JP2001006856A - セラミックヒーター - Google Patents

セラミックヒーター

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JP2001006856A
JP2001006856A JP11173728A JP17372899A JP2001006856A JP 2001006856 A JP2001006856 A JP 2001006856A JP 11173728 A JP11173728 A JP 11173728A JP 17372899 A JP17372899 A JP 17372899A JP 2001006856 A JP2001006856 A JP 2001006856A
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ceramic
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ceramic heater
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄く且つ大型化して作ることができるセラミ
ックヒーターであって、昇温の立ち上がり速度・冷却の
速度が速く、加熱温度ムラがなく、比較的低い焼成温度
の抵抗体ペーストを発熱体材料として選ぶことができ、
被加熱液の温度検知が容易であり、所望箇所への取り付
けが容易でしかもヒートショックへの強度に影響なく取
り付けることができ、しかも消費電力にばらつきのない
セラミックヒーターを提供すること。 【解決手段】 セラミック薄板2の片面に、略ベタパタ
ーンに塗布して焼き付けた発熱体3を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セラミックヒー
ターの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックヒーターには、アルミナ、ジ
ルコニアなど絶縁体のセラミックに発熱体を挟んで形成
したものがある。これによれば、発熱体がセラミック内
に埋め込まれた状態であるため、加熱する対象物に宛っ
ても電気漏洩がなく、よって例えば液体に触れて直接加
熱させることもできる。
【0003】この様なセラミックヒーターは、焼成前の
グリーンシート(例えばアルミナ・グリーンシート)に
発熱体となる抵抗体ペーストを印刷塗布し、これにもう
一つのグリーンシートを貼り合わせてペーストを密閉状
態にし、セラミックと発熱体との高温焼成を同時に行っ
ている。その際の焼成温度は1600℃程度である。
【0004】また抵抗体ペーストを印刷塗布する際に
は、線図状のパターンに(例えば、つづら折り状や渦巻
き状のパターンに)印刷してあり、そのパターンの両端
を端子にして給電される様にしている。この様な貼り合
わせによるセラミックヒーターの例として、図5に示す
様な円形板状のセラミックヒーター100があるが、こ
のヒーター100は直径が40mmで100V−250
Wであり、タングステン系のペーストを用いたその線図
パターンは0.5mm程度の細い印刷幅である。このセ
ラミックヒーター100は酒燗器に用いて直接酒を加熱
する為のものであり、酒の流通路を平らに形成した加熱
器に取り付ける様になっている。つまり、円形なヒータ
ーの中央に設けられた取付孔101を用いて、図6に示
す様に、この加熱器110の内壁111にリングパッキ
ング112を介してネジ止めする様になっている。内壁
111に取り付けることにより、ヒーター100が酒に
触れて直に加熱するのであり、1つの加熱器110には
この様なセラミックヒーター100を何個か取り付け
て、所定の発熱量を得ており、それなりの効果が得られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ただ、何個か取り付け
ねば所定の発熱量が得られない点が面倒であり、小型の
セラミックヒーターを何個か用いる点でコスト的にも負
担になる。しかもグリンシートを貼り合わせるために、
できたセラミックヒーターは厚みのあるものになってお
り、仮に所定の発熱量を1つのセラミックヒーターで得
ようとすると、放熱面を拡大化しなければならなくな
り、厚みと面積のある大型化したセラミックヒーターに
なってしまい、製造面や取り付けの面で困難が伴う。
【0006】また貼り合わせによる厚みにより熱容量の
増すことが避けれないが、その為、ヒーターの入切を比
較的頻繁に行う必要があるものの場合など、給電に伴う
昇温の立ち上がりや、切断に伴う自然冷却がスムーズで
あることを求める場合であってもこれに対応できず、立
ち上がりが遅く、切断後も余熱が長く残ってしまう不都
合がある。
【0007】また図5の様にリングパッキング112を
介してネジ止めする方法であると、図7に示す様に、曲
げ応力をセラミックヒーター100に加えてしまい、セ
ラミックヒーターのヒートショック値が低下する問題が
あった。特に、セラミックヒーターが大きくなると曲げ
応力に対して弱さが増し、この点でもセラミックヒータ
ーの大型化が困難であった。
【0008】また従来は抵抗体ペーストを挟み込むた
め、発熱体はセラミックと同時に焼成することになり、
よって抵抗体ペーストにはセラミックの焼成温度に耐え
られるものに限られてしまい、高価なものになってい
た。焼成温度の低い抵抗ペーストであると、セラミック
の焼成温度が高温すぎて焼失してしまうからである。
【0009】また2枚のグリーンシートを貼り合わせて
焼成するため、双方のグリーンシートの僅かな組成の違
いが焼成時に反りを発生させ、反のあるものを無理に押
さえつければ割れ易いセラミックは曲げ応力により破損
に到ることがある。また反りがあれば、平面に取り付け
る場合などは取付面への密着性が悪くなり、この様な密
着性の悪さは、加熱ムラを生じさせる不具合の他、加熱
ムラがヒーター自体の温度ムラを生じさせて割れの原因
になってしまう。セラミックヒーターの表面を研磨して
反りをとる方法もあるが、コスト高になって好ましくな
い。
【0010】また発熱体全体が、線画パターンになって
いるため、グリンシートの貼り合わせ面は図8に示す様
にパターン103の有る箇所/無い箇所が生じ、よって
ヒーターの放熱面には加熱ムラが生じ、この様な加熱ム
ラを問題とする様なデリケートな加熱対象物に対しては
不具合である。
【0011】よって発熱体を均一に設け、加熱ムラのな
い様にするのが元々望まかった。ただグリンシートを貼
り合わせる際、線図のパターンであると線と線の間を貼
り合わせの接着面として機能させられる点で従来の線図
パターンは都合がよく、それに対して均一に塗布するベ
タパターンであると、グリンシート同士の接着面がなく
なって接着させることができず、結局ベタパターンを採
用することができなかった。
【0012】また線図パターンであると、パターンの幅
が狭く印刷厚さも薄いため、印刷工程でゴミの付着など
あれば、その箇所が図9に示す様に凹んで印刷厚さが僅
かでも薄くなり、更には印刷時にパターンの欠けること
がある。この様な凹んだり欠けたりした欠陥パーターン
があると、その欠陥箇所が部分的に抵抗値の高い箇所と
なるためそこだけが異常高温となり、特に、発熱体は温
度上昇すると抵抗値の上がる特性の材質が多いため、一
旦異常高温化が始まると一気に高温化が進んでセラミッ
クを溶融させ孔を開けるといった不具合が生じ、この様
な事故例が実際に起きている。
【0013】また焼成してでききたセラミックヒーター
には、それぞれの消費電力にある程度のばらつきで出て
しまう不具合が避けられなかった。
【0014】以上の問題を鑑み、本発明の目的とすると
ころは、薄く且つ大型化して作ることができるセラミッ
クヒーターであって、昇温の立ち上がり速度・冷却の速
度が速く、加熱温度ムラがなく、比較的低い焼成温度の
抵抗体ペーストを発熱体材料として選ぶことができ、被
加熱液の温度検知が容易であり、所望箇所への取り付け
が容易でしかもヒートショックへの強度に影響なく取り
付けることができ、しかも消費電力にばらつきのないセ
ラミックヒーターを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段と発明の効果】以上の課題
を解決するため、本願請求項1記載の発明では、セラミ
ック薄板の片面に、略ベタパターンに塗布して焼き付け
た発熱体が設けた。発熱体が露出したままで具合が悪い
なら、その上からガラスコートなどして表面を絶縁保護
しておけばよい。
【0016】製造に当たっては、先にセラミック薄板を
焼成などして得ておき、その後、発熱体を塗布して焼き
付ければよく、この様に別々に焼成することができるの
で、発熱体は発熱体の焼付けのできる低い焼付け温度で
よく、セラミックの焼成温度よりも低い耐熱材料を用い
ることができる。
【0017】またこのセラミックヒーターによれば、セ
ラミックが薄板であるため給電の入切に伴う昇温速度・
降温速度が速くなるので、立ち上がり時の加熱遅れや、
切断後の不要な余熱による加熱をせずに済む。またベタ
パターンの発熱体となるので、発熱にムラが無い。更
に、大きな発熱量のヒーターが必要な場合であれば、こ
れに応じた面積のセラミック薄板を用いればよく、セラ
ミック薄板を大きくしても重量的には軽量を維持でき
る。
【0018】またパターンの凹みや欠けなど欠陥が生じ
ても、ベタパターンであるために電流経路がかなり幅広
く、従来の線画状の電流経路に比べると、パターンの欠
陥部分は単に発熱をされないところとなり、異常発熱や
これによるセラミックの溶融がおこることもなく、安定
したヒーターが得られる。
【0019】請求項2記載の発明では、セラミック薄板
を単層で成した。ここで単層とは、例えばセラミック薄
板をグリーンシートの焼成によって得るのであれば、1
枚のグリンシートからセラミック薄板を焼成し、2枚を
貼り合わせて焼成する様なものではないことを云う。或
いはセラミックの材料となる粉体をプレスして得る様な
ものを云う。これにより、異なる組成のシートを貼り合
わせることに原因する反りが無くなる。
【0020】請求項3記載の発明では、発熱体の端子部
を対峙する一対の長尺パターンで形成し、この端子部間
に挟まれた面状部分に前記発熱体が設けた。これによ
り、電流が発熱体により一層均一に流れ、発熱のムラが
一層無くなり、均一な放熱が可能になる。ここで云う長
尺とは、端子間の略ベタパーターンに電流を流す際に、
電流密度に粗密の生じない様な形状であればよく、必ず
しも直線的な形状である必要はない。
【0021】請求項4記載の発明では、セラミック薄板
の発熱体の設けられていない側となる放熱面で液体を直
に加熱することを要旨とした。従って放熱面は液体の沸
点以上の温度にはならず、例えば水を加熱するのであれ
ば空焚きしない限り、放熱面は100℃程度の温度に上
限が決まる。またセラミックヒーターは薄板が用いられ
ているため、この薄さでは表裏の温度に大きな差が生じ
ず、水を加熱する例では発熱面側は120〜130℃程
度と比較的低い温度を維持することができ、発熱体の高
温化が抑制される。もちろん放熱面と発熱面との温度差
が少ないことは高効率であることは云うまでもない。ま
た言い換えれば、発熱体が薄いセラミック板を介して被
加熱物の液体に冷却されて、高温化が抑制され、その為
に耐熱温度の低い発熱体でも焼失することがなく、よっ
て焼失温度の低い発熱体材料でも用いることができる。
また発熱体を保護のためにコートする場合もあるが、そ
の時にも溶融温度の低い材料を用いることができ、ガラ
スコート或いはエボキシ樹脂、シリコン樹脂などが可能
になる。
【0022】請求項5記載の発明では、発熱体の表面に
温度センサーを設けたものである。即ち、本願はセラミ
ック薄板を用いているために、放熱面の裏面となる発熱
体の温度が放熱面温度と大きく乖離せず、よって、発熱
体は被加熱物の加熱温度に近い温度の発熱でよいのであ
る。つまり従来の厚みのあるセラミックヒーターであれ
ば、発熱体と放熱面とに温度の乖離があるため、この乖
離を見込んだ高い温度に発熱体を加熱させておかなけれ
ばならない問題があったが、本願発明によればセラミッ
ク板が薄いので、この様な乖離を見込む必要がない分だ
け発熱体の温度を下げることが可能になり、結果、発熱
体の表面に温度センサーを設けることが温度的に可能と
なったのである。また、表裏の温度の乖離が小さいの
で、測定した発熱体温度に基づく放熱体温度の類推測定
が正確にできるという効果が得られる。
【0023】例えば被加熱物が液体の場合、セラミック
ヒーターで液体を加熱すると、逆にセラミックヒーター
が液体で冷却されることにもなり、放熱面温度の上限が
沸点温度程度に抑えられる。また、放熱面の裏面となる
発熱体の温度が、セラミック板の薄さにより放熱面温度
と大きく乖離せず、液体の温度より少々高い程度の低い
発熱温度に止まる。その為、従来のセラミックヒーター
で液体を加熱するのであれば、液体の温度を知る為の温
度センサをヒーターから離れた位置に設け、更に別の温
度センサを発熱部裏面に空焚き検知用として配置する手
間があったが、この様な手間が不要になる。つまり、発
熱体に直接温度センサを設けることにより空焚き防止用
の温度検知と液体温度の検知を行うことができるのであ
る。
【0024】請求項6記載の発明では、セラミックヒー
ターの周縁を枠体に取り付けることを想定したものであ
り、その際、セラミックヒーターの周辺部分を取付け代
にすることを前提として発明である。従ってこの発明
は、セラミック薄板を、所望の取付枠に対応した形状に
形成されると共に、発熱体を設けない余白部をセラミッ
ク薄板の周囲に設けたセラミックヒーターであり、更
に、余白部の表裏をパッキングを介した把持により取付
枠に取り付けされることをその発明の要旨としている。
なお、枠体とは額縁状のものに限らず、板状、塊状その
他のどの様な取付対象物でもよく、要するに、セラミッ
クヒーターの周囲を取り付け代として取り付ける場合の
取付対象物全てを指す。
【0025】これは、セラミックヒーターがセラミック
薄板を用いながらも大型化を一層可能にするための発明
である。即ち、セラミックヒーターの周囲を把持して取
り付けるため、従来の円形ヒーターを例にして説明した
様な曲げ応力を加えずにすむので、この点で、大型化し
ても取り付けに支障がない。また、本願発明のセラミッ
クヒーターは従来の様なグリンシートの貼り合わせをし
ていないので、貼り合わせに原因する反りの発生が大幅
に抑えられた点で優れるが、ただ厳密に見れば僅かな反
りが残っており、その為、セラミックヒーターの周囲の
表裏を挟むと僅かに残る反りを表裏から挟んで割れを起
こしたり、或いは、隙間ができて水密性が維持できなく
なる問題がある。
【0026】この点、請求項6記載の発明によれば、余
白部の僅かな反りをパッキングで吸収するので割れの問
題を回避して取り付けすることができる。つまり、水密
性を求める放熱面側だけでなく、余白部の表裏両面を
(従って水密性を求めない発熱面側も)パッキングを介
して把持するため、表裏の反りを吸収しながら把持する
こととなり、元々割れ易い材質のセラミックを薄板にし
て一層割れやすくなっている本願発明のセラミックヒー
ターであっても、この様な問題が回避できるのである。
またパッキングを介した把持が余白部に対してなされ、
パッキングが発熱体に触れない様にしてある。そのため
液体を加熱するのであれば水密性を高めることができる
のは勿論のこと、仮にパッキングが発熱体部分を把持す
る様に用いられるならセラミックヒーターとパッキング
の隙間に僅かな液体が浸みて、この浸みを介した電気漏
洩の危険性があるものの、請求項4記載の発明であれば
余白部を把持するためこの様な電気漏洩の問題が起こら
ない。
【0027】請求項7記載の発明では、一対の端子部に
掛け渡す様に設けられた所定消費電力の断線パターンで
あって、連絡処理可能な断線箇所を含む断線パターンを
セラミック薄板に焼き付けた。
【0028】これは、抵抗体ペーストを画一的に塗布し
焼成しても、できあがったセラミックヒーターはその発
熱体(以下、主発熱体)の電力消費量にある程度のばら
つきができ、製品として均一規格になり難いため、これ
を調整するものである。連絡処理可能とは、断線箇所を
半田づけその他の方法で容易に繋ぐことができることを
いい、電気的に連絡されることにより、断線パターンが
発熱体に加わり、それだけ電力消費量が上がる。この様
な断線パターンはどの様に設けてもよいが、主発熱体よ
りは小さい消費電力の重み付けして設けた断線パターン
を何本か準備しておき、必要なだけの断線パターンを選
んで連絡処理すればよい。
【0029】請求項8記載の発明も、セラミックヒータ
ーの消費電力量を調整をするためのものである。即ち、
一つのセラミック薄板に、主発熱体と、これより小さい
消費電力の調整パターンとを焼き付けたものである。そ
して、給電時の主発熱体の消費電力と所定の設定値(例
えば定格消費電力)との差に対応した消費電力を前記調
整パターンに流すことにより、ヒーター全体の消費電力
が前記設定値に維持されるのである。請求項7の発明と
異なり、セラミックヒーターの製造時には何ら消費電力
の調整をせず、使用時に調整パターンに流す消費電力を
調整するので、製造時の調整行程が不要になる。使用時
の調整には、例えば、発熱体の消費電力を使用時に測定
し、定額電力より少ない電力に対応した電力を調整パタ
ーンに消費させて、定格電力など所定の設定値を維持す
るのである。
【0030】
【発明の実施の形態】図1に示す割れ検知用のセラミッ
クヒーター1は、1枚のアルミナ・グリンシートを焼成
した単層のアルミナ磁器をセラミック薄板2とし、この
セラミック薄板2の片面のほぼ全面に発熱体3がベタパ
ターンで設けてある。セラミック薄板2は、幅5cm、
長さ12cm、厚さ1.0mmの薄い板形状を成してい
る。また発熱体3はルテニュウムオキサイドの抵抗体ペ
ーストを印刷塗布して焼付けたものであり、セラミック
薄板の周囲のみが塗り残して余白部4を設けてある。
【0031】詳しくは、2本の長尺パターン5’がセラ
ミック薄板の2辺に沿って対峙するよう設けられて一対
の端子部5を成しており、この端子部5,5の間に挟ま
れた面状部分には発熱体3がベタパターンで設けられ、
ベタパターンの両端が各端子部に上塗り焼き付けしてあ
る。また端子部5はその長尺の一端側がリード線の接続
部6となっており、またこの一端側だけは、ベタパター
ンの代わりに次に述べる断線パターン7,7,…が設け
られている。
【0032】即ち図2に示すように、一方の端子部5a
近傍には、これに沿った点在状の先端パターン8,8,
…が5つ焼き付けてあり、他方の端子部5bからこの先
端用パターン8,8,…に細帯状の発熱体7’を別々に
掛け渡した断線パターン7,7,…が設けられている。
先端パターン8は端子部5と同じ導体材料の銀ペースト
が用いられ、一方の端子部5aとの間が半田付けで連絡
できる程度に近接させてある。つまりこの断線パターン
7は、他方の端子部5bから延びて一方の端子部5aに
届く寸前で途切れた断線状態に形成してあり、必要な場
合には先端用パターン8と一方の端子部5aとを半田付
けなどにより電気的に連絡させることができる様になっ
ている。連絡することにより、連絡前には流れなかった
電流が断線パターン8に流れて、それだけセラミックヒ
ーター1の消費電力が上がることとなり、結果、セラミ
ックヒーター1のワット調整が成されることとなる。こ
の様なパターンは消費電力の重み付けをして複数本設け
ておき、ベタパターンの発熱体3(主発熱体3)の消費
電力を所定の設定値(例えば体格消費電力)よりあえて
低く設計しておき、主発熱体3の消費電力がこの設計か
ら外れてばらつきが出ても、最終的な不足電力の加算調
整の時にばらつきも一緒に調整できる様になっている。
そして全てのパターンの焼付けの後に、セラミック薄板
2の発熱体側をガラスコートして保護している。
【0033】この他、セラミックヒーター製造時に消費
電力を調整する方法として、主発熱体をトリミングして
ヒーターの抵抗値を減算調整する方法もある。ただレー
ザートリミングした部分には、セラミック薄板に損傷を
与え易くなりヒートショック値の低下を招くので好まし
くないが、上記断線パターンによればその様な問題もな
い。
【0034】なお以上はセラミックヒーター製造時に消
費電力を調整するのであるが、他の調整方法として、使
用時にその都度調整する方法でもよい。例えば、主発熱
体の他に調整用のパターンを1コ用意しておき、トライ
アックの様な素子を用いて可変的に調整してもよい。こ
れは、マイクロコンピュータなどにより主発熱体の消費
電力の不足分を知り、不足分に対応した電流を調整用パ
ターンに時分割して流すことにより、補う電力を無段階
に調整することができる。これによれば、以上の様な処
理をする調整プログラムをマイクロコンピュータに組み
込み準備しておくだけでよいので、製造時に主発熱体の
不足電力の測定をしたり、不足分に対応した半田付け連
絡処理などをする必要が無く、便利である。リレーに比
べてトライアックはそれ自体が電力消費をするが、主発
熱体に比べて消費電力の少ない調整パターンにトライア
ックを使用し、主発熱部は電気ロスのないリレーで入切
操作させるので、全体としてはこの電力調整により生じ
る電力損失を問題ない程度に少なくすることができる。
【0035】セラミック薄板には発熱体の設けてある発
熱面側の余白部には、温度センサーの取り付け電極用と
して、一対の温度センサー用パターン81が銀ペースト
で焼き付けてある。これは、センサーの裏面となる放熱
面側の液体温度を検知するためであり、セラミック薄板
の薄さにより、セラミックヒーター表裏の温度格差が少
なく、この格差を見込んで外から検知することにより、
加熱する液体温度を比較的正確に類推測定することがで
きる。
【0036】なお、セラミック薄板を介して外から液体
温度を検知するのではなく、発熱体の温度を直接測り、
この温度と液体温度との格差を換算して類推測定させて
もよい。例えば、酒燗器の場合は酒を70℃程度に加熱
するのであるが、この様に被加熱液体の温度が70℃の
場合、実施例のセラミックヒーターでは発熱体温度が1
20℃程度となる。この程度の温度であれば、温度セン
サー用のサーミスターを耐熱接着剤などにより直接発熱
体に貼着することができ、よって直接発熱体の温度が測
定できて、発熱体と液体の温度格差を考慮して液体温度
を類推測定すればよいのである。また、この様に発熱体
の温度を直接検知する場合には、発熱体の異常昇温が直
ちに検知できるため空焚きの早期発見が可能となり、安
全性の高いヒーターとなる。
【0037】温度センサーの構成例としては、小型の絶
縁板上に、サーミスター及びこれから引き出された2つ
の端子を固設しておき、絶縁板の裏面を発熱体(或いは
発熱体にコートされているガラスコート)の上に接着し
ておくのである。
【0038】次に、上記実施例のセラミックヒーターの
利用例を説明する。この例は、酒を流しながら加熱し、
この燗付けされた酒を吐出するよう構成された酒燗器に
関するものであり、酒の加熱には上記実施例のセラミッ
クヒーターを採用した加熱器が用いられている。
【0039】この加熱器10は、図3に示す様に、上記
に示したセラミックヒーター1を2枚準備し、この2枚
を方形の取付枠11の表裏に貼り合わせて平箱状の密閉
容器に形成している。その際、セラミックヒーター1
は、発熱体3が加熱器10の外方となる向きで取付枠1
1に貼り合わせてある。またセラミックヒーター周縁に
は方形リング状のシリコンパッキング12が被せられ、
取付枠11に填めて取り付けられている。この様にして
形成された密閉容器状の加熱器10は、図4に示すよう
に、表裏2枚で成るケース13,13に挟まれた状態で
収納されている。その際、セラミックヒーター1の余白
部4をケース13の内周縁で押さえる様になっていて、
その結果、余白部4の表裏をパッキング12を介して取
付枠11とケース13とで把持されるようになってい
る。なお加熱器10は、取付枠11に入口11aと出口
11bが設けられており、図示しないポンプで酒がこの
加熱部10を流されながら所望温度に燗付けされるので
ある。
【0040】この加熱器10は、酒が充填されてから加
熱を始めるので、加熱中は放熱面9が必ず酒に触れた状
態となり、ヒーター1が空焚きとなることがない。また
加熱中は酒が流され続けるのでセラミックヒーター1が
酒に冷却され続けることとなり、発熱体側でも120〜
130℃程度に抑えられる。
【0041】また、酒を流し始めると同時に素早い昇温
立ち上がりが得られるので、燗付け温度にばらつきが出
ず、吐出最初の酒が予定より低い燗温度になる様なこと
はない。また吐出し終わると加熱器は空にするなり、残
余の酒を溜め置く様になっている。空にする場合には、
空になる寸前には給電が停止され、しかもヒーターはセ
ラミック板が薄いので蓄熱量もほとんど無く、その結
果、セラミックヒーターは直ちに冷却されて常温にな
り、放熱面に濡れている酒が余熱で焦げる様なことはな
い。また、溜め置く場合であっても余熱で酒を過加熱す
ることはない。
【0042】また、従来の様な線図パターンの発熱体で
あれば、パターンの有る箇所/無い箇所により放熱面の
温度にばらつきが出て、加熱ムラを生じることとなる。
しかもセラミック板が薄いものほど、パターンの有り/
無しによる放熱面温度の差が大きくなり、一層加熱ムラ
が起きやすくなる。これは薄いほど発熱体温度が直接放
熱面に反映されやすいからである。この点、本願発明の
セラミックヒーターは略ベタパターンによるため、発熱
体温度が直接放熱面に反映されても、加熱ムラが無く、
均一な加熱が可能である。
【0043】なお、本願発明は以上の実施例に限るもの
ではない。セラミックヒーターは液体の加熱に限るもの
ではなく、この場合は請求項4記載の発明ではなくな
る。余白部はセラミックヒーターの全周囲でなく、周囲
の一部であってもよい。一対の端子部とは、2極といっ
たほどの意味であって。必ずしも、2箇所に限るもので
はなく、端子部を構成するパターン自体は何個であって
もよい。略ベタパターンは、本願の趣旨の範囲であれば
どの様であってもよく、視覚的には線図に近似したもの
であっても、パターンの幅が広いなどして本願ベタパタ
ーンと同じ効果が得られるのであれば、この様なものも
含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、セラミックヒーターの平面図であ
る。
【図2】 この図は、図1のセラミックヒーターの製造
途中の平面図であり、端子部や先端パターンのみが焼き
付けられ、ベタパターン発熱体、断線パターンは焼き付
けられていない状態である。
【図3】 この図は、加熱器の分解斜視図である。
【図4】 この図は、加熱器をケースに収納した際の説
明図である。
【図5】 この図は、従来のセラミックヒーターの例を
示す図である。
【図6】 この図は、図5のセラミックヒーターを用い
た液体用加熱器の分解斜視図である。
【図7】 この図は、図5のセラミックヒーターの取付
方を説明する図である。
【図8】 この図は、従来のセラミックヒーターの線図
状パターンを説明する図である
【図9】 この図は、発熱体の欠陥パターンの説明図で
あり、(a)に示す断面状態であるものが欠けて、(b)
に示す断面状態になることにより凹んだ欠陥パターンと
なることを示している。
【符号の説明】
1 セラミックヒーター 2 セラミック薄板 3 発熱体 4 余白部 5 端子部 6 接続部 7 断線パターン 8 先端パターン 10 加熱部 11 取付枠 13 ケース
フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA03 AA10 AA16 AA34 AA37 BB06 BB14 BC16 BC27 BC29 CA03 CA14 CA22 CA32 DA05 DA08 HA01 HA10 3K058 AA02 AA13 AA81 AA86 BA11 CA04 CA05 CA23 CA46 CA61 CB10 CB22 CC09 CD01 CE02 CE13 3K092 PP13 QA05 QB04 QB31 QB56 QB75 QB76 QC07 QC25 QC42 QC49 RF03 RF11 TT07 TT22 UA06 UA18 VV16 VV22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック薄板の片面に、略ベタパター
    ンに塗布して焼き付けた発熱体が設けられたことを特徴
    としたセラミックヒーター。
  2. 【請求項2】 セラミック薄板が単層でなることを特徴
    とした請求項1記載のセラミックヒーター。
  3. 【請求項3】 発熱体の端子部を対峙する一対の長尺パ
    ターンで形成し、この端子部間に挟まれた面状部分に前
    記発熱体が設けられたことを特徴とした請求項1又は2
    記載のセラミックヒーター。
  4. 【請求項4】 セラミック薄板の発熱体の設けられてい
    ない側となる放熱面で液体を直に加熱することを特徴と
    した請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒータ
    ー。
  5. 【請求項5】 発熱体の表面に温度センサーを設けたこ
    とを特徴とした請求項4記載のセラミックヒーター。
  6. 【請求項6】 所望の取付枠に対応した形状に形成され
    ると共に、発熱体を設けない余白部をセラミック薄板の
    周囲に設け、 前記余白部の表裏をパッキングを介した把持により取付
    枠に取り付けされることを特徴とした請求項1〜5のい
    ずれかに記載のセラミックヒーター。
  7. 【請求項7】 一対の端子部に掛け渡す様に設けられた
    所定消費電力の断線パターンであって、連絡処理可能な
    断線箇所を含む断線パターンをセラミック薄板に焼き付
    けて設けたことを特徴とした請求項1〜6のいずれかに
    記載のセラミックヒーター。
  8. 【請求項8】 発熱体より小さい消費電力の調整パター
    ンであって、 前記発熱体に所定の給電が成された際の消費電力と所定
    の設定値との差に対応した消費電力を流して、ヒーター
    全体の消費電力を前記設定値に維持するための調整パタ
    ーンをセラミック薄板に焼き付けて設けたことを特徴と
    した請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックヒータ
    ー。
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