JP2000511952A - 吸収性靴用材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 不織布に含浸させた又は不織布を被覆する、超吸収性成分粒子を含有した連続気泡ポリウレタン非膨張性フォーム。開示されている材料は、表面から体液を取り去り、圧力下でも所定位置に体液をゲル化又は固定させる超吸収性、流体固定性、成形可能な履物製品である。この材料は通気性であり、蒸発によって流体を放出させる。

Description

【発明の詳細な説明】 吸収性靴用材料発明の分野 本発明は、不織布に含浸させた、液体固定性、成形可能、且つ非膨張性のポリ ウレタンフォームに関する。より詳細には、本発明は圧力をかけると液体を内部 に固定する、耐久性、液体吸収性、非膨張性、且つ圧縮成形可能な複合材料に関 する。発明の背景 靴、ブーツ、その他の履物に湿気が溜まるという問題は、履物業界において長 い間、問題となっている。足から放出された湿気は、外へ逃がしてやらない限り 、不快感、温度の変動、水痘、菌の増殖の原因となる。 湿気の問題には、代表的には、履物製品に放湿性内張りを組込むという対応が なされてきた。このような内張りは通常、織物、不織布、若しくは両者の組合せ によって構成されている。 この業界では、履物用フォーム製中敷が良く知られており、これは代表的には 、最上層に内張り材、次いでフォーム又は他のクッション性材料、そしてフォー ム層及び内張り材層の下に補強材という構成の積層物からなる。フォームは代表 的にはポリウレタンフォーム又はポリエチレンフォームである。近年の履物の中 敷に使用されるフォームは弾性があり、緩衝部材の役割を果たす。先行技術の中 敷は足から放出された湿気を外へ逃がしたり、中敷中に湿気を固定したりするこ とはできない。 クッション性及び吸収性を有する履物用中敷として、親水性ポリマ ー製のフォームを使用することは、このような問題の一つの解決法と考えられる 。しかしながら、親水性ポリマー製フォームからなる履物用中敷には重大な欠点 がある。親水性ポリマーからなる重合体フォーム組成物のほとんど全ては、液体 を吸収すると膨張する。このようなフォーム、つまり親水性ポリマーを使用した フォームにおいて、吸収は重合体の内部で生じるものであり、それによって重合 体が膨張する。膨張によって製品の厚さが変化してしまうことは、履物内部の限 られた空間では問題となる。さらに、フォームの寸法が変化すると、履物材料の 他のエレメントとフォームとの接合点に応力が生じ、磨耗の原因となる。また圧 力をかけた時にのみ液体を吸収し、履物製品を履いていない時には、例えば湿度 の高い環境から湿気を吸収することを制限する材料を得ることには利点がある。 従って、非膨張性で、圧力をかけた時にのみ湿気を吸収する、履物の中敷及び／ 又は靴やブーツの内張りとして使用する液体固定性且つ圧縮成形可能な複合フォ ーム材料が必要とされている。 本発明がなされる前は、湿気と接触すると、材料表面から湿気を取り去り、圧 力をかけると湿気を所定位置に固定するポリウレタン材料は知られていなかった 。本発明の膨張を伴わない吸収能は、本発明の新規な組成物のもう一つの驚くべ き、予期せぬ結果であり、先行技術の吸収性材料よりも優れた結果をもたらすも のである。 本発明の新規なポリウレタンフォーム組成物もまた、驚くべき予期せぬもので ある。メチレンジフェニルジイソシアネートは非親水性プレポリマーであり、フ ォームに組込むと、含有されているいかなる超吸収性ポリマーに湿気が接触する のもブロックするものと考えられ、液体固定能を有さないフォームを作ることが できるものと考えられる。超吸収性ポリマーを組込んだメチレンジフェニルジイ ソシアネー トをベースとした吸収性フォームは、本発明以前にはこの業界では知られておら ず、その特異な特性もこの業界では知られていなかった。発明の目的 本発明の一つの目的は、超吸収性ポリマーを含有し、圧力をかけた時に流体を 吸収する非親水性プレポリマーであるメチレンジフェニルジイソシアネートをベ ースとした親水性ポリウレタンフォームを提供することにある。 本発明の別の目的は、履物の中敷又は内張りに使用すると、足から放出された 湿気を吸収し、履物を履いている人の足に湿気が接触しないようにする、非親水 性ポリウレタンフォームからなる吸収性クッション性履物製品を提供することに ある。 本発明のさらに別の目的は、吸収性履物製品の表面に圧力をかけない限り湿気 を吸収せず、吸収した湿気を蒸発作用によって連続的に（圧力をかけるかけない に関わらず）放出する、吸収性、通気性、及びクッション性を有する履物製品を 提供することにある。発明の要旨 本発明は、耐久性、通気性、液体吸収性、液体固定性、且つ成形可能な複合材 料であって、基材と、該基材に含浸させた、若しくは該基材を被覆するポリウレ タンフォームとを含み、該ポリウレタンフォームはポリオール、非親水性プレポ リマー、超吸収性ポリマー、及び一種以上の界面活性剤から調製したものである 、複合材料である。 この複合材料はさらに、材料に成形性及び圧縮性を付与するために、アクリル 系ポリマーを含んでいてもよい。発明の詳細な説明 本明細書で引用する全ての特許及び文献は、引用により本明細書に組込まれる 。術語の用法に矛盾が生じた場合には、本明細書の開示が優先する。 本発明の複合材料は、織布又は不織布基材に含浸または被覆した、連続気泡ポ リウレタンフォームからなる。ポリウレタンフォームは、メチレンジフェニルジ イソシアネートプレポリマー、ポリオール、及び界面活性剤、さらに任意にアク リル系ポリマーを反応させた反応生成物である。アクリル系ポリマーを添加する 場合の添加量は、フォームに成形性を付与するのに十分な量とする。複合材料は さらに、不織布に機械的に付着させるか、若しくはポリウレタンフォーム中に混 合する形で、一種以上の超吸収性ポリマーを含む。好ましい実施態様では、超吸 収性ポリマーはポリウレタンフォーム中に混合する。複合材料はさらに、フォー ム内部に液体を分散させ、複合材料に表層構造を付与する役割を果たす、ニード ルパンチング処理したファイバーフィニッシュを任意に含有してもよい。 本発明の超吸収性ポリマー含有ポリウレタンフォームは、メチレンジフェニル ジイソシアネートプレポリマー１に対してポリオール成分を２〜６混合して調製 する。ポリオール成分は、ポリエーテルポリオール、プルローニック（Pluronic ）Ｌ-62等のプロピレンオキサイド／エチレンオキサイドブロック共重合体など の界面活性剤(ポリオール成分の約２〜１５重量％、好ましくは約１０重量％)、 プルローニック（Pluronic）Ｆ-88等のプロピレンオキサイド／エチレンオキサ イドブロック共重合体１０％水溶液(ポリオール成分の約０．２５〜３重量％、 好ましくは約２重量％)、一種以上の超吸収性ポリマー(ポリオール成分の０．２ ５〜２重量％、好ましくは約２重量％)、 及び任意にアクリル系ポリマー（ポリオール成分の０．２５〜１０重量％、好ま しくは約３重量％）を含む。アクリル系ポリマーを添加すると、最終製品に成形 性が付与される。 プレポリマー及びポリオール成分は、適当な割合で、完全に混合する。好まし い混合方法では、当業界で良く知られているフォーム製造装置を使用し、ミキシ ングヘッドの回転速度を毎分２５００〜４０００回転とする。得られた混合物を 、シリコンコーティングした剥離紙（例えば米国オハイオ州マイアミズバークの テクニコート／シルテック社（Technicote/Siltech,Inc.）のステイフラット（S tay Flat）Ｌ-3ライナー９２番）等の平らな剥離材の上に置いた基材、好ましく はけば立てたエアーレイド不織材料中に流しこむ。フォームをサンドイッチ状に 挟み込むように、上に剥離材をもう一枚重ねる。不織基材としては、２．５オン ス／平方フィートのベターブレンド（Better Blend）（米国ニュージャージー州 ロックレイのカーリ一社（Carlee Corporation）製）等の材料を使用することが できる。基材を載置した紙は、適量のイソシアネート／ポリオール混合物を付着 させ、製品を所定の厚さとするのに十分な所定の速度で水平に進む。 ポリマーをポリオールと反応させて、二酸化炭素とポリウレタンを生成させ、 フォームを含浸させた不織布を調製する。発生するガスは反応混合物中にトラッ プされ、フォームの気泡を形成する。さらに多くの二酸化炭素ガスが発生すると 、気泡が拡大し、反応物はこれに比例して膨張し、フォームが隆起する。ある時 点で、限られた反応物(イソシアネート官能性プレポリマー)が消費し切られると 、ガスの発生が停止する。これは代表的には４〜６分間である。約６分後に、上 下の剥離紙を連続的に剥し、複合材料を露出させる。次いで材料の硬化を完了さ せるために、複合材料を２２０°Ｆ〜２７５°Ｆ（１０４〜 １３５℃）に維持された強制空気対流オーブン内へ移動する。鎖延長や架橋等の 追加反応が生じて、非親水性ポリマーフォームの「硬化した」三次元網目構造が 得られる。硬化すると、製品の厚さは代表的には１／８インチ〜１／２インチ（ ３．２〜１２．７ｍｍ）となるが、これに限定されるものではない。硬化後、材 料を所望形状に打ち抜き、成形することができる。得られた材料は代表的には、 自重の約５倍〜約２０倍の水を吸収することができる。 ポリウレタンフォームの製造工程で生じる化学反応、並びにその製造のための 連続的又は不連続的方法は、ミュンヘンハンザーパブリッシャーズ（Hanser Pub lishers）社発行のGuenter Oertel編、「ポリウレタンハンドブック（Polyureth ane Handbook）第２版」(１９９３年)、１１〜２４４頁に詳細に記載されている 。参照によりこの文献は本明細書に組込まれる。 好ましいイソシアネートプレポリマーは、メチレンジフェニルジイソシアネー ト由来のフレキシブルプロダクツ（Flexible Product）イソシアネートＦＰ100- Ａポリウレタンプレポリマーである。ポリオール成分として使用する好ましいポ リオールは、ＦＰ100-Ｂである。また、ＦＰ365-6（米国ジョージア州マリエッ タ、フレキシブルプロダクツ（Flexible Products）社製）も好ましく使用する ことができる。好ましい界面活性剤は、プルローニック（Pluronic）Ｌ-62及び プルローニック（Pluronic）Ｆ-88（米国ノースキャロライナ州シャーロット、B ASF Corp.製）である。本発明に使用する好ましいアクリル系ポリマーは、ロー プレックス（Rhoplex）ＴＲ407エマルジョン（米国ペンシルベニア州フィラデル フィア、ロームアンドハース社（Rohm & Haas Co.）製）である。好ましい超吸 収性ポリマーは、約１０００〜約５０００重量％の水溶液を吸収することができ 、最高 約８０psiの圧力下でも吸収した水溶液を漏水せずに保持することができる特性 を有するものである。このような超吸収性ポリマーとしては、ポリアクリレート ポリマー架橋物、スターチグラフト化ポリアクリレートポリマー、カリウムポリ アクリレート／ポリアクリルアミド架橋物、ポリアクリル酸ポリアルコールグラ フト共重合体架橋物のナトリウム塩、ポリアクリル酸架橋物の部分ナトリウム塩 、ポリビニルピロリドン架橋物、スルホン化ポリスチレン架橋物、ポリスルホエ チル（メタ）アクリレート架橋物、ポリ（２−エチルヘキシルアクリレート）架 橋物、及び加水分解ポリアクリルニトリル架橋物が挙げられる。本発明の材料に 使用する好ましい超吸収性ポリマーは、ＡＰ80ＨＳ超吸収性ポリマー（米国ノー スキャロライナ州グリーンズボロー、スストックハウゼン社（Stockhausen,Inc. ）製）である。 超吸収性ポリマーを機械的に付着させることによって本発明の材料に組込む実 施態様では、通常感圧性接着剤又はコンタクト接着剤を使用してポリマーを不織 布に付着させる。接着剤としては、水形、溶剤形、若しくはホットメルト形接着 剤を使用することができる。塗布する接着剤の量は、付着させる超吸収性ポリマ ーの量によるものであり、当業者であれば容易に決定することができる。このよ うな接着剤の例としては、スーパー（Super）77スプレー接着剤（米国ミネソタ 州セントポール、3Ｍ Corporation製）が挙げられるが、これに限定されるもの ではない。本実施態様で使用するフォームは、超吸収性ポリマーを含有しないも のである。このフォームは、ポリオール成分中の超吸収性ポリマーを水に代える 以外は、超吸収性ポリマーを含有するフォームと同じ方法で調整する。 本発明の複合材料は、フォーム材料中にフィニッシュ材料のファイバーを埋め 込み、穿孔するニードルパンチング処理を行うことによっ てさらに変更することができる。このニードルパンチング処理によって、製品の 性能をさらに強化し、製品に仕上げ面を付与することができる。これは美的観点 のみならず、機能的観点からも有利である。ファイバーフィニッシュ材料を添加 すると、下方に位置するフォームのマトリックス中に吸収されるべき流体を通過 させる助けとなる。フィニッシュ材料のファイバーは、親水性であっても疎水性 であってもよく、流体をフォームのマトリックス中へ案内、導入して、表面を柔 らかく、乾いた状態に維持する役割を果たす。本発明のこのフィニッシュ材料に 使用することのできるファイバーの例としては、アクリル系、ポリプロピレン系 、又はポリエステル系のファイバー、若しくはこれらの混合物が挙げられるが、 これらに限定されるものではない。実施例 イソシアネートＦＰ100-Ａプレポリマー１に対してポリオール成分４を混合し て、ポリウレタンフォームを調製した。ポリオール成分は、ポリオールＦＰ100- Ｂ、プルローニック(Pluronic)Ｌ-62(１０重量％)、プルローニック（Pluronic ）Ｆ-88の１０％水溶液(２重量％)、ロープレックス（Rhoplex）ＴＲ407(３重量 ％)、及び超吸収性ポリマーＡＰ80ＨＳ（２重量％）からなるものを使用した。 二つの成分を毎分約４０００回転のミキシングヘッドに一緒に投入した。得られ た混合物を、シリコンで被覆した剥離紙上に置いたけば立たせたエアーレイド不 織布中に流しこみ、これをサンドイッチ状に挟み込むように、シリコンで被覆し た剥離紙を上にもう一枚重ねた。この紙は毎分４フィート（１２２ｃｍ）の速度 で水平に進み、１／４インチ（６．３５ｍｍ）の厚さの製品を得た。 その後４〜６分間、ポリマーはポリオールと反応して、フォームを 含浸させた不織布が得られた。６分後、上下の剥離紙を表面から連続的に剥がし 、材料を露出させた。次いで硬化を完了させるために、製品をベルトコンベアで ２２０°Ｆ（１０４℃）に維持された強制空気対流オーブン内へ搬入した。得ら れた材料は連続気泡フォームを含浸させた不織布で、白色、厚さ１／４インチ（ ６．３５ｍｍ）であり、湿気と接触する表面に圧力をかけた場合に湿潤するもの であった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．耐久性、通気性、液体吸収性、液体固定性、且つ成形可能な複合材料であっ て、該材料は、 基材と、 該基材に含浸させた、若しくは該基材を被覆するポリウレタンフォームと を含み、 該ポリウレタンフォームは、ポリオールと、非親水性プレポリマーと、超 吸収性ポリマーと、一種以上の界面活性剤とを含む、複合材料。 ２．前記ポリウレタンフォームが、非親水性イソシアネートポリマーとポリオー ルとを、１：１から約６：１の割合で反応させて得たものである、請求の範囲第 １項に記載の材料。 ３．前記フォームがフレキシブルプロダクツ（Flexible Products）ＦＰ 100-Ａ ソシアネートと、フレキシブルプロダクツ（Flexible Products）ＦＰ 100-Bポ リオール及びフレキシブルプロダクツ（Flexible Products）ＦＰ 365-6ポリオ ールからなる群より選択される成分とからなる、請求の範囲第３項に記載の材料 。 ４．前記ポリウレタンフォームが、前記材料に成形性を付与するのに十分な量の アクリル系ポリマーをさらに含む、請求の範囲第１項に記載の材料。 ５．前記材料が、自重の５〜２０倍の水を吸収することができる、請 求の範囲第１項に記載の材料。 ６．前記材料が、標準的な装置を用いて圧縮成形可能である、請求の範囲第５項 に記載の材料。 ７．前記材料が、アクリル系、ポリエステル系、又はポリプロピレン系ファイバ ーの親水性又は疎水性混合物を使用した、ファイバーニードルパンチング処理さ れたものである、請求の範囲第１項に記載の材料。 ８．前記超吸収性ポリマーが、前記けば立たせた不織布材料に含浸させてある、 請求の範囲第１項に記載の材料。 ９．前記超吸収性ポリマーが、前記ポリウレタンフォームの一成分である、請求 の範囲第１項に記載の材料。