく、外部に排出される。したがって、残留炭化物
による絶縁不良等を回避できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
請求項1または請求項2記載の超電導コイルを製造する
ための超電導コイルの製造方法において、一次熱処理工
程は、巻き芯の両端部を蓋で覆い、この蓋に接続された
給気管で外部から酸素を含有した気体を強制給気しなが
ら加熱する工程であることを特徴とする。
明の作用効果に加え、外部から強制給気された酸素含有
気体は、巻き芯内側からコイル最内層に流れ、コイルの
絶縁被覆内を貫流して巻き鍔に設けられた穴やコイルの
外周から排出される。したがって、コイル内部に常に酸
素が供給され、絶縁被覆に混入する有機物を効率よくガ
ス化して放出できる。また、強制給気することによっ
て、酸化反応で生成した二酸化炭素等のガスもコイル内
部に滞留することなく、外部に排出される。その結果、
残留炭化物による絶縁不良等を回避できる。
製造方法は、請求項6または請求項7の発明において、
巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、絶縁被覆超電導
線を多数回巻回して形成した超電導コイルの製造方法に
おいて、巻回工程は絶縁被覆超電導線が巻枠に巻回され
る手前で絶縁被覆超電導線を加熱する工程と、巻枠に巻
回された後、速やかに絶縁被覆超電導線を冷却する工程
とを具備したことを特徴とする。
熱膨張差を利用して超電導線に一定の張力を加えること
ができる。したがって、絶縁被覆の破損による絶縁不良
を回避できる。さらに、レーストラック状の超電導コイ
ルで起こりがちの直線部の膨らみも抑止できる。
製造方法は、巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、絶
縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイル
の製造方法において、超電導線に絶縁被覆を編付ける製
紐工程と、絶縁被覆内に残存する有機物質を除去する工
程と、有機物質を除去された絶縁被覆超電導線を巻き取
り手段に巻き取る工程と、絶縁被覆超電導線を巻き取り
手段から巻枠に巻回する巻回工程とを具備したことを特
徴とする。
物が含まれていないので、絶縁不良が抑制できると共
に、一次熱処理工程が省略できる。さらに、一次熱処理
が省略できることから、超電導線を構成する銅等の酸化
膜が厚くなって正味の銅が減少し、超電導特性が不安定
となることも避けることができる。
製造方法は、請求項18の発明において、有機物質除去
工程は、水を用いて有機物質を洗浄する工程であること
を特徴とする。
けやすい性質を利用しているので、室温付近の比較的低
温で有機物質を除去することができる。また、作業が容
易であるためにコイル巻回作業の前に行うことができ、
コイル巻回後よりも、短時間で有機物質を除去すること
ができる。
製造方法は、巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、絶
縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイル
の製造方法において、超電導線に絶縁被覆を編付ける製
紐工程と、絶縁被覆超電導線を巻き取り手段に巻き取る
工程と、絶縁被覆超電導線を巻き取り手段から巻枠に巻
回する間に、絶縁被覆内に残存する有機物質を除去する
工程とを具備したことを特徴とする。
物が含まれていないので、絶縁不良が抑制できると共
に、一次熱処理工程が省略できる。さらに、一次熱処理
が省略できることから、超電導線を構成する銅等の酸化
膜が厚くなって正味の銅が減少し、超電導特性が不安定
となることも避けることができる。
製造方法は、請求項20の発明において、有機物質除去
工程は、水を用いて有機物質を洗浄する工程であること
を特徴とする。
けやすい性質を利用しているので、室温付近の比較的低
温で有機物質を除去することができる。また、作業が容
易であるためにコイル巻回の間に行うことができ、コイ
ル巻回後よりも、短時間で有機物質を除去することがで
きる。
製造方法は、請求項1または請求項2記載の超電導コイ
ルを製造するための超電導コイルの製造方法において、
超電導線に絶縁被覆を編付ける製紐工程と、絶縁被覆超
電導線を巻枠に巻回する巻回工程と、巻回された絶縁被
覆超電導線の絶縁被覆内に残存する有機物質を除去する
工程とを具備したことを特徴とする。
物が含まれていないので、絶縁不良が抑制できると共
に、一次熱処理工程が省略できる。さらに、一次熱処理
が省略できることから、超電導線を構成する銅等の酸化
膜が厚くなって正味の銅が減少し、超電導特性が不安定
となることも避けることができる。
製造方法は、請求項22の発明において、有機物質除去
工程は、水を用いて有機物質を洗浄する工程であること
を特徴とする。
けやすい性質を利用しているので、室温付近の比較的低
温で有機物質を除去することができる。
製造方法は、請求項23の発明において、有機物質除去
工程は、超音波またはバブルを併用することを特徴とす
る。
バブルを併用するので、有機物を効果的に除去すること
ができ、超電導コイルとしての絶縁性能が高く、電気的
に安定となり、高性能な超電導コイルを製造できる。
する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる超電導
コイルの説明図であり、図1(a)は超電導コイルの断
面図、図1(b)は絶縁被覆超電導線の斜視図である。
は超電導コイル本体1aと巻枠7とら構成される。超電
導コイル本体1aは絶縁被覆超電導線4と絶縁材8とか
ら構成され、巻枠7は中空の巻き芯5とその端部に形成
された巻き鍔6とから構成されている。すなわち、巻枠
7の巻き芯5には貫通孔9bが設けられ、また巻枠7の
巻き鍔6には貫通孔9aが設けられている。
ように、超電導線2に絶縁被覆3が施されたものであ
り、超電導線2の素線材料としてNb3SnやNbAl
等の金属間化合物超電導線が用いられ、その超電導線2
に素線絶縁としてガラス繊維やセラミックス繊維等の絶
縁被覆3が施される。
を、図1(a)に示すように、巻き芯5の両側に巻き鍔
6を有する巻枠7に対して、絶縁材8を介して幾重にも
多層に巻回して超電導コイル本体1aは形成されてい
る。そして、巻枠7には前述したように、流体が流通す
る複数個の貫通孔9が設けられている。
絶縁材8や絶縁被覆3に含まれる澱粉等の有機物を酸素
含有気体と酸化反応させ、ガス化して放出するために一
次熱処理工程が実施される。
る。この一次熱処理工程は、超電導コイル1を酸素含有
気体雰囲気の加熱炉10中に置き、酸素含有気体を補給
しながら、約300℃で約十時間加熱する。その後、ガ
ス濃度計11で二酸化炭素や一酸化炭素濃度を測定し、
その濃度が規定値以下であることを判定して一次熱処理
工程を完了する。
の大気中の二酸化濃度は約400ppmであり、これを
規定値にする。大気以外の酸素含有気体の場合の規定値
も同様に、その気体に元々含まれる二酸化炭素濃度でよ
い。
加熱炉10内の気体を排気装置12で排気してアルゴン
ガス等の不活性ガス13や真空に置換した後、超電導生
成処理として、加熱炉10中で600℃から700℃の
高温で数十時間二次熱処理を行う。
コイル1の熱処理の際の作用を説明する。一次熱処理工
程の際には、酸素含有気体が巻枠7に設けられた複数個
の貫通孔9から超電導コイル本体1aの内部まで容易に
拡散していく。すなわち、巻き鍔6に設けられた貫通孔
9aおよび巻き芯5に設けられた貫通孔9bから、酸素
含有気体は超電導コイル本体1aの内部まで拡散し、絶
縁材8や絶縁被覆3に含有する有機物をガス化して放出
する。
芯5側に近接する超電導コイル本体1aの内層1a側で
も、酸素含有気体との反応面積が増加するとともに、超
電導コイル本体1aの内部まで容易に酸素含有気体が浸
透する。したがって、残存有機物を適正に除去できるの
で、残存有機物が前記した二次熱処理で炭化することに
よって起こる絶縁不良等を回避できる。
9bを設けたものを示したが、図3に示すように、巻き
芯5が中実である場合には、貫通孔9bに代えて溝5a
を設ける。すなわち、中実の巻き芯5の外周に軸方向に
沿う複数本の溝5aを形成し、巻き鍔6には、その溝5a
に対峙する位置にコイル側と反コイル側とを連通する穴
9aが設けられている。
合にも、一次熱処理工程の際には、酸素含有気体は巻き
鍔6に設けられた穴9aから巻き芯5に形成された溝5
aに流入し、この溝5aから超電導コイル1の内部まで容
易に拡散し、絶縁材8や絶縁被覆3に含有する有機物を
ガス化して放出する。特に、酸素が欠乏し易い巻き芯5
側に近接する超電導コイル本体1aの内層側でも、酸素
含有気体との反応面積が増加するとともに、超電導コイ
ル本体1aの内部まで容易に酸素含有気体が浸透する。
したがって、残存有機物が前記した二次熱処理で炭化す
ることによって起こる絶縁不良等を回避できる。
酸化炭素濃度計に代えて酸素濃度計にしてもよい。この
場合は、一次熱処理完了判定を炉内の酸素濃度を測定
し、その値が例えば炉内に供給する酸素含有気体のレベ
ルとほぼ同等である規定値以上であることを確認し、一
次熱処理を完了することになる。仮に酸素含有気体が大
気の場合は、通常、酸素濃度は約21%であることか
ら、これを規定値にする。
枠7に複数個の貫通孔9を設けておくので、一次熱処理
の際の酸素含有気体の透過性が格段に向上する。酸素含
有気体の透過通路は最外層から各層の絶縁被覆3を通
り、最内層の絶縁被覆3から貫通孔9へ至る。また、そ
の逆の経路も可能である。
する絶縁被覆超電導線4の各層中の絶縁被覆3に含まれ
る有機物に酸素が十分に行き渡り、ガス化して放出され
る。このため、絶縁不良や絶縁破壊の原因となる炭素材
の存在は皆無となる。なお、貫通孔9の大きさは穴開け
作業上1〜3mmぐらいが妥当である。
合には、中間層に酸素透過性の高い銀シートを挿入して
最内層への酸素含有気体の透過をスムーズに起こるよう
にしてもよい。
銀材料にすることも可能である。この場合の酸素含有気
体の透過通路は最外層から各層の絶縁被覆3を通り最内
層の絶縁被覆3から銀材料の巻枠7を通り外へ出る。こ
の場合においても、超電導が多い場合、中間層に銀シー
トを挿入し、最内層への酸素含有気体の透過をスムーズ
に起こるようにしてもよい。
てから有機物を炭化する一次熱処理と超電導生成のため
の二次熱処理とを行った後、このコイルを超電導状態に
して磁場を発生すると、フープ力が発生する。このフー
プ力による超電導線2の材料の劣化を防ぐためにエポキ
シ樹脂を超電導コイル1の巻枠7全体に含浸する。
けたままでいると、エポキシ樹脂が貫通孔9から漏れ出
て含浸できなくなるので、巻枠7の貫通孔9を設けた箇
所に酸素透過性の優れたシート状の銀材料を介在させ
る。その後に、絶縁被覆超電導線4を多層にソレノイド
状に巻く作業を行う。これにより、一連の熱処理後にエ
ポキシ樹脂を含浸してもエポキシ樹脂は銀シートに阻ま
れて漏れ出ることはなく、正常な含浸作業が完了できる
利点がある。
℃位がよい。250℃の場合は40〜100時間程度、
500℃では5時間程度の熱処理でよいが、超電導コイ
ル1の大きさ、つまり絶縁被覆超電導線4の絶縁被覆3
に含まれる有機物の絶対量によって熱処理温度と時間を
決めることになる。
実施例1乃至実施例3および比較例をについて説明す
る。
の外径300mm、巻き芯5の外径50mm、巻き芯5
の内径40mm、巻き芯5の長さ250mmのステンレ
ス製からなる巻枠7を用意し、巻き芯5および巻き鍔6
に直径2mmの複数個の貫通穴9を約10mm間隔で設
けた。そして、この巻枠7の巻き芯5および巻き鍔6に
板厚さ2mmの銀シートを設け、直径1mmの絶縁被覆
超電導線4を25層巻き付けた。
中(大気中)で一次熱処理を行い、各層の絶縁被覆(ガ
ラス繊維)中の有機物を大気中の酸素と反応させ、炭酸
ガス化してガラス繊維から除いた。次に巻かれた絶縁被
覆超電導線4中の超電導相の生成のために700℃で5
0時間真空中(1×10-6torr)で熱処理を行っ
た。
る絶縁被覆(ガラス繊維)の絶縁性を確認するために巻
きほぐし、各層の絶縁被覆超電導線4をサンプリングし
た。これらの絶縁被覆超電導線4を絶縁抵抗計で測り、
絶縁被覆(ガラス繊維)の絶縁性を調べた。各層の絶縁
抵抗は500Vの印加に対し無限大を示し、極めて良好
な絶縁性があることが判った。
巻き芯5の外径50mm、巻き芯5の内径40mm、巻
き芯5の長さ250mmのステンレス製からなる巻枠7
を用意し、巻き芯5および巻き鍔6の絶縁被覆超電導線
4が配置される部分に板厚さ1mmの銀シートを設け、
直径1mmの絶縁被覆超電導線4を25層巻き付けた。
中(大気中)で一次熱処理を行い、各層の絶縁被覆(ガ
ラス繊維)中の有機物を大気中の酸素と反応させ、炭酸
ガス化してガラス繊維から除いた。次に巻かれた絶縁被
覆超電導線4中の超電導相の生成のために700℃で5
0時間真空中(1×10-6torr)で二次熱処理を行
った。
るガラス繊維の絶縁性を確認するために巻きほぐし、各
層の絶縁被覆超電導線4をサンプリングした。これらの
絶縁被覆超電導線4を絶縁抵抗計で測り、ガラス繊維の
絶縁性を調べた。各層の絶縁抵抗は無限大を示し、極め
て良好な絶縁性があることが判った。
巻き芯5の外径50mm、巻き芯5の内径40mm、巻
き芯5の長さ250mmの銀製からなる巻枠7を用意
し、直径1mmの絶縁被覆超電導線4を25層巻き付け
た。
中(大気中)で一次熱処理を行い、各層の絶縁被覆(ガ
ラス繊維)中の有機物を大気中の酸素と反応させ、炭酸
ガス化してガラス繊維から除いた。次に巻かれた絶縁被
覆超電導線4中の超電導相の生成のために700℃で5
0時間真空中(1×10-6torr)で二次熱処理を行
った。
るガラス繊維の絶縁性を確認するために巻きほぐし、各
層の絶縁被覆超電導線4をサンプリングした。これらの
絶縁被覆超電導線4を絶縁抵抗計で測り、ガラス繊維の
絶縁性を調べた。各層の絶縁抵抗は無限大を示し、極め
て良好な絶縁性があることが判った。
例3との比較のため、実施例1乃至実施例3で採用した
巻枠7と同等寸法の貫通孔9のないステンレス製の巻枠
7を作り、銀シートを使用しない巻枠7に直径1mmの
絶縁被覆超電導線4を25層巻き付けた。
等の一次熱処理および二次熱処理を行った後、各層の絶
縁被覆超電導線4におけるガラス繊維の絶縁性を確認す
るために巻きほぐし、各層の絶縁被覆超電導線4をサン
プリングした。これらの絶縁被覆超電導線4を絶縁抵抗
計で測り、ガラス繊維の絶縁性を調べた。
維の電気絶縁抵抗、および比較例での各層のガラス繊維
の電気絶縁抵抗を示している。本発明の実施例では、各
層のガラス繊維の絶縁抵抗は無限大を示し、極めて良好
な絶縁性示しているのに対し、比較例では、大気(酸
素)と一番接する最外層は無限大の絶縁抵抗を示した
が、各層のガラス繊維の絶縁抵抗は最内層へいくほど抵
抗値が低下し、層全体的に不均一な絶縁性であることが
判った。
1を構成する巻枠7に複数個の貫通孔9を設けたり、絶
縁被覆超電導線4と接する部分に銀材料を設けることに
より、巻枠7に多層に巻かれた絶縁被覆超電導線4の最
外層から最内層まで酸素透過性のよい構造体になる。こ
のため、酸素含有気体中で熱処理を行うことにより、絶
縁被覆超電導線4の絶縁被覆(セラミックスやガラス繊
維)に含まれている有機物をガス化して蒸発させること
が可能になる。したがって、絶縁被覆3中に導電性の炭
素が残留することがなく、絶縁被覆超電導線4間の絶縁
性の優れた超電導コイルを提供することが可能となる。
説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態にお
ける超電導コイルの製造方法の工程に対し、一次熱処理
完了判定工程後に、さらに、加熱炉10内を減圧脱気し
て再び加熱炉10内を酸素含有気体に置換して加熱する
熱処理工程を追加して設けたものである。
一酸化炭素あるいは酸素の濃度が規定値に達してほぼ一
定になると、絶縁材8や絶縁被覆3に含有する有機物と
酸素との酸化反応がほぼ終了したことを示す。この状態
になったとしても、超電導コイル1の内部等酸素が十分
供給されない部分では、未反応のまま有機物が残留して
いる虞がある。
以下になった後に、加熱炉10の炉内を排気装置12で
減圧脱気して再び加熱炉10の炉内雰囲気を酸素含有気
体に置換して加熱する。減圧脱気することにより超電導
コイル本体1aの内部の絶縁材8や絶縁被覆3に存在す
る二酸化炭素の豊富な気体が排出され、酸素含有気体に
容易に置換される。
の有機物が残留している場合には、置換された酸素含有
気体と酸化反応して加熱炉10内の二酸化濃度が再び上
昇する。この二酸化濃度をガス濃度系11でモニター
し、二酸化濃度が規定値以下になるまでこの工程を繰り
返して実施する。一方、残留有機物が完全に放出されて
いる場合には、置換した後も二酸化濃度が規定値以下に
なる。
理完了判定の信頼性が格段に向上し、絶縁不良のない超
電導コイルを製造できる。
説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態にお
ける超電導コイルの製造方法の工程に対し、巻枠7に絶
縁材8を被着する前工程として、巻枠7と絶縁材8との
間に金属箔を被着する工程を追加している。超電導コイ
ル1の完成姿としては巻枠7を装着したままのものと、
絶縁物を含浸後に巻枠7を分解するものとがある。この
第3の実施の形態は巻枠7を分解する超電導コイル1の
製造方法に適用させるものである。
コイルの製造方法を適用する超電導コイル1の断面図で
ある。図6において、超電導コイル1は、コイル巻回に
先立って巻枠7に離型剤14を介在して金属箔15を装
着し、さらに、この金属箔15の上に絶縁材8を被着し
て絶縁被覆超電導線4を幾重にも多層に巻回される。以
後、第1の実施の形態と同様に一次熱処理工程と、一次
熱処理完了判定工程と、二次熱処理工程を経て、絶縁材
8および絶縁被覆超電導線4を絶縁物で含浸一体化す
る。その後巻枠7を超電導コイル1から分解する製造方
法である。
施の形態の作用効果に加えて、巻枠7を超電導コイル1
から分解して使用する超電導コイルでも、絶縁被覆超電
導線4の巻回に先立って巻枠7に離型剤14を介在して
金属箔15を装着したので、超電導コイル1を絶縁物で
含浸一体化した後でも容易に巻枠7を分解できる。
を金属箔15から分離し、次に金属箔15を絶縁物で含
浸された超電導コイル1から剥離する。この場合、薄い
金属箔15は可撓性に富むので、僻開力で含浸絶縁物か
ら容易に引き剥がすことができる。したがって、二次熱
処理終了後の脆くなっている絶縁被覆超電導線4に過度
の力が加わることもなく、超電導性能の劣化を回避でき
る。
温度である600℃から700℃に耐え、かつ、含浸絶
縁物と離型し易いボロンナイトライド粉末や窒化クロム
コーティングが適している。また、金属箔15として
は、耐食性に優れ、かつ強度の高いステンレス鋼やイン
コネル等のニッケル合金が適している。
明する。図7は、本発明の第4の実施の形態における、
一次熱処理工程時の超電導コイル1を示す断面図であ
る。第4の実施の形態は、第1の実施の形態における超
電導コイルの製造方法の工程に対し、一次熱処理工程
は、巻き鍔6に設けられた貫通孔9aをジャケット16で
覆い、このジャケット16に接続された給気管17で外部か
ら酸素含有気体を強制給気しながら加熱する工程とした
ものである。
6に設けられた貫通孔9aをジャケット16で覆い、この
ジャケット16に接続された給気管17で図示しない加熱炉
の外部から酸素含有気体を強制給気しながら加熱する。
気管17でジャケット16内に強制給気された酸素含有
気体は、巻枠7に設けられた複数個の貫通孔9a、9b
から超電導コイル1の内部に流入し、超電導コイル1内
を貫流して外周から加熱炉内に排出される。この過程
で、超電導コイル1の内部まで酸素含有気体が容易に拡
散して絶縁材8や絶縁被覆3に含有する有機物と酸化反
応し、有機物を一酸化炭素や二酸化炭素にガス化して放
出する。特に、酸素が欠乏し易い巻き芯5側に近接する
超電導コイル1の内層側でも、酸化反応が活発に行われ
る。さらに、酸化反応で生成した二酸化炭素等の反応ガ
スも超電導コイル1の内部に滞留することなく外部に排
出される。
絶縁材8絶縁被覆3に含有する有機物を一次熱処理でほ
ぼ完全に除去できるので、残存有機物が二次熱処理で炭
化することによって起こる絶縁不良等を回避できる。
ものを示したが、図8に示すように、ジャケット16に
代えて、蓋18を使用するようにしてもよい。
き芯5の両端部を蓋18で覆い、この蓋18に接続され
た給気管17で図示しない加熱炉の外部から酸素含有気
体を強制給気しながら加熱する。一次熱処理工程の際、
加熱炉の外部から蓋18に接続された給気管17で巻き
芯5内に強制給気された酸素含有気体は、巻き芯5に設
けられた複数個の孔9bから超電導コイル1の最内層に
流れ、超電導コイル1の絶縁材8や絶縁被覆3内を貫流
して巻き鍔6に設けられた穴9aや超電導コイル1の外
周から加熱炉内に排出される。
素含有気体が容易に拡散して絶縁材8や絶縁被覆3に含
有する有機物と酸化反応し、有機物を一酸化炭素や二酸
化炭素にガス化して放出する。特に、酸素が欠乏し易い
巻き芯5側に近接する超電導コイル1の内層側でも、酸
化反応が活発に行われる。さらに、酸化反応で生成した
二酸化炭素等の反応ガスも超電導コイル1の内部に滞留
することなく、外部に排出される。
する有機物を一次熱処理でほぼ完全に除去できるので、
残存有機物が二次熱処理で炭化することによって起こる
絶縁不良等を回避できる。
る。図9は、第5の実施の形態に係る超電導コイルの製
造方法の工程のうち、絶縁被覆超電導線の巻回工程を示
す構成図である。
ン19に巻かれており、ボビン19から所定の張力で巻
枠7に巻き取られる。ボビン19には張力付加装置23
が取り付けられており、この張力付加装置23で一定の
張力がかけられ、巻枠7に取り付けられた巻線機20で
ボビン19に巻かれた絶縁被覆超電導線4を巻枠7に巻
回して超電導コイル1を製造する。
4が巻枠7に巻回される手前に、絶縁被覆超電導線4を
加熱する加熱手段21が設けられており、さらに、巻枠
7に巻回された後、速やかに絶縁被覆超電導線4を冷却
するための冷却手段22が設けられている。
線4は、巻線する場所(巻枠7)の雰囲気温度より数℃
高く、巻枠7に巻回されると同時に速やかに冷却手段2
2で冷却される。したがって、熱膨張差により巻枠7に
巻回される絶縁被覆超電導線4は緩みなく適切に巻回さ
れる。
働く張力Fは、以下の(1)式のように示される。 F=E・α・T・A …(1) ここで、Eは超電導線2のヤング率、αは超電導線2の
線膨張係数、Tは雰囲気と加熱された超電導線2との温
度差、Aは超電導線2の断面積である。
とができる。ここで、σは超電導線2に生じる応力で、
σ=E・α・Tとなる。一般に、ガラス絶縁被覆の超電
導線2に負荷できる張力は、絶縁被覆の健全性の点から
5kgに抑えられる。しかし、寸法精度を上げるには、
10kg以上の張力が望ましい。そこで、超電導線2に
T=50℃の温度差を与えた場合の応力は、σ=8.5
kg/mm2にもなる。したがって、張力付加装置23との
併用で10kg以上の張力を付加できる。
く、直線部を有するレーストラック状の場合は、レース
トラック状の超電導コイルで起こりがちの直線部の膨ら
み防止に対しても効果大である。一例として、直線部の
長さが150mmのレーストラック状超電導コイルの場
合について説明する。直線部の膨らみが1mmとする
と、約3℃の温度差で膨らみをほぼゼロにできる。
9と巻線機20との間に配設し、絶縁被覆超電導線4を
加熱するようにしているが、ボビン19自体を加熱する
ようにしてもよい。また、冷却手段22としては、巻枠
7に冷却流体を流すか、あるいは、外部から冷却流体を
吹き付けて強制冷却してもよい。
巻回前と巻回後の超電導線の熱膨張差を利用して超電導
線に一定の張力を加えることができる。したがって、絶
縁被覆の破損による絶縁不良を回避できる。さらに、レ
ーストラック状の超電導コイルで起こりがちの直線部の
膨らみも抑止でき、寸法精度が高くなる。
る。図10は、第6の実施の形態に係る超電導コイルの
製造方法の工程のうち、水素使用による一次熱処理工程
を示す構成図である。一次熱処理工程において、一旦、
加熱炉10内を1Pa程度まで、真空排気装置11で排気
し、その後、水素ボンベ24から加熱炉10内へ水素ガ
スを少量供給する。このとき、絶縁材8や絶縁被覆3に
含有する有機物は、 C + 2H2 → CH4 のように反応し、有機物中の炭素がガス化する。加熱炉
10内は水素の圧力分だけの低い圧力になっているの
で、生成されたガスは、そのほとんどが超電導コイル1
から加熱炉10内へ放出される。超電導コイル1内の残
留ガスも排出するためには反応が完了した後に、再び、
真空排気装置11により発生ガスを排気する。
炭素濃度の検出により行うことができる。また、加熱炉
10にマイクロ波発生器25を取り付けることにより水
素ガスをプラズマ化することが可能になる。水素プラズ
マは、 C + 4H+ → CH4 のように反応し、水素よりも激しく反応するために短時
間でより確実に炭素がガス化する。
である真空雰囲気中の無酸素状態で600℃から700
℃で行う超電導生成と同時に処理することができ、一次
熱処理工程について省略できる利点がある。一次熱処理
工程を長時間行うと、超電導線を構成する銅等の酸化膜
が厚くなって正味の銅が減少し、超電導特性が不安定と
なることがあるが、一次熱処理工程を省略できるので、
信頼性の高い安価な超電導コイルの製造が可能となる。
明する。図11は、本発明の第7の実施の形態における
絶縁被覆内に残存する有機物質除去作業を含む製紐作業
を示す説明図である。超電導線に製紐機を用いて絶縁被
覆を編付けた後、ボビンに絶縁被覆超電導線を巻き付け
る前に、水洗い工程および乾燥工程を行う。
で絶縁被覆を編付けた後、ボビン19に絶縁被覆超電導
線4を巻き付ける前に、水洗い工程および乾燥工程を行
う。
付けて製紐作業用に混入した澱粉等の有機物質を洗い落
とす。次いで乾燥工程において乾燥機(図示せず)で温
度を高めた空気28を送り、絶縁被覆内あるいは超電導
線の表面に残っている水分を除去する。水洗いの方法
は、シャワー式によらないときは浴槽に水を張り、浸漬
してもよい。また、水に代えて、水蒸気を使用してもよ
い。
できるので、長時間にわたる一次熱処理工程のために超
電導線を構成する銅等の酸化膜が厚くなって正味の銅が
減少し、超電導特性が不安定となるのを抑制することが
でき、信頼性の高い安価な超電導コイルの製造が可能と
なる。
二次熱処理後に炭化物として残留し、絶縁不良の原因と
なる有機物を含まない超電導線をコイルに巻回すことが
できるので、絶縁不良が確実に抑えられると共に、一次
熱処理工程が省略できるので、信頼性の高い安価な超電
導コイルの製造が可能になる。
明する。図12は、本発明の第8の実施の形態における
絶縁被覆内に残存する有機物質除去作業を含むコイル巻
回作業を示す説明図である。絶縁被覆超電導線を巻き付
けてあるボビンから巻線機を用いて巻枠に巻回する間
に、水洗い工程および乾燥工程を行う。
き取っているボビン19から巻線機(図示せず)で巻枠
7に巻回する間に、水洗い工程および乾燥工程を行う。
水洗い工程では、微細化した水27を吹き付けて製紐作
業用に混入した澱粉等の有機物質を洗い落とす。次いで
乾燥工程において乾燥機(図示せず)で温度を高めた空
気28を送り、絶縁被覆内あるいは超電導線の表面に残
っている水分を除去する。水洗いの方法は、シャワー式
によらないときは容器に水を張り、浸漬してもよい。ま
た、水に代えて、水蒸気を使用してもよい。
できるので、長時間にわたる一次熱処理工程のために超
電導線を構成する銅等の酸化膜が厚くなって正味の銅が
減少し、超電導特性が不安定となるのを抑制することが
でき、信頼性の高い安価な超電導コイルの製造が可能と
なる。
二次熱処理後に炭化物として残留し、絶縁不良の原因と
なる有機物を含まない超電導線をコイルに巻回すことが
できるので、絶縁不良が確実に抑えられると共に、一次
熱処理工程が省略できるので、信頼性の高い安価な超電
導コイルの製造が可能となる。
明する。図13は、本発明の第9の実施の形態における
絶縁被覆内に残存する有機物質除去作業を含むコイル巻
回作業を示す構成図である。超電導コイルを巻回した
後、二次熱処理を行う前に、超電導コイルを水槽に入
れ、超音波発生器を用いて超音波洗浄する。
ル1を巻回した後、二次熱処理を行う前に、超電導コイ
ル1を水を張った水槽29に入れる。超電導コイル1を
水中に置くだけでは超電導コイル1の内層側の絶縁材や
絶縁被覆に含有する有機物が十分に水に溶ける可能性が
ない。そこで、超音波発生器30から超電導コイル1に
超音波を発射して超音波洗浄する。
電導コイル1の内層側の絶縁材や絶縁被覆に含有する有
機物が十分に水に溶け出し、有機物を除去することがで
きる。使用する水は、温度の高い温水を使用すること
で、より効果を高めることができる。なお、本実施の形
態は超音波発生器30に代えて、バブル発生器によりバ
ブルを発生させる方法を用いてもよい。
ルを併用するので、有機物を効果的に除去することがで
きる。したがって、超電導コイルとしての絶縁性が高
く、電気的に安定となり、高性能な超電導コイルを製造
できる。
絶縁被覆超電導線を巻回して形成した超電導コイルにお
いて、絶縁被覆などに含有している有機物を超電導線が
損傷劣化しない比較的短時間の加熱によりガス化して確
実に放出でき、あるいは、特別な加熱処理を施さずに、
電気絶縁上有害な炭化物が残留しない信頼性の高い超電
導コイルおよびその製造方法を提供することができる。
の巻回時に過度な張力を加えなくとも高い寸法精度を実
現でき、絶縁被覆の損傷がない高性能、高精度の超電導
コイルの製造方法を提供することができる。
を示すもので、(a)は超電導コイルの断面図、(b)
は絶縁被覆超電導線の斜視図。
を形成する際の一次熱処理工程を示す説明図。
の他の一例を示す断面図。
使用した巻枠を示す斜視図。
層のガラス繊維の電気絶縁特性を従来例との比較で示し
た特性図。
の製造方法を適用した超電導コイルを示す断面図。
の製造方法を適用した場合の一次熱処理工程時の超電導
コイルを示す断面図。
の製造方法を適用した場合の一次熱処理工程時の超電導
コイルの他の例を示す断面図。
の製造方法の工程のうち、絶縁被覆超電導線の巻回工程
を示す構成図。
ルの製造方法の工程のうち、水素使用による一次熱処理
工程を示す構成図。
ルの製造方法の工程のうち、有機物質除去工程を示す説
明図。
ルの製造方法の工程のうち、有機物質除去工程を示す説
明図。
ルの製造方法の工程のうち、有機物質除去工程を示す構
成図。
Claims (24)
- 【請求項1】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、
絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイ
ルにおいて、前記巻枠に流体が流通する複数個の貫通孔
を設けたことを特徴とする超電導コイル。 - 【請求項2】 前記貫通孔は、巻き芯の内周と外周を連
通する穴、または巻き鍔のコイル側と反コイル側とを連
通する穴の少なくともいずれか一方であることを特徴と
する請求項1に記載の超電導コイル。 - 【請求項3】 前記貫通孔は、巻き芯の外周に軸方向に
沿う複数本の溝を形成し、一方前記巻き鍔には前記溝に
対峙する位置にコイル側と反コイル側とを連通する穴を
設けたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイ
ル。 - 【請求項4】 前記巻枠の側面の貫通孔と多数回巻回さ
れた絶縁被覆超電導線との間、または絶縁被覆超電導線
間に、銀からなるシート状の板を設けたことを特徴とす
る請求項1に記載の超電導コイル。 - 【請求項5】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、
絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイ
ルにおいて、前記巻枠はその材質として銀を用いたこと
を特徴とする超電導コイル。 - 【請求項6】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、
絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイ
ルの製造方法において、前記巻枠に流体が流通する複数
個の貫通孔を設ける工程と、前記巻枠へのコイル巻回に
先立って巻枠に絶縁材を被着する工程と、この絶縁材の
上に絶縁被覆超電導線を巻回する巻回工程と、絶縁材お
よび絶縁被覆に含まれる有機物をガス化して放出させる
一次熱処理工程と、前記一次熱処理工程が終了したこと
を判定する一次熱処理完了判定工程と、前記超電導線を
超電導体化するための二次熱処理工程とを具備したこと
を特徴とする超電導コイルの製造方法。 - 【請求項7】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠に、
絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導コイ
ルの製造方法において、前記巻枠に流体が流通する複数
個の貫通孔を設ける工程と、前記巻枠へのコイル巻回に
先立って離型剤を介して金属箔を装着する工程と、この
金属箔の上に絶縁材を被着する工程と、この絶縁材の上
に絶縁被覆超電導線を巻回する巻回工程と、絶縁材およ
び絶縁被覆に含まれる有機物をガス化して放出させる一
次熱処理工程と、前記一次熱処理工程が終了したことを
判定する一次熱処理完了判定工程と、前記超電導線を超
電導体化するための二次熱処理工程と、絶縁材および絶
縁被覆超電導線を絶縁物で含浸一体化する工程と、その
後巻枠をコイルから分解する工程とを具備したことを特
徴とする超電導コイルの製造方法。 - 【請求項8】 前記巻枠に流体が流通する複数個の貫通
孔を設ける工程に代えて、前記巻枠を銀で形成する工程
としたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載
の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項9】 前記巻枠に流体が流通する複数個の貫通
孔を設ける工程と、前記巻枠の側面の貫通孔と多数回巻
回された絶縁被覆超電導線との間、または絶縁被覆超電
導線間に、銀からなるシート状の板を設ける工程と追加
して設けたことを特徴とする請求項6または請求項7に
記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項10】 前記一次熱処理工程は、酸素を含有す
る気体中で炉中加熱する工程であり、前記一次熱処理完
了判定工程は、炉内の一酸化炭素あるいは二酸化炭素濃
度が規定値以下であることを確認する工程であることを
特徴とする請求項6または請求項7記載の超電導コイル
の製造方法。 - 【請求項11】 前記一次熱処理工程は、酸素を含有す
る気体中で炉中加熱する工程であり、前記一次熱処理完
了判定工程は、炉内の酸素濃度が規定値以上であること
を確認する工程であることを特徴とする請求項6または
請求項7に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項12】 前記一次熱処理完了判定工程後に、さ
らに、炉内を減圧脱気して再び炉内を酸素を含有した気
体に置換して加熱する追加の熱処理工程を具備したこと
を特徴とする請求項6または請求項7記載の超電導コイ
ルの製造方法。 - 【請求項13】 前記一次熱処理工程は、真空中に微量
の水素を含有する炉中加熱する工程であることを特徴と
する請求項6または請求項7に記載の超電導コイルの製
造方法。 - 【請求項14】 前記一次熱処理工程は、水素プラズマ
雰囲気を保持している炉中加熱する工程であることを特
徴とする請求項6または請求項7に記載の超電導コイル
の製造方法。 - 【請求項15】 請求項1乃至請求項3記載の超電導コ
イルを製造するための超電導コイルの製造方法におい
て、前記一次熱処理工程は、前記巻き鍔に設けられた貫
通孔をジャケットで覆い、このジャケットに接続された
給気管で外部から酸素を含有した気体を強制給気しなが
ら加熱する工程であることを特徴とする請求項6または
請求項7に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項16】 請求項1または請求項2記載の超電導
コイルを製造するための超電導コイルの製造方法におい
て、前記一次熱処理工程は、前記巻き芯の両端部を蓋で
覆い、この蓋に接続された給気管で外部から酸素を含有
した気体を強制給気しながら加熱する工程であることを
特徴とする請求項6または請求項7に記載の超電導コイ
ルの製造方法。 - 【請求項17】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠
に、絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導
コイルの製造方法において、前記巻回工程は、前記絶縁
被覆超電導線が巻枠に巻回される手前で前記絶縁被覆超
電導線を加熱する工程と、前記巻枠に巻回された後、速
やかに前記絶縁被覆超電導線を冷却する工程とを具備し
たことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の超
電導コイルの製造方法。 - 【請求項18】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠
に、絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導
コイルの製造方法において、超電導線に絶縁被覆を編付
ける製紐工程と、前記絶縁被覆内に残存する有機物質を
除去する工程と、有機物質を除去された絶縁被覆超電導
線を巻き取り手段に巻き取る工程と、前記絶縁被覆超電
導線を前記巻き取り手段から前記巻枠に巻回する巻回工
程とを具備したことを特徴とする超電導コイルの製造方
法。 - 【請求項19】 前記有機物質除去工程は、水を用いて
有機物質を洗浄する工程であることを特徴とする請求項
18に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項20】 巻き芯の両側に巻き鍔を有する巻枠
に、絶縁被覆超電導線を多数回巻回して形成した超電導
コイルの製造方法において、超電導線に絶縁被覆を編付
ける製紐工程と、絶縁被覆超電導線を巻き取り手段に巻
き取る工程と、前記絶縁被覆超電導線を前記巻き取り手
段から前記巻枠に巻回する間に、前記絶縁被覆内に残存
する有機物質を除去する工程とを具備したことを特徴と
する超電導コイルの製造方法。 - 【請求項21】 前記有機物質除去工程は、水を用いて
有機物質を洗浄する工程であることを特徴とする請求項
20に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項22】 請求項1または請求項2記載の超電導
コイルを製造するための超電導コイルの製造方法におい
て、超電導線に絶縁被覆を編付ける製紐工程と、絶縁被
覆超電導線を巻枠に巻回する巻回工程と、巻回された前
記絶縁被覆超電導線の絶縁被覆内に残存する有機物質を
除去する工程とを具備したことを特徴とする超電導コイ
ルの製造方法。 - 【請求項23】 前記有機物質除去工程は、水を用いて
有機物質を洗浄する工程であることを特徴とする請求項
22に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項24】 前記有機物質除去工程は、超音波また
はバブルを併用することを特徴とする請求項23に記載
の超電導コイルの製造方法。
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JP2009099573A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超電導コイルの製造方法 |
JP2014512682A (ja) * | 2011-04-20 | 2014-05-22 | シーメンス ピーエルシー | 熱輻射シールドを有する超電導マグネット |
JP2014236092A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 株式会社東芝 | 超電導コイルの製造装置およびその製造方法 |
WO2021107248A1 (ko) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 한국전기연구원 | 확산접합을 이용한 고온초전도코일의 제조방법 및 이에 의해 제조되는 고온초전도코일 |
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2000
- 2000-01-19 JP JP2000009759A patent/JP4282196B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9543066B2 (en) | 2011-04-20 | 2017-01-10 | Siemens Plc | Superconducting magnets with thermal radiation shields |
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