JP2000510321A - 分化因子レセプターの発現による癌の処置 - Google Patents

分化因子レセプターの発現による癌の処置

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Abstract

(57)【要約】 分化因子レセプターまたはそのポリペプチド部分をコードしているヌクレオチド配列を含むベクターを、このヌクレオチド配列が発現されるように腫瘍細胞に転移させる、腫瘍細胞の腫瘍発生性を低下または阻害する方法が開示される。腫瘍発生性は、半軟質培地での細胞の生育およびコロニー形成によって監視し、ここで、増殖の低下は、処置された腫瘍細胞の腫瘍発生性の低下または阻害を示すものである。

Description

【発明の詳細な説明】 分化因子レセプターの発現による癌の処置 関連出願に対するクロス・リファレンス この出願は、1992年8月27日出願の「神経栄養因子および細胞増殖イン ヒビターによる腫瘍の処置」と題された同時係属特許出願第07/936923 号の一部継続出願である。 発明の背景 この発明の技術分野は遺伝子治療である。より詳細には、この発明は、癌細胞 への、分化誘導因子のレセプターをコードしている遺伝子の転移およびその発現 による、癌細胞の処置およびそれらの腫瘍発生性の阻害に関するものである。 神経系は、細胞増殖および分化の間の緊密に調節された反比例関係を維持する 多能性前駆細胞から誘導される(カッタネオ等(1991)、TINS、14巻 338−340頁)。中枢神経系においては、これらの前駆細胞は、最後の有糸 分裂後ほどなく特異的分化経路にゆだねられる(マコンネル(1988)、J.Ne urosci.、8巻945−974頁;ターナー等(1987)、Nature、328巻 131−136頁)。末梢神経系においては、知覚ニューロンは細胞サイクルか らの離脱後に分化する(ローラーおよびトーネン(1987)、J.Neurosci.、 7巻3739−3748頁)が、交感神経の神経芽細胞はまだ有糸分裂的に活性 である間に分化を開始する(ディシッコ−ブルーム等(1990)、J.Cell.Bio .、110巻2073−2086頁)。ニューロンの分化および細胞増殖の間の つながりの分子的基礎は、現在興味の持たれる問題である。 ニューロンの分化と細胞増殖間のつながりはまた、これら二つの細胞プロセス の調節が損壊する神経芽腫のような神経腫瘍の病因論と関連している。神経芽腫 は、副腎および交感神経鎖に原発病巣を有する、乳児期に頻繁に出現する、最も 一般的な小児科の充実性腫瘍の一つである(ヴォウト、「神経芽腫」、Clinical Pediatric 0ncology(ストウ等編)(1984)559−587頁)。一般的 様式の化学療法は幼児の正常な組織に過酷な副作用を起こすため、この腫瘍は処 置が困難である。興味深いことに、神経芽腫は、自然退縮または良性神経節神経 腫への成熟を受ける能力で注目される(エヴァンズ等(1980)、Cancer、4 5巻833−839頁)。神経芽細胞に対する神経芽腫細胞の類似性およびそれ らがより良性の型に自然成熟する能力は、この疾患が交感神経前駆細胞の分化の 遮断に起源しているかも知れないことを示唆している(クナドソン等(1980 )、New Engl.J.Med.、302巻1254−1256頁)。よって、増殖しつつ ある神経芽細胞の分化を促進する因子は、新たな治療アプローチのための候補物 質である。癌治療の副作用のため、「天然の」それでいて高度に特異的な薬学的 処置に対する甚大な需要がある。 近年の臨床研究は、チロシンキナーゼドメインを伴う神経成長因子(NGF) レセプター、TrkA(カプラン等(1991)、Science、252巻554− 558頁;クライン等(1991)、Cell、65巻189−197頁)がこの疾 患において重要な役割を演じていることを示唆している。その腫瘍が有意なレベ ルのTrkAを発現している患者は生存の可能性が高く、一方その腫瘍がTrk Aを欠く患者は治療にあまり応答しない(コグナー等(1993)、Cancer Res .、53巻2044−2050頁;ナカガワラ等(1993)、New Engl.J.Med. 、328巻847−854頁;スズキ等(1993)、J.Natl.Cancer Inst.、 85巻377−384頁)。このように、TrkAの発現は神経芽腫細胞の分化 の後期に依存しているように見受けられる。したがって、癌細胞がこのレセプタ ーを発現するならば、該レセプターに特異的な分化因子を用いた処置を受容し易 く、そしてそれ故該処置により影響を受け、よってその腫瘍細胞を、該レセプタ ーを発現しない腫瘍細胞より腫瘍発生性を低くすることができる。 したがって、必要とされるのは、分化の能力が増強され、それによりそれらの 腫瘍発生性を低下させるような、腫瘍細胞を処置する方法である。腫瘍細胞の腫 瘍発生性を低下させる方法もまた必要とされる。 発明の要約 分化因子のレセプターをコードしている遺伝子を癌細胞中に組み込むと、その 細胞の腫瘍発生性が低下し、それでいてその形態は基本的に影響を受けないまま であることが発見された。驚くべき事に、この腫瘍発生性の低下は、そのレセプ ターが特異的である分化因子の存在を必要としない。これらの発見を利用して、 腫瘍細胞をインビトロで処置する方法、およびその腫瘍発生性を阻害または低下 させる方法を包含する本発明が開発された。 本明細書中使用される「腫瘍発生性」という語は、細胞が、半固形培地中でコ ロニーを形成する能力により測定される、腫瘍を形成する能力を包含することを 意味している。 本発明の方法において、分化因子のレセプターまたはそのポリペプチド部分を コードしているヌクレオチド配列を含むベクターが提供される。本明細書中使用 される「ベクター」という語は、レセプターコード化ヌクレオチド配列を伴って 細胞に入ることのできる、共有結合により連結したヌクレオチドで構成される構 造を包含することを意味する。 「レセプター」とは、細胞膜表面の、または一部は細胞膜内部で一部は外部表 面に露出している、分化因子が結合する分子を包含する。これらのレセプターは ホモローガス、即ち、それらのドメインが全て単一の型のレセプターの遺伝子に よりコードされているかも知れない。これに代わり、該レセプターは、キメラ、 即ち、融合した異なるレセプター群の遺伝子によりコードされている少なくとも 一つの部分またはドメインを有する、例えば、細胞外ドメインは或るレセプター から誘導され、細胞内または貫膜ドメインは第二のレセプターから誘導されてい るかも知れない。 好ましい態様において、該ベクターは発現ベクター、プラスミド、レトロウイ ルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、またはエピソ ームベクターである。 本明細書中使用される「分化因子」という語は、細胞を、或る状態から、増殖 能が低下しているかも知れない、そして/または別の分化した経路を選択する能 力が減少しているかも知れない、別の状態へと発展させる(即ちその細胞は或る 経路に決定付けられる傾向がより高くなり、別の方向に向きを変えることがより できにくくなる)任意の分子または分子複合体を意味する。分化した細胞は、或 る系統または分化した状態に関連する変化した形態を有するかも知れず、或る特 定の系統または分化した状態に関連した遺伝子を発現するかも知れない。例えば 、或る型の分化因子(ニューロトロフィンと呼ばれる)は、小さな円形の神経芽 腫細胞を伸長させ、神経突起の生長をさせるかも知れない。 幾つかの態様において、レセプターが特異的な分化因子は、神経成長因子(N GF)、インターロイキン、線維芽細胞成長因子、ニューロトロフィン−3、ニ ューロトロフィン−4、インシュリン様成長因子、レチン酸、または脳由来の神 経栄養因子である。別の態様において、該レセプターの遺伝子は、TrkA(こ れはNGFのレセプターである)、TrkB(これは脳由来神経栄養因子のレセ プターである)、TrkC(これはニューロトロフィン−3のレセプターである )、表皮成長因子レセプター、線維芽細胞成長因子レセプター、インシュリン様 成長因子レセプター、レチン酸レセプター、血小板レセプター成長因子レセプタ ー、脳由来神経栄養因子レセプター、またはインターロイキンレセプターの、少 なくとも一つのポリペプチド部分またはドメインをコードしている。 分化因子レセプターヌクレオチド配列を含んでいるベクターは、その配列が細 胞において発現されるように腫瘍細胞へ移される。好ましい態様において、転移 は、電気穿孔、トランスフェクション、形質転換、もしくはウイルスベクターを 用いる注射、または粒子衝撃によって達成される。 本明細書中使用される「電気穿孔」とは、電場により細胞膜に親水性の細孔を 形成させることによりヌクレオチド配列を転移させることを指す。「トランスフ ェクション」とは、例えば燐酸カルシウム沈澱としてもしくはDEAEデキスト ランとの複合体形成による核酸の物理的取り込みを介したヌクレオチド配列の転 移を指す。「粒子衝撃」とは、小さな粒子をDNAで被覆し、次いで高速で細胞 内へと推進させる方法を指す。 幾つかの態様において、ヌクレオチド配列は細胞のゲノム中に取り込まれる。 別の態様においては、ヌクレオチド配列は、独立したエピソームであるベクター と共に細胞ゲノムから乖離したまま、または粒子衝撃後に該粒子に付着したまま である。 もし転移が成功すると、転移前に存在する細胞増殖のレベルまたは速度と比較 して、半固形培地中の細胞増殖の低下、そして故に腫瘍発生性の低下が検出され る。 本明細書中使用される「半固形培地」とは、軟寒天、軟アガロース、または軟 メチルセルロースといったような液体でも固体でもない培地を指す。 一つの態様において、検出工程は、ベクターを含む細胞をインビトロで培養し 、得られたコロニーの数および大きさを計測し、ベクターで処理しなかった細胞 から形成されたコロニーの数および大きさを比較することを包含するが、ここで コロニーの数および大きさの低下は、腫瘍発生性の低下を示す。好ましい態様に おいて、転移されたヌクレオチド配列を含む細胞は軟アガロースまたはメチルセ ルロース中で培養する。 本発明方法により影響を受ける腫瘍細胞は、培養中で成長したものまたはイン ビボの腫瘍の外植体といったような癌罹患細胞の任意の型である。幾つかの態様 において、このような細胞には神経芽腫、リンパ腫、癌腫、白血病、星状細胞腫 、および膠芽腫細胞が包含される。 本発明はさらに、神経芽腫細胞の腫瘍発生性を阻害するレセプター分子をスク リーニングする方法を提供する。この方法において、分化因子レセプターまたは そのポリペプチド部分をコードしているヌクレオチド配列をそれぞれ含む複数の ベクターが提供される。これらのベクターは、レセプターをコードしているヌク レオチド配列が細胞において発現されるように、神経芽腫細胞の培養に移される 。次にこの細胞培養を、半固形培地中でのコロニー形成およびコロニーの大きさ について監視するが、ここでコロニー形成およびコロニーサイズの低下は、神経 芽腫細胞の腫瘍発生性に対して阻害効果を有するレセプターの存在を示す。 図面の簡単な説明 前記のおよびその他の本発明の目的、その様々な特徴、および本発明自身は、 添付の図面と共に読み取る時、以下の記載から、より完全に理解することができ る。 図1は、分化方向の決定および不可逆的な増殖終了の間の関係のグラフ表示で ある。 図2は、NGFおよびアフィジコリン(Aph);Aph単独;またはNGF 単独で様々な時間処理し、次いでc−myc、trkA、および低親和性NGF レセプター(LNGER)遺伝子でプロービングされたSHSY5Y細胞由来の ポリA+RNAのノーザンブロットである。14日試料について、Aph−およ びNGF−処理された細胞は、NGFおよびAphで6日間、そしてNGFで8 日間処理することにより完全に分化し;Aph−処理された細胞はAphで6日 間、そして通常の成長培地で8日間処理し;そしてNGF−処理された細胞はN GFで14日間処理した。 図3Aは、[35S]メチオニンで標識されたSY5T/TrkAおよびSY5 Y/ET細胞からのTrkAの代謝標識および免疫沈降、ならびに正常なウサギ 血清(NRS)または抗TrkA抗血清(αTrkA)で免疫沈降させた膜抽出 物を示すオートラジオグラムである。 図3Bは、0または100ng/mlのNGFで10分間処理し、抽出し、そ して抗TrkA抗体で免疫沈降させたSY5Y/ETおよびSY5T/TrkA 細胞由来のTrkAの免疫沈降を示すウェスタンブロットである。チロシン残基 の燐酸化は抗ホスホチロシン抗体−ペルオキシダーゼコンジュゲートにより検出 した。 図4Aは、NGF無しで2週間培養したSY5Y/ET細胞の位相差顕微鏡写 真である。 図4Bは、NGF100ng/mlと共に2週間培養したSY5Y/ET細胞 の位相差顕微鏡写真である。 図4Cは、NGF無しで2週間培養したSY5Y/TrkA細胞の位相差顕微 鏡写真である。 図4Dは、NGF100ng/mlと共に2週間培養したSY5Y/TrkA 細胞の位相差顕微鏡写真である(線分=25μm)。 図5は、100ng/mlのNGF有りまたは無しで2週間処理した後にBr dU染色で陽性であったSY5Y/ETまたはSY5Y/TrkA細胞(±SD )のパーセンテージを示す棒グラフである。 図6Aは、凝集し分化したSY5Y/TrkA細胞および2個の非分化SY5 Y/TrkA細胞(矢印)の位相差顕微鏡写真である。 図6Bは、BrdUおよび蛍光抗BrdU抗体で標識されたSY5Y/Trk A細胞の蛍光顕微鏡写真である(矢印は、強度に標識された非分化細胞を示す)。 図7は、0または100ng/mlのNGFで処理し、低親和性NGFレセプ ター(LNGFR)についてプロービングしたSY5Y/ETまたはSY5Y/ TrkA細胞からのポリA+RNAのノーザンブロットである。 図8Aは、100ng/mlのNGFで8日間、次いで正常な成長培地で6日 間処理したSY5Y/ET細胞の位相差顕微鏡写真である(線分=25μm)。 図8Bは、100ng/mlのNGFで8日間、次いで正常な成長培地で6日間処 理したSY5Y/TrkA細胞の位相差顕微鏡写真である(線分=25μm)。 図9は、NGFの不在下(位置aおよびc)または存在下(位置bおよびd) で培養の21日後に採点したSY5Y/ET(位置aおよびb)およびSY5Y /TrkA(位置cおよびd)の生育を示す軟アガロースの写真である。 図10は、NGF100ng/mlの不在下(−)または存在下(+)におけ る軟アガロース中のSY5Y/ETまたはSY5Y/TrkA細胞の生育のグラ フ表示である。 図11は、NGFの不在下(−)または存在下(+)における軟アガロース中 のLAN5/ET(図中「empty」として示される)およびLAN−5/Trk A(図中「trk」として示される)の生育のグラフ表示である。 図12は、pIRVCMV−TrkAベクターの地図である。 図13は、pLEN−TrkAベクターの地図である。 図14は、EGF−RおよびTrkA両者の一部を含むキメラレセプターをコ ードしているpLXSNベクターの地図である。 図15は、細胞外および貫膜ドメインがEGFまたはPDGFレセプターから 誘導され、細胞内ドメインがTrkAから誘導されている、pLXSN−ET− Rより得られたキメラレセプターの模式的表示である。 好ましい態様の詳細な説明 本明細書中に言及される特許および科学文献は、当業者の入手し得る知識を確 立している。登録された米国特許、許可された出願、およびその他の本明細書に 引用される刊行物は、引用されて本明細書の一部とされる。 本発明は、半固形培地中で増殖する能力の低下、そして故にそれらの腫瘍発生 性の低下をもたらす、腫瘍細胞の処理方法を提供する。この方法において、分化 因子レセプターもしくはその一部をコードしている遺伝子、または異なる分化因 子レセプターの一部をコードしているヌクレオチド配列を、腫瘍細胞に転移させ る。腫瘍細胞におけるこの遺伝子(群)の発現は、軟アガロースのような半固形 培地中での増殖の低下または減少により測定される、腫瘍発生性の阻害をもたら す。 この方法により処理され得る細胞は、移入ヌクレオチド配列が入りそこで発現 され得る任意の腫瘍細胞、例えば神経芽腫、癌腫、リンパ腫、膠芽腫、星状細胞 腫等を包含する。これらの細胞は、インビボ、インビトロ培養、またはインビト ロ培養された腫瘍の外植体であってよい。 レセプターが認識する分化因子には、結合し、そして時にはインターナライズ された場合に、細胞に形態学的および生理学的変化を惹起する作用を有する任意 のペプチド含有分子が包含される。有用な分化因子は、神経成長因子(NGF) 、インターロイキン、線維芽細胞成長因子(FGF)、表皮成長因子(EGF) 、ニューロトロフィン、インシュリン様成長因子(IGF)、レチン酸、血小板 由来成長因子(PDGF)、および脳由来神経栄養因子(BDGF)を包含する が、これらに限定される訳ではない。 移される遺伝子によりコードされている有用なレセプターは、そのヌクレオチ ド配列が既知である、TrkA、TrkB、TrkC、線維芽細胞成長因子レセ プター、インシュリン様成長因子、レチン酸レセプター、インターロイキンレセ プター等を包含するが、これらに限定される訳ではない。これに代わり、移され るヌクレオチド配列は、外部、貫膜、または内うう部ドメインといったようなレ セプ ターの一部のみをコードしているかも知れず、または、異なるレセプター由来の ドメインを有するキメラレセプターをコードしているかも知れない。このような キメラレセプター遺伝子は、所望のレセプタードメインをコードしていることが わかっているヌクレオチド配列を融合させることにより製造することができる。 有用な融合は、EGFレセプターまたはPDGRレセプター細胞外ドメイン、お よびTrkA細胞内ドメインを包含する(図15を参照されたい)。 レセプターまたはその一部をコードしているヌクレオチド配列は、様々な技術 によって細胞に入ることのできるベクターを介して腫瘍細胞に移す。このベクタ ーは、発現ベクター、レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ま たは、いったん内部に入るとその細胞ゲノム中に統合される、当分野で既知のそ の他の運搬媒質であってよい。これに代わり、該ヌクレオチド配列は、エピソー ムの一部であるか、または、細胞ゲノムから分離したままであり且つ独立した複 製および発現のできる粒子(粒子衝撃に使用される)に付着していてよい。この ようなベクターの製造および該レセプターをコードしているヌクレオチド配列の 統合は、当分野において良く知られている(例えば、サムブルック等(1989 )、モレキュラー・クローニング、ア・ラボラトリー・マニュアル、コールド・ スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、3.2−3.58頁;クリーガ ー(1990)、ジーン・トランスファー・アンド・エクスプレッション、スト ックトン・プレス、WY;ウォルフ(編)、ジーン・セラピューティクス、バー クホイザー・プレス、ボストン、MA、1994を参照されたい)。 ヌクレオチド配列の転移は、トランスフェクションのような任意の既知の方法 によって達成することができる。例えば、燐酸カルシウムまたはDEAEデキス トランを仲介するトランスフェクションは、或るヌクレオチド配列がエンドサイ トーシスにより細胞に入ることを可能にする。次いでこの核酸配列は核に運ばれ 、そこで細胞の蛋白合成機構により発現され得る(例えばサムブルック等、同書 、16.33−16.46頁を参照されたい)。さらに、ポリカチオンポリブレ ンは、他の方法によるトランスフェクションに対し比較的抵抗性のセルライン中 に低分子量DNAを導入することを可能にする(例えばサムブルック等、同書、 1 6.47頁を参照されたい)。 細胞内にヌクレオチド配列を転移させる別の方法は、プロトプラスト融合であ る。この方法では、目的とするプラスミドのコピーを多数有する細菌から誘導さ れたプロトプラストを、培養された哺乳動物細胞と直接混合する。通常ポリエチ レングリコールによる細胞膜の融合後、細菌の内容物は該細胞の細胞質中に運ば れ、プラスミドが核に転移する(例えばサムブルック等、同書、16.48−5 3頁を参照されたい)。 細胞にヌクレオチド配列を導くさらに別の方法は電気穿孔であり、これは、細 胞質膜にナノメーターサイズの細孔の形成を導く、細胞に対する短時間の高電圧 電気パルスの適用を含む。DNAは、これらの細孔を通って、または細孔の閉鎖 を伴う膜成分の再分散の結果として、細胞の細胞質中に直接取り込まれる(例え ばサムブルック等、同書、16.54−55頁を参照されたい)。 次にこの腫瘍細胞を調べ、それらの腫瘍発生能が上の処理により低下したか否 かを決定する。もし細胞がインビボ腫瘍の形であるならば、その大きさは、物理 的測定、NMR、またはその他の非侵襲的スキャニング技術によって監視するこ とができる。別法として、腫瘍の外植体を得、軟アガロース中でのその生育を監 視することもできる。腫瘍発生性を測定するさらに別の方法は、軟アガロース中 で個々の腫瘍細胞を培養し、増殖およびコロニーサイズを監視することである。 さらに本発明は、上記べクターおよび生理学上許容し得る担体を含有する治療 用組成物を提供する。 本明細書中使用される「生理学上許容し得る担体」とは、神経芽腫細胞中で自 身を発現させるまたは細胞のゲノム中に統合する該ベクターの能力を失活させな い、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗菌および抗真菌剤、浸透圧調 整剤および吸収遅延剤等を包含する。薬学的に活性な物質のための係る媒質およ び物質の使用は、当分野で良く知られている。何らかの常套的媒質または物質が 活性成分と両立し得ない場合を除き、治療用組成物中でのその使用が予想される 。追加の活性成分もまた当該組成物中に組み入れることができる。 本発明に係る分化因子レセプターコード化ベクターは、人間およびその他の哺 乳動物の神経芽腫細胞の処置に使用することもできる。この方法において、分化 因子のレセプターをコードしている遺伝子を含むベクターは、治療的有効量を薬 用組成物の形で1回、または治療的量よりも少量を反復して投与する。投与は腫 瘍中への直接注射によるものであってよい。神経芽腫の処置における該ベクター の有効用量およびその投与方法は、常套的実験により決定することができる。注 射またはその他の使用に好適な剤型は、無菌水溶液または分散を包含する。全て の場合において、剤型は無菌でなければならない。それは、製造および保存の条 件下で安定でなければならず、また、細菌および真菌といった微生物の汚染作用 がないよう保存され得る。担体は溶媒または分散媒とすることができる。微生物 の作用からの防護は、様々な抗菌および抗真菌剤により遂行することができる。 注射用治療薬の吸収延長は、吸収を遅延させる物質を組成物に使用することによ り、達成することができる。 分化因子NGFは、高度に特異的な且つ可逆的なDNAポリメラーゼαおよび δのインヒビターであるアフィジコリンと相乗作用して、SHSY5Yのような 神経芽腫細胞の最終分化を誘発することが知られている(ロプレスティ等(19 92)、Cell Growth Diff.、3巻627−635頁;ジェンセン(1987) 、Dev.Biol.、120巻56−64頁)。分化因子による処理だけでは細胞増殖 は停止せず、神経突起の僅かな伸長を誘発するに過ぎない(チェン等(1990 )、Cell Growth Diff.、1巻79−85頁)。アフィジコリンによる処理だけ では神経突起の伸長を誘発しない。但し、アフィジコリンによる処理だけで細胞 増殖は停止するが、薬物が取り除かれると増殖は再開する。対照的に、細胞分化 因子(例えばNGF)および細胞増殖インヒビター(例えばアフィジコリン)の パルスで同時に処理された細胞は、細胞増殖を終止させ、長い神経突起を伸ばす (同時係属の特許出願第07/936923号を参照されたい)。分化した細胞 は生存に細胞分化因子を必要とするが、該因子の存在下に維持すれば、長い神経 突起を有する神経芽腫細胞は少なくとも4ないし6週間は安定である。これらの 細胞は多くのニューロンマーカーを発現し、交感神経ニューロンに似ている。形 態学上の劇的な変化にも拘わらず、分化の後に比較的少数のポリペプチドの発現 が変 化するに過ぎない(ジェンセン等(1992)、J.Biol.Chem.、267巻193 25−19333頁)。 細胞増殖をブロックするその他の処理もまたNGFにより誘発される分化を増 強する。ヌクレオチドの合成を阻害するヒドロキシウレアおよびチミジンはいず れもNGFと相乗作用してSYSH5Y細胞の分化を誘発する(ロプレスティ等 (1992)、Cell Growth Diff.、3巻627−635頁;ジェンセン(19 87)、Dev.Biol.、120巻56−64頁)。さらに、NGFにより誘発され るPC12細胞の分化は血清涸渇により増強される(ルドキン等(1989)、 EMBO J.、8巻3319−3325頁)。 trkA、trkB、およびtrkCを発現するNIH−3T3細胞の細胞生 育および形質転換は、好ましい神経栄養リガンドでレセプターカスケードを連続 刺激する際に起こることが示されている(イプ等(1993)、Neuron、10巻 137−149頁)。加えて、trkA遺伝子を発現するヌードマウスの腫瘍は 、NGFで処理する時、非腫瘍発生性神経構成因子へと分化することが示された (マツシマ等(1993)、Mol.Cell.Biol.、13巻7447−7456頁)。 分化へと決定付けられるのに要する時間を評価するため、細胞を、NGFおよ びアフィジコリンで1−5日間、NGFで6日間処理し、次いで神経突起の伸長 を採点した(図1)。この検定において、神経突起を伸長させた細胞は、NGF およびアフィジコリン処理の終了時に分化へと決定付けられていた細胞であると みなす。神経突起の有意な伸長には、神経芽腫細胞をNGFおよびアフィジコリ ンで3ないし4日間処理する必要があり、そして分化は処理の5日後に最大(細 胞の75−90%)であった。これらの培養全てについて、細胞の死は殆ど無か った(即ち、生存性は90%以上であった)。ブロモデオキシウリジン(Brd U)標識化により判定したところによると、NGFおよびアフィジコリン、次い でNGFで処理されたSHSY5Y細胞は、著しく低下した細胞増殖を示した( 図1)。分化への決定付けおよび細胞増殖の不可逆的終止は、NGFおよびアフ ィジコリンによる処理の3ないし4日後に同時に起こるように見受けられた。 細胞増殖および分化に関連する幾つかの遺伝子の発現をノーザンブロッティン グにより評価した(図2)。c−mycの発現は、アフィジコリンによるまたは NGFおよびアフィジコリンによる1日間の処理の後、ダウンレギュレーション された。NGFによる処理は、c−mycの僅かなダウンレギュレーションを誘 発したに過ぎなかった。trkA NGFレセプターの発現は、NGFおよびア フィジコリンによる3ないし4日間の処理の後にアップレギュレーションされた 。アフィジコリンによる処理だけではtrkA発現に有意な影響は無かったが、 NGFによる長時間の処理はtrkAの僅かなアップレギュレーションを誘発し た。低親和性NGFレセプターの発現もまた、NGFおよびアフィジコリンによ る3ないし4日間の処理によって相乗的にアップレギュレーションされた。転移 前のRNAの臭化エチジウム染色、およびβ−アクチンプローブを用いたフィル ターの再ハイブリダイゼーションによって、該RNAが無傷であり、mRNAレ ベルの相違を一様でないローディングに帰すことはできないことが確認された。 故に、分化につながる分子事象の連続が確立された。c−mycのダウンレギュ レーションは初期の事象であり、一方trkAおよび低親和性NGFレセプター のアップレギュレーションは、ほぼ分化への決定付けの時期に起こった。 他の二つのmRNAの発現もまたノーザンブロッティングにより評価した。c −mycによりコードされている蛋白は、c−maxによりコードされている蛋 白との複合体で働くと考えられる(ブラックウッド等(1991)、Science、 251巻1211−1217頁)。c−mycとは異なりc−maxの発現はS HSY5Y細胞の分化中に変化しなかった。また、神経栄養レセプターのtrk ファミリーのもう一つの成員であるtrkBのmRNA(スクィント等(199 1)、Cell、65巻885−893頁)は、これらの試料のいずれにも検出され なかった。 神経芽細胞の分化における低親和性NGFレセプターの役割を試験するため、 NGFおよびアフィジコリンに加えて、抗低親和性NGFレセプターモノクロー ナル抗体ME20.4(ロス等(1984)、Proc.Natl.Sci.USA、81巻66 81−6685頁)を、SHSY5Y腫瘍細胞に添加した。分化の速度または程 度に明らかな低下は無かった。ME20.4抗体は、低親和性NGFレセプター へのNGFの結合をブロックするのであるから、これらの結果は、当該レセプタ ー自身はこれらの細胞の分化に必要とされないことを示唆するものである。 神経芽細胞の分化におけるTrkAレセプターの役割を決定するため、Trk A発現ベクターplRVCMV−TrkA、またはtrkA挿入物を欠く対応ベ クターを、電気穿孔によってSHSY5YまたはLAN5細胞中に導入した。4 00μg/mlのG418を用いて選択を実施すると、TrkA発現セルライン SY5Y/TrkA LAN5/TrkAおよび対照ラインSY5Y/ET L AN5/ETが得られた。図3Aのオートラジオグラムに示されるように、14 0000ダルトンのTrkA産物がSY5Y/TrkA細胞から免疫沈降したが 、SY5Y/ET細胞には明らかなTrkA産物は無かった。SY5Y/ET細 胞ではなくSY5Y/TrkA細胞のNGF処理が、チロシン残基上のTrkA の燐酸化をもたらした(図3B)。これらの結果は、NGFに対する細胞の応答 にはTrkAが必要である事、そしてSY5Y/ET細胞には内因性TrkAが もしあったとしても僅かである事を示唆するものである。 SY5Y/ETおよびSY5Y/TrkAのいずれについても、細胞形態は親 ラインとは僅かに異なっていた。細胞凝集物中には細胞のほぼ50%が存在して いた(図4Aおよび4B)が、これらは親ラインではごく稀に見られるに過ぎな かった。SY5Y/TrkA細胞はSY5Y/ET細胞よりも僅かに長い神経突 起を示したが、これは、trkA含有細胞が、より分化していることを示すもの である。 NGFに対するSY5Y/ETおよびSY5Y/TrkAの応答を評価した。 NGFによるSY5Y/ET細胞の処理は神経突起の僅かな伸長をもたらした( 図4B)が、BrdU標識化により判定されるように、細胞増殖に及ぼすNGF の効果は無かった(図5)。対照的に、NGFにより処理されたSY5Y/Tr kA細胞は長い神経突起を伸長し、細胞体の凝集物を形成した(図4D)。NG FによるSY5Y/TrkAの処理は、BrdUによる標識化を著しく低下させ た(図5)。特に、著しく分化した形態を有するSY5Y/TrkA細胞は事実 上標識が無かった(図6Aおよび6B)。標識された細胞(図6Aおよび6Bの 矢 印)は親ラインに似ていた。さらに、NGFによるSY5Y/TrkAおよびS Y5Y/ET細胞の処理は、低親和性NGFレセプターに対するmRNAの発現 を増強したが、低親和性NGFレセプター(LNGFR)に対するmRNAのレ ベルは、SY5Y/TrkA細胞についてSY5Y/ET細胞の約3倍大きかっ た(図7)。よって、TrkAの発現は、SHSY5Y細胞の分化および低親和 性NGFレセプターを発現する能力を大きく増強した。 分化の可逆性および生存のためのNGFへの依存を評価するため、SY5Y/ ETおよびSY5Y/TrkA細胞をNGFで6ないし12日間処理し、次いで 通常の成長培地に戻した。SY5Y/ET細胞のNGFにより誘発された神経突 起の僅かな伸長は、NGFの除去後に消失した(図8A)。しかし、分化したS Y5Y/TrkA細胞からのNGFの除去は、神経突起の伸長を消失させず、ま た細胞の死を惹起せず(図8B)、これは、分化が内因的に命令された事象に起 因することを示している。 分化したSY5Y/TrkA細胞がNGFを産生するか否かを決定するため、 分化したSY5Y/TrkA細胞の培養上清を、高度にNGF応答性であるPC 12細胞に加えた(グリーン等(1976)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、73巻 2424−2428頁)。PC12細胞は神経突起を伸長せず、故にこの培養上 清には明らかなNGF活性は無かった。さらに、分化したSY5Y/TrkA細 胞をTrkAキナーゼのインヒビターK252aまたはK252b 100また は300nMで処理すると、TrkA上の検出可能な全ホスホチロシン残基が排 除され、分化は逆転しなかった。したがって、NGF−およびアフィジコリン− 処理されたSHSY5Y細胞およびNGF−処理されたSY5Y/TrkA細胞 は、分化したSHSY5Y細胞は生存にNGFを必要とし(ロプレスティ等(1 992)、Cell Growth Differentiation、3巻627−635頁)、一方、分 化したSY5Y/TrkA細胞はNGFを必要とせず、TrkAキナーゼの基本 的レベルの活性すら必要としないという点で異なっている。 アフィジコリンがTrkAアップレギュレーションと独立した何らかの特異な 効果を誘発するか否かを決定するため、SY5Y/TrkA細胞をSHSY5Y 細胞を用いた実験に記載されるように、NGFおよびアフィジコリンで処理した 。NGFおよびアフィジコリンにより誘発される分化したSY5Y/TrkA細 胞とNGFのみの誘導に明らかな相違はなかった。 SHSY5Y細胞とは対照的に、NGFおよびアフィジコリンにより処理され たSY5Y/TrkA細胞は、生存のためにNGFに依存するようにはならなか った。これらの結果を下の第1表にまとめる。神経突起の伸長に関しては、5細 胞直径に等しいまたはこれより大きい神経突起を有する細胞のみを陽性と採点し た。NGFで処理されたSHSY5Y細胞の極めて少ないパーセンテージがこの ような長い神経突起を伸長させ;しかしながら、これらの約90%は長さ1−2 細胞直径の短い神経突起を伸長させている。 腫瘍発生性を測定するため、SHSY5Y細胞の軟アガロース上での足場非依 存的増殖に及ぼすTrkA発現の効果を評価した。SY5Y/ET細胞はSY5 Y/TrkAよりも遥かに大きな軟アガロース中で増殖する能力を有し;SY5 Y/ETに対するコロニーはSY5Y/TrkAに対するコロニーよりも多数で あり且つより大きかった(図9、位置a、b、c、およびd)。加えて、生体染 色剤を取り込まなかったコロニーは、SY5Y/ET細胞よりSY5Y/Trk A細胞についてより一般的であった。軟アガロースへのNGFの含有はSY5Y /ETまたはSY5Y/TrkAのいずれにも明らかな影響が無かった(図9、 位置bおよびd、ならびに図10)。これらの結果は、分化因子レセプターをコ ードしている遺伝子を含む細胞は、該遺伝子を含まない細胞より腫瘍発生性が低 い事を示しており、そしてこれと同様の結果が、trkAを用いて電気穿孔され た別の神経芽腫セルラインLAN5においても得られた。図11は、これらの細 胞が、図11に示されるように、添加NGFの存在下および不在下の両方で軟ア ガロース中でコロニーを形成する能力が低下していることを示している。 以下の実施例は本発明を制作し実施する好ましい様式を説明するものであるが 、類似の結果を得るために別法が利用できるため、本発明の範囲を限定する意図 はない。 実施例 1.細胞培養 神経芽腫セルラインSHSY5Yは記載のように誘導された(ビードラー等( 1978)、Cancer Res.、38巻3751−3747頁)。10%牛胎児血清 (シグマ・ケミカルズ、セントルイス、MO)および100μg/mlゲンタミ シンを添加したRPMI 1640培地(ジブコBRL、ガイサーズバーグ、M D)中37℃で細胞を増殖させた。分化の研究のために、細胞を35mmプライ マリア皿(ファルコン、フランクリン・レイクス、NJ)に蒔いた(1.5x1 05ないし5x105細胞/皿)。NGF100ng/ml(2.5S;バイオプ ロダクツ・フォア・サイエンス、インディアナポリス、IN)および/またはア フィジコリン0.3μM(シグマ・ケミカルズ、セントルイス、MO)を2−3 日毎に加えた。細胞増殖をロプレスティ等により記載されたようにBrdU標識 化に よって評価した(Cell Growth Diff.、(1992)、3巻627−635頁)。 LAN5細胞はウェスト等により記載されたように誘導されたヒト神経芽腫で ある(Cancer Res.(1977)、37巻1372−1376頁)。このセルラ インは、N−mycプロトオンコジーンがLAN5細胞中では増幅されるがSH 5Y5Y中では増幅されないという点でSH5Y5Yラインと相違する。故に、 SHSY5Y腫瘍につながる病因はLAN5腫瘍とは異なる。10%牛胎児血清 および100μg/mlゲンタミシンを添加したRPMI 1640培地(ジブ コBRL、ガイサーズバーグ、MD)中37℃で細胞を増殖させた。 2.RNA抽出およびノーザン・ブロッティング チョムチンスキー等の一段階法により総RNAを分離した(Anal.Biochem.( 1987)、162巻156−159頁)。ポリA+RNAをポリAトラクトキ ット(プロメガ、マディソン、WI)を用いて選択し、1.0%アガロース−ホ ルムアルデヒドゲル上での電気泳動により分離し、デュアラロース膜(ストラー トジーン、ラジョーラ、CA)に転移させ、そしてUV照射で確定した。この膜 を、c−mycおよびc−max(ブラックウッド等(1991)、Science、 251巻1211−1217頁)、低親和性NGFレセプター(ジョンソン等( 1986)、Cell、47巻545−554頁)、trkA(マーティン−ザンカ 等(1989)、Mol.Cell.Biol.、9巻24−33頁)、およびtrkB(ミド ルマン等(1991)、Mol.Cell.Biol.、11巻143−153頁)のための[32 P]dCTP−ランダムプライマー−標識されたcDNAプローブとハイブリ ダイズした。全ブロットをβ−アクチンのためのcDNAプローブと再ハイブリ ダイズした(ガニング等(1983)、Mol.Cell.Biol.、3巻787−795頁 )。 3.ベクターの調製 pIRVCMVプラスミドを用いてpIRVCMV−TrkAベクターを調製 した。 このプラスミドは、細菌中で増殖するためのアンピシリン耐性遺伝子および複 製起点、真核細胞中での選択のためのネオマイシン耐性遺伝子(neo)、挿入 された遺伝子の発現のためのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、お よび真核生物ゲノム中への挿入のための長末端反復(LTR)を含む(図11を 参照されたい)。pIRVCMVをBamHIおよびClaIで開裂し、Trk Aの全コード化配列を含むcDNAをCMVプロモーターの下流に挿入しライゲ ーションした。このライゲーション混合物を用いて細菌を形質転換した。1個の クローン(pIRVCMV−TrkA)を選択し、以降の全ての実験に使用した (ヘンプステッド等(1992)、Neuron、9巻883−896頁)。電気穿孔 に先立ちpIRVCMV−TrkAをNotIで開裂した。この操作はTrkA 蛋白の産生を増加させるために設計した。ゲノムへのpIRVCMV−TrkA の挿入の間にこのプラスミドは線状化する。NotI部位で開裂することにより 、この線状化がtrkA配列の発現に必要とされない領域で起こる。 プラスミドpLENをEcoRIで開裂し、次いでtrkA cDNAを、t rkA遺伝子の発現をさせるプロモーターを含む5'LTR中のプロモーターの 下流に挿入することにより、プラスミドpLEN−TrkAを調製した。ライゲ ーション混合物を使用して細菌を形質転換し、クローン(pLEN−TrkA/ を選択し、以降の全ての実験に使用した。電気穿孔に先立ちpLEN−TrkA をNdeIで開裂した。 キメラレセプターをコードしているプラスミドpLXSN−ET−Rを、EG F−R由来の配列およびTrkA cDNAを融合させることにより調製した( オバーメイック等(1993)、EMBO J.、12巻933−941頁)。EGF −R細胞外配列の殆どは1680塩基対(bp)のXbaI−ApaI制限フラ グメントから誘導した。より大きなフラグメントの3'末端にあるさらなる41 8bpはPCRにより誘導した。これらのフラグメントをライゲーションし、ブ ルースクリプトベクター(ストラートジーン、ラジョーラ、CA)中にクローニ ングした。TrkA細胞内ドメインの殆どは1100bpのNarI−EcoR I制限フラグメントから誘導した。残りの364bpをPCRにより作成し、N arI部位を介してより長いフラグメントにライゲーションし、同時にSmaI /EcoRI−線状化されたpT7T3 18Uベクター(ファルマシア、ピス カタウェイ、NJ)中にクローニングした。これらのcDNAを、該プラスミド を XbaIおよびPvuIで消化することにより、そしてScaIおよびEcoR Iで消化することによりpT7T3ベクターから回収した。これらのDNAをラ イゲーションし、ブルースクリプトプラスミド中にクローニングした。次に挿入 物を切り取りpLXSNプラスミド中にライゲーションし、それによりpLXS N−ET−Rプラスミドを作り出した。 4.電気穿孔およびセルラインの選択 5x106のSHSY5Y細胞をPBSで1回洗浄し、EDTA1mMを添加 したハンクス緩衝化塩類溶液を用いて収穫した(Meth.Enzymol.(1979)( コロウィックおよびカプラン編)、58巻119−131頁)。細胞を、バイオ ーラド・ジーン・パルサー(ハーキュルス、CA)(450V、960μF、0 .4cm間隙)を使用して、60μgのNotI線状化pIRVCMVまたはp IRVCMV−TrkAプラスミドを伴うRPMI 1640中で電気穿孔した (ヘンプステッド等(1992)、Neuron、9巻883−896頁)。細胞を、 25cm2の組織プライマリア培養フラスコ上に蒔いた(ファルコン、フランク リン・レイクス、NJ)。抗生物質G418(RPMI 1640および10% FBS中400μg/ml)(ジブコ、ガイサーズバーグ、MDおよびシグマ・ ケミカルズ、セントルイス、MO)を用いて選択を2週間実施した。G418耐 性細胞の複数のクローン(>20)を取得し、プールして、セルラインSY5Y /ET(対照ベクター)およびSY5Y/TrkA(発現ベクター)を作った。 これらのラインはG418を含有する培地に400μg/mlで維持した。 これに代わりLAN5細胞をpLEN−TrkAまたはpLXSNプラスミド で電気穿孔し、SHSY5Y細胞について上記のように選択した。 4.足場非依存性検定 軟アガロース培養は2層で構成された。下層は、1.4%(W/V)アガロー ス(シープラーク、FMCバイオプロダクツ、ロックランド、ME)および20 %FBSを含有する2xRPMIの等容量を37℃で混合することにより調製し た。下層を固化するに任せ、上層を1時間以内に注いだ。上層は、等容量の下層 混合物および細胞懸濁液で構成された。直径60mmのペトリ皿当たり3000 細胞を用いて三重の培養を準備した。培養は5日毎に上層1mlを供給した。5 ないし6週間後、培養をp−ヨードニトロテトラゾリウムバイオレット(シグマ 、セントルイス、MO)1mg/mlで染色した。20またはそれ以上の細胞か ら成るコロニーを24時間後に計数した(スモール等(1987)、Mol.Cell.B iol.、7巻1638−1645頁)。 5.免疫沈降 神経芽腫細胞を75cm2のフラスコに密集成長付近まで増殖させ、次いで1 0%透析牛胎児血清および0.04mCi/ml32S−プロテイン・ラベリング ・ミックス(デュポン、ウィルミントン、DE)を含有するメチオニン除去RP MI 1640 10mlと共にインキュベートした。11時間後、1.5x1 07細胞から粗製の膜を調製し、ロス等、Arch.Biochem.Biophys.(1985)、 242巻540−548頁により記載されるように、洗浄剤で抽出した。2μl の203抗TrkA C末端ウサギ血清(ヘンプステッド等(1992)、Neur on、9巻883−896頁)または正常ウサギ血清を使用して、4℃で1時間免 疫沈降を実施した。免疫沈降した蛋白を8%SDSポリアクリルアミドゲル上の 電気泳動により分析した。オートラジオグラフィー・エンハンサー・エンテンシ ファイ(デュポン、ウィルミントン、DE)を用いる蛍光光度法により蛋白バン ドを検出した。 6.TrkAの燐酸化の検出 チロシン残基上のTrkAの燐酸化を検出するため、2x107の神経芽腫細 胞をカプラン等、Cell(1990)、61巻125−133頁)により記載され るように抽出し、203抗TrkA血清(ヘンプステッド等、同書)を用いて免 疫沈降させた。これらの試料を8%SDSポリアクリルアミドゲルに適用し、イ モビロン−P(ミリポア、ベッドフォード、MA)に転移させた。ホスホチロシ ンを有する蛋白を、RC20抗ホスホチロシン抗体−西洋ワサビペルオキシダー ゼコンジュゲート(トランスダクション・ラボラトリーズ、レキシントン、KY )および化学ルミネセンス試薬(ルネサンス;デュポン、ウィルミントン、DE )を用いるウェスタン・ブロッティングにより検出した。等価物 当業者は、常套的実験を用いて、本明細書に記載の個々の物質および方法の等 価物を数多く認識し、または確認することができるであろう。係る等価物は本発 明の範囲内にあると考えられ、以下の請求の範囲により包含される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポルーア,ウォジシエッチ アメリカ合衆国01545マサチューセッツ州 シュルーズベリー、ソーンダース・ドラ イブ16番 (72)発明者 ラチャンカー,マエシュ・ビー アメリカ合衆国01545マサチューセッツ州 シュルーズベリー、ウィリアムズバー グ・コート22−21番 (72)発明者 ポルーア,ドロータ・ケイ アメリカ合衆国01545マサチューセッツ州 シュルーズベリー、ソーンダース・ドラ イブ16番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)分化因子のレセプターまたはそのポリペプチド部分をコードしてい るヌクレオチド配列を含むベクターを提供し; (b)このベクターを、該レセプターをコードしているヌクレオチド配列が細 胞で発現されるように腫瘍細胞へと転移させ;そして、 (c)転移工程前の腫瘍細胞の腫瘍発生性と比較した腫瘍細胞の腫瘍発生性の 低下を検出する、 事を含む、腫瘍細胞をインビトロで処置する方法。 2.腫瘍細胞が神経芽腫細胞である、請求項1に記載の方法。 3.ヌクレオチド配列が、神経成長因子、インターロイキン、線維芽細胞成長 因子、表皮成長因子、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−5、イン シュリン様成長因子、レチン酸、血小板由来成長因子、脳由来神経栄養因子、お よびこれらの組み合わせより成る群から選ばれる分化因子のレセプターをコード している、請求項1に記載の方法。 4.ヌクレオチド配列が神経成長因子のレセプターをコードしている、請求項 1に記載の方法。 5.ヌクレオチド配列が、TrkA、TrkB、TrkC、線維芽細胞成長因 子レセプター、インシュリン様成長因子、レチン酸レセプター、BONF−R、 TrkBインターロイキンレセプター、およびこれらの組み合わせより成る群か ら選ばれるレセプターまたはその一部をコードしている、請求項1に記載の方法 。 6.ヌクレオチド配列がTrkAのレセプターまたはその一部をコードしてい る、請求項5に記載の方法。 7.ヌクレオチド配列がさらに表皮成長因子レセプターの一部をコードしてい る、請求項6に記載の方法。 8.ヌクレオチド配列がさらに血小板由来成長因子レセプターの一部をコード している、請求項6に記載の方法。 9.遺伝子が、電気穿孔、トランスフェクション、形質転換、または粒子衝撃 によって細胞に転移される、請求項1に記載の方法。 10.検出工程が、ベクターを含む細胞をインビトロで培養し、そして半固形 培地中のコロニーの数、大きさ、および生存性を測定することを含む、請求項1 に記載の方法。 11.ベクターを含む細胞を、軟アガロースまたはメチルセルロース中で培養 することをさらに含む、請求項10に記載の方法。 12.(a)該レセプターがTrkAである、神経成長因子のレセプターまた はそのポリペプチド部分をコードしているヌクレオチド配列を含む発現ベクター を提供し; (b)このベクターを、分化因子レセプターをコードしているヌクレオチド配 列が細胞で発現されるように、電気穿孔によって神経芽腫細胞へと転移させ;そ して、 (c)転移工程前の細胞の腫瘍発生性と比較した軟アガロース中の細胞の腫瘍 発生性の低下を検出する、 事を含む、神経芽腫細胞をインビトロで処置する方法。 13.ベクターが、血小板由来成長因子のレセプターのポリペプチド部分をコ ードしているヌクレオチド配列をさらに含む、請求項12に記載の方法。 14.ベクターが、表皮成長因子のレセプターのポリペプチド部分をコードし ているヌクレオチド配列をさらに含む、請求項12に記載の方法。 15.(a)分化因子のレセプターまたはそのポリペプチド部分をコードして いるヌクレオチド配列を含むベクターを提供し; (b)このベクターを、該レセプターをコードしているヌクレオチド配列が細 胞で発現されるように、腫瘍細胞へと転移させ;そして、 (c)転移工程前の細胞増殖およびコロニー形成と比較した細胞増殖の低下お よびコロニー形成の低下(細胞増殖およびコロニー形成の低下は細胞の腫瘍発生 性の低下を示す)を検出する、 事を含む、腫瘍細胞の腫瘍発生性を阻害または低下させる方法。 16.検出工程が、ベクターを含む細胞をインビトロで培養し、そして得られ たコロニーの数および大きさを測定することを含む、請求項15に記載の方法。 17.検出工程が、ベクターを含む細胞をアガロースまたはメチルセルロース 中で培養することを含む、請求項16に記載の方法。 18.(a)分化因子のレセプターまたはそのポリペプチド部分をコードして いるヌクレオチド配列をそれぞれ含む複数のベクターを提供し; (b)これらのベクターを、該レセプターをコードしているヌクレオチド配列 が細胞で発現されるように、神経芽腫細胞の培養へと転移させ;そして、 (c)この培養を、細胞増殖の低下およびコロニー形成の低下について監視す る(細胞増殖の低下およびコロニー形成の低下は神経芽腫細胞の腫瘍発生性を阻 害するレセプター分子の存在を示す)、 事を含む、神経芽腫細胞の腫瘍発生性を阻害するレセプター分子についてスクリ ーニングする方法。 19.神経芽腫細胞の培養を軟アガロースまたはメチルセルロース上で生育さ せる、請求項18に記載の方法。 20.遺伝子を、トランスフェクション、形質転換、電気穿孔、および粒子衝 撃より成る群から選ばれる方法によって細胞に転移させる、請求項18に記載の 方法。
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