JP2001006553A - 陰極線管の面ストレー検査方法および面ストレー検査装置 - Google Patents

陰極線管の面ストレー検査方法および面ストレー検査装置

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JP2001006553A
JP2001006553A JP11171856A JP17185699A JP2001006553A JP 2001006553 A JP2001006553 A JP 2001006553A JP 11171856 A JP11171856 A JP 11171856A JP 17185699 A JP17185699 A JP 17185699A JP 2001006553 A JP2001006553 A JP 2001006553A
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cathode
stray
ray tube
surface stray
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JP11171856A
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Kazuhiko Mizokoshi
和彦 溝越
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周辺環境に左右されることなく、面ストレー
検査を高い信頼性をもって行えるようにする。 【解決手段】 カソードと該カソード側から順に配列さ
れた複数のグリッド電極G1〜G4を有する電子銃を備
えた陰極線管の面ストレー検査方法として、例えば、第
1グリッド電極G1を面ストレーの検査対象(注目電
極)とする場合は、これに隣接する第2グリッド電極
(対向電極)G2に定格電圧の1.5〜2倍の電圧を印
加する。そして、この印加状態のもとで、第1グリッド
電極G1における電流値を検出し、この検出結果を基に
面ストレーの合否を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
機等に用いられる陰極線管の検査に係り、特に、陰極線
管の面ストレー検査方法および面ストレー検査装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管の動作状態を確認する検査項目
の一つに、面ストレー検査がある。陰極線管の面ストレ
ーとは、陰極線管バルブのネック部に内装された電子銃
から電子ビームを放射する際、電子ビームの発生源とな
るカソード以外の部分(グリッド電極)から、画像表示
とは全く無関係でかつ制御不能な電子(以下、「不用電
子」という)が放出され、この不用電子によって陰極線
管の画面上に輝点(スポット)が現れる現象をいう。
【0003】このような面ストレーは、陰極線管の画面
上に画像を表示している間はそれほど目立たないもの
の、例えばテレビジョン受像機などで電源を切ったとき
に画面上にスポットとして残る。そのため、陰極線管の
製造工程の中には、組み立ての完了した陰極線管を実際
に動作させて面ストレーを検査する工程が設けられてい
る。
【0004】従来の面ストレー検査工程では、陰極線管
バルブに装着された偏向ヨークの駆動をオフ状態にして
電子ビームが画面中央部に収束するようにし、かつ電子
銃のカソードの駆動をオフ状態にしてそこから電子ビー
ムが出ないようにする。そして、この状態のもとで、陰
極線管バルブのファンネル部に設けられたアノード端子
と、電子銃に組み込まれた各グリッド電極にそれぞれ定
格電圧を印加する。
【0005】これにより、いずれのグリッド電極からも
不用電子が放出されなかった場合は陰極線管の画面(表
示)が真っ暗な状態となるが、いずれかのグリッド電極
から不用電子が放出された場合はこれが蛍光体に当たっ
て画面上にスポットが現れる。このとき、不用電子の放
出によってグリッド電極間にリーク電流が発生するもの
の、そのリーク電流値は10-4nA(ナノアンペア)オ
ーダーと極めて微小である。これに対して、現存の電流
計で検出可能な電流値の最小レベルは10nAオーダー
であるため、上記リーク電流を測定するにも検出感度が
低すぎて正確な測定ができない。
【0006】そこで従来においては、画面上でのスポッ
トの有り無しを、例えば検査員の視覚によって判定する
か、或いは画面の表示状態をCCDカメラ等で取り込
み、これによって得られた画像データを画像処理するこ
とにより、面ストレーの合否を判定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来にお
いては、視覚或いは画像処理によって面ストレーの合否
を判定する場合、例えば検査場所の近くに照明機器があ
ったり、周辺からの外部光が入射したりすると、それら
の光が画面上で乱反射して検査の妨げとなる。つまり従
来の検査方法では、面ストレーの合否判定が周辺環境に
大きく左右され、信頼性の高い検査ができないという不
具合がある。
【0008】また、外乱光等による影響を抑えるには、
面ストレー検査用の機器類を暗室に設置する必要がある
ことから設備コストが高くなり、さらに自動化のために
上記画像処理用の設備を導入すると、検査設備が非常に
高価なものとなってしまう。また、検査員の視覚に頼っ
た判定では、画面上に現れているスポットを見落とすな
どの人為的なミスも発生しやすくなる。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、周辺環境に左右
されることなく、信頼性の高い検査を行うことができる
陰極線管の面ストレー検査方法および面ストレー検査装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、カソードと該
カソード側から順に配列された複数のグリッド電極を有
する電子銃を備えた陰極線管の面ストレー検査方法にお
いて、複数のグリッド電極のうち、面ストレーの検査対
象とする注目電極に隣接しかつカソードと反対側に対向
配置された対向電極に定格電圧よりも高い所定の電圧を
印加した状態で、注目電極における電流値を検出し、こ
の検出結果に基づいて面ストレーの合否を判定するもの
である。
【0011】上記陰極線管の面ストレー検査方法によれ
ば、注目電極に隣接する対向電極に定格電圧よりも高い
所定の電圧を印加することにより、注目電極からの不用
電子の放出によって生じるリーク電流を検出可能なレベ
ル(数10nAオーダー)まで高めることができる。こ
れにより、対向電極に所定の電圧を印加した状態で、注
目電極における電流値を検出することにより、面ストレ
ーの合否を的確に判定することが可能となる。
【0012】また本発明は、カソードと該カソード側か
ら順に配列された複数のグリッド電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の面ストレー検査装置において、複数の
グリッド電極のうち、面ストレーの検査対象とする注目
電極に隣接しかつカソードと反対側に対向配置された対
向電極に定格電圧よりも高い所定の電圧を印加する電圧
印加手段と、注目電極における電流値を検出する検出手
段と、この検出手段の検出結果に基づいて面ストレーの
合否を判定する判定手段とを備えたものである。
【0013】上記陰極線管の面ストレー検査装置によれ
ば、注目電極に隣接する対向電極に電圧印加手段により
定格電圧よりも高い所定の電圧を印加することにより、
注目電極からの不用電子の放出によって生じるリーク電
流を検出可能なレベル(数10nAオーダー)まで高め
ることができる。これにより、上記電圧印加手段によっ
て対向電極に所定の電圧を印加し、この状態で注目電極
における電流値を検出手段で検出することにより、面ス
トレーの合否を判定手段で的確に判定することが可能と
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】図1は面ストレー検査の対象となる陰極線
管の構成例を示す半断面図である。図1において、陰極
線管バルブ(ガラスバルブ)1は、パネル部2、ファン
ネル部3およびネック部4から成る。パネル部2の内面
には、R(赤),G(緑),B(青)の各色蛍光体をパ
ターン配列した蛍光面5が形成されている。
【0016】一方、ネック部4には、陰極線管の管軸Z
と同軸に電子銃6が内装されている。電子銃6は、上記
R,G,Bの各色蛍光体を発光させる電子ビームBを放
射するもので、例えば図2に示すように、ヒータ7、カ
ソード8および第1〜第4グリッド電極G1〜G4を備
えている。ヒータ7は、熱電子の放出源となるカソード
8を加熱するものである。第1〜第4グリッド電極G1
〜G4は、カソード8を含めた各々の電極間の電位差を
利用して電子ビームを引き出し、かつ該電子ビームを加
速しつつ集束させるもので、これらのグリッド電極G1
〜G4はカソード8側から順に配列されている。
【0017】また、ネック部4からファンネル部3に至
る部分(コーン部)には偏向ヨーク9が装着されてい
る。この偏向ヨーク9は、水平偏向コイルおよび垂直偏
向コイルを備え、これらの偏向コイルによる偏向磁界に
より、上記電子銃6から放射された電子ビームBを上下
左右に偏向するものである。
【0018】さらに、ファンネル部3にはアノード端子
10が設けられ、このアノード端子10に導通するかた
ちで陰極線管バルブ1の内面に内部導電膜(カーボン膜
等)11aが設けられている。この内部導電膜11a
は、電子ビームの走行空間を等電位に保持するととも
に、アノード端子10に印加された高圧電流をパネル部
2(蛍光面5)や電子銃4(第4グリッド電極G4)に
供給する役目を果たす。また内部導電膜11aは、ファ
ンネル部3の外面に設けられた外部導電膜11bとの間
で高耐電圧の平滑コンデンサを形成する。
【0019】この陰極線管においては、ヒータ7で加熱
されたカソード8から熱電子が放出されると、この熱電
子が図2に示すように第1〜第4グリッド電極G1〜G
4の孔を順に通過しつつ加速制御される。これにより、
電子銃6から蛍光面5に向けて電子ビームBが放射され
る。その際、電子ビームBの軌道は偏向ヨーク9による
偏向磁界によって上下左右に曲げられる。これにより、
パネル内面の蛍光面5に電子ビームBがスポット照射さ
れるとともに、このビームスポットが蛍光面5の各点を
順次移動(走査)することにより、陰極線管の画面に所
定の画像が映し出される。
【0020】図3は本発明の実施形態に係る陰極線管の
面ストレー検査装置の回路構成を示す概略図である。図
3において、第1グリッド電極G1に繋がる引出端子P
1には第1のスイッチSW1が設けられている。同様
に、第2グリッド電極G2に繋がる引出端子P2には第
2のスイッチSW2が、第3グリッド電極G3に繋がる
引出端子P3には第3のスイッチSW3が設けられてい
る。
【0021】第1のスイッチSW1は、これに対応して
設けられた2つの接続端子J1,J2の間でスイッチン
グ動作するものである。また、第2のスイッチSW2
は、2つの接続端子J3,J4の間でスイッチング動作
し、第3のスイッチSW3は、2つの接続端子J5,J
6の間でスイッチング動作するものである。
【0022】このうち、第1のスイッチSW1に対応す
る一方の接続端子J1は、第1の電流計12を介してグ
ランドGNDに接続され、同他方の接続端子J2は、直
にグランドGNDに接続(アース)されている。また、
第2のスイッチSW2に対応する一方の接続端子J3
は、第2の電流計13を介してグランドGNDに接続さ
れ、同他方の接続端子J4は、電源電圧を可変できる第
1の可変電源14を介してグランドGNDに接続されて
いる。さらに、第3のスイッチSW3に対応する一方の
接続端子J5は、第3の電流計15を介してグランドG
NDに接続され、同他方の接続端子J6は、第3の可変
電源16を介してグランドGNDに接続されている。
【0023】一方、アノード端子10とグランドGND
との間には、第3の可変電源17が接続されている。ま
た、アノード端子10と第4グリッド電極G4とは、前
述のように陰極線管バルブ1の内面に設けられた内部導
電膜11a(図1参照)を介して電気的に接続(導通)
されている。
【0024】図4は上記面ストレー検査装置の制御構成
を示すブロック図である。図4において、コントローラ
18は、予め設定された制御プログラムにしたがって面
ストレー検査装置全体の動作を制御するものである。こ
のコントローラ18には、前述した第1,第2,第3の
可変電源14,16,17、第1,第2,第3のスイッ
チSW1,SW2,SW3および第1,第2,第3の電
流計12,13,15が接続されている。
【0025】ここで、上記面ストレー検査装置の動作説
明に先立ち、面ストレーの検査対象となるグリッド電極
について述べる。陰極線管の面ストレーは、或るグリッ
ド電極、例えば第1のグリッド電極G1の孔やその近傍
に異物,汚れ等が付着したり突起,キズ等が生じていた
りすると、そこを起点に不用電子が放出されることで発
生する。こうした面ストレーは、第1グリッド電極G1
を発生源とするものだけでなく、第2,第3グリッド電
極G2,G3も同様に発生源となる。ただし、最終の第
4グリッド電極G4に関しては、それよりも蛍光面5側
にグリッド電極が存在しないため、不用電子の発生源と
なることはない。
【0026】このことから、面ストレーの検査対象とな
るグリッド電極(以下、「注目電極」という)は、該注
目電極に隣接しかつカソード8と反対側(蛍光面5側)
に対向配置されたグリッド電極(以下、「対向電極」と
いう)が存在する条件を満たすもの、つまり第1〜第3
グリッド電極G1〜G3に限定される。具体的には、第
1グリッド電極G1を注目電極とする場合は第2グリッ
ド電極が対向電極となり、第2グリッド電極G1を注目
電極とする場合は第3グリッド電極が対向電極となり、
第3グリッド電極G1を注目電極とする場合は第4グリ
ッド電極が対向電極となる。
【0027】続いて、上記コントローラ18からの制御
信号に基づく面ストレー検査装置の動作手順につき、図
5のフローチャートを用いて説明する。
【0028】先ず、コントローラ18は、第1グリッド
電極G1を注目電極(面ストレーの検査対象)として、
第1,第2,第3の可変電源14,16,17に制御信
号を送出することにより、各々の電源電圧を次のように
設定する(ステップS1)。すなわち、第1の可変電源
14の出力電圧を第2グリッド電極G2の定格電圧(例
えば、700V)の1.5〜2倍に設定するとともに、
第2の可変電源16の出力電圧を第3グリッド電極G3
の定格電圧(例えば、5000V)に設定し、かつ第3
の可変電源17の出力電圧を第4グリッド電極G4の定
格電圧(例えば、20000V)に設定する。
【0029】次いで、コントローラ18は、第1,第
2,第3のスイッチSW1,SW2,SW3に制御信号
を送出することにより、それらのスイッチSW1,SW
2,SW3を次のようにスイッチング動作させる(ステ
ップS2)。すなわち、第1のスイッチSW1を接続端
子J1に接続(導通)させるとともに、第2のスイッチ
SW2を接続端子J4に接続させ、かつ第3のスイッチ
SW3を接続端子J6に接続させる。
【0030】これにより、第1グリッド電極G1を検査
対象とする場合においては、図6の上段に示すように、
第1グリッド電極G1に流れる電流値を第1の電流計1
2で測定可能な状態となる。また、第2グリッド電極G
2には第1の可変電源14により定格電圧の1.5〜2
倍の電圧が印加され、第3グリッド電極G3および第4
グリッド電極G4には、それぞれ第2の可変電源16お
よび第3の可変電源17により定格電圧が印加された状
態となる。
【0031】続いて、コントローラ18は、第1の電流
計12を介して第1グリッド電極G1の電流値を検出す
る(ステップS3)。このとき、第1グリッド電極G1
から不用電子が放出されると、対向電極である第2グリ
ッド電極G2との間にリーク電流が発生する。このリー
ク電流値は、従来のように第2グリッド電極G2への印
加電圧が定格電圧であると、現状では検出不可能な微小
オーダー(10-4nAオーダー)の電流値となるもの
の、本実施形態のように対向電極である第2グリッド電
極G2への印加電圧を定格電圧の1.5〜2倍にする
と、数10nAオーダーの電流値、つまり現状でも十分
に検出可能な電流値となる。
【0032】ここで、対向電極への印加電圧を定格電圧
の1.5〜2倍とする理由は、第1に、注目電極でのリ
ーク電流値を数10nAオーダーとするうえで必要とな
る印加電圧が定格電圧の1.5倍以上であること、第2
に、対向電極が耐え得る電圧レベル(耐電圧)を考慮す
ると、対向電極への印加電圧を定格電圧の2倍以下に抑
える必要があること、の2点にある。
【0033】その後、コントローラ18では、上記ステ
ップS3で検出した電流値とこれに対応して予め設定さ
れた基準電流値とを比較し、その比較結果に基づいて面
ストレーの合否(OK,NG)を判定する(ステップS
4)。そして、この判定結果において、面ストレーが不
合格(NG)と判定した場合は、これに係るエラー処
理、例えば、面ストレー不良となったグリッド電極の番
号やそのときのリーク電流値、さらには陰極線管の製造
番号などをメモリ等に記憶する処理を行う(ステップS
5)。
【0034】次いで、面ストレー検査が終了かどうかの
判断を行う(ステップS6)。具体的には、面ストレー
の検査対象となる第1〜第3グリッド電極G1〜G3の
全てについて検査を終えたかどうかを判断し、未だ終え
ていない場合は先のステップS1に戻る。
【0035】その後、コントローラ18は、第2グリッ
ド電極G2を注目電極として、電源電圧の設定(ステッ
プS1)、スイッチング制御(ステップS2)、電流値
の検出(ステップS3)を順に行う。
【0036】このうち、ステップS1における電源電圧
の設定では、第2の可変電源15の出力電圧を第3グリ
ッド電極G3の定格電圧の1.5〜2倍に設定する一
方、第3の可変電源17の出力電圧を第4グリッド電極
G4の定格電圧に設定する。また、ステップS2におけ
るスイッチング制御では、第1のスイッチSW1を接続
端子J2に接続させるとともに、第2のスイッチSW2
を接続端子J3に接続させ、かつ第3のスイッチSW3
を接続端子J6に接続させる。
【0037】これにより、第2グリッド電極G2を検査
対象とする場合においては、図6の中段に示すように、
第2グリッド電極G2に流れる電流値を第2の電流計1
3で測定可能な状態となる。また、第3グリッド電極G
3には第2の可変電源16により定格電圧の1.5〜2
倍の電圧が印加され、第4グリッド電極G4には第3の
可変電源17により定格電圧が印加された状態となる。
そして、ステップS3における電流値の検出では、第2
の電流計13を介して第2グリッド電極G2の電流値が
検出される。
【0038】これに対して、第3グリッド電極G3を注
目電極とする場合は、ステップS1における電源電圧の
設定とステップS2におけるスイッチング制御を次のよ
うに行う。すなわち、第3の可変電源17の出力電圧を
第3グリッド電極G3の定格電圧の1.5〜2倍に設定
する。また、第1のスイッチSW1を接続端子J2に接
続させるとともに、第2のスイッチSW2を接続端子J
3に接続させ、かつ第3のスイッチSW3を接続端子J
5に接続させる。
【0039】これにより、第3グリッド電極G3を検査
対象とする場合においては、図6の下段に示すように、
第3グリッド電極G3に流れる電流値を第3の電流計1
5で測定可能な状態となる。また、第4グリッド電極G
4には第3の可変電源17により定格電圧の1.5〜2
倍の電圧が印加された状態となる。そして、ステップS
3における電流値の検出では、第3の電流計15を介し
て第3グリッド電極G3の電流値が検出される。
【0040】ちなみに、ステップS4以降の処理は、第
1〜第3グリッド電極G1〜G3のいずれを注目電極と
する場合でも、前述の同様に面ストレーの合否判定(ス
テップS4)、エラー処理(ステップS5)および検査
終了判定(ステップS6)が行われる。
【0041】このように本実施形態においては、第1〜
第3グリッド電極G1〜G3を発生源とする面ストレー
を検査するにあたり、面ストレーの検査対象とする注目
電極に隣接する対向電極に第1,第2,第3の可変電源
14,16,17を用いて定格電圧の1.5〜2倍の電
圧を印加することにより、注目電極からの不用電子の放
出により生じるリーク電流値を数10nAオーダーまで
高めることができる。これにより、注目電極における電
流値を第1,第2,第3の電流計12,13,15を用
いて検出することで、例えば注目電極から不用電子が放
出されていた場合はこれが電流値の変化(リーク電流)
となって検知されるため、その電流値の検出結果を基に
してコントローラ18では面ストレーの合否を的確に判
定することが可能となる。このように陰極線管の面スト
レーをリーク電流値として検出可能となることにより、
周辺環境に何ら左右されることなく、面ストレー検査を
定量的にしかも高い信頼性をもって行うことが可能とな
る。
【0042】また、数10nAオーダーの電流値を用い
た判定であるため、検査設備内で起こるノイズ的な微小
電流のキャンセルも簡単かつ確実に行うことが可能とな
る。これにより、面ストレーをリーク電流値として検出
するにあたり、検査設備内のノイズによる検出誤差を小
さく抑えることができるため、陰極線管の面ストレー検
査を安定的に行うことが可能となる。
【0043】これに加えて、面ストレー検査の自動化に
際しても、従来のようにCCDカメラ等を用いた高価な
画像処理設備や、測定環境を良好にするための暗室等が
不要であるうえ、図3および図4に示した簡単な回路構
成と制御構成により実現可能であるため、自動化のため
の設備をきわめて安価に構築することができる。
【0044】なお、上記実施形態においては、面ストレ
ーの検査対象となる注目電極を第1グリッド電極G1か
ら第2グリッド電極G2に切り替えるのに伴い、第1の
スイッチSW1の接続先も接続端子J1から接続端子J
2に切り替えているが、第2グリッド電極G2を注目電
極とする場合においては、第1のスイッチSW1を接続
端子J1,J2のいずれに接続しても構わない。さら
に、接続端子J2を無くして、引出端子P1と接続端子
J1を直結した構成であっても良い。
【0045】また、上記実施形態においては、第1グリ
ッド電極G1→第2グリッド電極G2→第3グリッド電
極G3の順に注目電極を切り替えて、各々のグリッド電
極を発生源とする面ストレー検査を行うようにしたが、
この検査順については任意に変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る陰極
線管の面ストレー検査方法によれば、検査対象とする注
目電極に隣接する対向電極に定格電圧よりも高い電圧を
印加し、この状態で注目電極における電流値を検出する
ことにより、注目画素からの不用電子の放出によって起
こる面ストレーの発生状況をリーク電流値として検知す
ることができる。これにより、周辺環境に何ら左右され
ることなく、上記電流値の検出結果に基づいて面ストレ
ーの合否を的確に判定できることから、信頼性の高い検
査を行うことが可能となる。また、従来のように暗室等
の大掛かりな検査環境や、CCDカメラ,画像処理設備
などの高価な設備機器を使用しなくても、安価な設備で
面ストレー検査の自動化を図ることができる。
【0047】また、本発明に係る陰極線管の面ストレー
検査装置によれば、検査対象とする注目電極に隣接する
対向電極に定格電圧よりも高い電圧を電圧印加手段によ
って印加し、この状態で注目電極における電流値を検出
手段で検出することにより、注目画素からの不用電子の
放出によって起こる面ストレーの発生状況をリーク電流
値として検知することができる。これにより、周辺環境
に何ら左右されることなく、上記電流値の検出結果に基
づいて面ストレーの合否を判定手段で的確に判定できる
ことから、信頼性の高い検査を行うことが可能となる。
また、従来のように暗室等の大掛かりな検査環境や、C
CDカメラ,画像処理設備などの高価な設備機器を使用
しなくても、可変電源や電流計等を用いた安価な設備で
自動検査システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】陰極線管の構成例を示す半断面図である。
【図2】電子銃の構成例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る面ストレー検査装置の
回路構成を示す概略図である。
【図4】実施形態に係る面ストレー検査装置の制御構成
を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る面ストレー検査装置の動作手順
を示すフローチャートである。
【図6】実施形態におけるグリッド印加電圧の印加パタ
ーンを示す図である。
【符号の説明】
1…陰極線管バルブ、6…電子銃、8…カソード、10
…アノード端子、12,13,15…電流計、14,1
6,17…可変電源、18…コントローラ、G1〜G4
…グリッド電極、J1〜J6…接続端子、P1〜P4…
引出電極、SW1〜SW4…スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードと該カソード側から順に配列さ
    れた複数のグリッド電極を有する電子銃を備えた陰極線
    管の面ストレー検査方法において、 前記複数のグリッド電極のうち、面ストレーの検査対象
    とする注目電極に隣接しかつ前記カソードと反対側に対
    向配置された対向電極に定格電圧よりも高い所定の電圧
    を印加した状態で、前記注目電極における電流値を検出
    し、この検出結果に基づいて面ストレーの合否を判定す
    ることを特徴とする陰極線管の面ストレー検査方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の電圧を前記定格電圧の1.5
    〜2倍としたことを特徴とする請求項1記載の陰極線管
    の面ストレー検査方法。
  3. 【請求項3】 カソードと該カソード側から順に配列さ
    れた複数のグリッド電極を有する電子銃を備えた陰極線
    管の面ストレー検査装置において、 前記複数のグリッド電極のうち、面ストレーの検査対象
    とする注目電極に隣接しかつ前記カソードと反対側に対
    向配置された対向電極に定格電圧よりも高い所定の電圧
    を印加する電圧印加手段と、 前記注目電極における電流値を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて面ストレーの合否を
    判定する判定手段とを備えることを特徴とする陰極線管
    の面ストレー検査装置。
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