【発明の詳細な説明】
2-(置換スルファニル)-3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン誘導体
発明の背景
数多くの研究によって、ヒトにおける冠動脈心疾患(CHD)の危険性および動
物における実験的アテローム性動脈硬化の重篤度のいずれもが血清HDLコレス
テロール(HDL-C)濃度と逆相関していることが示されている[ラス(Russ)ら、
アメリカン・ジャーナル・オブ・メディスン(Am .J.Med.),11(1951)480-493;
ゴフマン(Gofman)ら、サーキュレーション(Circulation),34(1966)679-697;ミ
ラー(Miller)およびミラー(Miller)、ランセット(Lancet),1(1975)16-19;ゴー
ドン(Gordon)ら、サーキュレーション(Circulation),79(1989)8-15;スタンパー
(Stampfer)ら、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(N .Engl .J.Med.
),325(1991)373-381;バディモン(Badimon)ら、ラボラトリー・インベ
スティゲーション(Lab .Invest.),60(1989)455-461]。アテローム性動脈硬化は
、動脈壁内へのコレステロール蓄積の過程であり、冠状動脈および脳動脈血管の
閉塞または狭窄をもたらし、やがては心筋梗塞および脳卒中を引き起こす。血管
造影的研究は、ヒトにおけるHDL粒子の上昇レベルがヒトの冠状動脈における
狭窄部位数の減少と相関しているらしいことを示している[ミラー(Miller)ら、
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(Br .Med.J.),282(1981)1741-1744]
。
HDLがアテローム性動脈硬化の進行を防止する機構は、いくつか存在する。
インビトロでの研究は、HDLが細胞からコレステロールを除去できることを示
している[ピカード(Picardo)ら、アルテリオスクレロシス(Arteriosclerosis),6
(1986)434-441]。この性質に関するデータは、アテローム発生を抑制するHDL
の性質のひとつが、組織から過剰な遊離コレステロールを排除し、その結果、こ
のコレステロールを肝臓へ送達するという、その能力にありうることを示唆して
いる[グロムセット(Glomset)、ジャーナル・オブ・リピッド・リサーチ(J .Lipi d Res.
),9(1968)155-167]。このことは、HDLから肝臓へのコレステロールの
効率的な転送を示す実験により裏付けられている[グラス(Glass)ら、サー
キュレーション(Circulation),66(補遺I)(1982)102;マッキノン(MacKinnon)ら
、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J .Biol.Chem.),261(198
6)2548-2552]。さらに、HDLは、トリグリセリドに富むリポタンパクの急速な
代謝に必要なアポタンパクの循環における貯蔵所として役立ちうる[グロウ(Grow
)およびフリード(Fried)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J .Biol.Chem.
),253(1978)1834-1841;ラゴッキ(Lagocki)およびスカヌー(Scanu
)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J .Biol.Chem.),255(19
80)3701-3706;シェーファー(Schaefer)ら、ジャーナル・オブ・リピッド・リサ
ーチ(J .Lipid Res.),23(1982)1259-1273]。従って、HDLコレステロール濃度
を上昇させる薬剤は、抗アテローム性動脈硬化薬として、特に低リポタンパク血
症および冠動脈心疾患の治療に有用である。
米国特許第5,411,981号は、下記の式(A-I)で示されるN-フェニルイミダゾ
リジンを胸部、脳、卵巣、膀胱、肝臓および腎臓の癌の治療に有用な抗アンドロ
ゲン薬として開示している。
ここで、-A-B-は、
[式中、R1はシアノ、ニトロまたはハロゲン;R2はトリフルオロメチルまたは
ハロゲン;Xは酸素または硫黄;Yは酸素、硫黄または窒素;およびR3は水素
または種々様々な有機基]である。
関連する公報のEP 578516は、開示種の各々における4-シアノ-2-トリフルオ
ロメチル-フェニル基を特に強調しながら、式(A-Ia)の化合物を強調している。
WO 94/20460は、式(A-II)で示される部類の化合物を高血圧、うっ血性心不全
、腎不全および緑内障の治療に有用なアンジオテンシン-II受容体拮抗薬として
開示している。
包括的な開示において、HETは多数のヘテロ環を表し、そのうちのひとつは
イミダゾリジノン(A-III)[ここで、R2は特に炭素数2〜8のアルキルチオ基]
である。そのような可変要素に対応する化合物の具体例は、この文献に開示され
ていない。R22は3〜4員のポリメチレン(スピロ)基である。
発明の説明
本発明によれば、式I:
[式中、
Rはフェニル、または、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6の
ペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオ
ロアルコキシ、ヒドロキシ、炭素数2〜6のアルカノイルオキシ、炭素数7〜1
1のアロイルオキシまたは炭素数8から16のアリールアルカノイルオキシから
選択される同一または相異なる1個またはそれ以上の基で置換されていてもよい
フェニル;
R3は炭素数1〜6のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたは炭素数7〜
12のアリールアルキル]
で示される一群の2-(置換スルファニル)ジヒドロ-イミダゾロンまたはその医薬
上許容される塩が提供される。
医薬上許容される塩は、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マレイン
酸、マロン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、お
よび同様に公知の許容される酸などの有機酸および無機酸から誘導される塩であ
る。ひとつの基として、あるいは、ひとつの基(例えば、ペルフルオロ-アルキル
または-アルコキシ)の一部として、用いられる「アルキル」および「アルコキシ
」なる用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
、第三ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ヘキシルオキシなどの直鎖または分枝鎖を意
味する。
ハロゲンの例は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。ひとつの基として
、あるいは、ひとつの基(例えば、アリールアルキルまたはアロイル)の一部と
してのアリールの例は、フェニルおよびナフチルである。ひとつの基として、あ
るいは、ひとつの基の一部としてのアルカノイルオキシの例は、アセトキシ、プ
ロパノイルオキシおよびブタノイルオキシである。
好ましい一群の化合物は、式I:
[式中、
Rはフェニル、または、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、ペルフルオロメ
チル、炭素数1〜3のアルコキシ、ペルフルオロメトキシ、ヒドロキシまたは炭
素数2〜4のアルカノイルオキシから選択される同一または相異なる1個または
それ以上の基で置換されていてもよいフェニル;
R3は炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数7〜9のアリールアルキル]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩である。
本発明の最も好ましい化合物は、以下のとおりである。
2-エチルスルファニル-3-(4-フルオロフェニル)-3,5-ジヒドロ-イミダゾ
ール-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル-3,5-ジヒドロ-
イミダゾール-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-エチルスルファニル-3,5-ジヒド
ロ-イミダゾール-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
3-(2,6-ジクロロフェニル)-2-エチルスルファニル-3,5-ジヒドロ-イミ
ダゾール-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
2-ベンジルスルファニル-3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-3,5-ジヒド
ロ-イミダゾール-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
3-(2-クロロフェニル)-2-エチルスルファニル-3,5-ジヒドロ-イミダゾー
ル-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
2-エチルスルファニル-3-(2-トリル)-3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オ
ンまたはその医薬上許容される塩;
3-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル-3,5-ジヒドロ-
イミダゾール-4-オンまたはその医薬上許容される塩;
2-エチルスルファニル-3-フェニル-3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
またはその医薬上許容される塩;
3-(2,6-ジメチルフェニル)-2-エチルスルファニル-3,5-ジヒドロ-イミ
ダゾール-4-オンまたはその医薬上許容される塩。
本発明は、さらに、式Iの化合物またはその医薬上許容される塩を製造する方
法を提供する。かかる製造方法は、
a)式(A):
[式中、Rは上記と同意義]
で示される2-チオキソ-イミダゾリジン-4-オンをヨウ化メチルと反応させて、
対応する式I(ただし、R3はメチル)の化合物を得るか、あるいは、
b)式3:
[式中、Rは上記と同意義]
で示されるチオ尿素アミドを、式:
R3−X
[式中、R3は上記と同意義、Xはハロゲン]
で示される化合物と反応させて、式I(ただし、RおよびR5は上記と同意義)
の化合物を得て、
必要に応じて、式Iの化合物を遊離塩基として単離するか、あるいは、その医
薬上許容される塩に変換することからなる。
工程a)に関して、本発明の化合物(ただし、R3はメチル)(B)は、2-チオキ
ソ-イミダゾリジン-4-オン(A)をヨウ化メチルでアルキル化することによって
調製することができる。この反応は収率が低い。また、生成物は医薬上許容され
る塩として精製するのが困難である。このアルキル化は、メチルよりかさ高いヨ
ウ化アルキルを用いて実施した場合には、成功していない。
工程b)に関して、本発明の化合物は、下記のスキームに概説する好ましい一
般的な一連の反応に従って調製される。 好ましい一連の反応において、アミノ酸アミド塩酸塩(1)はメタノール中のナ
トリウムメトキシドで塩基(2)に変換する。クロロホルムまたは塩化メチレン中
のアミノ酸アミドに適当なイソチオシアネートを室温で加える。この混合物を加
熱還流した後、加熱を止めて、撹拌を20分間から3時間継続する。チオ尿素-
アミド(3)は標準的な方法で単離する。別の方法では、(3)はアミノ酸アミド塩
酸塩(1)から得ることができる。この方法において、(1)はトリエチルアミンな
どの塩基の存在下でイソチオシアネートと反応させる。チオ尿素-アミド(3)は
、エタノール中における2当量のハロゲン化アルキル(またはハロゲン化アリー
ル)と還流下で2〜5時間反応させる。環化の間に形成するアンモニアがアルキ
ル化の間に形成したハロゲン化水素酸塩を効果的に除去するので、表題化合物(
4)を遊離塩基として単離することができる。所望の塩は標準的な方法で調製す
ることができる。
本発明は、さらに、式Iの化合物またはその医薬上許容される塩の単独または
賦形剤(すなわち、医薬上許容される担体または薬理学的作用を有しない物質)
との組み合わせからなる医薬組成物を提供する。かかる組成物は、上記化合物で
治療した哺乳動物における血清高比重リポタンパク濃度を上昇させる点で、低リ
ポタンパク血症および冠動脈心疾患などのアテローム性動脈硬化状態の治療に有
用である。
採用すべき正確な用量は、患者(獣医学またはヒト医学のいずれでも)、治療中
の状態の性質および重篤度、投与の様式、ならびに採用した特定の活性物質を含
むいくつかの要因に依存する。上記化合物は、従来の経路で、特に経腸的に、好
ましくは錠剤またはカプセル剤の形態で経口的に投与すればよい。投与される化
合物は、医薬として用いるのに、特にアテローム性動脈硬化および続発症(狭心
症、心筋梗塞、不整脈、心不全、腎不全、脳卒中、末梢動脈閉塞、および関連す
る疾患状態)の予防的または治癒的な治療に用いるのに適当なように、遊離の形
態または医薬上許容される塩の形態のいずれでもよい。これらの処置は、疾患状
態の進行速度を遅らせ、身体が進行方向を自然に逆転させるのを助力する。
当該技術分野で公知の適当な担体を用いて医薬組成物を調製することができる
。かかる組成物において、担体は、固体、液体または固体と液体の混合物のいず
れでもよい。固形組成物としては、散剤、錠剤およびカプセル剤が挙げられる。
固形担体は、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、結合剤、または錠剤崩壊剤
としても作用しうる一種またはそれ以上の物質とすることができる。散剤の場合
、担体は、細かく粉砕された固体であって、やはり細かく粉砕された有効成分と
混合されている。錠剤の場合、有効成分は、必要な圧縮性を有する担体と適当な
割合で混合され、所望の形状および寸法に成形される。適当な固形担体は、炭酸
マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デ
キストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス
、カカオバターなどである。本発明の化合物と共に、カプセル化材料を採用して
もよく、「組成物」なる用語は、必要に応じて他の担体を用いてカプセル化材料
と組み合わせた有効成分を製剤として含むことを意図する。本発明の抗アテロー
ム性動脈硬化医薬品の送達にカシェ剤を用いてもよい。
無菌の液状組成物としては、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエリキシ
ル剤が挙げられる。本発明の化合物は、医薬上許容される担体、例えば、滅菌水
、
滅菌有機溶媒または両方の混合物に溶解または懸濁させればよい。非経口的な注
射に適する液状担体が好ましい。これらの化合物が充分に可溶である場合には、
必要に応じて適当な有機溶媒(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレ
ングリコール)を用いて正規食塩水に直接溶解することができる。必要に応じて
、細かく粉砕した化合物の懸濁液をデンプンまたはカルボキシメチルセルロース
ナトリウムの水溶液中に、あるいは適当な油(例えば、落花生油)中に調製する
ことができる。無菌の液剤または懸濁剤である液状の医薬組成物は、筋肉内、腹
腔内または皮下注射によって利用することができる。多くの場合、液状組成物の
形態は、好ましい固形の経口投与方法に代えて用いてもよい。
標準的な投与計画について単位剤形の化合物を調製することが好ましい。かく
して、上記組成物は、医師の指示により、より少ない投薬量に容易に分割するこ
とができる。例えば、単位用量は、分包散剤、バイアルまたはアンプルに、好ま
しくはカプセル剤または錠剤の形態に調製すればよい。これらの単位剤形の組成
物中に存在する活性化合物は、患者の特定の必要性に従って、毎日1回または多
数回の投与に対して、約1g〜約15gまたはそれ以上の量で存在しうる。活性
化合物の一日量は、投与経路、患者の体格、年齢および性別、疾患状態の重篤度
、血液分析によって追跡される療法への応答、ならびに患者の回復速度によって
変化する。約1gという最小の一日量から治療計画を開始することによって、H
DLの血中レベルおよび患者の症候緩和分析を用いて、より多い投薬量が必要と
されるかどうかを決定すればよい。以下に示すデータに基づいて、ヒトおよび獣
医学用途の両方について見積もられた一日量は、約10〜約200mg/kg/日
である。しかし、一般に、満足な結果が約400mg〜約2000mgの範囲内
の一日量で(便宜的には、分割量で一日あたり2〜4回投与される)得られるこ
とが示される。
血清HDLレベルを上昇させる本発明の化合物の能力は、HDLコレステロー
ルを測定する以下の標準的な実験法によって確立した。
雄スプラーグ-ドーリー(Sprague-Dawley)ラット(体重200〜225g)を
、1カゴあたり2匹ずつ収容し、0.25%コリン酸および1.0%コレステロー
ル
を補足したプリナ・ロデント・チャウ・スペシャル・ミックス(Purina Rodent C
how Special Mix)5001-Sおよび水を自由に8日間与える。同じ餌(試験用の餌は
餌全体の0.005%〜0.1%として混合)を与えたラット6匹の1グループに
各試験物質を投与する。餌を投与する前および終点で体重および餌の消費量を記
録する。試験物質の典型的な投与量は、5〜100mg/kg/日である。
終点で、麻酔したラットから血液を採取し、血清を遠心分離する。シグマ(Sig
ma)のコレステロール測定用診断酵素キット、シグマ・プロシジャーNo.352(9
6穴マイクロタイタープレートで用いるように改変)を用いて、全血清コレステ
ロールを分析する。水で再構成した後、試薬は、pH6.5緩衝液中に、300
U/lコレステロール・オキシダーゼ、100U/lコレステロール・エステラー
ゼ、100U/l西洋ワサビペルオキシダーゼ、0.3ミリモル/l 4-アミノア
ンチピリンおよび30.0ミリモル/l p-ヒドロキシベンゼンスルホネートを含
有する。この反応において、コレステロールは酸化されて過酸化水素を生成し、
これを用いてキノンイミン色素が形成される。形成された色素の濃度は、25℃
で30分間インキュベーションした後、分光光度計を用い、490nmでの吸光
度によって測定する。コレステロールの濃度は、シグマ(Sigma)から市販されて
いる標準品と相対的に、各血清試料について測定した。
血清中のHDLコレステロール濃度は、キエフト(Kieft)らの方法[ジャーナ
ル・オブ・リピッド・リサーチ(J .Lipid Res.),32(1991)859-866]の変法によ
る高速タンパク液体クロマトグラフィー(FPLC)でのリポタンパククラスの分
離によって測定する。0.05Mトリス(2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-
プロパンジオール)および0.15M塩化ナトリウムのカラム緩衝液を用いて、流
速0.5ml/分で、血清25μlをシューペロース(Superose)12およびシュー
ペロース(Superose)6(ファルマシア(Pharmacia)製)に順次注入する。溶出した
試料を0.2ml/分の割合で送り込んだベーリンガー-マンハイム(Boehringer-M
annheim)製のコレステロール試薬とオンラインで混合する。合わせた溶出液を混
合し、温度45℃に保持した編成コイル(アプライド・バイオサイエンシズ(App
lied Biosciences)製)に通してオンラインでインキュベートする。溶出液
は、490nmでの吸光度を測定することによってモニターするが、コレステロ
ール濃度に比例する連続的な吸光度シグナルを与える。各リポタンパククラスの
相対的な濃度は、全吸光度の百分率(%)として計算される。血清中のHDLコレ
ステロール濃度は、FPLCによって測定される全コレステロール量の百分率(
%)に全血清コレステロール濃度を掛けた値として計算される。
本発明の化合物は、表Iに示すように、HDLコレステロール濃度を上昇させ
る。
実施例1 2-エチルスルファニル-3-(4-フルオロフェニル)- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
グリシンアミド(5.0g)および4-フルオロフェニル-イソチオシアネート(9
.18g)をクロロホルム(200mL)中で攪拌した。この混合物を5分間加熱還
流した後、室温で20分間攪拌した。沈殿した固形物を濾取し、クロロホルムで
洗浄し、風乾して、2-[3-(4-フルオロフェニル)-チオウレイド]-アセトアミ
ド(10.7g)を明るいピンク色の固形物として得た。融点168〜170℃(分
解)。質量スペクトル(EI,M.+)m/z277。1H-NMR(DMSO-d6;40
0MHz)δ9.97(ブロードs,1H),7.82(ブロードs,1H),7.45-7.
52(m,3H),7.10-7.17(m,3H),および4.06ppm(s,2H)。
2-[3-(4-フルオロフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(9.1g)および
ヨウ化エチル(12.5g)の混合物をエタノール(200mL)中で4時間加熱還
流した。溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(500mL)に溶解した後、水洗し
た。有機相を2NHCl(2x400mL)で抽出した。酸抽出物を5%重炭酸ナ
トリウム溶液で塩基性にした。沈殿物を濾取し、乾燥させた。ジエチルエーテル
から結晶化して、表題化合物(2.85g)をオフホワイト色の固形物として得た
。融点114〜115℃。元素分析の結果:C11H11FN2OSとして、計算値
:C,55.45;H,4.65;N,11.76、実測値:C,55.17;H,
4.54;N,11.81。質量スペクトル(EI,M.+)m/z238。1H-NMR
(DMSO-d6;400MHz)δ7.32-7.39(m,4H),4.30(s,2H),
3.07(q,2H),および1.28ppm(t,3H)。
実施例2 3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
グリシンアミド(10.08g)および5-クロロ-2-メチルフェニル-イソチオ
シアネート(23g)をクロロホルム(300mL)中で30分間加熱還流した。次
いで、この混合物を室温で3時間攪拌した。沈殿した固形物を濾取し、クロロホ
ルムで洗浄し、風乾して、2-[3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-チオウレイ
ド]-アセトアミド(28.5g)を得た。融点162〜164℃。質量スペクトル(
EI,M.+)m/z257/259。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ9
.46(s,1H),7.83(s,1H),7.51(d,2H),7.24(d,1H),7.24
(d,1H),7.18(d,1H),7.15(m,2H),4.06(d,2H),および2.1
6ppm(s,3H)。
2-[3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(25.
8g)およびヨウ化エチル(32.0g)の混合物をエタノール(500mL)中で5
時間加熱還流した。溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(500mL)および水(
300mL)に溶解した。有機相を水洗し、無水MgSO4で乾燥させた後、蒸発
乾固した。残渣をジエチルエーテルと共に磨砕し、固形物を濾取し、乾燥させて
、表題化合物(17.0g)を黄色の固形物として得た。融点137〜139℃。
元素分析の結果:C12H13ClN2OSとして、計算値:C,53.63;H,4.
88;N,10.42、実測値:C,53.58;H,4.74;N,10.32。
質量スペクトル(EI,M.+)m/z268/270。1H-NMR(DMSO-d6;4
00MHz)δ7.45-7.49(m,1H),7.40−7.43(m,2H),4.35(
dd,2H),3.07(m,2H),2.1(s,3H)および1.28ppm(t,3H)。
実施例3 3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
グリシンアミド塩酸塩(5.5g)、トリエチルアミン(5.05g)、5-クロロ-
2-メトキシフェニル-イソチオシアネート(9.95g)およびクロロホルム(50
0mL)の混合物を3時間加熱還流した。次いで、この混合物を室温に冷却し、
水洗(300mL)した。有機相を分離した。放置すると沈殿が生じた。固形物を
濾取し、水洗し、次いでジエチルエーテルで洗浄し、風乾して、2-[3-(5−ク
ロロ-2-メトキシフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(12.8g)を得た。
融点166〜169℃(分解)。この化合物は、さらに精製することなく、表題化
合物の調製に用いた。
エタノール(400mL)中の2-[3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-チオ
ウレイド]-アセトアミド(11.0g)およびヨウ化エチル(12.5g)の混合物を
4.5時間加熱還流した。溶媒を留去した。残渣をクロロホルム(500mL)に
溶解し、水洗した。有機相を無水MgSO4で乾燥させた後、蒸発乾固した。残
渣をエタノールから結晶化して、表題化合物(6.1g)を黄褐色の固形物として
得た。融点113〜115℃。元素分析の結果:C12H13ClN2O2Sとして、
計算値:C,50.61;H,4.60;N,9.84、実測値:C,50.32;
H,4.59;N,9.77。質量スペクトル(ESI+,[M+H]+)m/z285/
287。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ7.53(m,1H),7.41
(d,1H),7.22(d,1H),4.31(dd,2H),3.77(s,3H),3.05(
m,2H),および1.26ppm(t,3H)。
実施例4 3-(2,6-ジクロロフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
2,6-ジクロロフェニル-イソチオシアネート40.8gおよびグリシンアミド
29.6gを用い、実施例2に記載の方法によって、2-[3-(2,6-ジクロロフェ
ニル)-チオウレイド]-アセトアミドを調製した。生成物は、固形物として得た(
54g)。融点189〜191℃。質量スペクトル(+FAB,[M+H]+)m/z2
78/280/282。この中間体は、さらに精製することなく、次の段落で用い
た。
2-[3-(2,6-ジクロロフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド27.8gお
よびヨウ化エチル31.2gを用い、実施例2に記載の方法によって、表題化合
部物を調製した。表題化合物12.8gを得た。融点122〜124℃。元素分
析の結果:C11H10Cl2N2OSとして、計算値:C,45.69;H,3.49
;N,9.69、実測値:C,45.62;H,3.33;N,9.43。質量スペ
クトル(+FAB,[M+H]+)m/z289/291/293。1H-NMR(DMSO
-d6;400MHz)δ7.72(s,1H),7.70(s,1H),7.58(t,1H),
4.50(s,2H),3.10(q,2H),および1.27ppm(t,3H)。
実施例5 2-ベンジルスルファニル-3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
2-[3-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(20.
6g)、塩化ベンジル(25.0g)、およびエタノール(350mL)の混合物を2
.5時間加熱還流した。不溶物を濾去し、捨てた。濾液を半分の容量に濃縮した
。
ジエチルエーテル(300mL)を加えた。沈殿した固形物を濾去し、捨てた。濾
液を蒸発乾固した。残渣をクロロホルム(300mL)に溶解し、水洗した。有機
相を無水MgSO4で乾燥させ、活性炭で脱色した後、蒸発乾固した。残渣をジ
エチルエーテルと共に磨砕して、表題化合物(14.2g)をオフホワイト色の固
形物として得た。融点140〜142℃。元素分析の結果:C17H15ClN2O
Sとして、計算値:C,61.72;H,4.57;N,8.47、実測値:C,
61.62;H,4.39;N,8.37。質量スペクトル(EI,M.+)m/z33
0/332。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ7.46(m,1H),7.
42(m,2H),7.38(d,2H),7.22-7.32(m,3H),4.31−4.4
8(m,4H),および2.06ppm(s,3H)。
実施例6 3-(2-クロロフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
2-クロロフェニル-イソチオシアネート16.95gおよび当量のすべての他
の反応物を用い、実施例3に記載の方法によって、2-[3-(2-クロロフェニル)
-チオウレイド]-アセトアミドを調製した。所望の生成物18.8gを得た。融点
161〜163℃。元素分析の結果:C9H10ClN3OSとして、計算値:C,
44.35;H,4.414;N,17.24、実測値:C,43.99;H,3.
91;N,17.12。質量スペクトル(+FAB,[M+H]+)m/z244/24
6。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ9.57(s,1H),8.06(t,
1H),7.71(d,1H),7.52(s,1H),7.47(m,1H),7.28-7.32(
m,1H),7.18-7.22(m,2H),および4.09ppm(d,2H)。
2-[3-(2-クロロフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(12.2g)、ヨウ
化エチル(15.6g)、およびエタノール(200mL)の混合物を5時間加熱還
流した。溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(400mL)および水(300mL)
に溶解した。有機相を水洗(2x300mL)した。次いで、有機相を2N HC
l(2x500mL)で抽出した。酸抽出物を固体の重炭酸ナトリウムで中和し、
酢酸エチルで抽出した。有機相を水洗し、無水MgSO4で乾燥させた後、蒸発
乾固した。残渣をエタノールに溶解し、溶液を塩化水素で飽和させた。溶媒を留
去し、残渣を酢酸エチルから結晶化して、表題化合物の塩酸塩(8.4g)をオフ
ホワイト色の固形物として得た。融点149〜150℃(分解)。元素分析の結果
:C11H11ClN2OS.HClとして、計算値:C,45.37;H,4.15;
N,9.62、実測値:C,44.97;H,4.06;N,9.51。質量スペク
トル(EI,M.+)m/z254/256。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz
)δ7.69(m,1H),7.50-7.58(m,3H),4.45(q,2H),3.11-3
.17(m,2H),および1.27ppm(t,3H)。
実施例7 2-エチルスルファニル-3-(2-トリル)-3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
2-トリル-イソチオシアネート14.9gおよび当量のすべての他の反応物を
用い、実施例3の第一段落に記載の方法によって、2-[3-(2-トリル)-チオウ
レイド]-アセトアミドを調製した。生成物17.1gを得た。融点169〜171
℃(分解)。この化合物は、さらに精製することなく、次の段落で用いた。
2-[3-(2-トリル)-チオウレイド]-アセトアミド11.2gおよびヨウ化エチ
ル15.6gを用い、実施例6に記載の方法によって、表題化合物を調製した。
酢酸エチルから結晶化して、表題化合物の塩酸塩を白色の固形物(6.8g)とし
て得た。融点156〜158℃(分解)。元素分析の結果:C12H14N2OS.HC
lとして、計算値:C,53.23;H,5.58;N,10.34、実測値:C
,52.96;H,5.49;N,10.25。質量スペクトル(EI,M.+)m/z
234。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ8.75(ブロードs,2H)
,7.43(m,2H),7.35(m,1H),7.30(m,1H),4.53(q,2H),3
.18-3.20(m,2H),および1.29ppm(t,3H)。
実施例8 3-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
2-クロロ-6-メチルフェニル-イソチオシアネート18.3gおよびグリシン
アミド12.0gを用い、実施例2に記載の方法によって、2-[3-(2-クロロ-
6-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミドを調製した。生成物22.8g
を得た。融点161〜163℃(分解)。この化合物は、さらに精製することなく
、次の段落で用いた。
2-[3-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド12.9
gおよびヨウ化エチル18.0gを用い、実施例6に記載の方法によって、表題
化合物を調製した。塩化水素を含むエタノールで塩酸塩を調製した。酢酸エチル
から結晶化して、一塩酸塩の表題化合物を明るい黄色の固形物(4.9g)として
得た。融点152〜154℃(分解)。元素分析の結果:C12H13ClN2OS.H
Clとして、計算値:C,47.22;H,4.62;N,9.18、実測値:C
,46.99;H,4.60;N,9.16。質量スペクトル(+FAB,[M+H]+)m/
z269/271。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ8.28(ブロード
s,2H),7.51(m,1H),7.44(t,1H),7.39(m,1H),4.51(q,
2H),3.12(q,2H),2.17(s,3H),および1.27ppm(t,3H)。
実施例9 2-エチルスルファニル-3-フェニル-3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
グリシンアミド塩酸塩(8.25g)、トリエチルアミン(10.0g)、フェニル
-イソチオシアネート(10.1g)、および塩化メチレン(300mL)の混合物を
1時間加熱還流した。この混合物を室温で2時間攪拌した。沈殿物を濾取し、塩
化メチレンで洗浄し、次いでジエチルエーテルで洗浄し、風乾して、2-(3-フ
ェニル-チオウレイド)-アセトアミド(9.7g)を得た。融点150〜152℃。
元素分析の結果:C9H11N3OSとして、計算値:C,51.66;H,5.30
;N,20.08、実測値:C,51.41;H,5.04;N,20.02。質量
スペクトル(EI+,M.+)m/z209。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz
)δ9.88(s,1H),7.70(t,1H),7.52(s,1H),7.47(d,2H),
7.31(t,2H),7.15(s,1H),7.09(t,1H),および4.08ppm(
d,2H)。
2-(3-フェニル-チオウレイド)-アセトアミド(7.1g)、ヨウ化エチル(18
.
0g)、およびエタノール(300mL)の混合物を2時間加熱還流した。溶媒を
留去した。残渣をクロロホルム(300mL)および水(300mL)に溶解した。
有機相を水洗し、無水MgSO4で乾燥させた後、蒸発乾固した。残渣を酢酸エ
チル/ヘキサンから結晶化して、表題化合物(3.1g)を得た。融点79〜81℃
。元素分析の結果:C11H12N2OSとして、計算値:C,59.97;H,5.
49;N,12.72、実測値:C,59.67;H,5.35;N,12.70。
質量スペクトル(EI,M.+)m/z220。1H-NMR(DMSO-d6;400M
Hz)δ7.43-7.52(m,3H),7.28-7.31(m,2H),4.32(s,2H
),3.07(q,2H),および1.27ppm(t,3H)。
実施例10 2-エチルスルファニル-3-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
グリシンアミド塩酸塩(4.42g)、5-フルオロ-2-メチルフェニル-イソチ
オシアネート(6.68g)、トリエチルアミン(4.1g)、およびクロロホルム(
150mL)の混合物を室温で18時間攪拌した。沈殿物を濾取し、クロロホル
ムで洗浄し、風乾して、2-[3-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-チオウレイ
ド]-アセトアミド(7.6g)を得た。融点172〜174℃(分解)。この化合物
は、さらに精製することなく、次の段落で用いた。
2-[3-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(6.
0g)、ヨウ化エチル(15.6g)、およびエタノール(120mL)の混合物を4
時間加熱還流した。溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(400mL)で処理し、
濾過した。濾液を水洗した(300mL)。有機相を蒸発乾固した。残渣をエタノ
ールに溶解した。この溶液を塩化水素で飽和させた。溶媒を留去し、残渣を酢酸
エチルから結晶化し、減圧下で乾燥させて、表題化合物の一塩酸塩を白色の固形
物(4.2g)として得た。融点181〜183℃。元素分析の結果:C12H13F
N2OS.HClとして、計算値:C,49.91;H,4.89;N,9.70、
実測値:C,49.83;H,4.82;N,9.71。質量スペクトル(+FAB
,[M+H]+)m/z253。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ7.5
0-8.45(ブロードs,2H),7.45(m,1H),7.27-7.34(m,2H),
4.48(q,2H),3.21(m,2H),2.10(s,3H),および1.29ppm(
t,3H)。実施例11 3-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
グリシンアミド塩酸塩(6.1g)、3-クロロ-2-メチルフェニル-イソチオシ
アネート(10.1g)、トリエチルアミン(5.6g)、およびクロロホルム(20
0mL)の混合物を3時間加熱還流した後、室温に冷却した。沈殿物を濾取し、
クロロホルムで洗浄し、風乾して、2-[3-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-チ
オウレイド]-アセトアミド(12.5g)を得た。融点162〜164℃(分解)。
この化合物は、さらに精製することなく、工程2の表題化合物の調製に用いた。
2-[3-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド12.0
g、およびヨウ化エチル25.0gを用い、実施例6に記載の方法によって、表題
化合物を調製した。塩化水素を含むエタノールで塩酸塩を調製した。酢酸エチル
から結晶化して、表題化合物を白色の固形物の一塩酸塩(5.1g)として得た。
融点161〜163℃(分解)。元素分析の結果:C12H13ClN2OS.HClと
して、計算値:C,47.22;H,4.62;N,9.18、実測値:C,47.
03;H,4.40;N,9.09。質量スペクトル(+FAB,[M+H]+)m/z
269/271。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ9.05-9.85(
ブロードs,2H),7.62(d,1H),7.39(t,1H),7.33(d,1H),4.
48(q,2H),3.20(m,2H),2.15(s,3H),および1.29ppm(t,3
H)。
実施例12 3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
3-クロロ-4-メチルフェニル-イソチオシアネート18.36g、グリシンア
ミド塩酸塩11.05g、トリエチルアミン10.1g、およびクロロホルム30
0mLを用い、実施例11に記載の方法によって、2-[3-(3-クロロ-4-メチ
ルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミドを調製した。所望の生成物22.0g
を得た。融点167〜169℃(分解)。質量スペクトル(EI,M.+)m/z257
/259。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ9.93(s,1H),7.8
0(t,1H),7.73(s,1H),7.52(s,1H),7.25(m,2H),7.16(
s,1H),4.07(d,2H),および2.27ppm(s,3H)。
2-[3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド(10.
0g)、ヨウ化エチル(17.5g)、およびエタノール(200mL)の混合物を2
.5時間加熱還流した。溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(500mL)および
水(500mL)に溶解した。有機相を水洗(2x300mL)した。有機相を2N
HCl(2x500mL)で抽出した。酸抽出物を固体の重炭酸ナトリウムで中和
し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水洗し、無水Na2SO4で乾燥させた後、
蒸発乾固した。残渣をジエチルエーテル中で攪拌し、濾過して、表題化合物(8.
4g)を白色の固形物として得た。融点133〜135℃。元素分析の結果:C1 2
H13ClN2OSとして、計算値:C,53.63;H,4.88;N,10.4
2、実測値:C,53.66;H,4.78;N,10.39。質量スペクトル(E
I,M.+)m/z268/270。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ7.
47(d,1H),7.43(d,1H),7.20(dd,1H),4.29(s,2H),3.0
7(q,2H),2.36(s,3H),および1.28ppm(t,3H)。
実施例13 3-(4-クロロ-2-メチルフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
4-クロロ-2-メチルフェニル-イソチオシアネート18.36g、グリシンア
ミド塩酸塩11.05g、トリエチルアミン10.1g、およびクロロホルム30
0mLを用い、実施例11に記載の方法によって、2-[3-(4-クロロ-2-メチ
ルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミドを調製した。所望の生成物21.4g
を得た。融点170〜172℃(分解)。質量スペクトル(EI,M.+)m/z257
/259。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ9.38(s,1H),7.
62(ブロードs,1H),7.45(s,1H),7.35(d,1H),7.32(d,1H)
,7.21(m,1H),7.12(s,1H),4.06(d,2H),および2.17ppm(
s,3H)。
2-[3-(4-クロロ-2-メチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド18.0
g、およびヨウ化エチル25.0gを用い、実施例6に記載の方法によって、表題
化合物を調製した。塩化水素を含むエタノールで塩酸塩を調製した。酢酸エチル
から結晶化して、表題化合物をオフホワイト色の固形物の一塩酸塩(17.6g)
として得た。融点166〜168℃(分解)。元素分析の結果:C12H13ClN2
OS.HClとして、計算値:C,47.22;H,4.62;N,9.18、実測
値:C,47.24;H,4.45;N,9.05。質量スペクトル(+FAB,[M
+H]+)m/z269/271。1H-NMR(DMSO-d6;400MHz)δ9.0
5-9.78(ブロードs,2H),7.53(m,1H),7.44(d,1H),7.41(d
,1H),7.33(d,1H),4.48(q,2H),3.20(m,2H),2.13(s,3
H),および1.29ppm(t,3H)。
実施例14 3-(2,6-ジメチルフェニル)-2-エチルスルファニル- 3,5-ジヒドロ-イミダゾール-4-オン
2,6-ジメチルフェニル-イソチオシアネート(16.3g)、グリシンアミド塩
酸塩(11.05g)、トリエチルアミン(12.0)、およびクロロホルム(250
mL)の混合物を3時間加熱還流した。溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(50
0mL)に溶解し、1N HCl(300mL)で洗浄し、次いで水洗(300mL)
した。有機相を蒸発乾固した後、残渣をジエチルエーテルと共に攪拌した。固形
物を濾取し、乾燥させて、2-[3-(2,6-ジメチルフェニル)-チオウレイド]-ア
セトアミドを固形物(18.3g)として調製した。質量スペクトル(EI,M.+)m
/z237。この化合物は、さらに精製することなく、表題化合物の調製に用い
た。
2-[3-(2,6-ジメチルフェニル)-チオウレイド]-アセトアミド8.0g、ヨ
ウ化エチル25.0gNおよびエタノール(200mL)を用い、実施例12に記
載の方法によって、表題化合物を調製した。ヘキサン/ジエチルエーテル混合物
から結晶化して、表題化合物を明るい黄色の固形物(2.4g)として得た。融点
86〜88℃。元素分析の結果:C12H16N2OSとして、計算値:C,62.8
7;H,6.49;N,11.28、実測値:C,62.98;H,6.57;N,
11.30。質量スペクトル(EI,M.+)m/z248。1H-NMR(DMSO-d6
;400MHz)δ7.27-7.30(m,1H),7.21(m,1H),7.19(m,1
H),7.33(d,1H),4.42(s,2H),3.06(q,2H),2.07(s,6H),
および1.26ppm(t,3H)。
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,RU,TJ,TM),AL,AU,BB,BG,BR
,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL,IS,
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アメリカ合衆国19087ペンシルベニア州セ
ント・デイビッズ、アイベン・アベニュー
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