JP2001006618A - ランプ用傾斜機能材料製封止部材 - Google Patents
ランプ用傾斜機能材料製封止部材Info
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Abstract
に、封止部材とリード棒との固着部分における機械的強
度が確保され、生産性の良好なランプ用傾斜機能材料製
封止部材とし、更には、バルブをシールするときも溶着
が容易に行えるランプ用傾斜機能材料製封止部材を提供
すること。 【解決手段】 傾斜機能材料21とリード棒11とから
なるランプ用傾斜機能材料製封止部材20において、前
記傾斜機能材料21は、非導電性無機物質と導電性無機
物質との混合層が一方から他方に向かって漸次導電性無
機物質成分の割合が増大するように積層されてなり、該
傾斜機能材料21の積層方向に伸びる孔25に前記リー
ド棒11が挿入されて固着され、該傾斜機能材料21の
非導電性側において導電性無機物質成分濃度が0.6V
ol%以上39Vol%以下の領域に固着起点26があ
る。
Description
ハロゲンランプなどのランプに使用されるランプ用傾斜
機能材料製封止部材に関する。
電性無機物質成分と金属等の酸化物よりなる非導電性無
機物質成分との混合焼結体により構成され、特定の一方
向に向かうに従って導電性無機物質成分濃度が傾斜的ま
たは段階的に変化することにより、導電性無機物質成分
濃度が高い導電性部分と、導電性無機物質成分濃度が零
または当該濃度が低い非導電性部分とが、異なる個所に
位置された一体の固体材料であり、例えばランプのシー
ル部の構成において、電流供給路を形成する封止部材と
して好適に用いられる。
封止部材として用いる場合には、当該傾斜機能材料にリ
ード棒を電気的に接続された状態で連結することが必要
であり、例えば、傾斜機能材料の端面から積層方向にリ
ード棒挿通用の貫通孔を設けてリード棒を挿通したりリ
ード棒挿入用の有底孔を設けて該孔にリード棒の一端を
挿入するなどして、両者を固着することにより達成す
る。
グステンなどの金属からなるリード棒を傾斜機能材料の
前記孔内に挿通(若しくは挿入)して固着しようとする
と、該傾斜機能材料の、例えばシリカのような非導電性
無機物質が高濃度に存在する領域においても固着して、
焼結後の冷却段階で両者の熱膨張率の差に起因したクラ
ックを発生することがある。
製造工程において傾斜機能材料にクラックを発生せず、
最終製品としたときも機械的強度が確保されていて破損
のない生産性の良いランプ用傾斜機能材料製封止部材と
し、更には、ランプのバルブをシールするときも溶着が
容易に行えてランプ生産性も向上するランプ用傾斜機能
材料製封止部材を提供することにある。
と傾斜機能材料との間に両者の線膨張率の差が大きい領
域で非接触となるような隙間を設けることを考えること
ができる。そしてこのような傾斜機能材料製封止部材に
関し、特開平9−115484号公報に記載ものがあ
る。この技術は、傾斜機能材料からなる封止部材で封止
されたランプを点灯使用するとき、リード棒の外面と、
傾斜機能材料にリード棒の挿入用に設けた孔の内面とが
接触しないようにして、線膨張率の差に起因した傾斜機
能材料のクラックを防止するもので、この実施の形態の
なかに、傾斜機能材料のリード棒挿入用孔とリード棒と
の間に、該孔の内径を大きくして隙間を設けた構造が記
されている。
用する際のクラックを防止する技術であり、傾斜機能材
料を焼結したあとの冷却中に生じるクラックを防止する
思想が全く無いために、該傾斜機能材料のどの領域でリ
ード棒を固着させれば良いかについては触れられておら
ず、本願発明の課題、すなわち傾斜機能材料の製造時に
生じるクラックを防止することは不可能であった。
の発明は、傾斜機能材料とリード棒とからなるランプ用
傾斜機能材料製封止部材において、前記傾斜機能材料
は、非導電性無機物質と導電性無機物質との混合層が、
一方を非導電性とし他方を導電性として、一方から他方
に向かうにしたがって導電性無機物質成分の割合が段階
的若しくは連続的に増大するように積層された傾斜機能
材料により構成され、前記傾斜機能材料の積層方向に形
成された孔に前記リード棒が挿通若しくは挿入されて当
該傾斜機能材料の導電性領域において固着され、前記傾
斜機能材料の、非導電性側の固着起点における導電性無
機物質成分濃度が、0.6Vol%以上39Vol%以
下であることを特徴とする。
れた円筒状になっており、その拡径された円筒状孔の内
径をC、前記リード棒の外径をd、前記傾斜機能材料の
外径をDとしたとき、前記孔の内径Cが、前記傾斜機能
材料の非導電性側端面から前記固着起点までの領域にお
いて、1.2d≦C≦0.6Dを満足することを特徴と
する。
のランプ用傾斜機能材料製封止部材であって、前記傾斜
機能材料の、非導電性の前記リード棒との固着部以外の
孔が、固着部起点から非導電性側に向けてテーパー状に
拡開されており、前記固着起点より非導電性側の肉厚
が、該固着起点における肉厚より薄いことを特徴とす
る。請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のランプ
用傾斜機能材料製封止部材であって、前記傾斜機能材料
の、非導電性側端面およびその近傍における外径を前記
固着部起点に対して小さくしたことを特徴とする。
の孔とリード棒との隙間が該リード棒の長さ方向に小さ
いと、非導電性側におけるリード棒と傾斜機能材料との
固着起点が非導電性無機物質成分の高濃度の領域となる
ため、本焼結後の冷却段階で当該傾斜機能材料にクラッ
クを生じるようになる。これとは反対に、隙間が長さ方
向に大き過ぎると、封止部材の傾斜機能材料とリード棒
との固着部分における機械的強度が低下してしまい、人
が当該傾斜機能材料に誤って触れたときや口金でランプ
封止部を固定して当該封止部材が押圧されたときに破損
してしまう。
ド棒挿入用の孔の内径を小さくしてリード棒と傾斜機能
材料との間の間隙を狭く設けると、傾斜機能材料の本焼
結時に当該傾斜機能材料が大きく収縮して焼締められる
一方、孔に挿入したリード棒が熱膨張するため、傾斜機
能材料は非導電性無機物質の高濃度領域でリード棒と接
触してクラックを発生する。リード棒挿入用孔の内径を
大きくすると、傾斜機能材料の肉厚が薄過ぎて本焼結前
の作業工程でハンドリングできず、傾斜機能材料が破損
してしまうことがある。更に、封止部材とした後もこれ
に続く製造工程において、例えばシリカ製のランプバル
ブに溶着によりシールするとき、シール部が薄過ぎて封
止部材が変形するといったようなランプ製造時の不具合
をも招来する。
入用の孔を径方向に大きくし、封止部材のシール部分の
肉厚が薄くした場合は、シール部の熱容量が小さくてバ
ルブ封止部を完全にシールするためには好都合であると
考えられる。
電性側のリード棒固着起点における導電性無機物質成分
濃度を、0.6Vol%以上にすることで、本焼結後の
冷却時においても当該傾斜機能材料にクラック発生を防
止でき、39Vol%以下にすることで、当該傾斜機能
材料の製造時もハンドリングが容易であって、最終製品
としたときも、機械的強度が十分にある、信頼性の高い
封止部材とすることがきる。
向に形成された孔が拡径された円筒状になっており、そ
の拡径された円筒状孔の内径をC、リード棒の外径を
d、傾斜機能材料の外径をDとしたとき、この傾斜機能
材料の、非導電性側端面からリード棒固着起点までの領
域において、前記孔の内径Cを1.2d以上にすること
で、高温に曝されたときにリード棒が熱膨張しても、傾
斜機能材料の内周面と接触することも無く、孔の内径C
を0.6D以下にすることで、製造時における破損する
ことも無くてバルブにシールする際も当該封止部材が変
形することも無くなる。
ば、シール加工を容易にすることができてバルブ封止部
のシールを完全に行えるようになる。
ついて詳細に説明する。図1は、本発明のランプ用傾斜
機能材料製封止部材の一例を示す説明用断面図である。
このランプ用傾斜機能材料製封止部材20(以降、簡単
に封止部材ともいう)は、傾斜機能材料21に電極棒挿
入用の孔25が設けられ、長さ方向に伸びるリード棒1
1が貫通した状態で傾斜機能材料21に固着され保持さ
れている。そして、孔25はバルブ10側において拡径
されている。
料と、この非導電性材料上に積層された、非導電性材料
と導電性材料との均一な混合物からなる複数の混合物層
とから構成され、特定の一方向に向かうに従って導電性
が連続的もしくは段階的に増大する状態に積層されてい
る。そして、前記傾斜機能材料21及びリード棒11よ
りなる封止部材20は、内側(図で左方)に位置された
非導電性無機物質の高濃度側の、つまり非導電性側外周
において、破線で示すバルブ10の封止部が気密に溶着
されて封止構造が形成される。
なものの具体例としては、例えば、シリカガラス、石
英、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、炭化ケイ素、
炭化チタン、窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム等が挙げ
られ、なかでもシリカガラスが好適に用いられる。ま
た、導電性無機物質の具体例としては、例えばモリブデ
ン、ニッケル、タングステン、タンタル、クロム、白
金、ジルコニウム等が挙げられ、なかでもモリブデンが
好適に用いられる。
がφ1〜φ8のタングステン棒からなり、傾斜機能材料
21の一端の非導電性側端面22から突出して伸びてい
る内部リード部12と、他端の導電性側の端面23から
突出して伸びる外部リード部13とが一体に構成されて
いる。そして、リード棒11の内部リード部12先端部
には、例えばタングステン線からなる電極コイル14が
巻回されて放電電極が形成されている。このように、内
部、外部リード部12、13が一本のリード棒により構
成されると、導通が良くて大電流を流すことができ、好
適である。なお、リード棒11は、内部リード部12と
外部リード部13とを別々に構成して、傾斜機能材料2
1の導電性物質の高濃度領域を介して導通させること
も、勿論可能である。
ば乾式法を好ましく利用することができる。具体的に
は、リード棒11挿通用の孔25の孔形成用成型部材が
底部材に設けられた成形用金型内に非導電性無機物質粉
末を充填し、非導電性無機物質粉末層を形成し、その上
に導電性無機物質粉末と、非導電性無機物質粉末とが異
なる割合で混合された導電性無機物質粉末の含有割合が
異なる混合粉末を、導電性物質粉末濃度が最も低い混合
粉末から順に金型内に層状に充填し、粉末積層体を形成
する。加圧用部材により加圧され、これにより、加圧成
型体である円筒状の積層成型体が形成される。加圧成形
体に設けられたリード棒11挿通用の孔25は、非導電
性無機物質粉末の高濃度側の端面から、最終形状とした
ときに導電性無機物質の濃度が0.6Vol%以上39
Vol%以下となる当該傾斜機能材料21とリード棒1
1との固着起点26まで、内径が大きくなるように形成
されており、例えば、所定形状の前記孔25形成用成型
部材を用いて、加圧と同時に加圧成型体に前記孔25の
内径を大きく形成する方法や、加圧成形体としたのち、
リード棒挿入用の孔25の内部を切削して設ける方法に
より実施できる。
成型体からなる傾斜機能材料21は、リード棒11を孔
25に挿通してから、非酸化性のガス雰囲気中で、温度
約1200℃、約30分間保持して仮焼結される。更
に、上記の仮焼結工程温度より高い温度で加熱されるこ
とにより、傾斜機能材料21の本焼結が行われる。本焼
結は、仮焼結体の傾斜機能材料を、例えば1720〜1
750℃の温度域で約10分〜15分間加熱することに
よって行われる。その結果、傾斜機能材料21は、焼結
体となると同時に収縮して孔25が焼締められ、リード
棒11が傾斜機能材料21に固着されて一体化される。
ード棒11との固着起点26における導電性無機物質の
濃度が0.6Vol%以上39Vol%以下の範囲にあ
り、該傾斜機能材料の非導電性側端面22から前記固着
起点26まで、孔25内面との間に接触しない隙間24
が形成されている。
1にリード棒11を挿通して本焼結した後の、冷却過程
における両者の熱膨張係数の差に起因したクラックも防
止することができる。そして、傾斜機能材料21は機械
的強度も確保されているので、人が当該傾斜機能材料2
1に誤って触れても、また、ランプの口金等で固定する
ときに押圧されても丈夫で破損し難い。
通用の孔25は拡径された円筒状になっており、その拡
径された円筒状の孔の内径Cは、リード棒11の外径が
d、前記傾斜機能材料21の外径がDであるとき、非導
電性側端面22からリード棒11との固着起点26に至
るまでの領域(すなわち、同図中のLの範囲)におい
て、1.2d≦C≦0.6Dを満足している。この本願
第二の発明によれば、焼結工程で傾斜機能材料21が収
縮して、他方リード棒11が熱膨張しても隙間24が十
分にあり、高温下でも両者が接触することが無くて本焼
結時におけるクラックを防止することができる。そし
て、孔25の内径を大きくしたいときも、本発明の封止
部材20ならば製造時の孔加工を容易に行うことができ
て生産性が良く、最終製品としたときも機械的強度が確
保されたものとなる。更に、本願第二の発明にかかる封
止部材20を、ランプバルブにシールするときも該傾斜
機能材料21のシール部分の肉厚が薄すぎて変形するこ
ともなく、傾斜機能材料21の非導電性無機物質の高濃
度の部分がリード棒25に接触してクラックを発生する
ようなことも無い。
プ用傾斜機能材料製封止部材20は、傾斜機能材料21
のリード棒挿入用の孔25の形状について様々なものを
実施することができる。例えば、図2(a)〜(d)に
示すものが考えられる。同図は封止部材20の縦断面図
である。図2の(a)、(c)においては、傾斜機能材
料の非導電性側のリード棒との固着部以外の孔が、固着
部起点から非導電性側に向けてテーパー状に拡開されて
おり、固着起点より非導電性側の肉厚が、固着起点にお
ける肉厚より薄くなっている。同図のように、固着起点
26から非導電性側端面22にかけて孔25の開口部の
内径を、非導電性側に向かうにしたがって漸次、若しく
は段階的に大きく形成することにより、さまざまな実施
の形態を考えることができ、図2のものに限定されるこ
となく適宜変更が可能であることは言うまでも無い。更
に非導電性側端面22における孔25の開口部の形状も
種々変更可能であり、該開口部の縁部が平滑でもテーパ
状でも良く、図示していないが、丸みをもっていても良
い。
の、リード棒11との固着起点26より非導電性側(同
図において左側)において、両者の非接触な隙間24を
有し、更に、導電性側(同図において右側)に比較して
非導電性側の該傾斜機能材料21の肉厚が薄くなるよう
構成されたものである。かかる実施の形態によれば、当
該封止部材20の非導電性側つまりシール部分の熱容量
が小さくなるので、バルブへの溶着が容易に行えるよう
になり、よってランプを確実にシールできるようにな
る。
斜機能材料製封止部材20の、他の実施の形態を図3
(a)〜(e)に示す。図3の(b)、(c)、(d)
においては、傾斜機能材料の非導電性側端面およびその
近傍における外径がリード棒との固着部起点に対して小
さくなっている。そして、外径が小さくなっていること
によってその部分の肉厚が薄くなっている。なお、この
発明も、図3に示した形状に限定されるものではなく、
適宜変更が可能で、隙間24の開口部の縁部が平滑でも
テーパ状でも、丸みをもっていても良い。
図である。同図のように、傾斜機能材料21の非導電性
側の肉厚を薄くすると、前述と同じ理由により、バルブ
10のシール加工が容易に且つ完全に行えるようになっ
て好適である。なお、このような封止部材20を、例え
ばフリットガラスを用いてバルブにシールすることも可
能である。例えば図3(c)、(d)のような、隙間2
4の開口の周縁部形状が段付き形状のものを用いると、
封止部材20の段付き部分をバルブの筒管内に挿入すれ
ば電極先端の位置決めを容易にできるようになる。
例について説明する。傾斜機能材料は、非導電性無機物
質としてシリカガラス(SiO2)を用い、導電性材料
としてモリブデン(Mo)を用いて製作した。先ず、配
合比の異なる12種のシリカガラス−モリブデンの混合
粉末を、リード棒挿通用の孔形成用の成型部材及び隙間
形成用の成型部材が底部材に設けられた成形用金型内
に、先ず第1層のシリカガラス粉末を充填し、次いでシ
リカガラス−モリブデンの混合されたモリブデンの含有
割合が異なる混合粉末を、モリブデン濃度が最も低い混
合粉末から順に金型内に層状に充填し、シリカガラス−
モリブデン混合粉末の粉末積層体を形成する。最終の第
12層は、モリブデンの濃度が55vol%である。図
4に、傾斜機能材料の各層に対するシリカガラス−モリ
ブデン濃度及び各層の厚さを、表にして示す。
1.176×107Paの圧力をかけて、粉末成形体を
製作した。
には、例えば、成形用金型内を用いてプレス成形するか
或いは上記のプレス成形で得られた粉末成形体を切削加
工することにより、リード棒挿入用の孔内径の大きさを
変え、リード棒と粉末成形体の孔内面が接触しない隙間
を設けた。更に、この隙間の深さを種々変えて粉末成形
体を製作し、リード棒と傾斜機能材料との固着起点にお
けるモリブデン濃度が異なる粉末成形体を得た。
外径φ4のタングステン棒よりなるリード棒を挿通し
て、水素気流中で1200℃で約30分間保持して仮焼
結を行った。これに続いて、試料片に耐酸化被膜として
のシリカガラス入りの有機溶媒を塗布して焼結炉に入
れ、1720〜1750℃で10分〜15分間保持して
本焼結を行った。
して、傾斜機能材料とリード棒との間に隙間を全く設け
ない従来型の封止部材を製作した。この比較試料片は、
隙間を設けないこと以外は、上述した実施例の試料片と
全く同じ方法で、材質、形状も略同様に製作されたもの
である。
機能材料とリード棒との固着部分における機械的強度に
ついて検証を行った。図5の構成に従い、外部リード部
13に線軸に対し垂直方向に98Nの荷重をかけ、傾斜
機能材料にクラック、割れ、欠け等が発生していないか
目視観察して検証した。
において、同図(a)は、本実施例に用いた試料片の一
例を示す模式図であり、同図(b)は、本実施例の結果
をまとめて示したものである。図6(b)において、横
軸は、非導電性側端面から傾斜機能材料とリード棒との
固着起点まで、両者が隙間とした部分の、リード棒挿入
用の孔の内径Cを示し、そして、縦軸は、非導電性側端
面から固着起点までの隙間の深さLを、傾斜機能材料の
モリブデン体積濃度(Vol%)であらわした。なお、
本実施例の傾斜機能材料の外径Dはいずれもφ16であ
る。
各点は、本実施例とした試料片の、非導電性側端面から
傾斜機能材料とリード棒との固着起点までの、孔の内径
C、及び、深さLをそれぞれ示している。本実施例とし
た試料片の封止部材は、該封止部材の、シリカガラス側
端面からリード棒固着起点まで(すなわちLの範囲)、
リード棒挿入用の内径Cがφ4.6、φ4.8、φ7.
6、φ9.6、φ12の5種類であり、その各々につい
て固着起点の濃度が変わるように隙間の深さL(mm)
を変えて製作された。
ら傾斜機能材料とリード棒との固着起点までの孔の内径
Cがφ4.8である試料片は、非導電性側端面から前記
固着起点までの深さLが異なる合計5つ製作されたこと
を示し、そしてこれら試料片のリード棒固着起点におけ
るモリブデンの体積濃度は、上の点から、55Vol
%、39Vol%、13Vol%、2.3Vol%、
0.6Vol%、0Vol%、であることを示してい
る。なお、L=0(mm)、C=φ4の点が、傾斜機能
材料とリード棒との間に隙間を全く設けていない比較試
料片をあらわしている。
封止部材とした各試料片についての評価を示し、それぞ
れ以下の内容である。「○」は、クラックを発生せず且
つ曲げ試験においても破損なく機械的強度が確保された
試料片であり、封止部材として好適に使用できるものを
あらわしている。「△」は、本焼結でひび割れ状のクラ
ックを発生した試料片、或いは、本焼結後の曲げ試験で
クラックが生じてしまって機械的強度が確保されていな
い試料片、のいずれかであり、最終形状に加工できたが
封止部材としては使用不可であるものをあらわしてい
る。「×」は、傾斜機能材料の製造段階においてハンド
リングで破損した試料片、或いは、本焼結段階で傾斜機
能材料が割れた試料片、のいずれかであり、最終形状に
加工できなかったものをあらわしている。
に割れが生じ、最終形状とすることができなかったた
め、該当のL=0、C=4の点のみを「×」であらわし
ているが、この結果によれば、L=0(または、C=d
のこと)の傾斜機能材料は、製造不可能であると理解さ
れる。
片については、実際にランプバルブに溶着によりシール
し、かかるシール工程において封止部材に変形が生じな
いかどうか確認した。ランプバルブは、シリカガラスガ
ラス製で、側管部外径φ22.7、該管部肉厚2.35
mmのものを使用した。この結果、いずれの試料片も一
切変形せず、完全にランプバルブにシールできた。よっ
て、「○」が付された試料片については、封止部材とし
て好適に使用できるものであると理解される。
の、シリカガラス側のリード棒固着起点における導電性
無機物質成分の濃度が0.6Vol%より低い場合、本
焼結後の冷却過程において傾斜機能材料にクラックが生
じてしまった。そして、導電性無機物質成分が、39V
ol%より高い濃度領域でリード棒を傾斜機能材料に固
着しようとすると、リード棒と当該傾斜機能材料との固
着部分の強度が低下して曲げ試験の段階で破損してしま
った。
カガラス側の固着起点を、傾斜機能材料の導電性無機物
質成分の濃度が0.6Vol%以上39Vol%以下の
部分に設定することにより、製造が容易で生産性良く、
機械的強度が確保された実用に好適なランプ用傾斜機能
材料製封止部材とすることができると理解される。
傾斜機能材料とリード棒との固着起点に至るまで、孔の
内径をリード棒の外径よりも大きく成形し、段付き構造
にした。かかる孔の内径C(以下、簡単に孔の内径とい
う)をφ4.6とした試料片は、リード棒dの外径がφ
4に対して、傾斜機能材料とリード棒との間の隙間が小
さ過ぎて本焼結時に両者が接触してクラックを生じた
が、孔の内径Cをφ4.8以上の大きさに設けた試料片
にはそのようなクラックはみられなかった。しかしなが
ら、内径Cが大き過ぎた試料片、具体的には、傾斜機能
材料の外径D=φ16に対して、孔の内径C=φ12と
したものは、リード棒との固着起点までの肉厚が薄過ぎ
て粉末成形体のハンドリングで破損してしまった。孔の
内径Cがそれより小さい、例えば内径C=φ9.6であ
る試料片は、粉末成形体のハンドリングも容易で破損す
ることも無く、封止部材とすることができた。更に、こ
の封止部材はバルブにシールしても当該封止部材が変形
することなく、好適な封止部材であった。よって、孔の
内径Cが、リード棒の外径dに対して1.2倍以上で、
且つ、傾斜機能材料外径Dの0.6倍以下の範囲にある
ものは生産性が良くて使用に好適なランプ用傾斜機能材
料製封止部材と理解される。
法を変え、本願発明にかかるランプ用傾斜機能材料製封
止部材を製作した。傾斜機能材料の外径D、リード棒の
外径d、傾斜機能材料の、非導電性側のリード棒との固
着起点における導電性物質の濃度、および、孔の内径C
を変え、そのほかの、該傾斜機能材料の組成および該リ
ード棒の材質については実施例1と同様に、また、製造
方法も同様にして、傾斜機能材料製封止部材を製作し
た。封止部材の生産性、クラックの有無、機械的強度等
を評価した。この結果を、図7の表にまとめて示す。
棒と傾斜機能材料とを焼結した冷却工程でも、傾斜機能
材料にクラックを生じない、生産性の良好なランプ用傾
斜機能材料製封止部材とすることができる。 [2]本願第二の発明によれば、傾斜機能材料を粉末成
形体としたときもハンドリングで破損すること無く取り
扱いが容易であり、焼結時に高温下に曝されてもリード
棒と接触してクラックを生じることなく、生産性の良い
ランプ用傾斜機能材料製封止部材とすることができる。
更に、ランプバルブに溶着しても当該封止部材が変形す
ること無く完全にシールできる、好適に利用できるラン
プ用傾斜機能材料製封止部材とすることができる。 [3]本願第三および第四の発明によれば、非導電性無
機物質側を導電性無機物質側よりも薄く形成すると、シ
ール工程において封止部材とバルブとの溶着が容易にで
きるようになる。
一例を示す説明用断面図である。
止部材の別の例を示す説明用断面図である。
止部材の別の例を示す説明用断面図である。
さを示す表である。
図である。
1における各試料片の評価をまとめて示す図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 傾斜機能材料とリード棒とからなるラン
プ用傾斜機能材料製封止部材において、 前記傾斜機能材料は、非導電性無機物質と導電性無機物
質との混合層が、一方を非導電性とし他方を導電性とし
て、一方から他方に向かうにしたがって導電性無機物質
成分の割合が段階的若しくは連続的に増大するように積
層され、 前記傾斜機能材料の積層方向に形成された孔に前記リー
ド棒が挿通若しくは挿入されて当該傾斜機能材料の導電
性領域において固着され、 前記傾斜機能材料の、非導電性側の前記リード棒との固
着起点における導電性無機物質成分濃度が、0.6Vo
l%以上39Vol%以下であることを特徴とするラン
プ用傾斜機能材料製封止部材。 - 【請求項2】 前記孔は非導電性側において拡径された
円筒状になっており、その拡径された円筒状孔の内径を
C、前記リード棒の外径をd、前記傾斜機能材料の外径
をDとするとき、 前記傾斜機能材料の非導電性側端面から前記リード棒と
の固着起点までの領域において、前記孔の内径Cが
1.2d≦C≦0.6D を満足することを特徴とする
請求項第1に記載のランプ用傾斜機能材料製封止部材。 - 【請求項3】 前記傾斜機能材料の、非導電性の前記リ
ード棒との固着部以外の孔が、固着部起点から非導電性
側に向けてテーパー状に拡開されており、前記固着起点
より非導電性側の肉厚は、該固着起点における肉厚より
薄いことを特徴とする請求項1に記載のランプ用傾斜機
能材料製封止部材。 - 【請求項4】 前記傾斜機能材料の、非導電性側端面お
よびその近傍における外径を前記固着部起点に対して小
さくしたことを特徴とする請求項2に記載のランプ用傾
斜機能材料製封止部材。
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JP2000103229A JP3346372B2 (ja) | 1999-04-06 | 2000-04-05 | ランプ用傾斜機能材料製封止部材 |
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JP11-99427 | 1999-04-19 | ||
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JP11151099 | 1999-04-19 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1339092A2 (en) * | 2002-01-30 | 2003-08-27 | Toshiba Lighting & Technology Corporation | High pressure discharge lamp and luminaire |
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-
2000
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JP4741843B2 (ja) * | 2002-11-25 | 2011-08-10 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | フィードスルーを有する、隙間のない端閉鎖部材 |
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