JP2000514532A - ブレーキの高密度化および修復方法 - Google Patents

ブレーキの高密度化および修復方法

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Abstract

(57)【要約】 航空機のブレーキが、カーボンの高密度化のための炭素源として液状炭素−前駆物質を用いる迅速な化学的蒸着によって修復される。誘導および抵抗加熱手段が該方法を行なうために利用される。

Description

【発明の詳細な説明】 ブレーキの高密度化および修復方法 本件は、1992年10月9日に出願された米国特許出願第07/759,2 99号の一部継続出願である。 カーボン−カーボン複合材のブレーキは、安全性に優れ、寿命が長く、軽量で あるため、F−15、F−16軍用機などの航空機に用いられている。現在の航 空機のブレーキの組立部品には、カーボン−カーボン複合材のディスク状部品を 用いて組み立てられたローターおよびステーターが含まれる。使用済みのブレー キに修復処理を施すことによってカーボンブレーキの摩耗寿命を延ばすことがで きることが証明されている。しかしながら、従来の方法で修復されたブレーキの 摩耗寿命は、新しいブレーキの50〜80%にすぎない。これは、摩耗したブレ ーキ全体を廃棄することに対しては改善されているが、初期のブレーキの摩耗寿 命により近い摩耗寿命を持つ密度が高められた炭素材料を与える修復処理を利用 できるのなら、もとの装置および摩耗したブレーキの修理費は、かなり節約され るであろう。 化学蒸気浸透(CVI)およびピッチまたは熱硬化性樹脂の含浸による低圧浸 透を含む現在のカーボン−カーボン高密度化処理は、長い処理時間、25〜50 日程度を要する。従来、そのような処理は、もとの装置のカーボン−カーボン複 合材のブレーキディスク用の多孔質カーボンプリフォームの高密度化とともに、 摩耗したディスクの修復に用いられている。高密度化処理は、カーボンブレーキ の内部の孔に充填される前にカーボンブレーキの外部の孔が埋まらないようにす るために、ゆっくりと行なわなければならない。もしカーボンブレーキの内部の 高密度化の前に外側の孔が塞がれたなら、前駆物質が樹分にカーボンブレーキの 内部に到達せず、十分に高密度化されなくなる。 この問題を回避する1つの方法は、参考までに本明細書に含められている、ハ ウデイヤー(Houdayer)らに対して1984年9月18日に発行された米国特許 第4,472,454号明細書に開示されている。当該特許では、プリフォーム を反応容器内に入れ、前駆物質液で被覆する。反応容器の外側のコイルは、プリ フォームを誘導加熱するために用いられる。プリフォームは、液状前駆物質を沸 騰させるために十分に加熱され、該液体が沸騰するときに生じる蒸気を熱分解さ せる。我々は、該液体がプリフォームをその外部で冷却し、それによってプリフ ォームの厚みに熱勾配が生じるという理論を立てている。プリフォームの内部は 、沸騰液によって冷却されないので、蒸気を熱分解するのに十分に熱い。このよ うにして、高密度化は、プリフォームの内部で優先的に生じる。高密度化全体は 、内部から外部に向かって生じる。したがって、外部の孔が塞がれ、プリフォー ム内部の高密度化が妨げられることを懸念せずに、高密度化をより高速で行なう ことができる。 米国特許第4,472,454号明細書に記載されている高密度化処理は、プ リフォームの高密度化に要する時間を短縮するが、我々はその処理を改善しうる いくつかの方法を見出した。 まず、プリフォームを高密度化する際に、誘導コイルをプリフォームの形状に 一致させることが望ましい。また、プリフォームを誘導コイルにできるだけ接近 させることが望ましい。これらの要件は、プリフォームを均一にかつ効率的に加 熱するのに重要である。均一加熱は、望ましい高密度化を行なうのに重要である 。 これらの要件を満たすようにハウデイヤー(Houdayer)らの装置を調節するには 、高密度化される部品の形状に基づいてコイルの形状を変更する必要がある。ま た、各部品ごとに反応容器およびコイルの形状を変更する必要がある。そのよう な要件は、コストや時間がかかることがあるので、望ましくない。さらに、我々 は、反応容器がプリフォームに接近しすぎていれば、所望の温度勾配を発生させ るのに必要な液体の沸騰による冷却が起こらないことを見出した。反応容器の壁 がプリフォームに接近しすぎたなら、「ベーパロック」と呼ばれる現象が起こり うる。ベーパロックの際には、蒸気が反応容器の壁とプリフォームとの間のある 点に蓄積し、液体を変位させる。プリフォームから遠ざかる対流熱移動は、その 点で大幅に減少し、ホットスポットが生じ、プリフォームの外側に付着物が形成 される。その結果、その部分は、不均一に高密度化される。 本明細書に開示されている航空機用カーボン−カーボン複合材ブレーキの修復 方法は、処理時間を大幅に、例えば、48時間以下に短縮し、その結果、費用効 果があるカーボン−カーボン複合材が製造される。特に、この処理は、カーボン 製航空機ブレーキの製造およびこれらのブレーキの再高密度化または修復に関す る。さらに、この化学的蒸着(CVD)法は、航空機に用いられる初期の装置の ブレーキ部品または修復されたブレーキ部品と同様の密度、例えば、蒸着された カーボンマトリックスにおいて少なくとも1.85g/cc、好ましくは1.9 g/ccの密度を有する高密度化された炭素構造、および摩擦材料に適したCV D微細構造、好ましくは実質的に非等方性の微細構造を与える。そのような構造 的な特性は、カーボン製航空機ブレーキ部品に適した摩擦摩耗特性を得るのに必 要とされる。発明の概要 本発明は、 1.a)少なくとも1つの幾何学的中央領域を含む内部領域によって定められた 孔と外面とを有する少なくとも1つの摩耗カーボンブレーキ部品を、液状炭素前 駆物質を含有しかつ少なくとも1つの内部誘導コイルを含有するようにつくられ た、多孔質構造を高密度化させるための反応容器内に含まれた液状炭素前駆物質 中に配置し、 b)摩耗カーボンブレーキ部品の内部領域を液状炭素前駆物質の分解温度より も高い温度に誘導加熱し、それにより、液状炭素前駆物質から蒸気を形成させ、 蒸気を内部領域に浸透させ、内部領域内に熱分解炭素を蒸着させる工程を含有し 、 それにより、修復後に、摩耗カーボンブレーキ部品が、航空機に現在使用され ている同等の大きさ、密度および組成のカーボンブレーキ部品と少なくとも等し い微細構造および摩擦摩耗特性によって特徴づけられる、 摩耗した航空機用カーボンブレーキ部品を修復する化学的蒸着法 を提供する。 本発明は、カーボンブレーキを抵抗加熱し、摩耗の際に失われたカーボンを修 復する化学的蒸着法および抵抗加熱および誘導加熱を組み合わせて修復を行なう 方法も提供する。あるブレーキに対しては、これらの化学的蒸着法は、シクロヘ キサン前駆物質を用いて、大気圧で、約950〜1100℃で2〜3.5時間で 完了する。蒸着されたマトリクッスにおける少なくとも1.85g/cc、好ま しくは1.9g/ccの密度および適切なCVD微細構造、好ましくは非等方性 CVD微細構造は、修復されたカーボンブレーキ部品中で、48時間以内、好ま しくは24時間以内で完了する処理工程において形成されるであろう。図面の簡単な説明 本発明は、以下の詳細な説明および添付図面を参照することにより、より一層 理解されるであろう。 図1は、プリフォームを高密度化するための反応容器の概略図である。 図2Aは、図1の反応容器内でプリフォームを保持するために用いられる取付 具の見取図である。 図2Bは、図1の反応容器に用いられるコイルの概略図である。 図3は、他のコイル構造で加熱されるプリフォームの見取図である。 図4は、抵抗加熱されるプリフォームの見取図である。 図5は、誘導加熱および抵抗加熱されるプリフォームの見取図である。 図6は、他のコイル構造で加熱されるプリフォームの見取図である。 図7は、種々の電力レベルにおける密度分布のグラフである。 図8は、時間に対する反応容器内のコイルへの入力電力の代表的なグラフであ る。 図9は、ソリッドコアを有するプリフォームの見取図である。好ましい態様の説明 修復に適した航空機のカーボンブレーキは、多数のカーボン−カーボンステー ターディスクが間に挟まれた多数のカーボン−カーボンローターディスクからな る多数のディスク状摩擦ブレーキを含む。摩耗したカーボンブレーキの圧力板お よび端板もまた修復することができる。 航空機ブレーキのいかなる摩耗したカーボン面も本発明の方法によって修復し てもさしつかえない。好適な航空機ブレーキは、当業者に知られており、本明細 書に参考までに含められた、スチムソン(Stimson)らに対して1976年1月2 7日に発行された米国特許第3,934,686号明細書、ラコンベ(Lacombe) らに対して1986年9月23日に発行された米国特許第4,613,021号 明細書、ボウク(Bok)に対して1984年8月14日に発行された米国特許第4 ,465,165号明細書、グライダー(Grider)に対して1985年4月16日 に発行された米国特許第4,511,021号明細書、シュルツ(Schultz)らに 対して1989年2月日に発行された米国特許第4,804,071号明細書、 ピグフォード(Pigford)に対して、1991年1月8日に発行された米国特許第 4,982,818号明細書、およびスナイダー(Snyder)らに対して1992年 9月1日に発行された米国特許第5,143,184号明細書に開示されている ものを含むが、それらに限定されない。 摩耗したカーボンローターディスクおよびステーターディスクは、それらをブ レーキ部品から取り外し、それらの初期の厚さの半分にまで研削することにより 、修復してもよい。研削したディスクを本明細書における化学的蒸着法によって 高密度化させ、初期の密度および摩耗性に回復させてもよく、あるいはブレーキ を再度組立てる際に、1つの初期のディスクのかわりに2つの研削されたディス クを用いてもよい。任意に、それらの研削されたディスクを接着させてもよい。 2つの摩耗したディスクを接着して1つの修復されたディスクをつくる技術は、 ピグフォード(Pigford)に対して発行された米国特許第4,465,165号明 細書に開示されている。修復後には、マックアリスター(McAllister)らに対して 1989年6月6日に発行された米国特許第4,837,073号明細書に開示 されているような保護材料でカーボンディスクを処理し、酸化から保護してもよ い。 図1は、米国特許第4,472,454号明細書に記載の方法による急速高密 度化処理に適した反応容器100を示す。コイル104などの誘導コイルを用い てプリフォームを加熱する場合、反応容器100は、石英、ガラス、アルミニウ ム、ステンレス鋼、セラミック、PMCまたはそれらの組合わせなどの非磁性材 料でつくられていることが好ましい。 反応容器100は、プリフォーム(図示されず)を高密度化させるキャビティ 102を含む。操作の際には、キャビティ102には、少なくともプリフォーム (図示されず)を被覆するのに十分な前駆物質液が充填される。前駆物質液は、 沸騰し、かつプリフォーム(図示されず)が加熱されうる温度で蒸着される化学 物質を含有する蒸気を生じさせるいかなる液体であってもよい。前駆物質液も誘 電体でなければならない。好ましくは、試薬液の誘電率は、0.5よりも高いこ とであり、1よりも高いことがより好ましく、1.5よりも高いことがもっとも 好ましい。カーボンをプリフォームに蒸着させるためには、シクロペンタン、シ クロヘキセン、ヘキセン−1、ガソリン、トルエン、メチルシクロヘキサン、シ クロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼンまたはそれらの組合せなどの適切な沸点 を有する炭化水素を用いることができる。 キャビティ102の内部には、誘導コイル104が設けられている。操作の際 には、誘導コイル104を、前駆物質液で被覆し、プリフォーム(図示されず) を加熱するように操作する。コイル104は、銅または加熱されても前駆物質液 と反応しない他の高導電性材料でつくられる。 電気は、母線106を介してコイル104に供給される。母線106は、高導 電性材料、ここでは銅でつくられている。数百A〜数千Aの電流が、プリフォー ム(図示されず)を加熱するのに十分な電力を供給するために好ましく用いられ る。大電流のため、母線106は、過熱を避けるのに十分な断面を有さなければ ならない。母線106は、母線106およびコイル104を介して冷却水を運ぶ ための水路105を含んでいてもよい。 母線(106)は、電源(図示されず)に接続されている。交流電源が用いら れる。コイル104の電圧、電流、周波数および形状は、誘導加熱装置の設計に 用いられている公知の技術を用いて、プリフォームの特性とともにプリフォーム の形状および配置によって決定される。一般に、電圧は、5〜750Vの範囲内 であろう。周波数は、0.1KHz〜300MHzの範囲内であろう。 母線106は、封止材107を介してチャンバ102に入る。操作の際には、 チャンバ102は、前駆物質液を含むので、封止材107は、弾性を有し、前駆 物質液による薬品侵食に対する耐性も有さなければならない。また、反応容器1 00が導電性の構成材で形成されている場合、母線106は、反応容器100か ら電気的に絶縁されていなければならない。例えば、母線106が通過する反応 容器100の開口部を封止するのに、シリコーンゴムを用いることができる。 母線106が反応容器100の下部に入ることは、好都合である。母線106 を反応容器のチャンバ102の上部に入れると、封止材107がさらに必要とな る。液体の漏出を防ぐのではなく、蒸気がチャンバ102から漏出するのを防が なければならない。母線106は、排気筒136を下げることにより、チャンバ 102にも入るが、この場合、特別な封止材は必要ではない。しかしながら、母 線106をできるだけ短くし、母線の電力損失を低減することが望ましい。 前駆物質液は、前駆物質投入口108を介し、バルブ110を経由して反応容 器100に供給される。 まず、チャンバ102には、少なくともプリフォーム(図示されず)を被覆す るのに十分な量の前駆物質液が充填される。操作の際には、前駆物質液は、蒸着 反応で消費されるか、または蒸気として反応容器100から排出される。したが って、前駆物質投入口108を反応容器100の操作時に用いて散逸する前駆物 質液を置換してもよい。 高密度化の操作中には、液状前駆物質が曇るようになるであろう。したがって 、バルブ114を開き、前駆物質液を薬液帰路112を介してフィルター116 に流し、そこで濾過をし、ポンプで反応容器100に戻してもよい。フィルター 116は、多孔質セラミックスクリーン、より好ましくは炭などの適当なフィル ターであればよい。 本明細書で用いられる試薬液は、潜在的に可燃性である。したがって、高密度 化処理は、不活性雰囲気中で行なうことが好ましい。例えば、窒素ガスを用いて もよい。大気のキャビティ102を浄化するために、バルプ120を開き、投入 口118を介して窒素を流す。バルブ124を開き、蒸気回収システム130を より迅速にかつ効果的に浄化してもよい。いったんチャンバ102内の雰囲気が 窒素に置換されれば、バルブ128を開き、窒素を排気筒136に直接供給して もよい。この窒素の流れにより、大気がキャビティ102に到達するのを防ぎ、 バルブ120および124を閉じてもよい。バルブ120および124を閉じる と、蒸気回収システム130を介するガス流が減少する。したがって、蒸気回収 システム130をより効率的に操作してもよい。 蒸気回復システム130は、気化された液体を回復する技術分野で公知の型式 のシステムである。そのようなシステムは、その処理で生じた廃物量および前駆 物質の使用量を減じるであろう。 操作の際には、カーボンブレーキ(図示されず)をコイル104に近接させて キャビティ102内に配置する。コイルの配置の例は、図3、図5および図6に 、より詳細に示されている。カーボンブレーキを支持取付具中に配置し、反応容 器およびコイルに対して一定の位置にカーボンプレーキを強固に保持することが 好ましい。取付具の正確な形状は、カーボンブレーキの形状に基づく。そのよう な取付具は、リップ132上などの便宜な方法で支持することができる。 カーボンブレーキの形状に基づいて異なる大きさまたは形状のコイルを用いる ことが望ましい。この理由で、コイル104は、接合具134で母線106に接 続される。接合具134は、母線106を含む電気回路を接続する。また、接合 具134は、流路105によって形成された水流回路も接続する。接合具134 は、単純に、ねじ(図示されず)の固定点がコイル104の基部を母線106に 保持する金属のブロックであってもよい。水流回路の接合部は、軟質のO−リン グや、他の便利な方法で封止することができる。その材料は、水および前駆物質 液の双方による劣化に対する耐性がなければならない。この目的に対して、ビト ン(Viton)またはシリコーンゴムを用いてもよい。溝孔および溝またはクリッ プなどの他の装着装置を用いることもできる。 図2Aは、図1の反応容器とともに用いる取付具200の見取図を示す。取付 具200は、リップ132(図1)上で封止するのに適当な大きさのリング20 2を含む。ねじ203は、リング202を貫通している。取付具200を反応容 器100(図1)に装着するために、ねじ203は、リップ132(図1)にね じ込まれていてもよい。あるいは、ねじ203は、リップ132(図1)に止め るだけであってもよい。この方法で、ねじ203は、リップ132(図1)に対 する取付具200の鉛直角度を調節する役割をする。 コイル104が反応容器100(図1)にしっかりと装着されているのなら、 取付具200の鉛直角度を調節することができることは、有用であろう。取付具 200がカーボンブレーキを保持するので、取付具200の鉛直角度を調節する と、コイル104に対するカーボンブレーキの位置も調節されるであろう。カー ボンブレーキがコイルと同心状となるように配置されていることが好ましいよう に、カーボンブレーキまたはコイルのいずれかの位置を調節することができるこ とが望ましい。 取付具200は、垂直部材204Aおよび204Bを含む。水平部材206は 、垂直部材204Aおよび204Bをつなぐ。柱208は、水平部材206に取 付けられている。カーボンブレーキは、任意の便利な方法で柱208に取付けら れる。例えば、カーボンブレーキがマンドレルの周囲に配置されているのなら、 マンドレルを介するピンを柱108に挿入してもよい。水平部材204Aおよび 204B、垂直部材206および柱208は、誘導コイル104に近接している ので、それらの部材は(およそ1の磁気透過度を有する)非磁性材料でつくられ ていることが好ましい。しかしながら、それらの部材は、カーボンブレーキを支 持するのに十分な強度の材料でなければならない。ガラスエポキシ複合材料を用 いることができる。柱208は、加熱されたカーボンブレーキと接触するかもし れないので、良好な断熱材であって、高温に耐えうる材料でつくられていなけれ ばならない。柱208は、石英でつくられることがより好ましい。 カーボンブレーキとコイル104との適切な関係を確保するために、コイル1 04を取付具200に直接固定することが望ましい。次に、コイル104を非導 電性ピン210で垂直部材204に固定することができる。 図2Bは、コイル104をより詳細に示す。任意に、コイル104は、電気的 に並列に接続された、複数のコイル部251、252、253および254でつ くられている。コイル部251〜254は、導電棒260Aおよび260Bに接 続されている。コイル104に電力を供給する母線106は、導電棒260Aお よび260Bに接続されている。図2Bに示されるように、母線106は、導電 棒260Aおよび260Bの中央部に接続されている。したがって、コイル部2 51〜254は、電源の周囲に対称的に配置されている。その結果、大電流を用 いたときに、かなり大きいかもしれない電圧降下は、コイル104の長さに沿っ て平均化される。したがって、カーボンブレーキは、より均一に加熱される。 より均一な加熱処理を行なうために、各コイル部の長さを任意に変えてもよい 。例えば、コイル部252および253は、母線106からの電力供給により近 いので、コイル部251および254よりも巻き数を多くするなどにより、より 長くすることができる。コイル部252および253は、母線106からコイル 部251〜254を介した回路における抵抗が同一となるような大きさにするこ とができる。 コイル104は、処理上、重力の影響を考慮してその長さに沿って不均一な巻 き密度を有するように任意に設計してもよい。例えば、沸騰する前駆物質液によ って生じた蒸気は、カーボンブレーキに沿って上昇するであろう。蒸気速度と同 様に蒸気量がカーボンブレーキの底部よりも頂部で大きくなる可能性がある。そ の結果、カーボンブレーキからの熱伝達は、底部よりも頂部で異なるかもしれな い。この影響に対抗するため、カーボンブレーキの頂部で異なる加熱を行なうよ うにコイル104を構成させることができる。例えば、コイルの巻密度は、頂部 でより小さくするか、またはコイルとカーボンブレーキとの間隙を頂部でより小 さくすることができる。 図3は、反応容器300内のプリフォーム302とコイル304との関係を示 す。プリフォーム302は、コイル304の中央部にあり、双方とも前駆物質液 308中に浸漬されている。 誘導加熱を適用するために、コイルは、一般に、加熱される部品と一致するよ うに形づくられている。コイルの直径は、部品の直径が小さくなると、小さくな るかもしれない。あるいは、加熱される物体がコイルから離れている領域でコイ ルの巻密度を増加させることができる。 コイル304は、プリフォーム302と一致するように形づくることができる 。あるいは、第2のコイル、コイル306をプリフォーム302の内側に挿入し てもよい。各コイルを流れる電流は、各コイルによって生じる磁束がプリフォー ム302と同相になるようにするべきである。コイル304および306をとも に同一の電源に接続し、それらのコイルを流れる電流を確実に同相にすることが 好ましい。もちろん、図3の配置は、中空プリフォームに対してのみ有益である 。コイル304および306の両方を正しい場所で用いると、磁束は、プリフォ ーム302全体にわたってより均一となる。コイル304から離れており、した がってコイル304によって効果的に加熱されないプリフォーム302の領域は 、コイル306により近く、それによってより効果的に加熱される。この方法に おいては、各プリフォームのためのコイルを特別に作製しなくても、より均一な プリフォームの加熱が行なわれるであろう。 図4は、プリフォーム402の他の加熱方法を示す。ここで、プリフォーム4 02は、バーまたはロッド状である。プリフォーム402は、電極404間に固 定されている。プリフォーム402は、良好な電気的および機械的な接続を与え る任意の都合のよい手段で固定される。 電極404は、前駆物質液を著しく加熱したり、前駆物質液と反応することな く、部品の高密度化に必要とされる電流を送ることができる任意の都合のよい材 料でつくられる。 ここで、電極404は、それらに形成されたスリット406を有する3/4イ ンチ(約19mm)の銅棒でつくられている。銅シム408は、プリフォーム4 02の周囲の溝孔に配置されている。シム408は、電極404のねじ込み端部 412上に締め付けられたボルト410により、プリフォーム402の中に圧入 されている。 操作の際には、プリフォーム402は、前駆物質液414の中に配置する。電 極404は、プリフォーム402を加熱し、プリフォーム402を介して電流を 供給する電源(図示されず)に接続されている。プリフォームが炭素繊維でつく られているか、あるいは炭化された樹脂によって結束された繊維でつくられてい る場合のように、プリフォームの抵抗が低いとき、高電流を供給することが好ま しい。必要とされる電流量は、プリフォーム402の抵抗率と同様にその断面積 に依存するであろう。しかしながら、電流は、前駆物質液414の熱分解温度よ りも高い温度でプリフォーム402のある部分を加熱するのに十分でなければな らない。正確な電流レベルは、プリフォームの温度測定値に基づいて経験的に設 定してもよいが、およそ1000Aの電流が必要とされるようである。直流電流 が好ましいが、交流電流を用いてもよい。プリフォーム402の高密度化が進行 するにつれて、電流を変化させる必要があるであろう。プリフォーム402が高 密度になるにつれて、その抵抗が小さくなり、同レベルの加熱を維持するために 電流を増大させる必要がある。そのため、高温計を用い、プリフォームの温度を 連続的または定期的に測定し、次いで電源の電圧を調節して所望の電流を維持す るか、または電流を直接調節することが好ましい。 図4の装置は、均一な直径および肉厚を有するバー、ロッド、チューブなどの 均一な断面を持つ形状、平板や、電流の方向に対して垂直方向で均一な断面を持 つ他の形状にプリフォームを高密度化させるのに特に好ましい。そのようなプリ フォームは、仕上加工された形状または「網状」の形状であってもよい。あるい は、高密度化後に、ディスクまたは他の形状をロッド、バー、平板または他の形 状から切り出してもよい。このようにして、不均一な断面を有する部品を高密度 化させてもよい。あるいは、いくつかの部品を1つの高密度化品から切り出し、 電源を1つだけ有する1つの反応容器内で、いくつかの部品を同時に効率的に高 密度化させてもよい。 図4は、反応容器内で水平方向に配置されたプリフォーム402を示す。いか なる向きでも用いることができる。図5は、プリフォーム502を高密度化させ る他の配置を示す。プリフォーム502は、誘導コイル504の内側に配置され ている。プリフォーム502の端部は、電極506に接続されている。上記のよ うに、適当な電源に接続されていると、コイル504は、プリフォーム502を 誘導加熱し、電極506は、抵抗加熱を促進する。 プリフォーム502は、凹部領域508を含む。抵抗加熱を用いた均一加熱で は、凹部領域または不均一な断面領域を有するプリフォームは、電流密度および 加熱が凹部領域で大きくなるので、一般に望ましくない。同じように、特別なコ イル形状のものを用いなければ、凹部領域は周囲領域と同じようには加熱されな いので、凹部領域は、誘導加熱を用いた均一加熱には不向きである。しかしなが ら、抵抗加熱および誘導加熱の双方を用いると、抵抗加熱に関連するホットスポ ットが誘導加熱のコールドスポットによって相殺される傾向があるので、より均 一な加熱が行なわれる傾向がある。したがって、プリフォーム502の外形に一 致する形状の特別なコイルを用いなくても、プリフォーム502を均一に加熱す ることができる。 抵抗加熱と誘導加熱との組合せは、プリフォームの加熱制御をよりよくすると いう利点も与える。プリフォームをより十分に高密度化させるためには、最初に プリフォームの中央部を前駆物質液の熱分解温度よりも高い温度に加熱すること が望ましい。前駆物質液の冷却効果のため、温度勾配は、プリフォームの中央部 から周辺部へと低下していく。この温度分布で、高密度化材料の蒸着は、プリフ ォームの中央部で優先的に生じる。高密度化が進行するにしたがい、中央部から 外側に向かって半径方向に連続的に移動するプリフォームの領域は、熱分解温度 を超えることが望ましい。抵抗加熱は、温度勾配による抵抗率の変化により2次 的な差異しか有しない断面にわたってほぼ均一に熱を発生させる。プリフォーム の外部を冷却する前駆物質液を用いれば、生成する温度分布は、中央部でもっと も熱く、端部でもっとも冷たい。さらに、ある種のプリフォームに対しては、抵 抗は、温度が上昇するにしたがって低下するので、電流およびさらに発熱がプリ フォームのより熱い内部に集中するであろう。この温度分布は、高密度化サイク ルの開始に十分に適している。 逆に、誘導コイル504は、プリフォームの周辺部の近傍で大量の熱を発生さ せる。発熱量は、表皮深さでその最大値の14%まで低下する。表皮深さは、周 波数の関数でもあり、周波数の平方根に反比例して減少する。誘導加熱の技術分 野の当業者に知られている公知の技術を用いて周波数を適宜選択することにより 、誘導コイル504によってプリフォームの周辺部でより大きな加熱を行なって もよい。この熱分布は、高密度化サイクルの終了時に望ましい。したがって、ま ずプリフォーム502を抵抗加熱し、次いでコイル504を流れる電流を増大さ せることにより、望ましい結果をなし遂げることができる。所望により、電極5 06を流れる電流を同時に小さくすることができる。 上記の誘導コイルにより、高密度化サイクルの際に、同様の熱分布を得ること もできる。電源の周波数は、最初にプリフォームの直径のおよそ1/4から1/ 3の表皮深さとなるように設定する。プリフォームからの熱伝達を考慮した、こ の表皮深さは、プリフォームの中央部で最大の蓄熱を与えるであろう。理想的に は、コイルの電力は、前駆物質液の熱分解温度よりもわずかに高い温度にプリフ ォームを加熱するように設定されるが、プリフォームの残りは、前駆物質液によ って熱分解温度よりも低い温度に冷却される。プリフォームの中央部が高密度化 するにしたがい、電源の周波数を増大させ、プリフォームの中央部からわずかに ずれた領域における分解温度よりもわずかに高い温度に、プリフォームを加熱す ることができる。また、コイルに供給される電力をわずかに減らし、プリフォー ムの残りが前駆物質液の熱分解温度よりも低い温度となるように確保してもよい 。プリフォームが完全に高密度化するまで、このようにして調節を行なうことが できる。周波数および電力の正確な変化率は、プリフォームの形状および組成に 依存し、実験的に決定する必要があるであろう。 抵抗電源を用いずに誘導コイルを用いる場合であっても、高密度化サイクルが 進行するにしたがって誘導コイルへの電力を増大させることにより、所望の結果 が得られるであろう。 図7は、高密度化サイクルの際に、どのようにして増大された電力がより完全 な高密度化を与えるかを理解するのに役立つ3つの曲線を示す。図7は、曲線7 02、704および706を示し、各々高密度化されたプリフォームの密度を、 プリフォームの厚さの中央からの距離の関数として示す。曲線702は、比較的 低い入力電力でつくられる。密度は、中心線で最大である。中央部が前駆物質液 の熱分解を生じるのに十分な温度に加熱するので、この高密度化パターンが生じ る。プリフォームの外側は、熱分解およびそれに関連する蒸着反応が生じないよ うに冷却される。曲線706は、比較的高い入力電力でつくられる。最大密度は 、その周辺部が前駆物質の熱分解を発生させるのに十分に高い温度に加熱するの で、その周辺部で生じる。熱分解により、前駆物質がプリフォームの中央に浸透 するのを妨げる蒸着物が生じる。曲線704は、中間電力で形成され、中心線と その周辺部の中間で最大密度を示す。 改善された高密度化を提供するには、曲線702を形成させるために用いられ たような電力Poを最初に用いることが望ましい。高密度化サイクルの最後に、 曲線706を形成するために用いられたような電力Pfを用いることが好ましい 。中間に、704などの曲線を与える電力を用いることがよりよい。図8は、高 密度化サイクルの際の所望の入力電力レベルの曲線を時間の関数P(t)として 示す。最初に電力Poに設定する。時間Tfにおける高密度化サイクルの終了時に 、電力はPfと等しくなる。高密度化サイクルの間、電力は増加する。図8に示 されるように、電力は時間tに比例して増加し、電力nまで増大する。この関係 は、蒸着物を生じる化学反応が温度の上昇にともなって増大するので、望ましい 。したがって、プリフォームの外部を高密度化させるには、より短い時間が必要 とされる。また、プリフォームの他の部分は、その内部が高密度化されている間 、ある程度高密度化する。その結果、プリフォームの周辺部は、その内部よりも 非常に速く高密度化し、プリフォームの外部を高密度化するためには、より短い 時間が必要とされる。 μ、Po、Pf、Tfおよびnの値は、使用する特定の前駆物質液と同様に、プ リフォームの大きさおよび幾何学的形状のようなものに依存する。それらの値を 理論上計算することが可能である。しかしながら、関連する現象の複雑な性質の ため、適切な値を実験的に決定することが好ましい。定期的に運転を停止してプ リフォームを観察し、その密度を測定する、数回の試運転は、適切な値を決定す るのに必要であろう。1〜5の範囲内にあるnの値は、本明細書に示されている ように、カーボンブレーキ部品に満足しうる値であることが観察された。しかし ながら、他の値は、他の幾何学的形状に対して望ましいかもしれない。 図8が連続した電力の変化を示すことは、特筆すべきことである。しかしなが ら、電力は、不連続な工程で増加させてもよい。また、プリフォームを加熱する 方法にかかわらず、同一の入力電力変動パターンを用いてもよい。さらに、図8 の曲線は、電力が連続的に印加されることを示す。以下に記載するように、「オ ン」の状態と「オフ」の状態との間に印加される電力または低下レベルを定期的 に脈動(パルス化)させることは、有益である。パルス化された電源を用いたな ら、図8の曲線は、「オン」の状態の電力を示す。 蒸着を制御するさらなる方法は、反応容器のチャンバ内の圧力を調節すること である。最初に、蒸着が主としてその内部で起こるように、プリフォームの周辺 部を冷却することが望ましい。放熱伝達に加えて、前駆物質液を沸騰または気化 および対流させることにより、冷却が行なわれる。いったんプリフォームの中央 部が高密度化されると、プリフォームの外部の高密度化が迅速に高密度化するよ うに、その周辺部をあまり冷却しないことが望ましい。冷却を少なくするために は、反応容器の圧力を変更してもよい。例えば、排気筒136を絞ることにより 、圧力を単純に高めてもよい。 上述のように、プリフォームの内部で高密度化を優先的に生じさせることが望 ましい。上記の処理制御技術は、プリフォームの加熱を制御することにより、高 密度化処理を制御することに関する。蒸気がプリフォーム内に拡散するのを制御 することも可能である。 より多くの蒸気がプリフォームの内部に到達するか、あるいはプリフォームの 内部の蒸気濃度が高くなるのなら、高密度化は、プリフォームの内部で優先的に 起こるであろう。 プリフォームの内部に蒸着物を形成する材料の濃度を高める1つの方法は、プ リフォームの加熱をパルス化することである。加熱をパルス化させれば、蒸気が 蒸着物を形成するときに生じる副生物を、加熱をまったく行なわないときまたは 加熱が減じられたときに、プリフォームから拡散させることができる。例えば、 もし、シクロヘキサンを前駆物質液として用いたなら、H2が副生物として生成 する。コイルへの電力(誘導加熱を用いる場合)またはプリフォームへの電力( 抵抗加熱を用いる場合)を、H2をプリフォームから拡散させるのに十分な時間 で定期的に遮断したなら、加熱を再開したときに、より多くのシクロヘキサン蒸 気をプリフォームの内部に拡散させることができる。その後、シクロヘキサン蒸 気の濃度は、H2が散逸するので、より高くなるであろう。 加熱を比較的短時間中断する必要がある。その時間の長さは、プリフォームの 大きさおよび高密度化の時期にも依存する。副生物を厚いプリフォームの中央部 から拡散させ、次いで端部から拡散させるためには、より長時間がかかるであろ う。その結果、プリフォームの内部が高密度化しているとき、高密度化サイクル の初期に、加熱をより長時間中断することが望ましい。加熱は、好ましくは0. 01秒〜10分間、より好ましくは0.01〜3分間中断すべきである。加熱は 、副生物が生じるときの速度に反比例する長さの間隔、好ましくは約0.01秒 〜3分間中断すべきである。 加熱処理の中断は、より強度の高い仕上げ部品を製造するというさらなる利点 も与える。高密度化された部品の強度は、蒸着された材料の強度に部分的に依存 する。蒸着された材料の強度は、その微細構造に左右される。材料が蒸着される と、結晶のドメインが成長する。部品の強度が強くなるが、但し、すべてのドメ インが小さい場合である。再度核を形成させる温度に部品を冷却するのに十分な 長さの時間で加熱することを中断すると、ドメインがより小さくなる。プリフォ ームをつくるために使用される繊維の直径よりも小さい、一般に5μm未満のド メインは、小さいものとみなされる。 ドメインが所望の大きさに成長するのに要する時間で加熱をプリフォームに施 すべきである。およそ0.1秒〜5分間の時間が一般的である。次に、再度核が 形成する温度未満にプリフォームを冷却するのに十分な時間、加熱を中断すべき である。0.01〜10秒間の時間が一般的である。蒸着は、指数関数的に温度 に依存するので、再度核形成を生じさせるのには、10〜200℃程度の冷却で 十分であろう。 粒子の大きさを調節することは、ブレーキに用いられるような摩擦材料を製造 する際にも重要である。より小さいドメインは、より大きいドメインとは異なる 摩擦係数を示す。したがって、ドメインの大きさを制御することにより、所望の 摩擦係数の範囲内の材料を製造することができる。 パルスは、一定の負荷サイクルであったり、一定間隔で生じさせる必要がない ことは、特筆すべきことである。例えば、図8に示されるように、電力レベルは 、高密度化サイクル中に変化させてもよい。パルス特性は、電力レベルとともに 変化させてもよい。 プリフォームの内部における材料の蒸着を増加させる他の方法は、圧力波を液 状前駆物質中で用いることを介することである。これらの波は、前駆物質を部品 に押し込み、副生物を引き抜く密度波として、蒸気中で強調される。上述のよう なシステムにおいて、液状前駆物質が沸騰することに伴う気泡の発生および収縮 により、液体中に圧力波が存在する。その波の大きさは、前駆物質液または反応 容器の外部を冷却することにより、増大させることができる。例えば、図1にお いて、フィルター116に、液体を冷却させるための冷却部を含めることができ る。あるいは、反応容器100を水または他の冷却装置で被うことができる。 圧力波を前駆物質液中に発生させる他の試みは、1またはそれ以上の変換器を 前駆物質液中に配置することである。音響変換器または超音波変換器を用いるこ とができる。変換器で圧力波が前駆物質液中に発生するようにパルス化させるこ とができる。プリフォームまたは前駆物質液の機械的な扇動または攪拌を用いる こともできる。 図6は、他のブレーキディスクの高密度化および修復に好適なコイルの配置を 示す。ここで、ディスク状のプリフォーム602を「パンケーキ」コイル604 の間に配置する。パンケーキコイル604は、プリフォーム602などのいくつ かのプリフォームの中央部で、例えばコイル304(図3)のような形状のコイ ルよりも効果的に加熱するであろう。パンケーキコイルは、厚さ全体にわたって 抵抗率が高いプリフォームや、コイル104(図1)などのコイルの軸線に沿っ た端部を含むプリフォームを加熱するのにも有用である。 図6は、連続する巻線の間に均一な間隔を有するパンケーキコイル604を示 す。場合によっては、不均一な間隔が望ましいかもしれない。例えば、プリフォ ーム602がその中央部に孔を有するディスクであるのなら、巻き密度は、プリ フォームの外側とプリフォームの中央部にある孔の外側との中間領域で増加させ てもよい。誘導加熱システムに従来用いられている設計技術は、好適に採用され る。 図6は、オープンメッシュ610上に載置されているプリフォーム602を示 す。オープンメッシュ610または他の同様の支持構造は、前駆物質液608を 下面プリフォーム602に到達させながら、プリフォーム602を保持する。一 般に、カーボン−カーボン複合材用のプリフォームは、樹脂またはピッチで結束 された繊維でつくられている。次に、樹脂またはピッチを高温に加熱し、炭素に 変換する。該炭素は、まだ多孔質であり、さらに高密度化しなければならない。 しかしながら、一般に、そのプリフォームはかなり硬質であり、該プリフォーム を支持する多くの方法が可能である。 図6のプリフォームは、炭化された樹脂またはピッチによって結束されていな いので、ドライプリフォームと呼ばれる。ドライプリフォームの1種は、「ニー ドルド」プリフォームであり、繊維層を積層し、その積層に鉤のある針を突き刺 すことによってつくられる。針は、層をしっかりと組合せている層を介して繊維 を引く。生成するプリフォームは、剛性が低く、その長さ全体にわたってフレー ムやメッシュ610などの構造物上で支持する必要があるであろう。 ドライプリフォームは、樹脂またはピッチで結束されたプリフォームよりも高 い抵抗率も有するので、これらの材料を効率的に加熱するには、より高い周波数 が必要となる。プリフォームが高密度化されはじめると、抵抗率の低下を補償す るために、周波数を低下させる必要があるであろう。抵抗加熱に対しても、同様 の調節が必要であるであろう。低下した抵抗を補償するために、電流を上げる必 要があるであろう。 プリフォームによっては、効果的な誘導加熱を行なうために、非常に高い周波 数が必要になるであろう。本明細書に記載されている抵抗加熱を用いることがで きる。あるいは、誘導コイルよりもむしろマイクロ波源から、高周波エネルギー を発生させることができる。マイクロ波を用いる場合、反応容器は、マイクロ波 のエネルギーを反射する材料でつくられ、マイクロ波加熱炉に用いられているキ ャビティのように成形されていなければならない。必要により、反応容器の開口 部を、使用する周波数の1/4波長よりも小さくするか、または1/4波長より も小さい開口部を有する導電性メッシュで被覆しなければならない。300MH z〜300GHzの範囲内の周波数、より好ましくは915MHz〜2.45G Hzの範囲内の周波数を用いることができる。 そのような高周波電源を用いる代わりに、サセプターをプリフォームに組み込 むことができる。サセプターは、熱くなりやすい材料である。従来は、グラファ イト片がサセプターとして用いられている。図9は、ディスク状プリフォーム9 00の断面を示す。プリフォーム900は、サセプターとして作用するコア90 4を有する。コア904は、グラファイトであってもよく、あるいは炭素や使用 する熱源によって発生するタイプのエネルギーにさらされたときに熱くなりやす い他の材料であってもよい。 プリフォーム900の多孔質部902は、コア904を取り囲んでいる。従来 のカーボン/フェノール材料をコア904の周囲で成形することにより、多孔質 部902を適用してもよい。あるいは、1枚のカーボンフェルトをコア904の 上方および下方に設けてもよい。次に、そのカーボンフェルトを縫合してもよい 。 コア904は、いずれのサセプター材料であってもよい。特に有用なサセプタ ーは、あらかじめ高密度化されたディスクである。例えば、航空機ブレーキの摩 耗したカーボン/カーボンディスクを機械にかけ、コア904を形成するために 使用し、新しいディスクを作製してもよい。 本発明の種々の態様を説明してきたが、当業者であれば、本発明から逸脱する ことなく種々の他の態様を行なうことができるであろう。無限の反応容器の形状 が可能である。数多くの好適な材料を本明細書に記載の装置を作製するのに見出 すことができる。また、繊維状のプリフォームの形態の多孔質ビレットを説明し てきたが、本明細書に記載の方法および装置を用いて、多種のプリフォームを高 密度化させることができる。さらに、炭素で高密度化された炭素繊維プリフォー ムを一例として用いた。炭素繊維プリフォームをセラミックスで高密度化させる か、またはセラミック繊維を炭素またはセラミックスで高密度化させることがで きる。また、磁束集束装置(コンセントレーター)を本明細書に記載されている 誘導コイルとともに用いることができる。例えば、図6は、対称の磁界パターン を形成する、パンケーキコイルを示す。フェライトボールやフラックストロール 社(Fluxtrol Company)によって販売されている製品、フラックストロール磁束集 束装置(Fluxtrol flux concentrator)などの磁束集束装置を用いることができる 。磁束集束装置は、例えば、プリフォームから離れたコイルの外部に設置し、 発生した磁束をより多くプリフォームに向けてもよい。 実施例1 従来のカーボン/フェノール材料のシートをインボリュートラップと呼ばれて いる方式で数枚重ね合わせ、内径1.5”、肉厚38〜40ミル、長さ6インチ のチューブ状プリフォームを作製した。プリフォームを650℃を超える温度で 加熱することにより、炭化させた。プリフォームの初期の嵩密度は1.3g/c cであった。前駆物質液としてシクロヘキサンを用い、図1に示されるような反 応容器内で、プリフォームを高密度化させた。グラファイトコアをチューブの中 央部に配置し、サセプターとして作用させた。電源は、160kHzの周波数で 30kWを供給した。プリフォームの温度は900〜1500℃に到達した。4 時間後、嵩密度は1.83g/ccであり、水銀圧入計(ポロシメーター)によ って測定された見かけ密度は2.01g/ccであった。その部品の空隙率は、 非常に低く、6.2%であった。試験により、該チューブが26.3Ksiの圧 縮強度および44.1Msiの弾性率を有することが示された。 実施例2 F−16航空機のブレーキを分解し、摩耗したカーボンローターディスクを研 削し、各ローターディスクから半分の厚さのローターを作製した。ローターは、 通常のブレーキのライフサイクルで実際に航空機の運行に使用されていた、直径 12インチ(30.5cm)のカーボン−カーボン環状ディスクであった。 以下に示すローターディスク#3と同様の試験条件下で、3つのローター(デ ィスク#2、#3および#4)を別々に高密度化させた。図1および図6に示さ れた形態の反応容器内のシクロヘキサンに各ローターを浸漬した。高密度化の結 果、ローターの嵩密度は、初期の装置のカーボンブレーキローターの嵩密度にほ ぼ等しかった。表 I 操作条件:カーボンブレーキローターディスク♯3の高密度化 a.操作に使用された電源のフルスケール電圧は800Vであった。 b.操作に使用された電源のフルスケール電力は150KWであった。 c.操作に使用された電源のフルスケール周波数は25KHzであった。 高密度化処理時におけるカーボンブレーキローターディスクの表面温度は、お よそ800〜1100℃と推定された。一般に、摩耗したカーボンブレーキ部品 を、初期の装置の密度または航空機の操縦に用いられている、同等の大きさ、密 度および組成を有する従来どおりに修復されたカーボンブレーキ部品の密度と少 なくとも等しい密度に修復するには、シクロヘキサン中で2.0〜3.5時間9 50〜1100℃の内部温度に加熱すれば十分であることが観察された。 高密度化に続いて、高密度化されたローターのサンプルに、アルゴン雰囲気で 1800℃、2100℃および2400℃の温度で2時間、後熱処理を施した。 サブスケール試験片(外径1.25インチ、内径0.85インチ)を各ロータ ーの固定点から機械加工し、摩耗摩擦試験の前に、酸化防止塗料を試験片の内縁 部および外縁部に塗布した。 実施例3 F−16航空機(210ノットで着陸)の着陸状態時の摩耗および性能をシミ ュレーションするため、ミシガン大学の複合材料試験および分析(Composite Te sting and Analysis,University of Michigan)で用いられている試験装置を以 下のパラメーターに設定した。 試験片の回転速度 :257 1bs. 全速力のディスクに作用する法線力 :31,500rpm (ディスク表面の圧力:390psi) これらのパラメータから、F−16航 空機の着陸時に発生する以下の最大条件をシミュレーションするモデルが得られ た。 ブレーキ面の最大速度 :2114in/秒 ブレーキディスク間の最大接触圧 :390psi 速度が0の時のブレーキ面の最大温度 :815℃ ローター試験片を10サイクル試験し、摩耗測定を行なった。表面欠陥による 影響を回避するため、最後の5サイクルのみで収集したデータを用いて、摩擦係 数を計算した。以下に示される結果を、新しいブレーキおよび摩耗ブレーキ制御 試験片で収集したデータと比較した。「摩耗」ブレーキ試験片は、従来どおりに 修復された摩耗ブレーキ、すなわち、1枚の初期の装置のブレーキディスクの代 わりに用いられた、研削された2枚の摩耗ディスクを代表するものである。 表 2 10サイクル焼成後の摩耗の結果 a.試験中に剥離したサンプル。 b.最大試験温度を超過した。 最後の5サイクルaの焼成における各試験片対の摩擦係数 a. 各試験サイクルごとに収集したデータは、法線力、トルクおよび温度を含 んでいた。摩擦力Fは、摩擦係数μおよび法線力Nに関連し、以下の式:F=μ Nで表わされる。ディスクに付与されるトルクは、摩擦力にディスクの平均半径 を乗すること:T=Frmによって求められる。μを解くには、μ=T/Nrmを 求める。代表的な試験サイクルにおいて、最大温度は、およそ7秒間で試験サ イクルで発生した。この時間的間隔で、固定ディスクに付与されるトルクは、3 5in−1bであった。サンプルに対して記録された法線力247 1bおよび平 均半径0.525インチとともに、この値を数式に代入して、我々は0.27の 摩擦係数を算出した。 その結果は、半分の厚さに摩耗したF−16航空機のブレーキに本明細書にお ける修復方法を行なうことにより、ブレーキの摩耗および摩擦特性がいちじるし く向上することを示す。これらの試験では、後熱処理がなくても、該修復方法を 用いれば、摩擦係数を危うくすることなく、新しいかまたは従来どおりに修復さ れたブレーキの摩耗特性に見合うか、またはそれを超える摩耗特性が与えられる 。 表2の摩耗データは、3時間の高密度化サイクルを用いて処理されたサンプル が新しいブレーキのサンプルよりも25%小さい平均摩耗度を有していたことを 示す。表2のデータは、サンプルの後熱処理サイクルの結果も示す。このデータ は、限定的であるが、修復処理後にブレーキを高温にさらすことにより、材料の 摩耗特性および摩擦係数の双方を改良するであろうことを示唆する。2100℃ で後熱処理を施して修復された試験片対から取られたデータは、56%低い摩耗 度を示し、新しいブレーキのサンプルと同じ平均摩擦係数を有していた。 本明細書に例示された操作条件以外の操作条件を摩耗されたブレーキを修復す るために用いてもよく、専門家によって選択されている適切な条件を、ブレーキ 部品、装置の大きさおよび形状、液状炭素前駆物質および処理条件に適用しても よい。サセプターを用いるかあるいは用いずに、多数のカーボンブレーキ部品を 同時に処理するように操作条件を調節してもよい。唯一の要件は、その条件が航 空機ブレーキの操作に適した摩擦係数、摩耗および熱特性によって特徴づけられ るカーボン/カーボン複合材料の微細構造を生じなければならず、また化学的蒸 着処理が迅速に、すなわち48時間未満、好ましくは24時間未満に完了しなけ ればならないことである。 したがって、本発明は、添付の請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定 される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 サーストン,ガレット エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01851 ロウエル,ハイランド アベニュ ー 36

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. a)少なくとも1つの幾何学的中央領域を含む内部領域によって定められ た孔と外面とを有する少なくとも1つの摩耗したカーボンブレーキ部品を、液状 炭素前駆物質を含有しかつ少なくとも1つの内部誘導コイルを含有するようにつ くられた、多孔質構造を高密度化させるための反応容器内に含まれた液状炭素前 駆物質中に配置し、 b)摩耗したカーボンブレーキ部品の内部領域を液状炭素前駆物質の分解温度 よりも高い温度に誘導加熱し、それにより、液状炭素前駆物質から蒸気を形成さ せ、蒸気を内部領域に浸透させ、内部領域内に熱分解炭素を蒸着させる 工程を含有し、 それにより、修復後に、摩耗カーボンブレーキ部品が、航空機に現在使用されて いる同等の大きさ、密度および組成のカーボンブレーキ部品と少なくとも等しい 微細構造および摩擦摩耗性によって特徴づけられる、 摩耗した航空機用カーボンブレーキ部品を修復する迅速な化学的蒸着法。 2. 反応容器が、蒸発した液状カーボン前駆物質を濃縮し、該液状カーボン前 駆物質を該反応容器に戻すためのコンデンサーに連結されている請求項1記載の 方法。 3. 該方法が、さらに、修復されたカーボンブレーキを約1500〜2400 ℃の温度に加熱し、化学的蒸着を完了させる工程を含む請求項1記載の方法。 4. 少なくとも1つの摩耗したカーボンブレーキ部品を、2.0〜3.5時間 、950〜1100℃の内部温度および800〜1100℃の外部温度にシクロ ヘキサン中で誘導加熱することにより、十分に修復させる請求項1記載の方法。 5. さらに、 a)摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域にある孔で優先的に蒸 気の熱分解および蒸着を生じさせるのに十分な温度に到達させるのに十分な熱を 摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域で蓄積させるのに有効な初期 周波数および電力を誘導コイルに設定し、 b)摩耗したカーボンブレーキ部品の他の内部領域および外部表面を同時に高 密度化させずに幾何学的中央領域を高密度化させるのに適した温度に、該摩耗し たカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域を加熱するのに十分な初期周波数で 、初期電力を誘導コイルに供給し、 c)摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域の高密度化に引き続い て、1またはそれ以上の周波数の設定時に電力を誘導コイルに供給し、該電力お よび設定する周波数は、幾何学的中央領域の近傍で、摩耗したカーボンブレーキ 部品の内部領域にある孔で優先的に蒸気の熱分解および蒸着を生じさせるのに十 分な熱を摩耗したカーボンブレーキ部品の内部領域で蓄積させるのに有効であり 、 d)1またはそれ以上の周波数の設定時に誘導コイルに供給される電力を調節 し、該電力および設定する周波数は、幾何学的中心領域から摩耗したブレーキ部 品の厚みを介して外部へ半径方向に、摩耗したカーボンブレーキ部品の内部領域 を連続的に高密度化させるのに有効である 工程を含む請求項1記載の方法。 6. 化学的蒸着工程を0.5〜4気圧の圧力で行なう請求項4記載の方法。 7. 液状カーボン前駆物質が、C5〜C9の液状炭化水素の少なくとも1つを 含有するものである請求項1記載の方法。 8. 液状カーボン前駆物質が、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキセン、 1−ヘキセン、シクロヘキサン、ガソリン、メチルシクロヘキサン、ベンゼンお よびトルエンからなる群より選ばれたものであるか、またはそれらの組合せであ る請求項7記載の方法。 9. 修復されたカーボンブレーキの摩擦係数が、航空機に現在使用されている 同等のカーボンブレーキ部品の摩擦係数と少なくとも等しい請求項1記載の方法 。 10. 修復されたカーボンブレーキ部品の航空機に使用時の摩耗率が、航空機 に現在使用されている同等のカーボンブレーキ部品の摩耗率と少なくとも等しい 請求項9記載の方法。 11. 摩耗されたカーボンブレーキ部品が、カーボンローター、カーボンステ ーター、カーボンエンドプレートおよびカーボンプレッシャープレートからなる 群より選ばれたものである請求項1記載の方法。 12. a)少なくとも1つの幾何学的中央領域を含む内部領域によって定めら れた孔と外面とを有する少なくとも1つの摩耗したカーボンブレーキ部品を、液 状炭素前駆物質を含有し、かつ摩耗したカーボンブレーキ部品と少なくとも1つ の電源とを電気的に接続するために適用されたコネクターを有する少なくとも1 組の電極を含み、摩耗したカーボンブレーキ部品を加熱する手段を含有するよう につくられた、多孔質構造を高密度化させるための反応容器内に含まれた液状炭 素前駆物質中に配置し、 b)摩耗したカーボンブレーキ部品に十分な電力を供給し、摩耗したカーボン ブレーキ部品の内部領域を液状炭素前駆物質の分解温度よりも高い温度に抵抗加 熱し、それにより、液状炭素前駆物質から蒸気を形成させ、蒸気を内部領域に浸 透させ、内部領域内に熱分解炭素を蒸着させる 工程を含有し、 それにより、修復後に、摩耗カーボンブレーキ部品が、航空機に現在使用されて いる同等の大きさ、密度および組成のカーボンブレーキ部品と少なくとも等しい 微細構造および摩擦摩耗性によって特徴づけられる、 航空機用の摩耗したカーボンの航空機ブレーキ部品を修復する迅速な化学的蒸着 法。 13. 反応容器が、蒸発した液状カーボン前駆物質を濃縮し、該液状カーボン 前駆物質を該反応容器に戻すための少なくとも1つのコンデンサーに連結されて いる請求項12記載の方法。 14. 該方法が、さらに、修復されたカーボンブレーキ部品を約1500〜2 400℃の温度に加熱し、化学的蒸着を完了させる工程を含む請求項12記載の 方法。 15. 少なくとも1つの摩耗したカーボンブレーキ部品を、2.0〜3.5時 間、950〜1100℃の内部温度および800〜1100℃の外部温度にシク ロヘキサン中で加熱することにより、十分に修復させる請求項12記載の方法。 16. さらに、 a)幾何学的中央領域を含む、摩耗したカーボンブレーキ部品の内部領域にあ る孔で優先的に蒸気の熱分解および蒸着を生じさせるのに十分な熱を摩耗したカ ーボンブレーキ部品の内部領域で蓄積させるのに有効な初期の周波数および電力 を1組の電極に設定し、 b)1またはそれ以上の周波数の設定時に1組の電極に供給される電力を調節 し、該電力および周波数は、摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域 から外部へ半径方向に、摩耗したカーボンブレーキ部品の内部領域を連続的に高 密度化させるのに有効である 工程を含む請求項12記載の方法。 17. 化学的蒸着工程を0.5〜4気圧の圧力で行なう請求項12記載の方法 。 18. 液状カーボン前駆物質が、C5〜C9の液状炭化水素の少なくとも1つ を含有してなる請求項12記載の方法。 19. 液状カーボン前駆物質が、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキセン 、1−ヘキセン、シクロヘキサン、ガソリン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン およびトルエンからなる群より選ばれたものであるか、またはそれらの組合せで ある請求項18記載の方法。 20. 修復されたカーボンブレーキの摩擦係数が、航空機に現在使用されてい る同等のカーボンブレーキ部品の摩擦係数と少なくとも等しい請求項12記載の 方法。 21. 修復されたカーボンブレーキ部品の摩耗率が、航空機に現在使用されて いる同等のカーボンブレーキ部品の摩耗率と少なくとも等しい請求項20記載の 方法。 22. 摩耗されたカーボンブレーキ部品の全部または一部を誘導加熱手段およ び抵抗加熱手段を含む手段で加熱する請求項12記載の方法。 23. さらに、 a)摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域にある孔で優先的に蒸 気を熱分解させ、カーボンを蒸着させるのに適した温度に到達するまで、摩耗し たカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域で十分に熱を蓄積させるのに有効な 初期周波数および電力を誘導コイルに設定し、 b)摩耗したカーボンブレーキ部品の他の内部領域および外部表面を同時に高 密度化させずに、摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域を高密度化 させるのに十分な初期周波数で、初期電力を誘導コイルに供給し、 c)摩耗したカーボンブレーキ部品の幾何学的中央領域の高密度化に引き続い て、1またはそれ以上の周波数の設定時に電力を誘導コイルに供給し、該電力お よび設定する周波数は、幾何学的中央領域の近傍で、摩耗したカーボンブレーキ 部品の内部領域にある孔で優先的に蒸気の熱分解および蒸着を生じさせるのに十 分な熱を摩耗したカーボンブレーキ部品の内部領域で蓄積させるのに有効であり 、 d)電極を介して、摩耗したカーボンブレーキ部品に電流を供給し、該摩耗し たカーボンブレーキ部品を抵抗加熱し、 e)1またはそれ以上の周波数の設定時に誘導コイルに供給される電流および 電力を調節し、該電流、電力および設定する周波数は、幾何学的中心領域から摩 耗したカーボンブレーキ部品の厚みを介して外部へ半径方向に、摩耗したカーボ ンブレーキ部品の内部領域を連続的に高密度化させるのに有効である 工程を含む請求項22記載の方法。
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