JP2001006167A - 磁気テープ加工方法および磁気テープ加工装置 - Google Patents

磁気テープ加工方法および磁気テープ加工装置

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JP2001006167A
JP2001006167A JP11320780A JP32078099A JP2001006167A JP 2001006167 A JP2001006167 A JP 2001006167A JP 11320780 A JP11320780 A JP 11320780A JP 32078099 A JP32078099 A JP 32078099A JP 2001006167 A JP2001006167 A JP 2001006167A
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博男 稲波
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悟 早川
Takeshi Nagata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気テープ製造において、テープの搬送速度を
高速化してもスリップを生じることがなく、高速で正確
な搬送を行って損傷の無い磁気テープを安定して高生産
効率で製造でき、かつ巻き姿も美しく、しかもカッピン
グも小さい、優れた特性を有する磁気テープを、良好な
生産効率で製造することができる磁気テープの加工方法
および加工装置を提供する。 【解決手段】磁気テープを長手方向に搬送しつつ、可視
域のレーザビームおよび紫外域のレーザビームの少なく
とも一方を磁気テープのバック層に入射し、前記バック
層を加工して凹部を形成することにより、前記課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録や再生
に利用される磁気テープの技術分野に属し、詳しくは、
磁気テープの製造工程等において、高速で磁気テープを
搬送させても、スリップが発生せず、これに起因する磁
気テープの損傷や巻き姿の乱れを防止でき、しかも、カ
ッピングも低減した磁気テープを、効率良く作製するこ
とができる磁気テープの加工方法、および加工装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】情報の記録や再生に利用される磁気テー
プは、基本的に、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)等のフィルムであるベース層と、ベース層の一方の
面に形成される磁性体層と、搬送安定性や強度の向上等
を目的として、ベース層の磁性体層の逆面に形成される
バック層等を有して構成される。
【0003】このような磁気テープの製造工程において
は、磁気テープ(以下、テープとする)は、長手方向に
搬送されつつ、スリッタによる裁断やブレード刃による
表面の清掃等の各種の処理を施されて、ハブ等に巻き取
られてパンケーキやカセットとされ、次工程や納入先に
送られる。ここで、近年では、生産性を向上させるため
に、各種の工程(ブレード機やワインダ機等の製造装
置)におけるテープの搬送速度が高速化する傾向にあ
る。
【0004】テープの搬送は、一般的に、テープをキャ
プスタンローラに巻き掛け、キャプスタンローラを回転
することによって行われる。ところが、テープの搬送速
度を速くすると、ブレード機等の製造装置において、テ
ープが空気を巻き込んで、キャプスタンローラ等でテー
プが浮かび、これによりテープがスリップして、正常な
搬送ができなくなってしまう場合がある。
【0005】その結果、テープがキャプスタンローラ、
ガイドローラ、ブレード刃等に衝突あるいは不適正に接
触し、テープやテープエッジの折れ、磁性体層等の磨耗
や剥離等のテープの損傷が発生し、得られたテープが、
製品として不適正なものとなってしまう。また、テープ
を製造する装置には、必要に応じて、テープの長さの測
定するローラ(検尺ローラ)が装着されるが、このロー
ラでテープがスリップすると、テープの長さ測定に誤差
が生じ、生産管理も適正に行えなくなるという問題点も
ある。そのため、要求される生産効率の向上に対応し
て、テープの製造におけるテープ搬送速度を高速化する
ことが困難になっている。
【0006】また、磁気テープの別の問題点として、カ
ッピングが知られている。カッピングとは、磁気テープ
の幅方向のカール(湾曲)で、主に、磁性体層とバック
層とで用いられるバインダの収縮率の違いによって生じ
る。カッピングが発生すると、製品としての磁気テープ
の外観の低下; 記録ヘッドや読取ヘッドへの磁気テー
プの当りが悪くなり記録誤差や読取誤差が生じる可能性
がある; 磁気テープのエッジにダメージが生じ易く耐
久性が低下する;等、様々な問題が生じる。
【0007】このようなカッピングは、磁性体層を厚く
する、バック層を薄くする、磁性体層やバック層の処方
を調整する、等の方法によって改善することができるも
のの、工程上、処方上、性能上等の各種の問題によっ
て、改善には限界がある。具体的には、近年では磁気テ
ープの記録密度が向上している。これを実現するため
に、磁性体層の厚さは薄くなる方向にあり、それに応じ
て、カッピングの防止を目的としてバック層を薄くする
と、磁気テープの強度が低下して、実用上の耐久性に問
題が生じてしまう。また、磁性体層やバック層の処方を
変更すると、磁気テープとしての特性が変化し、目的と
する性能が得られなくなってしまう可能性がある。すな
わち、性能の低下を防止しつつ、磁性体層やバック層等
の処方を調整してカッピングを低減することは、非常に
手間のかかる作業であり、開発の効率や磁気テープのコ
スト等の点で不利である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、磁気テープの
製造装置におけるテープの搬送速度を高速化しても、キ
ャプスタンローラ等におけるテープのスリップを生じる
ことがなく、しかもカッピングが小さい、優れた特性を
有する磁気テープを、良好な効率で製造することができ
る磁気テープの加工方法および加工装置を提供すること
にある。このような本発明で加工された磁気テープを用
いることにより、ブレード機やワインダ機等の磁気テー
プの製造装置において、高速で正確な搬送を行うことが
できるので、適正な生産管理の下、損傷の無い磁気テー
プを安定して高生産効率で製造でき、しかも、ワインダ
やパンケーキに巻き取った際の巻き姿も美しくできる。
その上、カッピングに起因する外観低下、ヘッド当りの
悪化、磁気テープエッジのダメージ等も防止することが
できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の磁気テープ加工方法は、磁気テープを長手
方向に搬送しつつ、可視域もしくは紫外域のレーザビー
ムを前記磁気テープのバック層に入射し、前記バック層
を加工して凹部を形成することを特徴とする磁気テープ
加工方法を提供する。
【0010】本発明の磁気テープ加工方法において、前
記磁気テープのバック層に入射するレーザビームは、多
眼レンズによって分割および結像された複数本のレーザ
ビーム、分割手段によって分割された複数本のレーザビ
ーム、および光走査素子で走査されたレーザビームの少
なくとも一つであるのが好ましく、また、前記バック層
の加工中に、前記磁気テープの搬送方向と直交する方向
への磁気テープの往復動、前記磁気テープの搬送方向と
直交する方向へのレーザビームの往復動、および凹部の
形成間隔の調整の少なくとも1つを行うのが好ましい。
【0011】また、本発明の磁気テープ加工装置は、可
視域もしくは紫外域のレーザビームを射出する光源と、
前記光源から射出されたレーザビームを所定の加工位置
に入射する光学系と、前記加工位置において、バック層
を前記レーザビーム光路の上流側に向けた状態で磁気テ
ープを長手方向に搬送する搬送手段と、前記加工位置に
おいて、前記搬送手段によって搬送される磁気テープの
平面性を確保する手段とを有することを特徴とする磁気
テープ加工装置を提供する。
【0012】前記本発明の磁気テープ加工装置におい
て、前記光学系が、ビームエクスパンダおよび多眼レン
ズを有するのが好ましく、また、前記光学系が、ビーム
ウエスト位置調整手段、レーザビームの分割手段、およ
び収束レンズを有するのが好ましく、また、前記光源が
半導体レーザアレイで、前記光学系が前記半導体レーザ
アレイから射出されたレーザビームを結像する結像手段
を有するのが好ましく、また、前記光学系が、前記搬送
手段による磁気テープの搬送方向に対して角度をもって
レーザビームを走査する光偏向素子と、走査レンズとを
有するのが好ましく、さらに、前記加工位置において磁
気テープの搬送方向と直交する方向に磁気テープを往復
動する手段、前記加工位置において磁気テープの搬送方
向と直交する方向にレーザビームを往復動する手段、お
よび前記磁気テープへのレーザビームの照射間隔を調整
する手段の少なくとも1つを有するのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気テープ加工方
法および加工装置について、添付の図面に示される好適
実施例をもとに詳細に説明する。
【0014】本発明に利用可能な磁気テープは、PET
やアラミド樹脂等からなるベース層(ベースフィルム)
の一面に磁性体層を有し、ベース層の他方の面にバック
層(バックコート層)を有し、あるいはさらにオーバー
コート層(保護層)や下塗り層を有してなる、通常の層
構成を有する磁気テープである。本発明は、このような
磁気テープのバック層を加工して、凹部、好ましくは磁
気テープの長手方向に延在する直線的あるいは波型の
溝、および磁気テープの長手方向に対して斜め方向(以
下、斜め方向とする)に延在する溝の、少なくとも一つ
を形成するものである。
【0015】図1に、本発明の加工方法(加工装置)に
よって加工された磁気テープ(以下、テープとする)の
バック層を概念的に示す。図1(A)に示される例は、
テープのバック層に、テープの長手方向に延在する加工
線aをテープの幅方向(以下、幅方向とする)複数本、
形成してなるものである。図1(B)に示される例は、
図1(A)に示される例において、バック層の加工を断
続的にして加工線を線分化(加工線分b)した例であ
る。言い換えれば、加工線分bによる点線(破線)を、
幅方向に複数配列して形成した例である。なお、この例
において、加工線分bの長さには特に限定はない。ま
た、加工線分bの長さは、全て同じであっても、異なる
長さの線分が混在してもよい。さらに、図1(C)に示
される例は、加工線分cを斜め方向に形成した例であ
る。この例においては、加工線分cの角度や長さには特
に限定はない。
【0016】ここで、テープは、製造工程や出荷時に、
ハブやリールに巻き取られて、パンケーキやカセットと
して輸送や出荷に供される。ところが、このようにバッ
ク層に加工線や加工線分を形成されたテープを巻き取る
と、巻回されたテープの加工線や加工線分が積み重な
り、深さ等の加工線の形成状態によっては、磁性体層に
凹凸ができてしまうことがあり、その結果、磁気ヘッド
への当たり(ヘッドタッチ)が悪くなって、磁気情報の
記録や再生に悪影響を及ぼす場合がある。これを回避す
ることができる好ましい例を、図1(D)、図1(E)
および図1(F)に示す。
【0017】図1(D)に示される例は、図1(A)に
示される例において、加工線aを波型に蛇行させた加工
線dを形成した例である。また、図1(E)に示される
例は、図1(B)に示される例において、加工線分bか
らなる点線を波型に蛇行させた例である。なお、この態
様においては、加工線分bは直線状でも、形成する波型
の点線に応じて湾曲していてもよい。これらにおいて
は、両者の波型の周期は、パンケーキやカセットとして
テープを巻回した際に、少なくとも、上下の(すなわ
ち、面的に接触する)テープの加工線dや加工線分bに
よる波形が重ならないようにする。この周期は、上記条
件を満たすものであれば、一定であっても、連続的に変
化するものであっても、ランダムに変化するものであっ
てもよい。
【0018】他方、図1(F)に示される例は、図1
(C)に示される例において、斜め方向の加工線分cの
形成間隔(長手方向)を変化させた例である。この形成
間隔も、テープを巻回した際に、少なくとも上下のテー
プの加工線分cは重ならない間隔とし、また、加工線分
cが重ならなければ、形成間隔は、一定であっても、連
続的あるいはランダムに変化するものであってもよい。
【0019】なお、本発明によって加工された、これら
のテープにおいて、幅方向に配列された各加工線や加工
線分による点線等は、全て同じものであってもよく、互
いに異なるものであってもよく、同じものと異なるもの
とが混在していてもよい。
【0020】図1に示されるような、バック層に凹部、
好ましくは加工線(加工線分)を有するテープは、ブレ
ード機やワインダ機等のテープの製造装置においてテー
プを高速で搬送(走行)しても、テープによる空気の巻
き込みを低減し、また、空気を巻き込んだ場合でも、加
工線から好適に排除することができる。そのため、本発
明によって加工されたテープによれば、テープを高速搬
送しても、製造装置のキャプスタンローラ等でテープが
浮き上がってスリップすることがなく、これに起因する
テープの損傷や搬送長の誤差がないので、高速で正確な
テープ搬送を行って、適正な生産管理の下、適正品質の
磁気テープを、安定して高効率に製造できる。
【0021】また、巻き取りの際にも、テープ間の空気
を好適に抜けるので、カートリッジやパンケーキに巻き
取った際の巻き姿も美しい。特に、図1(D)〜図1
(F)に示される例によれば、テープを巻き取った際
に、加工線や加工線分が同じ位置で積み重なることがな
い。そのため、磁性体層に凹凸が生じることがなく、磁
気ヘッドに対する当たりを加工線等がないテープと同様
にでき、従って、適正な磁気情報の記録や再生を安定し
て行える。
【0022】しかも、バック層に凹部を有するこのテー
プは、テープの幅方向のカールであるカッピングも、従
来のテープに比して少ないので、カッピングに起因する
外観の悪化、ヘッド当りの悪化、テープエッジのダメー
ジ等も、従来のテープに比して大幅に低減される。
【0023】一例として、幅1/2in(幅12.7m
m 通常、1/2インチテープと呼ばれる)、厚さ1
3.5μmの業務用ビデオテープに、波長514.5n
mでビーム強度約90mW(テープ表面)のアルゴンイ
オンレーザを用い、テープ走行速度2.5m/secで
加工を行い、幅3μm〜10μm、深さ0.6μm以下
の、図1(A)に示されるような長手方向に延在する溝
を、500μm間隔で20本形成した。溝を形成しない
同様のテープのカッピング(磁性体層側の凸がマイナ
ス)は、−0.86mmであったのに対し、溝を形成し
たテープのカッピングは−0.83mmであった。すな
わち、0.03mm、カッピングが低減した。なお、カ
ッピングは、平面にテープを載置した際のテープの幅
と、そのテープの上にガラス板を置いた際のテープの幅
を、コンパレータで測定し、その値から算出した。
【0024】近年の記録密度の向上によって、テープの
ヘッド当りは、μm単位の精度で調整、制御される。そ
のことを考慮すれば、カッピングの0.03mmの低減
は、大幅な改善と認められる。しかも、本発明によれ
ば、記録密度の向上に逆行する磁性体層厚の増加、テー
プの強度低下を招くバック層厚の低減、テープの特性低
下の原因となる磁性体層やバック層の処方の変更等を行
う必要がなく、簡易なレーザビームによる加工のみでカ
ッピングを低減することができる。
【0025】バック層に凹部を形成することにより、カ
ッピングが低減できることの理由は、明らかではない。
なお、本発明者の検討によれば、磁性体層とバック層の
バインダの収縮率差に起因してテープの幅方向で生じる
応力が、バック層の凹部で寸断されるため、テープの幅
方向に生じる力が全体として小さくなり、その結果、カ
ッピングを防止できるものと考えられる。
【0026】本発明において、凹部の形成状態(形成パ
ターン)は図示例に限定はされず、各種のものが利用可
能であり、テープのスリップやカッピングの状態等に応
じて適宜設定すればよい。例えば、テープの幅方向に延
在する加工線を形成してもよく、円形や矩形の凹部を多
数形成してもよい。幅方向や斜め方向に溝を形成する場
合には、テープの幅方向端部を突き抜けるように溝を形
成してもよく、あるいは、テープを横断するように溝を
形成してもよい。さらに、長手方向、幅方向および斜め
方向に延在する加工線の2以上が混在しても良く、この
場合には、溝が交差してもよい。なお、いずれの場合に
おいても、図1(D)〜図1(F)に示される態様のよ
うに、加工線や加工線分等の凹部は、少なくとも上下の
テープでは線的および面的に重ならないように形成する
のが好ましい。
【0027】凹部の形状(断面形状)にも特に限定はな
く、例えば、図2(A)に示されるような矩形状、図2
(B)に示されるような三角形状、図2(C)に示され
るような半円(弓型)等が例示される。これらの形状
は、バック層を加工するレーザビームのビームスポット
の強度分布(プロファイル)を調整することで、実現で
きる。
【0028】本発明において、凹部の深さには特に限定
はない。一般的に、凹部が深いほど、テープ搬送におけ
るスリップや、カッピングを好適に防止できる。その反
面、凹部が深くなるにしたがってテープの強度が低下
し、甚だしい場合には磁性体層に悪影響を及ぼす。従っ
て、凹部の深さは、テープの幅、バック層の形成材料や
厚さ、ベース層の形成材料や厚さ、凹部形成以降の工程
やユーザ先での処理などのテープにかかる負荷(搬送速
度やテンション等)を考慮して、要求されるテープ強
度、スリップやカッピングの状態等に応じて、適宜決定
すればよい。例えば、十分な強度を確保できる場合であ
れば、ベース層に至る深さ(バック層を除去)の凹部を
形成してもよい。なお、本発明者の検討によれば、優れ
たスリップ防止効果や、カッピングの低減効果を得るた
めには、凹部の深さは0.1μm以上とするのが好まし
く、特に、0.2μm以上とするのがより好ましい。複
数の凹部を有する場合には、その深さは、同じでも互い
に異なってもよい。
【0029】また、凹部のサイズ(線幅)や形成密度に
も、特に限定はない。深さと同様に、形成密度やサイズ
が大きいほどスリップやカッピングの防止効果は高い反
面、強度は低下し、また、磁性体層に悪影響がでる場合
もある。従って、凹部の形成密度やサイズも、テープの
幅、バック層の形成材料や厚さ、ベース層の形成材料や
厚さ、テープにかかる負荷、要求されるテープ強度、ス
リップやカッピングの状態等に応じて、適宜決定すれば
よい。例えば、幅1/2inのテープに、図1(A)、
図1(B)、図1(D)および図1(E)に示されるよ
うな、長手方向に延在する加工線等を形成する場合に
は、幅3μm〜10μm程度で、幅方向に数本〜100
本程度の加工線を形成するのが好ましい。
【0030】図3に、このような(磁気)テープを、本
発明の加工方法を利用して作成する、本発明の加工装置
の概念図を示す。図示例の加工装置10は、前述の図1
(A)および図1(B)に示されるような、テープの長
手方向に延在する加工線や加工線分(加工線分による点
線)を形成するもので、レーザビームを射出する光源1
2と、パルス変調器14、ミラー16、ビームエクスパ
ンダ18、ビームプロファイル成形器20および多眼レ
ンズ22を有する光学系と、テープ搬送手段24(以
下、搬送手段24とする)とを有する。
【0031】このような加工装置10においては、搬送
手段24によって(磁気)テープTを所定の加工位置に
位置して長手方向に搬送(図中矢印x方向)しつつ、光
源12から射出されたレーザビームを、光学系によって
前記加工位置に入射することにより、テープTに加工線
や加工線分(以下、両者をまとめて加工線ともいう)を
形成する。
【0032】光源12には特に限定は無く、テープTの
バック層を加工可能な出力を有する紫外域のレーザビー
ムおよび可視域のレーザビームの少なくとも一方を射出
できるものであれば、各種の光源(レーザ発振器)が利
用可能である。なお、加工性の点では、波長の短いレー
ザビームの方が好ましく、紫外域のレーザビームが最も
良好であり、他方、コスト、安全性、作業性等の点では
可視域のレーザビームが好ましい。光源12としては、
具体的には、488nmや515nm(514.5n
m)のアルゴン(イオン)レーザや、YAGレーザをS
HG(Second Harmonic Generation 二次高調波発生)
素子で波長変換してなる532nmのレーザビームを射
出する光源等が例示される。
【0033】前述のように、図示例の加工装置10で
は、光学系は、パルス変調器14、ミラー16、ビーム
エクスパンダ18、ビームプロファイル成形器20およ
び多眼レンズ22を有する。パルス変調器14は、図1
(B)等に示されるような加工線分bを形成するため
に、レーザビームをパルス変調するものである。従っ
て、光源12が直接パルス変調可能である場合や、図1
(A)や(D)に示されるような加工線aや加工線dの
みしか形成しない場合には、パルス変調器14は不用で
ある。パルス変調器14としては、AOM(音響光学変
調器)等の公知の変調手段が利用可能である。また、変
調周期を調整することにより、加工線分bの長さを調整
してもよい。
【0034】レーザビームは、ミラー16で所定方向に
反射され、次いで、ビームエクスパンダ18に入射す
る。加工装置10は、1本のレーザビームを分割して、
テープTに加工線を形成するものであり、多種の幅のテ
ープTに対応して、その幅方向の全面に加工線を形成可
能であるのが好ましい。しかしながら、一般的に、光源
から射出されるレーザビームの径は1mm前後であり、
テープTはそれよりも太いので、そのままでは、テープ
Tの幅方向全面に加工を行うことはできない。そのた
め、加工装置10では、ビームエクスパンダ18を配置
し、光源12から射出されたレーザビームを拡径する。
例えば、光源12から射出されるレーザビームの径が1
mmで、テープTの幅が1/2inである場合には、1
5倍〜20倍程度にレーザビームを拡径すればよい。ま
た、ビームエクスパンダ18でのレーザビームの拡径率
は調整可能にしてもよい。
【0035】ビームエクスパンダ18で拡径されたレー
ザビームは、次いで、ビームプロファイル成形器20
(以下、成形器20とする)に入射する。成形器20
は、レーザビームの強度をビームスポット全面でほぼ均
一化する、すなわち、レーザビームの強度分布をほぼ均
一化するものである。通常、光源12から射出されるレ
ーザビームは、ガウス分布のような強度分布を持ってい
るので、このレーザビームでテープTを加工すると、強
度分布に応じて加工線の深さが異なってしまう。これに
対し、成形器20を配置することにより、レーザビーム
の強度分布を均一にして、形成する加工線の深さを均一
にすることができる。
【0036】なお、成形器20としては、各種の光学フ
ィルタ、フレネル回折を利用してビームプロファイルの
成形を行うレーザビームと同径のアパーチャ等が利用可
能である。ここで、成形器20として光学フィルタやア
パーチャを利用する場合には、成形強度に応じてレーザ
ビームの強度が低下してしまう。しかしながら、本発明
においては、必ずしもビームプロファイルを完全に均一
にする必要はなく、形成する加工線等に応じて、その深
さのバラツキが問題とならない程度にレーザビームの成
形を行えばよい。
【0037】あるいは逆に、必要に応じて、成形器20
によってレーザビームに強度分布を持たせ、各加工線の
深さを、適宜調整(選択)してもよい。また、成形器2
0を設けず、レーザビームの強度分布に応じた深さの加
工線を形成してもよい。
【0038】レーザビームは、次いで、多眼レンズ22
に入射する。多眼レンズ22は、マイクロボールレン
ズ、セルフォックレンズ、マイクロモールドレンズ等
を、その光軸をレーザビームに平行として、光軸と直交
する方向に多数配列したものであり、入射したレーザビ
ームを、多数のレーザビームに分割して、所定の加工位
置に入射、結像する。これにより、レーザビームによっ
てテープTのバック層を加工して、加工線等(凹部)を
形成する。
【0039】図4に、その一例を光軸方向から見た際の
概略図を示す。図示例の多眼レンズは、一例として、図
4(A)に示されるように、マイクロボールレンズ、セ
ルフォックレンズ、マイクロモールドレンズなど(以
下、これらをまとめてレンズとする)を5個×5個で細
密状態に配列したものであり、図4(B)に示されるよ
うに、一点鎖線で示されるレンズの配列線を、テープT
の搬送方向xに対して若干傾けた状態で配置される。こ
れにより、テープTを長手方向に一回搬送(1パス)す
るだけで、長手方向に延在する計25本の加工線aが形
成できる。また、パルス発生器14を駆動することによ
り、25列の加工線分bによる点線が形成できる。
【0040】ここで、搬送方向xとレンズの配列線との
角度を調整することにより、加工線aの間隔を調整する
ことができるが、効率良く加工線を形成するためには、
この角度は、各レンズの光軸(ビームウエストの中心)
が搬送方向xで重ならないように設定する必要がある。
図5に示されるように、A方向のレンズの配列線に注目
した際に、一列の多眼レンズの数をN; 搬送方向xと
配列線との角度をθ1 ; とすると、下記式が満たされ
た場合には、搬送方向xでレンズの光軸は重ならない。 sin[(2π/3)+θ1 ]≧N・ sin θ1 従って、レンズの光軸が重ならない角度θ1 は、 θ1 ≦tan -1[{sin(2π/3)}/{N−cos(2π/
3)}] で算出できる。
【0041】同様に、B方向のレンズの配列線に注目し
た際には、幅方向(搬送方向xとの直交方向=y方向)
と、レンズの配列線とが成す角度θ2 が下記式を満たせ
ば、搬送方向xでレンズの光軸は重ならない。 θ2 ≦tan -1[{sin(π/3)}/{N−cos(π/
3)}]
【0042】本発明において、多眼レンズのレンズ配列
は、図4等に示される細密状態に限定はされず、各種の
ものが利用可能である。例えば、図6に示されるよう
な、碁盤目状にレンズを配列したものであってもよく、
あるいは、搬送方向xに対して角度を有する方向に一列
あるいは複数列のレンズを配置したものでもよい。図6
に示されるように、レンズを碁盤目状に配列する場合に
は搬送方向x(あるいはy方向)とレンズの配列線とが
成す角度θが下記式を満たせば、搬送方向xでレンズの
光軸は重ならない。 θ≦tan -1(1/N) なお、必要に応じて、レンズの光軸を搬送方向xに重ね
ることにより、1つの加工線を複数のレーザビームで形
成し、加工強度を強くしてもよい。
【0043】加工装置10において、テープTは、搬送
手段24によって、バック層側(裏面側)をレーザビー
ム光路の上流に向けて、所定の加工位置に位置されつ
つ、長手方向に搬送される(搬送方向xと長手方向とを
一致して、所定方向に搬送される)。搬送手段24は、
基本的に公知の磁気テープの搬送装置(走行装置)を利
用するものであって、図示しないキャプスタンローラ、
リワインダ、ワインダ等の搬送駆動手段と、ガイドロー
ラ26および28と、テープフラットナ30とを有して
構成される。また、必要に応じて、クラウンローラや鍔
付きローラ等のテープTの幅方向の位置規制手段を有し
てもよく、あるいは、ガイドローラ26および28をク
ラウンローラ等の幅方向の位置規制手段としてもよい。
【0044】テープフラットナ30は、搬送されるテー
プTの表面(磁性体層側)に当接して、テープTを所定
の加工位置に位置(保持)するものである。テープT
は、搬送方向xにテープフラットナ30を挟んで配置さ
れるガイドローラ26および28によって、テープフラ
ットナ30よりも下方を通る搬送経路を形成される。こ
れにより、テープTは、テープフラットナ30に押圧さ
れ、下方から支持されて、加工位置に位置される。
【0045】ここで、本発明においては、レーザビーム
による加工は、前述の幅1/2inのテープTの例(幅
3μm〜10μm)でも示されるように、微細な加工で
あるので、加工位置に入射するビームスポット径は小さ
く、すなわち、ビームウエストの許容範囲は非常に狭
い。そのため、テープフラットナ30には、多眼レンズ
22の焦点深度方向に、高い精度、好ましくは、誤差1
0μm以下の精度でテープTを位置することが要求され
る。
【0046】これを実現する好ましいテープフラットナ
30としては、図7(A)に示されるような、側辺(側
稜)でテープTを支持する三角柱(ブレード刃型)を、
側辺を搬送方向xと直交した状態で、2以上、搬送方向
xに配列したものが例示される。これ以外にも、図7
(B)に示されるような、側面でテープTを支持する半
円(D型)柱の支持部材を複数、同様に配列したテープ
フラットナ、図7(C)に示されるような、側面でテー
プTを支持する円柱の支持部材を複数、同様に配列した
テープフラットナ、図7(D)に示されるような、プレ
ート(直方体)型のテープフラットナ等も好適に例示さ
れる。
【0047】前述のように、加工位置には、光源12か
ら射出され、必要に応じてパルス変調器14で変調さ
れ、ミラー16で反射され、ビームエクスパンダ18で
拡径されて成形器20で強度分布を均一化され、多眼レ
ンズ22で分割、調光されたレーザビームが入射、結像
している。従って、搬送手段24によって、バック層側
をレーザビーム光路の上流(レーザビーム入射側)に向
けた状態で、テープフラットナ30によって加工位置に
位置しつつ、テープTを長手方向に搬送することによ
り、テープTのバック層には、長手方向に延在する加工
線(凹部)が形成され、前述の例であれば、一回の搬送
で、25本の加工線が形成される。なお、可視域や紫外
域のレーザビームを用いる本発明においては、レーザビ
ームの熱加工、レーザビームによるアブレーション(解
離、遊離)による加工の両者が複合的に発生して、バッ
ク層が加工されると考えられる。
【0048】ここで、前述の図1(D)や図1(E)に
示されるような、波型の加工線dや加工線分bによる波
型の点線を形成する場合には、図3に示される加工装置
10に、ビーム移動手段42およびテープ移動手段44
の、少なくとも一方を配置する。
【0049】ビーム移動手段42は、多眼レンズ22を
幅方向に往復動させることにより、加工位置におけるレ
ーザビームの結像位置を、幅方向に連続的に往復動する
ものである。他方、テープ移動手段44は、搬送手段2
4を(図示例においては、ガイドローラ26、28なら
びにテープフラットナ30)幅方向に往復動させること
により、加工位置においてテープTを幅方向に往復動さ
せるものである。従って、前述のテープTのバック層の
加工を行いつつ、ビーム移動手段42およびテープ移動
手段44の少なくとも一方を駆動することにより、図1
(D)や図1(E)に示されるような、波型の加工線d
や、加工線分bによる波型の点線を形成することができ
る。
【0050】ビーム移動手段42やテープ移動手段44
における、多眼レンズ22や搬送手段24の移動方法に
は、特に限定はなく、各種の方法が利用可能である。好
適な一例として、ピエゾ素子等の圧電素子を用いる方法
やボイスコイルを用いる方法等が例示される。なお、い
ずれの場合であっても、多眼レンズ22や搬送手段24
の移動は、前述のように、テープTに形成される波型の
加工線が、少なくとも上下のテープTで重ならないよう
に行われる。
【0051】図示例においては、ビーム移動手段42
は、多眼レンズ22を往復動することにより、レーザビ
ームを加工位置において幅方向に往復動している。しか
しながら、本発明はこれに限定はされず、光源12およ
び光学系をユニット化して、これを往復動させることに
より、加工位置においてレーザビームを幅方向に往復動
してもよい。
【0052】本発明においては、テープTのバック層の
加工によって、粉塵等の加工カスやガスが発生する場合
が多々ある。そのため、加工位置には、加工カスやガス
を除去する除去手段を設けるのが好ましく、また、加工
位置よりも下流に、テープTの少なくとも裏面、特に表
裏面に付着した異物を取り除く、清掃手段を設けるのが
好ましい。なお、除去手段としては、スクラバや局所排
気手段等の吸引手段を用いればよく、また、清掃手段
は、クリーニングテープを用いる方法等、磁気テープの
製造において行われている公知の方法によればよい。
【0053】図3に示される加工装置10においては、
多眼レンズ22を用いてレーザビームを分割して、複数
本のレーザビームとして加工位置に結像しているが、本
発明は、これに限定はされず、各種の構成が利用可能で
ある。
【0054】例えば、多眼レンズ30の代わりに、図8
に示されるような、AOM(音響光学変調器)32およ
び結像レンズ34を利用する方法が例示される。なお、
図8においては、テープTは、紙面に垂直方向に搬送さ
れる。また、この例では、成形器20は用いなくてもよ
く、レーザビームが十分なビーム径を有するものであれ
ば、ビームエクスパンダ18も用いなくてもよい。この
例においては、AOM32をレーザビームの分割手段と
するものであり、ドライバ36によって、AOM32に
複数の周波数信号(あるいは、周波数信号を連続的に振
る)を入力する。これにより、多数のブラック回折が発
生し、多数のブラック角でレーザビームが射出する。こ
の複数のレーザビームを、結像レンズ34によって互い
に平行な光線とし、かつ加工位置に結像させることによ
り、前述の例と同様、長手方向に延在する複数の加工線
を形成することができる。
【0055】この例において、図1(D)等に示される
ような波型の加工線d等を形成するために、レーザビー
ムを幅方向に往復動する際には、光源を含む光学系全体
を幅方向に往復動してもよく、結像レンズ34のみを幅
方向に往復動してもよい。
【0056】図9に、別の例を示す。この例は、図8に
示される例と同様に、前述の図3に示される加工装置1
0において、多眼レンズ22の代わりに、分割手段38
と結像レンズ40を用いるものである。この図において
も、テープTは紙面に垂直方向に搬送され、また、成形
器20およびビームエクスパンダ18を配置しなくても
よい。分割手段38は、ガラス製の平行平面基板38a
の内側にレーザビームを反射するコーティングを施し、
多重反射を利用してレーザビームを分割する。
【0057】レーザビームは、矢印aに示されるよう
に、分割手段38(平行平面基板38a)に入射し、図
示されるように、コーティングされた反射膜38b、お
よび反射膜38bと対向する面38cの作用の下、平行
平面基板38a内で反射を繰り返す。ここで、レーザビ
ームは、面38cに入射した際に、その反射率に応じて
平行平面基板38から射出され、分割されたレーザビー
ムとされる。従って、分割数は、平行平面基板38aに
対するレーザビームの入射角によって設定することがで
きる。面38cから射出されたレーザビームは、結像レ
ンズ40によって加工位置に結像される。これにより、
先と同様に、テープTのバック層に長手方向に延在する
複数の加工線を形成することができる。なお、結像レン
ズ40は、分割されたレーザビームの個々に応じて配置
される複数であってもよく、あるいは幅方向にレンズパ
ワー(屈折力)を変えてもよい。
【0058】図9に示される例においては、平行平面基
板38aの反射率を調整することにより、射出されるレ
ーザビームの強度を調整してもよい。なお、面38cの
反射率の調整は、全面であっても、レーザビームが入射
する可能性のある領域のみであってもよい。また、搬送
方向xに複数のレーザビームを入射したり、平行平面基
板38aに入射角の異なる複数のレーザビームを入射す
ることにより、前述の例と同様に、加工線の形成密度の
向上や、加工強度の向上等を計ってもよい。
【0059】この例において、図1(D)等に示される
ような波型の加工線d等を形成するために、レーザビー
ムを幅方向に往復動する際には、光源を含む光学系全体
を幅方向に往復動してもよく、結像レンズ40のみを幅
方向に往復動してもよい。
【0060】図10に、別の例を示す。この例は、先と
同様に、図3に示される加工装置10において、多眼レ
ンズ22に代えて、ビームウエスト位置調整手段70、
ビームスプリッタ72、および収束レンズ74を配置し
た例である。この図においても、テープTは、加工位置
において紙面と垂直方向に搬送される。また、この例に
おいても、成形器20は用いなくてもよく、さらに、レ
ーザビームが十分なビーム径を有するものであれば、ビ
ームエクスパンダ18も配置しなくてもよい。
【0061】図10に示される例においては、レーザビ
ームは、ビームウエスト位置調整手段70によってビー
ムウエスト位置を調整された後に、ビームスプリッタ7
2によって形成する加工線の数に応じてテープTの幅方
向に分割(ビームNo.1〜ビームNo.N)される。
分割されたレーザビームは、収束レンズ74によって収
束されて、加工位置においてテープTのバック層に入射
する。これにより、先の例と同様に、分割されテープT
のバック層に入射したレーザビームの数に応じた、テー
プTの搬送方向(長手方向)に延在する多数の加工線が
形成される。
【0062】ここで、本例においては、加工位置は、収
束レンズ74によるレーザビームの収束(結像)位置で
はなく、ビームウエスト位置調整手段70によって調整
されたレーザビームのビームウエスト位置Wとなる。な
お、図10に示されるように、ビームスプリッタ72で
分割された各レーザビームの光路長は、ほぼ等しいの
で、各レーザビームのビームウエスト位置Wは、ほぼ同
一平面上となる。
【0063】ビームウエスト位置調整手段70は、公知
のレーザビームのビームウエスト位置の調整手段であ
る。例えば、光軸上における位置や互いの間隔が調整可
能な組レンズ等を用い、H.Kogelnikの導出し
たABCDマトリクスによる計算に基づいてビームウエ
スト位置の調整を行う手段が例示される。ビームスプリ
ッタ72にも特に限定はなく、誘電体多層膜を用いるビ
ームスプリッタ等、1本のレーザビームを複数本に分割
できるものであれば、公知のものが各種利用可能であ
る。なお、加工線等の深さを均一にするためには、各レ
ーザビームの強度がほぼ等しくなるように誘電体膜の透
過率等を調整するのが好ましく、あるいは、透過率等の
調整によって各加工線等の深さを調整してもよい。ま
た、レーザビーム強度に応じた適正な加工線等を形成す
るために、収束レンズ74は、像面湾曲の少ないレンズ
を用いるのが好ましい。
【0064】ビームウエスト位置Wは、図示例のように
収束位置よりも上流であってもよく、あるいは、収束位
置よりも下流であってもよい。さらに、本例において
は、ビームウエスト位置調整手段70によるビームウエ
スト位置Wの調整によって、加工線等の間隔、あるいは
さらに加工線の本数(ビーム数Nよりも減らす)を調整
することが可能である。
【0065】図11に、別の例を示す。図11に示され
る例は、前記図10に示される例と同様の作用によって
加工線等を形成するものであり、図10に示される例で
配置されるビームスプリッタ72に代えて、ロッドレン
ズ76、シリンドリカルレンズ78、および多数のアパ
ーチャを有するアパーチャ板80によって、レーザビー
ムの分割手段を構成したものである。なお、この例にお
いては、成形器20を有するのが好ましい。すなわち、
ビームウエスト位置調整手段70によってビームウエス
ト位置を調整されたレーザビームは、ロッドレンズ76
によってテープTの幅方向に拡大された後、シリンドリ
カルレンズ78によって、平行光とされる。レーザ光
は、次いで、テープTの幅方向に配列された多数(N
個)のアパーチャ(孔)を有するアパーチャ板80に入
射して、この孔を通過したレーザ光がN本に分割された
レーザビームとして、収束レンズ74に入射し、収束さ
れてテープTのバック層に入射して、加工線を形成す
る。なお、アパーチャ板80と収束レンズ74の距離
は、アパーチャによる回折効果を考慮して決定する。あ
るいは、アパーチャによる回折効果を予め考慮してお
き、ビームウエスト位置を調整してもよい。
【0066】ここで、この例においては、シリンドリカ
ルレンズ78を用いて調光を行っているので、収束レン
ズ74によって収束されるレーザビームの比(ビーム
径)が、x−y方向(図示例においては、幅方向と長手
(搬送)方向)で変わってしまう。そのため、場合によ
っては、x−y方向の比を一致するようにレーザビーム
を成形する必要がある。この際には、加工性等を考慮す
ると、テープTの幅方向を狭くするように成形を行うの
が好ましい。
【0067】図12に、さらに別の例を示す。この例
は、レーザビームの干渉を利用して多数の加工線を形成
するものであって、図3に示される加工装置10の多眼
レンズ22の代わりに、ビームウエスト位置調整手段7
0、ビームスプリッタ82、収束レンズ74を配置した
ものである。なお、この図においても、テープTは加工
位置において、紙面と垂直方向に搬送される。また、こ
の例でも、成形器20およびビームエクスパンダ18は
配置しなくてもよい。
【0068】図12に示される例においては、レーザビ
ームは、成形器20によってビームプロファイルを成形
され、ビームウエスト位置調整手段70によってビーム
ウエスト位置Wを調整された後に、ビームスプリッタ8
2によってテープTの幅方向に2本のレーザビームに分
割される。2本のレーザビームは、収束レンズ74によ
って収束される。ここで、本例においては、各レーザビ
ームのビームウエスト位置Wと収束位置とが一致するよ
うに、ビームウエスト位置調整手段70によってビーム
ウエスト位置Wを調整し、ここを加工位置とする。
【0069】ビームウエスト位置Wを一致して加工位置
に収束した2本のレーザビームは、幅方向に交差して互
いに干渉して、テープTの搬送方向に延在し、かつ幅方
向に配列される干渉縞を、テープTのバック層に形成す
る。そのため、テープTのバック層には、先の例と同様
に、形成された干渉縞の数に応じて、テープTの搬送方
向(長手方向)に延在する多数の加工線が、干渉縞によ
って形成される。
【0070】ここで、この態様においては、テープTの
バック層を加工するレーザビームは、点ではなく、長手
方向に延在する干渉縞である。従って、パルス変調器1
4を駆動して図1(B)に示されるような加工線分bを
形成する際には、その最小(最短)サイズは干渉縞の長
さに近いサイズとなる。また、ビームスプリッタ82
は、レーザビームを2本以上に分割できる公知のものが
各種利用可能である。さらに、レーザビームの分割数
(すなわち干渉させるレーザビームの数)は、図示例の
2本に限定はされず、必要に応じて、3本以上のレーザ
ビームを干渉させて、干渉縞を形成してもよい。
【0071】図10〜図12に示される例において、図
1(D)等に示されるような波型の加工線d等を形成す
るために、レーザビームを幅方向に往復動する際には、
光源を含む光学系全体を方向に往復動してもよく、収束
レンズ74のみを幅方向に往復動してもよい。
【0072】図13に、テープTのバック層に、図1
(A)および(B)に示されるような、テープTの長手
方向に延在する加工線(加工線分)を形成する、本発明
の加工装置の別の例を示す。なお、図13には、搬送手
段は図示しないが、本例においても、搬送手段は図3に
示される加工装置10と同様でよい。また、図13にお
いても、テープTは、紙面に垂直方向に搬送される。
【0073】図13に示される加工装置50は、可視域
や紫外域のレーザビーム、好ましくは青色のレーザビー
ムを射出するレーザダイオード(LD=Laser Diode)を
配列したLDアレイ52と、LDアレイ52の各LDか
ら射出される各レーザビームを加工位置に結像するレン
ズを配列してなるレンズアレイ54とを用いるものであ
る。このLDアレイ52およびレンズアレイ54は、配
列方向が搬送方向xに対して角度を持つように配置され
る。このような光学系を用い、多数のレーザビームを加
工位置に入射しつつ、搬送手段によって長手方向にテー
プTを搬送することにより、同様に、長手方向に延在す
る加工線をテープTのバック層に形成できる。
【0074】レンズアレイ54を構成するレンズとして
は、マイクロボールレンズ、セルフォックレンズ(GR
INレンズ)、マイクロモールドレンズ等が例示され
る。また、LDアレイ52(さらにレンズアレイ54)
は、LDを一列に配列したものに限定はされず、搬送方
向にも複数配列してもよく、例えば、前述の多眼レンズ
22のように、細密状態や碁盤目状に配列して、より高
密度に加工線を形成してもよい。
【0075】この加工装置50において、図1(D)等
に示されるような波型の加工線d等を形成するために、
レーザビームを幅方向に往復動する際には、LDアレイ
52およびレンズアレイ54を共に幅方向に往復動して
もよく、LDアレイ52およびレンズアレイ54のいず
れか一方のみを幅方向に往復動してもよい。
【0076】図14に、図1(C)に示されるような、
長手方向に対して角度を持って延在する加工線(線分)
を形成する加工装置の概略図を示す。なお、図14に示
される例は、多くの部材が図3に示される加工装置10
と共通であるので、同じ部材には同じ符号を付し、説明
は、異なる部位を主に行う。
【0077】図14に示される加工装置60は、光源1
2と、パルス変調器14と、ミラー16と、x方向走査
素子62と、y方向走査素子64と、収束レンズ66
と、搬送手段24とを有して構成される。すなわち、加
工装置60は、加工装置10のビームエクスパンダ1
8、成形器20および多眼レンズ22の代わりに、x方
向走査素子62、y方向走査素子64および収束レンズ
66を配置したものである。従って、光源12から射出
されたレーザビームは、必要に応じてパルス変調器14
でパルス変調され、ミラー16で偏向されて、x方向走
査素子62に入射する。
【0078】x方向走査素子62は、レーザビームを搬
送方向xに偏向走査する光走査素子である。他方、y方
向走査素子64は、x方向走査素子62によって走査さ
れたレーザビームを、幅方向に偏向する光走査素子であ
る。図示例の加工装置60においては、このように互い
に直交する方向にレーザビームを偏向走査する光走査素
子を有することにより、レーザビームを斜め方向に走査
する。なお、光走査素子には特に限定はなく、例えば、
ガルバノメータミラー、ポリゴンミラー、AOD(音響
光学偏向器)等、公知の光偏向器が各種利用可能であ
る。
【0079】斜め方向に偏向されたレーザビームは、x
方向走査素子62およびy方向走査素子64によるレー
ザビームの偏向走査領域に対して十分な面積を有し、か
つ、xおよびyの両方向にレンズパワーを有する収束レ
ンズ66に入射し、加工位置に対応する所定の走査位置
に所定のビームスポット径で入射、結像し、走査線を画
成する。なお、この収束レンズ66は、fθレンズ等用
いるのが好ましい。ここで、前述のように、テープT
は、搬送手段24によって裏面をレーザビーム光路の上
流側に向けて加工位置に位置されつつ長手方向に搬送さ
れている。そのため、テープTのバック層には、図1
(C)に示されるような斜め方向に延在する加工線が、
連続的に形成され、テープTを長手方向に一回搬送する
だけで、斜め方向に多数の加工線分cが形成されたテー
プTを製造することができる。
【0080】このような加工装置60によって、図1
(F)に示されるような、間隔の異なる加工線分cを形
成する際には、例えば、パルス変調器14における変調
を調整してレーザビームの照射間隔を調整することによ
って、加工線分cの形成間隔を調整してもよく、光源1
2が直接変調可能なものである場合には、光源12から
のレーザビームの出力間隔を調整することによって、加
工線分cの形成間隔を調整してもよい。なお、この際に
おいても、テープを巻回した際に、少なくとも上下のテ
ープTの加工線分cは重ならないように、形成間隔すな
わち変調を調整する。
【0081】このような、光ビームの偏向走査を行う態
様においては、x(長手)方向および幅方向の両方の光
偏向素子を有するものに限定はされず、幅方向あるいは
斜め方向にレーザビームを偏向する光偏向素子を1つの
みを有するものであってもよい。前述のように、テープ
Tは加工位置でx方向に搬送されているので、レーザビ
ームを幅方向に走査して入射すれば、テープTの搬送速
度とレーザビームの走査速度との兼ね合いで、テープT
上には、結果的に斜め方向の走査線が画成され、斜め方
向に延在する加工線が形成できる。また、走査の方向を
同方向(例えば、幅方向)として、走査の向き(右から
左と、左から右等)が異なる複数の光学系を用いること
により、図1(C)に示されるような加工線分を形成し
てもよい。
【0082】図15に、本発明の加工装置の別の例を示
す。なお、図15において、(A)は概略斜視図を、
(B)は概略断面図(線図的断面図)を、それぞれ示
す。また、(A)においては、構成を明瞭にするため
に、テープTは省略する。図15に示される例は、側壁
を貫通する多数のアパーチャ82(貫通孔)を有する円
筒状のテープガイド84用いるものである。図示例は、
図1(B)に示されるような加工線分b(加工線分bに
よる点線)を形成するもので、円周方向(後述する回転
方向=テープTの長手方向)に延在する短い線分状のア
パーチャ82が、テープガイド84の円周方向および軸
線方向に多数配列されている。言い換えれば、アパーチ
ャ82によって形成される円周方向に延在する点線が、
軸線方向に配列されて複数形成されている。
【0083】なお、このアパーチャを斜め方向に形成す
ることにより、図1(C)に示されるような、斜め方向
に延在する加工線分cが形成できる。また、アパーチャ
は、軸線方向に延在するものであってもよい。あるい
は、これらの複数種が形成され、各種の加工線分を形成
してもよい。
【0084】テープガイド84は底面をガイド支持体8
6によって、軸線(中心線)を中心に回転自在に支持さ
れ、後述するテープTの走行によって、テープTとスリ
ップすることなく回転される。なお、この回転は、ガイ
ド支持体86に駆動源を設けて行ってもよい。また、テ
ープガイド84の内部には、反射面を上に向けて45°
の角度でミラー88が固定されている。なお、ミラー8
8の固定方法には限定はなく、公知の方法でよいが、こ
のミラー88は、テープガイド84と共に回転しないよ
うに固定される。
【0085】テープTのバック層を加工するためのレー
ザビームは、前述の各例と同様の光源(図示省略)から
射出され、シート状レーザ形成手段90によって、シー
ト状(面状)のレーザ光(以下、シート光とする)とさ
れる。このシート光は、テープガイド84の内部に入射
され、ミラー88によって90°光路を折り曲げられ
て、テープガイド84の内側面に入射し、テープガイド
84の軸線方向に延在する線(レーザ光による線)を形
成する。なお、シート光によって形成される線は、軸線
方向に延在するのに限定はされず、例えば、軸線に対し
て斜め方向であってもよい。すなわち、テープガイド8
4の内側面の所定位置に入射して、線を形成すればよ
い。
【0086】本例においては、テープTは、前記内側面
へのシート光の入射位置に対応する位置を含むように、
バック層をテープガイド84の外側面の一部に当接して
(巻き掛けられて)、テープガイド84を軸線を中心に
回転するように長手方向に搬送される。なお、図15
(B)においては、作用を明瞭にするために、テープガ
イド84とテープTとは離して示し、また、断面部以外
のアパーチャ82は省略する。
【0087】前述のように、テープガイドの側壁には、
多数のアパーチャ82が形成されており、また、テープ
ガイド84の内側面には、シート状レーザ形成手段90
によってシート光にされ、ミラー88によって90°反
射された、テープガイド84の軸線方向に線を形成する
シート光が入射している。従って、シート光のうち、テ
ープガイド84のアパーチャ82に入射したレーザ光が
テープガイド84から射出され、分割されたレーザビー
ムとして、テープTのバック層に入射して加工を行い、
例えば、図1(B)に示されるような加工線分bを形成
する。
【0088】なお、この加工装置においては、テープT
のバック層をテープガイド84の外側面に接触した状態
で、アパーチャ82から射出されたレーザ光によってバ
ック層を加工するため、加工時に発生する粉塵によって
アパーチャ82が目詰まりを起こす場合もある。そのた
め、図示例においては、好ましい態様として、ガイドク
リーナ92をテープガイド84の外側壁面に当接して、
この外側面を清掃しつつ、加工線分を形成する。なお、
ガイドクリーナ92には特に限定はなく、前述のクリー
ニングテープ、ティッシュ、不織布等の布等の公知の清
掃方法を利用すればよい。
【0089】図15に示される例において、シート状レ
ーザ形成手段90には特に限定はなく、前記図11に示
される方法や、シリンドリカルレンズを組み合わせてレ
ーザビームをシート光にする光学素子等、公知の方法が
各種利用可能である。
【0090】テープガイド84のアパーチャ82は、公
知の方法で形成すればよい。例えば、金属製等の遮光性
の円筒にYAGレーザ等の加工用レーザを用いて形成す
る方法が例示される。あるいは、石英ガラス等で形成さ
れる透明な円筒に、アパーチャ82に対応する光通過部
および遮光部を有するマスクパターンを形成してもよ
い。なお、このマスクパターンの形成方法には特に限定
はなく、金属蒸着等による蒸着薄膜、フィルム転写、印
刷等、公知の方法が各種利用可能である。
【0091】本発明において、図15に示されるよう
な、円筒状のテープガイド84を用いる態様において
は、アパーチャ82に、ビーズガラス、マイクロボール
レンズ、セルフォックレンズ等の小型のレンズを配置し
て、アパーチャ82を通過するレーザビームを、このレ
ンズによって加工位置(加工位置に位置するテープTの
バック層)に結像してもよい。また、テープガイドとし
て、透明な円筒を用いる場合には、アパーチャ82に対
応する光通過部に、前記小型のレンズを配置してもよ
い。なお、アパーチャ82や光通過部に配置されるレン
ズは、アパーチャ82に挿入あるいは透明な円筒中に埋
め込んでもよく、テープガイド84の内側面および外側
面の少なくとも一方に固定してもよく、両者を併用して
もよい。
【0092】この構成によれば、アパーチャ82や光通
過部のサイズを大きくすることができるので、テープガ
イド84の加工性等より良好することができ、テープガ
イド84のコストを低減することができる。
【0093】図示例においては、テープガイド84にテ
ープTを当接することによってテープTを加工位置に位
置して加工を行っているが、テープガイド84と前述の
テープフラットナ30とを併用してもよい。この場合に
は、テープガイド84(アパーチャ付き円筒)の回転手
段を設け、テープTの搬送速度に応じて、テープガイド
84を回転する。回転手段は、テープガイド84に当接
するローラや、テープガイド84に巻きかかるベルト等
の公知の手段を利用すればよい。
【0094】なお、円筒状のテープガイド84を用いる
態様において、テープフラットナ30のように、テープ
ガイド84に変わってテープTを加工位置に支持する手
段を用いる場合には、テープガイド84とテープTとは
非接触であってもよい。テープTとテープガイド84と
が接触する態様においては、テープTの損傷を防ぐため
に、テープガイド84の回転速度(周速)とテープTの
搬送速度とは、一致させるのが好ましい。これに対し、
両者が接触しない態様においては、テープガイド84の
回転速度とテープTの搬送速度とは、必ずしも一致する
必要はない。また、回転速度および搬送速度のいずれか
一方を調整することにより、テープTの加工パターンを
変更あるいは調整してもよい。
【0095】以上説明した、本発明によるテープTの加
工は、バック層を形成した後であれば、磁気テープ製造
工程のいつ行っても良く、例えば、スリッタによってテ
ープを製品幅に切断する前であっても、切断した後であ
ってもよい。
【0096】以上、本発明の磁気テープ加工方法および
加工装置について詳細に説明したが、本発明は上述の例
に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て、各種の改良や変更を行ってもよい。
【0097】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よればブレード機やワインダ機等の磁気テープの製造装
置において、搬送速度を高速化してもキャプスタンロー
ラ等でスリップすることがなく、従って、高速で正確な
搬送を行うことができ、しかも、カッピングの少ない、
優れた特性を有する磁気テープを、効率良く得ることが
できる。この磁気テープを用いることにより、適正な生
産管理の下、損傷の無い磁気テープを安定して高生産効
率で製造でき、かつカートリッジやパンケーキに巻き取
った際の巻き姿も美しくでき、かつ、カッピングに起因
するテープの外観低下、ヘッド当りの悪化、テープエッ
ジの損傷等も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A),(B),(C),(D),(E)お
よび(F)は、それぞれ本発明によって磁気テープのバ
ック層に形成される加工線(凹部)の一例を示す概念図
である。
【図2】 (A),(B)および(C)は、それぞれ本
発明によって磁気テープのバック層に形成される加工線
(凹部)の形状を示す概念図である。
【図3】 本発明の磁気テープ加工装置の一例の概念図
である。
【図4】 (A)および(B)は、図3に示される磁気
テープ加工装置に用いられる多眼レンズを説明するため
の概念図である。
【図5】 図3に示される磁気テープ加工装置に用いら
れる多眼レンズを説明するための概念図である。
【図6】 図3に示される磁気テープ加工装置に用いら
れる多眼レンズの別の例を示す概念図である。
【図7】 (A),(B),(C)および(D)は、そ
れぞれ図3に示される磁気テープ加工装置に用いられる
テープフラットナの一例の概念図である。
【図8】 図3に示される磁気テープ加工装置に用いら
れる光学系の別の例を説明するための概念図である。
【図9】 図3に示される磁気テープ加工装置に用いら
れる光学系の別の例を説明するための概念図である。
【図10】 図3に示される磁気テープ加工装置に用い
られる光学系の別の例を説明するための概念図である。
【図11】 図3に示される磁気テープ加工装置に用い
られる光学系の別の例を説明するための概念図である。
【図12】 図3に示される磁気テープ加工装置に用い
られる光学系の別の例を説明するための概念図である。
【図13】 本発明の磁気テープ加工装置の別の例の概
念図である。
【図14】 本発明の磁気テープ加工装置の別の例の概
念図である。
【図15】 本発明の磁気テープ加工装置の別の例の概
念図であって、(A)は概略斜視図を、(B)は概略断
面図を、それぞれ示す。
【符号の説明】
10,50,60 加工装置 12 光源 14 パルス変調器 16 ミラー 18 ビームエクスパンダ 20 (ビームプロファイル)成形器 22 多眼レンズ 24 搬送手段 26,28 ガイドローラ 30 テープフラットナ 32 AOM 34,40 結像レンズ 36 ドライバ 38 分割手段 42 ビーム移動手段 44 テープ移動手段 52 LEDアレイ 54 レンズアレイ 62 x方向走査素子 64 y方向走査素子 66 収束レンズ 70 ビームウエスト位置調整手段 72,82 ビームスプリッタ 74 収束レンズ 76 ロッドレンズ 78 シリンドリカルレンズ 80 アパーチャ板 82 アパーチャ 84 テープガイド 86 ガイド支持体 88 ミラー 90 シート状レーザ形成手段 92 ガイドクリーナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−99927 (32)優先日 平成11年4月7日(1999.4.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−112676 (32)優先日 平成11年4月20日(1999.4.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 早川 悟 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 永田 武史 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AF01 CA07 CD03 CD08 CD13 CE03 DA12 DB10 5D006 CC03 EA00 5D112 AA08 AA22 GA19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを長手方向に搬送しつつ、可視
    域のレーザビームおよび紫外域のレーザビームの少なく
    とも一方を前記磁気テープのバック層に入射し、前記バ
    ック層を加工して凹部を形成することを特徴とする磁気
    テープ加工方法。
  2. 【請求項2】前記磁気テープのバック層に入射するレー
    ザビームは、多眼レンズによって分割および結像された
    複数本のレーザビーム、分割手段によって分割された複
    数本のレーザビーム、および光走査素子で走査されたレ
    ーザビームの少なくとも一つである請求項1に記載の磁
    気テープ加工方法。
  3. 【請求項3】前記バック層の加工中に、前記磁気テープ
    の搬送方向と直交する方向への磁気テープの往復動、前
    記磁気テープの搬送方向と直交する方向へのレーザビー
    ムの往復動、および凹部の形成間隔の調整の少なくとも
    1つを行う請求項1または2に記載の磁気テープ加工方
    法。
  4. 【請求項4】可視域のレーザビームおよび紫外域のレー
    ザビームの少なくとも一方を射出する光源と、前記光源
    から射出されたレーザビームを所定の加工位置に入射す
    る光学系と、前記加工位置において、バック層を前記レ
    ーザビーム光路の上流側に向けた状態で磁気テープを長
    手方向に搬送する搬送手段と、前記加工位置において、
    前記搬送手段によって搬送される磁気テープの平面性を
    確保する手段とを有することを特徴とする磁気テープ加
    工装置。
  5. 【請求項5】前記光学系が、ビームエクスパンダおよび
    多眼レンズを有する請求項4に記載の磁気テープ加工装
    置。
  6. 【請求項6】前記光学系が、ビームウエスト位置調整手
    段、レーザビームの分割手段、および収束レンズを有す
    る請求項4に記載の磁気テープ加工装置。
  7. 【請求項7】前記光源が半導体レーザアレイで、前記光
    学系が前記半導体レーザアレイから射出されたレーザビ
    ームを結像する結像手段を有する請求項4に記載の磁気
    テープ加工装置。
  8. 【請求項8】前記光学系が、前記搬送手段による磁気テ
    ープの搬送方向に対して角度をもってレーザビームを走
    査する光偏向素子と、走査レンズとを有する請求項4に
    記載の磁気テープ加工装置。
  9. 【請求項9】前記加工位置において磁気テープの搬送方
    向と直交する方向に磁気テープを往復動する手段、前記
    加工位置において磁気テープの搬送方向と直交する方向
    にレーザビームを往復動する手段、および前記磁気テー
    プへのレーザビームの照射間隔を調整する手段の少なく
    とも1つを有する請求項4〜8のいずれかに記載の磁気
    テープ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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