JP2000515175A - コポリマーマイルド活性剤を含む棒石鹸組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、合成界面活性剤を補助活性剤として含む、混合脂肪酸石鹸をベースとする棒石鹸組成物である。その組成物中の比較的少量の特定のポリオキシエチレンポリプロピレン非イオン性ポリマーが、その組成物の使用時の特性および加工性を損なうことなく、マイルドさを改善し、棒石鹸の型くずれを少なくする作用を有することが見い出された。

Description

【発明の詳細な説明】 コポリマーマイルド活性剤を含む棒石鹸組成物 技術分野 本発明は、脂肪酸棒石鹸組成物（すなわち脂肪酸石鹸を主な洗浄剤として、ア ニオン性および両性の界面活性剤等の合成界面活性剤を補助界面活性剤として使 用する棒石鹸）に関する。 背景技術 伝統的に石鹸は皮膚の清浄剤として使用されてきた。石鹸には多くの利点（例 えば、安価である、棒石鹸に加工しやすい、泡立ちが良い）があるが、ハーシュ な性質のせいで皮膚に刺激を与える可能性がある。棒石鹸のハーシュさを改良す るために、当技術分野においていくつかの戦略が開発されて来た。 一つの手法は、石鹸の一部または全部を合成界面活性剤で置き換えるものであ る。合成界面活性剤の使用は他の問題を招く可能性がある。例えばアニオン性界 面活性剤でも皮膚を荒らす。非イオン性界面活性剤は一般に、石鹸やアニオン性 界面活性剤のようなクリーム状のきめ細かい泡立ちがない。非イオン性および両 性の界面活性剤はべたついて、押出成型や型抜きといっ た標準的な加工工程での扱いが困難となる可能性がある。 皮膚清浄石鹸のハーシュさを軽減する他の手法は棒石鹸組成物中の洗浄成分を 、例えば澱粉や脂肪酸といった増量剤や不活性成分で薄めるものである。何らか の増量剤の混合も加工の難しさをもたらす。この手法はせいぜいマイルドさを若 干改善する程度に過ぎない。 期せずして我々は、特定の非イオン性ポリマー界面活性剤を比較的少量使用す るとこの目標が達成できることを発見した。すなわち、ポリマーは、棒石鹸組成 物の２５重量％より少ない量のとき、加工性や泡立ちを損ねることなくマイルド さを改善し、型くずれを少なくするという利益を与える。理論にこだわるわけで はないが、コポリマーは脂肪酸石鹸およびアニオン性界面活性剤（含まれている 場合）と相互作用して、ポリマーと界面活性剤の複合体を形成すると思われる。 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン（ＥＯ−ＰＯ）非イオン性ポリマー 界面活性剤を棒石鹸組成物に使用すること自体は新しいことではない。 例えばＨｏｏｋｅｒの米国特許第３，３１２，６２７号は実質的にアニオン性 洗浄剤を含まず、ＥＯ−ＰＯポリマーとポリ エチレングリコール（ＰＥＧ）、およびこれらの化合物の誘導体０から７０重量 ％をベース成分とし、非イオン性の泡立ち成分を１０から７０重量％含む棒石鹸 を教示している。これらの棒石鹸に「石鹸らしい」特性を与えるために、同特許 では１０〜８０％のリチウム石鹸の使用を意図している。リチウム石鹸の使用は その発明独特のもので（８段２０〜２３行）他の石鹸やアニオン性界面活性剤（ 脂肪酸リチウム石鹸以外の）の使用は考えられていないことは明白である。この ように同特許は、その中で特許請求されている特殊リチウム石鹸以外の一般的な 脂肪酸石鹸を少なくとも５０％含む活性剤組成が３０から８５重量％を含む本発 明の組成物とは明らかに異なる。さらにリチウム石鹸の使用は本発明からは除か れている。 Ｒｏｓｍａｒｉｎの米国特許第３，７６６，０９７号は、３０〜５０％の特殊 ＥＯ−ＰＯコポリマー（プルロニックＦ−１２７）をココイルイセチオン酸ナト リウム（合成界面活性剤）を主なアニオン性界面活性剤とする棒石鹸に使用する ことを開示している。ここでもＥＯ−ＰＯポリマーは棒石鹸の構成物として、本 発明の上限である２５％をはるかに越えて使用されている。ＥＯ−ＰＯポリマー をはるかに少ない配合量でアニ オン性界面活性剤と組み合せ、予想以上に著しいマイルドさの改善（すなわち荒 れやすさの低減）効果があげられることを示したものはない。 Ｃｈａｍｂｅｒｓらの米国出願第０８／２１３，２８７号（リバーブラザーズ に譲渡された）はある種の固体ＥＯ−ＰＯポリマーが固体ポリエチレングリコー ル（ＰＥＧ）の代替物として合成棒石鹸組成物の棒石鹸構成成分に使用できるこ とを教示している。ここでもＥＯ−ＰＯポリマーは構成成分としての使用が意図 されている。またＥＯ−ＰＯポリマーがはるかに少ない配合量（組成物中の百分 率およびアニオン性界面活性剤全量中の割合において）でマイルドさを改善する （皮膚刺激を低減する）のに使用できる事をなにも教示あるいは提案していない 。 Ｈｅらの米国出願第０８／６１６，９４２号はＥＯ−ＰＯコポリマーを１０か ら７０％の合成界面活性剤を含む棒石鹸組成物に１０重量％以下使用し、使用時 の特性や加工性を損なわすにマイルドさをかなり改善する結果が得られることを 教示している。この発明もまたＥＯ−ＰＯコポリマーが脂肪酸石鹸を主成分とす る棒石鹸組成物に使用時の特性や加工性を損なわすに皮膚刺激性を低減する目的 で配合することが出来ることを認め ていない。 過去において脂肪酸石鹸は融解混合、チッピング、押出成型を含む技術で加工 されて来た。マイルドさ添加剤の配合は押出成型でのべたつきといった加工上の 問題の原因となる。出願人は、ＥＯ−ＰＯコポリマーを、脂肪酸石鹸をベースと した皮膚洗浄用棒石鹸組成物（すなわち界面活性剤が脂肪酸石鹸の５０％かそれ 以上）に２５重量％まで配合することが加工の難しさを招かず、皮膚刺激性をか なり低減出来ることを発見した。 発明の概要 出願人は比較的少量（例えば２５％以下）の特定のポリオキシエチレンポリオ キシプロピレン非イオン性ポリマー界面活性剤を主に脂肪酸石鹸系を含む棒石鹸 組成物に配合するとその棒石鹸のマイルドさを予想以上に著しく改善出来ること を発見した。 より厳密にいえば、出願人の発明は、 （ａ）組成物総量中３０から８５重量％、好ましくは３５から７０重量％の脂 肪酸石鹸、 （ｂ）組成物総量中０から３０重量％、好ましくは０から２０重量％の、合成 アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤 （下記（ｄ）に記載の非イオン性ポリマー界面活性剤以外のもの）、カチオン性 界面活性剤、または両性界面活性剤およびそれらの混合物からなるグループから 選択される界面活性剤、 （ｃ）組成物総量中０から４０重量％、好ましくは５から３５重量％の、分子 量が約２，０００から２５，０００、好ましくは３，０００から１００００のア ルキレンオキシド化合物、Ｃ₈−Ｃ₂₂の遊離脂肪酸、Ｃ₂−Ｃ₂₀のアルカノール、 パラフィンワックス、および水溶性澱粉（たとえばマルトデキストリン）からな るグループから選択されたもの、ならびに （ｄ）組成物総量中１から２５重量％、好ましくは３から２５重量％の、組成 物総量中の脂肪酸石鹸とアニオン性界面活性剤のポリオキシエチレンポリオキシ プロピレン非イオン性ポリマー界面活性剤（ＥＯ−ＰＯポリマー）に対する比率 が１．２：１から１５：１の間、好ましくは１．５：１から９：１の間にあるＥ Ｏ−ＰＯポリマー、を含む棒石鹸組成物に関するものである。 このアニオン性石鹸のＥＯ−ＰＯポリマーに対する重量比の範囲は許容限界で ある。というのはこの限界を越えれば脂肪酸石鹸の皮膚刺激性は充分に緩和され ないし、限界以下であ れば泡立ちなどの石鹸の使用性能が悪影響を受ける。 図面の簡単な説明 第１図は実施例１ａ、１ｂ、１ｃに示された棒石鹸によって溶解したゼインの ％を表す。棒石鹸１ａ、１ｂはＥＯ−ＰＯコポリマーを含み、ＥＯ−ＰＯコポリ マーを含まない棒石鹸１ｃよりもはるかに少量のゼインを溶解する。つまり脂肪 酸石鹸系皮膚洗浄棒石鹸の皮膚刺激性は比較的少量（すなわち棒石鹸組成物全体 の２５重量％以下）のプルロニックを棒石鹸の組成に配合することによって低減 される。 発明の詳細な説明 出願人は、比較的少量の具体的に定義されたポリオキシエチレンポリオキシプ ロピレン非イオン性ポリマー界面活性剤を、主に脂肪酸石鹸系からなる棒石鹸組 成物に使用するとその棒石鹸のマイルドさを予想以上に著しく改善出来ることを 発見した。 より厳密にいえば、出願人の発明は、 （ａ）組成物総量中３０から８５重量％、好ましくは３５から７０重量％の脂 肪酸石鹸、 （ｂ）組成物総量中０から３０重量％、好ましくは０から２０重量％の、アニ オン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤（下 記（ｄ）に記載の非イオン性ポリマー界面活性剤以外のもの）、カチオン性界面 活性剤、または両性界面活性剤およびそれらの混合物からなるグループの中から 選択される合成界面活性剤、 （ｃ）組成物総量中０から４０重量％、好ましくは５から３５重量％の、分子 量が約２，０００から２５，０００、好ましくは３，０００から１００００のア ルキレンオキシド化合物、Ｃ₈−Ｃ₂₂の遊離脂肪酸、Ｃ₂−Ｃ₂₀のアルカノール、 パラフィンワックス、および水溶性澱粉（たとえばマルトデキストリン）からな るグループの中から選択されるもの、ならびに （ｄ）組成物総量中１から２５重量％、好ましくは３から２５重量％の、組成 物総量中の脂肪酸石鹸とアニオン性界面活性剤のポリオキシエチレンポリオキシ プロピレン非イオン性ポリマー界面活性剤（ＥＯ−ＰＯポリマー）に対する比率 が１．２：１から１５：１の間、好ましくは１．５：１から９：１の間にあるＥ Ｏ−ＰＯポリマー、からなる棒石鹸組成物に関するものである。 このアニオン性石鹸のＥＯ−ＰＯポリマーに対する重量比は許容限界である。 というのはこの限界を越えれば脂肪酸石鹸の皮膚刺激性は充分に緩和されないし 、限界以下であれば泡 立ちなど石鹸の使用性能が悪影響を受ける。 石鹸 石鹸は本発明の棒石鹸組成物の主要洗浄剤成分である。この石鹸は１０から２ ２の長さの炭化水素鎖を持ち、飽和炭化水素であることが好ましい。好ましい石 鹸としてはナトリウム塩があげられるが、カリウム、アンモニウム、トリエタノ ールアンモニウムおよびそれらの混合物を含む他の水溶性石鹸も使用出来る。石 鹸はそのまま、あるいは、例えばＮａＯＨなどの塩基を加えてその場で遊離脂肪 酸を転換して作成する。石鹸は好ましくは対応する脂肪酸を鹸化させて作る。 合成界面活性剤 使用し得るアニオン性洗浄剤には、第一級アルカン（例えばＣ₈−Ｃ₂₂の）ス ルホン酸塩、第一級アルカン（例えばＣ₈−Ｃ₂₂の）ジスルホン酸塩、Ｃ₈−Ｃ₂₂ アルケンスルホン酸塩、Ｃ₈−Ｃ₂₂ヒドロキシアルカンスルホン酸塩またはアル キルグリセロールエーテルスルホン酸塩（ＡＧＳ）などの脂肪族スルホン酸塩、 あるいはアルキルベンゼンスルホン酸塩などの芳香族スルホン酸塩がある。 アニオン性洗浄剤としては、またアルキル硫酸塩（例えば Ｃ₁₂−Ｃ₁₈アルキル硫酸塩）やアルキルエーテル硫酸塩（アルキルグリセロール エーテル硫酸塩を含む）も用いられる。アルキルエーテル硫酸塩の中では下記の 化学式を持つものがあげられる。 ＲＯ（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）_nＳＯ₃Ｍ ここでＲは炭素数８から１８、好ましくは１２から１８のアルキルまたはアル ケニル、ｎは平均値が１．０より大で好ましくは３より大、そしてＭはナトリウ ム、カリウム、アンモニウム、または置換アンモニウムのような可溶化型カチオ ン化合物であり、ラウリルエーテル硫酸アンモニウムまたはラウリルエーテル硫 酸ナトリウムが好ましい。 またアニオン性界面活性剤として、アルキルスルホサクシネート（モノおよび ジアルキル、例えばＣ₆−Ｃ₂₂スルホサクシネートを含む）、アルキルおよびア シルタウレート、アルキルおよびアシルザルコシネート、スルホアセテート、Ｃ₈ −Ｃ₂₂アルキルホスフェートとホスフェート、アルキルリン酸エステルとアル コキシアルキルリン酸エステル、アシルラクテート、Ｃ₈−Ｃ₂₂モノアルキルサ クシネートとマレエート、スルホアセテート、アルキルグルコシドおよびアシル イセチオネートがあげられる。 スルホサクシネートとしては下記の化学式を持つモノアルキルスルホサクシネ ートがあげられる。 Ｒ⁴Ｏ₂ＣＣＨ₂ＣＨ（ＳＯ₃Ｍ）ＣＯ₂Ｍ および下記の化学式を持つアミドＭ ＥＡスルホコハク酸塩： Ｒ⁴ＣＯＮＨＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ₂ＣＣＨ₂ＣＨ（ＳＯ₃Ｍ）ＣＯ₂Ｍ ここでＲ⁴はＣ₈−Ｃ₂₂の範囲のアルキル基、Ｍは可溶化型カチオン化合物である 。 ザルコシネートは一般的に下記の式で示される。 Ｒ’ＣＯＮ（ＣＨ₃）ＣＨ₂ＣＯ₂Ｍ ここでＲはＣ₈−Ｃ₂₀の範囲のアルキル基、Ｍは可溶化型カチオン化合物である 。 タウレートは一般的に下記の式で示される。 Ｒ²ＣＯＮＲ³ＣＨ₂ＣＨ₂ＳＯ₃Ｍ ここでＲ²はＣ₈−Ｃ₁₈の範囲のアルキル基、Ｒ³はＣ₁−Ｃ₄の範囲のアルキル基 、Ｍは可溶化型カチオン化合物である。 特に好ましいのはＣ₈−Ｃ₁₈アシルイセチオネートである。 これらのエステルは、イセチオン酸アルカリ金属塩と炭素数６から１８でヨウ 素価が２０未満の脂肪族脂肪酸との反応で得られる。混合脂肪酸の少なくとも７ ５％は、炭素数１２から１８ で、最高２５％が炭素数６から１０である。 アシルイセチオネートを配合する場合は、通常、組成物総量中のおよそ０％か ら３０％の範囲で用いられる。好ましくは１０％から２５％である。 アシルイセチオネートはアルコキシル化されたイセチオン酸塩でありイラルデ ィらの米国特許第５，３９３，４６６号に記載されている種類のものである。こ の化合物は下記の一般式を持つ。 ここでＲは炭素数８から１８のアルキル基、ｍは１から４までの整数、ＸとＹは 水素または炭素数１から４のアルキル基、Ｍ⁺は一価のカチオン、例えば、ナト リウム、カリウム、アンモニウムなどである。 本発明のアニオン性界面活性剤は界面活性剤総量の０％から３０％を構成し、 ５０％を越えてはならない。 本発明で合成界面活性剤として使用される両性洗浄剤は少なくとも一個の酸性 基を含む。この酸性基はカルボキシル基またはスルホン酸性基である。またこの 両性洗浄剤は第四級窒素を 含む故に第四級アミド酸である。これらは通常炭素数７から１８のアルキル基ま たはアルケニル基を含む。この両性洗浄剤は通常下記の構造式にあてはまる。 ここでＲ¹は炭素数７から１８のアルキルまたはアルケニルであり、Ｒ²とＲ³は それぞれ炭素数１から３のアルキル、ヒドロキシアルキルまたはカルボシキアル キルのいずれかであり、ｍは２から４、ｎは０から１、Ｘは炭素数１から３のア ルキレンでヒドロキシルで任意に置換可能であり、 Ｙは−ＣＯ₂ ^-または−ＳＯ₃ ^-である。 上の一般式で示された本発明に適する両性洗浄剤は下記の式で示される単純な ベタインを含む。 また下記の式で示されるアミドベタインを含む。 ここでｍは２または３である。 両式においてＲ¹、Ｒ²、Ｒ³は前記で定義したとおりである。 Ｒ¹は特にココヤシ油から誘導されたＣ₁₂とＣ₁₄のアルキル基の混合物であり、 基Ｒ¹の少なくとも半分、好ましくは四分の三はメチル基である。 さらに使用可能な両性洗浄剤としては下記の式で示されるスルホベタインがあ る。 または ここでｍは２または３、また、これらの変化したもので−（ＣＨ₂）₃ＳＯ₃ ^-の部 分が で置換されたものもあげられる。 これらの式においてＲ¹、Ｒ²、Ｒ³は前記で述べたとおりである。 合成界面活性剤として用いられる非イオン性界面活性剤には、特に疎水性基と 活性水素を持つ化合物の反応生成物、例えば、アルキレンオキシドを、特にエチ レンオキシド単独をまたはプロピレンオキシドとを組み合わせて有する脂肪族の アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールなどが含まれる。特定の非イ オン性洗浄剤化合物としては、アルキル（Ｃ₆−Ｃ₂₂）フェノールとエチレンオ キシドとの縮合物、脂肪族（Ｃ₈−Ｃ₁₈）第一級または第二級の直鎖または分枝 型アルコールのエチレンオキシド縮合物、およびプロピレンオキシドとエチレン ジアミンの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合によって出来る化合物である 。その他のいわゆる非イオン性洗浄剤化合物には長鎖第三級アミンオキシド、長 鎖第三級フォスフィンオキシドおよびジアルキルスルホキシドが含まれる。 非イオン性界面活性剤はまたポリサッカライドアミドのようなショ糖アミドで あってもよい。特にＡｕらの米国特許第５，３８９，２７９号に記載されている ラクトビオンアミドまたはＫｅｌｋｅｎｂｅｒｇの特許第５，００９，８１４号 に記載されている糖アミドの中の一つであってもよい。これらは引用により本明 細書に取込まれる。 他の界面活性剤で使用出来るのはＰａｒｒａｎ Ｊｒ．の米国特許第３，７２ ３，３２５号に記載のものである。これも引用により本明細書に取込まれる。 非イオン性とカチオン性の界面活性剤で使用できるのは、Ｐａｒｒａｎ Ｊｒ ．の米国特許第３，７６１，４１８号（引用により本明細書に取込まれる）に記 載されているもののいずれを含む。またＡｕらの米国特許第５，３８９，２７９ 号に記載のアルドビオンアミドやＬｅｔｔｏｎの米国特許第５，３１２，９３４ 号に記載のポリヒドロキシ脂肪酸アミドも含む。これらも引用して本明細書に取 込まれる。 合成界面活性剤は一般的に組成物全体の１０から３０％をしめ、前述のように 合成界面活性剤の総量は、界面活性剤系の ５０％以下であり、また組成物全体の３０％を越えない。 好ましい界面活性剤系は、脂肪酸石鹸に加えてアシルイセチオネートも含む。 構造構成成分（ｓｔｒｕｃｔｕｒａｎｔ） 本発明の構造構成成分としては、使用される場合には、水溶性または非水溶性 のものであり得る。 水溶性構造構成成分は、ある程度分子量の大きいポリアルキレンオキシドの程 よい融点（例えば４０°から１００℃、好ましくは５０°から９０°）を有する もので、特にポリエチエレングリコール類やそれらの混合物がよい。 使用されるポリエチレングリコール（ＰＥＧ）としては２，０００から２５， ０００の範囲の分子量、好ましくは３，０００から１０，０００の範囲の分子量 を有する。しかし本発明のある実施形態では５０，０００から５００，０００の 範囲の分子量のポリエチレングリコール、特に１００，０００程度のものがごく 少量配合されているものが好ましい。このようなポリエチレングリコールは石鹸 の消耗率を改善することがわかっている。その理由はこのポリエチレングリコー ルの長い分子鎖が棒 石鹸組成物が使用中に濡れても絡まりあったままであることによると考えられる 。 このような高分子量のポリエチレングリコール（またはその他の水溶性高分子 量のポリアルキレンオキシド）を使う場合その好ましい分量は組成物の１から５ 重量％、より好ましくは１または１．５から４または４．５重量％である。この 種の成分は一般に多量の他の水溶性構造構成成分、例えば上記の分子量２，００ ０から２５，０００）好ましくは３，０００から１０，０００のポリエチレング リコールと併用される。 非水溶性構造構成成分もまた４０℃から１００℃、好ましくは少なくとも５０ ℃、特に５０℃から９０℃の融点を有する。好適な成分として特に考えられるの は脂肪酸類で特に１２から２４の炭素数の炭素鎖をもつものがよい。その例とし て、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、 ベヘニン酸およびそれらの混合物があげられる。これらの脂肪酸源は、ココヤシ 油脂肪酸、精製ココヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ババス −油脂肪酸、牛脂脂肪酸、および部分的あるいは完全に硬化したものまたは蒸留 したものである。他の好適な非水溶性構造構成成分としては、炭素数８から２０ のアルカノール、特にセチルアルコールがある。これらの成分の水溶解度は一般 的に２０℃で５ｇ／リットル以下である。 水溶性構造構成成分と非水溶性構造構成成分の比率が棒石鹸を使った時の消耗 度を決める。非水溶性構造構成成分があると棒石鹸が使用中水にふれた時に溶解 するのを遅らせ、消耗を少なくする。 棒石鹸中の構造構成成分の量は０から４０％、好ましくは５から３５％である 。 ＥＯ−ＰＯポリマー 本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン非イオン性コポリマー（Ｅ Ｏ−ＰＯコポリマー）は一般に商品として入手出来るポリマーで、広い分子量分 布とＥＯ対ＰＯの比率変化を有し、融点２５°から８５℃、好ましくは４０°か ら６５℃を有する。 一般的に、上記のポリマーは二種類のポリマー、すなわち（１）（ＥＯ）_m（ ＰＯ）_n（ＥＯ）_m型コポリマーまたは （ＰＯ）_n（ＥＯ）_m（ＰＯ）_n型コポリマーのｍとｎの比率が一定のもので、場 合によって疎水性基（例えばデシルテトラデカノールエーテル）がＥＯまたはＰ Ｏ部分に付加されているもの（上市されているこの種の製品としては、ＢＡＳＦ の商品名それぞれＰｌｕｒｏｎｉｃ^(R)またはＰ１ｕｒｏｎｉｃ−Ｒ^(R)がある） 、あるいは（２）ＥＯ−ＰＯポリマーで、アミンを構成部分として持つもの、例 えばＮ₂Ｃ₂Ｈ₄（ＰＯ）_4n（ＥＯ）_4mあるいはＮ₂Ｃ₂Ｈ₄（ＥＯ）_4m（ＰＯ）_4nで ｍとｎの値が一定のもので、場合によって疎水性基（例えば？）がＥＯまたはＰ Ｏ部分に付加されているもの（上市されているこの種の製品としてはＢＡＳＦの 商品名それぞれＴｅｔｒｏｎｉｃ^(R)またはＴｅｔｒｏｎｉｃ−Ｒ^(R)がある）、 のいずれかから選ばれる。 具体的に多種類のＰｌｕｒｏｎｉｃおよびＴｅｔｒｏｎｉｃＥＯ−ＰＯポリマ ーの例を下記の表１に示した。表中にＢＡＳＦの文献から要約したＴ_m（℃）と ロスマイルス発泡試験の泡立ちデータ（０．１％、５０℃で測定）を記載した。 一般的に、使用されるコポリマーの分子量範囲は２，０００から２５，０００ （好ましくは３，０００から１０，０００）の間である。ＥＯで終っているポリ マー（ＰｌｕｒｏｎｉｃとＴｅｔｒｏｎｉｃ）はＰＯで終っているポリマー（Ｐ １ｕｒｏｎｉｃ−Ｒとテトロニック−Ｒ）よりもマイルドさと泡立ち性の改善の 点で好ましい。水溶性を与えるためにはエチレンオキシドの一分子あたりの割合 が５０から９０重量％、好ましくは６０から８５重量％のものが好ましい。いい かえれば２ｍ：ｎ（Ｐｌｕｒｏｎｉｃの場合）あるいはｍ：ｎ（Ｔｅｔｒｏｎｉ ｃの場合）の比率が１．３２から１１．９、好ましくは２．０から７．５のもの が好ましい。 前述のように、組成物の融点は２５°から８５°、好ましくは４０°から６５ ℃でなければならない。４０°から６５℃の融点は加工するのにより好適である （例えばチップになりやすく、押出しやすい）。 他の成分 本発明の棒石鹸は０から２５重量％、好ましくは２から１５重量％の緩和剤、 例えばエチレングリコール、プロピレングリ コールおよびまたはグリセリンを含む。 本発明の棒石鹸組成物は通常、水を含むがその量は棒石鹸の総量のうちほんの わずかである。水の量が多いと棒石鹸の堅さが落ちる。水の量は棒石鹸の１５重 量％を越えず、好ましくは１％から約１０％、より好ましくは３％から９％、最 も好ましいのは３％から８％である。 本発明の棒石鹸は、場合によっていわゆる有益物−比較的少量で棒石鹸の清浄 作用に追加の利益を与えるもの−を含んでもよい。このような有益物の例として は、脂肪族アルコールや植物油などの緩和剤および精油、ワックス、燐脂質、ラ ノリンを含めた皮膚調整剤、抗菌剤、消毒剤、不透明化剤、真珠光沢化剤、電解 質、香料、日焼け止め剤、蛍光剤、顔料がある。好ましい皮膚調整剤はシリコー ンオイル、鉱物油、および／またはグリセロールを含む。 下記の例は本発明をよりよく例示するためのものであるが、いかなる意味にお いても本発明を制限するものではない。 百分率は注釈のない限り重量パーセントである。 例 試験方法 マイルドさ試験 検討組成物の皮膚刺激性の予備選抜試験としてゼイン溶解性試験を行った。８ オンスの容器に各組成物の水分散液３０ｍｌを入れた。分散液を４５℃の水浴中 に完全に溶解するまで置いた。室温にしたそれぞれの液中に１．５ｇのゼインの 粉末を加え１時間強く攪拌した。次に溶液を遠心分離管に移し、約３，０００ｒ ｐｍで３０分間遠心分離を行った。溶解しなかったゼインを取り出して水洗し、 ６０℃の真空乾燥機中で恒量になるまで乾燥した。皮膚刺激性に相関している溶 解ゼインのパーセントを重量測定で求めた。 棒石鹸型くずれ性試験 棒石鹸の型くすれ性は棒石鹸を小皿に入れて３０ｇの水を加え、２４時間石鹸 を膨潤させ、鈍化したナイフで型くずれした石鹸層をそっとはがして試験した。 型くずれした層の重量を測定し、膨潤前の棒石鹸重量でわって型くずれ層の重量 比Ｘ_m＝Ｗ_m／Ｗ_iを求めた。棒石鹸の試験後の重量、Ｗ_fすなわち型くずれ層を除 いたあとの重量も測定した。水を吸収した石鹸の重 量、Ｘ_uは次式で計算出来る。 Ｘ_u＝（Ｗ_m＋Ｗ_f−Ｗ_i）／Ｗ_i 一つの組成物の三つの棒石鹸サンプルはこのように評価され、平均Ｘ_mおよび平 均Ｘ_uはここに報告される。 組成物の作成 棒石鹸組成物は５ポンドのＰａｔｔｅｒｓｏｎミキサにシグマ刃を取り付けて 作成した。成分は〜１１０℃で混合した。各バッチは水分の蒸発を避けるためカ バーをかけておよそ２０分間攪拌し、全成分が融解したら所期の水分率になるま で乾燥させるためにカバーをはずして０攪拌した。全攪拌時間は約４０分であっ た。水分率が目標に達したところで組成物を熱せられた展延ローラに落とし、さ らに冷却ローラ上でチップにした。冷却ローラ上のチップは２０ｒｐｍのスクリ ュー速度のＷｅｂｅｒ Ｓｅｅｌａｎｄｅｒ二連式精製機で真空状態で押出され た。押出し機の円錐頭は４５から５０℃に加熱されていた。切断された小片はＷ ｅｂｅｒ ＳｅｅｌａｎｄｅｒＬ４水圧プレスで標準の棒状形態に型抜きされた 。 実施例 三つの実施例組成物１ａ、１ｂ、２ａを二つの比較例１ｃ、 ２ｂと共に表２に示した。比較例１ｃ、２ｂはそれぞれ市販の石鹸合成洗剤混合 品および脂肪酸石鹸である。実施例１ａ、１ｂ、２ａは豊かなクリーム状の泡立 ちを示し、肌触りがなめらかでべたつかず、比較例１ｃ、２ｂを生産するのに用 いたと同様の装置での加工特性も好適であった。 実施例と比較例のマイルドさ試験は上記のゼイン溶解性試験で行った。結果を 図１に示す実施例１ａ、１ｂは１ｃよりも４０％以上低いゼイン溶解度を示し、 比較例よりもはるかに優れたマイルドさを持つことを表している。ゼイン溶解性 はＥＯ−ＰＯコポリマーを併用した脂肪酸石鹸である実施例２ａにおいても、２ ｂに比べて低かった。 実施例１ａ、１ｂと比較例１ｃの型くずれ性は表３に示した。 石鹸合成洗剤混合品の比較例は、ＥＯ−ＰＯコポリマー併用の石鹸合成洗剤混合 品実施例よりも約４０％多い型くずれ性を示した。 ＊ ＰＥＧ８０００：平均分子量８０００のボリオキシエチレングリコール ＊＊ 他の少量添加物は保存料、香料、二酸化チタンを含む。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年４月２８日（１９９８．４．２８） 【補正内容】 Ｒｏｓｍａｒｉｎの米国特許第３，７６６，０９７号は、３０〜５０％の特殊 ＥＯ−ＰＯコポリマー（プルロニックＦ−１２７）をココイルイセチオン酸ナト リウム（合成界面活性剤）を主なアニオン性界面活性剤とする棒石鹸に使用する ことを開示している。ここでもＥＯ−ＰＯポリマーは棒石鹸の構成物として、本 発明の上限である２５％をはるかに越えて使用されている。ＥＯ−ＰＯポリマー をはるかに少ない配合量でアニオン性界面活性剤と組み合せ、予想以上に著しい マイルドさの改善（すなわち荒れやすさの低減）効果があげられることを示した ものはない。 ＥＰ−Ａ−６８９５８４（Ｕｎｉｌｅｖｅｒ）はある種の固体ＥＯ−ＰＯポリ マーが固体ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）の代替物として合成棒石鹸組成物 の棒石鹸構成成分に使用できることを教示している。ここでもＥＯ−ＰＯポリマ ーは構成成分としての使用が意図されている。またＥＯ−ＰＯポリマーがはるか に少ない配合量（組成物中の百分率およびアニオン性界面活性剤全量中の割合に おいて）でマイルドさを改善する（皮膚刺激を低減する）のに使用できる事をな にも教示あるいは提案していない。 ＷＯ９７／３４９９２（Ｕｎｉｌｅｖｅｒ）はＥＯ−ＰＯコポリマーを１０か ら７０％の合成界面活性剤を含む棒石鹸組成物に１０重量％以下使用し、使用時 の特性や加工性を損なわすにマイルドさをかなり改善する結果が得られることを 教示している。この発明もまたＥＯ−ＰＯコポリマーが脂肪酸石鹸を主成分とす る棒石鹸組成物に使用時の特性や加工性を損なわすに皮膚刺激性を低減する目的 で配合することが出来ることを認めていない。 過去において脂肪酸石鹸は融解混合、チッピング、押出成型を含む技術で加工 されて来た。マイルドさ添加剤の配合は押出成型でのべたつきといった加工上の 問題の原因となる。出願人は、ＥＯ−ＰＯコポリマーを、脂肪酸石鹸をベースと した皮膚洗浄用棒石鹸組成物（すなわち界面活性剤か脂肪酸石鹸の５０％かそれ 以上）に２５重量％まで配合することが加工の難しさを招かず、皮膚刺激性をか なり低減出来ることを発見した。請求の範囲 １．（ａ）リチウム石鹸以外の、組成物全体の３０から８５重量％の脂肪酸石鹸 、 （ｂ）０から３０％の合成界面活性剤、 （ｃ）組成物の０から４０重量％の、約２，０００から２５，０００の分子量 を持つアルキレンオキシド成分、Ｃ₈からＣ₂₂の遊離脂肪酸、Ｃ₂からＣ₂₀のアル カノール、パラフィンワックスおよび水溶性澱粉からなるグループから選択され る構造構成成分、および （ｄ）組成物総量中の脂肪酸石鹸およびアニオン性界面活性剤とポリオキシエ チレンポリオキシプロピレン非イオン性ポリマー界面活性剤（ＥＯ−ＰＯポリマ ー）の重量比が１．２：１から１５：１である組成物全体の１から２５重量％の ＥＯ−ＰＯポリマー、を含む棒石鹸組成物。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 バン・ガンスト，エドワード・アンドリユ ー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07643、リトル・フエリー、ウイリアム・ ストリート・30、アパートメント・シー― 14 (72)発明者 ヒー，メンタオ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07470、ウエイン、タキシード・ドライ ブ・９ (72)発明者 フエアー，マイケル・ジヨウジフ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07601、ハツケンサツク、プロスペクト・ ストリート・350 (72)発明者 マツサーロ，マイケル アメリカ合衆国、ニユー・ヨーク・10920、 コンガース、ドーバー・ロード・39

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．（ａ）組成物全体の３０から８５重量％の脂肪酸石鹸、 （ｂ）０から３０％の合成界面活性剤、 （ｃ）組成物の０から４０重量％の、約２，０００から２５，０００の分子量 を持つアルキレンオキシド成分、Ｃ₈からＣ₂₂の遊離脂肪酸、Ｃ₂からＣ₂₀のアル カノール、パラフィンワックスおよび水溶性澱粉からなるグループから選択され る構造構成成分、および （ｄ）組成物総量中の脂肪酸石鹸およびアニオン性界面活性剤とポリオキシエ チレンポリオキシプロピレン非イオン性ポリマー界面活性剤（ＥＯ−ＰＯポリマ ー）の重量比が１．２：１から１５：１である組成物全体の１から２５重量％の ＥＯ−ＰＯポリマー、を含む棒石鹸組成物。 ２．界面活性剤成分（ｂ）がアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤（１ （ｄ））に記載の非イオン性ポリマー界面活性剤以外のもの）、カチオン性界面 活性剤、両性界面活性剤、およびそれらの混合物のうちから選択される請求項１ に記載の組成物。 ３．脂肪酸石鹸が組成物総量の３５から７０重量％を占める、請求項１または２ に記載の組成物。 ４．前記合成界面活性剤（ｂ）が０から２０重量％を占める、請求項１から３の いずれか一項に記載の組成物。 ５．前記構造構成成分（ｃ）が５から３５重量％を占める、請求項１から４のい ずれか一項に記載の組成物。 ６．構造構成成分（ｃ）中のアルキレンオキシド成分の分子量が３，０００から １０，０００の範囲にある、請求項１から５のいずれか一項に記載の組成物。 ７．前記ＥＯ−ＰＯコポリマー（ｄ）が３から２５重量％を占める、請求項１か ら６のいずれか一項に記載の組成物。 ８．組成物総量中の脂肪酸石鹸とアニオン性界面活性剤のＥＯ−ＰＯポリマーに 対する比率が１．５：１から９：１の範囲にある、請求項１から７のいずれか一 項に記載の組成物。 ９．前記合成界面活性剤が０から２０重量％を占める、請求項１から８のいずれ か一項に記載の組成物。