JP2001008487A - 電気車の制御装置及び制御方法 - Google Patents

電気車の制御装置及び制御方法

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JP2001008487A
JP2001008487A JP11174282A JP17428299A JP2001008487A JP 2001008487 A JP2001008487 A JP 2001008487A JP 11174282 A JP11174282 A JP 11174282A JP 17428299 A JP17428299 A JP 17428299A JP 2001008487 A JP2001008487 A JP 2001008487A
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Sanshiro Obara
三四郎 小原
Nobunori Matsudaira
信紀 松平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全運転範囲にわたって、回転センサの位相誤差
を補正する電気車の制御装置とその制御方法を得る。 【解決手段】電気車の制御装置において、位相演算部の
位相を補正する位相補正部を有し、該位相補正部は、電
力変換器の入力電圧VB×電流IBで算出した入力電力
状態に基づいて、位相演算部で演算された位相の補正を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気車の制御装置
及び制御方法に係り、特に、回転センサの出力を基に演
算される位相角を補正する位相補正部を内蔵した電気車
の制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石により励磁される同期機を使用
する場合には、レゾルバ等の回転センサにより同期機の
永久磁石(ロータ)の磁極位置と回転角度を検出し、同
期機電流を制御している。しかし、レゾルバ等のセンサ
やセンサ出力処理回路は誤差、特に、速度に依存した位
相誤差を含んでいるため、同期機のロータの位置を正確
に検出することは不可能である。
【0003】このような、回転センサの位相誤差を補正
するものとして、特開平10−304676号公報に
は、電気車の停止信号IGNOFF時に電力変換器用平
滑コンデンサを放電する際、回転センサの位相誤差を補
正する発明が記載されている。この発明では、同期機停
止時にのみ位相補正を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】回転センサの出力は温
度変化、経年変化や速度に依存した位相誤差を生ずる。
この誤差は、同期機停止時の平滑コンデンサ放電時のみ
だけでなく、通常の運転時にも影響を及ぼす。同期機停
止時にのみ位相補正を行うものでは、回転センサの出力
に誤差があると、例えば、回転中トルク指令値がゼロの
場合、不要な力行あるいは回生トルクを発生してバッテ
リーの不要な充放電が生じる。
【0005】本発明は、同期機の全運転範囲にわたっ
て、回転センサの位相誤差を補正する電気車の制御装置
とその制御方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、同期機
と、前記同期機の磁極位置と回転角度を検出する回転セ
ンサと、前記同期機を駆動する電力変換器と、該電力変
換器を制御する制御装置とを備えた電気車の制御装置で
あって、前記制御装置が、d軸電流指令とq軸電流指令
を発生する電流指令発生部と、dq軸電流指令と同期機
電流からのdq軸電流を検出値をもとにdq軸電圧指令
値Vd*、Vq*、座標変換処理を行って交流電圧指令
値Vu*、Vv*、Vw*を演算するdq軸電流制御部
と、前記交流電圧指令値をもとに電力変換器の駆動信号
を発生するPWM制御部と、前記回転センサの出力から
座標変換処理で使用する位相及び速度を演算する位相演
算部及び速度演算部を備えた電気車の制御装置におい
て、前記位相演算部の位相を補正する位相補正部を有
し、該位相補正部は、前記回転センサの位相誤差特性に
基づいて、前記位相演算部で演算された位相の補正を行
なうことにある。
【0007】本発明の他の特徴は、前記電気車の制御装
置において、前記位相補正部は、前記電力変換器の入力
電圧VB×電流IBで算出された入力電力状態に基づい
て、前記位相演算部で演算された位相の補正を行なうこ
とにある。
【0008】本発明の他の特徴は、前記電気車の制御装
置において、前記位相補正部が、前記電力変換器の入力
電圧VB×電流IBで算出した電力変換器の入力電力
と、電力変換器と同期機の損失WTに加えてトルク指令
τM*×速度ωMから算出した目標出力が等しくなるよう
に補正をすることにある。
【0009】本発明の他の特徴は、前記電気車の制御装
置において、前記位相補正部が、前記電力変換器の入力
電圧VB×電流IBで算出した前記電力変換器の入力電
力と、トルク指令τM*×速度ωMから算出した目標出
力が等しくなるように補正をすることにある。
【0010】本発明によれば、同期機の全運転範囲にわ
たって、回転センサの温度変化、経年変化や速度に依存
する位相誤差を電力変換器の入力電力情報から随時補正
するので、トルク指令値に追従した同期機の制御が可能
である。例えば、トルク指令値ゼロ時に、位相誤差によ
る不要な力行あるいは回生トルクを発生してバッテリー
の不要な充放電を行うようなことを防止できる。
【0011】
【発明の実施の型態】以下、本発明に係る電気車の制御
装置の一実施例について、図面に基づいて説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例における電気自
動車のシステム構成を示す回路図である。図において、
バッテリー10は、キースィッチにより開閉制御される
メインコンタクタ11を介して電力変換器12に接続さ
れている。電力変換器12は、バッテリー10からの直
流電流を交流電力に変換して電気車駆動用の永久磁石型
同期機13に供給するものである。メインコンタクタ1
1と電力変換器12の間には、直流電力を平滑化するた
めの電解コンデンサがバッテリー10に並列に接続され
ている。電力変換器12は複数のスイッチング素子を有
しており、これらのスイッチング素子は制御装置20に
よりオンオフ制御される。
【0013】力行時及び回生時、トルク指令発生部によ
り、それぞれアクセル開度とモータ回転数(速度)に対
応したトルク指令τM*が生成され、このトルク指令τM*
が制御装置20に送られる。
【0014】永久磁石型同期機13の磁極位置及び回転
角度はレゾルバ16で、また、同期機電流は電流検出器
16で検出され、これらの検出値は制御装置20に送ら
れる。
【0015】制御装置20は、電流検出器16の各検出
値と、トルク指令発生部から送られてきたトルク指令τ
M*を基に、電力変換器12のスイッチング素子のオンオ
フを制御するPWM信号を生成する。なお、14は電気
自動車の変速機、17はタイヤを示す。また、18、1
9は、電力変換器12の入力電力状態、すなわち入力電
流IBと入力電圧VBを検出するための電流検出器及び
電圧検出器である。
【0016】制御装置20は、d軸電流指令id*とq
軸電流指令iq*を発生する電流指令発生部21と、d
q軸電流指令と同期機電流からのdq軸電流の検出値を
もとにdq軸電圧指令値Vd*、Vq*、座標変換処理
を行って交流電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算
するdq軸電流制御部(dq−ACR)22と、交流電
圧指令値をもとに電力変換器の駆動信号を発生するPWM
制御部23を備えている。
【0017】制御装置20は、さらに、レゾルバ16の
出力をR/D変換するR/D変換部24と、このR/D
変換部24の出力である磁極位置信号U、V、W及び角
度信号A、Bから、位相演算により位相θ0を演算する
位相演算部25及び速度ωMを演算する速度演算部26
を備えている。
【0018】27は位相補正部であり、位相演算部25
で演算された位相θ0を、本発明のレゾルバ16の位相
誤差特性に基づい補正し、dq軸電流制御部22で使用
する位相θを出力する。位相補正値演算部28におい
て、上記位相θ0の誤差を補正するための補正値Δθ
が、電流検出器18及び電圧検出器19により検出され
た電力変換器12の入力電力状態、及び速度演算部26
で演算された速度ωMに基づいて演算される。
【0019】図2に位相補正値演算部28の詳細構成を
示す。280は制御モード選択部、281は予め求めら
れたレゾルバ16やR/D変換部24の位相誤差特性
(レゾルバ、R/Dにより図示特性とは異なる場合があ
る。)であり、横軸が速度ωM、縦軸が誤差Δθ1であ
る。また、282は同期機と電力変換器の全損失マップ
であり、トルク指令τM*をパラメータとして、横軸が速
度ωM、縦軸が全損失WTである。283は補正演算の結
果を記録するEPROMなどのメモリ部、284は入
力電圧VB×電流IBの演算を行う乗算器、287は加
算器である。285、286、289(A、B、C)は
スイッチ部であり、制御モードに応じてり、制御モード
選択部280で切替られる。
【0020】また、300は、トルク指令τM*と速度ω
Mの乗算から目標出力WT*を算出する目標出力演算部で
あり、301は加算器である。
【0021】本実施例の位相補正では、次の3つの制御
モードを設定できる。
【0022】(制御モード1):レゾルバやR/D変換
部の位相誤差特性に基つく補正であり、電力変換器の入
力電力状態に基づく補正はしない。
【0023】(制御モード2):電力変換器の入力電力
状態に基づく補正であり、前記電力変換器の入力電圧V
B×電流IBで算出した電力変換器の入力電力と、電力
変換器と同期機の全損失WTに加えてトルク指令τM*×
速度ωMから算出した目標出力が等しくなるように補正
をする。すなわち、τM*=0のときは、VB×IB=W
Tということになり、実質軸出力をゼロにするように位
相を補正する。この制御モードは力行時に有効である。
【0024】(制御モード3):電力変換器の入力電力
状態に基づく補正であり、電力変換器の入力電圧VB×
電流IBの入力電力とトルク指令τM*×速度ωMから算
出した目標出力が等しくなるように補正をする。すなわ
ち、τM*=0のときは、VB×IB=0となるように補
正する。この制御モードは回生時に有効である。
【0025】次に、本発明の実施例の動作について説明
する。電流指令発生部21において、トルク分電流に相
当するq軸電流の指令値Iq*が、トルク指令値τM*を
もとに算出される。一方、d軸電流の指令値Id*は、
トルク指令値τM*とレゾルバ16からのパルス信号か
ら速度演算部26で演算した速度ωMをもとに、損失最
小となるId*を得るための高効率制御テーブルを参照
して算出する。このようにして、制御装置20は、高効
率制御に必要な電流指令値Iq*、Id*を算出する。
【0026】dq軸電流制御部(dq−ACR)22
は、電流検出器16で検出した同期機電流の3相交流電
流について3相/2相の座標変換して算出したd、q軸
電流Id、Iqと指令値Iq*、Id*及び位相θをもと
に、比例あるいは比例積分電流制御処理を行い、電圧指
令値Vq*、Vd*を算出し、さらに、2相/3相の座標
変換して3相交流電圧指令値VU*、VV*、VW*を算
出する。PWM制御部23は、この電圧指令値VU*、
VV*、VW*から三角波信号の搬送波信号との比較処理
を行って、電力変換器12のPWM信号を発生する。こ
のようにして同期機13にPWM制御された電圧を印加
することにより、同期機電流を電流指令値Iq*、Id*
に制御する。このような処理を行って、同期機13はト
ルク指令値τM*のトルクで、かつ損失最小の高効率で
制御される。
【0027】同期機の出力トルクは(1)式で示され
る。 τM=Pn[{E0+(1−ρ)LdId}Iq]……(1) ただし、Pnは定数、ρはLqとLdの比、E0は誘起
電圧である。
【0028】(1)式において、右辺第1項は同期トル
ク、第2項はリアクタンストルクと呼ばれており、同期
トルク及びリアクタンストルクの和が発生トルクτMで
ある。
【0029】図3に示すように、R/D変換部からは、
磁極位置信号U、V、W及び角度信号A、Bが出力され
る。磁極位置信号U、V、Wは、同期機の誘起電圧位相
に同期している。
【0030】ところで、レゾルバ16やR/D変換部2
4に位相誤差が有る場合、R/D変換部24からの出力
信号U、V、Wにも、位相誤差(進み:+θR、遅れ:
−θR)を生ずる。図4(a)に示した同期機のベクト
ル図において、+θRの位相誤差があった場合、Id*、
Iq*の指令に対して同期機の内部電流がIdM、IqM
となり、出力トルクに誤差が生じる。
【0031】また、(1)式で示される同期機の出力ト
ルクτMに関して、同期機へのdq軸電流一定とした場
合の、進み角βを横軸としたトルク特性を、図4(b)
に示す。(1)式のρが1よりも大きい逆突極特性をも
つ同期機は進み角βが45度付近で最大トルクを発生す
るので、通常、この角度以上で同期機は制御される。
【0032】ここで、トルク指令τM*が0の場合、図
4(b)のベクトル図に示すように、同期機は進み角β
=90度付近で運転される。もし、レゾルバ16やR/
D変換部24に位相誤差が有り位相誤差(θR1=β−θ
R、θR 2=β+θR)を生じた場合について考えると、
θR1の位相誤差があった場合は+τM1の力行トルクを
生じる。また、θR 2の位相誤差があった場合は−τM1
の回生トルクを生じる。このように、レゾルバ16の出
力に位相誤差が有ると、トルク指令τM*が0であるに
もかかわらず、+τM1、−τM1の誤差トルクを生じる。
特に、進み角β=90度付近は、トルク特性の勾配が急
なので、位相誤差の影響が大きくなる。
【0033】本発明では、電力変換器12の入力電圧V
B×電流IBの入力電力状態に基づいて、位相演算部2
5で演算された位相を補正する位相補正部27及び位相
補正値演算部28を有しており、トルク指令値τM*が
ゼロの時には、不要な力行(+τM1)あるいは回生(−
τM1)を発生しバッテリーの不要な充放電を行うことを
防止する。
【0034】まず、(制御モード1)では、位相補正値
演算部28のスイッチ部289Bが閉じられ、他のスイ
ッチ部は全て開かれる。速度演算部26で演算された速
度ωMと位相誤差特性281に基づいて、誤差Δθ1が求
められる。この誤差Δθ1が位相補正値演算部28のΔ
θとして出力される。
【0035】従って、図4(a)に示した同期機のベク
トル図において、位相誤差が有り、+θRの位相誤差が
あった場合でも、これに対応したΔθの補正が行なわ
れ、同期機電流はId*=IdM、Iq*=IqMに制御さ
れる。
【0036】次に、(制御モード2)の場合、前記電力
変換器の入力電圧VB×電流IBで算出した入力電力W
Bと、電力変換器と同期機の全損失WTに目標出力(τ
M*×ωM)を加えた値が等しくなるように補正をする。
全損失WT=電力変換器の損失IWT+同期機の損失M
WTであり、IWTは、パワー素子IGBTのON損失
+スイッチング損失、MWTは、銅損+鉄損+機械損+
漂遊損を含む。
【0037】制御モード2の場合、スイッチ部285、
289Cが閉じられ、他のスイッチ部は全て開かれる。
まず、速度ωMをもとに全損失マップ282から、全損
失WTと目標出力WT*を加算器301で得た値を、スイッ
チ部285を介して加算器287に入力される。一方、
電力変換器12の入力電圧VB×電流IBの入力電力W
Bが加算器287に入力され、これら全損失WT+目標出
力WT*と入力電力WBの差をもとに、制御補償部288を
介して、位相角Δθを出力する。換言すると、全損失WT
+目標出力WT*と入力電力WBが等しくなるようにフィー
ドバック制御して、位相角Δθを算出する。例えば、τ
M*=0の場合には、全損失分WT相当の入力電力を供
給することになる。全損失マップ282のWTは予め、
トルク指令τM*をパラメータに計算と実験でマッチン
グしておく。すなわち、実質の軸出力がゼロになるよう
に位相を補正する。
【0038】また、(制御モード3)の場合、スイッチ
部286、289Cが閉じられ、他のスイッチ部は全て
開かれる。(制御モード3)において、位相補正値演算
部28は、電力変換器12の入力電圧VB×電流IBで
算出した入力電力WBとトルク指令τM*×速度ωMで算
出した目標出力WT*が等しくなるように、(制御モー
ド2)同様にフィードバック制御して、位相角Δθを算
出する。従って、軸出力は目標出力に対して、全損失分
WT相当分増減する。しかし、目標出力=0(τM*=
0)の場合には、入力電力WB=0とすることができ
る。
【0039】VB×IB=WT*=k(τM*×ωM) WT損失分は、負荷側より供給される。
【0040】バッテリー10の電圧VBがほぼ一定とみ
なせる場合は、IBを基に、 入力電力WBを算出しても
良い。
【0041】なお、上記(制御モード2)、(制御モー
ド3)の終了時、あるいは制御装置の停止時、これらの
制御で得られた補正値を次回利用するために、スイッチ
部289Aを閉じられ、EPROMに保持する。従っ
て、次の制御の開始に先立って、スイッチ部289Aが
閉じられ、前回保持された補正値を読み出し、初期値と
して利用する。
【0042】また、本発明の実施例の位相補正演算部2
8を、同期機を駆動中τM*=0時のみ演算するなど、
特定の場合に限定させて動作させても良い。
【0043】図5は、本発明の他の実施例であり、電気
自動車の駆動源として2台の同期機(SM1、SM2)
13A、13Bとエンジン(図示略)を備えたハイブリ
ット型の電気自動車に、本発明を適用した例である。制
御装置20の位相補正部27、28は、電力変換器12
A、12Bに共通に供給される入力電圧VB×電流IB
から算出した入力電力WBをもとに位相角を補正する。
【0044】車速が数10km/hr以上で、同期機
(SM1)運転からエンジン単独運転で、かつ、同期機
SM2が発電運転をしていないとき、すなわち、トルク
指令τM1*=τM2*=0という特定の場合のみ制御モー
ド2あるいは3の制御を行う。この場合、同期機SM
1、SM2用の制御装置20の位相を交互に1ステッ
プ、例えば、Δθ0=を0.2度ずつ補正するフィード
バック制御を行い、その結果を見ながら最適の補正値を
求める。
【0045】SM2が発電運転中や中高速でのSM1に
よる加速運転時には、位相補正部27、28による補正
を行わない。
【0046】図6は、本発明の他の実施例であり、電気
自動車の駆動源として2台の同期機(SM1、SM2)
13A、13Bとエンジン(図示略)を備え、油圧制御
機構などの補機の駆動源として1台の同期機(SM3)
13Cを備えたハイブリット型の電気自動車に、本発明
を適用した例である。エンジン単独運転で、同期機によ
る発電はなく、補機の駆動も行っていないとき、τM1
*=τM2*=τM3*=0という特定の場合のみ、制御
装置20の位相補正部27、28は、電力変換器12の
入力電圧VB×電流IBの入力電力状態をもとに位相角
を補正する。すなわち、本発明の(制御モード2)ある
いは(制御モード3)による位相補正処理を実行する。
その場合、図5で説明したように、制御装置20は各同
期機(SM1、SM2、SM3)13A〜13C用の電
力変換器12A〜12Cの位相を順次、ステップ的に位
相補正して、最適値を算出する。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、回
転センサの温度変化、経年変化や速度に依存した位相誤
差を電力変換器の入力電力情報から随時位相補正を行な
うので、トルク指令値に追従した同期機制御が可能であ
る。特に、トルク指令値ゼロ時にバッテリーの不要な充
放電を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電気自動車のシステ
ム構成を示す回路図である。
【図2】図1の位相補正値演算部の詳細構成を示す図で
ある。
【図3】R/D変換部の出力特性の説明図である。
【図4】同期機のベクトル図及び同期機のトルク特性を
示す図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10…バッテリー、11…メインコンタクタ、12…電
力変換器、13…永久磁石型同期機、16…レゾルバ、
18…電流検出器、19…電圧検出器、20…制御装
置、25…位相演算部25、26…速度演算部、27…
位相補正部、28…位相補正値演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本部 光幸 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Fターム(参考) 5H115 PA08 PC06 PG04 PI13 PU10 PU11 PV03 QE03 QN03 QN05 QN09 5H560 AA08 DA10 DC12 EB01 GG04 RR03 XA02 XA06 XA12 XA13 5H576 AA01 BB06 CC01 DD05 EE01 EE11 FF03 GG01 GG04 GG06 HB01 KK05 LL14 LL41 LL58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同期機と、前記同期機の磁極位置と回転角
    度を検出する回転センサと、前記同期機を駆動する電力
    変換器と、該電力変換器を制御する電気車の制御装置で
    あって、前記制御装置が、d軸電流指令とq軸電流指令
    を発生する電流指令発生部と、dq軸電流指令と同期機
    電流からのdq軸電流を検出値をもとにdq軸電圧指令
    値Vd*、Vq*を算出しさらに座標変換処理を行って
    交流電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算するdq
    軸電流制御部と、前記交流電圧指令値をもとに電力変換
    器の駆動信号を発生するPWM制御部と、前記回転セン
    サの出力から座標変換処理で使用する位相及び速度を演
    算する位相演算部及び速度演算部を備えた電気車の制御
    装置において、 前記位相演算部の位相を補正する位相補正部を有し、 該位相補正部は、前記回転センサの位相誤差特性に基づ
    いて、前記位相演算部で演算された位相の補正を行なう
    ことを特徴とする電気車の制御装置。
  2. 【請求項2】同期機と、前記同期機の磁極位置と回転角
    度を検出する回転センサと、前記同期機を駆動する電力
    変換器と、該電力変換器を制御する電気車の制御装置で
    あって、前記制御装置が、d軸電流指令とq軸電流指令
    を発生する電流指令発生部と、dq軸電流指令と同期機
    電流からのdq軸電流を検出値をもとにdq軸電圧指令
    値Vd*、Vq*を算出しさらに座標変換処理を行って
    交流電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算するdq
    軸電流制御部と、前記交流電圧指令値をもとに電力変換
    器の駆動信号を発生するPWM制御部と、前記回転セン
    サの出力から座標変換処理で使用する位相及び速度を演
    算する位相演算部及び速度演算部を備えた電気車の制御
    装置において、 前記位相演算部の位相を補正する位相補正部を有し、 該位相補正部は、前記電力変換器の入力電圧VB×電流
    IBで算出した入力電力状態に基づいて、前記位相演算
    部で演算された位相の補正を行なうことを特徴とする電
    気車の制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記位相補正部は、前
    記電力変換器の入力電圧VB×電流IBで算出した電力
    変換器の入力電力と、電力変換器と同期機の損失WTに
    加えてトルク指令τM*×速度ωMから算出した目標出力
    が等しくなるように補正をすることを特徴とする電気車
    の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の電気車の制御装置におい
    て、前記位相補正部は、前記電力変換器の入力電圧VB
    ×電流IBで算出した前記電力変換器の入力電力と、ト
    ルク指令τM*×速度ωMから算出した目標出力が等し
    くなるように補正をすることを特徴とする電気車の制御
    装置。
  5. 【請求項5】電力変換器と同期機を多数台使用し、各電
    力変換器に共通の入力電流IBを検出し各同期機を駆動
    する駆動装置を備えた電気車の制御装置であって、前記
    制御装置が、d軸電流指令とq軸電流指令を発生する電
    流指令発生部と、dq軸電流指令と同期機電流からのd
    q軸電流を検出値をもとにdq軸電圧指令値Vd*、V
    q*を算出しさらに座標変換処理を行って交流電圧指令
    値Vu*、Vv*、Vw*を演算するdq軸電流制御部
    と、前記交流電圧指令値をもとに前記各電力変換器の駆
    動信号を発生するPWM制御部と、前記回転センサの出
    力から座標変換処理で使用する位相及び速度を演算する
    位相演算部及び速度演算部を備えた電気車の制御装置に
    おいて、 前記位相演算部で演算された位相を補正する位相補正部
    を有し、 該位相補正部は、前記電力変換器の入力電圧VB×電流
    IBの全入力電力状態をもとに前記各電力変換器に対す
    る位相角を順次ステップ的に補正することを特徴とする
    電気車の制御装置。
  6. 【請求項6】同期機と、前記同期機の磁極位置と回転角
    度を検出する回転センサと、前記同期機を駆動する電力
    変換器と、該電力変換器を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は電流指令発生部、dq軸電流制御部、P
    WM制御部、位相演算部及び速度演算部を有する電気車
    の制御方法において、 前記電流指令発生部により、d軸電流指令とq軸電流指
    令を発生し、 前記dq軸電流制御部により、dq軸電流指令と同期機
    電流からのdq軸電流をもとにdq軸電圧指令値Vd
    *、Vq*を算出しさらに座標変換処理を行って交流電
    圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算し、 前記PWM制御部で、前記交流電圧指令値をもとに電力
    変換器の駆動信号を発生し、 前記位相演算部及び速度演算部で、前記回転センサの出
    力から座標変換処理で使用する位相及び速度を演算し、 前記位相演算部の位相補正部において、前記電力変換器
    の入力電圧VB×電流IBで算出した入力電力状態に基
    づいて、前記位相演算部で演算された位相の補正を行な
    うことを特徴とする電気車の制御方法。
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