JP2000510697A - 哺乳動物の付加性コーム(哺乳動物Asx)はガン遺伝子として作用する - Google Patents

哺乳動物の付加性コーム(哺乳動物Asx)はガン遺伝子として作用する

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Abstract

(57)【要約】 哺乳動物Asx遺伝子および哺乳動物Asx遺伝子によりコードされるアミノ酸配列が記載される。哺乳動物Asx遺伝子および遺伝子産物は、増殖性障害および発生性障害における診断および治療適用に有用である。哺乳動物Asxのモジュレーターは、開示された遺伝子を用いて同定され得る。モジュレーターは、ガン治療または発生障害の処置の状況において使用され得る。Asxはまた、前駆細胞集団における脱分化の誘導に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 哺乳動物の付加性コーム(哺乳動物Asx)はガン遺伝子として作用する発明の分野 本発明は、増殖性障害(悪性腫瘍を含む)および発生プロセスに関連する、哺 乳動物付加性コーム(mammalian Additlonal Sex Comb)(哺乳動物Asx)遺伝子に 関する。発明の背景 ガンおよび悪性腫瘍の治療は、化学毒素、放射線、および手術を用いた処置を 含む。ガンにおいて過剰発現または過小発現することが知られている遺伝子は、 疾患の診断、ならびに患者の疾患の進行および処置の評価に使用される。 転写の研究は、細胞分化についての情報を提供した:細胞系統の発生初期にお いて、転写因子は、分化した表現型の遺伝子を活性化することにより特定の経路 に沿って発生を指向する。分化は、発現した遺伝子のパターンにおける変化を含 み得るだけでなく、それらの新規のパターンの維持を含み得る。 哺乳動物の発生の遺伝的基礎、および発生とガンとの間の遣伝的関連は、十分 に解明されていない。哺乳動物のガンの基礎となる重要な遺伝子(特に、正常な 哺乳動物発生プロセスに関連する遺伝子もまた)の知識が、当該分野において必 要とされる。発明の要旨 本発明の1つの実施態様において、単離された哺乳動物Asx(哺乳動物Asx)ポリ ペプチドが提供される。このポリペプチドは、配列番号2の配列の少なくとも18 の連続アミノ酸の配列を含む。 本発明の別の実施態様において、単離された核酸分子が提供される。この核酸 分子は、配列番号2の配列を有するポリペプチドをコードする。 なお別の実施態様によれば、配列番号1の配列より選択される少なくとも13の 隣接ヌクレオチドを含む単離された核酸分子が提供される。 本発明の別の実施態様において、抗体調製物が提供される。この抗体は、哺乳 動物Asxポリペプチドに特異的に結合し、そして他の哺乳動物タンパク質に特異 的に結合しない。 本発明のなお別の局面によれば、薬学的組成物が提供される。この組成物は、 配列番号2の配列を含む哺乳動物Asxポリペプチドを含む有効量の治療薬剤なら びに薬学的に受容可能なキャリアを含む。 本発明の別の局面は、新形成を診断する方法である。この方法は、以下の工程 : (a)患者から単離された新形成と推測される組織サンプルと、(b)配列番 号1の配列の少なくとも13のヌクレオチドを含む哺乳動物Asx遺伝子プローブと を接触させる工程であって、ここで哺乳動物Asxを過剰発現するか、または改変 体哺乳動物Asxを発現する組織は新形成であるとして類別される工程、 を包含する。 本発明の別の実施態様によれば、新形成を診断する方法が提供される。この方 法は以下の工程: 配列番号1の哺乳動物Asx遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするPCRプライ マーと、新形成と推測される組織から単離された核酸とを接触させる工程; 組織の核酸中の哺乳動物Asx配列を増幅する工程;および 増幅配列中の変異を検出する工程であって、ここで、増幅配列が正常ヒト組織 から同様に増幅された配列と異なる場合に、変異が同定される工程、 を包含する。 本発明のなお別の実施態様において、新形成を診断する方法が提供される。こ の方法は以下の工程: bDNAプローブと新形成と推測される組織から単離された核酸とを接触させる工 程であって、ここでbDNAプローブが、配列番号1の哺乳動物Asx遺伝子配列に特 異的にハイブリダイズする工程; bDNAプローブと組織から単離された核酸との間に形成されたハイブリッドを検 出する工程;および 形成されたハイブリッドと、正常ヒト組織由来の核酸を用いて同様に形成され たハイブリッドとを比較することにより、組織から単離された核酸中の変異を同 定する工程、 を包含する。 本発明のなお別の局面によれば、新形成を診断する方法が提供される。この方 法は以下の工程: 新形成であると推測される組織サンプルと、以下:配列番号2に示される野生 型哺乳動物Asxに特異的に結合する抗体、または発現された哺乳動物Asx改変体に 特異的に結合する抗体からなる群より選択される抗体とを接触させる工程; 抗体の組織サンプルの成分への結合を検出する工程であって、ここで、正常ヒ ト組織サンプルへの抗体の結合と比較した場合の、組織サンプルの成分への抗体 の結合における差異が組織の新形成を示す工程、 を包含する。 本発明の別の局面は、新形成を診断するなお別の方法である。この方法は以下 の工程: 新形成であると推測される組織由来のRNAと、配列番号1に示される哺乳動物A sx遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするPCRプライマー、またはこの配列に 特異的にハイブリダイズするbDNAプローブとを接触させる工程; PCR増幅またはbDNAプローブ検出により組織における哺乳動物Asx RNAの量的な レベルを測定する工程であって、ここで、正常ヒト組織と比較した場合に、哺乳 動物Asx RNAのより高いレベルが新形成を示す工程、 を包含する。 別の実施態様によれば、新形成の診断方法が提供される。この方法は以下の工 程: 患者から単離された新形成と推測される組織サンプルと、配列番号1の配列の 少なくとも13の隣接ヌクレオチドを含む哺乳動物Asx遺伝子プローブとを接触さ せる工程であって、ここで哺乳動物Asxを過剰発現するか、または改変体哺乳動 物Asxを発現する組織が新形成であるとして類別される工程、 を包含する。 本発明のなお別の局面において、細胞脱分化を誘導する方法が提供される。こ の方法は以下の工程: 分化した細胞と、配列番号2の配列を含む哺乳動物Asxポリペプチドとを接触 させる工程であって、これにより細胞の脱分化が誘導される工程、 を包含する。 本発明のなお別の局面において、細胞増殖を調節不全にする方法が提供される 。この方法は以下の工程: 増殖が制御される細胞と、配列番号2の配列を含む哺乳動物Asxポリペプチド とを接触させる工程であって、これにより細胞の増殖が調節不全にされる工程、 を包含する。 本発明のなお別の局面によれば、新形成を診断する方法が提供される。この方 法は以下の工程: 新形成であると推測される組織由来のRNAと、配列番号1に示される哺乳動物A sx遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするPCRプライマー、またはこの配列に 特異的にハイブリダイズするbDNAプローブとを接触させる工程; PCR増幅またはbDNAプローブ検出により組織における哺乳動物Asx RNAの量的な レベルを測定する工程であって、ここで、正常ヒト組織と比較した場合に、哺乳 動物Asx RNAのより高いレベルが新形成を示す工程、 を包含する。 本発明のなお別の局面において、哺乳動物Asx機能のモジュレーターを同定す る方法が記載される。この方法は以下の工程: 試験物質と、哺乳動物Asx遺伝子または哺乳動物Asxプロモーターおよびレポー ター遺伝子を含むレポーター構築物を含む哺乳動物細胞とを接触させる工程; 試験物質の存在下および非存在下で哺乳動物Asxの転写またはレポーター遺伝 子の転写を定量する工程であって、転写を減少させる試験物質が抗新形成治療の 候補薬物である工程、 を包含する。 哺乳動物Asxと同時に異種コード配列を調節することに使用され得る核酸分子 もまた提供される。これらの配列は、哺乳動物Asx遺伝子の5'非翻訳領域、哺乳 動物Asx遺伝子3'非翻訳領域、哺乳動物Asx遺伝子のプロモーター領域、および哺 乳動物Asx遺伝子のイントロンを含む。 哺乳動物Asx機能のモジュレーターを同定する方法もまた、本発明により提供 される。この方法は以下の工程: 哺乳動物Asx遺伝子、または哺乳動物Asxプロモーターおよびレポーター遺伝子 を含むレポーター構築物を含む哺乳動物細胞と、試験物質とを接触させる工程; 試験物質の存在下および非存在下で哺乳動物Asxまたはレポーター遺伝子の転 写を定量する工程であって、ここで、転写を減少させる試験物質が抗新形成治療 の候補薬物である工程、 を包含する。発明の詳細な説明 本発明者らは、哺乳動物(特にヒト)においてタンパク質発現を調節するよう に作動する、哺乳動物付加性コーム(哺乳動物Asx)遺伝子を発見した。哺乳動 物Asxは、ホメオティック遺伝子発現を制御することにより作動し得る。本発明 は、本発明が働く任意の理論または機構により限定されないが、この遺伝子によ る制御は、転写の負の調節を可能にする多タンパク質複合体を含むと考えられる 。 配列番号2および4に記載の本発明のポリペプチドは、哺乳動物Asx遺伝子の 種々のドメインを含む。配列番号1および3に記載の核酸分子は哺乳動物Asxポ リペプチドをコードし、そして哺乳動物細胞からクローニングされている。配列 番号1のポリヌクレオチドは、配列番号2のポリペプチドをコードし;配列番号 3のポリヌクレオチドは、配列番号4のポリペプチドをコードする。哺乳動物As xの少なくとも6、10、18、20、30、40、50、54、60、65、または75アミノ酸を 含むポリペプチドは、抗体を惹起するための免疫原およびイムノアッセイのコン ペティターとして有用である。それらはまた、抗体を精製するために使用され得 る。少なくとも12、13、15、20、30、40、または50の隣接ヌクレオチドの核酸分 子は、診断アッセイにおける使用のためのプローブとして有用である。 ヒトおよびマウス両方のAsx、ならびにそれらのコード配列が本明細書中で提 供される。マウスAsxとヒトAsxとの間には配列保存が存在する。それらは84%類 似であり、そしてアミノ酸レベルで75%同一である。他の哺乳動物Asxタンパク 質および遺伝子は、哺乳動物種のcDNAライブラリーをマウスまたはヒト配列由来 のプローブを用いてスクリーニングすることにより得られ得る。同様のレベルの 同一性および類似性が他の哺乳動物について予想される。このような技術は当該 分野で周知であり、そして当業者により使用され得る。 ほとんど保存されていると思われる哺乳動物Asxタンパク質のドメインは、ヒ トタンパク質における以下の位置において見出されるドメインである。保存ドメ インは、aa250〜356およびaa1501〜1536である。さらに、アミノ酸2〜11にリジ ンリッチ推定核移動(translocation)配列がある。 ヒトAsx遺伝子は、染色体20q11にマップされている。これはFISHマッピングに より達成された。興味深いことに、この染色体セグメントにもマップされる種々 のガンと関連した多くの染色体異常型がある。 哺乳動物Asxは、発生間の特定の遺伝子の活性化または抑制に寄与することに より、発生に関係する。従って、哺乳動物Asxを治療的に使用して、遺伝子発現 パターンを変化させ、従って細胞の表現型を変化させ得る。従って、例えば、哺 乳動物Asxを使用して、分化した細胞の脱分化を指向し得る。同様に、哺乳動物A sxの阻害は、分化した細胞をあまり分化しないように(すなわち、遺伝子発現の そのパターンを変えるように)指向する。 哺乳動物Asxに基づく治療薬剤が使用され得る増殖性徴候として、再狭窄、良 性前立腺過形成、子宮繊維症、網膜症、乾癬、ケロイド、関節炎、創傷治癒、お よび前ガン状態の損傷(例えば、腸ポリープ、子宮頸形成異常、および脊髄形成 異常を含む)が挙げられる。哺乳動物Asxに基づく治療薬剤で処置可能であり得 る新生物として、肺ガン腫、結腸直腸腺ガン、白血病、バーキットリンパ腫およ びメラノーマが挙げられるが、これらに限定されない。 哺乳動物Asxのコード領域は、治療適用のための哺乳動物Asxの発現および哺乳 動物Asx改変体の開発に使用され得る。哺乳動物Asxコード配列は、哺乳動物Asx の過剰発現が起こる疾患または生物学的障害(例えば、肺ガン腫、結腸直腸腺ガ ン、リンパガン、前骨髄球(promyelocytic)白血病、バーキットリンパ腫、メ ラノーマ、およびミエローマのようなガン)の診断のためのプローブとして使用 され得る。哺乳動物Asxの5'非翻訳領域および3'非翻訳領域はまた、哺乳動物Asx コード配列と同じ効果で診断的に使用され得る。例えば、5'非翻訳領域は単離さ れ、そして組織(例えば、結腸ガン腫が推測される結腸組織)をプローブするた めに使用され得る。哺乳動物Asxは、結腸ガン腫においてアップレギュレートさ れることが示されているので、哺乳動物Asx遺伝子の任意の部分でのプロービン グは、診断を行うための補助として、組織における哺乳動物Asxのアップレギュ レーションを同定し得る。このような診断プローブはまた、処置後および処置の 間の改善の徴候ならびに疾患進行の徴候についての、診断患者の連続的なモニタ リングのために使用され得る。 哺乳動物Asx遺伝子は、哺乳動物Asxのコード領域でゲノムDNAをプローブする ことにより、または哺乳動物Asx DNAの任意のプローブ長片(少なくとも12ヌク レオチド)でゲノムDNAをプローブすることによりクローニングされ、そして単 離され得る。hAsx(ATCC第98426号、CMCC第4738号)を含むゲノムDNAのP1クローン は、American Type Culture Collection,Rockville,MDに寄託されている。ゲ ノムDNAは、全遺伝子配列の配列決定および組み立てのために、クローニングベ クター(例えば、コスミドベクター)にサブクローニングされ得る。哺乳動物As xのプロモーター領域は、遺伝子治療プロトコルにおける哺乳動物Asx発現のため に、ならびに哺乳動物Asx遺伝子機能および調節制御のさらなる分析のために有 用である。哺乳動物Asxプロモーターを活性化する結合転写アクチベーターに特 異的なプロモーター領域配列の知識は、治療目的の哺乳動物Asx発現の改善を容 易にし得る。哺乳動物Asxプロモーター領域は、例えば、結腸ガン腫瘍の処置の ための異種遺伝子の組織特異的発現に有用であり得る。哺乳動物Asxコード領域 のすぐ5'側の領域が、例えば、異常な哺乳動物Asx活性に関連したガンまたは発 生障害に対する診断プローブとして使用され得る。完全長遺伝子、またはその非 コード領域(例えば、プロモーターおよび5'または3'非翻訳領域)は、哺乳動物 Asx cDNAの少なくとも約12ヌクレオチドを含むプローブでゲノムDNAをプローブ し、これらの配列のうちの1つにハイブリダイズするゲノム配列を回収すること により単離され得る。5'非翻訳末端およびプロモーター領域は、例えば、ランダ ムオリゴヌクレオチドおよび既知のコード配列の5'部分を用いたPCRクローニン グによりクローニングされ得る。 本発明のポリペプチドは、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を生成す るためにさらに使用され得る。モノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein(N ature(1975)256:495-86に記載)またはその改変を用いて調製される。哺乳動物As xもしくはそのフラグメントまたはその融合タンパク質に対する抗体は、ポリク ローナルまたはモノクローナルのいずれでも、治療的に使用され得る。それらは 、処置されるべき宿主に望ましく適合する。例えば、ヒト処置のために、抗体は 、ヒトモノクローナル抗体またはヒト化抗体(この用語は当該分野で一般的に公 知である)であり得る。あるいは、単鎖抗体が治療に使用され得る。抗体は、哺 乳動物Asxのポリペプチド活性を拮抗または阻害するように作用し得、そしてま た哺乳動物Asxの発現または過剰発現により特徴づけられる状態(例えば、悪性 腫瘍状態)の診断に有用である。有用な抗体は、哺乳動物Asxに特異的に結合す るが、他のヒトタンパク質には結合しない。抗体がヒト種の哺乳動物Asx特異的 である状態がより好ましい。 哺乳動物Asxの発現は、目的および示された状態に適した任意の発現系により 達成され得る。いくつかの例示的な発現系が以下に列挙される。哺乳動物Asx自 体が治療剤として使用される場合、ポリペプチドは発現され、続いて患者に投与 され得る。あるいは、哺乳動物Asxの少なくとも機能的な部分をコードする遺伝 子が、患者中での発現のために患者に投与され得る。 組換え哺乳動物Asxは、ガンまたは発生障害の診断のための診断方法について 試薬として使用され得る。これは、分化した細胞の集団において脱分化を誘導す るための治療剤としても使用され得る。組換え哺乳動物Asxはまた、所望の治療 効果を達成するための哺乳動物Asxのモジュレーターを開発するために使用され 得る。本発明の任意の組換え分子の構築および発現は、仕事に最も適した任意の 発現系(例えば、以下に記載の発現系を含む)により達成され得る。発現系 以下に記載の方法論は、当業者が本発明を実施し得るための十分な詳細を含ん でいると考えられるが、他の構築物が、例えばSambrookら(1989),MOLECULAR CL ONING:A LABORATORY MANUAL,第2版(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NewYork)に記載の標準的な組換えDNA技術を用いて;そして組換えDNA研 究に関する米国保健社会福祉省、国立衛生研究所(NIH)ガイドラインに記載の現 在の規則の下で構築され、そして精製され得る。本発明のポリペプチドは、任意 の発現系(例えば、細菌、酵母、昆虫、両生類、および哺乳動物系を含む)にお いて発現され得る。細菌における発現系は、Changら,Nature(1978)275:615、Goe ddelら,Nature(1979)281:544、Goeddelら,Nucleic Acids Res.(1980)8:4057、EP 36,776、U.S.4,551,433、deBoerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:21-25、お よびSiebenlistら,Cell(1980)20:269に記載の発現系を含む。酵母における発現 系は、Hinnenら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:1929;Itoら,J.Bacteriol.(1 983)153:163;Kurtzら,Mol.Cell.Biol.(1986)6:142;Kunzeら,J.Basic Microbio l.(1985)25:141;Gleesonら,J.Gen.Microbiol.(1986)132:3459、Roggenkampら, Mol.Gen.Genet.(1986)202:302、Dasら,J.Bacteriol.(1984)158:1165;De Louven courtら,J.Bacteriol.(1983)154:737、Van den Bergら,Bio/Technology(1990)8: 135;Kunzeら,J.Basic Microbiol.(1985)25:141;Creggら,Mol.Cell.Biol.(1985 )5:3376、U.S.4,837,148、US4,929,555;BeachおよびNurse,Nature(1981)300:70 6;Davidowら,Curr.Genet.(1985)10:380,Galllardinら,Curr.Genet(1985)10:49 、Ballanceら,Biochem,Biophys.Res.Commun.(1983)112:284-289;Tilburnら,Gen e(1983)26:205-221.Yeltonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81:1470-1474、K ellyおよびHynes,EMBO J.(1985)4:475479;EP244,234、ならびにWO91/00357に記 載の発現系を含む。昆虫における異種遺伝子の発現は、U.S.4,745,051、Friesen ら(1986)「バキュロウイルス遺伝子発現の調節」:THE MOLECULAR BIOLOGY OF B ACULOVIRUSES(W.Doerfler編)、EP127,839、EP155,476、およびVlakら,J.Gen.Vir ol.(1988)69:765-776、Millerら,Ann.Rev.Microbiol.(1988)42:177、Carbonell ら,Gene(1988)73:409、Maedaら,Nature(1985)315:592-594、Lebacq-Verheydenら ,Mol.Cell.Biol.(1988)8:3129;Smithら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:840 4、Miyajimaら,Gene(1987)58:273;ならびにMartinら,DNA(1988)7:99に記載のよ うに達成され得る。多くのバキュロウイルス株および改変体ならびに宿主からの 対応する許容的な昆虫宿主細胞は、Luckowら,Bio/Technology(1988)6:47-55、Mi llerら,GENERIC ENGINEERING(Setlow,J.K.ら編),第8巻(Plenum Publishing, 1986),277-279頁、ならびにMaedaら,Nature,(1985)315:592-594に記載される。 哺乳動物発現は、Dijkemaら,EMBO J.(1985)4:761,Gormanら,Proc.Natl.Acad.S ci.USA(1982b)79:6777、Boshartら,Cell(1985)41:521、ならびにU.S.4,399,216 に記載されるように達成され得る。哺乳動物発現の他の特徴は、HamおよびWalla ce,Meth.Enz.(1979)58:44、BarnesおよびSato,Anal.Biochem.(1980)102:255、U. S.4,767,704、US4,657,866、US4,927,762、US4,560,655、WO90/103430、WO87/00 195、ならびにU.S.RE30,985に記載のように容易にされ得る。 哺乳動物Asxコード配列を含む構築物または哺乳動物Asxのモジュレーターのコ ード配列を含む構築物は、局所的または全身的のいずれかで、遺伝子治療プロト コルにより投与され得る。これらの構築物は、ウイルスまたは非ウイルスベクタ ーを利用し得、そしてインビボまたはエクスビボまたはインビトロで送達され得 る。このようなコード配列の発現は、内因性哺乳動物プロモーターまたは異種プ ロモーターにより駆動され得る。インビボでのコード配列の発現は、構成的また は調節的であり得る。 遺伝子送達ビヒクル(GDV)は、発現のためのポリヌクレオチドの細胞、組織 、または哺乳動物への送達に利用可能である。例えば、本発明のポリヌクレオチ ド配列は、GDVにおいて局所的または全身的のいずれかで投与され得る。これら の構築物は、インビボまたはエクスビボ様式においてウイルスまたは非ウイルス ベクターアプローチを利用し得る。このようなコード配列の発現は、内因性哺乳 動物プロモーターまたは異種プロモーターを用いて誘導され得る。インビボでの コード配列の発現は、構成的または調節的であり得る。本発明は、意図されるポ リヌクレオチドを発現し得る遺伝子送達ビヒクルを含む。遺伝子送達ビヒクルは 、好ましくはウイルスベクターであり、より好ましくはレトロウイルス、アデノ ウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、またはアルファウイ ルスベクターである。ウイルスベクターはまた、アストロウイルス、コロナウイ ルス、オルソミクソウイルス、パポバウイルス、パラミクソウイルス、パルボウ イルス、ピコルナウイルス、ポックスウイルス、トガウイルスベクターであり得 る。一般的に、Jolly,Cancer Gene Therapy 1:51-64(1994);Kimura,Human Gene Therapy 5:845-852(1994)、Connelly,Human Gene Therapy 6:185-193(1995)、 およ びKaplitt,Nature Genetics 6:148-153(1994)を参照のこと。レトロウイルスベ クターは当該分野で周知であり、そして本発明者らは、任意のレトロウイルス遺 伝子治療ベクター(B、C、およびD型レトロウイルス、異種向性レトロウイル ス(例えば、NZB-X1、NZB-X2、およびNZB9-1(O'Neill,J.Vir.53:160,1985を参照 のこと))、ポリトロピックレトロウイルス(例えば、MCFおよびMCF-MLV(Kelly,J. Vir.45:291,1983を参照のこと)、スプマウイルス、ならびにレンチウイルスを含 む)が本発明において使用可能であることを意図する。RNA Tumor Viruses,第2 版,Cold Spring Harbor Laboratory,1985を参照のこと。 レトロウイルス遺伝子治療ベクターの一部は、異なるレトロウイルスに由来し 得る。例えば、レトロウイルスLTRはマウス肉腫ウイルスに由来し得、tRNA結合 部位はラウス肉腫ウイルスに由来し得、パッケージシグナルはマウス白血病ウイ ルスに由来し得、そして第2鎖合成の起点はトリ白血病ウイルスに由来し得る。 これらの組換えレトロウイルスベクターを使用して、それらを適切なパッケージ ング細胞株に導入することにより、形質導入コンピテントレトロウイルスベクタ ー粒子を生成し得る(1991年11月29日に出願された、米国特許出願第07/800,921 号を参照のこと)。レトロウイルスベクターは、キメラインテグラーゼ酵素のレ トロウイルス粒子への取り込みによる宿主細胞DNAへの部位特異的組込みのため に構築され得る。1995年5月22に出願された、米国特許出願第08/445,466号を参 照のこと。組換えウイルスベクターは複製欠損組換えウイルスであることが好ま しい。上記のレトロウイルスベクターでの使用に適したパッケージング細胞株は 、当該分野で周知であり、容易に調製され(1994年5月9日に出願された米国特 許出願第08/240,030号;WO92/05266もまた参照のこと)、そして組換えベクター 粒子の産生のためのプロデュサー細胞株(ベクター細胞株または「VCL」とも呼 ばれる)を作製するために使用され得る。好ましくは、パッケージング細胞株は 、ヒト血清中での不活化を排除する、ヒト親細胞(例えば、HT1080細胞)または ミンク親細胞株から作られる。レトロウイルス遺伝子治療ベクターの構築のため の好ましいレトロウイルスとして、トリ白血病ウイルス、ウシ白血病ウイルス、 マウス白血病ウイルス、ミンク細胞増殖巣誘導ウイルス、マウス肉腫ウイルス、 網膜内皮症ウイルス、およびラウス肉腫ウイルスが挙げられる。特に好ましいマ ウ ス白血病ウイルスとして、4070Aおよび1504A(HartleyおよびRowe,J.Virol.19:19 -25,1976)、Abelson(ATCC番号VR-999)、Friend(ATCC番号VR-245)、Graffi,Gros s(ATCC番号VR-590)、Kirsten、ハーベイ肉腫ウイルス、ならびにRauscher(ATCC 番号VR-998)およびモロニーマウス白血病ウイルス(ATCC番号VR-190)挙げられる 。このようなレトロウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」) ,Rockville,Marylandのような寄託所または収集所から得られるか、または一般 的に利用可能な技術を用いて公知の供給源から単離され得る。本発明において使 用し得る例示的な公知のレトロウイルス遺伝子治療ベクターとして、GB2200651 ;EP第415,731号;EP第345,242号;PCT公報第WO89/02468号、同第89/05349号、 同第89/09271号、同第90/02806号、同第90/07936号、同第90/07936号、同第94/0 3622号、同第93/25698号、同第93/25234号、同第93/11230号、同第93/10218号、 および同第91/02805号、米国特許第5,219,740号、同第4,405712号、同第4,861,7 19号、同第4,980,289号、および同第4,777,127号、米国特許出願第07/800,921号 、ならびにVile,Cancer Res.53:3860-3864(1993);Vile,Cancer Res.53:962-9 67(1993);Ram,Cancer Res.53:83-88(1993);Takamiya,J.Neurosci.Res.33:49 3-503(1992);Baba,J Neurosurg 79:729-735(1993);Mann,Cell 33:153(1983) ;Cane,Proc Natl Acad Sci 81:6349(1984)、およびMiller,Human Gene Thera py 1(1990)に記載のベクターが挙げられる。ヒトアデノウイルス遺伝子治療ベク ターはまた当該分野で公知であり、そして本発明において使用可能である。例え ば、Berkner,Biotechniques 6:616(1988)およびRosenfeld,Science 252:431(1 991)、ならびにPCT特許公報第WO93/07283号、同第93/06223号、および同第WO93/ 07282号を参照のこと。本発明において使用可能な例示的な公知のアデノウイル ス遺伝子治療ベクターとして、上記の書類ならびにPCT特許公報第WO94/12649号 、同第WO93/03769号、同第WO93/19191号、同第WO94/28938号、同第WO95/11984号 、同第WO95/00655号、同第WO95/27071号、同第WO95/29993号、同第WO95/34671号 、同第WO96/05320号、同第WO94/08026号、同第WO94/11506号、同第WO93/06223号 、同第WO94/24299号、同第WO95/14102号、同第WO95/24297号、同第WO95/02697号 、同第WO94/28152号、同第WO94/24299号、同第WO95/09241号、同第WO95/25807号 、同第WO95/05835号、同第WO94/18922号、および同第WO95/09654号に記載のベク ターが 挙げられる。あるいは、Curiel,Hum.Gene Ther.3:147-154(1992)に記載のような 死滅アデノウイルスに結合したDNAの投与が使用され得る。本発明の遺伝子送達 ビヒクルはまた、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む。本発明における使 用のためのこのようなベクターの主な好ましい例は、Srivastava、PCT特許公報 第WO93/09239号に開示されるAAV-2ベースベクターである。最も好ましいAAVベク ターは2つのAAV逆方向末端反復を含む。ここでネイティブD配列は、少なくと も5つのネイティブヌクレオチドから18のネイティブヌクレオチドまで、好まし くは少なくとも10のネイティブヌクレオチドから18のネイティブヌクレオチドま で、最も好ましくは10のネイティブヌクレオチドが保持され、そしてD配列の残 りのヌクレオチドが欠失されるか、または非ネイティブヌクレオチドで置換され るように、ヌクレオチドの置換により改変される。AAV逆方向末端反復のネイテ ィブD配列は、HP形成に関与しない各AAV逆方向末端反復における20の連続した ヌクレオチドの配列である(すなわち、各末端において1つの配列が存在する) 。非ネイティブ置換ヌクレオチドは、同じ位置においてネイティブD配列で見出 されるヌクレオチド以外の任意のヌクレオチドであり得る。他の使用可能な例示 的なAAVベクターは、pWP-19、pWN-1であり、これらの両方がNahreini,Gene 124 :257-262(1993)において開示される。このようなAAVベクターの他の例は、psub2 01である。Samulski,J.Virol.61:3096(1987)を参照のこと。他の例示的なAAV ベクターは、二重D ITRベクターである。二重D ITRベクターを作る方法は、米国 特許第5,478,745号に開示される。さらに他のベクターは、Carter,米国特許第4 ,797,368号およびMuzyczka,米国特許第5,139,941号、Chartejee,米国特許第5,47 4,935号、ならびにKotin,PCT特許公報第WO94/288157号に開示されるベクターで ある。本発明において使用可能なAAVベクターのなおさらなる例は、AFPエンハン サー(enhance)およびアルブミンプロモーターを含み、そして肝臓において優勢 的に発現を指向する、SSV9AFABTKneoである。その構造およびそれを作る方法は 、Su,Human Gene Therapy 7:463-470(1996)に開示される。さらなるAAV遺伝子 治療ベクターは、米国特許第5,354,678号;同第5,173,414号;同第5,139,941号 ;および同第5,252,479号に記載される。本発明の遺伝子治療ベクターはまた、 ヘルペスベクターを含む。主な好ましい例は、チミジンキナーゼポリペプチドを コー ドする配列を含む単純ヘルペスウイルスベクター(例えば、米国特許第5,288,64 1号およびEP第176,170号(Roizman)に開示されるベクター)である。さらなる例 示的な単純ヘルペスウイルスベクターは、PCT特許第WO95/04139号(Wistar Inst itute)に開示されるHFEM/ICP6-LacZ,Geller,Science 241:1667-1669(1988)な らびにPCT特許公報第WO90/09441号および同第WO92/07945号に記載のpHSVlac、な らびにFink,Human Gene Therapy 3:11-19(1992)に記載のHSV Us3::pgC-lacZ、 ならびにEP第453,242号(Breakefield)に記載のHSV 7134、2 RH 105、およびGAL4 、ならびに受託番号ATCC VR-977およびATCC VR-260としてATCCに寄託されたベク ターを含む。アルファウイルス遺伝子治療ベクターは、本発明において使用され 得る。好ましいアルファウイルスベクターは、シンドビスウイルスベクターであ る。トガウイルス、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR-67;ATCC VR-1247)、ミドル バーグウイルス(ATCC VR-370)、ロスリバーウイルス(ATCC VR-373;ATCC VR-124 6)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR-923;ATCC VR-1250;ATCC VR-1249 ;ATCC VR-532)、ならびに米国特許第5,091,309号および同第5,217,879号、な らびにPCT特許公報第WO92/10578号に記載のベクターである。より詳細には、199 5年3月15日に出願された米国特許出願第08/405,627号および米国特許出願第08/ 198,450号、ならびにPCT特許公報第WO94/21792号、同第WO92/10578号、および同 第WO95/07994号、ならびに来国特許第5,091,309号および同第5,217,879号に記載 のこれらのアルファウイルスベクターが使用可能である。このようなアルファウ イルスは、寄託者またはATCC,Rockville,Marylandのようなコレクションから 得られるか、または一般的に利用可能な技術を用いて公知の供給源から単離され 得る。好ましくは、細胞傷害性が低減したアルファウイルスベクターが使用され る(共同所有米国特許出願第08/679640号を参照のこと)。真核生物層状(layere d)発現系のようなDNAベクター系もまた、本発明の核酸の発現に有用である。真 核生物層状発現系の詳細な記載については、PCT特許公報第WO95/07994号を参照 のこと。好ましくは、本発明の真核生物層発現系は、アルファウイルスベクター に由来し、最も好ましくは、シンドビスウイルスベクターに由来する。本発明に おける使用に適した他のウイルスベクターは、以下のものに由来するベクターを 含む:ポリオウイルス(例えば、ATCC VR-58、ならびにEvans,Nature 339:385( 1989)およ びSabin,J.Biol.Standardization 1:115(1973)に記載のウイルス);ライノウ イルス(例えば、ATCC VR-1110およびArnold,J Cell Biochem(1990)L401に記載 のウイルス);ポックスウイルス(例えば、カナリアポックスウイルス)または ワクシニアウイルス(例えば、ATCC VR-111およびATCC VR-2010、ならびにFishe r-Hoch,Proc Natl Acad Sci 86(1989)317、Flexner,Ann NY Acad Sci 569:86( 1989)、Flexner,Vaccine 8:17(1990);米国特許第4,603,112号および同第4,769, 330号、ならびにWO89/01973に記載のウイルス);SV40ウイルス(例えば、ATCC VR-305、ならびにMulligan,Nature 277:108(1979)およびMadzak,J Gen Vir 73 :1533(1992)に記載のウイルス);インフルエンザウイルス(例えば、ATCC VR-7 97)、ならびに米国特許第5,166,057号ならびにEnami,Proc.Natl.Acad.Sci.87 :3802-3805(1990)、EnamiおよびPalese,J.Virol.65:2711-2713(1991);ならび にLuytjes,Cell 59:110(1989)(McMicheal.,New England J.Med.309:13(1983) 、ならびにYap,Nature 273:238(1978)およびNature 277:108,1979もまた参照の こと)に記載の逆遺伝学技術を用いて作られた組換えインフルエンザウイルス; EP第386,882号およびBuchshacher,J.Vir.66:2731(1992)に記載のヒト免疫不全 ウイルス;麻疹ウイルス(例えば、ATCC VR-67およびVR-1247、ならびにEP第440 ,219号に記載のウイルス);アウラウイルス(例えば、ATCC VR-368);ベバル ウイルス(例えば、ATCC VR-600およびATCC VR-1240);Cabassouウイルス(例 えば、ATCC VR-922);チクングンヤウイルス(例えば、ATCC VR-64およびATCC VR-1241);Fort Morganウイルス(例えば、ATCC VR-924);ゲタウイルス(例 えば、ATCC VR-369およびATCC VR-1243);Kyzylagachウイルス(例えば、ATCC VR-927);マヤロウイルス(例えば、ATCC VR-66);ムカンボウイルス(例えば 、ATCC VR-580およびATCC VR-1244);ヌヅムウイルス(例えば、ATCC VR-371) ;ピクスナウイルス(例えば、ATCC VR-372およびATCC VR-1245);Tonateウイ ルス(例えば、ATCC VR-925);トリニティウイルス(例えば、ATCC VR-469); ユナウイルス(例えば、ATCC VR-374);ワタロアウイルス(例えば、ATCC VR-9 26);Y-62-33ウイルス(例えば、ATCC VR-375);オニオンウイルス、東部脳炎 ウイルス(例えば、ATCC VR-65およびATCC VR-1242);西部脳炎ウイルス(例え ば、ATCC VR-70、ATCC VR-1251、ATCC VR-622、およびATCC VR-1252);ならびに コロナウイルス(例えば、ATCC VR-740およびHamre,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.12 1:190(1966)に記載のウイルス)。本発明の組成物の細胞への送達は、上記のウ イルスベクターに限定されない。他の送達方法および媒体(例えば、核酸発現ベ クター、死滅アデノウイルス単独に結合したまたは結合していないポリカチオン 性縮合DNA(例えば、1994年12月30日に出願された米国特許出願第08/366,787号お よびCuriel Hum Gene Ther 3:147-154(1992)を参照のこと)、リガンド結合DNA( 例えば、Wu,J.Biol.Chem.264:16985-16987(1989)を参照のこと)、真核生物細 胞送達ビヒクル細胞(例えば、1994年5月9日に出願された米国特許出願第08/2 40,030号および米国特許出願第08/404,796号を参照のこと)、光重合化ヒドロゲ ル物質の沈着、米国特許第5,149,655号に記載されるような手に持つ(hand-held) 遺伝子導入パーティクルガン、米国特許第5,206,152号およびPCT特許公報第WO92 /11033に記載されるような電離放射線、核電荷中和、または細胞膜との融合)が 使用され得る。さらなるアプローチは、Philip,Mol.Cell.Biol.14:2411-2418(1 994)およびWoffendin,Proc.Natl.Acad.Sci.91:1581-585(1994)に記載される。 粒子媒介遺伝子導入が使用され得る(例えば、米国仮出願第60/023,867号を参照 のこと)。簡単には、配列は、高レベル発現のための従来の制御配列を含む従来 のベクターに挿入され、次いで、細胞標的リガンド(例えば、WuおよびWu,J.Bi ol.Chem.262:4429-4432(1987)に記載されるようなアシアロオロソムコイド(asia loorosomucoid)、Hucked,Biochem.Pharmacol.40:253-263(1990)に記載されるよ うなインシュリン、Plank,Bioconjugate Chem 3:533-539(1992)に記載されるガ ラクトース、ラクトース、またはトランスフェリン)に結合した合成遺伝子導入 分子(例えば、ポリリジン、プロタミンおよびアルブミンのようなポリマー性DN A結合カチオン)とともにインキュベートされ得る。裸のDNAもまた使用され得る 。例示的な裸のDNAの導入方法は、PCT特許公報第WO90/11092号および米国特許第 5,580,859号に記載される。取り込み効率は、生分解性ラテックスビーズを用い て改善され得る。DNAコートラテックスビーズは、ビーズによるエンドサイトー シス開始後に細胞に効率的に輸送される。この方法は、疎水性を増大させ、それ によりエンドソームの破裂および細胞質へのDNAの放出を容易にするためのビー ズの処理によりさらに改善され得る。遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポ ソ ームは、米国特許第5,422,120号、PCT特許公報WO95/13796号、同第WO94/23697号 、および同第WO91/144445号、ならびにEP第524,968号に記載される。共同所有米 国仮出願第60/023,867号において記載されるように、非ウイルス送達において核 酸配列は、高レベル発現のための従来の制御配列を含む従来のベクターに挿入さ れ、次いで、合成遺伝子導入分子(例えば、アシアロオロソムコイド、インシュ リン、ガラクトース、ラクトース、またはトランスフェリンのような細胞標的リ ガンドに結合したポリリジン、プロタミンおよびアルブミンのようなポリマー性 DNA結合カチオン)とインキュベートされ得る。他の送達系は、種々の組織特異 的プロモーターまたは偏在的に活性なプロモーターの制御下の遺伝子を含むDNA をカプセル化するためのリポソームの使用を含む。使用に適切なさらなる非ウイ ルス送達は、機械的送達系(例えば、Woffendinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 9 1(24):11581-11585(1994)に記載のアプローチ)を含む。さらに、コード配列お よびそれらの発現産物は、光重合化ヒドロゲル物質の沈着により送達され得る。 コード配列の送達に使用され得る遺伝子送達のための他の従来方法は、例えば、 米国特許第5,149,655号に記載の手に持つ遺伝子導入パーティクルガンの使用; 米国特許第5,206,152号およびPCT特許公報第WO92/11033号に記載の導入遺伝子を 活性化するための電離放射線の使用を含む。例示的なリポソームおよびポリカチ オン遺伝子送達ビヒクルは、米国特許第5,422,120号および同第4,762,915号、PC T特許公報第WO95/13796号、同第WO94/23697号および同第WO91/14445号、EP第524 ,968号、ならびにStryer,Biochemistry,236-240頁(1975)、W.H.Freeman,San Francisco,Szoka,Biochem.Biophys.Acta.600:1(1980):Bayer,Biochem.Biophy s.Acta.550:464(1979);Rivnay,Meth.Enzymol.149:119(1987);Wang,Proc.Nat l.Acad.Sci.84:7851(1987);およびPlant,Anal.Biochem.176:420(1989)に記載 のものを含む。 試験化合物は、哺乳動物Asxの発現を増加または減少させる能力を試験するこ とにより、候補モジュレーターとして試験され得る。候補モジュレーターは、候 補物の種々の可能な供給源(例えば、ペプチド、ペプトイド、低分子、ポリペプ チド、抗体、ポリヌクレオチド、低分子、アンチセンス分子、リボザイム、cRNA 、cDNAのライブラリー、ファージディスプレイにより示されるポリペプチド)の い ずれかに由来し得る。候補物のいくつかの例示的かつ可能な供給源(ペプチド、 ペプトイド、および低分子の合成ライブラリーを含む)を以下に記載する。例示 的な発現系は、cRNAまたはcDNAライブラリー(これはまた、哺乳動物Asx活性ま たは発現を調整する能力についてスクリーニングされ得る)を作製するために使 用され得る。哺乳動物Asx発現または活性をアゴナイズする能力についてスクリ ーニングされる候補分子は、前駆細胞集団における分化の誘導に有用であり得る 。低分子は、哺乳動物Asxが哺乳動物Asxの正常機能において通常相互作用する、 他の分子と相互作用する哺乳動物Asx能力を増強または妨害することにより、哺 乳動物Asx発現に影響するか、または哺乳動物Asx機能に影響するかのいずれかの 能力についてスクリーニングされ得る。 哺乳動物Asxペプチドモジュレーターは、任意の利用可能な方法を用いてスク リーニングされる。アッセイ条件は、理想的には、哺乳動物Asx調整がインビボ で示される条件(すなわち、生理学的pH、温度、イオン強度など)に似せるべき である。適切なアンタゴニストは、被験体において毒性副作用を引き起こさない 濃度で哺乳動物Asx発現または活性の強力な阻害を示す。本明細書中で哺乳動物A sxモジュレーターとして使用され得るさらなる代替の薬剤は、低分子アンタゴニ ストである。低分子は設計され、そして哺乳動物Asxを調整する能力について合 成候補物のプールからスクリーニングされ得る。タンパク質およびポリペプチド のインヒビターとして作用し得る、ペプチドアナログおよび誘導体を含む広範な 種々の低分子が存在する。これらの分子のライブラリーは、哺乳動物Asxの活性 または発現を阻害する化合物についてスクリーニングされ得る。同様に、リボザ イムは、リボザイムの特殊な生物学的または生化学的特性を考慮して、リボザイ ムに適切なアッセイにおいてスクリーニングされ得る。哺乳動物Asx発現に影響 するアッセイは、哺乳動物Asxメッセージまたはタンパク質を直接測定し得るか 、または哺乳動物Asxプロモーターおよび/または5'非翻訳領域(UTR)の制御下に あるレポーター遺伝子の発現を測定し得る。 哺乳動物Asxまたは哺乳動物Asxのモジュレーターは、異常な細胞増殖により特 徴付けられる状態(ここで、異常な哺乳動物Asx遺伝子発現、特に過度の哺乳動 物Asx活性または哺乳動物Asx活性により制御もしくは誘導される過度の活性が関 連する)を示す患者に投与され得る。モジュレーターは、モジュレーターに対す る薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物に取り込まれ得る。適切なキ ャリアは、大きな、緩除に代謝される巨大分子(例えば、タンパク質、多糖、ポ リ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活 性ウイルス粒子)であり得る。このようなキャリアは、当業者に周知である。薬 学的に受容可能な塩(例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン 酸塩、硫酸塩など);および有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロ ン酸塩、安息香酸塩など)が本明細書中で使用され得る。薬学的に受容可能な賦 形剤の詳細な考察は、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Pub.Co.,N.J .1991)において入手可能である。治療組成物中の薬学的に受容可能なキャリアは 、水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノールのような液体を含み得る。 さらに、補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化物質等)がこのよう なビヒクルに存在し得る。代表的に、治療組成物は、液体溶液または懸濁液のい ずれかのような注射可能物質として調製される;注射前の液体ビヒクル中の溶液 または懸濁液に適した固体形態もまた調製され得る。 リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの定義内に含まれる。用語「リポ ソーム」は、例えば、米国特許第5,422,120号、WO95/13796、WO94/23697、WO91/ 14445、およびEP524,968B1に記載のリポソーム組成物をいう。リポソームは、本 発明のペプチド、ポリペプチド、もしくはポリヌクレオチドのための、またはこ れらの治療剤の組み合わせのための薬学的キャリアであり得る。 本発明の任意の治療剤(例えば、患者における発現のためのポリヌクレオチド 、またはリボザイムまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド)は、当該分野で公 知の方法に従って腸溶性コート錠剤またはゲルカプセルに処方され得る。これら は、以下の特許:US4,853,230、EP225,189、AU9,224,296、AU9,230,801,および WO92144,52に記載される。このようなカプセルは経口投与されて、空腸に標的化 される。経口投与の1〜4日後に、例えば、リボザイムまたはアンチセンスオリ ゴヌクレオチドによるポリペプチド発現または発現阻害は、例えば、発現または 非発現タンパク質に対する抗体により血漿および血液中で測定される。 本発明の治療薬剤(例えば、哺乳動物Asxモジュレーターを含む)の投与は、 患者における所望の効果を誘導するために有効であると考慮されるまたは経験的 に推測される手段により、治療的有効用量の治療薬剤を投与することを含む。用 量および投与手段の両方は、治療剤の特定の量、患者の状態、疾患の進行、およ び他の関連因子に基づいて決定され得る。本発明の治療薬剤の投与は、局所的ま たは全身的投与(注射、経口投与、パーティクルガンまたはカテーテル投与、お よび局所的投与を含む)を含み得る。本発明の治療剤は、患者の処置のための治 療的に有効なプロトコルのプロセスにおいて治療的に有効な投薬量および量で投 与され得る。投与される最初および後のいずれかの投薬量は、患者の年齢、体重 、状態、および処置される疾患、障害、または生物学的状態に依存する。治療に 依存して、投与のための投薬量およびプロトコルは変化し、そして投薬量はまた 、選択される投与方法(例えば、局所的または全身的投与)に依存する。 ポリペプチド治療剤(例えば、ドミナントネガティブ哺乳動物Asxポリペプチ ドまたは哺乳動物Asxのポリペプチドモジュレーター)について、投薬量は、約 5μg〜約50μg/kg患者体重の範囲であり得、約50μg〜約5mg/kg患者体重の 範囲でもあり得、約100μg〜約500μg/kg患者体重の範囲でもあり得、そして 約200μg〜約250μg/kg患者体重の範囲でもあり得る。 ポリヌクレオチド治療剤について、患者におけるポリヌクレオチドの発現に依 存して、組織標的化投与のために、哺乳動物Asxコード配列もしくはモジュレー ターコード配列、または非コード配列を含む発現構築物を含むベクターは、遺伝 子治療プロトコルにおける局所的投与について、約100ng〜約200mg DNAの範囲で 投与され得、約500ng〜約50mgの範囲でも投与され得、約1μg〜約2mg DNAの 範囲でも投与され得、約5μg DNA〜約500μgDNAの範囲で投与され得、そして 遺伝子治療プロトコルにおける局所的投与の間に約20μg〜約100μgで投与さ れ得、そして例えば、注射または投与当たり約500μgの投薬量で投与され得る 。 触媒機構により作用する非コード配列(例えば、触媒的に活性なリボザイム) は、例えばアンチセンス分子の場合と同様に、化学量論の制限に科せられる非コ ード配列より少ない用量を必要とし得るが、リボザイムの発現制限は患者におけ る効力を達成するためにインビボで発現されるリボザイムの投薬量要求を再び生 じ得る。従って、形質転換および発現の作用方法および効力のような因子は、DN Aおよび核酸の最終的な効力に必要とされる投薬量をもたらす要件である。より 大きな発現が所望される場合、より広い領域の組織、より多量のDNAもしくは連 続する投与プロトコルにおいて再投与される同じ量、または例えば、腫瘍部位の 異なる隣接もしくは近接した組織部分へのいくつかの投与が、ポジティブな治療 結果をもたらすために必要とされ得る。 哺乳動物Asxポリペプチド活性の低分子モジュレーターの投与について、低分 子の効能に依存して、投薬量は変化し得る。非常に強いインヒビターについては 、患者1キログラムあたり1マイクログラム(μg)量が、例えば、約1μg/k g患者体重〜約500mg/kg患者体重の範囲、および約100μg/kg患者体重〜約5mg/ kg患者体重の範囲,および約1μg/kg患者体重〜約50μg/kg患者体重の範囲、 および例えば、約10μg/kgで十分であり得る。ペプチドおよびペプトイドの投 与について、効能はまた投薬量に影響し、そして約1μg/kg患者体重〜約500mg /kg患者体重の範囲、および約100μg/kg患者体重〜約5mg/kg患者体重の範囲, および約1μg/kg患者体重〜約50μg/kg患者体重の範囲であり得、そして通常 の用量は約10μg/kgであり得る。 全ての場合において、臨床試験における日常的な実験は、各治療剤、各投与プ ロトコルについて最適治療効果のための特定の範囲を決定し、そして特定の患者 への投与はまた、患者の状態および最初の投与に対する応答に依存して、有効か つ安全な範囲内で調節される。 Asx配列についての診断アッセイは、Asx転写物のアップレギュレーションを示 すガン(特に、リンパ腫、メラノーマ、および腺ガン)に適用され得る。このよ うな診断は、患者組織をプローブして、Asx転写物のアップレギュレーションを 測定するために、Asx遺伝子の任意の部分(遺伝子の3'および5'非翻訳領域を含 む)を用いて達成され得る。 哺乳動物Asxの増大した発現が関連する状態(例えば、前骨髄球性白血病、慢 性骨髄性白血病、リンパ芽球白血病、バーキットリンパ腫、結腸直腸腺ガン、メ ラノーマ、およびリンパ腫の場合)のための治療薬剤投与には、哺乳動物Asx遺 伝子の任意の部分から生成された哺乳動物Asxプローブを用い、そして疑いのあ る組織をプローブする、状態の診断が先行し得る。WO 92/02526またはU.S.5,451 , 503およびU.S.4,775,619に記載のように、哺乳動物Asx遺伝子配列または哺乳動 物Asx mRNA配列に対するbDNAプローブを用いたbDNA技術が、使用され得る。 一旦診断が完了すると、処置は遺伝子治療プロトコルによる、または局所的も しくは全身的投与を含む他の手段による投与による、哺乳動物Asxポリヌクレオ チドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与、哺乳動物Asxモジュレータ ー(例えば、哺乳動物Asx特異的リボザイム)、または遺伝子改変した哺乳動物A sx改変体(例えば、ドミナントネガティブ哺乳動物Asx)、または低分子もしく はペプチドもしくはペプトイド哺乳動物Asxモジュレーター、またはこれらの潜 在的な治療剤の任意の組み合せの投与を含み得る。患者は、続いて、罹患組織の 哺乳動物Asxプローブでの定期的な再プロービングによりモニターされ得る。 哺乳動物Asx変異が関連しないガンにおいてさえも、哺乳動物Asxダウンレギュ レーションまたは哺乳動物Asx機能の阻害は、治療的適用を有し得る。これらの ガンにおいて、哺乳動物Asx発現の減少または哺乳動物Asx機能の阻害は、腫瘍を 抑制するのを助け得る。同様に、哺乳動物Asx発現が異常でない腫瘍においてさ えも、哺乳動物Asxダウンレギュレーションまたは哺乳動物Asx活性の減少をもた らすことは、転移を抑制し得る。 本発明のさらなる目的、特性、および利点は、詳細な説明より明らかになる。 しかし、詳細な説明は、本発明の好ましい実施態様を示しているが、例示のみの ために与えられることを理解すべきである。なぜなら、本発明の精神および範囲 内の種々の変化および修飾がこの詳細な説明から当業者には明らかになるからで ある。定義 本明細書中で使用する「核酸分子」または「ポリヌクレオチド」は、特定のア ミノ酸配列をコードするRNAもしくはDNA分子のいずれかまたはその相補鎖をいう 。核酸分子はまた、非コード配列(例えば、リボザイム、アンチセンスオリゴヌ クレオチド、または遺伝子の非翻訳部分)であり得る。本明細書中で使用する「 コード配列」は、特定のアミノ酸配列をコードするRNAもしくはDNA分子のいずれ かまたはその相補鎖をいう。ポリヌクレオチドは、例えば、アンチセンスオリゴ ヌクレオチドまたはリボザイムを含み得、そしてまた遺伝子の3'もしくは5'非翻 訳 領域、または遺伝子のイントロン、または遺伝子のコード領域を構成しない遺伝 子の他の領域のような項目を含み得る。DNAまたはRNAは、一本鎖または二本鎖で あり得る。合成核酸または合成ポリヌクレオチドは、化学的に合成された核酸配 列であり得、そしてまた分子を分解に対して耐性にするように化学部分で修飾さ れ得る。合成核酸は、例えば、リボザイムまたはアンチセンス分子であり得る。 合成核酸分子に対する修飾は、核酸モノマーまたはその誘導体もしくは修飾(化 学部分を含む)を含む。例えば、ホスホロチオエートは、修飾のために使用され 得る。ポリヌクレオチド誘導体は、例えば、分枝DNA(bDNA)のようなポリヌクレ オチドを含み得る。ポリヌクレオチドは、合成または組換えポリヌクレオチドで あり得、そして例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅または相補DNAもしく はRNAの組換え発現、または化学合成により生成され得る。哺乳動物Asxポリヌク レオチドは、マウスまたはヒトhAsx配列のいずれかと少なくとも70%、そして好 ましくは少なくとも75、80、85、90、または95%の同一性を共有する。これらは 、とりわけ、ストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件下でのマウスま たはヒトAsxプローブのハイブリダイゼーションにより得られ得る。対立遺伝子 改変体を含む配列ならびに遺伝コードの縮重により異なる配列が、哺乳動物、ヒ トおよびマウスAsxの定義内に含まれる。 本明細書中で使用する用語「機能的部分」は、哺乳動物Asxの活性の少なくと も50%を保持する哺乳動物Asx野生型分子の部分をいう。これはまた、分子の活 性に対して有害な影響を有さない、単一の塩基置換、欠失、または挿入を有する 哺乳動物Asx遺伝子の部分を含む。少なくとも50%の活性を保持する哺乳動物Asx の短縮、Asxのフラグメント、およびAsxのフラグメントの組み合せが意図される 。このようなhAsxの部分はまた、例えば、遺伝子融合において、他のタンパク質 に融合され得る。 本明細書中で使用する用語「機能的」は、ガンまたは分化において機能的な遺 伝子をいう。その発現が、直接または間接的に、分化、有糸分裂、腫瘍形成、転 移などに特異的に関連した事象を引き起こす場合に、分子は機能的である。 本明細書中で使用する用語「調整する」は、別の分子の機能または発現を変化 させる分子の能力をいう。従って、調整するは、例えば、阻害する、拮抗する、 作用する(agonize)、アップレギュレートする、ダウンレギュレートする、誘 導する、または抑制することを意味し得る。モジュレーターは、その標的の機能 を変化させる能力を有する。このような変化は、タンパク質の転写、翻訳、発現 、または機能の任意の段階で達成され得、その結果、例えば、哺乳動物Asxの調 整は、遺伝子のDNA、RNA、およびタンパク質産物の調整により達成され得る。標 的(例えば、哺乳動物Asx)の機能の調整は、次に、そうでなければ哺乳動物Asx に会合しそして相互作用するか、もしくは応答する遺伝子およびタンパク質の機 能、または機能に導く経路を、調整するか、変化させるか、または影響すると想 定される。 「悪性腫瘍」は、細胞増殖が最終的に宿主に有害である任意の増殖性障害を含 む。ガンは、悪性腫瘍を示す増殖性障害の例である。新形成は、悪性であっても なくても、非制御細胞増殖を経験する細胞の状態である。 本明細書中で使用する「調節配列」は、遺伝子配列がそれをその制御に供する ような位置に配置された場合に、遺伝子配列の発現(その転写または翻訳を含む )に影響し得るか、またはそれをもたらし得る1つ以上のエレメントをコードす る核酸配列をいう。このような調節配列は、例えば、最小プロモーター配列、完 全プロモーター配列、エンハンサー配列、上流活性化配列(「UAS」)、オペレー ター配列、下流終結配列、ポリアデニル化配列、翻訳の開始を最適化する最適5' リーダー配列、およびシャイン-ダルガノ配列であり得る。あるいは、調節配列 は、エンハンサー/プロモーターエレメントの組み合せを含み得る。本発明の構 築物の発現に適切な調節配列は、構築物が発現されるべき宿主系に依存して異な る。本明細書における使用のために適切な調節配列の選択は、当業者の能力内で ある。例えば、原核生物において、このような調節配列は、プロモーター配列、 リボソーム結合部位、および転写終結配列の1つ以上を含み得る。真核生物にお いて、例えば、このような配列は、プロモーター配列および/または転写終結配 列の1つ以上を含み得る。発現に必要とされる調節配列の任意の必要な成分が、 ポリヌクレオチド構築物において欠けている場合、このような成分は、ポリヌク レオチド構築物が発現のために挿入され得るベクターにより供給され得る。本明 細書における使用に適した調節配列は、任意の供給源(原核生物供給源、真核生 物供給源、ウイルス、ウイルスベクター、バクテリオファージを含む)または線 状もしくは環状プラスミドに由来し得る。調節配列の例は、HIV長末端反復(「L TR」)のU3およびR領域に位置するヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)プロモータ ーである。あるいは、本明細書中の調節配列は、合成配列(例えば、1つの遺伝 子のUASと別の遺伝子由来の必須プロモーターの残りとを組み合わせることによ り作られた配列(例えば、GADP/ADH2ハイブリッドプロモーター))であり得る 。 用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、「ポリペプチド誘導体」ならびにそ の修飾物および改変体は、本明細書中で、上記で定義されるような本発明のポリ ヌクレオチド構築物の発現産物をいう。この用語は、その短縮物、改変体、対立 遺伝子、アナログ、および誘導体をさらに含む。特に他に言及されない限り、こ のような哺乳動物Asxポリペプチドは、本明細書中で見出されるような哺乳動物A sxタンパク質の1つ以上の生物活性を有する。この用語は、特定の長さの嘘乳動 物Asx遺伝子の産物に限定されない。従って、ヒトまたは非ヒト供給源のいずれ に由来しても、哺乳動物Asxタンパク質または成熟哺乳動物Asxタンパク質と同一 であるかまたは、少なくとも70%、そしてより好ましくは75%、そして最も好ま しくは80、85、90、または95%の同一性を含むポリペプチドは、哺乳動物Asxポ リペプチドのこの定義内に含まれる。従って、アミノ酸置換、欠失、または挿入 を含む哺乳動物Asx遺伝子の産物の改変体および対立遺伝子もまた含まれる。ア ミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、または非必須アミノ酸残基を排除する置換 (例えば、グリコシル化部位、リン酸化部位、アセチル化部位を変える置換、ま たは機能に必要でないシステイン残基の位置を変えることによりフォールディン グパターンを変える置換など)であり得る。保存的アミノ酸置換は、置換される アミノ酸の全般的な電荷、疎水性/親水性および/または立体的な大きさを保存 する置換であり、例えば以下の群のメンバー間の置換が保存的置換である:Gly/ Ala、Val/Ile/Leu、Asp/Glu、Lys/Arg、Asn/Gln、Ser/Thr/Cys、およびPhe/Trp/ Tyr。アナログは、哺乳動物Asxタンパク質様活性を有する、1つ以上のペプチド 模倣物(ペプトイドとしても知られる)を有するペプチドを含む。例えば、天然 および非天然の両方の、1つ以上のアミノ酸のアナログ(例えば、非天然アミノ 酸などを含む)を含むポリペプチド、置換された結合を有するポリペプチド、な らびに当該分野で公知の他の修飾が定義内に含まれる。用語「哺乳動物Asx」は また、ポリペプチドの発現後修飾(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸 化、ミリスチル化、ファルネシル化、パルミトイル化など)を含み得る。 本明細書中で使用する用語「ポリペプチドフラグメント」は、完全長のタンパ ク質をコードしないが、タンパク質領域と同一であるポリペプチド配列をいう。 フラグメントは、それが由来するポリペプチド領域の機能的局面を保持するよう に設計される。2つのフラグメントは、機能を提供するために協同し得る。同じ 遺伝子の2つの異なるポリペプチドフラグメントは、その遺伝子の発現されるス プライス改変体を示し得るが、このポリペプチドスプライス改変体産物の機能性 および発現は、同様の生物学的状態において生じ得、そして少なくとも部分的に 機能に関連し得る。 ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに関して本明細書中で使用する用語「誘 導体」は、それに対する誘導体であるポリペプチドまたはポリヌクレオチドの少 なくとも50%の機能性を保持するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを意味す る。それらは、例えば、基礎の核酸分子の部位特異的変異誘発により、ヌクレオ チドまたはアミノ酸の欠失、置換、挿入、または反転により種々に改変され得る 。ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの誘導体はまた、そのフラグメントまた はフラグメントの組み合せであり得る。いずれの場合においても、誘導体または フラグメントは、少なくともいくらかの、そして好ましくは全てのそれが由来す るポリペプチド機能を保持する。 本明細書中で使用する「単離されたポリペプチド」または「単離されたポリヌ クレオチド」は、それぞれ、分子生物学、生化学、および遺伝子治療の当該分野 の状態の技術を用いてヒトにより操作された環境においてインビボまたはインビ トロで産生されたポリペプチドまたはポリヌクレオチドをいう。例えば、単離さ れたポリペプチドは、自動化ペプチドまたはポリペプチド合成により無細胞系に おいて、ポリペプチドおよび宿主細胞における発現のための調節配列をコードす る核酸配列で形質転換された異種宿主細胞において、およびポリペプチドのコー ド配列が動物における発現のために導入された動物において産生され得る。ポリ ペプチドまたはポリヌクレオチドは、天然の産物として細胞内のその天然状態で 存在しない程度まで、本明細書中の目的のために「単離」される。例えば、この ような単離されたポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、10%純粋、20%純粋 、またはより高度の純度(例えば、50%、75%、85%、または90%)であり得る 。 「状態を有する患者」に関して本明細書中で使用する用語「状態」は、生物学 的関係における分子系および細胞系の特定の状態をいう。生物学的関係は、生命 を有すると考えられる任意の生物を含み、そして本発明の目的のために、以下の 生物または群を含むが、それらに限定されない:動物、哺乳動物、ヒト、および 脊椎動物。生物学的状態は、例えば、同定可能な徴候または指標により特徴づけ られてもよいし、または特徴づけられなくてもよい、疾患または医学的状態を含 み得る。「異常な細胞増殖により特徴づけられる状態」は、恐らくガン状態であ るが、生物の発生において生じる状態でもあり得る。 本明細書中で使用する用語「モジュレーター」は、ポリペプチドの内因性活性 を変え得る任意の部分を記載する。モジュレーター活性は、例えば、細胞内また は細胞外の転写、翻訳、発現、分泌、またはポリペプチド活性の調整のレベルで の調整を含み得る。調整は、例えば、阻害、拮抗、および作用を含み、そして調 整は、例えば、経路における最終的な活性をもたらす上流もしくは下流効果の調 整、またはその活性が変えられるようなポリペプチドの立体配置の調整を含み得 る。調整は、一過的または恒久的であり得、そして用量依存的効果であり得る。 本明細書中での使用のための用語「インヒビター」は、ポリペプチド活性の任 意のインヒビターであり得る。このカテゴリーは、哺乳動物Asxの任意の本明細 書中に記載のアンタゴニストを含み得るが、それらに限定されない。哺乳動物As xインヒビターは、抗体に基づく哺乳動物Asxアンタゴニストもしくはそのポリペ プチドフラグメント、ペプチド哺乳動物Asxアンタゴニスト、ペプトイド哺乳動 物Asxのアンタゴニスト、または低分子哺乳動物Asxアンタゴニストであり得る。 ポリペプチドインヒビターは、ポリペプチドのcDNA、cRNA、またはファージディ スプレイライブラリーからスクリーニングされるものであり得る。インヒビター は、ポリヌクレオチド(例えば、リボザイムまたはアンチセンスオリゴヌクレオ チド)であり得るか、またはこれらの誘導体であり得る。いくつかのインヒビタ ーは転写で、いくつかは翻訳で、そしていくつかは成熟タンパク質に対して作用 することが期待される。しかし、本発明の目的のための哺乳動物Asxのこのよう なインヒビターの使用および適性は、インヒビターの作用機構のいかなる理論に も限定されない。本発明の目的のためには、インヒビターが哺乳動物Asxの活性 を阻害することが十分である。 本明細書中で使用する用語「アンタゴニスト」は、ポリペプチド自体をブロッ クすることによるか、あるいはポリペプチドをコードする遺伝子の転写をブロッ クするか、または遺伝子の転写産物もしくは翻訳産物を妨害するかもしくは破壊 するかのいずれかにより、ポリペプチドの低減した発現を引き起こすことによる かのいずれかでポリペプチドの活性を阻害またはブロックする分子をいう。アン タゴニストは、例えば、低分子、ペプチド、ペプトイド、ポリペプチド、または ポリヌクレオチドであり得る。ポリヌクレオチドは、例えば、リボザイム、アン チセンスオリゴヌクレオチド、またはコード配列であり得る。 本明細書中で使用する用語「アゴニスト」は、標的ポリペプチドの活性を模倣 する分子をいう。例えば、哺乳動物Asxの場合、アゴニストは、哺乳動物Asxの転 写の負の調節能力を模倣し得る。アゴニストは、例えば、低分子、ペプチド、ペ プトイド、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり得る。 用語「薬学的組成物」は、治療薬剤(例えば、抗体もしくはポリペプチド、ま たはインヒビターもしくは遺伝子および本明細書中に列挙される他の治療薬剤) のインビボでの投与のための組成物をいい、そしてそれ自体は組成物を受ける個 体に対して有害な抗体の産生を誘導せず、そして過度な毒性なしに投与され得る 任意の薬学的キャリアをいう。 本明細書中で使用する用語「有効量」は、所望の効果を誘導するのに有効な量 をいう。効果が治療的効果である場合、有効量は、治療目標(例えば、腫瘍後退 、腫瘍マーカー低減、またはガン細胞の低減もしくは増殖遅延を示すガンの他の 徴候からの正の徴候を達成する量である。治療薬剤が例えば、哺乳動物Asxのア ンタゴニストである場合、有効量のアンタゴニストは、細胞集団間で哺乳動物As x活性を拮抗する量である。有効である量は、部分的に、有効性を決定するため に選択される徴候に依存し、そして求められる効果に依存する。 本発明の治療薬剤の投与は、治療的有効量の本発明の薬剤の投与を含む。本明 細書中で使用する用語「治療的有効量」は、本発明の組成物の投与により処置可 能な状態を処置または予防するための治療薬剤の量をいう。この量は、検出可能 な治療的または予防的または改善的効果を示すのに十分な量である。この効果は 、例えば、本明細書中に列挙される状態の処置または予防を含み得る。被験体に 対する正確な有効量は、被験体の大きさおよび健康、処置される状態の性質およ び程度、処置をする医師の推奨、ならびに投与に選択される治療剤または治療剤 の組み合せに依存する。従って、前もって正確な有効量を特定することは有用で はない。しかし、所定の状況についての有効量は、日常的な実験により決定され 得る。投与は、ポリペプチドの投与を含み得、そしてポリペプチドが、ポリペプ チドをコードするポリヌクレオチドの投与により動物において発現されるように する。 本明細書中の「組換えベクター」は、細胞における本明細書中のポリヌクレオ チドの移入または発現のための任意のベクター(例えば、ウイルスベクター、非 ウイルスベクター、プラスミドベクター、ならびに異種宿主および発現系の調節 配列に由来するベクターを含む)をいう。 用語「インビボ投与」は、哺乳動物における発現のための、ポリペプチドをコ ードするポリヌクレオチドの哺乳動物への投与をいう。特に、直接的インビボ投 与は、哺乳動物から細胞を取り出すことなく、哺乳動物の細胞をコード配列でト ランスフェクトすることを含む。従って、直接的インビボ投与は、悪性腫瘍また は増殖性障害を患う領域における目的のポリペプチドをコードするDNAの直接注 射(これは哺乳動物の細胞における発現をもたらす)を含み得る。 用語「エクスビボ投与」は、細胞が哺乳動物から取り出された後に、細胞(例 えば、悪性であるかまたは増殖している細胞集団由来の細胞)をトランスフェク トすることをいう。トランスフェクション後、次いで、細胞は哺乳動物において 置きかえられる。エクスビボ投与は、哺乳動物から細胞を取り出し、必要に応じ て形質転換する細胞(すなわち、悪性であるかまたは増殖している細胞)を選択 して、選択した細胞を複製不能にし、選択した細胞を発現のための遺伝子(すな わち、哺乳動物Asx)(発現を容易にするための調節領域もまた含む)をコード するポリヌクレオチドで形質転換し、そして哺乳動物Asxの発現のために形質転 換細胞を哺乳動物に戻すことにより達成され得る。 「生物学的に活性」は、特定の活性を保持する分子をいう。例えば、生物学的 に活性な哺乳動物Asxポリペプチドは、例えば、ホメオティック遺伝子またはホ メオティック遺伝子群の制御を含む活性を保持する。 本明細書中で使用する「哺乳動物細胞」は、宿主細胞として本発明において有 用な真核生物細胞のサブセットをいい、そしてヒト細胞および動物細胞(例えば 、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、マウス、ヤギ、ブタなど由来の細胞)を含 む。使用される細胞は遺伝子未改変であり得るか、または例えば、適切な発現ベ クター、マーカー遺伝子などでの形質転換により遺伝子改変され得る。本発明の 方法に適した哺乳動物細胞は、目的の遺伝子を発現し得る任意の哺乳動物細胞で あるか、あるいは本発明の方法において有用なcDNAライブラリー、cRNAライブラ リー、ゲノムDNAライブラリー、または任意のタンパク質もしくはポリペプチド を発現し得る任意の哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞はまた、アメリカンタイ プカルチャーコレクション(ATCC)から入手可能な不死化細胞株のような細胞株由 来の細胞を含む。このような細胞株は、例えば、ラット褐色細胞腫(PC12細胞) 、胚性ガン細胞(P19細胞)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞、He La細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞ガ ン細胞(例えば、Hep G2)、ヒト胚性腎臓細胞、マウスセルトリ細胞、イヌ腎臓 細胞、バッファローラット肝臓細胞、ヒト細胞、ヒト肝臓細胞、マウス乳房腫瘍 細胞ならびにその他を含む。造血幹細胞、ニューロン幹細胞(例えば、ニューロ ン球細胞)および胚性幹細胞(ES細胞)もまた含まれる。 本発明は、特に有利な実施態様を示す以下の実施例を参照して今や例示される 。しかし、これらの実施態様は例示であり、そしていかにしても本発明を限定す るものとして解釈されるべきでないことを留意すべきである。 実施例1 哺乳動物Asxの低分子モジュレーターを同定し、そして患者における哺乳動物A sxの発現または活性を制御するための、ガン患者への投与のためのリポソームベ ースの薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物に組み込む。組成物の投 与を、腫瘍組織への注射により達成する。患者を、処置の有効性を評価する診断 マーカーとしての哺乳動物Asx活性の低減についてモニターする。 実施例2 分化した細胞の集団を組換え哺乳動物Asxポリペプチドの機能的部分で処理し 、そしてより分化していない状態に脱分化するように誘導する。このプロセスは 、細胞の集団に哺乳動物Asx活性のインヒビターを投与することにより逆転され る。このプロセスを細胞のmRNA転写物のディファレンシャルディスプレイにより モニターし得る。 実施例3 種々の組織から単離したmRNAのノーザンブロットを、ハイブリダイゼーション を達成するための標準的な技術を用いて、正常組織およびガン組織における哺乳 動物Asxのディファレンシャルな発現の分析のために、哺乳動物Asx cDNAの4.5kb HindIIIフラグメントでプローブした。 ポリA+RNAを、正常細胞およびガン細胞株から単離した。mRNAを電気泳動で分 画し、そしてナイロンフィルターに移した。フィルター上のmRNAを、UV架橋によ り固定化した。標識プローブを、配列番号1の配列から調製し、32P放射性ヌク レオチドで標識し、そしてストリンジェントな条件下でのフィルター上のRNAと のハイブリダイゼーション反応において使用した。 フィルターをプローブにハイブリダイズさせ、そして非結合プローブをフィル ターから洗浄した。ハイブリダイゼーションを、例えば、Sambrookら(1989),MO LECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第2版(Cold Spring Harbor Press,C old Spring Harbor,New York)に記載のようなノーザンハイブリダイゼーショ ンのための標準的な技術を用いて行った。 フィルターのX線フィルムへの曝露は、ガン細胞株における明白なバンドおよ び正常細胞株における非常に少ない活性を示した。βアクチンを、細胞株におけ る発現レベルを標準化するためのコントロールとして使用した。プローブされた 正常組織は、ヒト成人心臓、骨格筋、膵臓、前立腺、精巣、卵巣、結腸、胸腺、 脳、胎盤、肺、肝臓、腎臓、末梢白血球、および脾臓であった。正常ヒト成人組 織におけるhAsxの組織特異的発現は、ヒト精巣、卵巣、および胸腺における中程 度のhAsx転写物を示した。検出不可能なまたは非常に低量の転写物は、ヒト前立 腺、結腸、脳、胎盤、肺、肝臓、ならびに腎臓、白血球、および脾臓に存在した 。 2つの転写物(1つは約7.5キロベースでありそして1つは約5.5キロベースで ある)を精巣において観察し、そしてより大きな転写物のみを、卵巣および胸腺 組織において観察した。 対照として、hAsx転写物は、以下のヒトガン細胞株において非常に高レベルで 存在した:前骨髄球性白血病HL-60、HeLa細胞S3、慢性骨髄性白血病K-562、リン パ芽球性白血病MOLT-4、バーキットリンパ腫Raji、結腸直腸腺ガンSW480、およ びメラノーマG361。さらに、hAsx転写物はまた、他の結腸直腸腺ガン組織および リンパ球ガン組織において豊富に発現されていた。発現は、肺ガン株A549におい て非常に低かった。hAsx転写物は、全てのハイブリダイゼーションについて全て のこれらの細胞株において約8.5キロベースおよび約6.5キロベースであった。ハ イブリダイゼーションを、ストリンジェントな条件およびノーザンブロットハイ ブリダイゼーションを達成するための標準的なハイブリダイゼーションプロトコ ルを用いて行った。 転写物レベルを、hAsxコード配列でプローブした同じブロットに対してアクチ ンプローブでプローブすることにより制御した。 実施例5 ヒトP1ゲノムクローンを、プローブとしてhAsx cDNAを用いてP1フィルターラ イブラリーから得た。DNA調製後、クローンの同一性を、Asx P1クローンから生 成したPCR産物を配列決定することにより確認した。hAsxエキソン配列に適合す る配列は、非エキソン配列により中断された。コンセンサススプライスドナーお よびアクセプター部位が、イントロン−エキソン境界に存在した。hAsxゲノムク ローンを標識し、そしてヒト中期染色体に対するプローブとして使用した。FISH マッピングは、hAsxが20q11にマップされることを示した。 本発明の記載は、既に公開された著作および時々、係属特許出願を参考にする 。 例示のために、このような著作は、科学論文、要約、または発行された特許およ び公開された特許出願からなる。本明細書中に引用される全ての公開された著作 は、本明細書中に参考として援用される。 以下の配列を以下に記載する: 配列番号1は、AsxのヒトcDNA配列である。 配列番号2は、Asxの翻訳されるヒトアミノ酸配列である。 配列番号3は、AsxのマウスcDNAである。 配列番号4は、Asxの翻訳されるマウスアミノ酸配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 39/395 D 39/395 N 48/00 48/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号2の配列の少なくとも18の連続アミノ酸の配列を含む、単離された 哺乳動物Asxポリペプチド。 2.前記選択された配列由来の少なくとも20の連続アミノ酸を含む、請求項1に 記載のポリペプチド。 3.前記選択された配列由来の少なくとも30の連続アミノ酸を含む、請求項1に 記載のポリペプチド。 4.前記選択された配列由来の少なくとも50の連続アミノ酸を含む、請求項1に 記載のポリペプチド。 5.前記配列の全てを含む、請求項1に記載のポリペプチド。 6.配列番号2の配列と少なくとも70%同一である配列を含む、単離された哺乳 動物Asxポリペプチド。 7.請求項1に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。 8.配列番号1の少なくとも13の隣接したヌクレオチドを含む、単離された核酸 分子。 9.前記配列の全てを含む、請求項8に記載の核酸分子。 10.請求項6に記載のポリペプチドをコードする単離された核酸分子。 11.配列番号1の配列と少なくとも70%同一である配列を含む、単離された核 酸分子。 12.請求項6に記載のポリペプチドに特異的に結合し、そして他のヒトタンパ ク質には特異的に結合しない、抗体調製物。 13.配列番号2の配列を含む哺乳動物Asxポリペプチドを含む有効量の治療薬 剤ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。 14.新生物を診断する方法であって、以下の工程: 患者から単離された、新生物であると推測される組織サンプルと、配列番号1 の配列の少なくとも13の隣接したヌクレオチドを含む哺乳動物Asx遺伝子プロー ブとを接触させる工程であって、ここで哺乳動物Asxを過剰発現するか、または 改変体哺乳動物Asxを発現する組織は新生物として分類される工程、 を包含する、方法。 15.過剰発現が前記患者の正常組織との比較により決定される、請求項14に 記載の方法。 16.改変体哺乳動物Asxが前記患者の正常組織との比較により決定される、請 求項14に記載の方法。 17.前記新生物が、結腸直腸腺ガン、ガン腫、メラノーマ、リンパ腫、および 白血病からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。 18.新生物を診断する方法であって、以下の工程: 配列番号1の哺乳動物Asx遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするPCRプライ マーと、新生物であると推測される組織から単離された核酸とを接触させる工程 ; 該組織の該核酸中の哺乳動物Asx配列を増幅する工程;および 該増幅配列中の変異を検出する工程であって、ここで、該増幅配列が正常ヒト 組織から同様に増幅された配列と異なる場合に変異が同定される工程、 を包含する、方法。 19.新生物を診断する方法であって、以下の工程: bDNAプローブと新生物であると推測される組織から単離された核酸とを接触さ せる工程であって、ここでbDNAプローブが、配列番号1の哺乳動物Asx遺伝子配 列に特異的にハイブリダイズする工程; 該bDNAプローブと該組織から単離された核酸との間に形成されたハイブリッド を検出する工程;および 該形成されたハイブリッドと、正常ヒト組織由来の核酸を用いて同様に形成さ れたハイブリッドとを比較することにより、該組織から単離された核酸中の変異 を同定する工程、を包含する方法。 20.新生物を診断する方法であって、以下の工程: 新生物であると推測される組織サンプルと、以下:配列番号2の野生型哺乳動 物Asxに特異的に結合する抗体、または発現された哺乳動物Asx改変体に特異的に 結合する抗体からなる群より選択される抗体とを接触させる工程; 該抗体の該組織サンプルの成分への結合を検出する工程であって、ここで、該 抗体の正常ヒト組織サンプルへの結合と比較した場合の、該抗体の該組織サンプ ルの成分への結合における差異が、組織の新生物を示す工程、 を包含する、方法。 21.新生物を診断する方法であって、以下の工程: 新生物であると推測される組織由来のRNAと、配列番号1に示される哺乳動物A sx遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするPCRプライマー、またはこの配列に 特異的にハイブリダイズするbDNAプローブとを接触させる工程; PCR増幅またはbDNAプローブ検出により該組織における定量的なレベルの哺乳 動物Asx RNAを測定する工程であって、ここで、正常ヒト組織と比較した場合に 、 哺乳動物Asx RNAのより高いレベルが新生物を示す、工程、 を包含する、方法。 22.哺乳動物Asxと同時に異種コード配列を調節することにおける使用のため めの、哺乳動物Asx遺伝子の5'非翻訳領域の少なくとも20の隣接したヌクレオチ ドの配列を含む、単離された核酸分子。 23.哺乳動物Asxと同時に異種コード配列を調節することにおける使用のため めの、哺乳動物Asx遺伝子の3'非翻訳領域の少なくとも20の隣接したヌクレオチ ドの配列を含む、単離された核酸分子。 24.哺乳動物Asxと同時に異種コード配列を調節することにおける使用のため めの、哺乳動物Asx遺伝子のプロモーター領域の少なくとも20の隣接したヌクレ オチドの配列を含む、単離された核酸分子。 25.哺乳動物Asxと同時に異種コード配列を調節することにおける使用のため めの、哺乳動物Asx遺伝子のイントロンの少なくとも20の隣接したヌクレオチド の配列を含む、単離された核酸分子。 26.哺乳動物Asx機能のモジュレーターを同定する方法であって: 哺乳動物Asx遺伝子、または哺乳動物Asxプロモーターおよびレポーター遺伝子 を含むレポーター構築物を含む哺乳動物細胞と、試験物質とを接触させる工程; 該試験物質の存在下および非存在下で哺乳動物Asxまたは該レポーター遺伝子 の転写を定量する工程であって、ここで、転写を減少させる試験物質が抗新生物 治療の候補薬物である工程、 を包含する、方法。 27.転写が、前記遺伝子産物またはその反応産物を測定することにより間接的 に定量される、請求項26に記載の方法。 28.細胞脱分化を誘導する方法であって、以下の工程: 前駆細胞と、配列番号2からなる群より選択される配列を含む哺乳動物Asxポ リペプチドとを接触させる工程であって、これにより該細胞脱分化が誘導される 工程、 を包含する、方法。 29.細胞増殖を調節不全にする方法であって、以下の工程: 増殖が制御される細胞と、配列番号2の配列を含む哺乳動物Asxポリペプチド とを接触させる工程であって、これにより細胞の増殖が調節不全にされる工程、 を包含する、方法。 30.請求項7に記載の核酸分子を含むベクター。 31.請求項8に記載の核酸分子を含むベクター。 32.請求項9に記載の核酸分子を含むベクター。 33.請求項10に記載の核酸分子を含むベクター。 34.請求項11に記載の核酸分子を含むベクター。
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