JP2001002849A - エチレン系樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

エチレン系樹脂組成物およびフィルム

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JP2001002849A
JP2001002849A JP11172015A JP17201599A JP2001002849A JP 2001002849 A JP2001002849 A JP 2001002849A JP 11172015 A JP11172015 A JP 11172015A JP 17201599 A JP17201599 A JP 17201599A JP 2001002849 A JP2001002849 A JP 2001002849A
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ethylene
mfr
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film
resin composition
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JP11172015A
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English (en)
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Shinichi Nagano
伸一 永野
保雄 ▲船▼原
Yasuo Funahara
Hiroshi Inoue
弘 井上
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のポリエチレンフィルムよりも、厚みばら
つきが少なく、引裂強度と衝撃強度に優れたポリエチレ
ンフィルムを製造することが可能な、エチレン系樹脂組
成物とそのフィルムを提供する。 【解決手段】(A)(i)密度、 (ii)メルトフローレート(MF
R)、 (iii)室温におけるデカン可溶成分量率(W:重量%)
と密度(d)との関係に特徴を有する、エチレンと炭素原
子数3〜20のα-オレフィンとからなるエチレン・α-オレ
フィン共重合体1〜30重量部と、(B)(i)密度、 (ii)メル
トフローレート(MFR)、 (iii)分子量分布(Mw/Mn:Mw=重
量平均分子量、Mn=数平均分子量)に特徴を有する高密度
ポリエチレン70〜99重量部とを含有してなるエチレン系
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン系樹脂組
成物およびそのフィルムに関し、さらに詳しくは厚みば
らつきが少なく引裂強度と衝撃強度に優れるポリエチレ
ンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンフィルムは、レジ袋、ゴミ
袋、規格袋、ファッションバッグ、小物包装袋、各種部
品包装用、建材用、農業用等の幅広い分野で使用されて
いる。特に高密度ポリエチレンフィルムは、機械的強度
が優れまた耐水性に優れることから、上記分野に大量に
使用されている。近年リサイクルやゴミの減量化等の環
境問題が注目を集めており、上記用途に使用されるポリ
エチレンフィルムの薄肉化が可能となれば、その社会的
意義は極めて大きい。しかしながら従来の高密度ポリエ
チレンフィルムは、厚みばらつきが比較的大きく、部分
的に引裂強度や衝撃強度が弱い箇所があった為、薄肉化
に限界があった。
【0003】また、上記ポリエチレンフィルムを袋とし
て使用する場合、製袋機で袋に加工する際に、厚みばら
つきが大きいと、高速での加工が不可能となる為、厚み
ばらつきの少ないフィルムが産業上の理由からも求めら
れている。従って、厚みばらつきが少なく、引裂強度と
衝撃強度のばらつきが少ないポリエチレンフィルムが望
まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、
従来のポリエチレンフィルムよりも、厚みばらつきが少
なく、引裂強度と衝撃強度に優れたポリエチレンフィル
ムを製造することが可能なエチレン系樹脂組成物とその
フィルムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るエチレン系樹
脂組成物は、(A)(i)密度が0.890〜0.920
g/cm3であり、(ii)メルトフローレート(MFR)
が0.05〜5.0g/10分であり、(iii)室温に
おけるデカン可溶成分量率(W: 重量%)と密度
(d: g/cm3)とが、 W<80×exp(−100×(d−0.88))+
0.1 で示す関係を満たす、エチレンと炭素原子数3〜20の
α−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共
重合体1〜30重量部と、(B)(i)密度が0.940
〜0.970g/cm3であり、(ii)メルトフローレ
ート(MFR)が0.01〜0.5g/10分であり、
(iii)GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/M
n: Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量)が
15〜80である高密度ポリエチレン70〜99重量部
とを含有してなることを特徴としている。
【0006】本発明に係るエチレン系樹脂組成物は、メ
ルトフローレート(MFR)が0.01〜0.3g/1
0分であり、示差走査熱量測定(DSC)により求めた
融点が125〜135℃であり、流動性インデックス
(FI: 1/秒)とメルトフローレート(MFR: g
/10分)とが FI≧1500×MFR で示される関係を満たすことが望ましい。
【0007】また前記エチレン系樹脂組成物から形成さ
れたフィルムの厚みは、その使用目的に応じて5〜60
μmであることが望ましく、更にはインフレーション成
形法により成形されたフィルムであることが望ましい。
【0008】以下、本発明に係るエチレン系樹脂組成物
およびフィルムについて具体的に説明する。
【0009】エチレン・α−オレフィン共重合体(A) 本発明に係るエチレン系樹脂組成物の一成分として用い
られるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エ
チレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重
合体である。エチレンとの共重合に用いられる炭素原子
数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1
−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラ
デセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘ
プタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−
エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1
−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジ
メチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3
−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、1
1−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラ
デセン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これら
の内、炭素原子数3〜10のα−オレフィン特に1−ブ
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−
オクテンが好ましい。
【0010】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
の密度(d)は、0.890〜0.920g/cm3
範囲が好ましく、特に0.895〜0.920g/cm
3の範囲が好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合
体(A)の密度(d)がこの範囲にあると、衝撃強度に
優れたポリエチレンフィルムが得られる。なお密度は、
190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレ
ート(MFR)測定時に得られるストランドを120℃
で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで冷却した後、
密度勾配管で測定する。
【0011】このエチレン・α−オレフィン共重合体
(A)のメルトフローレート(MFR)は、0.05〜
5.0g/10分の範囲にあり、特に0.1〜4.5g
/10分の範囲にあることが好ましい。エチレン・α−
オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(MF
R)がこの範囲にあると、フィルム成形が容易であり、
厚みばらつきが少なく、衝撃強度や引裂強度に優れたポ
リエチレンフィルムが得られる。なお、MFRはAST
M D 1238に準拠し、温度190℃、荷重2.16
kgで測定する。
【0012】また、エチレン・α−オレフィン共重合体
(A)は、室温におけるデカン可溶成分量率(W: 重
量%)と密度(d: g/cm3)とが、 W<80×exp(−100×(d−0.88))+
0.1 で示す関係を満たすことが好ましい。このデカン可溶成
分量率(W: 重量%)が前記関係を満たしていると、
衝撃強度と引裂強度に優れたフィルムが得られる。室温
におけるデカン可溶成分量率(W: 重量%)は、試料
(エチレン・α−オレフィン共重合体)約3mgを45
0mlのn−デカンに加え、145℃で溶解した後、こ
の溶液を23℃(室温)まで冷却し、次いで濾過し濾液
中のn−デカン不溶部を除去し、濾液よりn−デカン可
溶部を回収し、n−デカン可溶部の重量を最初の試料の
重量で除し、得られた値に100を掛ける事によって求
められる。
【0013】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(A)は、例えば特開平6−9724号公
報、特開平6−136195号公報、特開平6−136
196号公報、特開平6−207057号公報等に記載
されているメタロセン触媒成分(a)を含む、いわゆる
メタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレ
ンとα−オレフィンとを共重合させることによって調製
する事ができる。このようなメタロセン系触媒は、通
常、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なく
とも1個有する、周期律表第IVB族の遷移金属化合物か
らなるメタロセン触媒成分(a)、および有機アルミニ
ウムオキシ化合物触媒成分(b)、必要に応じて微粒子
状担体(c)、有機アルニミウム化合物触媒成分
(d)、イオン化イオン性化合物触媒成分(e)から形
成される。
【0014】本発明で好ましく用いられるメタロセン触
媒成分(a)としては、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を少なくとも1個有する、周期律表第IVB族
の遷移金属化合物がある。この様な遷移金属化合物とし
ては、例えば下記の一般式[I]で示される遷移金属化
合物が挙げられる。 ML1 x ・・・ [I] 式中、xは遷移金属原子Mの原子価である。Mは、周期
律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、ジルコ
ニウムが好ましい。L1は、遷移金属原子Mに配位する
配位子であり、これらの内、少なくとも1個の配位子L
1は、シクロペンタジエニル基骨格を有する配位子であ
り、そのシクロペンタジエニル基骨格には置換基を有し
ていてもよい。
【0015】上記一般式[I]で表わされる化合物が、
シクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場
合には、その内2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、(置換)アルキレン基、または(置換)シ
リレン基などを介して結合されていてもよい。また、こ
の2個のシクロペンタジエニル基骨格は、メチル基、エ
チル基等の置換基を2個以上有していてもよい。
【0016】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子L1は、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、トリアルキルシリル基、スルホナト基含有炭化水
素基、ハロゲン原子または水素原子である。
【0017】有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)としては、従来公知のアルミノオキサンが好まし
く用いられる。微粒子状担体(c)としては、従来公知
の無機または有機化合物であって、粒径が好ましくは2
0〜200μmの、顆粒状ないし微粒子状の固体であ
る。
【0018】有機アルミニウム化合物触媒成分(d)と
しては、トリアルキルアルミニウム、アルケニルアルミ
ニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルア
ルミニウムセスキハライドなどが用いられる。
【0019】イオン化イオン性化合物触媒成分(e)と
しては、ルイス酸; トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のイオン性
化合物; ドデカボラン等のカルボラン化合物などが用
いられる。
【0020】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(A)は、上記の様なメタロセン触媒成分
(a)を含む触媒の存在下に、気相、またはスラリー状
あるいは溶液状の液相で種々の条件で、エチレンとα−
オレフィンとを共重合させることにより得ることができ
る。スラリー重合法または溶液重合法においては、不活
性炭化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン自体を溶
媒とすることもできる。本発明においては、上記エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)の調製に際し、必要
に応じて(1)多段重合、(2)液相と気相の多段重
合、または(3)液相での予備重合を行った後に気相で
の重合を行う等の手段を採用することができる。これら
の方法で得られたエチレン・α−オレフィン共重合体
(A)は、ほぼ直鎖状の分子構造を有し、低分子量成分
が極めて少ない。
【0021】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)および高
密度ポリエチレン(B)の合計量100重量部に対し
て、1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部の割合
で用いられる。
【0022】高密度ポリエチレン(B) 本発明に係るエチレン樹脂組成物の一成分として用いら
れる、高密度ポリエチレン(B)の密度(d)は、0.
940〜0.970g/cm3の範囲にあり、特に0.
945〜0.965g/cm3の範囲にあることが好ま
しい。高密度ポリエチレン(B)の密度(d)がこの範
囲にあると、適度な剛性を有するポリエチレンフィルム
が得られる。
【0023】この高密度ポリエチレン(B)のメルトフ
ローレート(MFR)は、0.01〜0.5g/10分
の範囲にあり、特に0.01〜0.1g/10分の範囲
にあることが好ましい。高密度ポリエチレン(B)のメ
ルトフローレート(MFR)がこの範囲にあると、フィ
ルム成形が容易であり、衝撃強度や引裂強度に優れたポ
リエチレンフィルムが得られる。
【0024】また高密度ポリエチレン(B)のGPCに
おいて測定した分子量分布(Mw/Mn: Mw=重量
平均分子量、Mn=数平均分子量)が15〜80、特に
20〜70であるのが好ましい。高密度ポリエチレン
(B)のGPCにおいて測定した分子量分布(Mw/M
n)がこの範囲にあると、フィルム成形が容易であり、
衝撃強度に優れたポリエチレンフィルムが得られる。な
お、分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC
−150Cを用い、以下の様にして測定した。分離カラ
ムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径
72mm、長さ600mmであり、カラム温度は140
℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン[和光純薬工
業(株)製]および酸化防止剤としてBHT[武田薬品
工業(株)製]0.025重量%を用い、1.0ml/
分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入
量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用い
た。標準ポリスチレンは分子量がMw<1000および
Mw>4×106については東ソー(株)製を用い、1
000<Mw<4×106についてはプレッシャーケミ
カル社製を用いた。
【0025】本発明で用いられる高密度ポリエチレン
(B)は、上記の様な密度、メルトフローレート及びG
PCにおいて測定した分子量分布を有する高密度ポリエ
チレンであればよく、エチレン単独重合体のみならず、
エチレンと少量のα−オレフィン、例えば3モル%以下
のプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、
1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテンなどのα−オレフィンを共重合させた、
エチレン・α−オレフィン共重合体を用いることもでき
る。
【0026】本発明においては、高密度ポリエチレン
(B)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)お
よび高密度ポリエチレン(B)の合計量100重量部に
対して、70〜99重量部、好ましくは80〜97重量
部の割合で用いられる。
【0027】エチレン系樹脂組成物 本発明に係るエチレン系樹脂組成物は、上記の様なエチ
レン・α−オレフィン共重合体(A)と高密度ポリエチ
レン(B)とからなる。エチレン・α−オレフィン共重
合体(A)および高密度ポリエチレン(B)の合計量1
00重量部に対して、エチレン・α−オレフィン共重合
体(A)が1〜30重量部、好ましくは3〜20重量
部、高密度ポリエチレン(B)が70〜99重量部、好
ましくは80〜97重量部の割合で用いられる。
【0028】本発明に係るエチレン系樹脂組成物は、メ
ルトフローレート(MFR)が0.01〜0.3g/1
0分の範囲にあり、特に0.02〜0.2g/10分の
範囲にあることが好ましい。メルトフローレートがこの
範囲であると、既存のインフレーション成形機にて容易
に成形する事が可能である。
【0029】また本発明に係るエチレン系樹脂組成物
は、DSC(示差走査型熱量計)により求めた融点が1
25〜135℃であり、特に127〜133℃の範囲に
あることが剛性と製袋時のヒートシール特性の点で好ま
しい。融点は、DSC(示差走査型熱量計)により測定
した、吸熱曲線の最大ピーク位置の温度であり、試料約
7mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで
昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分で室
温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲
線より求められる。測定にはパーキンエルマー社製DS
C−7型装置を用いた。
【0030】更には本発明に係るエチレン系樹脂組成物
は、流動性インデックス(FI:1/秒)とメルトフロ
ーレート(MFR: g/10分)とが、 FI≧1500×MFR で示される関係を満たし、特に FI≧2000×MFR で示される関係を満たすことが好ましい。
【0031】流動性インデックス(FI: 1/秒)
は、試料をキャピラリーから190℃で押出し、ずり応
力が2.4×106dyne/cm2に到達する時のずり
速度で定義される。すなわち(株)東洋精機製作所製の
毛細管式流れ特試験機を用い、樹脂温度190℃、ずり
応力の範囲が5×104〜3×106dyne/cm2
度で測定し、ずり応力が2.4×106dyne/cm2
の時のずり速度を測定することにより決定される。な
お、測定する試料のメルトフローレート(MFR)によ
って、ノズル直径を次の様に変更して測定する。 10≧MFR>3 のとき 1.0mm 3≧MFR>0.8のとき 2.0mm 0.8≧MFR のとき 3.0mm
【0032】本発明において、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体(A)および高密度ポリエチレン(B)との
混合方法は、予め押出機等でメルトブレンドする方法、
ブレンダーにてドライブレンドする方法、連続する多段
重合器で調製する方法等の、何れの方法に依ってもよ
い。
【0033】このエチレン系樹脂組成物に、必要に応じ
て、従来公知の酸化防止剤、耐熱安定剤、塩酸吸収剤、
紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、帯電防止剤、顔料、染料、カーボンブラック、無機
フィラー、ポリエチレンフィルム再生品、エチレン・α
−オレフィン共重合体ゴム等の種々の添加剤を、本発明
の目的を損なわない範囲で含有させることができる。
【0034】ポリエチレンフィルム 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と高密度
ポリエチレン(B)とからなるエチレン系樹脂組成物
に、必要に応じて添加剤を加えた後、ポリエチレンフィ
ルムを製造する。
【0035】本発明に係るポリエチレンフィルムは、上
述したポリエチレン樹脂組成物から、インフレーション
成形法により製造されることが望ましい。インフレーシ
ョン法によるフィルム成形は、上述したポリエチレン樹
脂組成物を環状スリットダイを介して押出し、所定の空
気流によって膨張させることにより行われる。ポリエチ
レン樹脂組成物を押出しする際の樹脂温度は、180〜
250℃とすることが好適である。ダイ面からの白化点
高さはダイ径の8〜15倍であることが望ましい。また
膨比は1.5〜6倍が好ましい。更に本発明に係るポリ
エチレンフィルムは、厚みが5〜60μm、好ましくは
6〜50μmであることが望ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、特定の組成からなり特
定の物性を有するエチレン系樹脂組成物を使用すること
により、従来の高密度ポリエチレンフィルムよりも、厚
みばらつきが少なく、引裂強度と衝撃強度に優れた、ポ
リエチレンフィルムを得ることができる。従って、レジ
袋、規格袋、ファッションバッグ、小物包装袋、各種部
品包装用、建材用等への使用に際して、薄肉化が可能で
ある。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0038】なお、実施例および比較例におけるポリエ
チレンフィルムの、厚みのばらつき、衝撃強度およびエ
ルメンドルフ引裂強度は、以下の試験方法に従って求め
た。 (1)厚みのばらつき アンリツ社製のフィルム厚み連続測定装置K−306A
およびK−310Cを用いて、15mm間隔で膜厚を測
定して、計算によりばらつきを求めた。すなわち、これ
らの装置でフィルム厚みの平均値および標準偏差値を測
定し、(2×標準偏差値)/(フィルム厚みの平均値)
をフィルム膜厚のばらつきとした。 (2)ダートインパクト強度 ダートインパクト強度は、JIS K 7124に準じて衝撃試験
を行って求めた。 (3)エルメンドルフ引裂強度 エルメンドルフ引裂強度は、JIS K 7128に準じて引裂試
験を行って求めた。また、実施例および比較例で用いた
各成分は次の通りである。
【0039】エチレン・α−オレフィン共重合体(A) [A−1] ・α−オレフィンの種類と含量: 1−ヘキセン 5.9
mol% ・密度(d): 0.903g/cm3 ・メルトフローレート(MFR): 1.3g/10分 ・デカン可溶成分量(W): 7.0重量% ・80×exp(−100×(d−0.88))+0.1
の値: 8.1重量% [A−2] ・α−オレフィンの種類と含量: 1−ヘキセン 4.0
mol% ・密度(d): 0.914g/cm3 ・メルトフローレート(MFR): 0.53g/10
分 ・デカン可溶成分量(W): 0.6重量% ・80×exp(−100×(d−0.88))+0.1
の値: 2.8重量% [A−3] ・α−オレフィンの種類と含量: 1−ブテン 6.4m
ol% ・密度(d): 0.905g/cm3 ・メルトフローレート(MFR): 2.1g/10分 ・デカン可溶成分量(W): 9.2重量% ・80×exp(−100×(d−0.88))+0.1
の値: 6.7重量%
【0040】高密度ポリエチレン(B) [B−1] ・密度(d): 0.956g/cm3 ・メルトフローレート(MFR): 0.04g/10
分 ・GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn): 3
3 [B−2] ・密度(d): 0.950g/cm3 ・メルトフローレート(MFR): 0.03g/10
分 ・GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn): 2
5 [B−3] ・密度(d): 0.956g/cm3 ・メルトフローレート(MFR): 0.05g/10
分 ・GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn): 2
【0041】
【実施例1〜4及び比較例1〜2】第1表に示した各成
分を、第1表に示す割合でヘンシェルミキサーを用いて
混合し、その混合物を押出機にてメルトブレンドしてペ
レット化して、エチレン系樹脂組成物を得た。上記のよ
うにして得られたエチレン系樹脂組成物を、下記の成形
条件で空冷インフレーション法にてフィルム成形を行
い、表面が平滑でかつ肉厚20μm、折り幅470mm
のフィルムを製造した。
【0042】[成形条件] 成形機: キーフェル社製50mmΦインフレーション
成形機 ダイ径: 75mmΦ 成形温度: シリンダー200℃、ダイ210℃ 引取速度: 30m/分 白化点高さ: 65cm 膨比: 4.0倍
【0043】上記のようにして得られたフィルムについ
て、メルトフローレート、融点、流動性インデックス、
厚みのばらつき、エルメンドルフ引裂強度、ダートイン
パクト強度を、上述した方法で測定した。その結果を第
1表に示す。
【0044】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA16 AA20X AA21X AA81 AA82 AA88 AF05Y AH03 AH04 BA01 BB06 BB09 BC01 BC10 BC11 BC12 4J002 BB031 BB052 BB152 FD010 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i)密度が0.890〜0.920
    g/cm3であり、 (ii)メルトフローレート(MFR)が0.05〜5.0
    g/10分であり、 (iii)室温におけるデカン可溶成分量率(W:重量%)
    と密度(d)とが、 W<80×exp(−100×(d−0.88))+
    0.1 で示す関係を満たす、エチレンと炭素原子数3〜20の
    α−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共
    重合 体1〜30重量部と、 (B)(i)密度が0.940〜0.970g/cm3であ
    り、 (ii)メルトフローレート(MFR)が0.01〜0.5
    g/10分であり、 (iii)GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/M
    n: Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量)が
    15〜80である高密度ポリエチレン70〜99重量部
    とを含有してなるエチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】メルトフローレート(MFR)が0.01
    〜0.3g/10分であり、示差走査熱量測定(DS
    C)により求めた融点が125〜135℃であり、流動
    性インデックス(FI: 1/秒)とメルトフローレー
    ト(MFR: g/10分)とが FI≧1500×MFR で示される関係を満たすことを特徴とする請求項1に記
    載のエチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のエチレン系樹脂
    組成物からなるフィルム。
  4. 【請求項4】厚みが5〜60μmであることを特徴とす
    る請求項3に記載のフィルム。
  5. 【請求項5】インフレーション成形法により成形される
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のフィルム。
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