JP2001015016A - 陰極線管用色選別機構の製造装置および製造方法 - Google Patents

陰極線管用色選別機構の製造装置および製造方法

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JP2001015016A
JP2001015016A JP11182682A JP18268299A JP2001015016A JP 2001015016 A JP2001015016 A JP 2001015016A JP 11182682 A JP11182682 A JP 11182682A JP 18268299 A JP18268299 A JP 18268299A JP 2001015016 A JP2001015016 A JP 2001015016A
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Taketo Hirose
健人 廣瀬
Hiromi Tagusari
洋見 田鎖
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色選別機構の製造に際し、フレーム加圧時の
集中荷重による横フレームの応力歪みを抑えてマスクシ
ワの発生を防止する。 【解決手段】 一対の横フレームと一対の縦フレームか
ら成る略矩形状の支持フレームに色選別マスクを取り付
けるにあたり、一対の横フレームを互いに接近する方向
に加圧する加圧治具13を備える。加圧治具13の前面
部には、二つの加圧突子14を設けてある。各々の加圧
突子14はフレーム加圧に際して横フレームに当接する
もので、治具本体15とは別構造になっている。そし
て、加圧治具13によるフレーム加圧方向と略直交する
フレーム湾曲方向に加圧突子14が移動し得るよう、治
具本体15に形成した凹溝18と一対の押え片16によ
り加圧突子14をZ方向に移動可能に係合支持してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管の製造技
術に係り、特に、陰極線管に用いられる色選別機構の製
造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】トリニトロン方式(商標名)のカラー陰
極線管では、電子銃から出射された3本の電子ビームを
選択的に通過させる色選別機構をパネルの内側に取り付
け、この色選別機構を介して上記3本の電子ビームをそ
れぞれに対応する色の蛍光体に当てて画像を表示してい
る。
【0003】図11はトリニトロン方式における色選別
機構の斜視図である。図示した色選別機構51は、主と
して、略矩形状をなす支持フレーム52と、薄板状の色
選別マスク(アパーチャグリル)53とから構成されて
いる。また、支持フレーム52は、一対の横フレーム5
4と一対の縦フレーム55とによって略矩形状に組み立
てられている。各々の横フレーム54は断面L字形をな
し、その前端面に色選別マスク53が接合されている。
色選別マスク53には、一方の横フレーム54から他方
の横フレーム54に向かって延びる多数のスリット孔が
設けられ、このスリット孔の部分で電子ビームを選択的
に通過させる仕組みになっている。ちなみに、図中のZ
方向は陰極線管の管軸方向、X方向は陰極線管の画面水
平方向、Y方向は陰極線管の画面垂直方向にそれぞれ対
応する。
【0004】この色選別機構51を製造するにあたって
は、図12(a)に示すように、一対の横フレーム54
をそれぞれ外側から加圧することで支持フレーム52を
弾性変形させ、その状態で一対の横フレーム54に色選
別マスク53を接合したのち、一対の横フレーム54の
加圧状態を解除する。この加圧解除に伴い、色選別マス
ク53には図12(b)に示すように張力(テンショ
ン)が付与され、これによって一対の横フレーム54の
間に色選別マスク53が架張される。
【0005】図13は色選別機構を製造する際に使用さ
れる加圧治具の斜視図である。図13においては、一対
の横フレーム54に対して、合計4つの加圧治具56が
配設されている。各々の加圧治具56は、一対の横フレ
ーム54に対向する状態で外側に配置されている。な
お、図中のホルダー62は、適度なバネ性を有する板状
部材であり、これは色選別機構を陰極線管のパネルに取
り付ける際に使用される。
【0006】図14(a),(b)に加圧治具の従来構
造を示す。図14(a)はダブルイコライズ方式(2点
加圧方式)と呼ばれる加圧治具56で、その前面部に二
つの加圧突子57が一体に設けられている。図14
(b)はトリプルイコライズ方式(3点加圧方式)と呼
ばれる加圧治具56で、その前面部に三つの加圧突子5
7を有している。このトリプルイコライズ方式の加圧治
具56は、二つの治具本体56a,56bを組み合わせ
た構造になっている。一方の治具本体56aの一端には
一つの加圧突子57が一体に設けられ、その反対側に横
長の凹溝58が形成されている。この凹溝58には他方
の治具本体56bが係合され、この治具本体56bに二
つの加圧突子57が一体に設けられている。
【0007】続いて、上記トリプルイコライズ方式の加
圧治具を用いた色選別機構の製造手順につき、図15〜
図17を用いて説明する。なお、図15(a)は支持フ
レームを加圧治具で加圧する前の状態を示す正面図(図
13のA方向から見た図)であり、図15(b)はその
加圧前状態を示す側面図(図13のB方向から見た図)
である。また、図16(a)は支持フレームを加圧治具
で加圧した状態を示す正面図であり、図16(b)はそ
の加圧状態を示す側面図である。
【0008】先ず、図15(a),(b)に示すよう
に、支持フレーム52を水平に保持した状態からこれを
上昇させることにより、一対の横フレーム54をそれぞ
れ位置決めローラ58に突き当てる。これにより、Z方
向における支持フレーム52の位置決めがなされる。次
に、各々の加圧治具56を接近移動させて横フレーム5
4に接触させる。これにより、加圧治具56に設けられ
た加圧突子57が横フレーム54に当接した状態とな
る。
【0009】次いで、図16(a),(b)に示すよう
に、一対の横フレーム54をそれぞれ外側から加圧治具
56により加圧する。これにより、一対の横フレーム5
4が互いに接近する方向で支持フレーム52が弾性変形
する。
【0010】続いて、図17(a)に示すように、一対
のクランパー59とその間に組み込まれたアルミニウム
製の押え棒60により、色選別マスク(この時点ではマ
スク素材)53の外周部(ペリフェリ部)を挟持しつつ
外側に引っ張り、その真下に加圧状態の支持フレーム5
2を配置する。
【0011】その後、図17(b)に示すように、支持
フレーム52の上昇によって一対の横フレーム54を色
選別マスク53に接触させ、そのまま色選別マスク53
を規定量だけ押し上げる。これにより、一対の横フレー
ム54が色選別マスク53に押し付けられるため、この
状態で各々の横フレーム54の前端面に色選別マスク5
3をシーム溶接する。また、溶接後は、一対の横フレー
ム54の加圧状態を解除するとともに、色選別マスク
(マスク素材)の外周部(ペリフェリ部)を切除する。
これにより、図11に示す色選別機構51の組み立てが
完了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来において
は、横フレーム54の一部に過大な力が集中して加わら
ないよう、フレーム加圧を行う加圧治具56に複数(二
つまたは三つ)の加圧突子57を設け、これらの加圧突
子57を横フレーム54に均一に当接させることによ
り、外部からの加圧力を一定の比率で分配している。し
かしながら、横フレーム54の各加圧ポイントでは、ど
うしても加圧突子57による局所的な加圧力が加わるこ
とから、その加圧ポイントにおいて集中荷重による応力
歪みがフレーム内部に発生したり、極端な場合には局所
的な変形歪みが生じることがある。
【0013】そうした場合、その後の製造工程(例えば
フレーム黒化処理)で色選別機構51を熱処理したとき
に、上記応力歪みや変形歪みが原因で色選別マスク53
の表面にシワ状の凹凸(以下、「マスクシワ」という)
が発生することがある。このようなマスクシワが色選別
マスク53に発生すると、陰極線管のパネルに色選別機
構51を装着してパネル内面の蛍光体膜を露光するとき
に、その露光パターンひいては蛍光体パターンの形状が
不均一になる。また、色選別マスク53の表面には、図
18に示すようにマスク揺れを抑制するためのダンパー
ワイヤ61が張られるが、色選別マスク53にマスクシ
ワ53aがあると、その部分でダンパーワイヤ61の浮
き(色選別マスク53との非接触部分)が発生し、マス
ク揺れの抑制効果が得られなくなる。色選別マスク53
の揺れは、実際に陰極線管を動作させたときに、画面上
での局所的な画像の揺れや色ずれ等を発生させるため、
陰極線管の動作特性を著しく悪化させてしまう。
【0014】そこで、集中荷重による応力歪みの影響を
少なくする一つの方策として、横フレーム54に接触す
る加圧治具56の接触点数(加圧突子57の数)を増や
すことも考えられるが、設備的な限界(加圧治具56を
組み込むスペース的な問題等)から、現在主流となって
いるトリプルイコライズ方式(3点加圧方式)以上に接
触点数を増やすことが難しい状況となっている。
【0015】また、他の方策として、図19に示すよう
にZ方向において加圧治具56が横フレーム54に接触
する位置(加圧位置)を、横フレーム54の前端面54
a(色選別マスク53が溶接される面)から遠ざけるこ
とが、集中荷重による応力歪みの影響を抑えるうえで有
効であるとされている。ところが、この方策を採るにあ
たっては、次のような不具合が生じている。
【0016】すなわち、横フレーム54を加圧治具56
で加圧して支持フレーム52を弾性変形させると、横フ
レーム54は先の図16(a)に示すようにZ方向に湾
曲するかたちで変形する。そうすると、フレーム加圧の
過程(横フレーム54が湾曲変形する過程)で加圧治具
56と横フレーム54の相対位置がZ方向にずれるとと
もに、そのずれ量に応じて加圧突子57が横フレーム5
4の表面を滑り、結果的に横フレーム54に対する加圧
突子57の接触位置がZ方向でずれてしまう。こうした
接触位置のずれは、横フレーム54の両端部では殆ど発
生せず、その間のフレーム中間部で発生する。その理由
は、横フレーム54の両端部を位置決めローラ58に突
き当てて支持フレーム52のZ方向の位置決めを行い、
これによってフレーム加圧時には横フレーム54の両端
部が位置決めローラ58で固定された状態で湾曲変形す
るためである。
【0017】このように横フレーム54の湾曲変形があ
ると、先の図19において横フレーム54に対する加圧
突子57の接触位置を、横フレーム54の前端面54a
から出来るだけ遠ざけるべく、横フレーム54の平坦部
範囲(矢印の範囲)の最端位置に設定すると、横フレー
ム54の湾曲変形に伴って加圧突起57の接触位置が上
記平坦部範囲から外れてしまう。そうすると、特にX方
向におけるフレーム中間部においては、加圧状態におけ
る横フレーム54と加圧突子57の接触状態が不安定に
なり、加圧力の分配比率が大きく崩れてしまう。
【0018】また、横フレーム54の湾曲変形による相
対位置のずれ量は、その時々の材料特性や加圧条件等に
よって変動するため、上記ずれ量を予め見込んで加圧突
子57の接触位置を設定したとしても、見込み違いによ
って分配比率の崩れを招くことになる。こうした分配比
率の崩れは、色選別マスク53の張力分布を悪化させる
だけでなく、色選別マスク53の表面に新たなマスクシ
ワ(凹凸)を生じさせる原因となる。そのため、先の図
19に示すように加圧突子57の接触位置を横フレーム
54の平坦部範囲の最端位置に設定できず、その結果、
集中荷重による応力歪みの影響を十分に抑えきれない状
況にある。
【0019】また、図18に示すようなフレーム中間部
でのマスクシワ53aを防止する手段として、例えば図
17(b)における支持フレーム52の上昇量を大きく
して横フレーム54の前端面54aをより強く色選別マ
スク(素材)53に押し当てることも考えられる。しか
しながら、このような手法を採用すると、押え棒(アル
ミニウム棒)60の摩耗が激しくなってその交換頻度が
高くなるため、色選別機構51の製造コストが上昇して
しまう。また、フレーム中間部でのマスクシワ53の発
生をうまく回避できても、フレーム両端部でマスクシワ
を誘発する危険性が高くなる。
【0020】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その主たる目的は、陰極線管用色選別機構
を製造するにあたり、フレーム加圧時の集中荷重による
応力歪み等の影響を抑えてマスクシワの発生を防止する
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、一対の横フレームと一対
の縦フレームから成る略矩形状の支持フレームと、一対
の横フレームに接合された色選別マスクとを備える陰極
線管用色選別機構の製造装置において、一対の横フレー
ムを互いに接近する方向に加圧する加圧治具を備えると
ともに、この加圧治具の前面部に、横フレームに当接し
かつ加圧治具によるフレーム加圧方向と略直交するフレ
ーム湾曲方向に移動可能な加圧突子を有する構成となっ
ている。
【0022】上記陰極線管用色選別機構の製造装置にお
いては、一対の横フレームをそれぞれ加圧治具で加圧す
ると、各々の横フレームが加圧治具によるフレーム加圧
方向と直交する方向に湾曲変形する。このとき、加圧治
具の前面部に設けられた加圧突子は、横フレームに当接
したまま、その横フレームの湾曲変形に追従して移動す
る。これにより、フレーム加圧の前後でも、横フレーム
に対する加圧突子の接触位置が一定に保持される。
【0023】また、本発明による陰極線管用色選別機構
の製造方法では、一対の横フレームと一対の縦フレーム
から成る略矩形状の支持フレームに対し、一対の縦フレ
ームを加圧することにより一対の横フレームを互いに接
近する方向に変位させ、次いで、一対の横フレームに色
選別マスクを接合したのち、一対の縦フレームの加圧状
態を解除するようにしている。
【0024】上記陰極線管用色選別機構の製造方法によ
れば、一対の縦フレームを加圧した状態で、一対の横フ
レームに色選別マスクを接合し、その後、一対の縦フレ
ームの加圧状態を解除することにより、一対の横フレー
ムの間に色選別マスクが架張される。この場合、フレー
ム加圧の対象を縦フレームとすることにより、集中荷重
による応力歪みや変形歪みを横フレームに生じさせるこ
となく、色選別マスクを接合することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明で製造対象としてい
る陰極線管の構成例を示す斜視図である。図1におい
て、陰極線管バルブ1は、例えばストライプ状の蛍光体
をパターン配列した蛍光面を有するパネル2と、このパ
ネル2に接合された漏斗状のファンネル3と、このファ
ンネル3から一体に延出する筒状のネック4とから構成
されている。パネル2とファンネル3は、フリットシー
ル部5を介して接合されている。また、ネック4の内部
には、電子ビームの出射源となる電子銃6が組み込まれ
ている。
【0026】一方、パネル2の内側には、上記電子銃6
からの電子ビームを選択的に通過させて色選別を行う色
選別機構7が取り付けられている。色選別機構7は、図
2にも示すように、略矩形状の支持フレーム8と、この
支持フレーム8に支持された色選別マスク(アパーチャ
グリル)9とから構成されている。
【0027】支持フレーム8は、上下一対の横フレーム
10と左右一対の縦フレーム11とによって構成されて
いる。一対の横フレーム10は断面略L字形をなすもの
で、各々の前端面に色選別マスク9が接合(シーム溶接
等)されている。また、各々の縦フレーム11の両端部
は一対の横フレーム10の両端部に溶接され、これによ
って支持フレーム8が略矩形状に組み立てられている。
さらに、支持フレーム8の外周部には、色選別機構7を
パネル2に取り付けるための複数のホルダー12が設け
られている。
【0028】色選別マスク9は、板厚の薄い導電性(金
属等)の矩形シートから成るもので、その上縁部と下縁
部とが上記一対の横フレーム10に接合されている。こ
の色選別マスク9には、X方向に亘って幅狭のテープ状
グリッド素体が多数形成され、それらのグリッド素体に
よって一方の横フレーム10から他方の横フレーム10
に向かう多数のスリット孔が形成されている。そして、
それらのスリット孔の部分で電子ビームを選択的に通過
させる仕組みになっている。
【0029】次に、本発明に係る陰極線管用色選別機構
の製造装置について説明する。
【0030】図3は上記色選別機構を製造する際に使用
される加圧治具の斜視図である。図3においては、一対
の横フレーム10に対して、合計4つの加圧治具13が
配設されている。各々の加圧治具13は、一対の横フレ
ーム10に対向する状態で外側に配置されている。ま
た、各々の加圧治具13の前面部(横フレーム10と対
向する側の面)には、それぞれ二つの加圧突子14が設
けられている。これらの加圧突子14は、加圧治具13
の本体部(後述)と別構造になっている。
【0031】図4は本発明の実施形態に係る加圧治具の
構造を説明するもので、図中(a)はその平面図、
(b)はその正面図である。図示した加圧治具13は、
主として、加圧突子14と、治具本体15と、押え片1
6と、ストッパー片17とによって構成されている。治
具本体15の前面両サイドには、それぞれZ方向に沿う
凹溝18が形成され、この凹溝18に加圧突子14が係
合されている。
【0032】ここで、Z方向における加圧突子14の高
さ寸法H1は、治具本体15の高さ寸法H1の1/2〜
3/5程度に設定されている。また、凹溝18と加圧突
子14の嵌め合いは、X方向における凹溝18の幅寸法
W1が加圧突子14の幅寸法W2よりも数十μm(例え
ば、20〜60μm)ほど大きい、所謂すきま嵌め構造
となっている。これにより、加圧突子14は凹溝18に
沿ってZ方向に移動自在に係合されている。
【0033】また、治具本体15の前面部には、各加圧
突子14の両脇に位置して一対の押え片16が設けられ
ている。これらの押え片16は、上記凹溝18に係合さ
れた加圧突子14の倒れを防止すべくこれをY方向から
押え、かつ加圧突子14を上記凹溝18と共にZ方向に
移動自在に案内支持するものである。各々の押え片16
は、加圧突子14の両サイド14aを凹溝18との間で
挟むようにして、治具本体15の背面側からネジ19に
より固定されるようになっている。
【0034】さらに、治具本体15の凹溝18の下端部
には、凹溝18と一対の押え片16により形成される空
間に突出する状態でストッパー片17が取り付けられて
いる。このストッパー片17は、Z方向において加圧突
子14の下端面に突き当たることにより、加圧突子14
の自重落下による脱落を防止しかつZ方向における加圧
突子14の初期位置(横フレーム10を加圧する前の位
置)を規制するものである。
【0035】ちなみに、ダブルイコライズ方式の加圧治
具では、上記治具本体15と二つの加圧突子14の組み
合わせによって一対の横フレーム10を片側2点でそれ
ぞれ加圧することになるが、トリプルイコライズ方式の
加圧治具では、図5に示すように二つの治具本体15
a,15bを互いに組み合わせるとともに、一方の治具
本体15aに一つの加圧突子14、もう一方の治具本体
15bに二つの加圧突子14を設け、これらの組み合わ
せによって一対の横フレーム10を片側3点でそれぞれ
加圧することになる。
【0036】続いて、上記加圧治具を用いた色選別機構
の製造手順につき、図6および図7を用いて説明する。
図6(a)は支持フレームを加圧治具で加圧する前の状
態を示す正面図であり、図6(b)はその加圧前状態を
示す側面図である。また、図7(a)は支持フレームを
加圧治具で加圧した状態を示す正面図であり、図7
(b)はその加圧状態を示す側面図である。なお、ここ
では上記治具構造をトリプルイコライズ方式の加圧治具
に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0037】先ず、図6(a),(b)に示すように、
支持フレーム8を水平に保持した状態からこれを上昇さ
せることにより、一対の横フレーム10をそれぞれ位置
決めローラ20に突き当てる。これにより、Z方向にお
ける支持フレーム8の位置決めがなされる。次に、各々
の加圧治具13を接近移動させて横フレーム10に接触
させる。これにより、加圧治具13に設けられた加圧突
子14が横フレーム10に当接した状態となる。
【0038】次いで、図7(a),(b)に示すよう
に、一対の横フレーム10をそれぞれ外側から加圧治具
13により加圧する。このときのフレーム加圧方向は、
一対の横フレーム10に圧縮力を作用させる方向、つま
りY方向となる。これにより、一対の横フレーム10が
互いに接近する方向で支持フレーム8が弾性変形する。
その際、一対の横フレーム10はZ方向に湾曲するかた
ちで変形するものの、加圧治具13の加圧突子14がZ
方向に移動自在に支持されていることから、フレーム加
圧の際には横フレーム10の湾曲変形に追従するかたち
で加圧突子14がZ方向(図7(a)の上方向)に移動
する。
【0039】さらに詳述すると、横フレーム10の両端
近傍に当接する最外の加圧突子14は既述の理由により
殆ど移動しないものの、それよりも一つ内側の加圧突子
14は横フレーム10の湾曲変形に伴ってZ方向(上
方)に移動し、さらに最内の加圧突子14はより大きな
移動量をもってZ方向に移動する。その結果、一対の横
フレーム10を規定の力で加圧した状態においては、横
フレーム10の湾曲形状に沿って各々の加圧突子14が
Z方向で階段状に配置されることになる。
【0040】これにより、フレーム加圧の前後では、加
圧治具13と横フレーム10の相対位置がZ方向にずれ
ても、横フレーム10に対する加圧突子14の接触位置
がZ方向でずれることがなくなる。また、フレーム加圧
状態のもとで、一対の横フレーム10の前端面に図示せ
ぬ色選別マスクを接合(シーム溶接等)した後、加圧治
具13を離間移動させて横フレーム10の加圧状態を解
除した際には、前述のようにZ方向に移動した加圧突子
14が自重落下にてストッパー片17(図4参照)に突
き当たる。これにより、各々の加圧治具13において、
加圧突子14がフレーム加圧前の元の位置(初期位置)
に戻る。
【0041】このように本実施形態に係る加圧治具13
を用いることにより、フレーム加圧に際して、横フレー
ム10に対する加圧突子14の接触位置をZ方向で一定
に保持することができる。このことから、加圧力の分配
比率の崩れや、これに起因したマスク張力分布の悪化、
さらには新たなマスクシワの発生を招くことなく、横フ
レーム10の前端面(マスク溶接面)から最も離れたフ
レーム平坦部範囲の最端位置に加圧突子14の接触位置
を設定することができる。その結果、集中荷重による応
力歪みの影響を十分に抑えて、マスクシワの発生を有効
に防止することが可能となる。
【0042】なお、上記図4に示した加圧治具13の構
成では、治具全体の構造を出来るだけ簡素なものとする
ため、治具本体15の凹溝18との間に僅かな隙間を設
けて加圧突子14をZ方向に移動自在に支持するように
したが、横フレーム10の湾曲変形に伴う加圧突子14
の移動をよりスムーズにするには、凹溝18の表面を凹
凸状に形成して加圧突子14との接触抵抗を小さくした
り、凹溝18と加圧突子14との係合部分にボールベア
リング等を組み入れて摩擦抵抗を小さくすることが有効
である。
【0043】また、治具本体15に対するストッパー片
17の取付構造として、例えばストッパー片17に長孔
を設け、この長孔にネジを通して治具本体15にストッ
パー片17を締結することにより、ストッパー片17の
取付位置を長孔の分だけZ方向に調整し得る構造とし、
これによって加圧突子14の初期位置をZ方向で調整可
能な構成とすることにより、横フレーム10に対する各
々の加圧突子14の接触位置をZ方向で調整(微調整)
することが可能となる。これにより、横フレーム10の
長手方向において各々の加圧突子14の接触位置を個別
に設定調整することが可能となる。
【0044】続いて、本発明に係る陰極線管用色選別機
構の製造方法について説明する。
【0045】先ず、色選別機構を製造するにあたって
は、上記一対の横フレーム10と一対の縦フレーム11
から成る矩形状の支持フレーム8に色選別マスク9を取
り付けるに際し、一対の横フレーム10が互いに接近す
る方向で支持フレーム8を弾性変形させる点は従来と同
様であるが、本発明においては、従来のように一対の横
フレーム10を加圧するのではなく、一対の縦フレーム
11を加圧することを特徴としている。
【0046】具体的な実施の形態として、図8(a)に
示すように、各々の縦フレーム11の両端部(曲げ部
分)にZ方向と略平行な平坦部11aを設ける。この平
坦部11aは、横フレーム10と縦フレーム11の溶接
箇所Spから1〜50mm程度の範囲とし、この範囲内
で図示せぬ加圧治具により縦フレーム11を外側から加
圧する。これにより、一対の縦フレーム11をそれぞれ
弾性変形領域内で撓ませ、その撓み変形によって一対の
横フレーム10を互いに接近する方向に変位させる。
【0047】次いで、上記加圧状態のもとで、一対の横
フレーム10の前端面(図の上端面)を色選別マスク
(この時点ではマスク素材)9に押し当て、その接触部
位を横フレーム10の長手方向にわたってシーム溶接す
る。これにより、色選別マスク9が一対の横フレーム1
0に接合される。
【0048】また、溶接後は、図示せぬ加圧治具を離間
移動させて一対の縦フレーム11の加圧状態を解除する
とともに、色選別マスク(マスク素材)9の外周部(ペ
リフェリ部)を切除する。このとき、一対の縦フレーム
11の加圧状態を解除すると、図8(b)に示すよう
に、フレーム弾性変形の反力によって色選別マスク9に
張力が付与される。これにより、一対の横フレーム10
の間に色選別マスク9が架張される。以上で、陰極線管
用の色選別機構7の組み立てが完了する。
【0049】このように色選別機構7を製造するにあた
り、色選別マスク9の張力分布に影響を与える一対の横
フレーム10を加圧せずに、一対の縦フレーム11を加
圧して一対の横フレーム10に色選別マスク9を接合す
ることにより、色選別マスク9に張力を付与するように
しているため、横フレーム10での局所的な集中荷重に
よる応力歪みとこれに伴うマスクシワの発生を防止する
ことができる。また、フレーム加圧の対象を縦フレーム
11とすることで、色選別機構7の設計条件(特に、フ
レーム設計条件)や製造条件(特に、フレーム加圧条
件)のアロワンスが拡大するとともに、横フレーム10
に加圧のための変形歪みが生じないことから、外観品質
を向上させることができる。
【0050】さらに、従来方法においては、横フレーム
10を加圧するが故に、そのときの加圧力が変動したり
すると、加圧状態における横フレーム10の断面形状が
図9に示すように変化し、これによって加圧方向に直交
する横フレーム10の高さ寸法Ha,Hbが変動してい
た。そのため、パネル2(図1参照)の内面に形成され
た蛍光面と色選別マスク9との間の距離が変動し、蛍光
面に対する電子ビームの到達精度にバラツキが生じてい
た。
【0051】これに対して、前述のように一対の縦フレ
ーム11を加圧する場合は、加圧力に関係なく横フレー
ム10の断面形状が一定に保持され、これによって横フ
レーム10の高さ寸法の変動も抑えられる。そのため、
蛍光面に対する電子ビームの到達精度のバラツキが改善
されるとともに、これに伴う歩留りの向上によって生産
性を高めることができる。また、従来のように横フレー
ム10を加圧する場合には、その加圧力に対して横フレ
ーム10の強度を十分に確保する必要があるが、縦フレ
ーム11を加圧する場合には横フレーム10に求められ
る必要強度が低くなるため、その分だけ材料コストを削
減することができる。
【0052】図10はフレーム加圧方式の違いによるマ
スク張力分布の比較図である。図10においては、色選
別マスク(アパーチャグリル)の張力をテープ状グリッ
ド素体の固有振動数に換算した数値(Hz)で縦軸に示
す一方、水平方向(X方向)におけるマスク張力の測定
位置をセンターゼロ基準で横軸に示してある。また、縦
フレームを加圧対象とする新加圧方式での張力分布を
「◆印」でプロットし、横フレームを加圧対象とする旧
加圧方式での張力分布を「●印」でプロットしてある。
【0053】図10から分かるように、横フレームを加
圧する旧加圧方式の場合は、左右のフレーム加圧ポイン
ト(±180mm)とその前後(±120〜±240m
mの範囲)で、張力の変化量が不均一になっている。こ
れに対して、縦フレームを加圧する新加圧方式の場合
は、左右のフレーム加圧ポイント(±180mm)を含
めて、全ての領域でほぼ一定の比例した張力パターンと
なっている。この比較結果からも、フレーム加圧の対象
を横フレームから縦フレームに変更することが、色選別
マスクの張力分布を良好にしてマスクシワの発生防止に
効果をもたらすことが容易に理解できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
用色選別機構の製造装置によれば、加圧治具の前面部に
設けられた加圧突子を横フレームに当接させて一対の横
フレームを互いに接近する方向に加圧した場合に、各々
の横フレームの湾曲変形に追従して加圧突子が移動する
ようになるため、フレーム加圧の前後で横フレームに対
する加圧突子の接触位置を一定に保持することができ
る。これにより、色選別マスクが接合される横フレーム
の前端面から最も遠い位置に加圧突子の接触位置を設定
しても、両者の接触状態が常に安定的に維持されること
から、加圧力の分配比率を崩すことなく、集中荷重によ
る応力歪みの影響を十分に抑えることができる。その結
果、色選別機構におけるマスクシワの発生を有効に防止
して陰極線管の動作特性を向上させることが可能とな
る。
【0055】また、本発明の陰極線管用色選別機構の製
造方法によれば、一対の縦フレームを加圧することによ
り一対の横フレームを互いに接近する方向に変位させ、
次いで、一対の横フレームに色選別マスクを接合したの
ち、一対の縦フレームの加圧状態を解除することによ
り、集中荷重による応力歪みや変形歪みを横フレームに
生じさせることなく、色選別マスクを良好な張力分布を
もって架張することが可能となる。これにより、横フレ
ームの応力歪み等に起因したマスクシワの発生を防止し
て、動作特性に優れた陰極線管を製造することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造対象とする陰極線管の構成例を示
す斜視図である。
【図2】本発明で製造対象とする色選別機構の構成例を
示す斜視図である。
【図3】本発明において色選別機構の製造に使用される
加圧治具の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る加圧治具の構造を説明
する図である。
【図5】トリプルイコライズ方式の加圧治具への適用例
を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る加圧治具を用いた色選
別機構の製造手順を説明する図(その1)である。
【図7】本発明の実施形態に係る加圧治具を用いた色選
別機構の製造手順を説明する図(その2)である。
【図8】本発明の実施形態に係る色選別機構の製造方法
を説明する図である。
【図9】加圧力の変動による横フレームの形状変化を説
明する図である。
【図10】フレーム加圧方式の違いによるマスク張力分
布の比較図である。
【図11】トリニトロン方式における色選別機構の斜視
図である。
【図12】従来におけるフレーム加圧方式を説明する図
である。
【図13】色選別機構の製造に使用される従来の加圧治
具の斜視図である。
【図14】従来の加圧治具の構造を説明する図である。
【図15】従来の加圧治具を用いた色選別機構の製造手
順を説明する図(その1)である。
【図16】従来の加圧治具を用いた色選別機構の製造手
順を説明する図(その2)である。
【図17】従来の加圧治具を用いた色選別機構の製造手
順を説明する図(その3)である。
【図18】マスクシワの発生による不具合を説明する図
である。
【図19】横フレームに対する加圧治具の接触位置を説
明する図である。
【符号の説明】
1…陰極線管バルブ、2…パネル、3…ファンネル、4
…ネック、6…電子銃、7…色選別機構、8…支持フレ
ーム、9…色選別マスク、10…横フレーム、11…縦
フレーム、13…加圧治具、14…加圧突子、15,1
5a,15b…治具本体、16…押え片、17…ストッ
パー片、18…凹溝、19…ネジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の横フレームと一対の縦フレームか
    ら成る略矩形状の支持フレームと、前記一対の横フレー
    ムに接合された色選別マスクとを備える陰極線管用色選
    別機構の製造装置において、 前記一対の横フレームを互いに接近する方向に加圧する
    加圧治具を備えるとともに、この加圧治具の前面部に、
    前記横フレームに当接しかつ前記加圧治具によるフレー
    ム加圧方向と略直交するフレーム湾曲方向に移動可能な
    加圧突子を有することを特徴とする陰極線管用色選別機
    構の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧突子の初期位置を、該加圧突子
    の移動方向において調整可能に構成してなることを特徴
    とする請求項1記載の陰極線管用色選別機構の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 一対の横フレームと一対の縦フレームか
    ら成る略矩形状の支持フレームに対し、前記一対の縦フ
    レームを加圧することにより前記一対の横フレームを互
    いに接近する方向に変位させ、 次いで、前記一対の横フレームに色選別マスクを接合し
    たのち、前記一対の縦フレームの加圧状態を解除するこ
    とを特徴とする陰極線管用色選別機構の製造方法。
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