JP2000511153A - 高性能(Bi,Pb)▲下2▼Sr▲下2▼Ca▲下2▼Cu▲下3▼O▲下y▼複合材とその製造方法 - Google Patents

高性能(Bi,Pb)▲下2▼Sr▲下2▼Ca▲下2▼Cu▲下3▼O▲下y▼複合材とその製造方法

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JP2000511153A JP09542682A JP54268297A JP2000511153A JP 2000511153 A JP2000511153 A JP 2000511153A JP 09542682 A JP09542682 A JP 09542682A JP 54268297 A JP54268297 A JP 54268297A JP 2000511153 A JP2000511153 A JP 2000511153A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、磁界の存在下において向上した臨界電流密度及び臨界電流密度保持率を有する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合材を提供する。0.1T磁界(77K、ab面に垂直)における臨界電流密度が35%より大きなものが開示される。磁界での酸化物超伝導ワイヤー電流送電容量における有意な向上は、酸化物超伝導複合材を形成後熱処理にかけ、(Bi,Pb)SCCO−2223相の鉛の量を削減し、鉛に富んだ非超伝導相を形成することによって得られる。熱処理は、鉛に富んだ相を複合材の高エネルギー部位に局在化するような条件下に実施される。

Description

【発明の詳細な説明】 高性能(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3y複合材とその製造方法 発明の分野 本発明は、磁界の存在下において向上したJc保持率を有する高性能酸化物超 伝導複合材に関する。本発明は更に、電気的性能向上を目的とした、酸化物超伝 導複合材を形成後処理(形成後処理)する方法に関する。 発明の背景 高い電気的性能を有する(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3y((Bi,Pb) SCCO−2223と略す)高温超伝導複合材を得るために、完璧なテクスチャ ー及び優れた粒子連結性を有する、高純度相(Bi,Pb)SCCO−2223 が望まれている。ここでいう「テクスチャー」とは、電流の方向に沿って、酸化 物超伝導粒子が並ぶ程度のことを言う。「連結性」とは、配向された酸化物超伝 導粒子の位置関係、粒子境界の性質、粒子間結合の妨げとなる相不純物の存在に 関連して言及される。 十分な電気的特性を得るためには、(Bi,Pb)SCCO−2223テープ の二次加工及び熱機械的処理に際し、多くのパラメーターを制御し最適化しなけ ればならない。電気的特性は、粒子内電気特性及び粒子間電気特性の二種に分類 される。粒子内電気特性は、酸化物超伝導粒子それぞれの内部での変化に影響を 受ける。臨界遷移温度(Tc)は主に粒子内の電気的特性である。臨界電流密度 (Jc)及び臨界電流保持率(Jret)も、粒子内特性の要素を有する。粒子 間電気特性は、酸化物超伝導粒子間での超伝導流の移送に関係している特性であ り、粒子間連結性に依存している。臨界電流密度(Jc)及び磁界における臨界 電流保持率(Jret)は粒子間特性の要素も有する。 粉末組成物、機械的変形、並びに熱処理の時間、温度及び雰囲気が酸化物超伝 導体形成に与える影響について様々な研究がなされており、膨大な数の文献に記 されている。驚くにはあたらないが、熱処理が超伝導相の形成速度、超伝導相の 質及び二次的な非超伝導相の有無に影響する、ということがこれらの研究により 示されている。従って、酸化物超伝導相の形成における熱処理は、酸化物超伝導 複合材の全体的な性能にとって重要である。 粒子内構造を改変して酸化物超伝導相の性能特性の向上を図る手段として、形 成後(ポスト形成)熱処理が研究されている。電気的特性を変化させ超伝導行動 を向上又は低下させる粒子内要因としては、超伝導相における欠陥の有無、超伝 導相の純度、及び超伝導相の化学量の改変が挙げられる。ここで言う「形成後熱 処理」とは、前駆酸化物相から望ましい酸化物超伝導相の形成が実質的に完了し た後の、酸化物超伝導体の処理を意味する。 典型的な形成後熱処理としては、酸化物超伝導相の酸素化学量を変えるアニー リングが挙げられる(例えば、E.Ozdas及びT.Firat“Oxyge nation Intercalation and Intergranul ar Coupling in the 110−K Bi1.7Pb0.3Sr1.8 Ca2Cu2.89.45+ δ Superconductor”[Phys.Rev. B48(13):9754−9762(1993年10月)]、Idemoto他“ Oxygen Nonstoichiometry of 2223 Phas e Bi,Pb−Sr−Ca−Cu−O System Supercondu cting Oxide”[Physica C181:171−178(19 91)]参照)。上記文献は、(Bi,Pb)SCCO−2223粉末を500− 800℃、酸素分圧0.2−10-3で加熱することによって得られる影響を報告 している。Idemoto他では二次相Ca2PbO4の形成及びPbOの蒸発が 、Ozdas及びFiratでは酸化物超伝導粒子境界における不均等性の形成 が報告されている。 Um他[Jpn.J.Appl.Phys.32:3799−3803(19 93)]は、(Bi,Pb)SCCO−2223粉末をポスト焼結アニールした 場合に受ける影響について報告している。これによると、Tcはアニール温度及 び酸素分圧に影響を受け、700℃未満、酸素分圧0.01atmでのアニール によって最適なTcが得られることがわかった。Um他は、700℃より高い温 度では超伝導相が分解されることも指摘している。Wang他[Advance sin Supercond.V(1992)]は、790℃、真空下でのポスト ア ニールによって、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導体粉末のTc が向上することを報告している。 これらの選考文献では、酸化物超伝導体粉末の粒子内の電気的特性を研究し、 Tcを最適化することに主眼を置いている。酸化物粉末はその性質上、ランダム かつ緩く充填されているため、粒子間境界がない。また、これらの文献は、ワイ ヤーやテープなどの(Bi,Pb)SCCO−2223超伝導電流キャリアーの 、電気移送特性(Jc,Jret)を最適化することについて何ら洞察を与えて いない。 興味深いことに上記した先行技術は、粒子内電気特性の最適化について述べる 一方で、超伝導酸化物相の分解及び二次相の形成について述べている。従来の知 識からは、非超伝導の二次相を含むミクロ構造は望ましくないことが類推される 。というのは、これらの粒子がBSCCO−2223粒子の並びを局部的に乱し 、複合材の超伝導の体積部分を減少させるからである。従って、先行技術は、二 次相の量を可能な限り削減することが非常に望ましいことを示唆している。 銀被覆ワイヤー内の(Bi,Pb)SCCO−2223超伝導体粒子の連結性 を最適化する条件や、磁界の存在下での臨界電流の保持については、ほとんど或 いは全く研究がなされていない。良好な粒子間連結性が性能向上にとって重要で あるが、銀被覆高温超伝導ワイヤーにおいては、銀を通して酸素を酸化物超伝導 体に移送する必要があるため、処理が煩雑である。炉内雰囲気に直接さらされる 開放系であって銀/酸素界面のない系において、酸化物超伝導体粉末についてな された研究は、銀被覆テープなどの場合に適応することが出来ない。 冷却による酸化物超伝導複合材の電気的特性への影響については、Lay他( “Post−Sintering Oxygen Pressure Effe cts on the Jc of BPSCC−Silver Clad T apes”[Mat.Res.Symp.Proc.275:651−661( 1992年10月)]参照)が研究している。Lay他は、空気中、1℃/分で 冷却すると、3℃/分で冷却されたテープよりもJc(77K、0T)が増加す る結果になると報告している。更にLay他は、(Bi,Pb)SCCO−22 23試料を減圧下、810又は780℃に保持すると、Jcが向上するとも述べ ている。 自己電磁界における臨界電流(Ic)及び臨界電流密度(Jc)は酸化物超伝 導複合材の質を示すのに有用である一方、酸化物超伝導装置の磁界内操作にとっ て重要な性能パラメーターは、磁界の存在下における超伝導輸送特性を保持する 能力である。酸化物超伝導ワイヤーは、自ら発する磁界の存在下又は0.01− 100Tの印加磁界において用いられることになる。超伝導特性は比較的弱い磁 界に置いても極度に低下する。酸化物超伝導体は、ab面に垂直な臨界電流容量 において最も極端な損失を示す。ab面に平行である場合には、容量損失はわず か数パーセントである。例えば、イットリウム−バリウム−銅が緩く結合した酸 化物超伝導体(YBCO)は、磁界強度0.01T(Bは酸化物超伝導テープ面 に垂直)においてJcが10分の1に減少する。従来のBSCCO−2223処 理では、0.1T磁界(77k、テープ面に垂直)においては、臨界電流容量の 大部分が失われる。臨界電流保持率がわずか数パーセント増加するだけで、ワイ ヤーの性能に劇的な影響が与えられる。 従って、送電性能を向上するために、高温超伝導ワイヤー及びテープの粒子間 連結性を最適化する必要がある。酸化物超伝導ワイヤー又はテープの処理は、導 体の粒子間輸送特性を損なうことなく導体の粒子内特性を向上するものであるの が好ましい。粒子内電気特性を最適化する条件下で二次相が形成されるため、二 次相の形成を最小にする及び/又は二次相形成による粒子間連結性への損傷効果 を最小にする方法で、超伝導体を処理するのが望ましい。 本発明の目的は、磁界の存在下で、向上した臨界電流保持率及び/又は向上し た臨界電流密度を有する酸化物超伝導体品を提供することにある。 本発明の更なる目的は、酸化物超伝導組成物を処理して臨界電流保持率及び/ 又は臨界電流密度を向上する方法を提供することにある。 本発明の更に他の目的は、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複 合材における磁束集中部位(fluxpinning site)及び/又は粒 子内カップリングを増加させることにある。 本発明の更に他の目的は、二次相の形成及び/又は二次相形成による損傷効果 を削減することによって粒子間連結性を向上することにある。 本発明の更に他の目的は、酸化物超伝導ワイヤー又はテープの粒子内特性を最 適化すると同時に、粒子間輸送特性に対する損傷効果を最小化する方法を提供す ることにある。 上記及びその他の本発明の目的は、下記に説明する発明によって達成される。 発明の概要 本発明は、磁界の存在下で向上した臨界電流密度(Je又はJc)及び向上し た臨界電流保持率(Jret)を有する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化 物超伝導複合材を提供する。0.1T磁界(77K、テープ面に垂直)において 約40%までの臨界電流保持率が観察され、約30%以上の臨界電流保持率が代 表的な値であった。この臨界電流保持率の向上と同時に、複合材内の高エネルギ ー部において、鉛に富んだ二次相が局在化した。本発明は、二次的非超伝導相は 超伝導の電気的特質に対して損傷効果を与えるという一般的な考え方に反して、 向上した臨界電流及び臨界電流保持率が、鉛に富んだ非超伝導二次相を含む複合 材から得られるという認識に基づいている。 本発明の一つの態様にあっては、貴金属相に実質的に支持された(Bi,Pb )SCCO−2223酸化物超伝導フィラメントを有する(Bi,Pb)SCC O−2223酸化物超伝導複合材ワイヤーが提供される。フィラメントは、鉛に 富んだ二次相を包含し、10cmの送電距離にわたってテストした場合に、ワイ ヤーの0.1T(77K、ab面に垂直)におけるJretは、35%より大き い。鉛に富んだ二次相は高エネルギー部位に局在化しうる。(Bi,Pb)SC CO−2223は、鉛が不足しても良い。好ましい態様にあっては、(Bi,P b)SCCO−2223酸化物超伝導相は、名目化学量が2.5(±0.05) :0.4(±0.04):2.3(±0.06):2.3(±0.04):3. 0(±0.15)であるBi,Pb、Sr、Ca、Cuを包含する。特に記さな い場合には、基準は全て原子百分率であるとする。複合材は名目化学量がBi, Pb:Sr:Ca:Cu=0.9(±0.09):1.1(±0.21):1. 6(±0.06):1.7(±0.08):1.0(±0.23)である鉛に富 んだ二次相を更に含んでもよい。 本発明は更に、貴金属相内に支持された(Bi,M)SCCO−2223酸化 物超伝導フィラメントを含む(Bi,M)SCCO−2223酸化物超伝導ワイ ヤーを企図する。MはPb、TLSb、Sn、Te、Hg、Se、As及びその 混合物であってもよい。10cmの送電距離にわたってテストした場合に、ワイ ヤーの0.1T(77K、ab面に垂直)におけるJretは、35%より大き い。 磁界中での酸化物超伝導ワイヤー電流容量の有意な向上は、(Bi,Pb)S CCO−2223を含む酸化物超伝導ワイヤーを形成後熱処理にかけて約5−約 50wt%(通常40wt%)の(Bi,Pb)SCCO−2223相における 鉛含有率を減少させ、鉛に富んだ二次相中に溶離した鉛を、超伝導粒子コロニー の外側及び/又は複合材の他の高エネルギー部位に局在化させることによって、 達成される。(Bi,Pb)SCCO−2223相における鉛を減少させること で、粒子内電気特性が改善される。熱処理が、二次相を高エネルギー部位に局在 化させる条件下で実施された場合、二次相は、複合材における粒子間移送特性を 有意に低下させない。 本発明では、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合材の処理中 に、(Bi,Pb)SCCO−2223超伝導相における鉛含有率の改変を必要 とする。(Bi,Pb)SCCO−2223超伝導相の鉛含有率は、(Bi,P b)SCCO−2223相形成の間に3−8%の範囲にあったり、酸化物超伝導 相の形成後処理の間に50%まで削減されたりするように、広範囲にわたる。こ れによって超伝導体の電気的特性の最適化が達成される。 本発明の方法は更に、 (Bi,Pb)SCCO−2223中に存在するPb2+の一部をPb4+に酸化 し且つ二次相中のPb4+を複合材の高エネルギー部位に局在化させるのに十分な 酸化条件下で、酸化物超伝導複合材を加熱することを企図する。 ここでいう「ワイヤー」とは、例えばワイヤー、テープ、板、棒などの形状に 限らず、電流を輸送するのに適した、伸張した様々な形状のものを意味する。 ここで用いる「十分に形成された(Bi,Pb)SCCO−2223」「望ま しい(Bi,Pb)SCCO−2223」、及び「最終(Bi,Pb)SCCO −2223」とは、実質的に全ての前駆酸化物が望ましい(Bi,Pb)SCC O−2223相に変換された酸化物超伝導相を意味する。これ以上処理して異な る酸 化物超伝導相にすることはない。(Bi,Pb)SCCO−2223は、ここに 述べる方法で得てもよいし、前駆酸化物を(Bi,Pb)SCCO−2223に 完全に変換することがわかっている先行技術を用いて得てもよい。 ここでいう「臨界電流密度保持率」、Jretは、印加磁界が無い場合(自己電 磁界又はゼロ磁界)の複合材の臨界電流密度に対する、印加磁界がある場合の複 合材の臨界電流密度の率を意味する。試料は自己電磁界を発生するが、その磁界 の大きさは、印加磁界よりもオーダーが少なくとも1小さいものと考えられる。 高エネルギー部位は、c軸に高角度傾いた境界、孔、超伝導相と二次相との界 面、及び超伝導相の縁境界を含む。隣接する粒子との完璧な並びから10°以上 逸れた方向を向いている酸化物粒子は、高エネルギー部位の比較的大きな割合を 占める。 磁束を集める必要があったり材料の部位に他の欠陥があったりする照射といっ た方法に比べて、本発明は、容易に異なった寸法に応用でき、長い酸化物超伝導 ワイヤーを処理するのに用いることが出来る。 図面の簡単な説明 本発明を、図を参照にして説明するが、これらの図は単に例証するためのもの であって、本発明を制限するものではない。 図1は、(a)六角形の鉛に富んだ二次相及び(b)六角形の鉛に富んだ二次 相を含む本発明の(Bi,Pb)SCCO−2223複合材の、X線回折パター ンである。 図2は、鉛に富んだ相の反応曲線を示す、logPO2(atm)に対する10 00/T(K)のプロットである。 図3は、(a)一段階;(b)複数段階;及び(c)緩慢冷却段階、で本発明 の熱処理を実施した温度プロファイルである。 図4は、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導体の調製に有用な熱 処理プロファイルである。 図5は、形成後熱処理における温度(500−800℃)の関数として臨界電 流密度をプロットしたものである。 図6は、724℃、7.5%(0.075atm)O2下で熱処理された酸化 物超伝導ワイヤーの熱処理停滞時間の関数として臨界電流密度をプロットしたも のである。 図7は、酸素分圧(0.003−1.0atm)の関数として臨界電流密度を プロットしたものである。 図8は、様々な形成後熱処理について、0.1T(77K、テープ面に垂直) における臨界電流保持率を例証した棒グラフである。 図9は、様々な酸素分圧下で形成後熱処理を受けた(Bi,Pb)SCCO− 2223ワイヤーについて、磁界強度に対する臨界電流保持率をプロットしたも のである。 図10は、様々な温度で形成後熱処理を受けた(Bi,Pb)SCCO−22 23ワイヤーについて、磁界強度に対する臨界電流保持率をプロットしたもので ある。 図11は、鉛に富んだ二次相の相対分率を酸素分圧の関数としてプロットした ものである。 図12は、鉛に富んだ二次相の相対分率を温度の関数としてプロットしたもの である。 図13は、Bに対するJretをプロットしたものであり、鉛に富んだ相の安 定線の上部及び下部の条件で、熱処理が臨界電流密度保持率に与える影響を示し ている。 発明の詳細な説明 磁界中におけるBSCCO−2223の臨界電流保持率は、高温(例えば77 K)では比較的低い。例えば、従来法で処理されたBSCCO−2223は、0 .1T磁界(77K、テープ面に垂直)における臨界電流容量の大部分を失う。 臨界電流保持率は、2つの方法で向上させることが可能である。1つの方法にお いては、磁束渦と直接に相互作用して動きを妨害するように、超伝導相に欠陥を 導入する(磁束ピンニング)。欠陥は、点、線、面又は容積(0、1、2又は3次 元)欠陥を生み出す粒子であってもよいし、付着性の歪み磁界又は熱膨張係数の 差異を生じる粒子であってもよい。他の方法にあっては、酸化物超伝導体の結晶 格子自体を改変して超伝導性を担っているキャリアーのカップリングを向上する (内 因性カップリング)。例えば、キャリアー密度を、酸化物超伝導体の化学量を変 えることによって改変することができる。これらのメカニズムは両方とも粒子内 のものである。 高温超伝導ワイヤーにおいて、酸化物超伝導マルチフィラメントが銀鞘で覆わ れている場合、ワイヤーに沿った電流送電容量を効率よいものに保つ上で、良好 な粒子間連結性が重要である。酸化物超伝導ワイヤーが粒子内特性を向上する処 理にかけられた場合においても、良好な粒子間連結性が保たれなければならない 。 上記した先行技術は、(Tcなどの)粒子内性質を向上させているが、その結 果は、酸化物超伝導相の分解及び二次相の形成を伴っている。従って、粒子内超 伝導特性を向上させようとする先行技術では、向上につれて粒子間連結性が実質 的に低下する。 従って、ポスト焼結条件について研究した先行技術の幾つかは、二次相の形成 が最小化され、Tcなどの粒子内特性が最適化される様式が望ましいという結論 に達している。しかし、この様式では、他の電気的特性、特に臨界電流保持率の 最適化に十分に適した処理様式であるとは言えない。例えば、Umは500−7 00℃、酸素分圧0.01atmでのポスト焼結を推薦している。ここで述べる ように、この処理様式はTcを向上し二次相の形成を阻害するかもしれないが、 臨界電流保持率は向上しない。 Tc又は磁界における臨界電流保持率(Jret)といった粒子内超伝導特性 を最適化する処理条件は、自己電磁界又はゼロ磁界においてJc(粒子間連結性 の支配的要素)を最適化する処理条件とは異なるということを、本発明は初めて 認識した。本発明の方法は、これらの競合する処理のバランスを取る必要がある という認識に基づいており、望ましい粒子内電気特性を最大化すると同時に、粒 子間連結性の低下を最小化する熱処理を提供する。本発明の方法は、(Bi,P b)SCCO−2223酸化物相を熱処理して(Bi,Pb)SCCO−222 3相を改変することによって、粒子内電気特性を最適化し、かつ形成後熱処理で 形成された二次相を酸化物超伝導複合材の超伝導流にとって良好な領域に局在化 させ、それによって粒子間連結性を最適化する。 被覆BSCCO−2223ワイヤーにおいて、粒子間連結性を損なうことなく 粒子内特性を向上させようとする場合には、以下の問題について考慮する必要が ある。 処理条件(T、PO2、t)は、実質的に稠密なセラミックフィラメント及び金 属被覆を通して酸素が拡散するのに十分なものである必要がある。これは主に動 力学的効果であり、例えば銀に基づく合金被覆系において、酸素分圧0.01a tm以上にて1時間以上、500℃以上に加熱することで酸素化を達成すること ができる。 処理条件は更に、形成された二次相材料がワイヤー中の超伝導流にとって好都 合なミクロ構造内の位置を占めるように選択される必要がある。二次相の形成に は、幾つかの状況が考えられる。酸素化学量の変化によって酸化物超伝導体内の 陽イオン状態が変化し、その結果、材料が超伝導相から溶離する(放出される) 。溶離されるであろう候補としては、鉛(Pb)が挙げられる。この場合、溶離 の間に酸化価数がPb2+からPb4+へと変化する。或いは、熱力学状態の変化に よって、酸化物超伝導相が分解されることもあり得る。ある種の相分解の場合、 磁束ピンニングが向上しうる。例えば、超伝導電子対の結合長(coheren tlength)程度といったような超伝導酸化物相内の非常に薄い酸化物二次 相(10−5000Å)は、磁気渦を集中させる。いずれの場合においても、渦 の集中を作り出さない二次相が、酸化物超伝導複合材中において、超伝導流を実 質的に良好にする位置を占めるのが望ましい。 酸化物超伝導相内において粒子内変化をひき起こす力に関わりなく、二次相が 形成される。酸化物超伝導体の粒子内相改変から利益を受けるには、二次相が複 合材の粒子間連結性を破壊しないことが望ましい。 本出願者は、酸化物超伝導相の変化が起こる処理条件を注意深く制御した結果 、二次相の形成が高エネルギー部位に局在化することを発見した。超伝導流は好 ましくは低エネルギー部位で起こるので、粒子間連結性は破壊されない。高エネ ルギー部位における二次相の局在化は、(二次相に対する酸化物超伝導相の)エネ ルギーの分解と、異なるミクロ構造部位における二次相のエントロピーの増加率 とのバランスを取ることによって達成される。 被覆高温超伝導ワイヤーなどの閉じた材料系における分解には、エネルギーが 伴う。このエネルギーの大きさは相の種類及び分解前後のミクロ構造に依存する 。この場合、BSCCO−2223は熱力学状態が安定した小さな磁界を有し、 比較的に形成が困難である。その結果、BSCCO−2223形成条件から周囲 条件に移行する間に、BSCCO−2223を分解する強い力が存在する。 「傾斜」条件(形成条件又は周囲条件になりつつある条件)の間に、不可逆熱 力学の原理がミクロ構造の変化を制御する。これは、平衡熱力学の原理が制御す る、等熱力学状態(系内の自由エネルギーの最小化)下での処理とは対照的であ る。支配的な不可逆熱力学の原理は、エントロピー増加速度を最大化する。本件 においては、ミクロ構造の変化を制御するために、平衡及び不可逆熱力学の同時 制御を考慮する。 ミクロ構造に関して、閉じた材料系内の全ての構造が、自由エネルギーを伴う 。例えば、粒子境界のエネルギーは、粒子境界に関連する化学結合が壊れるほど 、増加する。従って、隣接する粒子間のPbO−PbO2という「ミスマッチ結 合」の度合いが大きい高角度粒子境界は、低角度粒子境界に比べて高いエネルギ ーを有する。高エネルギー部位の他の例としては、(a)高角度c軸傾斜境界、 (b)孔、(c)超伝導相と二次相との界面、及び(d)超伝導相に対する表面 境界(c軸に対して垂直に終わっている境界)、が挙げられる。超伝導複合材内の 低エネルギー部位の例としては、(a)超伝導粒子内、(b)c軸ねじれ境界( 傾き=0)、(c)銀相を有するc軸境界、(d)一致部位格子境界、及び(e )二重境界、が挙げられる。 高エネルギー部位に関連するエネルギーは高いので、系の自由エネルギー全体 を減少させる点において分解生成物を「成長」させる強い力が働く。従って、酸 化物超伝導相の分解に関連したエントロピー増加の速度が小さければ、分解生成 物は高エネルギー部位において成長する。しかし、エントロピー増加の速度が高 ければ、分解生成物は低及び高エネルギー部位において形成される。高エネルギ ー部位への質量移動が低及び中エネルギー部位への質量移動よりも実質的に起こ りやすいということは、特筆すべき点である。エントロピー増加速度を低く保つ (従って高エネルギー部位を有利にする)実用的手段は、望ましい超伝導体に近 接した外側位置の熱力学状態に製品を保持することである。望ましい超伝導体の 熱力学状態とは処理状態が全く異なる場合には、不可逆熱力学がミクロ構造の変 化を支配する。 従って、向上した臨界電流及び臨界電流保持率を有する銀被覆BSCCO−2 223ワイヤーを得るためには、BSCCO−2223と分解相との相境界に非 常に近い条件下でワイヤーを処理し、図13に示すように、低及び高エネルギー 部位において二次相を形成する力を最小化する、ということになる。先行技術の 組成では、低・高エネルギー部位を問わず二次相が成長する。この様な場合にお いては、エントロピー増加速度は高く、二次相の成長も無差別である。 本発明によると、BSCCO−2223ワイヤーは高エネルギー部位において 分解生成物が形成される処理空間において熱処理される。対象とする分解反応は 、粒子内特性の望ましい向上を達成する反応である。この処理空間は、不可逆及 び平衡熱力学のバランスを取り、分解の絶対規模を最小化するという更なる利益 を有する。従って、本発明の熱処理は、二次相の形成を最小化すると同時に、複 合材の電気的特性に与える損傷効果を最小化する。 本発明の一つの態様にあっては、酸化物超伝導相内の鉛含有率を変化させるこ とによって、望ましい結果を達成することができる。酸化条件下では、鉛は、お そらくは2+から4+への価数の変化を経て、酸化物超伝導相から溶離(放出) される。溶離した鉛は、高い鉛含有率の二次相を形成する。鉛に富んだ非超伝導 相の形成は(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導相における鉛の還元 に関連している。(Bi,Pb)SCCO−2223における鉛の減少は、鉛の 量の5−50wt%であってもよい。好ましくは、鉛の減少は、15−25wt %である。鉛の減少は、(Bi,Pb)SCCO−2223にもとから存在した 鉛の量の百分率で表される。価数を+2から+4へ(又は+1から+3へ)変化 させることができ、酸化物超伝導相に可溶な他の材料を、本発明に用いることも 企図される。好ましい陽イオンとしては、Pb、Tl、Sb、Te、Hg、Se 、As及びSnが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 鉛に富んだ二次相は、六方晶系結晶構造をしている。結晶のシンメトリーは変 わらないが、化学的組成は形成温度によって変化する。例えば724℃で形成さ れた鉛に富んだ二次相は、Bi,Pb:Sr:Ca:Cu=1:1:2:2:1 の元素組成を有するのに対し、784℃で形成された鉛に富んだ二次相は、Bi ,Pb:Sr:Ca:Cu=1:2:2:3:1の元素組成を有する。六方晶系 の鉛に富んだ相は双方とも同じX線回折パターンを有する(図1a参照)。回折パ ターンは、JCPDSファイルカタログ中の44−0053のパターンに相当す る。図1bは、鉛に富んだ二次相を含む本発明の(Bi,Pb)SCCO−22 23複合材のX線回折パターンである。星印で示されたピークは、鉛に富んだ二 次相によるものである。残りのピークはBSCCO−2223酸化物超伝導体に よるものである。Flukiger他は既にこの相を観察している[Physi caC235−240:505−506(1994)の参照を持って説明に代え る]。 本発明の酸化物超伝導ワイヤーにおける臨界電流保持率の顕著な向上は、酸化 物超伝導相の鉛含有率の減少に相関している。操作上の特定の理論とは関係がな いにしても、鉛の酸素活性における変化が酸化物超伝導体の鉛含有率を減少させ ると考えられる。変化した化学量によって、効果的な磁束ピンニング部位である 酸素不足部位が導入される及び/又は内因性カップリングが変えられる。磁束集 中部位は、磁界の臨界電流性能を向上することが知られている。 本発明の熱処理は、上記した動力学的及び熱力学的基準の両方を満たす必要が ある。すなわち熱処理は、分解相の安定線に近い条件を保ったまま、複合材を通 じての材料の移動を可能にし且つBSCCO−2223相中の二価の金属ドーパ ントの酸化を可能にする必要がある。適切な処理条件を決定する合理的なガイド ラインは、適切な多成分酸化物相の状況にある単一酸化物安定相、例えばPbO −Pb34−PbO2の条件下において処理することである。図2は1000/ K(K-1)に対するlogPO2をプロットしたものであり、鉛に富んだ相につい て計算した安定線20が示されている。プロット上側の領域はPb2+を酸化する 条件を表しており、ここでは鉛に富んだ相が形成される結果になる。温度領域は 低い側では動力学に支配され、高い側では無差別質量移送に支配される。本発明 の一つの態様にあっては、領域22において、鉛に富んだ相の反応曲線20より 上側の圧力条件下で、約500−800℃にわたって熱処理が行われる。好まし い態様にあっては、領域24において、鉛に富んだ相の反応曲線20より上側の 圧力条件下で、約790−630℃にわたって熱処理が行われ、最も好ましい態 様にあっては、領域26において、鉛に富んだ相の反応曲線20より上側の圧力 条件下で、約650−750℃にわたって熱処理が行われる。酸素分圧の上限は 約100atmである。 要約すると、本発明による熱処理は、約800−500℃で、酸素含有量が0 .03−100atmの条件で行うことができる。好ましくは、熱処理は約79 0−630℃で、最も好ましくは約650−750℃で行われる。酸素分圧は、 反応曲線20より上側の圧力条件になるように、好ましくは0.075−1.0 atmO2である。 熱処理は、図3に示すように、様々な方法で実施することができる。熱処理は 単一温度における単一の“ベーキング”(図3a)であってもよいし、段階を追 って温度が低くなる短い“ベーキング”の連続(図3b)であってもよい。或い は、意図する範囲内で温度が緩やかに下降し(冷却され)、実効温度内で全停滞時 間が達成される熱処理を行ってもよい(図3c)。曲線30及び32は熱処理の実 効温度範囲内に収まっている。停滞時間は20時間より多いのが好ましく、30 時間より多いのが更に好ましい。 本発明の形成後熱処理に先立って良好な粒子間連結性を得るために、複合材は 予備処理されるのが望ましい。良好な粒子間連結性は、酸化物粒子の適当な並び 、及び酸化物前駆材料のBSCCO−2223酸化物超伝導体への実質的に完全 な変換によって達成される。この達成には従来法を用いることができる。適当な 方法は以下に述べる。 本発明で用いる(Bi,Pb)SCCO−2223相の調製には、あらゆる従 来法を用いてもよい。(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導相の調製 に好ましい方法は、多段階熱処理である。工程における異なる時点での熱処理は 、(Bi,Pb)SCCO−2223複合材の製造において異なる役割を担う。 前駆酸化物(通常(Bi,Pb)SCCO−2212)を望ましい方向及び次元 (下記参照)を持つワイヤーに処理する熱動力工程の後に、多段階熱処理を行っ て前駆酸化物を(Bi,Pb)SCCO−2223に変換する。熱処理の第一段 階は、比較的高い温度で、液層を形成して酸化物相を部分的に溶融するのに十分 な条件下で行う。この溶解により、前工程までに起きた変形によって生じたひび が直さ れ、(Bi,Pb)SCCO−2212が(Bi,Pb)SCCO−2223に 変換される。比較的低い温度で熱処理を行う第二段階では、前段階の熱処理で生 じた(Bi,Pb)SCCO−2223粒子境界における液体が、(Bi,Pb )SCCO−2223に変換される。任意で行う、より低い温度で熱処理する第 三段階では、(Bi,Pb)SCCO−2223粒子境界を「掃除」(望ましく ない相不純物を反応除去)して良好な粒子間連結性を得て、前駆体の(Bi,P b)SCCO−2223への変換を完全なものにする。典型的な熱プロファイル を図4に示す。T1は850−800℃、好ましくは830−825℃(40時間 、0.075atmO2)、T2は815−780℃、好ましくは813−805 ℃(40時間、0.075atmO2)、及びT3は790−780℃、好ましくは 787℃(30時間、0.075atmO2)である(1993年4月1日に共出 願のUSSN08/041,822を参照して説明に代える)。 (Bi,Pb)SCCO−2223相は実質的に単独相2223である。しか し、100%の変換率が常に得られるわけではない。少量の開始材料及び/又は 他の非超伝導相が存在しうる。これらは、10vol%、好ましくは5vol% より多く存在すべきではない。 (Bi,Pb)SCCO−2223に変換する前に、前駆(Bi,Pb)SC CO−2223酸化物粒子の方向付け及びテクスチャー加工するために、複合材 は予備熱動力処理するのが望ましい。超伝導酸化物複合体をテクスチャー加工す る公知の処理方法としては、熱処理と変形処理(熱動力処理)との組み合わせが 挙げられる。BSCCO−2212超伝導酸化物粒子は応用伸びの方向に沿わせ ることができる。この現象は変形誘導テクスチャー加工(DIT)として知られ る。酸化物超伝導粒子のc軸が面又は伸長の方向に垂直になる、例えばプレス、 ロール掛けなどの変形方法が用いられている。少なくとも一部か溶融し且つBS CCO−2212超伝導相が再成長する条件下での熱処理は、超伝導粒子の異方 性成長を向上させてテクスチャー加工を促進しうる。この現象は反応誘導テクス チャー加工(RIT)として知られる。 通常、テクスチャーの密度及び程度は、(変形誘導テクスチャー加工を付与す る)変形工程及び(反応誘導テクスチャー加工を付与する)焼結工程の繰り返し によって、複合材内で成長する。変形及び焼結段階は数回にわたって実施しても よい。この工程は「nDS」と表現できる。ここで「D」は変形段階を、「S」 は焼結又は加熱段階を、「n」は変形・焼結処理が繰り返された回数を表す。典 型的な先行技術における工程は、2DS又は3DS工程である(Sandhag e他[JOM21(1991年3月)]を参照して説明に代える)。1995年6 月6日に共出願のUSSN08/468,089及び“Simplified Deformation−Sintering Process for Ox ide Superconducting Articles”にはIDS工程 が記載されている(参照して説明に代える)。nDS工程は、前駆酸化物相を(B i,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導ワイヤーに変換する前に方向付ける のに用いてもよい。 本発明の酸化物超伝導製品を構成する酸化物超伝導体は、脆弱であり、通常は ロール掛けやプレスなどの機械的変形処理に対する耐久性を持っていない。この 理由から、本発明の酸化物超伝導体は通常、可鍛マトリックス材を含む複合材料 として処理される。可鍛材料は好ましくは、複合材の形成及び形成後処理に用い た条件下では酸化及び化学反応に不活性な貴金属である。好ましい貴金属として は、パラジウム、プラチナ、金、銀及びその混合物が挙げられる。特に、そのコ スト、不活性及び可鍛性から、銀がマトリックス材として好ましい。酸化物超伝 導複合材はいかなる形状のものを処理してもよいが、ワイヤー、テープ、リング 又はコイルの形状が好ましい。酸化物超伝導は銀被覆や、粉入りチューブ法によ る形状に納められていてもよい。酸化物超伝導体は銀マトリックス内に納められ たマルチフィラメントの形状をしていてもよい。超伝導テープ及びワイヤーの形 成についての更なる情報については、Sandhage他を参照されたい。 本発明における形成後熱処理の有利な点は、下記の実施例で例証されるが、実 施例は本発明を例証することのみを目的とするものであって、本発明を制限する ものではない。Jcの値が、ワイヤーに様々な超伝導内容物を用いていることを 反映するように規格化された臨界電流密度であることは、特筆するに価する。J cは酸化物超伝導フィラメントを流れる臨界電流である。マルチフィラメント酸 化物超伝導ワイヤーの場合、Jcの値は、酸化物超伝導マルチフィラメントワイ ヤーの全電流を酸化物超伝導体の横断面積で割って得られる。Jeはマルチフィ ラメントワイヤーの横断面積全体に渡る臨界電流であり、全電流をワイヤーの横 断面積で割ることによって得られる。異なるフィルファクターを有するワイヤー の間でJeを比較することには意味が無いが、同じフィルファクターを有するワ イヤーの間での比較には意味がある。 マルチフィラメント酸化物超伝導テープ(フィラメント数:85)は、全体の 組成がBi,Pb:Sr:Ca:Cu=1.74:0.34:1.9:2.0: 3.03である(Bi,Pb)SCCO−2212粉末から以下のように調製す る。上述した化学量を有する適当な硝酸金属の凍結乾燥前駆体から、前駆粉末を 、固体状態反応によって調製した。Bi23、CaCO3、SrCO3、Pb34 及びCuOを同様に用いることができる。粉末を適当な比で完全に混合した後、 多段階(通常3−4段階)の、か焼処理(800±10℃、計15時間)及び中 間粉砕にかけて材料を均質にし、(Bi,Pb)SCCO−2212酸化物超伝 導相を作成した。粉末を銀鞘内に充填し、ビレットを作成した。ビレットを引き 抜き多段階のダイパスに通して細くし、最終パスでは六角形のダイから引き抜い て銀/酸化物超伝導六角ワイヤーを作成した。85本のワイヤーを束ねて丸いダ イに通し、マルチフイラメント丸型ワイヤーを作成した。 丸型マルチフィラメントテープを760℃、0.001atmで二時間加熱し 、単一ドラフト工程で、望ましい厚みになるまでロール掛けした(約35.4− 6mil)。827℃、0.075atmO2で40時間、808℃、0.075 atmO2で40時間加熱し、(Bi,Pb)SCCO−2212相を(Bi, Pb)SCCO−2223に変換した。 形成後熱処理における温度、酸素含有率及び停滞時間が超伝導特性、ミクロ構 造及び組成に与える影響について調べた。4点プローブを用いて臨界電流を測定 した。電圧基準を1μV/cmとしてJeを調べた。 形成後熱処理の温度を系統的に変化させたのに対し、雰囲気及び停滞時間は一 定に保った(0.075atmO2、30時間)。図5はJe性能を温度(500 −800℃)の関数としてプロットしたものである。測定されたJeは全て、予 備処理における性能を上回っていた。最適なJe性能(ca.11,600A/ cm2)は、700−724℃の範囲で測定された。Jeの向上は、酸化物超伝 導体の、粒子内特性及び粒子間特性の両方に見られた。 図6は、様々な試料セットについて、酸化物超伝導ワイヤーを724℃、0. 075atm(7.5%)O2で形成後熱処理した場合の停滞時間の関数として Jeをプロットしたものである。6時間以上では向上割合が減少したが、停滞時 間と共に有意なJeの向上が観察された。 又、形成後熱処理の酸素分圧を系統的に変化させたのに対し、温度及び停滞時 間は一定に保った(724℃、30時間)。図7は酸素分圧(0.003−1.0 atm)の関数としてJeをプロットしたものである。気体の平衡は、例えば窒 素やアルゴンなどの、不活性ガスである。最適なJe性能(ca.11,500 A/cm2)は、酸素分圧0.075atmO2において測定された。興味深いこ とに、最適なTcは低い酸素分圧において得られ、最適なJretは1.0at mO2において得られた(図7参照)。これは、特定の粒子間特性及び粒子内特性 の最適化が、異なる処理様式においてどのように起こるかを示している好例であ る。 結論として、(Bi,Pb)SCCO−2223ワイヤーのJe性能を絶対的 に最適化する温度、酸素分圧及び停滞時間は多岐に渡る、ということは明らかで ある。最適化Jeのための形成後熱処理として好ましい条件は、温度範囲が約7 00−730℃;酸素分圧が約0.075atmO2;及び停滞時間が少なくと も約20時間、好ましくは少なくとも約30時間、である。他の好ましい条件も 本発明の範囲に含まれる。例えば、高い酸素分圧にあっては、好ましい温度は上 記より低くなるし、停滞時間は増えるものと予想される。 (Bi,Pb)SCCO−2223ワイヤーが臨界電流を印加磁界に保持する 能力についても研究した。(Bi,Pb)SCCO−2223ワイヤーを本発明 の熱処理にかけたところ、0.1T(77K、テープ面に垂直)における電流送 電容量が約40%まで、好ましくは約25−35%まで保持された。ある種の用 途における印加磁界と比較できるので、この規模の磁界強度が意図するものであ る。図8は様々な形成後熱処理についてのJretを例証する棒グラフである。 全ての試料は、初期臨界電流密度の少なくとも25%に保持された。Jretは 、7 24℃/1atmO2/30時間の条件の熱処理において最大値を示した。これ らのJret性能は先行技術の性能に比べ有意な向上を示した。 図9及び10は、それぞれ、様々な酸素分圧及び様々な温度において、加熱さ れた(Bi,Pb)SCCO−2223ワイヤーについて、磁界強度に対するJ c保持率をプロットしたものである。ここで、0.5Tまで臨界電流が磁界に保 たれていることが示されている。 最大Jeになるように処理された試料は、必ずしも最適臨界電流保持率を示す 訳ではない。表1は、一定の圧力(0.075atm、30時間)で様々な温度 に保たれた試料(実施例1−5)、及び一定の温度(724℃、30時間)で様々 な酸素分圧に保たれた試料(実施例6−8)のTc.Je及びJretの値を示 している。フィルファクターが異なってしまうので、Jeの値は同じ試料セット においてのみ比較することができる。表から分かるように、最適Tc、最適Jc 及び最適Jretの処理条件は異なる。これは、2つの特性を最大化する要因が 必ずしも一致しない、という上述した示唆を支持するものである。 表1.様々な熱処理試料のTc、Je及びJret * Jeの値は、同じ試料セット内においてのみ比較した。 + 試料No.4及び5は、比較可能なT開始を有するが、試料No.4はより 小さなΔTを有する。 鉛に富んだ非超伝導相の新たな形成が、本発明の形成後熱処理の間に観察され た。この相の量は、停滞時間と共に増加した。この相は、(Bi,Pb)SCC O−2223形成熱処理の間には観察されなかった。鉛に富んだ二次相の外観と 、停滞時間の増加に伴う形成の増加とは、形成後熱処理において観察されたJc 及びJretの向上と強い関係がある。図11は、最終(Bi,Pb)SCCO −2223ワイヤー内の鉛に富んだ二次相の相対分率を、(724℃、30時間 における)酸素分圧の関数としてプロットしたものである。鉛に富んだ相の相対 分率は、酸素分圧の増加と共に増加している。これは、最大臨界電流保持率を生 み出す条件と密接な関係がある。Tcを最適にした処理条件、0.003atm O2においては形成された鉛に富んだ二次相が、形成されなかったことは注目す るに値する。従って、この相の外観は、形成後熱処理した試料の性能を明確に反 映している。図12は、鉛に富んだ相の相対分率を、温度の関数としてプロット したものである。曲線110は、0.075atmO2での試料を表わす。鉛に 富んだ二次相の有意な形成が、724−775℃において観察される。図11の (724℃における)結果をこの図に重ねると、より高いPO2においては、より 広い温度範囲を設定することによって、有意な量の鉛に富んだ相が得られること が分かる。 鉛に富んだ相の安定線の上側・下側の条件を用いた場合に、熱処理が臨界電流 密度保持率に与える影響を、図13に示す。曲線120は、鉛に富んだ相の安定 線の上側の条件で処理した試料のJretを表わす。白丸で示す点は、724℃ 、0.075atmで30時間熱処理した試料のデータを表わす。黒い四角で示 す点は、724℃、1.0atmで30時間熱処理した試料のデータを表わす。 曲線122は、鉛に富んだ相の安定線の上側の条件、724℃、0.003at mで30時間熱処理した試料のJretを表わす。曲線122によって表わされ る性能は有意に折衷している。 鉛に富んだ二次層の形成及びその形成が(Bi,Pb)SCCO−2223ワ イヤーに与える影響を、走査電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散分光測定 (EDS)によって調べ、両方の相の元素組成を決定した。結果を表2に示す。 形成後熱処理前の(Bi,Pb)SCCO−2223相の相対化学量は、名目上 、2:2:2:3である。しかし、熱処理後、超伝導相の鉛のレベルは有意に減 少し、鉛に富み銅に乏しい二次相が形成される。鉛に富んだ二次相の相対分率は 、停滞時間と共に増加し、二次相がBSCCO−2223粒子の外周部に付着し ているような外観を与える。更に、鉛に富んだ二次相はBSCCO−2223高 エネルギー部位において濃縮しているような外観を与える。 表2.(Bi,Pb)SCCO−2223及び鉛に富んだ相の組成(at.%) 一通りの解釈に限定することを意図したものではないが、臨界電流保持率を向 上する条件下にある鉛に富んだ相の外観が、観察されたもののようになる理由の 一つとして、出発組成物が鉛と共に過剰ドープし、剰余の鉛が分解して鉛に富ん だ二次相になるということが考えられる。又別の理由として、鉛に富んだ相は、 (Bi,Pb)SCCO−2223格子内の酸素含有率が変化して得られる産物 であるということが考えられる。換言すると、高性能を目的として2223格子 の酸素を不足させると、ドープした酸素不足が2223格子内のPbの価数を変 化させ、その結果2223相から鉛が解け出て鉛に富んだ相が形成される、とい うことである。更に、磁束ピンニングの増加は、酸素不足の導入に由来する。従 って、形成後熱処理の結果、酸素不足及び鉛に富んだ相が形成され、これが超伝 導体の粒子間特性及び粒子内特性に影響する。 本発明の他の態様は、ここに開示する明細書及び発明の実施から、当業者には 自明のものである。明細書及び実施例は例証のみを企図するものであって、本発 明の真の範囲・精神は請求項に記載される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/00 565 H01B 13/00 565D (72)発明者 パレラ,ロナルド ディー. アメリカ合衆国 01760 マサチューセッ ツ,ネイティック,ポンド ストリート 35 (72)発明者 ライリー,ギルバート エヌ.,ジュニア アメリカ合衆国 01752 マサチューセッ ツ,マールバラ,ヘメンウェイ ストリー ト 630 (72)発明者 テプリツキ,マーク ディー. アメリカ合衆国 01581 マサチューセッ ツ,ウエストバラ,コートランド ドライ ブ 9 (72)発明者 フレッシュラー,スティーブン アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ,ブルックライン,ラナーク ロード 100 ナンバー5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 酸化物超伝導層を形成した後に、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化 物超伝導複合材を処理する方法であって、 (Bi,Pb)SCCO−2223を包含する(Bi,Pb)SCCO−22 23酸化物超伝導複合材を調製し、 (Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導体の鉛含有率を約5−50重 量%削減し且つ二次相中に溶離した鉛を複合材の高エネルギー部位に局在化させ る条件下で、酸化物超伝導複合材を加熱する ことを包含する処理方法。 2. 酸化物超伝導層を形成した後に、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化 物超伝導複合材を処理する方法であって、 (Bi,Pb)SCCO−2223を包含する(Bi,Pb)SCCO−22 23酸化物超伝導複合材を提供し; (Bi,Pb)SCCO−2223中に存在するPb2+の一部をPb4+に酸化 し且つ二次相中のPb4+を複合材の高エネルギー部位に局在化させるのに十分な 酸化条件下で、酸化物超伝導複合材を加熱する ことを包含する処理方法。 3. 酸化物超伝導層を形成した後に、(Bi,M)SCCO−2223酸化物 超伝導複合材の粒子内電気特性を向上する方法であって、 (Bi,M)SCCO−2223酸化物超伝導複合材の酸化物前駆体(ここで 、MはTl,Sb及びSnからなる群より選ばれ、その量は酸化物前駆体に溶解 性の上限までである)を提供し; 複合材を処理して酸化物前駆体を(Bi,M)SCCO−2223に変換し; (Bi,M)SCCO−2223中に存在するM2+の一部をM4+に酸化し且つ 二次相中のM4+を複合材の高エネルギー部位に局在化させるのに十分な酸化条件 下で、酸化物超伝導複合材を加熱する ことを包含する処理方法。 4. 高エネルギー部位が、高角度c軸傾斜境界、孔、超伝導相と二次相との界 面、及び超伝導相の縁境界からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを 特徴とする、請求項1、2又は3に記載の方法。 5. 加熱段階が酸化条件下で実施されることを特徴とする、請求項1、2又は 3に記載の方法。 6. 0.1T(77K、ab面に垂直)における臨界電流保持率が約15−5 0%である複合材を得る加熱処理であることを特徴とする、請求項1、2又は3 に記載の方法。 7. 0.1T(77K、ab面に垂直)における臨界電流保持率が約20−4 0%である複合材を得る加熱処理であることを特徴とする、請求項1、2又は3 に記載の方法。 8. 熱処理の前に、(Bi,Pb)SCCO−2223が、酸化物粒子に粒子 間連結性を与えるように処理されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の 方法。 9. 熱処理が、 温度が約800−500℃、酸素分圧が約0.03−100atmO2で、0 .1T(77K、ab面に垂直)における臨界電流保持率を少なくとも15%に するのに十分な時間、ワイヤーを加熱する ことを包含する、請求項1、2又は3に記載の方法。 10. 温度が630−790℃、酸素分圧が約0.03−100atmO2で あることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 11. 温度が650−750℃、酸素分圧が約0.08−1.0atmO2で あることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 12. 鉛に富んだ二次相が、17.9(45)、32.3(100)、31. 5(62)、44.8(42)及び55.5(45)においてピーク[2θ(相対 強度)]を有するX線回折パターンによって特徴付けられる六角結晶構造を包含す ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 13. (Bi,Pb)SCCO−2223が、熱処理前に、約3−8wt%の 量の鉛を包含することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 14. (Bi,Pb)SCCO−2223が、熱処理前に、約4−6wt%の 量の鉛を包含することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 15. (Bi,Pb)SCCO−2223が、約6.5wt%の量の鉛を包含 することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 16. (Bi,M)SCCO−2223が、約10wt%の量のMを包含する ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。 17. (Bi,Pb)SCCO−2223の量が約15−25wt%に減少す る条件下で熱処理を実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 18. 熱処理が、 鉛に富んだ相の安定線に対してPb2+を酸化する条件下で酸化物超伝導体を加 熱する ことを包含する、請求項1又は2に記載の方法。 19. 酸素分圧0.01−1.0atmO2の条件下で、第一の停滞時間とし て800−850℃で加熱し、第二の停滞時間として780−815℃で加熱し て、(Bi,Pb)SCCO−2223を得ることを特徴とする、請求項1又は 2に記載の方法。 20. 酸素分圧0.01−1.0atmO2の条件下で、第一の停滞時間とし て825−830℃で加熱し、第二の停滞時間として805−813℃で加熱し て、(Bi,Pb)SCCO−2223を得ることを特徴とする、請求項1又は 2に記載の方法。 21. 酸素分圧0.01−1.0atmO2の条件下で、第三の停滞時間とし て780−790℃での加熱を更に包含することを特徴とする、請求項19に記 載の方法。 22. 複合材が銀鞘ワイヤーの形状であることを特徴とする、請求項1、2又 は3に記載の方法。 23. 複合材がマルチフィラメント銀鞘ワイヤーであることを特徴とする、請 求項22に記載の方法。 24. 鉛に富んだ二次相が、0.002−0.5の相対分率で形成されること を特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 25. 貴金属を包含する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合 体を提供することを更に包含する、請求項1又は2に記載の方法。 26. (Bi,Pb)SCCO−2223超伝導複合材を調製する方法であっ て、 (Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合材処理の間に(Bi,P b)SCCO−2223超伝導相の鉛含有率を改変して、(Bi,Pb)SCC O−2223相形成の間に3−8%にし、酸化物超伝導相の形成後処理の間に2 5%まで削減する ことを包含する方法。 27. 実質的に貴金属相に支持された(Bi,Pb)SCCO−2223酸化 物超伝導フィラメントであって、鉛に富んだ二次相を包含するフィラメント;及 び 10cmの送電距離に渡ってテストされた場合に、0.1T(77K、ab面 に垂直)でのJretが35%より大きいワイヤー を包含する、(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合材ワイヤー 。 28. 貴金属に支持された(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導相 ;及び 高エネルギー部位に局在化した鉛に富んだ二次相と(Bi,Pb)SCCO− 2223相とを包含する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導相を包 含する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合材。 29. 貴金属に支持された(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導相 ;及び 名目化学量が2.5(±0.05):0.4(±0.04):2.3(±0. 06):2.3(±0.04):3.0(±0.15)であるBi,Pb、Sr 、Ca、Cuを包含する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導相 を包含する(Bi,Pb)SCCO−2223酸化物超伝導複合材。 30. 名目化学量がBi,Pb:Sr:Ca:Cu=0.9(±0.09): 1.1(±0.21):1.6(±0.06):1.7(±0.08):1.0 (±0.23)である鉛に富んだ二次相を更に包含することを特徴とする、請求 項29に記載の複合材。 31. (Bi,Pb)SCCO−2223が鉛に不足することを特徴とする、 請求項27又は28に記載の複合材。 32. (Bi,Pb)SCCO−2223が約2−6.8wt%の鉛を包含す ることを特徴とする、請求項27又は28に記載の複合材。 33. 鉛が不足した(Bi,Pb)SCCO−2223相が約4.75−5. 5wt%の鉛を包含することを特徴とする、請求項31に記載の酸化物超伝導体 。 34. 鉛が不足した(Bi,Pb)SCCO−2223相が約3.4−4.2 wt%の鉛を包含することを特徴とする、請求項31に記載の酸化物超伝導体。 35. 複合材がワイヤーの形状であり、酸化物超伝導相がフィラメントの形状 であることを特徴とする、請求項28に記載の複合材。 36. 貴金属相に支持された(Bi,M)SCCO−2223酸化物超伝導フ ィラメント(ここでMはPb、Tl、Sb、Sn、Te、Hg、Se、As及び これらの混合物からなる群から選ばれる);及び 10cmの送電距離に渡ってテストされた場合に、0.1T(77K、ab面 に垂直)でのJretが35%より大きいワイヤー を包含する(Bi,M)SCCO−2223酸化物超伝導ワイヤー。 37. 10cmの送電距離に渡ってテストされた場合に、0.1T(77K、 ab面に垂直)でのJretが25%より大きいワイヤーであることを特徴とす る、請求項35に記載の酸化物超伝導複合材。 38. 10cmの送電距離に渡ってテストされた場合に、0.1T(77K、 ab面に垂直)でのJretが35%より大きいことを特徴とする、請求項35 に記載の酸化物超伝導ワイヤー。 39. 10cmの送電距離に渡ってテストされた場合に、0.1T(77K、 ab面に垂直)でのJretが35−50%のワイヤーであることを特徴とする 、請求項35に記載の酸化物超伝導複合材。 40. 複合材のJretにおける増加が、複合材のJc(自己電磁界又はゼロ 磁界)における増加と比例しないことを特徴とする、請求項27、28又は36 に記載の複合材。 41. 鉛に富んだ二次相が、約0.01−0.5の相対分率において存在する ことを特徴とする、請求項27又は28に記載の酸化物超伝導複合材。 42. 高エネルギー部位が、高角度c軸傾斜境界、孔、超伝導相と二次相との 界面、及び超伝導相の表面境界からなる群より選ばれた少なくとも1種であるこ とを特徴とする、請求項28に記載の酸化物超伝導体。 43. ワイヤーが、貴金属相に支持された(Bi,Pb)SCCO−2223 のマルチフィラメントを包含することを特徴とする、請求項27又は33に記載 の酸化物超伝導複合材。 44. 鉛に富んだ二次相が、17.9(45)、32.3(100)、31.5( 62)、44.8(42)及び55.5(45)においてピーク[2θ(相対強度) ]を有するX線回折パターンによって特徴付けられる六角結晶構造を包含するこ とを特徴とする、請求項27又は28に記載の酸化物超伝導複合材。 45. 鉛に富んだ二次相が、JCPDSカード番号44−0053に記載のパ ターンと実質的に同じ回折パターンを有することを特徴とする、請求項27又は 28に記載の酸化物超伝導複合材。
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