JP2001009617A - スローアウェイ式切削工具 - Google Patents

スローアウェイ式切削工具

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JP2001009617A
JP2001009617A JP11180948A JP18094899A JP2001009617A JP 2001009617 A JP2001009617 A JP 2001009617A JP 11180948 A JP11180948 A JP 11180948A JP 18094899 A JP18094899 A JP 18094899A JP 2001009617 A JP2001009617 A JP 2001009617A
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chip
throw
mounting seat
away
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JP11180948A
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English (en)
Inventor
Kazuya Yanagida
一也 柳田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スローアウェイチップ5の取り付け、取り外
しに専用の作業用工具を要することなく、作業者が素手
でワンタッチでスローアウェイチップ5の交換を行うこ
とが可能なスローアウェイ式切削工具を提供する。 【解決手段】 工具本体1に形成されたチップ取付座3
にスローアウェイチップ5が挿入されて着脱可能に取り
付けられるスローアウェイ式切削工具において、スロー
アウェイチップ5と工具本体1との間に、このスローア
ウェイチップ5のチップ取付座3への挿入操作に伴って
スローアウェイチップ5をチップ取付座3に保持し、か
つスローアウェイチップ5のチップ取付座3からの抜脱
操作に伴ってスローアウェイチップ5をチップ取付座3
から解放する凹部18と係合部25等からなる係脱手段
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切刃を備えたスロ
ーアウェイチップ(以下、チップと称する。)が工具本
体に着脱可能に取り付けられたスローアウェイ式切削工
具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のスローアウェイ式切削工具とし
ては、例えば軸線回りに回転される略円柱状の工具本体
の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝
の先端の工具回転方向を向く壁面に形成されたチップ取
付座に、超硬合金等の硬質材料より形成されて切刃を備
えたチップがこの切刃を工具先端側に突出させて取り付
けられた、いわゆるスローアウェイ式ドリルが知られて
いる。ここで、このようなスローアウェイ式ドリルで
は、一般的に上記チップに取付孔が貫設されるとともに
チップ取付座の底面には取付ネジ孔が形成され、チップ
をチップ取付座に挿入して着座させた上で、上記取付孔
に挿通したクランプネジを上記取付ネジ孔にねじ込む、
いわゆるスクリューオン式の取付方法によりチップを取
り付けるようにしている。
【0003】また、このようなスクリューオン式のもの
の他に、例えばスローアウェイ式のバイトなどではクラ
ンプオン式やレバーロック式、カムロック式の取付方法
が採用され、さらにスローアウェイ式のフライスなどで
はクサビ部材を用いてチップを工具本体に取り付ける方
法も知られている。一方、突っ切りバイトや溝入れバイ
トなどの一部では、チップ自体をクサビ状に形成して、
これを工具本体に形成されたV字状のチップ取付座に押
し込んで取り付けたようなものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなチップの取付方法では、いずれもチップの着脱の際
にそれぞれ専用の作業用工具を必要とし、チップをチッ
プ取付座に挿入して着座させた後にこの作業用工具によ
って固定するといった操作を行わなければならず、チッ
プの取り付け、取り外しに時間と手間がかかってチップ
交換の作業性が悪いという不都合があった。すなわち、
上述のスクリューオン式ではチップを着座させた後にド
ライバーやレンチによってクランプネジをねじ込まなけ
ればならず、またクランプオン式やレバーロック式の場
合もクランプ駒やレバーによってチップを押圧するため
にクランプネジをねじ込んだりしなければならない。
【0005】さらにカムロック式の場合にもカムを回転
させるのに作業用工具が必要とされ、またクサビ式の取
付方法でもクサビ部材を押し込むためにやはりクランプ
ネジをねじ込んだりしなければならない。また、上述の
ようにチップ自体をクサビ状とした突っ切りバイトや溝
入れバイトでも、チップを工具本体のV字状のチップ取
付座に確実に楔着させるにはプラスチックハンマ等の工
具によってチップを打撃するなどして押し込まなければ
ならず、しかもこうして押し込まれたチップを取り外す
には、レバーなどをチップ取付座とチップとの間に押し
込んでこじ開けるようにしなければならない。
【0006】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、チップの取り付け、取り外しに専用の作業用
工具を要することなく、作業者が素手でワンタッチでチ
ップの交換を行うことが可能なスローアウェイ式切削工
具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、工具本体に
形成されたチップ取付座にチップが挿入されて着脱可能
に取り付けられるスローアウェイ式切削工具において、
上記チップと工具本体との間に、このチップの上記チッ
プ取付座への挿入操作に伴って該チップをチップ取付座
に保持し、かつチップのチップ取付座からの抜脱操作に
伴って該チップをチップ取付座から解放する係脱手段を
備えたことを特徴とする。従って、このようなスローア
ウェイ式切削工具によれば、作業者が素手でチップを把
持してチップ取付座に挿入することにより、上記係脱手
段によってチップが保持されて工具本体に固定され、ま
たチップ交換時等に作業者がやはり素手でチップ取付座
からチップを引き出して抜脱することにより、チップの
保持が解放されて工具本体から取り外される。
【0008】ここで、このような係脱手段としては、上
記チップおよび工具本体の一方に設けられて該チップの
上記チップ取付座への挿入方向に交差する方向に凹む凹
部と、上記チップおよび工具本体の他方に設けられて上
記凹部が凹む方向に付勢されることにより該凹部に係脱
自在とされた係合部とを備えたものを採用することがで
きる。しかるに、このような係脱手段を採用した場合に
は、チップのチップ取付座への挿入操作により、この挿
入の方向に対して交差する方向に凹んだ凹部に、該凹部
が凹んだ方向に付勢された係合部が嵌まり込んで係合
し、チップがチップ取付座に保持されるとともに、チッ
プを上記挿入方向とは反対向きにチップ取付座から引き
出して抜脱すれば、付勢力に抗して凸部が凹部から抜き
出されて外れ、チップが解放される。
【0009】一方、このような構成をスローアウェイ式
ドリルに適用した場合、すなわち上記工具本体が、軸線
回りに回転されつつ該軸線方向先端側に送り出されるス
ローアウェイ式ドリルの工具本体である場合には、この
工具本体の先端に上記軸線に対する直径方向に延びる凹
溝を上記チップ取付座として形成し、このチップ取付座
に上記チップを上記軸線方向後端側に向けて挿入して取
り付けるようにするのが望ましい。すなわち、このよう
なスローアウェイ式ドリルにおいては、切削時にチップ
に作用する切削負荷のうち、上記軸線に対する径方向の
成分は軸線を挟んだ反対側同士で互いに相殺されること
となるので、チップには軸線方向後端側に向けての切削
負荷と工具回転方向後方側に向けての切削負荷とが作用
するだけとなるのに対し、上記構成を採ることにより、
上記凹溝の壁面によって回転方向の負荷を受け止めると
ともに、凹溝の底面で軸線方向後端側への負荷を受け止
めることができ、しかもこの軸線方向の負荷はチップの
挿入方向に作用するため、切削中にチップが抜け外れた
りすることがなく、安定的なチップの保持を図ることが
可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図16は、上述したよ
うに本発明をスローアウェイ式ドリルに適用した場合の
一実施形態を示すものである。すなわち、本実施形態に
おいて工具本体1は軸線Oを中心とした概略円柱状をな
し、この軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ該
軸線O方向先端側(図1において左側)に送りを与えら
れて、金属加工物に穴明け等の切削加工を行うのに使用
される。そして、上記工具本体1の先端部外周には、軸
線O方向後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側
に向けて捩れる一対の切屑排出溝2,2が、軸線Oにつ
いて互いに対称に形成されるとともに、工具本体1の先
端にはこれらの切屑排出溝2,2の工具回転方向Tを向
く壁面2A,2A同士を結ぶように軸線Oに対する直径
方向に延びる凹溝が形成されてチップ取付座3とされ、
このチップ取付座3に、切刃4を備えたチップ5が該切
刃4を工具本体1の先端面1A,1Aから工具先端側に
突出させて着脱可能に取り付けられている。
【0011】上記チップ5は、本実施形態では超硬合金
等の硬質材料から形成されていて、図6ないし図12に
示すようにその外形が工具本体1への取付状態における
軸線O方向に偏平したホームベース型の概略5角形平板
状をなし、かつ該軸線Oについて略対称となるように形
成されており、その表裏面はこの軸線Oの両側で図7に
示すように段違い状となるように形成されている。さら
に、上記取付状態において、これらの表裏面のうちそれ
ぞれ工具回転方向T側に向けられる部分はすくい面6,
6とされるとともに、これらのすくい面6,6に交差し
て工具先端側に向けられる面が逃げ面7,7とされ、こ
れらすくい面6,6と逃げ面7,7との交差稜線部に、
上記軸線Oに対する外周側に向かうに従い漸次後退する
山型をなすように、かつ軸線O方向視においては互いに
平行となるように、上記切刃4,4が形成されている。
【0012】なお、上記表裏面のうち工具回転方向Tの
後方側に向けられる部分は、互いに平行かつ軸線Oにも
平行な平坦面とされて上記チップ取付座3への取付面8
A,8Bとされ、これに対して上記すくい面6,6は軸
線O方向後端側(図6において上側、図8において下
側、図10ないし図12においては右側)に向かうに従
いそれぞれその裏側の取付面8A,8B側に向けて傾斜
するように形成されている。また、本実施形態では上記
逃げ面7も、図10に示すように切刃4側から取付面8
A,8B側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜さ
せられている。さらに、切刃4,4の軸線Oの近傍にお
いては、各表裏面のすくい面6と取付面8A,8Bとの
間にシンニング面9が形成されることにより、このシン
ニング面9と上記逃げ面7との交差稜線部に、切刃4に
連なって軸線Oに達するシンニング刃10が形成されて
いる。また、このチップ5の軸線Oに対して外周側を向
く側面11,11は該軸線Oを中心とする円筒面状に形
成されるとともに、その上記すくい面6側の縁部は、該
側面11よりも一段拡径するように形成されて、やはり
外周側を向く面が円筒面状をなすマージン部12をなし
ている。
【0013】一方、このチップ5の後端面13には、図
9に示すように上記取付面8A,8Bに対して斜行して
該取付面8A,8Bに開口する凹溝14が形成されてい
る。この凹溝14は、チップ5の表裏面の両取付面8
A,8Bのうち、一方の取付面8A側で後端面13から
の溝深さが深く、途中で段部15を介して後端面13側
に隆起して他方の取付面8B側では溝深さが極浅くなる
ように形成されており、さらにこの他方の取付面8Bに
は、該凹溝14の溝底面から軸線O方向先端側に向け
て、該取付面8Bに開口する断面「コ」字状の位置決め
溝16が形成されている。また、この凹溝14の段部1
5上における後端側を向く面には、上記位置決め溝16
よりも一方の取付面8A側で、かつ上記軸線Oに対して
上記他方の取付面8B側に偏心した位置に、断面円形の
収容孔17が形成されている。
【0014】さらに、この段部15の上記一方の取付面
8A側を向く側面15Aは、軸線Oよりも上記一方の取
付面8A側に配置されていて、凹溝14の両壁面14
A,14Aに対しては垂直に延びるように形成されてい
る。そして、この側面15Aは、これらの壁面14A,
14Aに平行な断面においては、図12に示すように軸
線O方向後端側から先端側に向かうに従い略円弧状の凸
曲面をなして軸線Oに対して隆起するように突出した
後、該凸曲面に滑らかに連なるやはり略円弧状の凹曲面
をなして軸線O側に凹む波形に形成されており、この軸
線O方向先端側の凹んだ部分が本実施形態における係脱
手段としての凹部18とされている。
【0015】このように構成されたチップ5が取り付け
られる上記チップ取付座3は、上記軸線Oに直交して工
具先端側を向く底面3Aと、この底面3Aに垂直に工具
先端側に延びて工具本体1の先端面1A,1Aに交差す
るように形成された互いに平行な壁面3B,3Bとから
画成されて、軸線Oに対する上記直径方向からみて図3
に示すように工具先端側に開口する「コ」字状をなすよ
うに形成されている。さらに、このチップ取付座3の上
記底面3Aには、チップ5を取り付けた状態において上
記収容孔17と同軸となるように、軸線Oから偏心した
位置に取付ネジ孔19が形成されており、この取付ネジ
孔19にねじ込まれる取付ネジ20によって該底面3A
に係合部材21が取り付けられている。
【0016】この係合部材21は、図13ないし図16
に示すように上記取付ネジ20が挿通される取付孔22
Aが形成された台形状の底板部22と、この底板部22
がなす上記台形の斜辺部分に該底板部22に垂直に立設
された直方体状の位置決め部23と、この斜辺部分とは
反対側の上記台形の一辺(当該台形ではその上底と下底
とに直交する辺)部分に立設された板バネ部24とが、
バネ鋼等のある程度の弾性を備えた金属材料によって一
体に形成されて構成されている。ここで、上記位置決め
部23はチップ5の上記位置決め溝16に嵌合可能な大
きさに形成されるとともに、上記底板部22は、こうし
て位置決め部23を位置決め溝16に嵌合させた状態
で、上記取付孔22Aがチップ5の収容孔17と同軸と
されて、該チップ5の凹溝14の溝深さが浅くなった部
分に収容可能とされている。
【0017】一方、上記板バネ部24は、図13に示す
ように底板部22がなす上記台形の上底および下底に平
行で該底板部22に直交する平面Pに対して垂直に延び
るように形成され、かつこの平面Pに沿った断面が、図
16に示すように底板部22から先端側に向かうに従い
略円弧状をなして位置決め部23とは反対側に湾曲した
後、この円弧に滑らかに連なるやはり略円弧状をなして
位置決め部23側に凸となるように湾曲した、S字状の
波形に形成されている。そして、この板バネ部24の断
面がなす波形は、チップ5の段部15の上記側面15A
の断面がなす波形と合致、もしくは上記位置決め部23
側に僅かに傾くようにされていて、上述のようにこの位
置決め部23をチップ5の位置決め溝16に嵌合させた
状態で、図5に示すように該板バネ部24が上記側面1
5A側に付勢されて該側面15Aに密着するようになさ
れており、この板バネ部24の先端側の位置決め部23
側に凸となる部分が上記凹部18に係脱自在とされる本
実施形態の係脱手段としての係合部25とされている。
【0018】このような係合部材21は、上記底板部2
2の斜辺部分をチップ取付座3の一方の壁面3Bに当接
させるとともに上記位置決め部23をこの一方の壁面3
Bに密着させるようにして、上述のように取付ネジ20
によってチップ取付座3の底面3Aに取り付けられる。
そして、このように係合部材21が取り付けられたチッ
プ取付座3に、上記チップ5は、工具本体1の先端側か
ら軸線O方向後端側に向けて挿入されて取り付けられ
る。従って、本実施形態ではこの軸線O方向後端側に向
かう方向がチップ5の挿入方向となり、このチップ5の
上記凹部18はこの挿入方向に対して直交する方向に凹
むように形成されることとなる。
【0019】しかるに、このチップ5の挿入操作によ
り、該チップ5は、その上記取付面8A,8Bがチップ
取付座3の壁面3B,3Bに摺接、密着することによっ
て軸線Oを中心とした周方向に位置決めされるととも
に、上記位置決め溝16に係合部材21の位置決め部2
3が嵌挿されて軸線Oに対する直径方向の位置決めがな
される。そして、さらにチップ5を挿入することによ
り、係合部材21の板バネ部24先端の係合部25がチ
ップ5の段部15の側面15A後端側の凸曲面部分に乗
り上げて該板バネ部24が軸線Oに対する外周側に撓
み、次いで係合部25が上記凸曲面部分を乗り越えたと
ころで、係合部25が板バネ部24の撓みによって軸線
O側に付勢されて側面15Aの凹んだ凹部18に嵌まり
込んで係合し、これとともにチップ5の後端面13がチ
ップ取付座3の底面3Aに当接してチップ5の軸線O方
向先後端側への移動が拘束され、図5に示したようにチ
ップ5が保持される。なお、このとき、上記取付ネジ2
0の頭部はチップ5の収容孔17に収容されるととも
に、係合部材21の底板部22は凹溝14の溝深さが浅
くなった部分に収容され、チップ5の保持に干渉するこ
とはない。
【0020】このように、上記構成のスローアウェイ式
ドリルにおいては、上記係脱手段としてのチップ5の凹
部18と係合部材21の係合部25とにより、チップ5
の取り付けに際して、チップ5を工具本体1のチップ取
付座3に挿入するだけで該チップ5を保持することがで
き、チップ取付座3にチップ5を挿入して着座させた後
にクランプネジ等によってチップ5を固定したりする必
要がなく、チップ5の挿入操作だけでワンタッチでチッ
プ5を取り付けることができる。また、チップ5の取り
外しの際でも、上記とは逆にチップ5を軸線O方向先端
側に引き抜くことにより、板バネ部24が外周側に撓み
つつ係合部材21の係合部25が凹部18から外れて段
部15の側面15Aの凸曲面部分に乗り上げ、さらに該
係合部25が上記凸曲面部分を乗り越えたところでチッ
プ5がチップ取付座3から解放され、そのまま先端側に
抜脱してチップ5を取り外すことができる。
【0021】従って、上記構成のスローアウェイ式ドリ
ルによれば、このチップ5の取り付け、取り外しに際し
て上述のようなクランプネジを回転させるためのドライ
バー等の作業用工具を要することがなく、またかかるド
ライバーを回転させてクランプネジをねじ込んだり緩め
たりする手間もなく、チップ5の挿入、抜脱操作に伴い
板バネ部24の撓みによる付勢力に抗して係脱手段の係
合部25を凹部18に係脱させるだけで、容易にチップ
の着脱を行うことができる。このため、このようなチッ
プ5の着脱を作業者が素手で行うことが可能となり、チ
ップ5に摩耗が生じたりした際の交換作業を、極めて短
時間で、しかも何等労力を必要とせず、さらには手元に
専用の作業用工具を用意したりせずに行うことができ、
作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【0022】また、本実施形態のスローアウェイ式ドリ
ルにおいては、上述のように上記係脱手段として、チッ
プ5の段部15の側面15Aに形成された軸線O側に凹
む凹部18と、チップ取付座3の底面3Aに取り付けら
れる係合部材21の板バネ部24先端に形成された係合
部25とが備えられており、チップ5は軸線O方向に沿
ってチップ取付座3に挿入されることから、この挿入方
向に対して交差する方向に上記凹部18は凹むととも
に、上記係合部25は板バネ部24の撓みによって軸線
O側に弾性的に付勢されてこの凹部18に係脱自在とさ
れる。従って、例えばチップ5を取り付けた状態におい
て工具本体1を倒立させ、すなわちチップ5が挿入され
たその先端部が下向きとなるようにした程度では、チッ
プ5は上記凹部18への係合部25の係合によってチッ
プ取付座3から抜け外れるようなことはなく、工具本体
1の工作機械等への取付姿勢などに拘らず、確実にチッ
プ5を保持することが可能である。
【0023】さらに本実施形態では、チップ5の上記凹
部18が形成される段部15の側面15Aとは反対側の
取付面8Bに位置決め溝16が形成される一方、取付部
材21の上記係合部25が形成される板バネ部24の反
対側には位置決め部23が形成されており、チップ5を
チップ取付座3に挿入する際には、この位置決め部23
に位置決め溝16を嵌合させることにより、チップ5を
所定の位置に正確に位置決めして取り付けることができ
る。しかも、これら位置決め溝16と位置決め部23と
は、図9や図13に示したように板バネ部24による係
合部25の凹部18への付勢方向に対して斜めに配置さ
れた断面長方形あるいは「コ」字状のものであり、上記
板バネ部24による付勢によってチップ5は、その位置
決め溝16が位置決め部23の板バネ部24側の角部に
押し付けられるようにして位置決めされるので、この角
部に交差する面に当接する位置決め溝16の内面を基準
面とすることにより、工具本体1への取付状態において
チップ5の切刃4,4などをより正確に所定の位置に配
置することができ、一層高精度の穴明け加工を行うこと
が可能となる。
【0024】一方、本実施形態では、本発明を、工具本
体1がその軸線O回りに回転されつつ該軸線O方向先端
側に送り出されて穴明け加工を行う、スローアウェイ式
ドリルに適用した場合について説明したが、本発明はバ
イトやフライス等の他の種のスローアウェイ式切削工具
にも適用可能である。しかしながら、特に本実施形態の
ように本発明をスローアウェイ式ドリルに適用し、しか
もその工具本体1の先端に上記軸線Oに対する直径方向
に延びる凹溝を形成してチップ取付座3とするととも
に、このチップ取付座3にチップ5を軸線O方向後端側
に向けて挿入して取り付けた場合には、切削時(穴明け
加工時)にチップ5に作用する切削負荷に拘らず、チッ
プ5をより安定的に保持することが可能となるという効
果を得ることができる。
【0025】すなわち、このようなドリルにおいて上記
構成を採った場合、切削時にチップ5に切刃4,4から
作用する切削負荷のうち、軸線O方向後端側に向けての
成分(送り分力)はチップ5の後端面13が密着するチ
ップ取付座3の底面3Aによって受け止められるととも
に、工具回転方向Tの後方向きに作用する成分(主分
力)は取付面8A,8Bが密着するチップ取付座3の壁
面3B,3Bによって受け止められる。その一方で、こ
の切削負荷のうち軸線Oに対する径方向にチップ5に作
用する成分(背分力)は、上記位置決め部25と位置決
め溝16との嵌合等によって切刃4,4が軸線Oに対し
て正確に対称に配置されていれば、軸線Oを挟んだチッ
プ5の両側で互いに大きさが等しく、反対向きに作用し
て相殺されることとなるので、この径方向についてはチ
ップ5に負荷が作用することはなく、従って係脱手段を
構成する係合部材21の板バネ部24先端の係合部25
や位置決め部23にも大きな負荷が作用することがない
ので、加工中にチップ5ががたついたり抜け外れたりす
るのを防いでチップ5をチップ取付座3に安定的に保持
し、円滑な穴明け加工を促すことが可能となるのであ
る。
【0026】なお、本実施形態では、上述のようにチッ
プ5に凹部18と位置決め溝16とを互いに反対向きに
形成するとともに、係合部材21には板バネ部24と係
合部23とを対向するように形成しているが、例えばチ
ップ5とチップ取付座3とのの他の部分でチップ5の位
置決めが可能である場合などには、上記位置決め溝16
に代えて、チップ5の段部15の側面15Aとは反対側
の側面にも、上記凹部18と同じように断面波形を呈す
る他の凹部を側面15Aが延びる方向と平行に形成する
とともに、係合部材21においても上記位置決め部23
に代えて、この他の凹部に係脱自在な他の係合部が形成
された板バネ部を、やはり上記板バネ部24が延びる方
向に平行に形成するようにしてもよい。また、本実施形
態ではチップ5側に凹部18を、工具本体1側の係合部
材21に係合部25をそれぞれ形成しているが、これと
は逆に工具本体側に凹部を設けるとともにチップ側に係
合部を設けるようにしてもよい。
【0027】さらに、これら凹部18および係合部25
についても、本実施形態ではその断面が波形をなすよう
に形成しているが、凹部がチップのチップ取付座への挿
入方向に交差する方向に凹むものであるとともに、係合
部がこの凹部の凹む方向に付勢されることにより該凹部
に係脱自在とされるなら、例えば断面三角形状や台形状
などの他の形状でもよく、また、係合部と凹部との形状
が一致していなくてもよい。さらにまた、本実施形態で
は先端に係合部25が形成された係合部材21の上記板
バネ部24によって該係合部25を凹部18が凹む方向
に付勢しているが、これに代えて、例えばチップの取付
面またはチップ取付座の壁面に凹球面状の凹部を形成す
る一方、工具本体またはチップには、先端に凸球面状の
係合部が形成された係合部材を、この係合部がチップ取
付座の壁面またはチップの取付面から出没可能に埋設す
るとともに、この係合部材をコイルスプリング等によっ
て突出方向側に付勢して上記凹部に係脱自在としたりす
るようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チップの取り付け、取り外しに専用の作業用工具を要す
ることなく、チップのチップ取付座への挿入、あるいは
チップ取付座からの抜脱操作により、作業者が素手でワ
ンタッチでチップの着脱を行うことができ、チップの交
換作業を極めて容易かつ短時間で執り行うことが可能と
なって作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すスローアウェイ式
ドリルの平面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の先端部の拡大平面図で
ある。
【図3】 図1に示す実施形態の先端部の拡大側面図で
ある。
【図4】 図1に示す実施形態の先端部を工具先端側か
らみた拡大正面図である。
【図5】 図4におけるAA断面図である。
【図6】 図1に示す実施形態に係わるスローアウェイ
チップ5の平面図である。
【図7】 図6に示すスローアウェイチップ5の正面図
である。
【図8】 図6に示すスローアウェイチップ5の底面図
である。
【図9】 図6に示すスローアウェイチップ5の背面図
である。
【図10】 図6に示すスローアウェイチップ5の右側
面図である。
【図11】 図6に示すスローアウェイチップ5の側面
11をB方向視にみた側面図である。
【図12】 図7、図9におけるCC断面図である。
【図13】 図1に示す実施形態に係わる係合部材21
の平面図である。
【図14】 図13に示す係合部材21をD方向視にみ
た側面図である。
【図15】 図13に示す係合部材21をE方向視にみ
た側面図である。
【図16】 図13におけるFF断面図である。
【符号の説明】
1 工具本体 3 チップ取付座 4 切刃 5 スローアウェイチップ 16 位置決め溝 18 凹部(係脱手段) 21 係合部材 23 位置決め部 24 板バネ部 25 係合部(係脱手段) O 工具本体1の軸線 T 工具回転方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体に形成されたチップ取付座にス
    ローアウェイチップが挿入されて着脱可能に取り付けら
    れるスローアウェイ式切削工具において、上記スローア
    ウェイチップと工具本体との間には、このスローアウェ
    イチップの上記チップ取付座への挿入操作に伴って該ス
    ローアウェイチップをチップ取付座に保持し、かつスロ
    ーアウェイチップのチップ取付座からの抜脱操作に伴っ
    て該スローアウェイチップをチップ取付座から解放する
    係脱手段が備えられていることを特徴とするスローアウ
    ェイ式切削工具。
  2. 【請求項2】 上記係脱手段には、上記スローアウェイ
    チップおよび工具本体の一方に設けられて該スローアウ
    ェイチップの上記チップ取付座への挿入方向に交差する
    方向に凹む凹部と、上記スローアウェイチップおよび工
    具本体の他方に設けられて上記凹部が凹む方向に付勢さ
    れることにより該凹部に係脱自在とされた係合部とが備
    えられていることを特徴とする請求項1に記載のスロー
    アウェイ式切削工具。
  3. 【請求項3】 上記工具本体は、軸線回りに回転されつ
    つ該軸線方向先端側に送り出されるスローアウェイ式ド
    リルの工具本体であって、この工具本体の先端には上記
    軸線に対する直径方向に延びる凹溝が上記チップ取付座
    として形成され、このチップ取付座に上記スローアウェ
    イチップが上記軸線方向後端側に向けて挿入されて取り
    付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載のスローアウェイ式切削工具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7011478B2 (en) * 2003-11-07 2006-03-14 Allied Machine & Engineering Corp. Spade drill insert having helical margins
US7547166B2 (en) 2003-11-07 2009-06-16 Allied Machine & Engineering Corp. Spade drill insert having helical margins
CN108883476A (zh) * 2016-03-29 2018-11-23 京瓷株式会社 刀头、钻头
JP7540626B2 (ja) 2020-06-17 2024-08-27 エヌティーエンジニアリング株式会社 位置補正機能付き作業機械

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