JP2001003575A - 大谷石で造られた構築物の補修方法 - Google Patents

大谷石で造られた構築物の補修方法

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JP2001003575A
JP2001003575A JP11172358A JP17235899A JP2001003575A JP 2001003575 A JP2001003575 A JP 2001003575A JP 11172358 A JP11172358 A JP 11172358A JP 17235899 A JP17235899 A JP 17235899A JP 2001003575 A JP2001003575 A JP 2001003575A
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oya
stones
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joint
tuff
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Kenji Mizumura
健司 水村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大谷石造りの塀、門柱、擁壁等の構築物の風
化、破損部分を補修する従来の方法は、補強、風化に対
する根本的な対策が為されていなかった。このため、多
額の費用をかけて構築物全体を新たに造り直すこともあ
った。 【解決手段】例えば、大谷石造りの塀の場合、先ず、大
谷石の風化、破損部分を除去する。その際、古くなった
目地も除去する。洗浄、乾燥後、目地部の所定箇所にコ
ーキング剤を注入して大谷石を固定する。風化、破損部
分が除去された箇所の表面に、接着剤を散布し、セメン
トモルタルを塗り込んで大谷石の原形に復元する。目地
部に目地セメントを塗り込んだ後、目地部を覆い、大谷
石の粉を接着剤と混合、着色して、塀全体の大谷石の表
面に吹き付け、乾燥後、吸水防止剤をこの上に吹き付け
塗布する。これによって補強、風化防止対策が万全とな
り、塀全体に施工するため、色むらもなく、新品同様の
塀を再生することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は構築物、特に大谷石
で造られた塀、門柱、擁壁等の構築物の風化、破損部分
を修理・補強して再生する補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大谷石は塀、門柱、擁壁等の構築物の建
築材料として使用されているが、風化してくると表面か
ら剥がれて落ちてくる。これをそのまま放置しておくと
剥落が進み、穴が空いて塀が倒れたり、擁壁などでは上
部の建物ごと崩壊してしまうこともある。こうした大谷
石の風化部分の補修方法として、従来は、剥落部分をセ
メントで補ったり、穴の空いた箇所にセメントを詰めて
埋めるなどしていた。また、風化、破損がひどく倒壊の
恐れがある場合は、塀などを全部新たに造り直したりし
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の補修方法は、い
ずれも一時しのぎ程度のものであり、補強、風化に対す
る根本的な対策は為されていなかった。また、塀などを
新たに全部造り直すとなれば多大な費用がかかることに
なる。本発明は補修によって構築物の強度を高めると共
に、再度の風化を防止することにより新品同様の塀、門
柱、擁壁等の構築物を再生することができる新規な補修
方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、大谷石造りの
塀、門柱、擁壁等の構築物の補修方法において、大谷石
の風化、破損部分を除去する際に古くなった目地も取り
除き、目地部へ新たな目地セメントを塗り込む前にコー
キング剤を注入、浸透させる工程を含むものである。し
かも、目地部全体に注入するのではなく、修理作業に当
たって大谷石が不安定にならないよう固定するために必
要な箇所に注入するだけで完成後の構築物の強度を高め
ることができる。注入箇所の好ましい例として、1つの
大谷石についてみると、その4隅の目地部に注入するこ
とでよい。また、風化、破損部分が除去された箇所に、
セメントモルタルを塗りこんで大谷石の原形に復元した
後に、構築物を構成する全ての大谷石の表面に、大谷石
の粉を接着剤と混ぜ、着色したものを塗布し、乾燥し
て、その上に吸水防止剤を塗布する工程を有することに
より風化を防止し、色むらの生じない新品同様の塀、門
柱、擁壁等の構築物を再生することができる。ここで吸
水防止剤とは、塗布した表面からの水の侵入は防止する
が、空気は自由に流通するもので、大谷石に塗布するこ
とによって、防水効果と共に自然の大谷石同様に呼吸す
ることができるようにし、風化を防止するものである。
以下の例で更に詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】大谷石造りの塀について本発明の
補修方法を説明する。大谷石造りの塀は、通常、長方体
に切り出された大谷石を複数個、左右上下に積み上げて
構成されている。積み上げられた大谷石と大谷石との間
には、目地セメントが塗り込まれ、これによって複数の
大谷石が相互に保持され、また、雨水等の隙間への浸透
が防止され、外見的にも見栄えをよくしている。このよ
うな塀に風化、破損箇所が出てきたとき、本発明では以
下の作業を経て補修を行う。 (1)先ず、大谷石の風化、破損部分をハンマーなどを
使って叩いて落とし、おおよそ取り除く。次に、取り残
した微細な部分をワイヤーブラシなどで削って取り除
く。また、風化、破損が生じる頃には目地も古くなって
いるのでこれも取り除く。 (2)高圧ホースを用い、水圧によって表面に付いた破
砕粉末や削り屑を完全に洗い流す。特に、風化して穴な
どが開いている箇所は入念に水洗いする。水洗いが終わ
ったら乾燥させる。 (3)上記(1)の工程で取り除いた目地部の所定箇所
にコーキング剤を注入する。コーキング剤は固まると隣
接する石と石とを強固に固定して完成後の塀の強度を高
める効果があるので多くの箇所に注入することも考えら
れるが、後の工程で改めて新しい目地セメントを塗り込
むので、この段階では、補修する石を復元作業の際、し
っかり固定しておく必要から最低限4隅に注入する。つ
まり、1つの大谷石についてみれば4周で隣の大谷石と
接しているが、その4周の4隅に注入すれば充分であ
る。 (4)水洗い、乾燥の済んだ、風化、破損部分が取り除
かれた箇所の表面に、モルタル接着剤を散布する。な
お、(3)の作業と(4)の作業は施工箇所が異なるの
で作業順序はいずれを先にしてもよい。 (5)上記(4)の作業でモルタル接着剤が散布された
表面にセメントモルタルを塗り込み、大谷石の原形に復
元する。すなわち、風化、破損が生じない前の自然の大
谷石のように復元する。 (6)目地部に目地セメントを塗り込み、目地こてを使
って目地切りをする。 (7)大谷石の表面に次の処理を施すため、目地が乾い
たら、粘着テープを貼って目地に処理剤がかからないよ
うにする。周囲に物があれば、汚さないようこれには部
分的に接着剤が付いている養生テープなどで防護カバー
を施す。 (8)大谷石の粉末と、大谷石との接着性がよい接着剤
を混合したものを着色して、セメントモルタルを塗り込
んで復元した箇所を含む塀全体の大谷石の表面に、エア
ーガンを使って吹きつけ散塗する。大谷石と接着性のよ
い接着剤として、例えば、モルタル接着剤として市販さ
れているマノール社製のマノールSBR(登録商標)を
使用する。 (9)上記吹き付け散塗した表面が完全に乾いたら(晴
天時で4時間以上必要)、その上に吸水防止剤を吹きつ
け散塗する。吸水防止剤は、これを塗布した表面からの
水の侵入は防止するが、空気は自由に流通するもので、
一例として、市販されているアクアシール(登録商標・
住友精化)を使用する。吸水防止剤を大谷石に塗布する
ことによって、防水効果と共に自然の大谷石同様に呼吸
することができるようにし、風化を防止するものであ
る。 (10)以上の作業が終了した後、粘着テープ更には養
生テープを取り除いて工事は完了する。
【0006】
【発明の効果】本発明の補修方法によれば、コーキング
剤の注入・浸透によってより一層強度を高めることがで
き、また、大谷石の表面に吸水防止剤を施すことによっ
て風化を防止することができる。しかも、このような方
法を塀、門柱、擁壁等の全体に実施するため色むらが生
じず、費用のかかる大がかりな建て替え工事をすること
なく、新品同様の塀、門柱、擁壁等の構築物を再生する
ことが可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)大谷石の風化、破損部分を取り除く
    と共に古い目地を取り除き、(ロ)高圧ホースを用いて
    破砕粉末や削り屑を洗浄し、乾燥させ、(ハ)上記
    (イ)の工程で除去された目地部の所定箇所に、コーキ
    ング剤を注入、浸透させ、(ニ)風化、破損部分の除去
    された箇所の表面には、モルタル接着剤を散布し、
    (ホ)上記モルタル接着剤を散布した表面に、セメント
    モルタルを塗り込んで大谷石の原形に復元し、(へ)目
    地部に目地セメントを塗り込んで目地切りし、(ト)乾
    燥後、粘着テープで目地を覆い、(チ)大谷石の粉を接
    着剤と混合し、着色して、復元箇所を含む全ての大谷石
    の表面に吹き付け散塗し、(リ)乾燥後、上記吹き付け
    散塗された大谷石の表面に、吸水防止剤を吹き付け散塗
    する。以上の(イ)から(リ)の工程を少なくとも有す
    ることを特徴とする大谷石で造られた塀、門柱、擁壁等
    の構築物の補修方法。
JP11172358A 1999-06-18 1999-06-18 大谷石で造られた構築物の補修方法 Pending JP2001003575A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101367251B (zh) * 2008-09-27 2011-02-16 王建秋 石材局部缺陷的修复方法及其专用打磨装置
CN101524874B (zh) * 2007-06-07 2012-06-13 万峰石材科技有限公司 具有层纹、线条、斑团之类仿天然石材外观的人造石制备方法及其产品
CN104032983A (zh) * 2014-04-03 2014-09-10 中国科学院地质与地球物理研究所 一种用于斜坡摩崖石刻风化防护的半封闭式全覆盖隔离方法

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