JP2000514822A - フランニトロン化合物 - Google Patents

フランニトロン化合物

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アール. メイプルス,カーク
デイビッド ウォーターバリー,ロウェル
エル. ウィルコックス,アラン
ズ,ホン
ザン,ヨン―カン
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Abstract

(57)【要約】 フランニトロン化合物およびこのような化合物を含む薬学的組成物が開示される。開示された化合物は、フリーラジカルを検出するための分析試薬、ならびに広範な種々の医学的機能障害および疾患を処置するための治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 フランニトロン化合物 発明の背景発明の分野 本発明は、新規のフランニトロン化合物、ならびにそれらのフリーラジカルト ラッピング剤および治療剤としての使用に関する。さらに特に、本発明は、フラ ンニトロン化合物、ならびにフリーラジカルを検出するための分析剤としての、 ならびに種々の医学的機能不全および疾患を処置するための治療薬としてのそれ らの使用に関する。技術の状況 ニトロン(例えば、α−フェニル−N−tert−ブチルニトロン(PBN) 、および5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド(DMPO))は、フ リーラジカルを検出するための分析剤として有用であることが公知である。その ような化合物は、不安定なフリーラジカルと反応し比較的安定なフリーラジカル スピン付加物を形成すること(これは、電子スピン共鳴(ESR)によって、観 察可能である)によって、「スピントラップ」として機能する。従って、スピン トラッピングは、以前観察できなかったフリーラジカルを同定すること、そして ESRおよび関連技術を用いて研究することを可能にする。 不安定なフリーラジカルを研究するためのスピントラップとしてのニトロンの 使用は、生物学系に適用されている。この点に関しては、PBN、DMPOおよ び関連化合物が、生物学系において、スーパーオキシド(O2 -・)およびヒドロ キシルラジカル(HO・)を同定するために、使用されている。その上、そのよ うなニトロンは、脂質の過酸化、および他のフリーラジカル誘起プロセスを研究 するために、使用されている。 より最近、PBNおよびその誘導体のようなニトロン化合物は、フリーラジカ ル誘起の酸化的障害によって起こるか、または特徴付けられる広範な疾患状熊の 処置のための治療剤として、報告されている。そのような疾患状態は、例えば、 脳卒中、パーキンソン病状態(Parkinsonism)、外傷性神経障害な どの中枢神経系(CNS)および末梢神経系の障害、ならびにアテローム性動脈 硬化症、心筋梗塞、潰瘍性大腸炎などの末梢器官の障害を含む。ニトロンはまた 関節炎のような特定の炎症性状態を処置することが報告されている。 種々のニトロン化合物が、分析剤または治療剤として有用であることが以前に 報告されているが、これらの適用において改良された有効性を有する新規のニト ロンスピントラップのニーズがある。例えば、ニトロンを、脳卒中、心筋梗塞な どのような急性の状態を処置するための治療剤として用いる場合、生じるフリー ラジカル誘起酸化的障害の量を最小にするために、ニトロンスピントラップを高 い用量で、特に急性原因の周辺の局在的な領域にただちに投与できることが、特 に望ましい。従って、急性の状態を処置するのに使用されるニトロン化合物は、 無毒性であるか、または、非常に低い毒性を有する。 その上、生物学系において、フリーラジカルを研究する場合、または、フリー ラジカルによって引き起こされる種々の疾患状態を処置する場合、ラジカルがク エンチされるか、またはそれらの周囲のそばで酸化的障害を引き起こす前に、ラ ジカルがニトロンによってトラップされるように、ニトロンスピントラップが、 フリーラジカルが生成される生物学的部位で十分な溶解性を有することが重要で ある。従って、天然に存在する特別な生物学的環境(例えば、水性から親油性ま で)に対しニトロン化合物の溶解性を容易に最適にし得ることが、特に望まれる 従って、低い毒性および生物学系の広い範囲における増加した溶解性のような 改良された特性を有する新規な種類の効果的なニトロンスピントラップに対して 、ニーズがある。 発明の要旨 本発明は、効果的なフリーラジカルスピントラップであり、従って、フリーラ ジカルを検出するための分析剤として有用である新規のフランニトロン化合物を 提供する。その上、本発明のフランニトロンは、種々の医学的機能不全および疾 患を処置するための治療薬としての有用であることが見出された。この点に関し て、フランニトロン化合物は、驚くべきことに、比較的高い用量レベルにおいて でさえ、低い毒性である。構造的に、それによって化合物の親油性を容易に変え ることができる1つ以上の硫黄誘導官能基がフラン環に結合しているので、本発 明のフランニトロンは、分析剤および/または治療剤として特別に有用である。 これは、該化合物が、広範な生物学的環境に使用されること、および/または特 別の分析的もしくは治療的使用に対して最適化され得る。 従って、その組成物の局面において、本発明は、以下の式Iの化合物またはそ の薬学的に受容可能な塩に関する: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール(alkaryl)、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル (alkcycloalkyl)、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびハロからなる 群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、 アルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル 、およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6および R7は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み 、かつ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜 3個の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 好ましくは、上記の式Iの化合物において、R1は、水素、おおびアルキルか らなる群から選択される。より好ましくは、R1は、水素である。 R2は、好ましくは、水素、アルキルおよびアリールからなる群から選択され る。より好ましくは、R2は、アルキルであり、さらにより好ましくは、R2は、 水素である。 好ましくは、R3が、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアル キルからなる群から選択される。より好ましくは、R3が、アルキルまたはシク ロアルキルである。さらにより好ましくは、R3が、シクロアルキルである。特 別に好ましくは、R3基が、シクロヘキシルおよびイソプロピルである。 R4は、好ましくは、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアル キルからなる群から選択される。より好ましくは、R4は、アルキル、アリール またはシクロアルキルである。さらにより好ましくは、R4が、アルキルである 。 好ましくは、R5は、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアル キルからなる群から選択される。より好ましくは、R5は、アルキル、アリール またはシクロアルキルである。さらにより好ましくは、R5は、アルキルである 。 Xは、好ましくは、−SO3Y、−SO25、または−SO2NR67であり、 ここでR5は、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり、そしてR6お よびR7が、独立して、水素、アルキル、およびシクロアルキルからなる群から 選択される。あるいは、R6およびR7が、好ましくは、それらが結合する窒素原 子と一緒になって、4〜6個の炭素原子を有するヘテロ環式環を形成する。より 好ましくは、Xが−SO2NR56である場合、R5が水素でありそしてR6が水 素、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。 好ましくは、上記の式Iのmは1または2である。より好ましくは、mは1で ある。 その別の組成物の局面において、本発明は、以下の式IIの化合物またはその薬 学的に受容可能な塩に関する: ここで、 R2、R3、X、およびmは、上記の定義の通りであり、上記定義された好まし い実施態様を含む。 その組成物のさらに別の局面において、本発明は、以下の式IIIの化合物に関 する: ここで、 R8は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され;そして Yは、水素および薬学的に受容可能なカチオンからなる群から選択される。 好ましくは、上記の式IIIにおいて、R8が、アルキル、アルカリール、アリー ル、およびシクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R8が 、アルキルまたはシクロアルキルである。さらにより好ましくは、R8が、アル キルである。 好ましくは、上記式IIIにおいて、Yが、水素またはナトリウムカチオンであ る。 本発明のさらに別の組成物の局面において、本発明は、以下の個々の化合物お よびその薬学的に受容可能な塩に関する: N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-[2-(N-モルホリノスルホニル)フラン-5-イル]ニトロン N-イソプロピル-α-[2-(N,N-ジメチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロ ン N-イソプロピル-α-[2-(N,N-ジエチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロ ン N-イソプロピル-α-[2-(N-4-メチルピペラジン-1-イルスルホニル)フラン-5- イル]ニトロン N-tert-ブチル-α-[2-(N-3-トリフルオロメチルフェニルスルファモイル)-フ ラン-5-イル]ニトロン N-tert-ブチル-α-[2-(メチルスルホニル)-フラン-5-イル)ニトロン。 本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアと、薬学的有効量の以下の式Iの 化合物またはその薬学的に受容可能な塩とを含む、薬学的組成物に関する。 ここで、各R1〜R3、X、mおよびnは、上記の定義の通りである。 別の組成物の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアと、薬学 的有効量の上記の式IIまたはIIIの化合物とを含む、薬学的組成物に関する。 前述したように、本発明のフランニトロン化合物は、有効なフリーラジカルス ピントラップ(free radical spin trap)であることが分かっている。このため 、これらの化合物は、フリーラジカルを検出するための検出試薬として有用であ る。さらに、本発明のフランニトロンは、広範な種類の医学的機能障害および疾 患(急性の中枢神経系(CNS)障害、急性心血管障害、神経変性状態、炎症疾患 および自己免疫状態を含むが、これらに限定されない)を処置するための治療剤 として有用であることが発見されている。 従って、その方法の局面の1つにおいて、本発明は、急性の中枢神経系障害を 有する患者を処置するための方法を提供する。この方法は、薬学的に受容可能な キャリアと、急性の中枢神経系障害を処置するための有効量の上記式Iの化合物 またはその薬学的に受容可能な塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工 程を包含する。本発明の方法の好ましい実施態様において、急性の中枢神経系障 害は、卒中である。 その別の方法の局面において、本発明は、患者において急性の心血管障害を処 置するための方法を提供する。この方法は、薬学的に受容可能なキャリアと、急 性の心血管障害を処置するための有効量の上記の式Iの化合物とを含む薬学的組 成物を、該患者に投与する工程を包含する。本発明の方法の好ましい実施態様に おいて、前記急性の心血管障害は、心筋梗塞である。 そのさらに別の方法の局面において、本発明は、神経変性(neurodegenerativ e)疾患を有する患者を処置するための方法に関する。この方法は、薬学的に受 容可能なキャリアと、神経変性疾患を処置するための有効量の上記の式Iの化合 物とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する。さらに、本発明 は、神経変性疾患が進行する危険性を有する患者において、神経変性疾患の開始 を防止するための方法に関する。この方法は、薬学的に受容可能なキャリアと、 神経変性疾患を防止するための有効量の上記式Iの化合物とを含む薬学的組成物 を、該患者に投与する工程を包含する。 本発明の好ましい実施態様において、上記方法において処置および/または防 止される神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV痴呆など である。 本発明のさらに別の方法の局面において、本発明は、自己免疫疾患を処置する ための方法に関する。この方法は、薬学的に受容可能なキャリアと、自己免疫疾 患を処置するための有効量の上記の式Iの化合物とを含む薬学的組成物を、該患 者に投与する工程を包含する。本発明はまた、自己免疫疾患が進行する危険性を 有する患者において、自己免疫疾患の開始を防止するための方法に関する。この 方法は、薬学的に受容可能なキャリアと、自己免疫疾患を防止するための有効量 の上記の式Iの化合物とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含す る。 本発明の好ましい実施態様において、上記方法で処置および/または防止され る自己免疫疾患は、全身性狼瘡、多発性硬化症などである。 さらに別のその方法の局面において、本発明は、炎症性疾患を有する患者を処 置するための方法に関する。この方法は、薬学的に受容可能なキャリアと、炎症 性疾患を処置するための有効量の上記の式Iの化合物とを含む薬学的組成物を、 該患者に投与する工程を包含する。さらに、本発明は、炎症性疾患が進行する危 険性を有する患者において、炎症性疾患の開始を防止するための方法に関する。 この方法は、薬学的に受容可能なキャリアと、炎症性疾患の開始を防止するため の有効量の上記の式Iの化合物とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程 を包含する。 本発明の好ましい実施態様において、上記方法で処置および/または防止され る炎症性疾患は、慢性関節リウマチ、敗血症性ショック、らい性結節性紅斑、敗 血症、ブドウ膜炎などである。 本発明はまた、式Iのフランニトロン化合物を調製するためのプロセスに関す る。従って、そのプロセスの局面の1つにおいて、本発明は、式Iの化合物を調 製するためのプロセスを提供する:ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3であり、 該プロセスが、以下の式のフランカルボニル化合物: を、以下の式のヒドロキシルアミン: HO−NH−R3 と反応させて、式Iの化合物を提供する工程を包含する。 別のそのプロセスの局面において、本発明は、以下の式I’のスルファモイル 置換フランニトロンを調製するためのプロセスを提供する: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各X’は、-SO2NR67であり;ここでR6およびR7は、独立して、水素、 アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、 アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルからなる群か ら選択されるか;あるいは、R6およびR7は、それらが結合する窒素原子と一緒 になって、2〜8個の炭素原子を含み、かつ必要に応じて、酸素、窒素、および イオウからなる群から選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ 環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である、 該プロセスは、以下の工程を包含する: (a)以下の式のカルボニル置換フランスルホン酸化合物: を、三塩化リンおよび五塩化リンと反応させて、以下の式のgem-ジクロリド置換 フランスルホニルクロリド化合物を提供する工程: (b)該gem-ジクロリド置換フランスルホニルクロリド化合物を、以下の式のア ミン: と反応させて、以下の式のgem-ジクロリド置換フランスルホンアミド化合物を提 供する工程:(c)該gem-ジクロリド置換フランスルホンアミド化合物を加水分解して、以下 の式のカルボニル置換フランスルホンアミド化合物を得る工程: および; (d)該カルボニル置換フランスルホンアミドを、以下の式のヒドロキシルアミ ン: HO−NH−R3 と反応させて、式I’の化合物を提供する、工程。 その別の局面において、本発明は、医薬的処置のための処方物または医薬の製 造における、上記の式I、IIまたはIIIの化合物の使用に関する。好ましくは、 医薬的処置が、急性中枢神経系障害、急性心血管障害、神経変性疾患、自己免疫 疾患または炎症性疾患の治療的または予防的処置である。 図面の簡単な説明 図1は、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンナトリウム塩 とメチルラジカルとのラジカル付加物の電子スピン共鳴(ESR)スペクトルである 。 図2は、式Iのフランニトロン(化合物1)または生理食塩水コントロールで 処置したげっ歯類における顕著に低減された卒中の梗塞容量を示す棒グラフであ る。 図3A、3Bおよび3Cは、囲まれた格子中のげっ歯類の遊走を示す。特に、図3Aは 、1%メチルセルロース/生理食塩水コントロールで処置されたげっ歯類の遊走 を示す。図3Bは、1%メチルセルロース/ニトロアルギニンで処置されたげっ歯 類の遊走を示す。そして図3Cは、ニトロアルギニンおよび10mg/kgの式Iのフラン ニトロン(化合物1)で処置されたげっ歯類の遊走を示す。 図4は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)お よび式Iのフランニトロン(化合物1)、あるいはコントロールで処置されたげ っ歯類についての毎日の行動スコアを示す一連の棒グラフである。示す行動スコ アは、処置後10〜14日で得た。 図5は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)お よび式Iのフランニトロン(化合物1)、あるいはコントロールで処置されたげ っ歯類の、14日間にわたる体重変化を示すグラフである。 発明の詳細な説明 上記のように、本発明のフランニトロン化合物は、フリーラジカル捕捉剤とし て有用である。従って、このような化合物は、フリーラジカルの検出のための分 析試薬として有用である。従って、本発明のフランニトロンは、広範な種々の医 学的機能障害および疾患を処置するための治療剤として有用であることが発見さ れた。 式Iのフランニトロン化合物において、置換基は、フラン環の任意の炭素原子 に位置し得る。フラン環の位置は、本明細書中では、従来のフラン命名法(すな わち、フラン環酸素は1位;環酸素にすぐ隣接する2つの炭素原子は2および5 位と命名され;そして残りの2つの炭素は3および4位と命名される)を用いて 特定される。従って、2位に1つのスルホネート基および5位にイソプロピルニ トロンを有する式Iの代表的化合物は、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5- イル)ニトロンと命名される。定義 用語「β−アミロイドペプチド」は、約4.2kDの分子量を有する39〜43アミノ 酸ペプチドをいい、このペプチドは、実質的にGlennerら、Biochem.Biophys.Res .Commun.,120:885-890(1984)に記載のタンパク質形態と類似であり、正常なβ− アミロイドペプチドの変異体および翻訳後改変体を含む。 用語「サイトカイン」は、免疫細胞により産生されて細胞機能を調節するペプ チドタンパク質メディエーターをいう。サイトカインの例としては、インターロ イキン-1β(IL-1β)、インターロイキン-6(IL-6)および腫瘍壊死因子-α(TNF-α )が挙げられる。 「アルキル」は、好ましくは1〜約12の炭素原子、より好ましくは1〜8の炭 素原子、およびさらにより好ましくは1〜6の炭素原子を有する1価アルキル基 をいう。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、 イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、tert-オクチルなどの基に より例示される。用語「低級アルキル」は、1〜6の炭素原子を有するアルキル 基をいう。 「置換アルキル」は、好ましくは1〜約12の炭素原子、より好ましくは1〜8 の炭素原子、およびさらにより好ましくは1〜6の炭素原子を有し、以下からな る群から選択される1〜3の置換基で置換されているアルキル基をいう:アルコ キシ、アミノ、モノおよびジアルキルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニル 、アルコキシカルボニル、アリール、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヘテロ環、 ヒドロキシ、ニトロ、チオアルコキシなど。好ましい置換アルキル基は、トリフ ルオロメチル基である。 「アルキレン」は、好ましくは1〜10の炭素原子、およびより好ましくは1〜 6の炭素原子を有する2価アルキレン基をいい、これは直鎖または分枝鎖であり 得る。この用語は、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン異性体 (例えば、-CH2CH2CH2-および-CH(CH3)CH2-)などの基により例示される。 「アルケニレン」は、好ましくは2〜10の炭素原子、およびより好ましくは2 〜6の炭素原子を有する2価アルケニレン基をいい、これは直鎖または分枝鎖で あり得、そして少なくとも1位置、好ましくは1〜2位置のアルケニル不飽和を 有する。この用語は、エテニレン(-CH=CH-)、プロペニレン異性体(例えば、-CH =CHCH2-および-C(CH3)=CH-および-CH=C(CH3)-)などの基により例示される。 「アルカリール」は、好ましくはアルキレン部分に1〜10の炭素原子およびア リール部分に6〜14の炭素原子を有する−アルキレン−アリール基をいう。この ようなアルカリール基は、ベンジル、フェネチルなどにより例示される。 「アルクシクロアルキル(alkcycloalkyl)」は、好ましくはアルキレン部分に 1〜10の炭素原子およびシクロアルキル部分に3〜8の炭素原子を有する−アル キレン−シクロアルキル基をいう。このようなアルクシクロアルキル基は、-CH2 -シクロプロピル、-CH2-シクロペンチル、-CH2CH2-シクロヘキシルなどにより例 示される。 「アルコキシ」は、「アルキル-O-」基をいう。好ましいアルコキシ基として は、例示により、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブト キシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメ チルブトキシなどが挙げられる。 「アルコキシカルボニル」は、-C(O)OR基をいい、ここで、Rはアルキルである 。 「アルケニル」は、好ましくは2〜10の炭素原子、およびより好ましくは2〜 6の炭素原子を有し、そして少なくとも1位置、好ましくは1〜2位置のアルケ ニル不飽和を有するアルケニル基をいう。好ましいアルケニル基としては、エテ ニル(-CH=CH2)、n-プロペニル(-CH2CH=CH2)、イソプロペニル(-C(CH3)=CH2)など が挙げられる。 「アルキニル」は、好ましくは2〜10の炭素原子、およびより好ましくは2〜 6の炭素原子を有し、そして少なくとも1位置、好ましくは1〜2位置のアルキ ニル不飽和を有するアルキニル基をいう。好ましいアルキニル基としては、エチ ニル(-CH≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)などが挙げられる。 「アミノカルボニル」は、-C(O)NRR基をいい、ここで、各Rは独立して水素ま たはアルキルである。 「アミノアシル」は、-NRC(O)R基をいい、ここで、各Rは独立して水素または アルキルである。 「アリール」は、単一の環(例えば、フェニル)または多縮合環(例えば、ナ フチルまたはアントリル)を有する、6〜14の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式 基をいう。好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。 個々の置換基についての定義により束縛されない限り、このようなアリール基は 、必要に応じて、以下からなる群から選択される1〜3の置換基で置換され得る :アルキル、置換アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ、ア ミノアシル、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、カルボキシ ル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、トリハロメチルなど。 「シクロアルキル」は、単一の環式環または多縮合環を有する3〜10の炭素原 子の環式アルキル基をいい、これは必要に応じて1〜3のアルキル基で置換され 得る。このようなシクロアルキル基としては、例示により、単一環構造(例えば 、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1-メチル シクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチルなど)、ま た は多環構造(例えば、アダマンタニルなど)が挙げられる。 「シクロアルケニル」は、単一の環式環および少なくとも1つの内部不飽和を 有する4〜10の炭素原子の環式アルケニル基をいい、これは必要に応じて1〜3 のアルキル基で置換され得る。適切なシクロアルケニル基の例としては、例えば 、シクロペント-3-エニル、シクロヘキサ-2-エニル、シクロオクタ-3-エニルな どが挙げられる。 「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをい う。好ましいハロ基は、フルオロまたはクロロのいずれかである。 「ヘテロサイクル」または「ヘテロ環式」は、単一環または多縮合環、1〜10 の炭素原子、および窒素、硫黄または酸素から選択される1〜4のヘテロ原子を 環内に有する1価の飽和または不飽和基をいう。ヘテロサイクルの例としては、 モルホリン、ピペラジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げ られるが、これらに限定されない。 「薬学的に受容可能な塩」は、当該分野で周知の種々の有機および無機対イオ ンから誘導される薬学的に受容可能な塩をいい、そして例示のみにより、ナトリ ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルア ンモニウムなど;そして分子が塩基性官能性を含む場合、有機または無機酸の塩 (例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン酸 塩などを含む。用語「薬学的に受容可能なカチオン」は、酸性官能基の薬学的に 受容可能なカチオン性対イオンをいう。このようなカチオンは、ナトリウム、カ リウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウ ムカチオンなどにより例示される。本発明のフランニトロンの薬学的に受容可能 な塩は、当業者に周知の従来の手順(例えば、スルホン酸誘導体を適切な塩基で 処理することを含む)を用いて調製される。 「チオアルコキシ」は、「アルキル-S-」基をいう。好ましいチオアルコキシ 基としては、例示により、チオメトキシ、チオエトキシ、n-チオプロポキシ、イ ソチオプロポキシ、n-チオブトキシなどが挙げられる。一般的合成手順 本発明のフランニトロン化合物は、以下の一般的方法および手順を用いて容易 に入手可能な出発物質から調製され得る。代表的または好ましいプロセス条件( すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられても 、他に指示しない限り、他のプロセス条件もまた使用され得ることが理解される 。最適反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変化し得るが、こ のような条件は、ルーチンの最適化手順により当業者により決定され得る。 さらに、当業者に明らかなように、従来の保護基は、特定の官能基が所望でな い反応を起こすのを防ぐために必要であり得る。特定の官能基についての適切な 保護基、ならびに種々の官能基の保護および脱保護についての適切な条件の選択 は、当該分野で周知である。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入およ び除去は、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthes is、第2版、Wiley,New York,1991およびその中で引用されている参考文献に 記載されている。 好ましい合成方法において、本発明のフランニトロン化合物は、以下の式IVの フランカルボニル化合物:ここでR1、R2、X、mおよびnは上記で定義した通りである; と式Vのヒドロキシルアミン: HO-NH-R3 V ここでR3は上記で定義した通りである; との従来の反応条件下でのカップリングにより調製される。 カップリング反応は、代表的には、不活性極性溶媒(例えば、メタノール、エ タノール、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメ チルホルムアミドなど)中で、フランカルボニル化合物IVを少なくとも1当量、 好ましくは約1.1〜約2当量のヒドロキシルアミンVと接触させることにより行わ れる。この反応は、好ましくは、約0℃〜約100℃の温度で約1〜48時間行われ る。必要に応じて、触媒量の酸(例えば、酢酸、p-トルエンスルホン酸など)が 、この反応に使用され得る。反応が完了すると、式Iのフランニトロンは、従来 の方法(沈殿、クロマトグラフィー、濾過、蒸留などを含む)により回収される 。 カップリング反応に使用される式IVのフランカルボニル化合物は、公知の化合 物であるか、または従来の手順により公知の化合物から調製され得る。好ましい フランカルボニル化合物としては、5-ホルミルフラン-2-スルホン酸、4-ホルミ ルフラン-2-スルホン酸、3-ホルミルフラン-2-スルホン酸、2-ホルミルフラン-3 -スルホン酸、4-ホルミルフラン-3-スルホン酸、2-ホルミルフラン-4-スルホン 酸、5-アセチルフラン-2-スルホン酸、4-アセチルフラン-2-スルホン酸などが挙 げられるが、これらに限定されない。特に好ましいフランカルボニル化合物は、 5-ホルミルフラン-2-スルホン酸である。 本発明に使用するのに特に好ましいフランカルボニル化合物は、Xが-SO3Yであ り、Yが上記で定義した通りである式IVの化合物である。これらの化合物は、以 下の式VIのフランカルボニル化合物を、当業者に周知の試薬および条件を用いて スルホン化することにより容易に調製され得る: ここでR1、R2およびnは上記で定義した通りである。任意の従来のスルホン化剤 (例えば、三酸化硫黄ピリジン鉗体)が、この反応に使用され得る。代表的には 、スルホン化反応は、式VIのフランカルボニル化合物を、約1〜約5モル当量の スルホン化剤と、不活性溶媒(例えば、1,2-ジクロロエタン)中、約50℃〜約20 0℃、好ましくは約100℃〜約150℃の範囲の温度で約6〜約48時間接触させるこ とにより行われる。反応が完了すると、スルホン化フランカルポニル化合物は、 従来の方法(沈殿、クロマトグラフィー、濾過などを含む)により回収される。 スルホン化フランカルボニル化合物がヒドロキシルアミンVとのカップリング 反応に使用される場合、スルホネート基は、好ましくは、ヒドロキシルアミンを フランカルボニル化合物と接触させる前に、適切な塩(例えば、リチウム、ナト リウムまたはカリウム塩)に変換される。スルホネート基は、スルホネートを少 なくとも1当量の適切な塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水 酸化カリウム、水素化ナトリウムなど)と接触させることにより、対応する塩に 容易に変換される。 本発明に使用するためのフランカルボニル化合物の別の好ましい群は、1つ以 上のXが-SO2NR6R7(ここでR6およびR7は上記で定義した通りである)である式IV の化合物である。これらの化合物は、スルホネート基をスルホニルクロリドに変 換し、次いでスルホニルハライドを以下の式VIIのアミンとカップリングするこ とにより、対応するスルホン化フランカルボニル化合物(すなわち、Xが-SO3Hで ある式IVの化合物)から容易に調製され得る: ここで、R6およびR7は上記で定義した通りである。式VIIのアミンは、公知の化 合物であるか、または公知の手順により調製され得る化合物のいずれかである。 この反応に使用するのに適切なアミンの例としては、以下が挙げられるが、これ らに限定されない:アンモニア、N-メチルアミン、N-エチルアミン、N-n-プロピ ルアミン、N-イソプロピルアミン、N-n-ブチルアミン、N-イソブチルアミン、N- sec-ブチルアミン、N-tert-ブチルアミン、N-n-ペンチルアミン、N-シクロペン チルアミン、N-n-ヘキシルアミン、N-シクロヘキシルアミン、N-n-オクチルアミ ン、N-tert-オクチルアミン、N,N-ジメチルアミン、N,N-ジエチルアミン、N,N- ジ-n-プロピルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N,N-ジ-n-ブチルアミン、N, N-ジイソブチルアミン、N,N-ジ-sec-ブチルアミン、N,N-ジ-n-へキシルアミン、 N-メチル-N-エチルアミン、N-メチル-N-n-プロピルアミン、N-メチル-N-イソプ ロピルアミン、N-メチル-N-n-ブチルアミン、N-メチル-N-tert-ブチルアミン、N -メチル-N-tert-オクチルアミン、N-メチル-N-シクロペンチルアミン、N-メチル -N- シクロヘキシルアミン、N-エチル-N-n-プロピルアミン、N-エチル-N-イソプロピ ルアミン、N-エチル-N-n-ブチルアミン、N-エチル-N-シクロヘキシルアミン、N- フェニルアミン、N-(4-メチル)フェニルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モル ホリンなど。 スルホン酸(すなわち、式IVのXが-SO3Hである)は、三塩化リンおよび五塩化 リンを用いて対応するスルホニルクロリドに変換され得る。スルホン酸基(単数 または複数)を対応するスルホニルクロリドに変換することに加えて、この反応 はまた、化合物IVのカルボニル基をgem-ジクロリド基に変換する。この変換は、 続くスルホンアミド形成の間にカルボニル基を保護するように作用する。 一般に、化合物IVとPCl3/PCl5との反応は、約2〜5モル当量の三塩化リンお よび五塩化リンを用いて、ニートまたは不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン) 中のいずれか、約0℃〜約80℃の範囲の温度で約1〜約48時間行われる。 次いで、スルホニルクロリドは、約1〜約5モル当量のアミンVIIと接触され 、対応するスルホンアミドgem-ジクロリド化合物を与える。この反応は、好まし くは、約-70℃〜約40℃の範囲の温度で約1〜約24時間行われる。代表的には、 この反応は、適切な塩基の存在下で行われ、反応中に生成する酸を捕獲する。適 切な塩基としては、例示により、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ ン、N-メチルモルホリンなどが挙げられる。あるいは、過剰のアミンVIIが使用 され、反応中に生成する酸を捕獲し得る。 次いで、gem-ジクロリド基は、加水分解され、カルボニル基を再生する。この 反応は、好ましくは、スルホンアミドgem-ジクロリド化合物を、ギ酸水溶液(好 ましくは、約75%)と、約50℃〜約150℃の範囲の温度で約1〜24時間接触させ ることにより、行われる。反応が完了すると、得られるスルホンアミドフランカ ルボニル化合物は、従来の方法(沈殿、クロマトグラフィー、濾過などを含む) により回収される。 本発明に使用するためのフランカルボニル化合物の別の好ましい群は、1つ以 上のXが-S(O)R4または-SO2R5(ここでR4およびR5は上記で定義した通りである) である式IVの化合物である。これらの化合物は、従来の試薬および反応条件を用 いて酸化することにより、対応するスルファニルフランカルボニル化合物(すな わ ち、式IVのXが-SR4またはSR5である)から容易に調製され得る。スルフィド化合 物をスルホキシドに酸化するのに適切な試薬としては、例示により、過酸化水素 、3-クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)、過ヨウ素酸ナトリウムなどが挙げられ る。使用される酸化剤に依存して、フラン中間体のカルボニル基は、好ましくは 、例えば、アセタールまたはケタールとして保護され、所望でない酸化を防ぐ。 酸化反応は、代表的には、スルファニルフランカルボニル化合物を、約0.95〜 約1.1当量の酸化剤と、不活性希釈剤(例えば、ジクロロメタン)中、約-50℃〜 約75℃の範囲の温度で約1〜約24時間接触させることにより行われる。次いで、 得られるスルホキシドは、スルホキシドを少なくともさらなる1当量の酸化剤( 例えば、過酸化水素、MCPBA、過マンガン酸カリウムなど)と接触させることに より、対応するスルホンへとさらに酸化され得る。あるいは、スルホンは、スル フィドを少なくとも2当量、好ましくは過剰の酸化剤と接触させることにより、 直接調製され得る。所望であれば、これらの酸化反応はまた、式IVのフランカル ボニル化合物とヒドロキシルアミンVとのカップリング後に行われ得る。 あるいは、1つ以上のXが-SO4R5(ここでR5は上記で定義した通りである)で ある式IVのスルホン化合物は、対応するブロモフランカルボニル化合物と、例え ば、スルフィン酸ナトリウム塩(すなわち、式R5-SO2Naの化合物、ここでR5は上 記で定義した通りである)との反応により調製され得る。この反応は、代表的に は、ブロモフランカルボニル化合物を、過剰、好ましくは1.2〜3当量のスルフィ ン酸と、不活性溶媒(例えば、2-エトキシエタノール)中、約50℃〜約150℃の 範囲の温度で約2〜24時間接触させることにより行われる。次いで、得られるス ルホンフランカルボニル化合物は、従来の反応条件を用いて式Vのヒドロキシル アミン化合物とカップリングされ得る。 上記式Vのヒドロキシルアミン化合物もまた、公知の化合物であるか、または 従来の手順により公知の化合物から調製され得る化合物である。代表的には、式 Vのヒドロキシルアミン化合物は、対応するニトロ化合物(すなわち、R3-NO2、 ここでR3は上記で定義した通りである)を、適切な触媒(例えば、活性化亜鉛/ 酢酸触媒またはアルミニウム/水銀アマルガム触媒)を用いて還元することによ り調製される。この反応は、代表的には、約15℃〜約100℃の範囲の温度で約0.5 〜 12時間、好ましくは約2〜6時間、水性反応媒体(例えば、亜鉛触媒の場合には アルコール/水混合物、あるいはアルミニウムアマルガム触媒の場合にはエーテ ル/水混合物)中で行われる。ヒドロキシルアミンはまた、オキシムをヒドリド 還元剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム)で還元することにより調製さ れ得る。脂肪族ニトロ化合物(それらの塩形態)もまた、テトラヒドロフラン中 のボランを用いてヒドロキシルアミンに還元され得る。いくつかのヒドロキシル アミンは限られた安定性を有するので、このような化合物は、一般に、式IVのフ ランカルボニル化合物との反応直前に調製される。あるいは、ヒドロキシルアミ ンは、しばしば、それらの塩酸塩として保存(または市販)され得る。このよう な場合では、遊離ヒドロキシルアミンは、代表的には、フランカルボニル化合物 との反応直前に、塩酸塩と適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウム メトキシドなど)との反応により生成される。 本発明に使用するのに好ましいヒドロキシルアミンとしては、以下が挙げられ るが、これらに限定されない:N-メチルヒドロキシルアミン、N-エチルヒドロキ シルアミン、N-n-プロピルヒドロキシルアミン、N-イソプロピルヒドロキシルア ミン、N-n-ブチルヒドロキシルアミン、N-イソブチルヒドロキシルアミン、N-se c-ブチルヒドロキシルアミン、N-tert-ブチルヒドロキシルアミン、N-n-ペンチ ルヒドロキシルアミン、N-シクロペンチルヒドロキシルアミン、N-n-ヘキシルヒ ドロキシルアミン、N-シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N-n-オクチルヒドロ キシルアミン、N-tert-オクチルヒドロキシルアミン、N-フェニルヒドロキシル アミンなど。 いくつかの場合において、本発明のフランニトロンは1つ以上のキラル中心を 含む。代表的には、このような化合物はラセミ混合物として調製される。しかし 、所望であれば、このような化合物は純粋な立体異性体(すなわち、個々のエナ ンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体豊富混合物(ste reoisomer-enriched mixtures))として調製されるか、または単離され得る。式 Iのフランニトロンの全てのこのような立体異性体(および、豊富混合物)は、本 発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または豊富混合物)は、例えば当該 分野で周知の光学活性出発物質または立体選択性試薬を用いて調製され得る。あ る いは、このような化合物のラセミ混合物は、例えばキラルカラムクロマトグラフ ィー、キラル分解試薬などを用いて分離され得る。薬学的組成物 医薬品として使用される場合、代表的には、本発明のフランニトロン化合物は 代表的には、薬学的組成物の形態で投与され、この薬学的組成物は少なくとも1 つの活性フランニトロン化合物および薬学的組成物での使用に適切なキャリアー またはビヒクル(すなわち、薬学的に受容可能なキャリアー)を含む。このような キャリアーは、薬学的組成物を調製するための手順と同様に、薬学分野で周知で ある。 一般に、本発明の化合物は薬学的に有効な量で投与される。実際に投与される 化合物の量は、代表的には、関連症状(処置される条件、選択された投与経路、 投与される実際の化合物、年齢、体重、および個々の患者の反応、患者の症状の 重篤度などを含む)を考慮して医師によって決定される。 本発明の薬学的組成物は、種々の経路で投与され得、この経路は経口、直腸、 経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む。送達の意図された経路によ って、本発明の化合物は好ましくは注射可能または経口組成物のいずれかとして 処方される。 経口投与のための組成物はバルク液体溶液もしくは懸濁液、またはバルク粉末 の形態をとり得る。しかし、さらに一般には、組成物は正確な投薬を容易にする ための単位投薬形態で表される。用語「単位投薬形態」は、ヒト被験体および他 の哺乳類に対する単位投薬として適切な物理的に分離した単位を指し、各単位は 適切な薬学的賦型剤と共に、所望の治療的効果を生成するように計算された所定 量の活性物質を含む。代表的な単位投薬形態は、液体組成物の予め充填され、予 め測定されたアンプルまたは注射器、または固体組成物の場合では丸剤、錠剤、 カプセルなどを含む。このような組成物において、フランニトロン化合物は通常 、少量成分(約0.1〜約50重量%または好ましくは、約1〜約40重量%)であり、 残りは所望の投薬形態を形成するのに役立つ種々のビヒクルまたはキャリアーお よび加工補助剤である。 経口投与に適切な液体形態は、緩衝液、懸濁剤および分散剤(dispensing agen ts)、着色剤、香料などを有する適切な水性または非水性ビヒクルを含み得る。 固体形態は、例えば、以下の成分のいずれか、または類似の性質の化合物を含み 得る:バインダー(例えば、微結晶性(microcrystalline)セルロース、トラガカ ントゴムまたはゼラチン);賦型剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊 剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Prlmogel)、またはコーンスターチ;潤滑 剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(glidant)(例えば、コロイド状二 酸化ケイ素);甘味料(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香料(例え ば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料)。 注射可能な組成物は、代表的には注射可能な滅菌生理食塩水またはホスフェー ト緩衝生理食塩水または当該分野で公知の他の注射可能なキャリアーを基にして いる。前述のように、このような組成物中のフランニトロン化合物は、代表的に は少量成分であり、しばしば約0.05〜10重量%であり、残りは注射可能なキャリ アーなどである。 経口投与可能であるかまたは注射可能な組成物に関する上記成分は、代表的な もののみである。他の物質および加工技術などが、Remington's Pharmaceutical Sciences 、第17版、1985、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania、 の第8部に記載されており、これは本明細書中で参考として援用される。 本発明の化合物はまた、徐放性形態で投与され得るか、または徐放性薬剤送達 システムから投与され得る。代表的な徐放性物質の記載は、Remington's Pharma ceutical Sciences に組み入れられた材料に見出され得る。 以下の処方例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。しかし、本発明 は以下の例示された薬学的組成物に限定されない。処方1−錠剤 式Iの化合物を、乾燥ゼラチンバインダーと約1:2の重量比で乾燥粉末とし て混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として添加する。この混 合物を、打錠機(tablet press)で240〜270mgの錠剤(錠剤当たり80〜90mgの活性 フランニトロン化合物)に成形する。処方2−カプセル 式Iの化合物を、デンプン希釈剤と約1:1の重量比で乾燥粉末として混合す る。この混合物を、250mgのカプセルに充填する(1カプセル当たり125mgの活性 フランニトロン化合物)。処方3−液体 式Iの化合物(50mg)、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)を混合し 、No.10メッシュU.S.シーブを通過させ、次いで前に作成した水中の微結晶性セ ルロースおよびナトリウムカルボキシルメチルセルロース(11:89,50mg)の溶液 と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料、および着色剤を水で希釈し、そ して撹拌しながら添加する。次いで、十分な水を添加し、全容量5mlに調製する 。処方4−錠剤 式Iの化合物を、乾燥ゼラチンバインダーと約1:2の重量比で乾燥粉末とし て混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として添加する。この混 合物を、打錠機で450〜900mgの錠剤(150〜300mgの活性フランニトロン化合物)に 成形する。処方5−注射 式Iの化合物を、約5mg/mlの濃度まで緩衝化滅菌生理食塩水注射可能水性媒 体に溶解する。化合物の効用 本発明のフランニトロン化合物は、フリーラジカルを効果的にトラップ、また は、除去することが発見されており、そして従って、このような化合物は、例え ばESR分光技術を用いてフリーラジカルを検出するための分析試薬として有用で ある。さらに、本発明のフランニトロンは広範な種類の医学的機能不全および疾 患を処置するのに有用であることが発見されている。 分析試薬として、本発明のフランニトロン化合物は、電子スピン共鳴(ESR)分 光法およびその関連技術を用いて不安定なフリーラジカルを検出するためのスピ ントラップ(spin trap)として有用である。分析試薬として使用される場合、本 発明のフランニトロン化合物は、代表的には、溶液中で調査されるラジカルと接 触し、そしてESRスペクトルが従来の様式で生じる。任意のESR分光計(例えば、J EOL JES-FE3XG分光計)がこれらの実験で使用され得る。代表的には、スピントラ ップを含む溶液は、例えばESR実験が行われる前にアルゴンまたは窒素を溶液に 通じることによって脱酸素される。好ましくは、過剰のフランニトロンが、この ようなESR実験で使用される。 スピントラッピング実験で使用される実際の実験手順は、多くの要因(例えば 、ラジカル生成の様式、スピントラップに関する溶媒および試薬の不活性度(ine rtness)、スピン付加物の寿命などに依存する。スピントラッピング手順は当該 分野で周知であり、そして使用される正確な手順は当業者により決定され得る。 スピントラッピング実験を行うための代表的な手順および装置は、例えばC.A.Ev ans、「Spin Trapping」、Aldrichimica Acta、(1979)、12(2)、23〜29頁、およ びこれに引用された参考文献に記載されている。 治療剤として、本発明のフランニトロンは、広範な種類の医学的機能不全およ び疾患を処置するのに有用であることが発見されている。理論に限定されること を望まないが、本発明のフランニトロン化合物に関する作用の1つのモードが、 フリーラジカルのトラッピングまたは除去であると考えられている。従って、式 Iのフランニトロンは、フリーラジカル誘導酸化的損傷から生じるか、またはそ れによって特徴づけられる医学的機能不全または疾患を処置するのに有用である 。 このような医学的機能不全または疾患は、例えば、以下のものを含む:中枢神 経系の障害(例えば、脳卒中、老化、パーキンソン病、多発性硬化症、振盪症、 動脈瘤、脳室出血、および関連する血管攣縮、偏頭痛および他の血管性頭痛、脊 髄外傷、糖尿病性網膜症、神経麻酔添性、および加齢に関連した痴呆、アルツハ イマー病、多発脳梗塞性痴呆、HIV痴呆およびパーキンソン病性痴呆を含む痴呆) ;末梢神経系の障害(例えば、糖尿病性末梢神経障害および外傷性神経損傷);お よび末梢器官の障害(例えば、アテローム性動脈硬化症(糖尿病性および 自然発症のものの両方)、心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、膵臓炎、ブドウ 膜炎、化学療法剤による肺線維症(pulmonary fibrosis)、血管形成、外傷、火傷 、虚血性腸疾患、創傷、潰瘍および褥瘡、狼瘡、潰瘍性大腸炎、臓器移植、腎性 高血圧症、骨格筋の過度の使用(overexertion)、および鼻出血(肺出血)。処置さ れ得る他の症状は、以下のものを含む:炎症性疾患(例えば、関節炎);低密度リ ポタンパク質の望ましくない、または変更された酸化;および放射線(X線、紫 外線、γ線およびβ線を含む)ならびに細胞障害性化合物(ガンおよびウイルス感 染の化学療法に使用されるものを含む)への曝露に由来する機能不全。抗酸化剤 もまた、ガンに対する保護効果を提供し得、そして細胞増殖を阻害し得る。例え ば、K.Iraniら、Science、275:1649〜1652頁(1997)を参照のこと。 さらに、本発明のフランニトロンは、サイトカイン(例えば、IL-1β、IL-6、 およびTNFα)の放出を効果的に阻害することが発見されている。高レベルのサイ トカインは、広範な種類の炎症性神経変性症状および自己免疫性症状(アルツハ イマー病、AIDS痴呆、敗血症性ショック、関節リュウマチ、らい性結節性紅斑、 髄膜炎菌性髄膜炎、多発性硬化症、全身性狼瘡などを含む)に関連する。L.Seku tら、Drug News Perspect.1996、9、261;K.Shiosakiら、「4章.Emerglng Op portunities in Neuroinflammatory Mechanisms of Neurodegeneration」Annual Reports in Medicinal Chemistry、31〜40頁、Academic Press(1995)およびこ の中で引用された参考文献;およびA.Waageら、J.Exp.Med.1989、170、1859 〜1867頁を参照のこと。従って、式Iのフランニトロンは、サイトカイン(特にI L-1β、IL-6、およびTNFα)の過剰産生または不規則な産生によって特徴づけら れる疾患(神経変性症状、自己免疫性症状および/または炎症性症状を含む)を処 置するために有用である。 さらに、フランニトロンは、Aβ(1-40)βプリーツシートの形成を効果的に阻 害し、および/または神経細胞の損失に対して効果的に保護することが見出され ている。さらに、インビボ試験において、このような化合物はAβ(25-35)によっ て生じる運動機能障害を軽減することが見出されている。Aβ(1-40)βプリーツ シートの形成、神経細胞損失、およびβアミロイド誘導運動機能障害は、神経変 性症状(例えば、アルツハイマー病)および/または自己免疫性症状に関連してい る。従って、式Iのフランニトロンは、神経変性症状および/または自己免疫性 症状を予防および/または処置するために有用である。 予防および/または処置され得る種々の医学的症状の中で、本発明のフランニ トロンは、中枢神経系の領域に急性の激しい酸化的損傷を含む症状を処置するの に特に有用である。このような症状の例は、脳卒中、脳卒中に関連した症状、振 盪症およびクモ膜下出血を含む。このような症状を処置する場合、フランニトロ ン化合物は代表的には、化合物を可能な限り早くかつ直接的に患者の血流に入れ 得る様式で投与される。代表的には、これは静脈内投与を含む。 これらの医学的症状を処置するための静脈内投薬レベルは、約1〜約120時間 、特に24〜96時間の期間にわたって、約0.1mg/kg/時間〜少なくとも10mg/kg/時 間の範囲である。好ましくは、少なくとも0.2mg/kg/時間の量が患者に投与され る。約10mg〜約500mgの前負荷(preloading)大量瞬時投与(bolus)はまた、適切な 定常症状レベルを達成するために投与され得る。 静脈内投与が好ましいが、非経口投与の他の形態(例えば、筋肉内注射)もまた 、使用され得る。このような場合には、上記と類似の投薬レベルが採用され得る 。 他の要因の中で、本発明のフランニトロンの驚くべきかつ予期されない利点は 、このような化合物は、特定の他の公知のフリーラジカルトラップ(例えば、N-t ert-ブチル-α-フェニルニトロン(PBN))で可能なレベルよりも莫大に高いレベル で投与され得ることである。300mg/kg/時間までの投薬量、および10mg〜1000mg のさらに高い、または静脈内大量瞬時投与が、本発明の化合物を用いて採用され 得る。対照的に、PBNは高投薬量で死亡を引き起こすか、または急性毒性を生じ る。従って、フランニトロン化合物の大量投薬は、脳卒中後または他の外傷後直 ちに投与され得、多くの場合において顕著に軽減された酸化的損傷を提供し得る 。このような投薬量、そしてこれらに付随する利益は、PBNを用いては不可能で ある。 本発明のフランニトロンで有利に処置され得る別の急性症状は、心血管系に対 する急性酸化的損傷(例えば、心筋梗塞などを罹患した患者に起こる損傷)である 。このような症状を処置する場合、脳卒中および他の急性CNS症状に関して上記 と類似の投薬量でフランニトロンを含む薬学的組成物が非経口的に(例えば、静 脈内に)投与される。 本発明のフランニトロン化合物で予防および/または処置され得る他の医学的 症状は、神経変性症状(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV痴呆な ど);自己免疫性症状(例えば、全身性狼瘡(エリテマトーデス)、多発性硬化症な ど);および炎症性症状(例えば、炎症性腸疾患、関節リュウマチ、敗血症性ショ ック、らい性結節性紅斑、敗血症、ブドウ膜炎など)である。これらの疾患の分 類に関して、いくつかの疾患症状が、例えば、自己免疫性症状および炎症性症状 (例えば、多発性硬化症など)の両方として分類され得ることが、当業者によって 認識される。 上記のように、本明細書中に記載される化合物は、種々の薬物送達システムで の使用に適切である。神経変性症状、自己免疫性症状および炎症性症状を処置す るための注射投薬レベルは、約1〜約120時間、特に24〜96時間の期間にわたっ て全て、約0.1mg/kg/時間〜少なくとも10mg/kg/時間の範囲である。約0.1mg/kg 〜約10mg/kg以上の前負荷(preloading)大量瞬時投与はまた、適切な定常症状レ ベルを達成するために投与され得る。最大総投薬量は、約40〜80kgのヒト患者に 関して約2g/日を上回ることは期待されない。 長期間症状(例えば、神経変性症状、および自己免疫性症状)の予防および/ま たは処置に関して、処置のレジメンは通常多くの年月にわたるので、経口投薬が 患者の利便性および耐性のためにも好ましい。経口投薬を用いる場合、1日当た り1〜5回、特に2〜4回、代表的には3回の経口投薬が、代表的なレジメンで ある。これらの投薬パターンを用いると、各投薬量は約0.02〜約50mg/kgのフラ ンニトロンを提供し、好ましい各投薬量は約0.04〜約30mg/kg、特に約1〜約10m g/kgを提供する。 神経変性症状、自己免疫性症状または炎症性症状の発症を予防するために用い られる場合、本発明のフランニトロン化合物は、代表的には医師の助言および監 督のもとで、上記の投薬レベルで症状が進行する危険性のある患者に投与される 。特に症状が進行する危険性のある患者は、一般にその症状の家族の病歴を有す る患者、あるいは遺伝的試験またはスクリーニングによって特に症状が進行しや すいと認められた患者が含まれる。予防的に用いられる場合、フランニトロンを 含む薬学的組成物は、素因のある患者に経口投与される。この経口治療に関する 投 薬量は、代表的には神経変性症状、自己免疫性症状または炎症性症状に罹患して いる人の処置に関する上記と同様である。 本発明の化合物は、唯一の活性薬剤として投与され得、または他の薬剤(他の 活性フランニトロン化合物を含む)と組み合わせて投与され得る。 以下の合成実施例および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供され 、そして本発明の範囲を限定するものとしていかなるようにも見なされるべきで はない。 実施例 以下の実施例では、下記の略語は、下記の意味を有する。以下で定義されない 略語は、それらの一般的に受け入れられた意味を有する。 bd = 幅の広い2重線 bs = 幅の広い1重線 d = 2重線 dd = 2重線の2重線(doublet of doublets) DCF = ジクロロフルオレセイン dec = 分解 dH2O = 蒸留水 ELISA = 酵素結合イムノ吸着剤アッセイ EtOAc = 酢酸エチル EtOH = エタノール FBS = ウシ胎児血清 g = グラム h = 時間 Hz = ヘルツ IL−1β = インターロイキン−1β IL−6 = インターロイキン−6 L = リットル LPS = リポポリサッカライド m = 多重線 min = 分 M = モル濃度 MEM = 最小必須培地(または改変イーグル培地) MeOH = メタノール mg = ミリグラム MHz = メガヘルツ mL = ミリリットル mmol = ミリモル m.p. = 融点 N = 標準 q = 4重線 quint. = 5重線 ROS = 反応性酸素種 s = 1重線 t = 3重線 tert−octyl = 1,1,3,3−テトラメチルブチル THF = テトラヒドロフラン ThT = チオフラビン T tlc = 薄層クロマトグラフィー TNFα = 腫瘍壊死因子−α μg = マイクログラム μL = マイクロリットル UV = 紫外線 以下の実施例では、全ての温度は、(他に示さない限り)摂氏の度である。以 下の実施例A〜Cは、本発明のフランニトロン化合物を調製するのに使用される 中間体の合成を記載し;実施例1〜17は、フランニトロン化合物の合成を記載 し;そして実施例18〜29は、このような化合物のインビトロおよびインビボ 試験を記載する。 実施例A N−イソプロピルヒドロキシルアミン の合成 95%エタノール(350mL)中の2−ニトロプロパン(5.35g)およ び亜鉛粉末(5.89g)の冷却溶液に、温度を10℃未満に維持するような速 度で、酢酸(10.8g)を添加した。反応系を3時間撹拌し、そして溶媒を真 空で除去した、残渣をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を硫酸マ グネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去した。粗ヒドロキシルアミン生 成物をさらに精製せずに使用した。他のヒドロキシルアミンはまた、この手順に よって調製され得る。 実施例B オキシムの還元によるヒドロキシルアミンの合成 R.F.Borchら,J.Amer.Chem.Soc.,1971,93 (3):2897の手順に従って、対応するオキシムから、種々のヒドロキシル アミンを調製した。具体的には、撹拌モーター、pHメーター測定器(prob e)、および添加漏斗を備えた三つ口丸底フラスコに、メタノール中のオキシム の溶液(約0.4M)を充填する。撹拌溶液に、0.68当量のNaBH3CN を分割して添加する。添加漏斗をMeOH中の4M HClで満たす。調製酸溶 液の量は、オキシムを溶解するのに使用されたMeOHのおおよそ3/4体積で あるべきである。次いで、pHが約4に下がり、そしてその値で安定するまで、 HCl溶液を、徐々に、オキシムに添加する。次いで、溶液を、常温で、約4時 間、撹拌させる。HClをpHを4に保持するのに必要なほど添加する。(少量 の試料を定期的に除去し、そして反応が完結しているかどうか測定するために準 備できる。)反応が完結したら、溶液を1口丸底フラスコに注ぎ、そしてMeO Hを真空で除去する。ロトエバポレーション(rotoevaporation )によってメタノールを除去する間、溶媒トラップは、MeOHと共に除かれる HCNをクエンチするために、NaOH(1当量)で満たされるべきであ る。)メタノールを除去した後、残渣を水中に溶解し、そして塩化メチレンで抽 出する(×4)。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥し、そして乾燥させ、(N MRおよびDSCによって決定されるものとして)ヒドロシルアミン生成物を得 る。 実施例C N−シクロヘキシルヒドロキシルアミンの合成 N−シクロヘキシルヒドロキシルアミン塩酸塩(Aldrich(1001 West Saint Paul Avenue,Milwaukee,Wis consin 53233 米国)から市販)を、エーテル(塩酸塩6グラムに 対してエーテル約200mL)中に懸濁し、そしてブライン中の5%NaOHで 3回抽出した。有機層(N−シクロヘキシルヒドロキシルアミンの綿毛状の白色 結晶がエーテル中に懸濁している)を丸底フラスコに移し、そしてエーテルを真 空で除去した。得られた結晶を、高真空下、約20分間乾燥し、表題化合物を得 た。 実施例1 N−イソプロピル−α−(2−スルホフラン−5−イル)ニトロン の合成 N−イソプロピルヒドロキシルアミン(上記実施例Aによる)および5−ホル ミルフラン−2−スルホン酸ナトリウム塩水和物(5.94g)をメタノール( 200mL)中で、24時間、環流した。N−イソプロピルヒドロキシルアミン のもう1つの分割を添加し、そして反応系を24時間撹拌した。溶媒を除き、淡 黄色の固体を得、これを、酢酸エチルから再結晶化し、表題化合物5.72g( 収率75%)、m.p.=230℃(分解)を得た。HPLC分析は、面積によ り88%の主生成物を示した。pHによって、表題化合物は、遊離酸として、ま たは、ナトリウムカチオンが存在しおよびより高いpHの場合、ナトリウム塩と して、存在する。他の塩形態は、カチオンを変えることによって調製され得る。 分光分析データは以下であった: 実施例2 N−プロピル−α−(2−スルホフラン−5−イル)ニトロン の合成 上記の実施例1の手法に従い、そして5−ホルミルフラン−2−スルホン酸ナ トリウム塩水和物およびN−プロピルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合物 を、収率41%で、ナトリウム塩として調製した(m.p.230〜233℃( dec.))。 分光分析データは以下であった: 実施例3 N−n−ブチル−α−(2−スルホフラン−5−イル)ニトロン の合成 上記の実施例1の手法に従い、そして5−ホルミルフラン−2−スルホン酸ナ トリウム塩水和物およびN−n−ブチルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合 物を、収率6.7%で、ナトリウム塩として調製した(m.p.212.8℃( dec.))。 分光分析データは以下であった: 実施例4 N−tert−ブチル−α−(2−スルホフラン−5−イル)ニトロン の合成 上記の実施例1の手法に従い、そして5−ホルミルフラン−2−スルホン酸ナ トリウム塩水和物およびN−tert−ブチルヒドロキシルアミンを用いて、表 題化合物を、収率36%で、ナトリウム塩として調製した(m.p.117〜1 20℃(dec.))。 分光分析データは以下であった: 実施例5 N−n−ヘキシル−α−(2−スルホフラン−5−イル)ニトロン の合成 上記の実施例1の手法に従い、そして5−ホルミルフラン−2−スルホン酸ナ トリウム塩水和物およびN−n−ヘキシルヒドロキシルアミンを用いて、表題化 合物を、収率76%で、ナトリウム塩として調製した(m.p.225.5℃( dec.))。 分光分析データは以下であった: 実施例6 N-シクロヘキシル−α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンの合成 上記実施例1の手順に従って、5-ホルミルフラン-2-スルホン酸、水素化ナト リウム塩およびN-シクロヘキシルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合物を、 84.3%の収率で、ナトリウム塩として調製した(融点 236.1℃(dec))。 分光データは以下の通りである: 実施例7 N-tert-オクチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンの合成 上記実施例1の手順に従って、5-ホルミルフラン-2-スルホン酸、水素化ナト リウム塩およびN-tert-オクチルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合物を、9 8%の収率で、ナトリウム塩として調製した(融点 216.9℃(dec))。 分光データは以下の通りである: 実施例8 N-アダマンチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンの合成 上記実施例1の手順に従って、5-ホルミルフラン-2-スルホン酸、水素化ナト リウム塩およびN-アダマンチルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合物を、59 %の収率で、ナトリウム塩として調製した(融点 236.9℃(dec))。 分光データは以下の通りである: 実施例9 N-ベンジル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンの合成 上記実施例1の手順に従って、5-ホルミルフラン-2-スルホン酸、水素化ナト リウム塩およびN-ベンジルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合物を、82%の 収率で、ナトリウム塩として調製した(融点 223.7℃(dec))。 分光データは以下の通りである: 実施例10 N-イソプロピル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロンの合成 上記実施例1の手順に従って、5-ホルミルフラン-2,4-スルホン酸二ナトリウ ム塩およびN-イソプロピルヒドロキシルアミンを用いて、表題化合物を、二ナト リウム塩として調製した。 実施例11 N-イソプロピル-α-[2-(N-モルホリノスルホニル)フラン-5-イル]ニトロン の合成 POCl3(16.0mL,171.66mmol)および5-ホルミル-2-フランスルホニル酸ナトリウ ム塩(15.0g,75.71mmol)の混合物に、PCl5(38.0g,182.48mmol)を部分的に冷却 期間20分かけて添加した。混合物を室温でさらに90分間撹拌した。固体(主に、 NaCl)を濾過により除去し、そしてCH2Cl2(25mL)で洗浄した。濾液のロータリー エバポレーションにより、粗5-ジクロロメチル-2-フランスルホニルクロリド(16 .43g)を得た。この溶液をEt2OまたはCH2Cl2(100mL)に溶解し、-45℃に冷却した 。Et2OまたはCH2Cl2(30mL)中のモルホリン(12.0mL,138.20mmol)の溶液を、15分 間滴下した。1時間室温で撹拌した後、この混合物を濾過し、固体を溶媒(2×6 0mL)で洗浄した。合わせた濾液をロータリーエバポレートし、粗2-(N-モ ルホリノスルホニル)-5-ジクロロメチルフラン(15.13g)を黄色結晶固体として得 た。この固体の一部(14.13g,47.07mmol)を75%HCOOH(75mL)に溶解し、60分間還 流した。次いで、溶液をロータリーエバポレートし、粗2-(N-モルホリノスルホ ニル)-5-フラルデヒド(12.58g)を褐色固体として得た。この固体を、アルゴン下 で、CHCl3(250mL)中のモレキュラーシーブ(55g)、シリカゲル(10g)、およびMe2C HNHOH(6.0g,80mmol)と混合した。室温で1時間撹拌した後、混合物を濾過し、 ロータリーエバポレートし、黄色固体を得た。この粗粗製物をヘキサンおよびエ チレングリコールジメチルエーテルから再結晶し、表題化合物(6.92g,全収率30 .2%)を固体として得た(融点=163.7℃(溶離液としてEtOAcを用い、シリカゲ ルプレート上、Rf=0.31)。 分光データは以下の通りである: 実施例12 N-イソプロピル-α-[2-(N,N-ジメチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン の合成 表題化合物を、上記実施例11に記載の手順を用い、モルホリンの代わりにN, N-ジメチルアミンを用いて、調製した。表題化合物を固体として32.1%収率で単 離した(融点=79.0℃)(溶離液としてEtOAcを用い、シリカゲルプレート上、 Rf=0.35)。 分光データは以下の通りである: 実施例13 N-イソプロピル-α-[2-(N,N-ジエチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン の合成 表題化合物を、上記実施例11に記載の手順を用い、モルホリンの代わりにN, N-ジエチルアミンを用いて、調製した。表題化合物を固体として40.4%収率で単 離した(融点=82.9℃)(溶離液としてEtOAcを用い、シリカゲルプレート上、 Rf=0.34)。 分光データは以下の通りである: 実施例14 N-イソプロピル-α-[2-(N-4-メチルピペラジン-1-イルスルホニル) フラン-5-イル]ニトロンの合成 表題化合物を、上記実施例11に記載の手順を用い、モルホリンの代わりに1- メチルピペラジンを用いて、調製した。表題化合物を固体として35.6%収率で単 離した(融点=111.5℃)(溶離液としてEtOAc:EtOH(4:1,v:v)を用い、シリカ ゲルプレート上、Rf=0.19)。 分光データは以下の通りである: 実施例15 N-イソプロピル-α-[2-(N-4-メチルピペラジン-1-イルスルホニル)- フラン-5-イル]ニトロン塩酸塩の合成 塩化水素ガスを、CH2Cl2中の上記実施例14からの生成物の溶液に通気した。 表題化合物を、固体として84.5%収率で単離した(融点=212.6℃)(溶出物と してEtOAc:EtOH(4:1,v:v)を用い、シリカゲルプレート上、Rf=0)。 分光データは以下の通りである: 実施例16 N-tert-ブチル-α-[2-(N-3-トリフルオロメチルフェニルスルファモイル) -フラン-5-イル]ニトロンの合成 表題化合物を、上記実施例11に記載の手順を用い、モルホリンの代わりに3- トリフルオロメチルアニリンを、N-イソプロピルヒドロキシルアミンの代わりに N-tert-ブチルヒドロキシルアミンを用いて、調製した。表題化合物を固体とし て14.9%収率で単離した(融点=162.1℃)(溶離液としてCH2Cl2を用い、シリ カゲルプレート上、Rf=0.08)。 分光データは以下の通りである: 実施例17 N-tert-ブチル-α-[2-(メチルスルホニル) -フラン-5-イル]ニトロンの合成 2-エトキシエタノール(300mL)中の5-ブロモ-2-フラルデヒド(20g,0.1143mol) およびメタンスルホン酸ナトリウム塩(25g,0.2427mol)の溶液を、3時間還流し 、そして冷却後に氷-水(1000g)中に注いだ。この混合物をCHCl3で抽出し、CHCl3 溶液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレートした。得られた残渣(9 .16g)を、モレキュラーシーブ(4A,50g)およびシリカゲル(10g)の存在下で、CHC l3中のN-tert-ブチルヒドロキシルアミン(7.0g)と、室温で21時間、還流温度で 3時間反応させた。濾過およびエバポレーションの後、得られた残渣を、カラム クロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチル(1:1,v:v)で溶出される)によ り精製し、表題化合物(5.37g,全収率19.2%)を固体として得た(融点 137.5℃ )(溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:1,v:v)を用い、シリカゲルプレート上、 Rf=0.27)。 分光データは以下の通りである: 上記実施例1〜17に記載の手順、および適切な出発物質ならびに試剤を用い て、式Iの以下のフランニトロン化合物を調製し得る: N-メチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-メチル-α-(2-スルホフラン4-イル)ニトロン N-メチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-メチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-メチル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-メチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-エチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-エチル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-エチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-エチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-エチル-α-(3-スルホフラン4-イル)ニトロン N-エチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(2-スルホフラン4-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(2-スルホフラン4-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(2-スルホフラン-3-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(2-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(3-スルホフラン-2-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(3-スルホフラン-4-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(3-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-メチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-エチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-n-プロピル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-イソプロピル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-n-ブチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-イソブチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-sec-ブチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-tert-ブチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-n-ヘキシル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-シクロヘキシル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-tert-オクチル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-ベンジル-α-[2-(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-メチル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-エチル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ブチル-α(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(2,4-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-メチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-エチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソブチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-sec-ブチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(2,3-ジスルホフラン-5-イル)ニトロン N-メチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-エチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-n-プロピル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-イソプロピル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-n-ブチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-イソブチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-sec-ブチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-tert-ブチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-n-ヘキシル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-シクロヘキシル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロ ン N-tert-オクチル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン N-ベンジル-α-[2,4-ジ(N-メチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロン など;およびその薬学的に受容可能な塩(ナトリウム、カリウム、およびカルシ ウム一クエン酸塩を含むが、これらに限定されない)。 実施例18 フリーラジカルトラッピング 本実施例において、上記の式Iのフランニトロがインビボでフリーラジカルを トラップする能力を示す。フリーラジカルは、アルツハイマー病および他の長期 神経変性状態に関連している。一連の研究により、フランニトロンが生物学的設 定においてフリーラジカルをトラッピングする能力を決定することに導いた。 ジクロロフルオレセイン(DCF)は、反応性酸素種(ROS)(例えば、ヒドロキシル 、ペルオキシル、またはアルコキシルフリーラジカル)によって酸化された場合 、蛍光を発する化合物である。試験化合物は、それらのラジカル生成環境におい てDCF酸化を阻害する能力を決定することによって、それらのラジカル除去能力 を評価した。2つのラジカル生成系が使用された:(i)第一鉄イオンおよび(ii)t ert-ブチルヒドロペルオキシド。第一鉄イオンがノルモキシック(normoxic)溶液 に入れられると、それは自動酸化し、ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシド アニオンフリーラジカル、および過酸化水素の形態でROSを生成する。同様に、t ert-ブチルヒドロペルオキシドが非キレート化媒体に入れられると、微量金属が その酸化を触媒し、アルコキシ、ペルオキシ、およびアルキルフリーラジカルを 生成する。 このアッセイにおいて、100μM FeSO4または25μM tert-ブチルヒドロペル オキシドのいずれかを、MEM中の100μM 試験化合物および50μM DCFと混合し 、そしてこの混合物を37℃で2時間インキュベートした。測定されたフルオレセ イン波長は、485nm励起および530nm発光であった。これらの試験において、N-イ ソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンナトリウム塩(上記実施例1 で調製された)は、Fe2+アッセイにおいて20%まで、およびtert-ブチルヒドロ ペルオキシドアッセイにおいて13%まで、蛍光を減少させた。比較して、公知の フリーラジカルトラップ、N-tert-ブチル-α-フェニルニトロン(PBN)は、Fe2+ア ッセイにおいて48%まで、およびtert-ブチルヒドロペルオキシドアッセイにお いて9%まで、蛍光を減少させた。これらの結果は、N-イソプロピル-α-(2-ス ルホフラン-5-イル)ニトロンナトリウム塩がフリーラジカルのトラップに有効で あることを示す。 実施例19 電子スピン共鳴(ESR)研究 本実験において、上記の式Iのフランニトロンがフリーラジカルをトラップす る能力は、ESRスピントラッピング技術を用いて示される。例えば、K.R.Maples ら、「In Vivo Detection of Free Radical Metabolites」、Free Radicals in Synthesis and Biology(F.Minisci編)423-436頁(Kluwer Academic Publishers, Boston,1989);およびJ.A.DeGrayら、「Biologlcal Spin Trapping」、Electron Spin Resonance 14:246-300(1994)を参照のこと。t-ブチルヒドロペルオキシド /第一鉄イオンフリーラジカル生成系が、この実験において使用された。このフ リーラジカル生成系は、t-ブチル-アルコキシラジカル、t-ブチル-ペルオキシル ラジカル、およびメチルラジカルを生成する。フランニトロンが任意のこれらの ラジカルをトラッピングし得る場合、ラジカル付加物は、ESR分光法によって検 出可能であるべきである。 100mM N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンナトリウム塩の 水溶液(490μl)を、1mM t-ブチルヒドロペルオキシド(5μl)に添加した。こ の反応を、1mM 硫酸第一鉄(5μl)の添加によって開始し、次いでこの溶液を すばやく石英フラットセルに移し、そしてこのセルをBruker ESP 300 ESR分光計 のキャビティに入れた。ESR分光計の設定は以下の通りであった:9.75GHz周波数 、10dB電力、8×104レシーバゲイン、0.20G変動振幅、0.080秒時間定数、3480 Gセンターフィールド、200G掃引幅、および240秒掃引時間。 図1に示すように、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンナ トリウム塩は、t-ブチルヒドロペルオキシド/第一鉄イオン系によって生成され たラジカルと反応し、ラジカル付加物を生成した。この付加物は、16.5G 1:1:1 3重線の4.5G2重線の4.5G2重線として特徴付けられる。超微細開裂は、電 子の、N-イソプロピル基に結合した水素原子、窒素原子に結合した水素原子およ びニトロンの窒素の磁気モーメントによるカップリングから生じる。aH開裂に 基づき、N-tert-ブチル-α-フェニルニトロンに関して以前に報告された類似の 結果と比較して、トラップされた種は、ほとんど、メチルラジカルであった。従 っ て、図1に示されるESRスペクトルは、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5- イル)ニトロンナトリウム塩がフリーラジカルのトラッピングに効果的であり、E SR用途の分析試剤として使用され得ることを示す。 実施例20 急性CNS障害の処置 本実施例において、上記の式Iのフランニトロンの梗塞容量をインビボ脳卒中 モデルにおいて低減させる能力を実証する。ラット永久中大脳動脈閉塞(MCAO) モデルを使用して、脳卒中の処置効能を決定した。MCAOは、急性CNS障害の代表 的なモデルである。例えば、M.D.Ginsbergら、「大脳虚血の齧歯類モデル」(1 989)Stroke、20:1627-1642を参照のこと。この脳卒中モデルでは、中大脳動脈 を、焼灼術を介して永久に閉塞させて、局所的脳卒中を発生させる。次いで、N- イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナトリウム塩(上記の 実施例1において調製した)を10mg/kg i.v,ボーラス用量としてMCAO後3時間で 頚静脈に外科的に移植したカテーテルを介して投与した。MCAOの2日後に、ラッ トを屠殺して、そして脳損傷の程度を、テトラゾリウム染色(TTC染色)に続い てコンピューター画像分析を使用して梗塞容積(すなわち、死んだ組織の領域) を定量化することにより評価した。試験化合物で処置したラットについての平均 の梗塞容積は、24.7mm3であった一方、試験化合物で処置しなかったラットにつ いての平均の梗塞容積は36.0mm3であった。これらの結果を図2に示す。従って 、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナトリウム塩は、 脳卒中後3時間に投与される場合、コントロールと比較して平均の脳卒中の梗塞 容積を32%低減させた。 実施例21 Aββプリーツシート形成の阻害 アミロイドβペプチド(Aβ)の沈着は、アルツハイマー病の進展と関連する 。例えば、G.G.Glennerら(1984)Biochem.Biophys.Res.Commun.,120:885-8 90;およびR.E.Tanzi(1989)Ann.Med.,21:91-94を参照のこと。従って、Aβ(1-4 0)βプリーツシートまたはAβ(1-42)βプリーツシートの形成を効率的に破壊 する化合物は、このようなアミロイド沈着を予防および/または後退するのに潜 在的に有用である。チオフラビンT(ThT)は、βプリーツシート(特に、合成A β(1-40)の凝集繊維)と迅速に会合することが知られている。この会合により 、440nmにおける新たな励起最大が生じ、そして490nmにおける発光が増強される 。 本実験において、上記の式IのフランニトロンのThTの合成Aβ(1-40)またはAβ(1 -42)との会合を阻害する能力を、蛍光での変化の測定により実証する。 実験を、以下のパラメーターを有するCytoFluor II蛍光プレート読み取り機を 用いて実施した: フィルター: 励起 440nm/20 発光 490nm/40 ゲイン: 75 サイクル間の時間: 30分 実行時間: 720分(24サイクル)または実験設計に依存する プレート: 96ウェル 各ウェルに、95μlのPBS(pH6.0)中に調製したThT(3μM)、PBS(pH6.0 )中の0.05%のメチルセルロースで調製した2μlの試験する化合物(10μM) 、およびdH2Oで調製した3μlのAβ(1-40)(3μg)をアリコートした(実施 例1、3、4、5、6、7、8、9、11、および12で調製した化合物を試験 した)。蛍光測定を、Aβ(1-40)を添加したときに開始し、そして全12時間継続 した。βプリーツシート形成の阻害率を、試験化合物の存在と非存在との間の凝 集の相対蛍光単位の差から計算した。データは、上記の実施例1、5、6、7、 9、11、および12で調製した化合物がAβ(1-40)βプリーツシート形成を、 コントロールと比較して15〜71%阻害したことを示す。10μMでは、上記の実施 例3、4、および8で調製した化合物は、この試験において、Aβ(1-40)βプリ ーツシート形成を有意に阻害しなかった。 Aβ(1-40)のかわりにAβ(1-42)を使用して同様の様式で実施した実験において 、上記の実施例1、13、14、および15で調製した化合物は、Aβ(1-42)β プリーツシート形成を、コントロールと比較して32〜55%阻害した。 実施例22 Aβ(25-35)誘導神経細胞欠失に対する保護 アルツハイマー病を罹患する患者は、神経細胞の進行性の欠失を患うことが知 られている。例えば、P.J.Whitehauseら(1982)Scince、215:1237-1239を参照 のこと。この実験において、上記の式Iの特定のフランニトロンの、Aβ(25-35) 誘導神経細胞欠失に対して保護する能力を実証する。妊娠18日目の胚のSprague Dawleyラット海馬を切除し、次いで粉砕により解離させ、神経/星状細胞初代培 養を調製した。細胞(3×105)を、10%の仔ウシ胎児血清を補充するEagle最小 必須培地を含む35mmポリ-D-リジン被膜プレートにプレートした。3〜5時間後 、もとの培地を除去し、そして1mLの新鮮な培地で置換した。培養物を、湿潤化 した5%CO2/95%空気インキュベーター中で37℃で維持した。 細胞(7DIV)に、dH2O中に溶解した30μMのAβ(25-35)(−20℃で保存した )および1%のメチルセルロース中の100μMの試験化合物(すなわち、上記の実 施例1、3、4、5、6、7、8、12、または13の化合物)を添加した。コ ントロールもまた、試験化合物なしで実施した。形態的に生存可能なニューロン の割合を、同一の予め印した培養領域における処置前のニューロンの数と比較し た処置後96時間の生存可能なニューロンの数を計数することにより、決定した( 3領域/培養物、n=6)。データは、上記の実施例1、3、5、6、7、8、 および13において調製した化合物が、Aβ(25-35)誘導神経細胞欠失を、コン トロールと比較して3〜62%低減させたことを示す。100μMにおいて、上記の 実施例4および13で調製した化合物は、この試験において、Aβ(25-35)誘導 神経細胞欠失を有意には低減しなかった。 Aβ(25-35)のかわりにAβ(1-40)を用いて同様の様式で行った実験にお いて、上記の実施例1で調製した化合物は、コントロールと比較してAβ(1-40 )誘導神経細胞欠失を46%低減した。 実施例23 炎症の低減 アルツハイマー病、脳卒中および多発性硬化症において、研究者らは、疾患の 病因における炎症応答を関連づけている。例えば、P.S.Aisenら、(1994)Am.J. Psychiatry、151:1105-1113;D.W.Dicksonら、(1993)Glia、7:75-83;およ びS.D.Yanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94,5296(1997)を参照のこと。この応答 は、炎症応答を刺激する種々の因子を利用することにより、細胞培養においてモ デル化されている。このような因子は、リポポリサッカライド(LPS)、一酸化 窒素および他のサイトカインの発現を生じることが公知の薬剤;ならびにインタ ーフェロンγ(INF-γ)、炎症/サイトカイン応答において関連づけられている 別の薬剤を含む。本実施例において、上記の式Iのフランニトロンの、LPSおよび INF-γによる炎症を低減する能力を実証する。 この実験において、使用した細胞培養系は、E16ラット純粋皮質神経細胞(星 状細胞増殖を遅延させるために、10μM AraCで処理した)からなる。この細胞 を、一日齢の子供のラットの皮質から調製した二週齢の皮質グリア細胞のコンフ ルエントなベッド上にプレートし、そして一週間増殖させた。これらの細胞に、 LPS(20μg/mL)、IL-1β(40mg/pg/mL)、およびINF-γ(200/mL)を、100μ Mの試験化合物(すなわち、上記の実施例1、6、11、12、13、14、ま たは15の化合物)とともにかまたはこれをともなわないかのいずれかで、添加 した。2日後、細胞生存度を、細胞膜損傷に起因するサイトゾルの蛋白質のもれ をモニターする乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)アッセイを用いて評価した。この 結果は、上記の実施例1、6、11、12、13、14、および15の化合物が LPSおよびINF-γにより生じる炎症を、コントロールと比較して5〜43%低減さ せたことを示す。 実施例24 βアミロイド誘導サイトカイン放出増加の低減 本実験において、式Iのフランニトロンのサイトカイン(例えば、インターロ イキン1β(IL-1β))のβアミロイド誘導放出増加を低減する能力を実証する 。THP-1細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクションからのヒト単球細胞株 )を、Tフラスコ中の10%仔ウシ胎児血清(FBS、熱不活化せず)を添加したRPM I-1640培地中で増殖させた。培地を2日毎に、細胞をスピンダウン(800rpm、5 分 間)することにより交換し、そして同一の新鮮な培地を添加した。あるいは、培 養物を新鮮な培地の添加により維持した。培養物を、1×105〜1×106細胞/mL におよぶ細胞密度で維持した。血清は、マクロファージ/単球IL-1産生に影響し 得る未知の因子を含み得るので、FBSを24時間のあいだ5%に低減した。FBSを、 各実験を開始する前の2日間にわたって2%にまでさらに低減した。細胞を遠心 分離により収集し、そして2%FBSに再懸濁した。細胞数を計数し、細胞を24ウ ェルのプレートにプレートした(3×105細胞/0.6mL/ウェル)。次いで、細胞 をLPS(0.5μg/mlまたはLPS用量応答実験については0〜10μg/ml)単独で か、またはAβペプチド(5μMまたは用量応答実験については0.05〜5μM) と組み合わせて、処理した。サイトカイン放出における試験化合物の効果を決定 する場合、100μMの試験化合物をLPSおよびAβ25-35とともに添加して、そして この混合物をELISAを実施する前48時間のあいだインキュベートした。 LPS刺激THP-1細胞による培地へのIL-1β分泌を、アミロイドペプチドおよび試 験化合物の存在または非存在下で、市販のELISAキット(R&D Systems)でアッセ イした。手短には、ヒトIL-1βに対するマウスモノクローナル抗体でコーティン グしたマイクロタイタープレートは製造者により供給された。標準およびサンプ ルをウェルにピペッティングして、そして存在するすべてのIL-1βは固定化し た抗体に結合させた。非結合蛋白質を洗浄して除き、そしてIL-1βに特異的な西 洋ワサビペルオキシダーゼ結合ポリクローナル抗体をウェルに添加して、最初の 工程で結合したIL-1βを「サンドイッチ化」した。洗浄して結合していない抗体 酵素試薬を除去した後、基質溶液(1:1過酸化水素−テトラメチルベンジジン 、v/v)をウェルに添加して、そして発色は最初の工程で結合したIL-1βの量に 比例した。発色を、2Nの硫酸で終結させ、そして450nmにおける標準および試 験サンプルの光学密度を測定した。サンプルに存在するIL-1βの量を標準曲線に 基づいて計算した。アッセイは、4連のウェルで実行した。データは、上記の実 施例1、6、12、および13で調製した化合物がインターロイキン1βのβア ミロイド誘導放出増加を、コントロールと比較して22〜48%低減したことを示す 。100μMにおいて、上記の実施例11、14、および15で調製した化合物は 、この試験において、インターロイキン1βのβアミロイド誘導放出増加を有意 に は低減しなかった。 実施例25 Aβ-ペプチドに起因する歩行障害の低減 この実験において、上記の式Iのフランニトロンのインビボでの、Aβペプチド で処置した動物の障害を低減する能力を実証する。雄Sprague-Dawleyラット(25 0〜400g)に、黒質へ20μgのAβ(25-35)の同側注射で投与した。注射前に、 ラットを一晩絶食させ、次いで各ラットに、Aβペプチドの定位注射の1時間前 および3時間後に、水性1%メチルセルロースに溶解させたN-イソプロピル-α- (2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナトリウム塩(上記の実施例1で調製し た)(10〜100mg/kg)またはビヒクル単独の経口処理を行った。処置後1週間 において、ラットに0.5mg/kgアポモルヒネ(等張性生理食塩水中の0.1%ビタミ ンCに溶解した)を皮下投与し、そして、旋回反射を、アリーナ内に配置される 15分間〜30分間のあいだ、Rotoratコンピューター化行動モニター装置を用いて 、モニターした。Aβペプチドに起因する動物の障害を、15分間にわたる旋回の 数を測定することにより決定した。期間あたりのより多い旋回数は、より多い身 体的な障害を示す。データを以下の表1に示す。 表1 Aβ(25-35)に起因する歩行障害 表1におけるデータは、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニト ロン、ナトリウム塩が、Aβ(25-35)処置コントロールと比較して、Aβ(25-35) で注射したラットの期間あたりの旋回数、およびそれゆえ、歩行障害を低減させ たことを示す。 実施例26 空間学習欠損の低減 この実験において、上記式Iのフランニトロンのインビボでの空間学習欠損を 低減させる能力を実証する。ラットのN-ニトロ-L-アルギニン(一酸化窒素シン ターゼインヒビター)での処置は、空間学習での欠損を低減させることが知られ ている。例えば、G.A.Bohmeら(1993)PNAS、90:9191-9194を参照のこと。N-ニ トロ-L-アルギニンで処置したラットは、その囲い地の中で目的もなくさまよう 一方、非処置ラットは、ラットが初めに配置された区画(quadrant)内でそのほ とんどの時間を過ごし、そして囲い地の中の開空間からは遠ざかっていた。この N-ニトロ-L-アルギニン誘導空間学習欠損を、アルツハイマーおよび他の痴呆 症によって生じる学習欠損のモデルとして使用する。 この実験において、10mg/kgのN-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル )ニトロン、ナトリウム塩(上記の実施例1で調製した)またはコントロールを N-ニトロ-L-アルギニン(100mg/kg iip)の9回の投薬のおのおのの30分前に投 与した。次いで、ラットのさまよいをモニターした。結果は、N-ニトロ-L-アル ギニンを投薬されたラットが、囲い地の周辺部を満遍なくさまよい、領域の中心 を容易に通過することを示す。これらの結果を図2Bに示す。対照的に、N-ニトロ -L-アルギニンおよびN-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、 ナトリウム塩で処置したラットは、図3Cに示すように、最初に配置された囲い地 の領域を好み、囲い地の領域の中心をめったに通過しなかった。この行動は、本 質的に生理食塩水(すなわち、N-ニトロ-L-アルギニンなし)で処置したラット と同一であった(図3Aを参照のこと)。これらの結果は、N-イソプロピル-α-( 2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナトリウム塩が、N-ニトロ-L-アルギニンに より生じる空間学習欠損を防止することを実証する。 実施例27 MBP誘導実験的アレルギー性脳脊髄炎の予防 多発性硬化症(MS)は、脳および脊髄内の脱ミエリン化により生じる慢性炎症 性CNS障害である。疾患は、緩解および悪化を伴う進行性のCND機能障害(筋肉衰 弱、振顫、失禁、視覚障害、および精神機能障害を含む)により、特徴づけられ る。現在、MSについての唯一の処置は、理学治療である。 ミエリン塩基性蛋白質(MBP)またはMBPペプチドフラグメントの注射によって 誘導される実験的アレルギー性脳脊髄症(EAE)がMSの有用なモデルであること が、報告されている。例えば、D.E.MacFarlinら、「Lewisラットにおける反復性 の実験的アレルギー性脳脊髄症」The Journal of Immunology,113(2):712-715( 1974)。この実験において、上記の式IのフランニトロンのMBPが誘導するEAEを予 防する能力を実証する。 馴化雌Lewisラット(Harlan;200〜250g)をこの実験で使用した。なぜなら、 ラットのこの系統は、遺伝的に非常にEAEに感受性が高いからである。この実験 において、100mg/kgのN-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン 、ナトリウム塩(上記の実施例1で調製した)またはビヒクル単独(コントロー ル)を、4日目から18日目まで、1日に一回経口投与した。1日目に、ラット に、100μgのモルモット脳由来のMBPペプチドおよび0.10mlの2つの後足の裏の 間に均等に分割した完全フロイントのアジュバント中の500μgのH37RAマイコバ クテリウムの注射を与えた。 ラットを7日目から18日目まで毎日0〜6の尺度で評価した(効果は通常、 10日目に始まり、そして15日目にピークに達した)。E.Heber-Katz、「EAE の上昇および下降」、International Reviews Immunology,9:277-285(1992)を 参照のこと。0〜6の評価尺度は以下の通りである:0)正常;1)異常な歩行 、跳躍、弛んだ尾;2)後脚の一方または両方における明らかな衰弱、軽い運動 失調;3)中程度の不全対麻痺、重篤な運動失調;4)疼痛を伴う刺激後の最小 限の後脚の動きのみ;5)後脚の動きなし;6)ほとんどまたは全く動きのない 瀕死状態、呼吸障害。結果は、0〜6の範囲の行動スコアとして表す。 結果を図4に示す。これらの結果は、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5 -イル)ニトロン、ナトリウム塩が、この試験においてMBPの効果を完全に相殺し たことを示す。 実施例28 体重減少の予防 MBPまたはMBPペプチドに曝露された動物は、フロイントのアジュバント単独に 曝露したコントロールと比較して有意な体重減少を示す。式Iのフランニトロン がこのような体重減少を予防するかどうかを決定するために、上記の実施例27 に記載のEAEモデルにおける動物を毎日体重測定した。結果は、N-イソプロピル- α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナトリウム塩を投与されるこれらの動 物が正常または正常以上の体重増加を示した一方、フランニトロンなしでMBPを 投与された動物は、重篤な体重減少を示したことを示す。これらの結果を図5に 示す。 実施例29 自己免疫マウスにおける学習欠失の低減 この実験において、上記の式Iのフランニトロンの自己免疫マウスにおける学 習欠失を低減する能力を実証する。雄MRL/MpJコントロールおよびFaslpr変異マ ウスに、経口で1%のメチルセルロース(「MC」)または1%のメチルセルロー ス中の100mg/kgのN-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナ トリウム塩(上記の実施例1で調製した)(「試験化合物」)のいずれかを9〜 10週間投薬した。投薬後、約4月齢の動物を能動的回避T迷路において試験した 。1日の試験において、動物を試験の最初の5回の実験のうちにショックを回避 する習得について分析した。2つの実験を組み合わせた場合(n=14〜15)、表 IIに示すように、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン、ナ トリウム塩を投与された動物は、1%メチルセルロース単独を投与されるFas変 異動物と比較して習得学習欠失において50%の予防を示した。 表II 平均習得値(最大値=5.0) 1 MC=メチルセルロース。 2 試験化合物はN-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニ トロン、ナトリウム塩であった。 表IIに示す結果は、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン 、ナトリウム塩が自己免疫マウスにおいて進展する学習欠失を低減することを実 証する。 上記の記載から、本発明の組成物および方法における種々の改変および変更が 当業者に想到される。添付の請求の範囲の範囲内から生じる全てのこのような改 変が、本明細書中に含まれることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 37/02 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN (72)発明者 メイプルス,カーク アール. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95131, サン ホゼ,ストラットン プレイス 2170 (72)発明者 ウォーターバリー,ロウェル デイビッド アメリカ合衆国 カリフォルニア 94070, サン カルロス,コーディレラス アベニ ュー 685 (72)発明者 ウィルコックス,アラン エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94040, マウンテン ビュウ,ハンス アベニュー 784 (72)発明者 ズ,ホン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95014, カパーティノ,ホームステッド アベニュ ー 21230 (72)発明者 ザン,ヨン―カン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95051, サンタ クララ,ワーバートン アベニュ ー ナンバー16 3430 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール(alkaryl)、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル (alkcycloalkyl)、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびハロからなる 群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 2.R1が水素である、請求項1に記載の化合物。 3.R2が水素である、請求項1に記載の化合物。 4.R3が、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアルキルからな る群から選択される、請求項1に記載の化合物。 5.R3が、アルキルまたはシクロアルキルである、請求項4に記載の化合物。 6.Xが、−SO3Yである、請求項1に記載の化合物。 7.Xが、−SO2NR67であり、ここで、R6およびR7が、独立して、水素 、アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択されるか;あるいは、R6 およびR7が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜6個の炭素原子 を有するヘテロ環式環を形成する、請求項1に記載の化合物。 8.R6が、水素であり、かつ、R7が、水素、アルキル、およびシクロアルキル からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。 9.Xが、−SO25であり、ここで、R5が、アルキル、シクロアルキル、お よびアリールからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。 10.mが、1である、請求項1に記載の化合物。 11.以下の式IIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩: ここで、 R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得;そして mは、1〜3の整数である。 12.R2が水素である、請求項11に記載の化合物。 13.R3が、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアルキルから なる群から選択される、請求項11に記載の化合物。 14.R3が、アルキルまたはシクロアルキルである、請求項13に記載の化合 物。 15.Xが、−SO3Yである、請求項11に記載の化合物。 16.mが、1である、請求項11に記載の化合物。 17.以下の式IIIの化合物: ここで、 R8は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され;そして Yは、水素および薬学的に受容可能なカチオンからなる群から選択される。 18.R8が、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアルキルから なる群から選択される、請求項17に記載の化合物。 19.R8が、アルキルまたはシクロアルキルである、請求項18に記載の化合 物。 20.Yが、水素またはナトリウムカチオンである、請求項17に記載の化合物 。 21.以下からなる群から選択される化合物およびその薬学的に受容可能な塩: N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-プロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ブチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-ブチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-n-ヘキシル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-シクロヘキシル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-tert-オクチル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-ベンジル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン N-イソプロピル-α-[2-(N-モルホリノスルホニル)フラン-5-イル]ニトロン N-イソプロピル-α-[2-(N,N-ジメチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロ ン N-イソプロピル-α-[2-(N,N-ジエチルスルファモイル)フラン-5-イル]ニトロ ン N-イソプロピル-α-[2-(N-4-メチルピペラジン-1-イルスルホニル)フラン-5- イル]ニトロン N-tert-ブチル-α-[2-(N-3-トリフルオロメチルフェニルスルファモイル)-フ ラン-5-イル]ニトロン N-tert-ブチル-α-[2-(メチルスルホニル)-フラン-5-イル)ニトロン。 22.前記化合物が、N-イソプロピル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロンお よびその薬学的に受容可能な塩からなる群から選択される、請求項21に記載の 化合物。 23.前記化合物が、N-シクロヘキシル-α-(2-スルホフラン-5-イル)ニトロン およびその薬学的に受容可能な塩からなる群から選択される、請求項21に記載 の化合物。 24.薬学的に受容可能なキャリアと、薬学的有効量の以下の式Iの化合物また はその薬学的に受容可能な塩とを含む、薬学的組成物: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、 アルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル 、およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6および R7は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み 、かつ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜 3個の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 25.R1が水素であり、かつ、R2が水素である、請求項24に記載の薬学的組 成物。 26.R3が、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアルキルから なる群から選択される、請求項24に記載の薬学的組成物。 27.R3が、アルキルまたはシクロアルキルである、請求項26に記載の薬学 的組成物。 28.Xが、−SO3Yである、請求項24に記載の薬学的組成物。 29.Xが、−SO2NR67であり、ここで、R6およびR7が、独立して、水 素、アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択されるか;あるいは、 R6およびR7が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜6個の炭素原 子を有するヘテロ環式環を形成する、請求項24に記載の薬学的組成物。 30.R6が、水素であり、かつ、R7が、水素、アルキル、およびシクロアルキ ルからなる群から選択される、請求項29に記載の薬学的組成物。 31.Xが、−SO25であり、ここで、R5が、アルキル、シクロアルキル、 およびアリールからなる群から選択される、請求項24に記載の薬学的組成物。 32.mが、1である、請求項24に記載の薬学的組成物。 33.前記キャリアが、経ロキャリアである、請求項24に記載の薬学的組成物 。 34.前記キャリアが、注射可能なキャリアである、請求項24に記載の薬学的 組成物。 35.薬学的に受容可能なキャリアと、薬学的有効量の以下の式IIIの化合物と を含む、薬学的組成物: ここで、 R8は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され;そして Yは、水素および薬学的に受容可能なカチオンからなる群から選択される。 36.R8が、アルキル、アルカリール、アリール、およびシクロアルキルから なる群から選択される、請求項35に記載の薬学的組成物。 37.R8が、アルキルまたはシクロアルキルである、請求項36に記載の薬学 的組成物。 38.Yが、水素またはナトリウムカチオンである、請求項35に記載の薬学的 組成物。 39.前記キャリアが、経口キャリアである、請求項35に記載の薬学的組成物 。 40.前記キャリアが、注射可能なキャリアである、請求項35に記載の薬学的 組成物。 41.急性の中枢神経系障害を有する患者を処置するための方法であって、薬学 的に受容可能なキャリアと、急性の中枢神経系障害を処置するための有効量の以 下の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩とを含む薬学的組成物を、該 患者に投与する工程を包含する、方法: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 42.前記急性の中枢神経系障害が、卒中である、請求項41に記載の方法。 43.前記薬学的組成物が、少なくとも約0.2mg/kg/時間の量で、前記患者に非 経口的に投与される、請求項42に記載の方法。 44.前記薬学的組成物が、静脈内投与される、請求項43に記載の方法。 45.急性の心血管障害を有する患者を処置するための方法であって、薬学的に 受容可能なキャリアと、急性の心血管障害を処置するための有効量の以下の式I の化合物またはその薬学的に受容可能な塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投 与する工程を包含する、方法: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 46.前記急性の心血管障害が、心筋梗塞である、請求項45に記載の方法。 47.前記薬学的組成物が、少なくとも約0.2mg/kg/時間の量で、前記患者に非 経口的に投与される、請求項46に記載の方法。 48.前記薬学的組成物が、静脈内投与される、請求項47に記載の方法。 49.神経変性(neurodegenerative)疾患を有する患者を処置するための方法 であって、薬学的に受容可能なキャリアと、神経変性疾患を処置するための有効 量の以下の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩とを含む薬学的組成物 を、該患者に投与する工程を包含する、方法:ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 50.神経変性疾患が進行する危険性を有する患者において、神経変性疾患の開 始を防止するための方法であって、薬学的に受容可能なキャリアと、神経変性疾 患を防止するための有効量の以下の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な 塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 51.前記神経変性疾患が、アルツハイマー病である、請求項49または50に 記載の方法。 52.前記神経変性疾患が、パーキンソン病である、請求項49または50に記 載の方法。 53.前記神経変性疾患が、HIV痴呆である、請求項49または50に記載の 方法。 54.自己免疫疾患を有する患者を処置するための方法であって、薬学的に受容 可能なキャリアと、自己免疫疾患を処置するための有効量の以下の式Iの化合物 またはその薬学的に受容可能な塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工 程を包含する、方法: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、 かつ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3 個の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 55.自己免疫疾患が進行する危険性を有する患者において、自己免疫疾患の開 始を防止するための方法であって、薬学的に受容可能なキャリアと、自己免疫疾 患を防止するための有効量の以下の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な 塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法:ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 56.前記自己免疫疾患が、全身性狼瘡である、請求項54または55に記載の 方法。 57.前記自己免疫疾患が、多発性硬化症である、請求項54または55に記載 の方法。 58.炎症性疾患を有する患者を処置するための方法であって、薬学的に受容可 能なキャリアと、炎症性疾患を処置するための有効量の以下の式Iの化合物また はその薬学的に受容可能な塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程を 包含する、方法: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 59.炎症性疾患が進行する危険性を有する患者において、炎症性疾患の開始を 防止するための方法であって、薬学的に受容可能なキャリアと、炎症性疾患の開 始を防止するための有効量の以下の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な 塩とを含む薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 60.前記炎症性疾患が、慢性関節リウマチである、請求項58または59に記 載の方法。 61.前記炎症性疾患が、敗血症性ショックである、請求項58または59に記 載の方法。 62.前記炎症性疾患が、らい性結節性紅斑である、請求項58または59に記 載の方法。 63.前記炎症性疾患が、敗血症である、請求項58または59に記載の方法。 64.前記炎症性疾患が、ブドウ膜炎である、請求項58または59に記載の方 法。 65.以下の式Iの化合物を調製するためのプロセスであって: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3であり、 該プロセスが、以下の式のフランカルボニル化合物: を、以下の式Vのヒドロキシルアミン: HO−NH−R3 V と反応させて、式Iの化合物を提供する工程を包含する。 66.以下の式I’のスルファモイル置換フランニトロンを調製するためのプロ セスであって: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各X’は、SO2NR67であり;ここで R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である、 該プロセスは、以下の工程を包含する: (a)以下の式のカルボニル置換フランスルホン酸化合物: を、三塩化リンおよび五塩化リンと反応させて、以下の式のgem-ジクロライド置 換フランスルホニルクロリド化合物を提供する工程: (b)該gem-ジクロライド置換フランスルホニルクロリド化合物を、以下の式の アミン: と反応させて、以下の式のgem-ジクロライド置換フランスルホンアミド化合物を 提供する工程: (c)該gem-ジクロライド置換フランスルホンアミド化合物を加水分解して、以 下の式のカルボニル置換フランスルホンアミド化合物を得る工程: および; (d)該カルボニル置換フランスルホンアミドを、以下の式のヒドロキシルアミ ン: HO−NH−R3 と反応させて、式I’の化合物を提供する、工程。 67.医薬的処置のための処方物の製造における、以下の式Iの化合物またはそ の薬学的に受容可能な塩の使用: ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アルカリール、アリール、アルコキシ、アルクシクロアルキル、シクロアル キル、シクロアルケニル、およびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケ ニルからなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; 各Xは、独立して、−SO3Y、−S(O)R4、−SO25、および−SO2 NR67からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、 アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルか らなる群から選択され; R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ア ルキニル、アルカリール、アリール、アルクシクロアルキル、シクロアルキル、 およびシクロアルケニルからなる群から選択されるか;あるいは、R6およびR7 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2〜8個の炭素原子を含み、か つ必要に応じて、酸素、窒素、およびイオウからなる群から選択される1〜3個 の追加のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは、0〜2の整数であり、ただし、m+ n=3である。 68.前記医薬的処置が、急性中枢神経系障害の治療的または予防的処置である 、請求項67に記載の使用。 69.前記医薬的処置が、急性心血管障害の治療的または予防的処置である、請 求項67に記載の使用。 70.前記医薬的処置が、神経変性疾患の治療的または予防的処置である、請求 項67に記載の使用。 71.前記医薬的処置が、自己免疫疾患の治療的または予防的処置である、請求 項67に記載の使用。 72.前記医薬的処置が、炎症性疾患の治療的または予防的処置である、請求項 67に記載の使用。
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