JPH11504058A - 固形洗剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 イセチオネートおよびポリアルキレングリコールを含む固形合成洗剤組成物。かかる組成物への有機アミドの添加は、相分離の防止を助勢することが分かった。

Description

【発明の詳細な説明】 固形洗剤 本発明の背景 本発明は固形組成物特に固形合成石けん組成物に関するものであり、しかして 該組成物は固形の構造を成すために最小レベルのポリアルキレングリコールを含 む。 石けんは、歴史的に固形化粧石けん組成物において用いられてきた有能な清浄 性界面活性剤である。石けんは皮膚に苛酷であり、それ故、かかる固形化粧石け ん組成物中の石けんと一緒にまたは石けんの代わりに用いられ得るよりマイルド な（即ち、より苛酷でない）界面活性剤を見つけることが多年必要とされてきた 。例えばキャスウェル等の米国特許第４，６９５，３９５号は、石けんおよびア シル脂肪イセチオネートの両方を含み、しかして純石けんよりも皮膚に対して実 質的にマイルドである固形化粧石けん組成物を教示する。 かかる固形非石けん洗剤活性物質において、固形の構造を成す（即ち、固形物 が物理的にばらばらにならないようにする）ために、遊離脂肪酸が一般に用いら れる。 しかしながら、脂肪酸が、固形の構造化を与えるために用い られ得る唯一の物質ではない。例えばＷＯ９５／１２３８２において、ポリアル キレングリコールが、少なくともアルドビオナミド界面活性剤と共に用いられる とき、好ましい構造付与剤として教示され、何故なら前者の物質は泡形成を阻害 することなく良好な構造付与特性を与えるからである。 ＷＯ９４／２１７７８において、１０〜６０％の合成非石けん界面活性剤、脂 肪酸および１０〜６０％の４０〜１００℃の範囲の融点を有する水溶性構造付与 剤からなる組成物が開示されている。かかる系にとっての好ましい構造付与剤は 、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコールである。 固形合成洗剤組成物へのポリアルキレングリコールの添加は或る加工困難性を 引き起こし得、何故ならポリアルキレングリコールは一般に、固形物の成分を混 合するために用いられる温度において溶融しそして容易に相分離するからである 。４０％より多いエステル化イセチオネート例えばＤＥＦＩが存在するとき、こ れはポリアルキレングリコールを安定化するのを助勢しそして相分離を防止する 。しかしながら、かかる多量のイセチオネートを用いることは、必ずしも望まし くなくまたは経済的でない。 或る有機アミド化合物（即ち、有機基Ｒに結合されたアシル基−ＣＯＮＨ₂と して一般的に特徴づけられ、しかしてここでＲは水素、ＮＨ₂または置換もしく は未置換の直鎖もしくは分枝鎖の１〜２０個の炭素を有するヒドロカルビル基で ある。）好ましくは尿素のようなカルバミドが、ＰＥＧおよび比較的低濃度のＤ ＥＦＩを含むかかる洗剤組成物に対して相分離が少なくとも低減されるように相 互作用する、ということを思いがけず本出願人は見出した。 尿素のような有機アミドは、起泡性を向上するために例えば米国特許第３，４ ９１，００１号に記載されているような固形石けん組成物において用いられてい る。しかしながら、固形石けん組成物はＰＥＧ／比較的低濃度のＤＥＦＩの固形 物と関連した上記に記載された相分離の問題を有さず、またかかる分離を阻止し および固形加工を助勢するために該有機アミドが用いられ得ようという認識は存 在しない。 独国特許２，６２７，４５９は、４８．６％ナトリウムアシルイセチオネート （即ち、ＤＥＦＩ）を含む組成物における尿素のようなアミドの使用を開示する 。ＤＥＦＩのこの量は、固形物の相形成を助勢するのに十分に多い量であり、従 ってＰＥ Ｇが添加されかつＤＥＦＩレベルが下げられる（即ち、固形洗剤中約４０重量％ 未満に）ときの相分離のタイプは注目されないであろう。 ポリアルキレングリコールおよび約４０重量％未満のＤＥＦＩを含む固形物に おいてさえ、組成物中に尿素のような有機アミドが存在するときは、そうでなけ れば見られる相分離問題が消失する、ということを思いがけず本出願人は見出し た。本発明の画定 従って本発明は、固形合成洗剤組成物であって、 （ａ）１０〜６０重量％の合成洗剤活性物質、 （ｂ）１０〜６０重量％の、ポリアルキレングリコールおよびポリエチレンオキ シドポリプロピレンオキシドブロックコポリマーから選択されたポリマー、 （ｃ）５〜２５重量％の、５０℃と９０℃の間の融点を有する水不溶性構造付与 剤、 （ｄ）０．１〜１５重量％の有機アミド、および （ｅ）１．００〜１４重量％の水 からなり、しかも成分（ａ）が総組成物を基準として４０重量％より多くないイ セチオネートを含む上記組成物を提供する。 本発明の第２の具体的態様は、 （ａ）１０〜６０重量％の合成洗剤活性物質、 （ｂ）１０〜６０重量％の、ポリアルキレングリコールおよびポリエチレンオキ シドポリプロピレンオキシドブロックコポリマーから選択されたポリマー、 （ｃ）５〜２５重量％の、５０℃と９０℃の間の融点を有する水不溶性構造付与 剤、および （ｄ）１〜１４重量％の水 からなりしかも成分（ａ）が総組成物を基準として４０重量％より多くないイセ チオネートを含む均質固形洗剤界面活性剤を製造する方法であって、有機アミド を上記の化合物（ｂ）、（ｃ）および（ｄ）の混合物に添加し、洗剤活性物質（ ａ）を添加し、そしてこの混合物を１８０℃ないし２４０℃の温度にて１０分と １８０分の間の時間混合することからなる上記方法に関する。 適当な合成洗剤活性物質（ａ）は、アルキルエーテルサルフェート，アルキル エトキシレート，アルキルグリセリルエーテルスルホネート，アルファオレフィ ンスルホネート，アシルタウライド，メチルアシルタウレート，Ｎ−アシルグル タメート， アシルイセチオネート，陰イオン性アシルサルコシネート，アルキルホスフェー ト，メチルグルコースエステル，蛋白質縮合物，エトキシ化アルキルサルフェー ト，アルキルポリグルコシド，アルキルアミンオキシド，ベタイン，スルタイン ，アルキルスルホスクシネート、ジアルキルスルホスクシネート、アシルラクチ レートおよびそれらの混合物である。上記の洗剤は、好ましくは、Ｃ₈〜Ｃ₂₄一 層好ましくはＣ₁₀〜Ｃ₁₈のアルキルおよびアシル部に基づくものである。 好ましくは２〜１０重量％一層好ましくは２〜５重量％の量の、Ｃ₁₂〜Ｃ₂₄酸 （例えば、ステアリン酸／パルミチン酸の混合物）のナトリウムまたはカリウム 石けんのような脂肪酸石けんは、存在し得る。好ましい石けんは、ナトリウムス テアレートである。 好ましくは合成洗剤活性物質（ａ）の量は１０〜５０重量％一層好ましくは１ ０重量％ないし４０重量％の範囲にあり得、そして最も好ましくは３５重量％よ り多くない量にて存在し得る。 特に好ましい洗剤合成活性物質は、式 〔ここで、Ｒは飽和の線状または分枝状アルキル基であり、そしてＭはアルカリ 金属もしくはアルカリ土類金属またはアミンを指す。〕 を有するアシルイセチオネートである。この化合物は好ましいけれども、組成物 の４０重量％より多い量にて用いられるべきでなく、好ましくは１０〜４０重量 ％である。 本発明の更なる必須成分は、ポリアルキレングリコールおよびポリエチレンオ キシドポリプロピレンオキシドブロックコポリマーから選択されたポリマーであ る。ポリアルキレングリコール成分（ｂ）は、好ましくは、４０℃ないし１００ ℃の範囲の融点を有する高分子量ポリアルキレングリコール特にポリエチレング リコールまたはそれらの混合物である。 好ましいポリエチレングリコール（ＰＥＧ）は、１，５００〜１０，０００の 範囲の分子量を有する。しかしながら、本発明のいくつかの具体的態様において は、かなり少量の、５０，０００〜５００，０００の範囲の分子量特に約１００ ，０００の分子量を有するポリエチレングリコールを含めることが好ま しい。かかるポリエチレングリコールは、固形物の摩耗速度を改善することが分 かった。これはそれらの長ポリマー鎖がからみ合ったままにある（固形組成物が 使用中ぬらされるときでさえ）故である、と信じられる。 かかる高分子量ポリエチレングリコール（またはいずれかの他の水溶性高分子 量ポリアルキレンオキシド）が用いられる場合、その量は好ましくは組成物の１ 重量％ないし５重量％一層好ましくは１．５〜４．５重量％である。これらの物 質は、一般に、より多量の、上記の分子量１，５００〜１０，０００のポリエチ レングリコールのような他の水溶性構造付与剤（ｂ）と共に用いられる。 好ましいポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドブロックコポリマーは 、ポリエチレンオキシドがブロックコポリマーの少なくとも４０重量％を与える ブロックコポリマーのような、４０〜１００℃の範囲の温度において溶融するも のである。かかるブロックコポリマーは、単独でまたはポリエチレングリコール との混合物にて用いられ得る。 好ましくは、ポリアルキレングリコールの総量は、組成物の２０重量％ないし ５０重量％でありそして最も好ましくは組成 物の少なくとも２５重量％である。 成分（ｃ）である水不溶性構造付与剤もまた、２５〜１００℃一層好ましくは 少なくとも４０℃ないし９０℃の範囲の融点を有すべきである。特に考慮される 適当な物質は、脂肪酸特に１２〜２４個の炭素原子の炭素鎖を有するものである 。それらの例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ア ラキドン酸およびベヘニン酸、並びにそれらの混合物である。これらの脂肪酸の 源は、ヤシ、抜頭ヤシ、パーム、パーム核、ババスおよび牛脂の脂肪酸並びに部 分的にもしくは完全に硬化された脂肪酸または蒸留された脂肪酸である。他の適 当な水不溶性構造付与剤は、８〜２０個の炭素原子のアルカノール特にセチルア ルコールを含む。これらの物質は、一般に、２０℃において５ｇ未満／リットル の水中溶解度を有する。 水溶性ポリマー構造付与剤成分（ｂ）および水不溶性構造付与剤（ｃ）の相対 割合は、固形物が使用中摩耗する速度を左右する。水不溶性構造付与剤の存在は 、使用中水に曝されるとき固形物の溶解を遅らせそして従って摩耗速度を遅らす 傾向にある。 好ましくは、本組成物は、水溶性物質（例えば、デンプン） 一層好ましくは例えばマルトデキストリンのような“真の”水溶性デンプンを含 む。“真の”水溶性は、水中のデンプンの１０重量％またはそれ以上の溶液が溶 解して透明なまたは実質的に透明な溶液（少量の不溶性残渣を除いて（該残渣は 、そうでなければ透明である溶液に半透明の濁りを与え得る。））を形成するこ とを意味する。 加工助剤であると考えられる有機アミドは、約０．１〜１５重量％好ましくは ０．１〜１０重量％一層好ましくは０．５〜８重量％の量にて存在すべきである 。 水は、組成物の１．０〜１４重量％の量にて存在すべきである。 ８〜２２個の炭素原子の炭素長を有する遊離脂肪酸もまた、本固形組成物中に 望ましくは混入される。それらは、過脂肪剤、皮膚感触およびクリーミー性の向 上剤および／または構造付与剤として作用し得る。存在する場合、遊離脂肪酸は 、好ましくは組成物の１重量％と１５重量％の間にあるべきである。しかしなが ら、それらは、成分（ｂ）の量を越える量にて存在すべきでない。 固形化粧石けん組成物中に存在し得る他の随意的成分は、グ リセリン、ソルビット、メチルグルコースのエトキシ化またはメトキシ化エーテ ル等のようなモイスチャライザー，コラーゲン、変性セルラーゼ（ポリマー（Ｐ ｏｌｙｍｅｒ）ＪＲ（登録商標）のような）、グアーガムおよびポリアクリレー トのような水溶性ポリマー，クエン酸塩のような金属イオン封鎖剤，並びにシリ コーン、鉱油、ペトロラタムまたはフッ素化ポリエーテルのようなエモリエント 剤である。 本発明の第２の具体的態様において、本発明は、 （ａ）合成洗剤活性物質、 （ｂ）ポリアルキレングリコールおよびポリエチレンオキシドポリプロピレンオ キシドブロックコポリマーから選択されたポリマー、 （ｃ）５０℃と９０℃の間の融点を有する水不溶性構造付与剤、および （ｄ）水 からなる固形合成洗剤を安定化する（即ち、相分離を防止する）方法であって、 有機アミドを成分（ｂ）、（ｃ）および（ｄ）からなる混合物に添加し、合成洗 剤活性物質（ａ）を添加し、そして生じた混合物を１８０℃ないし２４０℃の範 囲の温度に て１０〜１８０分間混合することからなる上記方法からなる。 次に本発明は、次の非制限的例に関して例示される。実施例１〜４ 次の組成を有する処方物を製造した（百分率はすべて、重量百分率であった。 ）。 上記の表において尿素レベルの変動はすべてＰＥＧ８００のレベルを変えるこ とにより補われたけれども、これは脂肪酸のレベルを変えることによっても補わ れ得たであろう、ということが留意されるべきである。 該処方物は、次のように製造された。 ドライス（Ｄｒａｉｓ）混合機中で、ＰＥＧおよびパルミチン／ステアリン酸 （ＡＳＡＤ）を溶融した。溶融された時５０％ＮａＯＨ（水酸化ナトリウム）を 添加してＮａステアレートを形成させ、そしてこれを１０〜１５分間混合した。 次にマルトデキストリンをＰＥＧ／脂肪酸の予備溶融物中に分散させ、そしてこ の混合物を増粘するためにココアミドプロピルベタインを添加した。約１０分の 混合後、残りの成分を添加した。少なくとも８８℃（１９０°Ｆ）で１１０℃（ ２３０°Ｆ）までの温度にて、更に３０〜６０分間混合を続行した。所要の水分 レベルに達すると、更なる加工のためにこの混合物からバッチを取り去った。 比較処方物（即ち、尿素なし）において、その熱い物質は、油状液体により取 り囲まれた大きな不透明なカード様領域から成っていた。この“カテージチーズ ”の外観は、透明な流体が 該物質のバルクから分離して出てくる故、相分離と称される。この相分離は、加 工ラインの更なる下流において不適切な混合および加工の問題をもたらすことに なる。 第１の実施例においては、１％の尿素がＰＥＧ／脂肪酸の予備溶融物に添加さ れた（これは、１％のＰＥＧに取って代わった。）。予期されないことに該“カ テージチーズ”の外観がより均質なコンシステンシーを有していて、流体がバル ク物質から実質的に全く分離してこない、ということを本出願人は見出した。 実施例２においては、３％の尿素がＰＥＧを犠牲にして添加された。これは熱 い物質に均質な外観を与えて、相分離は全くなかった。実施例３および４は、こ の発見を更に例証した。比較例２ 次の例において、追加的な３％の脂肪酸をＰＥＧの代わりに添加した。これは 、ＰＥＧの減少が熱い物質に均質な外観を与えるかどうかを決定するためになさ れた。 尿素なしで追加的脂肪酸を添加しても相分離の改善は観察されない、というこ とが分かった。熱い物質は“カテージチーズ” の外観を維持していた。かくして、該改善は、明らかに尿素の使用に因った。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 固形洗剤組成物であって、 （ａ）１０重量％ないし６０重量％の合成洗剤活性物質、 （ｂ）１０重量％ないし６０重量％の、ポリアルキレングリコールおよびポリエ チレンオキシドポリプロピレンオキシドブロックコポリマーから選択されたポリ マー、 （ｃ）５％ないし２５％の、５０℃と９０℃の間の融点を有する水不溶性構造付 与剤、 （ｄ）０．１重量％ないし１５重量％の有機アミド、および （ｅ）１重量％ないし１４重量％の水 からなり、しかも成分（ａ）が総組成物を基準として４０重量％より多くないイ セチオネートを含む上記組成物。 ２． 界面活性剤が脂肪酸石けんを含む、請求の範囲第１項に記載の組成物。 ３． ２〜１０％の脂肪酸石けんを含む、請求の範囲第２項に記載の組成物。 ４． （ｂ）が２５〜５０重量％の範囲内のレベルのポリアルキレングリコール である、請求の範囲第１項に記載の組成物。 ５． 水不溶性構造付与剤がＣ₁₂〜Ｃ₂₄脂肪酸またはそれらの混合物である、請 求の範囲第１項に記載の組成物。 ６． 有機アミドが尿素である、請求の範囲第１項に記載の組成物。 ７． （ａ）合成洗剤活性物質、 （ｂ）ポリアルキレングリコールおよびポリエチレンオキシドポリプロピレンオ キシドブロックコポリマーから選択されたポリマー、 （ｃ）５０℃と９０℃の間の融点を有する水不溶性構造付与剤、および （ｄ）水 からなる固形洗剤の相分離を防止する方法であって、有機アミドを成分（ｂ）、 （ｃ）および（ｄ）からなる混合物に添加し、洗剤活性物質（ａ）を添加し、そ して生じた混合物を１８０℃ないし２４０℃の範囲内の温度にて１０〜１８０分 間混合することからなる上記方法。 ８． （ａ）合成洗剤活性物質、 （ｂ）ポリアルキレングリコールおよびポリエチレンオキシドポリプロピレンオ キシドブロックコポリマーから選択されたポリマー、 （ｃ）５０℃と９０℃の間の融点を有する水不溶性構造付与剤、および （ｄ）水 からなる固形合成洗剤の製造の際における、加工助剤としての有機アミドの使用 。