JP2001010065A - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置並びにノズルプレートの製造方法及びインクジェット式記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置並びにノズルプレートの製造方法及びインクジェット式記録ヘッドの製造方法

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JP2001010065A
JP2001010065A JP18081799A JP18081799A JP2001010065A JP 2001010065 A JP2001010065 A JP 2001010065A JP 18081799 A JP18081799 A JP 18081799A JP 18081799 A JP18081799 A JP 18081799A JP 2001010065 A JP2001010065 A JP 2001010065A
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pressure generating
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Katsuto Shimada
勝人 島田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル開口の高密度配列を実現したノズルプ
レートを用いたインクジェット式記録ヘッド及びインク
ジェット式記録装置並びにノズルプレートの製造方法及
びインクジェット式記録ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 ノズルプレートが、ノズル基板22と、
該ノズル基板22の一方面側に形成された少なくとも一
層の薄膜からなると共に前記ノズル開口21が形成され
且つ前記流路形成基板10と接合されるノズル形成部2
3とを有し、前記ノズル基板22の前記ノズル開口21
に対応する領域には前記ノズル開口21を露出する開口
部24が形成されていることにより、ノズル開口21を
高密度に配設できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録
装置に関し、特に、インクジェット式記録ヘッドに用い
られるノズルプレート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
【0007】また、このように圧電素子の高密度配列を
実現したインクジェット式記録ヘッドには、当然、ノズ
ル開口を高密度に配設したノズルプレートが必要とな
る。しかしながら、従来のノズルプレートは、例えば、
ステンレス鋼等の基板に、機械的にあるいはレーザ等に
よりノズル開口を形成したものであったため、ノズルの
寸法精度が低く高密度配列も困難である。そこで、この
ような問題を解決するために、特公昭58−48352
号公報などに見られるように、基板の一方面に薄膜を形
成し、これらの基板及び薄膜をエッチングすることによ
りパターニングして複数のノズル開口を高精度に形成し
たものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなノズルプレートでは、ノズル開口を異方性エッチ
ングによって形成するため、インクが吐出される側の開
口部分に対して、反対側の開口部分の幅が広くなってし
まう。このため、ノズル開口の寸法精度は向上するもの
の、ノズル開口のピッチが制限されてしまい高密度配列
が困難であるという問題がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、ノズル
開口の高密度配列を実現したノズルプレートを用いたイ
ンクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装
置並びにノズルプレートの製造方法及びインクジェット
式記録ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、複数の圧力発生室が並設されると共
に一方面側に前記圧力発生室にインクを吐出させる圧力
発生手段を有する流路形成基板と、前記圧力発生室のそ
れぞれに連通する複数のノズル開口を有するノズルプレ
ートとを具備するインクジェット式記録ヘッドにおい
て、前記ノズルプレートは、ノズル基板と、該ノズル基
板の一方面側に形成された少なくとも一層の薄膜からな
ると共に前記ノズル開口が形成され且つ前記流路形成基
板と接合されるノズル形成部とを有し、前記ノズル基板
の前記ノズル開口に対応する領域には前記ノズル開口を
露出する開口部が形成されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
【0011】かかる第1の態様では、ノズル形成部にノ
ズル開口が形成されると共にこのノズル形成部と流路形
成基板とが接合されているため、ノズル基板の構造に依
存することなくノズル開口の間隔を設定することがで
き、ノズル開口を高密度に配列したインクジェット式記
録ヘッドを実現することができる。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記ノズル基板に形成された前記開口部が前記複数
のノズル開口に対応する領域に亘って連続的に設けられ
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0013】かかる第2の態様では、各ノズル開口の間
に対応する領域にノズル基板が存在しないため、ノズル
開口をより高密度に配設することができる。
【0014】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記ノズルプレートの前記ノズル形成部が前
記流路形成基板の前記圧力発生室同士の境界となる隔壁
とそれぞれ接合され、複数の前記ノズル開口は前記隔壁
によって前記圧力発生室のそれぞれに対応して分離され
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0015】かかる第3の態様では、ノズルプレートが
流路形成基板の隔壁によって保持されるため強度が向上
すると共に、所望のノズルから液滴を吐出することがで
きる。
【0016】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記ノズルプレートを構成する前記ノ
ズル基板が、前記流路形成基板と同程度の熱膨張係数を
有する材料で形成されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0017】かかる第4の態様では、ノズルプレートと
流路形成基板との接合性が向上すると共に、熱工程での
反りを低減できる。
【0018】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記ノズル基板がシリコン単結晶基板
からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0019】かかる第5の態様では、ノズル基板を特定
の材料で形成することにより、高密度の圧力発生室及び
ノズルの配列が達成できる。
【0020】本発明の第6の態様は、第5の態様におい
て、前記ノズル基板を形成するシリコン単結晶基板の結
晶方位が(100)面又は(110)面であり、前記開
口部が前記ノズル基板を異方性エッチングすることによ
り形成されていることを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
【0021】かかる第6の態様では、開口部を高精度且
つ容易に形成することができる。
【0022】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記ノズル形成部が前記ノズル基板か
ら引っ張り応力を受けていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0023】かかる第7の態様では、ノズル形成部を撓
みがなく、張った状態に形成することができる。
【0024】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記ノズル形成部が、少なくともシリ
コン酸化膜を含むことを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
【0025】かかる第8の態様では、ノズル形成部を特
定の材料で形成することにより、流路形成基板との接合
性が向上すると共に、比較的容易に形成できるため製造
コストが低減される。
【0026】本発明の第9の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記ノズル形成部が、少なくとも酸化
ジルコニウム膜を含むことを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0027】かかる第9の態様では、ノズル形成部を特
定の材料で形成することにより、流路形成基板との接合
性が向上すると共に、比較的容易に形成できるため製造
コストが低減される。
【0028】本発明の第10の態様は、第1〜7の何れ
かの態様において、前記ノズル形成部が、少なくとも酸
化ハフニウム膜を含むことを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0029】かかる第10の態様では、ノズル形成部を
特定の材料で形成することにより、流路形成基板との接
合性が向上すると共に、比較的容易に形成できるため製
造コストが低減される。
【0030】本発明の第11の態様は、第1〜10の何
れかの態様において、前記ノズル形成部の前記ノズル基
板側の少なくとも前記ノズル開口の周囲には、撥水膜が
設けられているこを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
【0031】かかる第11の態様では、ノズル開口の周
囲へのインクの付着が防止される。
【0032】本発明の第12の態様は、第1〜11の何
れかの態様において、前記ノズル形成部の厚さが、5μ
m〜30μmの範囲であることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
【0033】かかる第12の態様では、ノズル形成部の
厚さを比較的容易に調整できる。
【0034】本発明の第13の態様は、第1〜12の何
れかの態様において、前記ノズル形成部に形成される前
記ノズル開口の配列密度が、180dpi以上であるこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0035】かかる第13の態様では、ノズル開口を所
望の高密度に配設したインクジェット式記録ヘッドが実
現される。
【0036】本発明の第14の態様は、第1〜13の何
れかの態様において、前記ノズル基板に形成される前記
開口部の前記ノズル開口の配列方向とは直交する方向の
長さが、50μm以下であることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0037】かかる第14の態様では、開口部を比較的
容易に形成でき、且つノズルプレートの強度が向上す
る。
【0038】本発明の第15の態様は、第1〜14の何
れかの態様において、前記ノズルプレートには、前記圧
力発生室にインクを供給するためのインク供給路が設け
られていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドにある。
【0039】かかる第15の態様では、圧力発生室にイ
ンクを供給するリザーバの容積を十分に大きく確保する
ことができる。
【0040】本発明の第16の態様は、第1〜15の何
れかの態様において、前記圧力発生手段が、前記圧力発
生室の一方面に設けられた振動板上に配設された圧電素
子であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0041】かかる第16の態様では、各圧電素子の駆
動により振動板を変位させることにより圧力発生室に圧
力が付与されてインク滴が吐出される。
【0042】本発明の第17の態様は、第16の態様に
おいて、前記圧力発生室がセラミックス製の基板に形成
され、前記圧電素子の各層がグリーンシート貼付又は印
刷により形成されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0043】かかる第17の態様では、グリーンシート
を積層して焼成することによりヘッドを容易に製造する
ことができる。
【0044】本発明の第18の態様は、第16の態様に
おいて、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性
エッチングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜
及びリソグラフィ法により形成されたものであることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0045】かかる第18の態様では、高密度のノズル
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ
比較的容易に製造することができる。
【0046】本発明の第19の態様は、第1〜15の何
れかの態様において、前記圧力発生手段は、前記圧力発
生室内に設けられた発熱素子であることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0047】かかる第19の態様では、各発熱素子を加
熱することにより、圧力発生室に圧力が付与されてイン
ク滴が吐出される。
【0048】本発明の第20の態様は、第1〜19の何
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0049】かかる第20の態様では、ヘッドのインク
吐出性能を向上すると共に高密度化したインクジェット
式記録装置を実現することができる。
【0050】本発明の第21の態様は、ノズル基板と該
ノズル基板の一方面側に形成された少なくとも一層の薄
膜からなると共に複数のノズル開口が形成されたノズル
形成部とを有し、前記ノズル基板に前記複数のノズル開
口に対応する領域に亘って連続的に開口部が形成されて
いるノズルプレートの製造方法であって、前記ノズル基
板の一方面側にノズル形成部を形成する工程と、該ノズ
ル形成部をエッチングすることにより前記ノズル開口を
形成する工程と、前記ノズル基板を前記ノズル形成部と
は反対側の面からエッチングすることにより前記開口部
を形成する工程とを有することを特徴とするノズルプレ
ートの製造方法にある。
【0051】かかる第21の態様では、ノズルプレート
にノズル開口を高精度且つ高密度に形成できると共に、
一括して形成できるため製造コストが低減される。
【0052】本発明の第22の態様は、第21の態様に
おいて、前記ノズル開口を形成する工程は、前記ノズル
形成部を等方性エッチングにより所定の深さまで除去し
た凹部を形成する工程と、前記ノズル形成部の凹部をさ
らに異方性エッチングにより当該ノズル形成部を貫通し
て前記ノズル開口とする工程とを含むことを特徴とする
ノズルプレートの製造方法にある。
【0053】かかる第22の態様では、所望の形状のノ
ズル開口を高密度に且つ比較的容易に形成することがで
きる。
【0054】本発明の第23の態様は、第21又は22
の態様において、前記ノズル形成部の前記ノズル基板側
の少なくとも前記ノズル開口の周囲に撥水膜を形成する
工程をさらに有することを特徴とするノズルプレートの
製造方法にある。
【0055】かかる第23の態様では、撥水膜をノズル
開口の周囲に比較的容易に形成できる。
【0056】本発明の第24の態様は、第21〜23の
何れかの態様において、前記ノズル基板が、面方位(1
00)又は(110)のシリコン単結晶基板であり、前
記開口部を異方性エッチングにより形成することを特徴
とするノズルプレートの製造方法にある。
【0057】かかる第24の態様では、開口部を高精度
に形成できると共に、比較的容易且つ量産性良く形成す
ることができる。
【0058】本発明の第25の態様は、第21〜24の
何れかの態様の製造方法によって製造したノズルプレー
トの前記ノズル形成部と、前記ノズル開口に連通する圧
力発生室を有すると共に一方面側に該圧力発生室にイン
クを吐出するための圧力を発生させる圧力発生手段を有
する流路形成基板とを前記ノズル形成部に形成された前
記ノズル開口の配列と前記圧力発生室の配列とを対応さ
せて接合する工程を有することを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0059】かかる第25の態様では、ノズルプレート
と流路形成基板とが、各ノズル開口と圧力発生室とを確
実に対応させて接合され、インク吐出性能を向上したイ
ンクジェット式記録ヘッドが製造される。
【0060】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0061】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解視図で
あり、図2は、図1の断面図である。
【0062】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0063】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
【0064】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が幅
方向に並設され、各圧力発生室12の長手方向一端部側
には、後述するリザーバ形成基板のリザーバ部に連通し
て各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ1
00の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発
生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14
を介して連通されている。
【0065】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板を水酸化カリウム等のアルカリ溶液に浸漬する
と、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(1
11)面と、この第1の(111)面と約70度の角度
をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第
2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチン
グレートと比較して(111)面のエッチングレートが
約1/180であるという性質を利用して行われるもの
である。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の
(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形
成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工
を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列する
ことができる。
【0066】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また、各圧力発生室12の
一端に連通する各インク供給路14は、シリコン単結晶
基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチン
グ)することにより、圧力発生室12より浅く形成され
ている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の
調整により行われる。
【0067】また、流路形成基板10の開口面側には、
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21を有するノズルプレート20が接着
剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。このノ
ズルプレート20は、図3に示すように、本実施形態で
は、ノズル基板22の一方面側にノズル開口21が穿設
されるノズル形成部23が一体的に設けられてなる。こ
のノズル形成部23には、各圧力発生室12のインク供
給路14とは反対側の端部近傍に対応してノズル開口2
1が穿設されている。また、ノズル基板22には、各圧
力発生室12に対応して設けられた複数のノズル開口2
1に亘って厚さ方向に貫通する開口部24が設けられて
いる。この開口部24は、強度を確保するためにノズル
開口21の配列方向と直交する方向の長さが略50μm
以下であることが好ましい。
【0068】また、このようなノズルプレート20は、
ノズル形成部23側の面で流路形成基板10の一面を全
面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護
する補強板の役目も果たす。また、本実施形態では、ノ
ズル形成部23を一層で形成するようにしたが、これに
限定されず、例えば、二層以上で形成してもよい。
【0069】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
本実施形態では、ノズル開口21を数十μmの直径で精
度よく形成されており、その配列密度は、180dpi
以上であり、好ましくは360dpi以上である。
【0070】このようなノズルプレート20は、各ノズ
ル開口21と圧力発生室とをそれぞれ対応させてノズル
形成部23側で流路形成基板10と接合され、インクは
圧力発生室12からノズル開口21及び開口部24を介
して吐出される。すなわち、ノズルプレート20の各ノ
ズル開口21は、ノズル形成部23と流路形成基板10
の隔壁11とが接合されることにより、各圧力発生室1
2毎に分離されている。
【0071】本発明では、ノズル形成部23と流路形成
基板10とを接合して、ノズル形成部23と隔壁11と
が接合されることにより各ノズル開口21を各圧力発生
室12毎に分離しているため、ノズル基板22の開口部
24を各ノズル開口21毎に分離する必要がない。した
がって、ノズル開口21の間隔を小さくして高密度に配
設することができる。
【0072】なお、ノズルプレートのノズル基板と流路
形成基板とを接合して各ノズル開口を圧力発生室毎に分
離する構造にすると、ノズル基板の各開口部にノズル開
口を分離する構造を形成しなければならないので、各開
口部の間隔、すなわち各ノズル開口の間隔を比較的大き
く取る必要があり、ノズル開口の高密度化が困難であ
る。
【0073】また、本実施形態では、開口部24を複数
のノズル開口21に対向する領域のノズル基板22を連
続的に除去して形成するようにしたが、これに限定され
ず、例えば、各ノズル開口21間に、ノズル基板22の
一部が残留するようにしてもよい。
【0074】このようなノズルプレート20の形成方法
は、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、以
下の工程で形成した。なお、図4及び図5は、本実施形
態に係るノズルプレートの製造工程を示す断面図であ
る。
【0075】まず、図4(a)に示すように、ノズル基
板22の一方面側にノズル形成部23を一体的に形成す
ると共にノズル基板22の他方面側に所定パターンのマ
スク25を形成する。なお、このマスク25は、ノズル
形成部23を形成する前に、予め形成しておいても、こ
の工程後に別途形成してもよい。
【0076】このノズル基板22としては、例えば、流
路形成基板10と略同一の熱膨張係数を有する材料、例
えば、シリコン、ガラス、セラミック等を用いることが
好ましく、例えば、本実施形態では、厚さが略220μ
mのシリコン単結晶基板で形成した。
【0077】一方、ノズル形成部23は、例えば、厚さ
が、略5μm〜30μmの薄膜、例えば、酸化シリコン
膜、酸化ジルコニウム膜又は酸化ハフニウム膜等からな
り、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなるノズ
ル基板22の一方面を酸化させることにより形成した酸
化シリコン膜の一層で形成されている。なお、このノズ
ル形成部23は、これらの薄膜に限定されず、ノズル基
板22の一方面側にボロンを拡散したボロンドープシリ
コン膜としてもよく、何れにしても、接着剤等で接合す
ることなくノズル基板22に一体的に設けられていれば
よい。
【0078】また、このようにノズル基板22に形成さ
れたノズル形成部23は、ノズル基板22から引っ張り
応力を受けていることが好ましく、ノズル形成部23を
構成する各層の材質及び厚さ等を考慮して形成すること
が望ましい。
【0079】次に、図4(b)に示すように、ノズル形
成部23の表面に、所定の大きさのパターン部26aを
有するマスク26を形成すると共に、例えば、ドライエ
ッチングによりノズル開口21を形成する。ここで、ノ
ズル開口21は、本実施形態では、ノズル基板22側に
向かって径が漸小する略円錐状に形成されている。その
ため、本実施形態では、まず、図5(a)に示すよう
に、等方性エッチングによりノズル形成部23の厚さ方
向の所定位置までエッチングする。これによりノズル形
成部23には、マスク26のパターン部26aよりも径
の大きいノズル除去部21aが形成される。次いで、図
5(b)に示すように、異方性エッチングによりノズル
形成部23を貫通してノズル開口21とする。この工程
では、ノズル形成部23は、パターン部26aと略同一
径で除去されるため、結果としてノズル基板22側に向
かって径が漸小するノズル開口21となる。
【0080】次に、図4(c)に示すように、ノズル開
口21が形成されたノズル形成部23上のマスク26を
除去すると共に、このノズル形成部23を保護するため
の保護膜27を形成する。この保護膜27は、例えば、
テフロンシート等のフッ素樹脂等で形成すれよい。な
お、ノズル形成部材23を保護する方法としては、保護
膜27を形成することに限定されず、例えば、治具等で
行ってもよい。
【0081】次に、図4(d)に示すように、ノズル基
板22のノズル形成部23とは反対面側からエッチング
することにより開口部24を形成する。本実施形態で
は、ノズル基板22を流路形成基板10と同様にシリコ
ン単結晶基板で形成しているため、この開口部24は、
上述した圧力発生室12と同様に、水酸化カリウム等の
アルカリ水溶液を用いて異方性エッチングすることによ
り形成した。
【0082】その後、マスク25及び保護膜27を除去
することにより、ノズル開口21が高密度に配設された
ノズルプレート20が製造される。
【0083】以上のように、このような構成のノズルプ
レート20では、ノズル開口21を180dpi以上の
高密度であっても比較的容易に配設することができる。
また、ノズルプレート20は、流路形成基板10とノズ
ル形成部23側で接合されているため、ノズル基板22
の厚さが制限されない。したがって、比較的大きな基板
にノズル形成部23を薄膜プロセスで形成することがで
きる。また、複数のノズル開口21を一括して形成する
ことができるため、製造コストを削減することができ
る。
【0084】また、本実施形態では、流路形成基板10
とのノズル基板22とを同一材料で形成しているので、
これらの接着前後での圧電体膜70にかかる応力変化を
なくすことがきで、圧電体膜70の特性を均一化あるい
は安定化させることができる。
【0085】また、本実施形態では、ノズル開口21を
ノズル基板22側に向かって径が漸小する略円錐形状と
したが、これに限定されず、例えば、図6に示すよう
に、軸方向で径が略同一であるストレート形状のノズル
開口21Aを形成したノズルプレート20Aとしてもよ
く、この場合には、本実施形態のように、等方性エッチ
ング及び異方性エッチングの二工程で形成する必要がな
く、ノズル開口21Aを異方性エッチングによって一工
程で形成することができるため、製造コストをさらに低
減することができる。
【0086】なお、流路形成基板10のノズルプレート
20とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、
約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μ
mの圧電体膜70と、厚さが例えば、約0.1μmの上
電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、
圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子30
0は、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80を
含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか
一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜7
0を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。
そして、ここではパターニングされた何れか一方の電
極、圧電体膜70及び他方の電極から構成され、両電極
への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能
動部320という。本実施形態では、下電極膜60は圧
電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子
300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合
でこれを逆にしても支障はない。何れの場合において
も、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されているこ
とになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電
素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせ
て圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例で
は、弾性膜50及び下電極膜60が振動板として作用す
るが、下電極膜が弾性膜を兼ねるようにしてもよい。
【0087】また、流路形成基板10の圧電素子300
側には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリ
ザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接合され
ている。このリザーバ部31は、基本的には、リザーバ
形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅
方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基
板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共
通のインク室となるリザーバ100を構成している。
【0088】また、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可
能な圧電素子保持部34が設けられ、圧電素子300の
少なくとも圧電体能動部320は、この圧電素子保持部
34内に密封されている。
【0089】また、このようなリザーバ形成基板30に
は、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライア
ンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が
低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリ
フェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からな
り、この封止膜41によってリザーバ21の一方面が封
止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材
料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)
等)で形成される。この固定板42のリザーバ31に対
向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43
となっているため、リザーバ31の一方面は可撓性を有
する封止膜41のみで封止され、内部圧力の変化によっ
て変形可能となっている。
【0090】また、このリザーバ31の長手方向略中央
部外側のコンプライアンス基板40上には、インクカー
トリッジ等のインク供給手段からインクを供給するため
のインク導入口35が形成されており、リザーバ形成基
板30にはインク導入口35とリザーバ31の側壁とを
連通するインク導入路36が設けられている。そして、
これらインク導入口35及びインク導入路36を介して
インク供給手段からリザーバ31にインクが供給され
る。
【0091】(実施形態2)図7は、実施形態2に係る
インクジェット式記録ヘッドの断面図である。
【0092】本実施形態は、圧力発生室12とリザーバ
100Aとの間のインク供給路14の代わりに、ノズル
プレート20にこれらを連通するインク供給流路110
を形成した例である。
【0093】すなわち、図7に示すように、圧力発生室
12とリザーバ100Aの一部を構成する連通部13A
との間の流路形成基板10は除去されておらず、これら
圧力発生室12と連通部13Aとが分離されている。
【0094】また、ノズルプレート20のノズル形成部
23の連通部13Aに対向する領域には、このノズル形
成部23を厚さ方向に貫通する第1貫通孔111が設け
られると共に、圧力発生室12のノズル開口21とは反
対側の端部近傍に対向する領域には第1貫通孔111と
は連続しない第2貫通孔112が設けられている。ま
た、これら第1及び第2貫通孔111,112に対応す
る領域のノズル基板22には、厚さ方向の一部を除去す
ることにより第1及び第2貫通孔111,112を連通
する連通路113が設けられている。なお、この連通部
113はリザーバ100Aの一部を兼ねている。
【0095】このような構成では、リザーバ100Aに
供給されたインクは、第1貫通孔111,連通路113
及び第2貫通孔112を介して圧力発生室12に供給さ
れる。
【0096】これにより、連通路113の容積が増えた
分だけリザーバ部31の容積を減らすことができ、ヘッ
ドの小型化を図ることができる。
【0097】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0098】例えば、図8に示すように、ノズルプレー
ト20の少なくともノズル開口21の周囲、すなわち、
ノズル基板22側の少なくともノズル形成基部23上に
撥水膜90を設けるようにしてもよい。これにより、ノ
ズル開口21の周囲へのインクの付着が抑えられ、ノズ
ル開口21の詰まり等の故障を抑えることができる。
【0099】また、上述した実施形態では、圧力発生室
12にインクを供給するリザーバを流路形成基板10の
圧電素子300側に設けた例を説明したが、これに限定
されず、例えば、ノズルプレート20側に設ける構造で
あってもよい。
【0100】このように構成した実施形態のインクジェ
ット式記録ヘッドの断面を図9に示す。この実施形態で
は、流路形成基板10の圧電素子300とは反対面側に
は、圧力発生室12を封止する封止板120、圧力発生
室12にインクを供給するリザーバとなる共通インク室
131が形成されたインク室形成基板130が成形さ
れ、封止板120に形成されたインク供給口121を介
して、圧力発生室12と共通インク室120とが連通さ
れている。また、このインク室形成基板130上には、
薄肉板140及びインク室側板141が設けられてお
り、インク室側板141に設けられた開口140aに対
向する領域の薄肉板140が共通インク室131のコン
プライアンス部となっている。
【0101】また、本実施形態では、インク室側板14
1上にノズルプレート20が接合されており、上述した
各基板に連通して設けられたノズル連通孔122を介し
て、圧力発生室12とノズル開口21とが連通されてい
る。
【0102】このような本実施形態の構成であっても、
勿論、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる
ことは言うまでもない。
【0103】また、例えば、上述の各実施形態では、成
膜及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜
型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論こ
れに限定されるものではなく、例えば、グリーンシート
を貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジ
ェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができ
る。
【0104】また、上述の実施形態では、たわみ変位型
の圧電素子を有するインクジェット式記録ヘッドについ
て説明したが、例えば、圧電材料と電極形成材料とをサ
ンドイッチ状に交互に挟んで積層した構造の縦振動モー
ドの圧電素子を有するインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
【0105】さらに、上述した圧電振動式のインクジェ
ット式記録ヘッドに限定されず、例えば、バブルジェッ
ト式のインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のイ
ンクジェット式記録ヘッドに応用することができること
はいうまでもない。
【0106】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図10
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
【0107】図10に示すように、インクジェット式記
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0108】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿
ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図
示しない紙送りモータの駆動力により回転できるように
なっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記
録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられ
て搬送されるようになっている。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ノズル
プレートを複数のノズル開口が形成されたノズル形成部
と、ノズル開口に対応する領域に亘って連続的に開口部
が形成されたノズル基板とで形成し、ノズル形成部と流
路形成基板とを接合するようにしたので、ノズル開口の
高密度配列が容易となり、高性能なインクジェット式記
録ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す図であり、図1の断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るノズルプレートの平
面図及び断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るノズルプレートの薄
膜製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るノズルプレートの薄
膜製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るノズルプレートの他
の例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係るインクジェット式記
録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式
記録ヘッドを示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式
記録ヘッドを示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るインクジェット式
記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 22 ノズル基板 23 ノズル形成部 24 開口部 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体膜 80 上電極膜 300 圧電素子 320 圧電体能動部

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧力発生室が並設されると共に一
    方面側に前記圧力発生室にインクを吐出させる圧力発生
    手段を有する流路形成基板と、前記圧力発生室のそれぞ
    れに連通する複数のノズル開口を有するノズルプレート
    とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記ノズルプレートは、ノズル基板と、該ノズル基板の
    一方面側に形成された少なくとも一層の薄膜からなると
    共に前記ノズル開口が形成され且つ前記流路形成基板と
    接合されるノズル形成部とを有し、前記ノズル基板の前
    記ノズル開口に対応する領域には前記ノズル開口を露出
    する開口部が形成されていることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ノズル基板に形
    成された前記開口部が前記複数のノズル開口に対応する
    領域に亘って連続的に設けられていることを特徴とする
    インクジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記ノズルプ
    レートの前記ノズル形成部が前記流路形成基板の前記圧
    力発生室同士の境界となる隔壁とそれぞれ接合され、複
    数の前記ノズル開口は前記隔壁によって前記圧力発生室
    のそれぞれに対応して分離されていることを特徴とする
    インクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記ノ
    ズルプレートを構成する前記ノズル基板が、前記流路形
    成基板と同程度の熱膨張係数を有する材料で形成されて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記ノ
    ズル基板がシリコン単結晶基板からなることを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ノズル基板を形
    成するシリコン単結晶基板の結晶方位が(100)面又
    は(110)面であり、前記開口部が前記ノズル基板を
    異方性エッチングすることにより形成されていることを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記ノ
    ズル形成部が前記ノズル基板から引っ張り応力を受けて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記ノ
    ズル形成部が、少なくともシリコン酸化膜を含むことを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記ノ
    ズル形成部が、少なくとも酸化ジルコニウム膜を含むこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記
    ノズル形成部が、少なくとも酸化ハフニウム膜を含むこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記ノズル形成部の前記ノズル基板側の少なくとも前記ノ
    ズル開口の周囲には、撥水膜が設けられているこを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
    記ノズル形成部の厚さが、5μm〜30μmの範囲であ
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかにおいて、前
    記ノズル形成部に形成される前記ノズル開口の配列密度
    が、180dpi以上であることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の何れかにおいて、前
    記ノズル基板に形成される前記開口部の前記ノズル開口
    の配列方向とは直交する方向の長さが、50μm以下で
    あることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14の何れかにおいて、前
    記ノズルプレートには、前記圧力発生室にインクを供給
    するためのインク供給路が設けられていることを特徴と
    するインクジェット式記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れかにおいて、前
    記圧力発生手段が、前記圧力発生室の一方面に設けられ
    た振動板上に配設された圧電素子であることを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記圧力発生室
    がセラミックス製の基板に形成され、前記圧電素子の各
    層がグリーンシート貼付又は印刷により形成されている
    ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 請求項16において、前記圧力発生室
    がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成さ
    れ、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法によ
    り形成されたものであることを特徴とするインクジェッ
    ト式記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 請求項1〜15の何れかにおいて、前
    記圧力発生手段は、前記圧力発生室内に設けられた発熱
    素子であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19の何れかのインクジェ
    ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
    ェット式記録装置。
  21. 【請求項21】 ノズル基板と該ノズル基板の一方面側
    に形成された少なくとも一層の薄膜からなると共に複数
    のノズル開口が形成されたノズル形成部とを有し、前記
    ノズル基板に前記複数のノズル開口に対応する領域に亘
    って連続的に開口部が形成されているノズルプレートの
    製造方法であって、 前記ノズル基板の一方面側にノズル形成部を形成する工
    程と、該ノズル形成部をエッチングすることにより前記
    ノズル開口を形成する工程と、前記ノズル基板を前記ノ
    ズル形成部とは反対側の面からエッチングすることによ
    り前記開口部を形成する工程とを有することを特徴とす
    るノズルプレートの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21において、前記ノズル開口
    を形成する工程は、前記ノズル形成部を等方性エッチン
    グにより所定の深さまで除去した凹部を形成する工程
    と、前記ノズル形成部の凹部をさらに異方性エッチング
    により当該ノズル形成部を貫通して前記ノズル開口とす
    る工程とを含むことを特徴とするノズルプレートの製造
    方法。
  23. 【請求項23】 請求項21又は22において、前記ノ
    ズル形成部の前記ノズル基板側の少なくとも前記ノズル
    開口の周囲に撥水膜を形成する工程をさらに有すること
    を特徴とするノズルプレートの製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項21〜23の何れかにおいて、
    前記ノズル基板が、面方位(100)又は(110)の
    シリコン単結晶基板であり、前記開口部を異方性エッチ
    ングにより形成することを特徴とするノズルプレートの
    製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項21〜24の何れかの製造方法
    によって製造したノズルプレートの前記ノズル形成部
    と、前記ノズル開口に連通する圧力発生室を有すると共
    に一方面側に該圧力発生室にインクを吐出するための圧
    力を発生させる圧力発生手段を有する流路形成基板とを
    前記ノズル形成部に形成された前記ノズル開口の配列と
    前記圧力発生室の配列とを対応させて接合する工程を有
    することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005063838A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 光学デバイス及び有機el表示装置
JP2009154432A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよびその製造方法
US8157366B2 (en) 2008-02-20 2012-04-17 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus incorporating the same

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