JP2001010841A - シングルモード光ファイバ用母材及びシングルモード光ファイバ並びにそれらの製造方法 - Google Patents

シングルモード光ファイバ用母材及びシングルモード光ファイバ並びにそれらの製造方法

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JP2001010841A
JP2001010841A JP11177909A JP17790999A JP2001010841A JP 2001010841 A JP2001010841 A JP 2001010841A JP 11177909 A JP11177909 A JP 11177909A JP 17790999 A JP17790999 A JP 17790999A JP 2001010841 A JP2001010841 A JP 2001010841A
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Hiroshi Oyamada
浩 小山田
Masaru Inoue
大 井上
Tadakatsu Shimada
忠克 島田
Hideo Hirasawa
秀夫 平沢
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏波モード分散(PMD)を軽減することに
より、光損失が抑制された長距離伝送システム等に最適
なシングルモード光ファイバ用母材及びシングルモード
光ファイバを提供し、それらを容易かつ低コストで製造
する。 【解決手段】 中心部のコアとこれを同心円状に囲むク
ラッドから構成され、コアの楕円率が2%以下であり、
かつ、クラッドの楕円率が2%以下であるシングルモー
ド光ファイバ母材および該光ファイバ母材を加熱溶融さ
せて、線引きすることにより製造され、偏波モード分散
(PMD)が0.1ps/km0.5 以下であるシングル
モード光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シングルモード光
ファイバ用母材及びシングルモード光ファイバに関し、
特に、長距離伝送システム等で問題となる偏波モード分
散(Plarization Mode Disper
sion、以下「PMD」という。)が軽減されたシン
グルモード光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】軸対称性を有することを特徴とし、長距
離伝搬システム等に使用されるシングルモード光ファイ
バには、ファイバ断面内で直交する2方向に偏波した独
立の二つのモードが存在するが、理論的に光ファイバの
導波構造が真に対称的であれば、二つのモードを区別す
ることができないため、モード分散は起こらないはずで
ある。
【0003】しかし、コアの楕円化や外径に対する偏心
等によってシングルモード光ファイバの特徴である軸対
称性が阻害され、二つの直交偏波モードの伝搬定数の差
が生じる。さらに、長さ方向のコア径ゆらぎや外乱等に
よって、二つのモード間でモード変換が生じ、出射光の
偏光状態はランダムに変動してしまう。
【0004】従って、このような伝搬定数の差等に起因
して、光ファイバ中を伝搬する信号の到達時間に差が生
じ、その結果、信号波形のひずみ、すなわち、偏波モー
ド分散(以下、PMDという。)が起こり光損失を増加
させる。
【0005】このような問題を解決する手段の一つとし
て、光が伝搬するコアの楕円率を小さくすることにより
光損失を軽減する方法が知られている。この場合、PM
Dとコアの楕円率の関係について記載されている文献
(Kashihara et.al.,IWCS Pr
oceeding,635−8(1993))を参考に
して、コアの楕円率を決定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
光ファイバの低コスト化、情報提供手段の進歩等から光
ファイバ用母材の大口径化が要請されるようになり、か
かる要請に応えるため、大口径の光ファイバ用母材を製
造する方法の一つとして、例えばコア部とクラッド部と
をそれぞれ独立したプロセスとして製造する方法が採ら
れている。
【0007】すなわち、コアを製造した後、該コアの外
周部にクラッド層を外付けして光ファイバ用母材を製造
する方法である。この場合、上記理論に従いコアの楕円
率をできる限り小さくして、予め真円に近い断面形状を
有するコアとした後にクラッド層を外付けして光ファイ
バ用母材を製造したにも拘らず、PMDが極めて大きい
光ファイバとなることがある。このような特性を有する
光ファイバは、光損失が多く長距離伝搬システムへの適
用が困難である。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みなされ
たもので、PMDを軽減することにより、光損失が抑制
された長距離伝送システム等に最適なシングルモード光
ファイバおよび該光ファイバを容易かつ低コストで製造
し得るシングルモード光ファイバ用母材を提供すること
を主目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、本発明の請求項1に記載
した発明は、中心部のコアとこれを同心円状に囲むクラ
ッドから構成され、該コアの楕円率が2%以下である光
ファイバ用母材において、前記クラッドの楕円率が2%
以下であることを特徴とするシングルモード光ファイバ
用母材である。
【0010】このように、コアの楕円率が2%以下であ
り、かつ、クラッドの楕円率が2%以下であるシングル
モード光ファイバ用母材とすれば、PMDの軽減や光損
失の抑制がなされたシングルモード光ファイバを容易か
つ低コストで製造するのに最適な光ファイバ用母材とす
ることができる。ここで、本発明における楕円率とは、
原点を通過する長軸と短軸の長さの比をいう。
【0011】また、請求項2に記載した発明は、コアお
よびクラッドの楕円率が2%以下である光ファイバ用母
材を加熱溶融させて、線引きすることにより製造された
シングルモード光ファイバである。
【0012】このように、コアおよびクラッドの楕円率
が2%以下に抑えられたシングルモード光ファイバ用母
材を加熱溶融させて、線引きすることにより製造された
シングルモード光ファイバであれば、該光ファイバをP
MDの軽減、光損失の抑制等の優れた特性を具備した長
距離伝搬システムに最適なシングルモード光ファイバと
することができる。
【0013】この場合、請求項3に記載したように、前
記光ファイバの偏波モード分散(PMD)が、0.1p
s/km0.5 以下であることが望ましい。
【0014】このように、光ファイバの偏波モード分散
(PMD)が、0.1ps/km0. 5 以下であれば、確
実に光損失が抑制された優れたシングルモード光ファイ
バとすることができるので、長距離伝搬システムに最適
である。
【0015】そして、本発明の請求項4に記載した発明
は、楕円率が2%以下であるコアを回転させながら、該
コアの外周部にガラス原料ガスを供給して酸水素炎中で
ガラス原料を加水分解させることにより、該コア上にガ
ラス微粒子を連続的に堆積させてコア−クラッド構造を
有するシングルモード光ファイバ用母材の製造方法にお
いて、前記コアの回転誤差を1%以下に制御して、前記
クラッドの楕円率を2%以下とすることを特徴とするシ
ングルモード光ファイバ用母材の製造方法である。
【0016】このように、楕円率が2%以下であるコア
を回転させながら、該コアの外周部にガラス原料ガスを
供給して酸水素炎中でガラス原料を加水分解させること
により、該コア上にガラス微粒子を連続的に堆積させて
コア−クラッド構造を有するシングルモード光ファイバ
用母材の製造方法において、前記コアの回転誤差を1%
以下に制御すれば、クラッドの楕円率が2%以下である
シングルモード光ファイバ用母材を容易かつ低コストで
製造することができる。
【0017】また、請求項5に記載した発明は、上記製
造方法で得られたコアおよびクラッドの楕円率が2%以
下である光ファイバ用母材を加熱溶融させて、線引きす
ることを特徴とするシングルモード光ファイバの製造方
法である。
【0018】このように、上記製造方法で得られたコア
およびクラッドの楕円率が2%以下である光ファイバ用
母材を加熱溶融させて、線引きすることによりシングル
モード光ファイバを製造すれば、PMDが軽減され、し
かも、光損失が抑制されたシングルモード光ファイバを
容易かつ低コストで製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明者等は、PMDを軽減することにより、光損
失が抑制された長距離伝送システム等に最適なシングル
モード光ファイバとするため、シングルモード光ファイ
バ用母材のコアの楕円率のみならずクラッドの楕円率に
も着目し諸条件を設定すると共に、この母材を用いて所
望のシングルモード光ファイバを容易かつ低コストで製
造する方法を確立し本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0020】本発明のシングルモード光ファイバ用母材
は、中心部のコアとこれを同心円状に囲むクラッドから
構成され、該コアの楕円率が2%以下であり、かつ、該
クラッドの楕円率が2%以下であることを特徴とする。
【0021】ここで、コアおよびクラッドの楕円率は、
分光学機器を用いた測定、例えばプリフォームアナライ
ザによる屈折率分布測定の結果から算出することができ
る。
【0022】このように、シングルモード光ファイバ用
母材のコアの楕円率のみならず、クラッドの楕円率をも
2%以下とすれば、PMDを軽減して光損失の抑制され
た所望のシングルモード光ファイバを製造するのに最適
な光ファイバ用母材とすることができる。
【0023】次に、上記特徴を有するシングルモード光
ファイバ用母材の製造方法について説明するが、本発明
の特徴は、楕円率が2%以下であるコアを回転させなが
ら、該コアの外周部にガラス原料ガスを供給して酸水素
火炎中でガラス原料を加水分解させることにより、該コ
ア上にガラス微粒子を連続的に堆積させることにより、
コア−クラッド構造を有するシングルモード光ファイバ
用母材を製造する方法において、前記コアの回転誤差を
1%以下に制御することである。
【0024】ここで、図1(a)はコア部材製造装置、
図1(b)は燒結反応炉、図1(c)はクラッド製造装
置の例を示す概略図であり、以下、該光ファイバ用母材
を製造する方法について各工程に従って説明する。
【0025】まず、楕円率が2%であるコアを製造する
方法は、従来公知の製造方法、例えばVAD法を適用し
てもよい。図1(a)を引用して具体的に説明すると、
本発明で使用されたコア部材製造装置には、基材として
の石英基材(コア)3が挿入されるチャンバ4、排気管
および該石英基材3の下端のターゲット部に先端を向け
て配置されるコア用バーナ1を備えている。
【0026】また、このバーナ1には、光ファイバコア
部材の原料となる四塩化けい素と屈折率を制御するため
のドーパントとしての四塩化ゲルマニウム等の原料ライ
ン並びに酸水素火炎用の水素ガス、酸素ガス等のガスラ
インが接続されている。さらに、石英基材3の側面に向
けて配置される第1クラッド用バーナ2を備え、四塩化
けい素ガスと酸水素ガスラインが接続されている。
【0027】そして、このような装置を用いて、石英基
材3を回転させながら原料ガスとしての四塩化けい素ガ
スと共にドーパントとしての四塩化ゲルマニウムガスを
酸水素火炎で燃焼させて、石英基材3にスートを堆積さ
せて多孔質コア部材5を形成させる。
【0028】その後、図1(b)に示した燒結反応炉を
用いて、この多孔質コア部材5を、ヘリウムガスと塩素
ガスとの混合ガス導入管および排気管並びに加熱装置6
を備えた燒結反応炉7内に入れ、塩素ガス濃度を調整し
つつ1100〜1400℃に加熱して脱水、塩素のドー
プを行い、さらに燒結して透明ガラス化しコア部材を作
製する。
【0029】なお、シングルモード光ファイバ用母材の
コアの楕円率が2%以下であることが必須要件である
が、上記方法に従ってコアを製造した後、コアの楕円率
を分光学機器を用いて計測し楕円率が2%を超える場合
には、ガラス旋盤加工を行って所定値以内になるように
修正を加えてもよい。
【0030】次に、図1(c)に示したように、得られ
たコア部材8を、ガラス原料ガスとしての四塩化けい素
ガス、酸水素火炎が供給される第2クラッド用バーナ9
と排気管とを有するクラッド製造装置に装着し、該コア
部材8を回転誤差が1%以下になるように制御して回転
させると共に、バーナ9を左右に移動させながら、この
コア部材8の外周部に四塩化けい素ガスを供給して酸水
素火炎中で加水分解させることにより、該コア部材8上
に所望のファイバ特性が得られるように第2クラッドを
形成させる。なお、回転誤差が1%以下になるように制
御するには、コアの回転速度のむらを1%以下になるよ
うに制御すればよい。
【0031】その後、この第2クラッド付きガラスロッ
ド11を、再度図1(b)に示したものと同じ方式の燒
結反応炉に装着し、ヘリウムガスと塩素ガスとの混合ガ
ス雰囲気下において、1100〜1400℃で脱水、塩
素のドープを行い、さらに燒結して透明ガラス化しシン
グルモード光ファイバ用母材を製造する。
【0032】そして、この得られたシングルモード光フ
ァイバ用母材を加熱溶融させて、線引きすることにより
所望の特性を有するシングルモード光ファイバを容易か
つ低コストで製造することができる。
【0033】ここで、図2は、線引き装置を示す概略図
であるが、この図を引用して具体的に説明すると、上記
製造方法により得られたシングルモード光ファイバ用母
材21を、加熱炉22、光ファイバをプラスチック等で
被覆するための被覆部23および光ファイバを巻き取る
ためのファイバ巻取部24を備えた線引き装置の保持部
に装着する。
【0034】次に、光ファイバ用母材21が、2000
℃以上になるように加熱炉22で加熱し、該母材を溶か
しながら引っ張って所望の外径の光ファイバとする。こ
の場合、所望の外径とするため、線引き後直ちに分光学
的に外径を測定し、光ファイバ用母材の送り速度や光フ
ァイバ巻取り速度を調整してもよい。
【0035】このように、コアおよびクラッドの楕円率
が制御されたシングルモード光ファイバ用母材を容易か
つ低コストで製造できると共に、この母材を用いてシン
グルモード光ファイバとすれば、PMDの軽減や光損失
の抑制のなされた長距離伝搬システムに最適な光ファイ
バとなる。
【0036】なお、このシングルモード光ファイバの偏
波モード分散(PMD)は、0.1ps/km0.5 以下
であれば、従来品に比べ光損失を大幅に改善することが
でき、このPMDは、ジョーンズマトリックス固有値解
析法によって計測することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
説明する。
【0038】(製造例)図1(a)に示したコア部材製
造装置を用いて、原料ガスとしての四塩化けい素ガスと
共にドーパントとしての四塩化ゲルマニウムガスを酸水
素火炎で燃焼させて、石英基材にスートを堆積させて多
孔質コアを形成させた。
【0039】次に、図1(b)に示した燒結反応炉に導
入した5モル%の塩素を含むヘリウムガス中に、この多
孔質コア部材を5mm/minの引き下げ速度、110
0℃の条件で脱水、塩素のドープを行い、さらに燒結し
て透明ガラス化し光ファイバコア部材を製造した(以
下、「サンプルA」という。)。
【0040】このようにして製造された光ファイバコア
部材のコアの楕円率を、プリフォームアナライザによる
屈折率分布の測定を行って調べたところ、プリフォーム
アナライザの精度測定限界以下であった。このことか
ら、コアの楕円率は少なくとも2%以下であると判断で
きた。
【0041】上記製造方法に従って、他に3本の光ファ
イバコア部材を製造(以下、「サンプルB」、「サンプ
ルC」および「サンプルD」という。)し、同様にプリ
フォームアナライザによる屈折率分布の測定を行った。
【0042】なお、コアの楕円率が所定の2%を若干上
回る場合には、ガラス旋盤によってコアの楕円率が2%
以下になるように加工修正した。その後、改めてコアの
楕円率を計測し2%以下であることを確認した。
【0043】(実施例1)次に、図1(c)に示したク
ラッド製造装置を用いて、上記製法で得られた光ファイ
バコア部材(サンプルA)を、回転誤差が1%以下にな
るよう制御しながら回転させ、該コア部材に沿って左右
に移動するバーナーを用いて四塩化けい素ガスを酸水素
火炎で加水分解させることにより、該コア部材上にガラ
ス微粒子を連続的に堆積させて多孔質ガラス母材(第2
クラッド付きガラスロッド)を製造した。
【0044】その後この多孔質ガラス母材を再度図1
(b)に示したような燒結反応炉に装着し、ヘリウムガ
ス、塩素ガスの混合ガス雰囲気下で1100℃で脱水、
塩素のドープを行い、さらに燒結して透明ガラス化しシ
ングルモード光ファイバ用母材とした。
【0045】上記サンプルB及びCについても、上記製
造方法に従って同様に光ファイバ母材を製造した。この
ようにして得られた各光ファイバ用母材のクラッドの楕
円率について、プリフォームアナライザによる屈折率分
布の測定を行い、楕円率を算出した。なお、各サンプル
について、母材クラッド楕円率を計測した結果を表1に
示したが、いずれのサンプルについてもコアおよびクラ
ッドの楕円率が2%を超えることはなかった。
【0046】(実施例2)実施例1で得られた光ファイ
バ用母材を線引き装置に装着し、該母材が2000℃以
上になるように加熱溶融させて、線引きを行い光ファイ
バを製造した。得られた光ファイバの切断面の拡大像を
正面からCCDカメラで観察し、画像処理を行って境界
部を求め、光ファイバのクラッド楕円率を算出した結果
を表1に併記したが、いずれのサンプルもクラッドの楕
円率が2%を超えることはなかった。
【0047】なお、光ファイバのコア楕円率は、装置の
精度限界以下で数値を特定することができなかったが、
このことからほぼ真円に近いものと解される。また、各
光ファイバの偏波モード分散(PMD)は、ジョーンズ
マトリックス固有値解析法によって計測した。この結果
も表1に併記したが、いずれのサンプルも所定の0.1
ps/km0.5 を超えることがなかった。
【0048】(比較例)製造例で得られた光ファイバコ
ア部材であるサンプルDを、図1(c)に示したクラッ
ド製造装置を用いて、コアの回転誤差を制御しなかった
以外は実施例1と同一の条件で該コア部材上にガラス微
粒子を連続的に堆積させて多孔質ガラス母材(第2クラ
ッド付きガラスロッド)を製造した。得られた光ファイ
バ用母材のクラッドの楕円率について、プリフォームア
ナライザによる屈折率分布の測定を行い、楕円率を算出
したところ5.0%であった。
【0049】次に、実施例2と同様に得られた光ファイ
バ用母材を2000℃以上に加熱し溶融させて、線引き
を行い光ファイバを製造した。得られた光ファイバの切
断面の拡大像を正面からCCDカメラで観察し、画像処
理を行って境界部を求め、光ファイバのクラッド楕円率
を算出したところ、5.0%であった。また、各光ファ
イバの偏波モード分散(PMD)は、ジョーンズマトリ
ックス固有値解析法によって計測したところ、0.12
1ps/km0.5 であり所定の値を大きく超えていた。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1の結果から明らかなように、光フ
ァイバ用母材の楕円率は、光ファイバの楕円率に直結
し、また、光ファイバ用母材のコアの楕円率を従来公知
の技術に従い小さなものにしたにも拘らず、得られた光
ファイバのPMDが極めて大きなものになる場合がある
(比較例)。さらに、クラッドの楕円率が大きくなる
と、PMDの値が増大することも明らかとなった。
【0052】要因として、クラッドの楕円率が大きい
と、線引き時にクラッド表面の表面張力によって円周方
向に不均一な応力が生じ、これが光ファイバのコアに伝
わって二つの直交偏波モードの伝搬定数に差をもたらす
ため、PMDを増大させると考えられる。従って、PM
Dを小さくするためには、コアの楕円率のみを小さくす
るだけでは不十分であり、クラッドの楕円率も小さくす
べきであり、その値は最大で2%とすることが望まし
い。
【0053】近年、特に大口径の光ファイバ用母材が要
求されるようになり、コア部とクラッド部とを独立した
プロセスで作製する手法が採られるが、このような手法
では特に問題が深刻になる。すなわち、コア部の楕円率
を小さくするだけでは、PMDが低下しない場合がある
ことを意味する。従って、本発明は大口径の光ファイバ
を上記の独立した工程で製造する場合に、特に有益であ
る。
【0054】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0055】例えば、本発明において、コア上にガラス
微粒子を堆積させてクラッド層を形成させることにより
シングルモード光ファイバ用母材を製造する場合に、コ
アの回転誤差を1%以下になるように制御したが、ガス
の供給量やバーナの移動速度等を制御し、楕円率が2%
以下のクラッドを形成させてもよい。本発明の光ファイ
バ用母材および光ファイバは、これらのコアおよびクラ
ッドの楕円率が2%以下であれば本発明の技術的範囲に
包含され、その製造方法により限定されるものではな
い。
【0056】
【発明の効果】本発明では、コアの楕円率が2%以下で
あり、かつ、クラッドの楕円率が2%以下であるシング
ルモード光ファイバ用母材とし、また、光ファイバを製
造する場合にこれを用いれば、PMDの軽減や光損失の
抑制がなされた、長距離伝搬システム等に最適なシング
ルモード光ファイバが容易かつ低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で使用される光ファイバ母材製造
装置の構成例を示す概要図である。 (a)コア部材製造装置、(b)燒結反応炉、(c)ク
ラッド製造装置。
【図2】本発明の方法で使用される線引き装置の構成例
を示す概要図である。
【符号の説明】
1・・・ コア用バーナ、 2・・・ 第1クラッド用バーナ、
3・・・ 石英基材(コア)、 4・・・ チャンバ、 5・・・
多孔質コア部材、6・・・ 加熱装置、 7・・・ 燒結反応
炉、 8・・・ コア部材、9・・・ 第2クラッド用バーナ、
10・・・ クラッド製造装置、11・・・ 第2クラッド付
きガラスロッド、21・・・ シングルモード光ファイバ用
母材、 22・・・ 加熱炉、 23・・・ 被覆部、 24・・・ ファイバ巻取り部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 忠克 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 2H050 AA01 AB04Y AB05X AC03 AC09 AC71 4G021 EA01 EB13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部のコアとこれを同心円状に囲むク
    ラッドから構成され、該コアの楕円率が2%以下である
    光ファイバ用母材において、前記クラッドの楕円率が2
    %以下であることを特徴とするシングルモード光ファイ
    バ用母材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ファイバ用母材を加
    熱溶融させて、線引きすることにより製造されたシング
    ルモード光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバの偏波モード分散(PM
    D)が、0.1ps/km0.5 以下であることを特徴と
    する請求項2に記載のシングルモード光ファイバ。
  4. 【請求項4】 楕円率が2%以下であるコアを回転させ
    ながら、該コアの外周部にガラス原料ガスを供給して酸
    水素火炎中でガラス原料を加水分解させることにより、
    該コア上にガラス微粒子を連続的に堆積させてコア−ク
    ラッド構造を有するシングルモード光ファイバ用母材の
    製造方法において、前記コアの回転誤差を1%以下に制
    御して、前記クラッドの楕円率を2%以下とすることを
    特徴とするシングルモード光ファイバ用母材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法で得られた光ファ
    イバ用母材を加熱溶融させて、線引きすることを特徴と
    するシングルモード光ファイバの製造方法。
JP11177909A 1999-06-24 1999-06-24 シングルモード光ファイバ用母材及びシングルモード光ファイバ並びにそれらの製造方法 Pending JP2001010841A (ja)

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