【発明の詳細な説明】
オレフィンモノマー重合のための
担持触媒組成物および方法
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、担持触媒系および該担持触媒系を使用したα−オレフィンモノマー
の重合に関する。特に、本発明は、担体物質、少なくとも1種の遷移金属錯体お
よび1以上の助触媒を含む触媒系ならびに該担持触媒系を使用したα−オレフィ
ンの重合によるポリマーの製造法、ならびに得られたポリマー物質およびそれら
の使用に関する。
2.従来の技術
EP−A−548,257は、不活性担体、「4族」遷移金属のモノシクロペンタジエニ
ル化合物およびアルミノキサンを含む担持触媒系を記載している。
EP−A−548,257(その完全な開示は、引用することにより本明細書に含められ
る。)に係る担持触媒系の欠点は、これらの触媒を使用すると低分子量の物質し
か製造できないこと、およびこれらの触媒系が低活性であるということである。
これらの触媒系によるα−オレフィンモノマーの工業的重合は不可能である。
発明の要旨
従って、本発明の目的は、関連技術に関係する上記問題を解決すること、なら
びに上記した要求を扱うことである。
この目的によれば、本発明は、高分子量を有するα−オレフィン(コ−)ポリ
マーの製造に特に適切であり、高活性を示す、新規な担持触媒系を提供する。所
与の重合条件下で所与の量のコモノマーを混合することにより、標準よりも高い
分子量を得ることができるということは、本発明の重合法の「コポリマー分子量
容量」が優れていることを示す。
本発明の原理によれば、この目的は、触媒組成物および本触媒組成物の存在下
での少なくとも1種のα−オレフィンの重合法を提供することにより得られる。
触媒組成物は、元素周期表の4〜6族から選択される、還元された原子価の遷
移金属(M)、多座配位モノアニオン性リガンド(X)、2個のモノアニオン性
リガンド(L)および所望により上記以外のリガンド(K)を含む少なくとも1
種の錯体を含む。特に、本発明の触媒組成物の錯体は、下記式(I):
[式中、記号は下記の意味を有する:
M:元素周期表の4、5または6族から選択される還元された遷移金属;
X:式(Ar−Rt−)sY(−Rt−DR’n)qによって表される多座配位モノ
アニオン性リガンド;
Y:還元された遷移金属Mに結合する、シクロペンタジエニル、アミド(−NR
’−)またはホスフィド(−PR’−)基;
R:(i)Y基とDR’n基との間の連結基および(ii)Y基とAr基との間の
連結基(リガンドXが1より多いR基を含む場合、R基は互いに同一でも異なっ
ていてもよい)から成る群から選択される少なくとも1種;
D:元素周期表の15または16族から選択される電子供与性ヘテロ原子;
R’:水素、炭化水素残渣およびヘテロ原子含有部分から成る群から選択される
置換基であり、ただし、R’が電子供与性ヘテロ原子Dに直接結合する場合はR
’は水素でなく、多座配位モノアニオン性リガンドXが置換基R’を1より多く
含む場合、置換基R’は互いに同一でも異なっていてもよい;
Ar:電子供与性アリール基;
L:還元された遷移金属Mに結合するモノアニオン性リガンドであり、モノアニ
オン性リガンドLは、シクロペンタジエニル、アミド(−NR’−)またはホス
フィド(−PR’−)基を含むリガンドではなく、モノアニオン性リガンド
Lは互いに同一でも異なっていてもよい;
K:還元された遷移金属Mに結合する中性またはアニオン性リガンドであり、遷
移金属錯体は1より多くのリガンドKを含み、リガンドKは互いに同一でも異な
っていてもよい;
m:Kリガンドの数であり、Kリガンドがアニオン性リガンドの場合、mはM3+
に対しては0、M4+に対しては1、M5+に対しては2であり、Kが中性リガンド
の場合、mは各中性Kリガンドに対して1だけ増加する;
n:電子供与性ヘテロ原子Dに結合したR’基の数であり、Dが元素周期表の1
5族から選択される場合、nは2であり、Dが元素周期表の16族から選択され
る場合、nは1である;
q、s:qおよびsは、各々、Y基に結合した(−Rt−DR’n)基および(A
r−Rt−)基の数であり、q+sは1以上の整数である;
t:(i)YおよびAr基ならびに(ii)YおよびDR’n基の各々を結合する
R基の数であり、tは独立して0または1として選択される。]によって表され
る。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴および利点は、本発明の原理を例を挙げ
て説明する添付の図面と組み合わせると、下記の詳細な説明から明らかになるで
あろう。
図面の簡単な説明
添付の図面は、本発明を説明するものである。かかる図面において、
図1は、本発明の態様による3価の触媒錯体のカチオン性活性部位の構成図で
ある。
図2は、WO−A−93/19104にかかる従来の触媒錯体の二アニオン性リガンドの
3価の触媒錯体の中性活性部位の構成図である。
好ましい態様の説明
遷移金属錯体の種々の成分(基)を下記にさらに詳細に説明する。
(a)遷移金属(M)
錯体における遷移金属は、元素周期表の4〜6族から選択される。本明細書で
言及する場合、元素周期表は全て、化学および物理のハンドブック、第70版、
1989/1990の表紙裏にある新しいIUPAC表記で示したものを意味し
、その完全な開示は、引用することにより本明細書に含められる。より好ましく
は、遷移金属は、元素周期表の4族から選択され、最も好ましくはチタン(Ti
)である。
遷移金属は、錯体中に還元された形で存在し、それは、遷移金属が、低下され
た酸化状態にあることを意味する。本明細書で言及する場合、「低下された酸化
状態」とは、0よりも大きいが、その金属の可能な最も高い酸化状態よりも低い
酸化状態を意味する(例えば、低下された酸化状態は、4族の遷移金属の場合は
高々M3+であり、5族の遷移金属の場合は高々M4+であり、6族の遷移金属の場
合は高々M5+である。)。
(b)Xリガンド
Xリガンドは、式(Ar−Rt−)sY(−Rt−DR’n)qによって表される
多座配位モノアニオン性リガンドである。
本明細書で言及する場合、多座配位モノアニオン性リガンドは、還元された遷
移金属(M)に一つの部位(アニオン性部位Y)で共有結合によって結合し、そ
して、(i)一つの配位結合によって遷移金属に他の一つの部位で結合する(二
座配位)か、(ii)複数の配位結合によって他のいくつかの部位で結合する(三
座配位、四座配位など)。かかる配位結合は、例えば、Dヘテロ原子またはAr
基を介して生じ得る。三座配位モノアニオン性リガンドの例としては、それらに
限定されないが、Y−Rt−DR’n−1-Rt-DR’nおよびY(−Rt−DR’n
)2が挙げられる。しかし、ヘテロ原子またはアリール置換基は、少なくとも1
個の配位結合が電子供与性の基Dまたは電子を供与するAr基と還元された遷移
金属Mとの間に形成される限り、還元された遷移金属Mに配位結合することなく
Y基上に存在し得る。
Rは、DR’nとYとの間、および/または電子を供与するアリール(Ar)
基とYとの間の連結または架橋基をあらわす。Rは任意であるため、「t」はゼ
ロでもよい。R基は、下記のパラグラフ(d)でさらに詳細に説明する。
(c)Y基
多座配位モノアニオン性リガンド(X)のY基は、好ましくは、シクロペンタ
ジエニル、アミド(−NR’−)またはホスフィド(−PR’−)基である。
最も好ましくは、Y基はシクロペンタジエニルリガンド(Cp基)である。本
明細書で言及する場合、シクロペンタジエニル基とは、Cp基の置換基の少なく
とも1個が、Cp基の5員環に結合した水素の1個と環外置換によって置き換わ
るRt−DR’n基またはRt−Ar基である限り、インデニル、フルオレニルお
よびベンゾインデニル基などの置換シクロペンタジエニル基ならびに少なくとも
1個の5員環ジエニルを含む他の多環式芳香族を包含する。
Y基(またはリガンド)としてCp基を有する多座配位モノアニオン性リガン
ドの例としては、下記のもの(環上に(−Rt−DR’n)または(Ar−Rt−
)置換基を有する)が挙げられる:
Y基はまた、ヘテロシクロペンタジエニル基であってもよい。本明細書で言及
する場合、ヘテロシクロペンタジエニル基とは、シクロペンタジエニル基から誘
導されるヘテロリガンドを意味するが、シクロペンタジエニルの5員環構造を規
定する原子の少なくとも1個は、環内置換によってヘテロ原子で置換されている
。ヘテロCp基はまた、Cp基の5員環に結合した水素の一つを環外置換によって
置換する少なくとも1個のRt−DR’n基またはRt−Ar基を含む。Cp基に関
して、本明細書で言及する場合、ヘテロCp基は、ヘテロCp基の置換基の少な
くとも一つが、ヘテロCp基の5員環に結合した水素の一つを環外置換によって
置換するRt−DR’n基またはRt−Ar基である限り、インデニル、フルオレ
ニルおよびベンゾインデニル基ならびに少なくとも1個の5員環ジエニルを含む
他の多環式芳香族を包含する。
ヘテロ原子は、元素周期表の14、15または16族から選択することができ
る。5員環に1より多くのヘテロ原子が存在する場合、これらのヘテロ原子は、
互いに同一でも異なっていてもよい。より好ましくは、ヘテロ原子が15族から
選択され、さらに好ましくは、選択されるヘテロ原子がリンである。
限定されることなく例を挙げて説明すると、本発明に従って実施できるX基の
代表的なヘテロリガンドは、下記構造を有するヘテロシクロ
ペンタジエニル基であり、そのヘテロシクロペンタジエニルは、5員環において
置換された1個のリン原子(すなわち、ヘテロ原子)を含む。
なお、一般に、遷移金属基Mは、η5結合によってCp基に結合している。
ヘテロCp基の環上の他のR’環外置換基(式(III)に示す)は、式(II)に
示すように、Cp基上に存在するものと同じ型であってもよい。式(II)と同様
に、式(III)のヘテロシクロペンタジエニル基の5員環上の環外置換基の少な
くとも1個はRt−DR’n基またはRt−Ar基である。
インデニル基の置換部位の番号のつけ方は一般的であり、有機化学 1979、規
則 A21.1のIUPAC命名法に基づく現在の記載法による。インデンの置換部
位の番号を以下に示す。この番号のつけ方は、インデニル基と類似している。
インデン
Y基は、アミド(−NR’−)基またはホスフィド(−PR’−)基であって
もよい。これらの別の態様では、Y基は窒素(N)またはリン(P)を含み、遷
移金属Mおよび(−Rt−DR’n)または(Ar−Rt−)置換基の(所望によ
る)R基に共有結合している。
(d)R基
R基は任意であり、X基に存在しなくてもよい。R基が存在しない場合は、D
R’nまたはAr基がY基に直接結合する(すなわち、DR’nまたはAr基は
Cp、アミドまたはホスフィド基に直接結合する。)。DR’n基および/または
Ar基の各々の間のR基の有無は独立である。
少なくとも1個のR基が存在する場合、R基の各々は、一方でY基および他方
でDR’n基またはAr基の間で連結結合を構成する。R基の存在および大きさ
は、遷移金属MのDR’nまたはAr基に対する接近性を決定し、それによって
所望の分子内配位が付与される。R基(または架橋)が短すぎるか存在しない場
合、ドナ
−は環テンションの故に十分配位しないかも知れない。R基は各々独立して選択
され、一般には、例えば、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基(例えば、
アルキリデン、アリーリデン、アリールアルキリデンなど)である。かかるR基
の具体例としては、それらに限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン
、ブチレン、フェニレンが挙げられ、置換された側鎖があってもなくてもよい。
好ましくは、R基は下記構造
(−CR’2−)p (IV)
[式中、pは1〜4である。]を有する。式(IV)のR’基は、各々独立して
選択することができ、下記パラグラフ(g)で定義するR’基と同じであっても
よい。
炭素の他に、R基の主鎖は、ケイ素またはゲルマニウムを含むことができる。
かかるR基の例としては、ジアルキルシリレン(−SiR’2−)、ジアルキル
ゲルミレン(−GeR’2−)、テトラ−アルキルシリレン(−SiR’2−S
iR’2−)またはテトラアルキルシラエチレン(−SiR’2CR’2−)が挙
げられる。かかる基のアルキル基は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有し、
より好ましくはメチルまたはエチル基である。
(e)DR’n基
このドナー基は、元素周期表の15または16族から選択される電子供与性ヘ
テロ原子Dお
よびDに結合した1以上の置換基R’から成る。R’基の数(n)は、Dが15
族から選択される場合はnが2である限り、また、Dが16族から選択される場
合はnが1である限り、ヘテロ原子Dの性質によって決定される。Dに結合する
R’置換基は、各々独立して選択することができ、下記パラグラフ(g)で定義
するR’基と同じであってもよい。ただし、Dに結合するR’置換基は水素では
ありえない。
ヘテロ原子Dは、好ましくは、窒素(N)、酸素(O)、リン(P)および硫
黄(S)から成る群から選択され、より好ましくは、ヘテロ原子が窒素(N)で
ある。R’基は、好ましくはアルキルであり、より好ましくは1〜20個の炭素
原子を有するn−アルキル基であり、最も好ましくは1〜8個の炭素原子を有す
るn−アルキルである。さらに、DR’n基中の2個のR’基が互いに連結して
環状構造を形成してもよい(その結果、DR’n基は、例えばピロリジニル基と
なり得る)。DR’n基は、遷移金属Mと配位結合を形成することができる。
(f)Ar基
選択される電子供与性の基(またはドナー)は、フェニル、トリル、キシリル
、メシチル、クメニル、テトラメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、多環式
基(トリフェニルメタンなど)などのアリール基(C6R’5)であってもよい。
しかし、式(I)の電子供与性の基D
は、インデニル、ベンゾインデニルまたはフルオレニル基などの置換されたCp
基ではあり得ない。
遷移金属Mに対するこのAr基の配位は、η1からη6まで変わり得る。
(g)R’基
R’基は、各々別々に、水素または炭素数1〜20の炭化水素残基(例えば、
表1に示すアルキル、アリール、アリールアルキルなど)である。アルキル基の
例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルおよびデシルが挙げ
られる。アリール基の例としては、フェール、メシチル、トリルおよびクメニル
が挙げられる。アリールアルキル基の例としては、ベンジル、ペンタメチルベン
ジル、キシリル、スチリルおよびトリチルが挙げられる。他のR’基の例として
は、クロライド、ブロマイド、フルオライドおよびアイオダイドなどのハライド
、メトキシ、エトキシならびにフェノキシが挙げられる。
また、Y基の隣接する2個の炭化水素残基は、互いに連結して環を形成するこ
ともできる。従って、Y基は、インデニル、フルオレニルまたはベンゾインデニ
ル基となり得る。インデニル、フルオレニルおよび/またはベンゾインデニルは
、1以上のR’基を置換基として含み得る。R’はまた、炭素および/または水
素の代わり、または炭素および/または水素の他に、元素周
期表の14〜16族の1以上のヘテロ原子を含み得る置換基であってもよい。す
なわち置換基は、例えば、Si(CH3)3などのSi−含有基であり得る。
(h)L基
遷移金属錯体は、遷移金属Mに結合した2個のモノアニオン性リガンドLを含
む。リガンドL基は同一でも異なっていてもよく、その例としては、それらに限
定されないが、水素原子;ハロゲン原子;アルキル、アリールまたはアリールア
ルキル基;アルコキシまたはアリールオキシ基;元素周期表の15または16族
から選択されるヘテロ原子を含む基、例えば(i)サルファイト、サルフェート
、チオール、スルホネートおよびチオアルキルなどの硫黄化合物、ならびに(ii
)ホスファイトおよびホスフェートなどのリン化合物などが挙げられる。また、
2個のL基が互いに連結して、ジアニオン性二座配位環式系を形成してもよい。
これらおよび他のリガンドは当業者であれば、簡単な実験によってその適合性
を試験することができる。
好ましくは、Lがハライドおよび/またはアルキルまたはアリール基であり、
より好ましくは、LはCl基および/またはC1〜C4アルキルまたはベンジル基
である。しかし、L基はCp、アミドまたはホスフィド基ではありえない。言い
換えると、LはY基の一つとはなり得
ない。
(i)Kリガンド
Kリガンドは、遷移金属Mに結合した中性またはアニオン性の基である。K基
は、Mに結合した中性またはアニオン性のリガンドである。Kが中性のリガンド
の場合、Kは存在しなくてもよいが、Kがモノアニオン性の場合は、Kmに対し
て下記が適用される。
M3+に対してはm=0
M4+に対してはm=1
M5+に対してはm=2
他方、中性のKリガンドは、定義によってアニオン性ではなく、その同じ規則
には依らない。従って、中性の各Kリガンドに対しては、mの値(すなわち、K
リガンドの合計数)は、全てのモノアニオン性Kリガンドを有する錯体に対して
上記した値よりも高い。
Kリガンドは、L基に対して上記したリガンドまたはCp基(−C5R’5)、
アミド基(−NR’2)もしくはホスフィド基(−PR’2)であり得る。K基は
また、中性のリガンド、中でもエーテル、アミン、ホスフィン、チオエーテルな
どであってもよい。
2個のK基が存在する場合、2個のK基が互いにR基を介して連結して、二座
配位環式系を形成してもよい。
また、式(I)から分かるように、錯体のX基は、1以上のドナー基(Ar基
および/また
はDR’n基)が、所望によりR基を介して、それに連結したY基を含む。Y基
に連結したドナー基の数は、少なくとも1であり、多くても、Y基上に存在する
置換部位の数である。
例えば式(II)による構造に言及すると、Rt−Ar基またはRt−DR’n基
によって、Cp基上に少なくとも1個の置換部位が作られる(その場合、q+s
=1である。)。式(II)のR’基の全てがRt−Ar基、Rt−DR’n基また
はそれらの任意の組み合わせであれば、(q+s)の値は5となる。
本発明に係る触媒組成物の好ましい一つの態様は、二座配位/モノアニオン性
リガンドが存在し、かつ還元された遷移金属が元素周期表の4群から選択されて
+3の酸化状態を有しているところの遷移金属錯体を含む。
この場合、本発明に係る触媒組成物は、式(V):
[式中、記号は、式(I)に対して上記したものと同じ意味を有し、M(III)
は元素周期表の4群から選択された遷移金属であり、酸化状態は3+である。]
によって表される遷移金属錯
体を含む。
かかる遷移金属錯体は、アニオン性のKリガンドがない(アニオン性のKに対
しては、M3+の場合、m=0である。)。
なお、WO−A−93/19104には、低下された酸化状態(3+)の4族の遷移金属
が存在する遷移金属錯体が記載されている。WO−A−93/19104に記載された錯体
は、一般式:
Cpa(ZY)bMLc (VI)
を有する。この式(VI)におけるY基は、遷移金属Mに共有結合したリン、酸
素、硫黄または窒素などのヘテロ原子である(WO−A−93/19104の第2頁参照)
。これは、Cpa(ZY)b基が二アニオン性であり、CpおよびY基上に先に存在
しているアニオン性の電荷を有することを意味している。従って、式(VI)の
Cpa(ZY)b基は、2個の共有結合を含み、第一はCp基の5員環と遷移金属
Mとの間にあり、第二は、Y基と遷移金属との間にある。これに対して、本発明
に係る錯体のX基はモノアニオン性であり、その結果、共有結合は、Y基(例え
ば、Cp基)と遷移金属との間に存在し、遷移金属Mと1以上の(Ar−Rt−)
および(−Rt−DR’n)との間には配位結合が存在し得る。これは、遷移金属
錯体の性質、従って、重合において活性な触媒の性質を変化させる。本明細書で
言及するとき、配位結合とは、切断されると(i)ネット電荷がなく、不対電子
も
ない2個の化学種(例えば、H3N:およびBH3)または(ii)ネット電荷を有
し、不対電子もある2個の化学種(例えば、H3N・+およびBH3・-)を生じる
結合(例えば、H3N−BH3)である。他方、本明細書で言及するとき、共有
結合とは、切断されると(i)ネット電荷がなく、不対電子を有する2個の化学
種(例えば、CH3・およびCH3・)または(ii)ネット電荷を有し、不対電子
はない2個の化学種(例えば、CH3 +およびCH3:-)を生じる結合(例えば、
CH3−CH3)である。配位および共有結合の説明はHaalandら(Angew.Chem I
nt.Ed.Eng.Vol.28,1989,p.992)に記載されており、その完全な開示は、
引用することにより本明細書に含められる。
下記に説明を行うが、本発明は、この理論に決して限定されるものではない。
まず、特に図2を参照すると、WO−A−93/19104に記載の遷移金属錯体は、助
触媒との相互作用の後、イオン性となる。しかし、重合において活性なWO−A−9
3/19104に係る遷移金属錯体は、全体として中性の電荷を含む(重合する遷移金
属錯体がM(III)遷移金属、1個の二アニオン性リガンドおよび1個の伸長す
るモノアニオン性ポリマー鎖(POL)を含むという仮定に基づく)。これに対
して、図1に示すように、本発明に係る触媒組成物の重合活性遷移金属錯体は、
カチオン性である(重合する遷移金属錯
体−式(V)の構造に基づく−がM(III)遷移金属、1個のモノアニオン性二
座配位リガンドおよび1個の伸長するモノアニオン性ポリマー鎖(POL)を含
むという仮定に基づく)。
遷移金属は低下された酸化状態にあるが、下記構造:
Cp−M(III)−L2 (VII)
を有する遷移金属錯体は、一般に、共重合反応では活性でない。重合に適する安
定した遷移金属錯体を提供するのは、正確には、本発明の遷移金属錯体における
、所望によりR基によってY基に結合したDR’nまたはAr基(ドナー)の存
在である。
そのような分子内ドナーは、それが遷移金属錯体とのより強く、より安定な配
位を示すという事実により、外部(分子間)ドナーよりも好ましいと考えられる
。
触媒系は、その成分が重合反応系に直接添加され、液体モノマーを含めた溶媒
または希釈剤が該重合反応器で使用されるならば、in situ形成することもでき
る。
本発明の触媒組成物はまた、助触媒も含む。例えば、助触媒は、有機金属化合
物であってもよい。有機金属化合物の金属は、元素周期表の1、2、12または
13族から選択できる。適する金属としては、例えば、それらに限定されないが
、ナトリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウムおよびアルミニウムが挙げられ、
アルミ
ニウムが好ましい。少なくとも1つの炭化水素残基は、その金属に直接結合して
、炭素−金属結合を提供する。該化合物で使用される炭化水素基は、好ましくは
、1〜30、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含む。適する化合物の例と
しては、それらに限定されないが、アミルナトリウム、ブチルリチウム、ジエチ
ル亜鉛、塩化ブチルマグネシウムおよびジブチルマグネシウムが挙げられる。好
ましくは有機アルミニウム化合物であり、例えば、それらに限定されないが、ト
リエチルアルミニウムおよびトリ−イソブチルアルミニウムなどのトリアルキル
アルミニウム化合物;水素化ジイソブチルアルミニウムなどの水素化アルキルア
ルミニウム;アルキルアルコキシ有機アルミニウム化合物;ならびに塩化ジエチ
ルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウムおよびセスキ塩化エチルアルミ
ニウムなどのハロゲン−含有有機アルミニウム化合物が挙げられる。好ましくは
、直鎖または環式アルミノキサンが有機アルミニウム化合物として選択される。
助触媒としての有機金属化合物の他に、または該有機金属化合物の代わりとし
て、本発明の触媒組成物は、配位していない、または配位の小さいアニオンを含
む、または本発明の遷移金属錯体との反応において該アニオンを生じる化合物を
含むことができる。該化合物は、例えば、EP−A−426,637に記載されており、そ
の完全な
開示は、引用することにより本明細書に含められる。そのようなアニオンは、結
合が十分に不安定であるため、共重合中に不飽和モノマーによって置き換えられ
る。かかる化合物は、EP−A−277,003およびEP−A−277,004でも挙げられており
、それらの完全な開示は、引用することにより本明細書に含められる。かかる化
合物は、好ましくは、トリアリールボランまたはホウ酸テトラアリールまたはそ
れらのアルミニウム等価物を含む。適する助触媒化合物の例としては、それらに
限定されないが、下記のものが挙げられる。
−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジメチルアニリニウム〔C6H5
N(CH3)2H〕+〔B(C6F5)4〕-;
−ビス(7,8−ジカルバウンデカホウ酸)コバルト(III)ジメチルアニリニ
ウム;
−テトラフェニルホウ酸トリ(n−ブチル)アンモニウム;
−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルカルベニウム;
−テトラフェニルホウ酸ジメチルアニリニウム;
−トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;および
−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸。
上記の配位していない、または配位の小さい
アニオンを使用する場合、遷移金属錯体はアルキル化されていることが好ましい
(すなわち、L基がアルキル基である)。例えばEP−A−500,944に記載されてい
るように(その完全な記載は、引用することにより本明細書に含められる)、ハ
ロゲン化遷移金属錯体と有機金属化合物、例えばトリエチルアルミニウム(TE
A)などとの反応生成物も使用できる。
有機金属化合物が助触媒として選択される場合の遷移金属錯体に対する助触媒
のモル比は、通常は、約1:1〜約10,000:1の範囲であり、好ましくは
、約1:1〜約2,500:1の範囲である。配位していない、または配位の小
さいアニオンを含む、または該アニオンを生じる化合物が助触媒として選択され
る場合、モル比は通常、約1:100〜約1,000:1の範囲であり、好まし
くは約1:2〜約250:1の範囲である。
当業者であれば分かるように、遷移金属錯体および助触媒は、単一成分として
、またはいくつかの成分の混合物として触媒組成物に存在させることができる。
例えば、ポリマーの分子特性、例えば分子量および特に分子量分布などに影響を
及ぼす必要がある場合は、混合物が望ましいくありうる。
不活性担体成分としては、細かく分割された固体多孔性担体が挙げられ、例え
ば、それらに限定されないが、MgCl2、ゼオライト、鉱
物粘土、無機酸化物(タルク、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナなど)、無
機水酸化物、リン酸塩、硫酸塩など、またはポリオレフィン(ポリスチレンなど
)などの樹脂性支持材料、またはそれらの混合物が挙げられる。これらの担体は
、そのまま、または例えばシランおよび/またはアルミニウムアルキルおよび/
またはアルミノキサン化合物などによって改変して使用することができる。
遷移金属錯体または助触媒を、担体に担持させる。遷移金属錯体および助触媒
の両方を担体に担持させることも可能である。遷移金属錯体および助触媒用の担
体物質は、同一物質でも異なる物質でもよい。遷移金属錯体および助触媒を同一
の担体に担持させることも可能である。本発明の担持触媒系は、別々の化合物と
して製造して、そのまま重合反応に使用することができ、または、担持触媒系を
重合反応が開始する直前にin situ形成させることもできる。
本発明の担持触媒系は、いくつかの方法によって製造できる。4〜6族の遷移
金属錯体およびアルミノキサン成分を混合した後、それに担体物質を添加するこ
ともでき、または、その混合物を担体物質に添加してもよい。混合物は、通常は
液体のアルカンまたは芳香族溶媒中の通常の溶液で調製できる。かかる溶媒とし
ては、それらに限定されないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタメチル
ヘプタン、イソブタン
およびイソペンタンなどの直鎖または分岐したアルカンならびにトルエンなどの
芳香族溶媒が挙げられる。溶媒はまた、好ましくは、オレフィンモノマーの液相
重合用重合希釈剤として使用するのにも適している。あるいは、アルミノキサン
を担体物質に載せた後、遷移金属錯体を添加してもよく、逆に、遷移金属錯体を
担体物質に施与した後、アルミノキサンを添加してもよい。アルミノキサンは市
販のものを使用することができ、あるいは、例えばトリアルキルアルミニウム化
合物を水和した担体に添加する、例えばトリメチルアルミニウムを湿潤または非
脱水シリカに添加することにより、固体担体上でin situ形成することもできる
。担持触媒を予備重合してもよい。さらに、第三の成分を、担持触媒製造の任意
の段階で添加することができる。第三の成分は、ルイス酸性または塩基性官能価
を含む化合物として定義され、例としては、それらに限定されないが、N,N−
ジメチルアニリン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビス
−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)などが挙げられる。
金属がチタンである遷移金属成分は、触媒系に有益な特性を付与することが見
いだされた。それは、アルミノキサンによる助触媒作用を受けるシクロペンタジ
エニルチタンの性質に関して知られていることを鑑みると、予期せぬことである
。それらの溶解形状におけるチタノセン
は、一般に、アルミニウムアルキルの存在下では不安定であるが、本発明の金属
成分は、一般に、より大きい安定性を示し(すなわち、触媒としての寿命がより
長い)、その結果、より高い触媒活性速度(1gのTiに対して製造される1時
間当たりのポリマー(kg)として表す)が得られる。高級α−オレフィンコモ
ノマーの高分子量での混入も、驚くべきことに、本発明に係る触媒系の有利な特
徴である(「コモノマー分子量容量」)。
要するに、本発明の担持触媒系は、還元された遷移金属錯体、担体および所望
により1種以上の有機アルミニウム化合物および/または配位していない、もし
くは配位の小さいアニオンを含む、もしくは遷移金属錯体との反応において該ア
ニオンを生じる化合物を含む。
本発明に係る方法では、α−オレフィンモノマーの重合は、上記した担持触媒
系を使用して行われる。特に、α−オレフィンモノマーは、エテン、プロペン、
ブテン、ペンテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテンおよびスチレン(置換または
非置換)を含む群から適切に選択される。これらの化合物の混合物も使用できる
。より好ましくは、エテンおよび/またはプロペンがα−オレフィンとして使用
される。かかるオレフインの使用により、高および低密度の(半)結晶性ポリエ
テンホモ−およびコポリマー(HDPE、LDPE、LLDPEなど)ならびに
ポ
リプロペンホモ−およびコポリマー(PPおよびEMPP(エラストマー変性ポ
リプロピレン))が生成される。かかる物質に必要なモノマーおよび使用される
方法は、当業者には公知である。
本発明に係る方法は、エテンおよびもう一つのα−オレフィンをベースとする
アモルファスまたはゴム様コポリマーの製造に対しても適する。プロペンは、好
ましくは、その他のα−オレフィンとして使用され、その結果、EPMゴムが生
成する。また、エテンおよびその他のα−オレフィン以外のジエンを使用するこ
とも可能であり、その結果、いわゆるEADMゴム(エチレン−α−オレフィン
ージエン三元ポリマー)、特にEPDM(エテンプロペンジエンゴム)が生成す
る。
α−オレフィンモノマーの重合は、気相および液体反応媒体中、公知方法で行
うことができる。溶液および懸濁物重合は共に、液体反応媒体中での使用に適す
る。本発明に係る担持触媒系は、主に、気相およびスラリー法において使用され
る。使用できる遷移金属の量は、分散剤におけるその濃度が約10-8〜10-3モ
ル/l、好ましくは約10-7〜10-4モル/lとなる量である。
次に、本発明を自体公知のα−オレフィンの重合に関して記載する。それは、
本発明の記載において言及される重合の代表である。α−オ
レフィンモノマーをベースとする他のポリマーの製造に対しては、この主題に関
する多くの刊行物に明白に示されている。
本発明の方法は、過剰のオレフインモノマーを反応媒体として使用して、気相
重合として(例えば、流動床反応器中)、懸濁物/スラリー重合として、固相粉
末重合として、またはいわゆるバルク重合法として行うことができる。分散剤は
、重合に対して適切に使用することができ、それは、(それらに限定されないが
)飽和、直鎖または分岐した脂肪族炭化水素(ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、ペンタメチルヘプタンなど)または鉱物油画分(軽油、レギュラーガソ
リン、ナフサ、灯油またはガス油など)から選択できる。フッ素化炭化水素また
は類似の液体もこの目的に適する。芳香族炭化水素、例えばベンゼンおよびトル
エンも使用できるが、価格および安全性を考慮すると、かかる溶媒の工業的規模
での使用は好ましくない。工業的規模での重合法では、石油化学工業によって市
販されている、低価格の脂肪族炭化水素またはそれらの混合物を溶媒として使用
するのが好ましい。しかし、脂肪族炭化水素を溶媒として使用する場合、溶媒は
、芳香族炭化水素、例えばトルエンを少量含んでいてもよい。すなわち、例えば
メチルアルミノキサン(MAO)を助触媒として使用する場合、MAOを溶解し
た形状で重合反応器に供給するために、トルエンをMA
O用溶媒として使用することができる。そのような溶媒を使用する場合は、溶媒
の乾燥または精製が望ましく、これは、当業者に周知の方法を使用して行うこと
ができる。
本発明方法では、触媒および助触媒を触媒的に有効な量、すなわちポリマーが
十分生成する量で使用する。かかる量は、当業者によって、決まった実験により
容易に決定できる。
理解されるように、触媒系は、その成分を重合反応器系に直接添加し、液体モ
ノマーを含む溶媒または希釈剤を重合反応器で使用する場合は、in situ形成す
ることもできる。溶液またはバルク重合を使用したい場合は、製造したいポリマ
ーの融点より十分高い温度で行うのが好ましく、典型的には、それに限定されな
いが、120℃〜260℃の温度である。
本発明の好ましい態様によれば、方法は、典型的には製造したいポリマーの融
点より十分低い温度で生じる懸濁物または気相重合条件下で行い、典型的には、
それに限定されないが、105℃以下の温度である。
重合によって得られるポリマーは、当業者に周知の方法によって処理すること
ができる。一般に、触媒は、ポリマー処理中の或る点で不活性化される。不活性
化も、自体公知の方法、例えば水またはアルコールによって行われる。触媒残渣
の除去は、通常は省略できる。なぜならば、本発明に係る触媒系を使用すると、
ポリマ
ー中の触媒の量、特にハロゲンおよび遷移金属の含量が非常に少ないからである
。
重合は、大気圧、大気圧より低い圧力、または500MPaまでの高められた
圧力で、連続して、または断続的に行うことができる。好ましくは、重合は、0
.01〜500MPa、最も好ましくは0.01〜10MPa、特に5〜30バ
ール(=0.5〜3MPa)の圧力で行われる。約500MPaまでのより高い
圧力を施与してもよい。そのような高圧法でも、本発明に係る方法を使用すると
良好な結果が得られる。スラリーおよび溶液重合は、通常は低圧、好ましくは2
0MPa以下で生じる。
重合は、直列および並列のいくつかの工程で行うこともできる。必要ならば、
触媒組成物、温度、水素濃度、圧力、滞在時間などを工程ごとに変えてもよい。
このようにして、分子量分布の広い物質を得ることもできる。
本発明はまた、本発明に係る重合法によって得られるポリオレフィンポリマー
にも関する。
次に、本発明を下記実施例によって説明するが、本発明は下記実施例によって
限定されない。
有機金属化合物が関与する仝ての試験は、標準的なシュレンク(Schlenk)装
置を使用して、不活性窒素雰囲気中で行った。(ジメチルアミノエチル)−テト
ラメチルシクロペンタジエニルの合成法は、Jutziら、Synthesis 1993,684で
発表された(その完全な開示は、引用するこ
とにより本明細書に含められる。)。
TiCl3、使用したエステルおよびリチウム試薬、2−ブロモ−2−ブテン
および1−クロロシクロヘキセンは、Aldrich Chemical Companyから入手した
。TiCl3・3THFは、THF(テトラヒドロフラン)中で24時間、Ti
Cl3を加熱還流することにより得た。下記において、「Me」は「メチル」を
意味し、「iPr」は「イソプロピル」を意味し、「Bu」は「ブチル」を意味
し、「iBu」は「イソブチル」を意味し、「tertBu」は「t−ブチル」を意
味し、「Ind」は「インデニル」を意味し、「Flu」は「フルオレニル」を
意味し、「Ph」は「フェニル」を意味し、Cp=シクロペンタジエニル、Cp*
=Me以外の置換基がさらに結合したテトラメチルシクロペンタジエニルである
。圧力は絶対圧であり、SEC−DV=サイズ排除クロマトグラフィーである。
MWD=分子量分布は、Mw/Mnとして定義する。Mz、MnおよびMwは、
SEC−DVの普遍的較正によって決定した分子量である。Mz*、Mw*および
Mn*は、SEC−DVの通常の較正によって決定した分子量である。実施例I
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2)を含む担持触媒系の製造a.4−ヒドロキシ−4−(ジメチルアミノエチル)−3,5−ジメチル−2, 5−ヘプタジエンの製造
2−ブロモ−2−ブテン(108g;0.800モル)をジエチルエーテル(300ml
)中の10.0gのリチウム(1.43モル)に、還流しながら約30分で添加した。一
夜(17時間)攪拌した後、3-(N,N−ジメチルアミノ)プロピオン酸エチ
ル(52.0g;0.359モル)をその反応混合物に約15分で添加した。室温で30分
攪拌した後、200mlの水を滴下した。分離した後、水相を50mlのCH2Cl2で2
回抽出した。有機相を煮詰め、残渣を減圧蒸留した。収量は51.0g(67%)であ
った。b.(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエンの製造
a)に記載したように製造した化合物(21.1g;0.10モル)を、200mlのジエチ
ルエーテルに溶解したp−トルエンスルホン酸・H2O(28.5g;0.15モル)に
一度に添加した。室温で30分攪拌した後、反応混合物を250mlの水中の50gの
Na2CO3・10H2Oの溶液に注入した。分離した後、水相を100mlのジエチル
エーテルで2回抽出した。エーテル層を一緒にして脱水し(Na2SO4)、濾過
し、蒸発させた。次いで、残渣を減圧蒸留した。収量は11.6g(60%)であった
。c.二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメ チルシクロペンタジエニルチタン(III)の製造
1.0当量のn−BuLi(1.43ml;1.6M)を(−60℃に冷却した後)、THF
(50ml)中のb)のC5Me4H(CH2)2NMe2(0.442g;2.29ミリモル)の
溶液に添加した後、冷却浴を取り外した。室温に温めた後、溶液を−100℃に
冷却し、TiCl3・3THF(0.85g;2.3ミリモル)を一度に添加した。室温
で2時間攪拌した後、THFを減圧除去した。特定沸点のガソリンを添加した後
、錯体(緑色固体)を、繰り返し洗浄し、濾過して溶媒を逆蒸留することにより
精製した。昇華によって純粋な錯体を得ることもできた。d.担持触媒系の製造
400℃、脱水窒素流下で4時間乾燥させた1.453gのSiO2(Grace-Daviso
nからコードW952として入手した)に10mlの脱水トルエンを添加した。16mlのメ
チルアルミノキサン(Witco製のMAO、30%トルエン溶液)を、300Kの温度
で絶えず混合しながら、10分かけて添加した。次いで、サンプルを、絶えず混
合しながら2時間真空乾燥させた。次いで、25mlのアルカン混合物(C6画分
)を添加し、その懸濁物を300Kでさらに12時間混合した。次いで、実施例
Icの有機金属錯体の懸濁物を、絶えず混合しながら添加した。得られた混合物
を乾燥させると、触媒系は27.9重量%のAlを含み、Al/Ti比が328であ
ること
が分かった。実施例II
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2)を含む担持触媒系を使用した
、二モードのMWDを有するエテン/オクテンコポリマーの製造
一般的手法:
オクテンを蒸留し、13X型の分子ふるいにより脱水した。600mlのアルカン
混合物を、脱水窒素下で、1.5リットル容のステンレス製反応器に溶媒として入
れた。次いで、エテン−オクテン重合のために、10gの脱水オクテンをその反応
器に添加した。次いで、その反応器を、8バール(800kPa)のエテン絶対圧下で
絶えず混合しながら必要な温度に加熱した。100ml容の触媒供給容器に、25mlの
アルカン混合物を分散媒体として添加した。次いで、所望量の触媒を導入した。
こうして得られた触媒スラリーを次いでその反応器に入れた。こうして重合反応
を開始し、等温条件下で行った。エテン圧は、8バールの絶対圧で一定に維持し
た。t分後にエテンの添加を止めて反応混合物を集め、メタノールで急冷した。
次いで、ポリマーを安定化するために、Irganox1076(商標)を酸化防止剤とし
て生成物に添加した。ポリマーを真空下、70℃で24時間脱水した。この一般
的手法を使用して、18gのオクテンを反応器に導入した。
次いで、実施例Idの担持触媒系20μモル(Tiに対する)を反応器に添加した
。エテン圧8バール、80℃で重合が生じた。得られたポリマー(28050kg/モ
ルTi*時間)をSEC−DVで分析すると、二モードの分子量分布(MWD=
15)を示した。重量平均分子量(Mw)は400kg/モルであり、オクテン含量
(1H−NMRにより示す)は9.9モル%であった。実施例III
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2)を含む担持触媒系を使用した
、単一モードのMWDを有するエテン/オクテンコポリマーの製造
上記実施例IIに記載の手法を使用したが、10μモル(Tiに対する)の触媒を
使用し、重合温度を120℃として、MWD=7.3の単一モードMWD分布を
有するポリマーが得られた。実施例IV
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2)を含む担持触媒系を使用した
、分子量の非常に高いポリエテンの製造
a.担持触媒系の製造
2.646gのMAO/SiO2(Witco製、PQMS3040 SiO2をベースとする、21
.7重量%のAl)をシュレンク容器に秤量した。20mlの
脱水アルカン混合物(C6−画分)を300Kで添加し、実施例Icの金属錯体
の溶液を添加した。この混合物を300Kで真空脱水した。Al/Ti比が17
8である粉末が得られた。この粉末の1.0417gをシュレンク容器に秤量し、30
0Kでトルエンにより洗浄して、室温、真空下で20分間脱水した。b.重合
実施例IVaで製造した担持触媒系の5μモル(Tiに対する)を使用して、
実施例IIの手法を使用した重合を80℃の温度で行った。エテン圧は600kPaで維
持した。得られたエテンのホモポリマーを通常の較正を使用したSEC−DVに
より分析した。ポリエチレンの分子量は非常に高く、10.4の二モードMWDおよ
び1.4*106g/モルのMw*を有していた。実施例V
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2)を含む担持触媒系を使用した
エテン−スチレンコポリマーの製造
実施例IIに記載の手法に従って、エテンおよびスチレンの共重合を、同一の担
持触媒を使用して行った。スチレンをCaH2から真空蒸留した。45gのスチレ
ンを反応器に添加した。次いで、20μモル(Tiに対する)の触媒を反応器に導
入した。重合を80℃の温度、8バール
のエテン圧で行った。得られたポリマー(1450kg/モルTi*時間)をSEC−
DVによって分析した。分子量Mwは490.000g/モルであり、スチレン含量は3.
1モル%である(1H−NMRにより示す)ことが示された。実施例VI
Cp*(EtNMe2)TiCl2・LiClを含む担持触媒系を使用した高分子
量型ポリマーの製造a.金属錯体の製造
実施例Ia〜cに記載の手法を使用して、全てのLiClを除去することなく
緑色固体錯体を回収することにより、Cp*(EtNMe2)TiCl2・LiC
lが得られた。b.担持触媒系の製造およびエテンのホモ重合
実施例IVに記載したように、20mlの脱水トルエンを3.9gのMAO/SiO2
(Witco製)に添加し、次いで、トルエンにおける2.5x10-5モル/mlの実施例
VIaの触媒錯体の溶液4.4mlを室温で添加した。次いで、混合物を、絶えず攪
拌しながら45分間排気した。得られた脱水担持触媒からスラリーが得られた。
95℃で10分間、実施例IVに記載の条件下で重合を行った。製造されたポ
リマー粒子をIrganox1076で安定化し、70℃で24時間真空脱水した。ポリマ
ーを、通常の較正を使用して、SEC−DVにより分析した。Mn*は105kg/モ
ルであると測定され、Mw*は700Kg/
モル、Mz*は1780Kg/モルであった。反応器への付着は生じなかった。実施例VII
Cp(iPr)3(EtNMe2)TiCl2触媒の合成シクロペンタジエンと臭化イソプロピルとの反応
水性KOH(50%;1950g;2.483lの水中に約31.5モル)およびAdogen464(31.5
g)を、凝縮器、機械的攪拌機、加熱マントル、温度計および入口アダプターを
備えた3リットル容の三っ口フラスコに入れた。新しくクラッキングしたシクロ
ペンタジエン(55.3g;0.79モル)および臭化イソプロピル(364g;2.94モル)
を添加し、攪拌を開始した。混合物は褐色になり、温かくなった(50℃)。混
合物を一夜激しく攪拌した後、生成物を含む上層を除去した。水をこの層に添加
し、生成物をヘキサンで抽出した。ヘキサン層を一緒にして水で一度、ブライン
で一度洗浄し、脱水(MgSO4)した後、溶媒を蒸発させると、黄褐色の油状
物が残った。GCおよびGC−MS分析により、生成混合物がジイソプロピル−
シクロペンタジエン(iPr2−Cp、40%)およびトリイソプロピルシクロペ
ンタジエン(iPr3−Cp)60%)から成ることが示された。(iPr2−Cpお
よびiPr3−Cpは、減圧(20mmHg)蒸留により単離した。収量は、蒸留精度に
依存する(約
0.2モルのiPr2−Cp(25%)および0.3モルのiPr3−Cp(40%))。)1,2,4−トリイソプロピルシクロペンタジエニルリチウムと塩化ジメチルア ミノエチルとの反応
脱水窒素下、磁気攪拌機を含む500ml容の脱水フラスコにおいて、62.5mlのn
−ブチルリチウム(1.6Mのn−ヘキサン溶液;100ミリモル)を、−60℃で、2
50mlのTHFにおける19.2g(100ミルモル)のiPr3−Cpの溶液に添加し
た。溶液を室温に温めて(約1時間)、一夜攪拌した。−60℃に冷却した後、
塩化ジメチルアミノエチル(11.3g;105ミリモル;HClは、Rees W.S.Jr.
& Dippel K.A.,OPPI BRIEFS vol 24,No 5,1992の方法により除いた)を
滴下漏斗により5分で添加した。溶液を室温に温めた後、一夜攪拌した。反応の
進行はGCによりモニターした。水(および石油エーテル)を添加した後、有機
層を分離し、乾燥させ、減圧蒸発させた。出発物質であるiPr3−Cp(30
%)の他に、生成物である(ジメチルアミノエチル)トリイソプロピルシクロペ
ンタジエンの5種類の異性体(LH;70%)がGCにおいて認められる。2種
類の異性体はジェム体(geminal)(合わせて30%)である。ジェム異性体の
除去は、iPr3−Cpアニオンのカリウム塩の沈殿および濾過および石油エーテ
ルによる洗浄(3x)により可能であった。
総収量(iPr3−Cpに対して)は、30ミリモル(30%)であった。二塩化〔1,2,4−トリイソプロピル−3−(ジメチルアミノエチル)−シク ロペンタジエニル〕チタン(III)への反応順序
固体のTiCl3・3THF(18.53g; 50.0ミリモル)を160mlのTHF中の
iPr3−Cpのカリウム塩の溶液に、−60℃で一度に添加した後、その溶液を
室温に温めた。色は青から緑に変わった。全てのTiCl3・3THFが消えた
後、反応混合物を再び−60℃に冷却した。再び室温に温めた後、溶液をさらに
30分攪拌し、THFを減圧除去した。担持触媒系の製造および担持触媒を使用した重合
担持触媒を実施例VIに記載の方法に従って製造した。しかし、Ti成分は、
実施例VIIaの金属錯体であった。担持触媒におけるAl/Ti比は、中性子活
性化分析および原子吸光分光法を使用して測定し、285であった。実施例IV
に記載の条件下、オクテンおよびエテンを80℃で共重合した。生成したコポリ
マーを安定化させて乾燥し、SEC−DVを使用して解析した。生成物の分子量
分布(MWD)を普遍的較正を使用して測定すると、6.8であることが分かった
。ポリマーのMwを同じ方法を使用して測定すると、1.2x106g/モルの高い
値であった。Mzは、5.6x 106g/モルであるこ
とが分かった。実施例VIII
Cp(iPr)3(EtNMe2)TiCl2を含む担持触媒系を使用した比較的
高い温度でのエテン/オクテンコポリマーの製造
エテン/オクテン共重合を実施例VIIの記載に従って行ったが、121℃とし
た。5分間で1gのTiにつき9.1gのコポリマーが製造された。Mwは、実施
例VIIの記載に従って測定し、180kg/モルであることが分かった。Mzは450kg
/モルであり、MWDは2.5であることが分かった。実施例IX
スカベンジャーの存在下、Cp(iPr)3(EtNMe2)TiCl2を含む
担持触媒系を使用したエテン/オクテンコポリマーの製造
エテン/オクテン共重合を、実施例VIIIの記載に従って行ったが、担持触媒
の前にトリエチルアルミニウム(TEA)を反応器に導入した。使用したスカベ
ンジャーTEAの量は、Al/Tl比が40になるようにした。コポリマーの収
量は、5分で8.4kg/gTiであり、MWDは2.2であり、Mwは81kg/モルであ
り、Mzは180kg/モルであった。実施例X
Cp(2−ペンチル)2(EtNMe2)TiCl2を含む担持触媒系を使用した
UHMWPEポリマーの製造a.金属錯体の製造
窒素雰囲気下、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(24.0ml;1.6モル/l;38ミ
リモル)を、磁気攪拌機および滴下漏斗を備えた250ml容の三っ口丸底フラスコ
において、脱水テトラヒドロフラン(125ml)中のジ−(2−ペンチル)シクロ
ペンタジエン(7.82g;38.0ミリモル)の冷却(0℃)溶液に滴下した。室温で
24時間攪拌した後、in situ製造した2−(ジメチルアミノエチル)トシレー
ト(38.0ミリモル)を添加した。18時間攪拌した後、転化率は92%であ
ることが認められ、水(100ml)を反応混合物に注意深く滴下し、次いで、テト
ラヒドロフランを留去した。粗生成物をエーテルで抽出した後、有機相を一緒に
して脱水し(硫酸ナトリウム)、蒸発乾固した。残渣をシリカゲルカラムで精製
すると、8.2gの(ジメチルアミノエチル)−ジ−(2−ペンチル)シクロペン
タジエンが得られた。
シュレンク(Schlenk)容器において、1.60g(5.77ミリモル)の(ジメチル
アミノエチル)−ジ−(2−ペンチル)シクロペンタジエンを40mlのジエチルエ
ーテルに溶解し、次いで、その溶液を−60℃に冷却した。次いで、3.6mlのn
−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液;5.77ミリモル)を滴下した。反応混合
物をゆっくり室温に戻した後、2時間攪拌を行った。別のシュレンク容器におい
て、40mlのテトラ
ヒドロフランを2.14gのTi(III)Cl3・3THF(5.77ミリモル)に添加し
た。両方のシュレンク容器を−60℃に冷却した後、有機リチウム化合物をTi
(III)Cl3懸濁物に添加した。次いで、反応混合物を室温で18時間攪拌した
後、溶媒を蒸発させた。残渣に50mlの石油エーテルを添加し、次いで、蒸発乾固
させた。二塩化1−(ジメチルアミノエチル)−2,4−ジ(2−ペンチル)シ
クロペンタジエニルチタン(III)を含む1.60gの緑色固体が残った。b.担持媒系の製造
担持されたTi触媒を実施例IVの記載に従って合成した。1.6gのMAO/
SiO2(Witco、実施例IV参照)を12mlの脱水トルエン中でスラリー化した。
実施例Xaの遷移金属錯体4.6x10-5モルを300Kで攪拌しながら添加した。
得られたスラリーを300Kで2時間、真空脱水した。自由に流動する微粉末が
得られた。c.重合
実施例Xbの触媒1x10-5モル(Tiベース)を使用して、実施例IVに記
載の条件下で重合実験を行った。エテン圧は600kPaであり、重合温度は96℃で
あった。生成したポリマーを反応器から流出させ、メタノールで冷却し、Irgano
x1076(商標)で安定化させ、70℃で24時間乾燥させ、通常の較正を使用し
たSEC−DVにより調べた。ポリマーのMWDは6.
4であり、Mw*は1.1x106g/モルであり、Mz*は2.8x106g/モルであること
が分かった。実施例XI Cp(2−ペンチル)2(EtNMe2)TiCl2を含む担持触媒系を使用した エテン/オクテンコポリマーの製造
重合反応を実施例Xの記載に従って行ったが、5mlのオクテンを重合反応の開
始前に反応器に導入した。生成したポリマーを実施例xの記載に従って調べた。
Mw*は430kg/モルであり、Mz*は1.2x106g/モルであることが分かった。ま
た、コポリマーのMWDは6.4であることが分かった。実施例XII
2種類の金属錯体を含む担持触媒系を使用した分子量の高いポリエチレンの製造
実施例Xの記載と同様にして担持触媒を合成したが、触媒は、同一の支持体上
に2種類のTi−錯体を担持させて構成した。3.6gのMAO/SiO2(実施例
Xを参照)に、27mlのトルエンを300Kで攪拌しながら添加し、次いで、実施
例Xaの4x10-5モルの金属錯体および実施例VIaの6x10-5モルの金属錯体
を添加した。生成したスラリーは、真空下、300Kで90分間攪拌しながら乾
燥させた。重合を、合成した触媒を使用して行った。重合条件は、実施例Xと同
様であった。生成したポ
リマーは、8.2の広いMWDを有し、Mw*は840kg/モルであり、Mz*は2.5x106
g/モルであった。実施例XIII
2種類の金属錯体を含む担持触媒系を使用したオクテン含量の高いエテン/オク
テンコポリマーの製造
重合を実施例Xに記載した条件下で行ったが、触媒は実施例XIIで合成したも
のを使用した。実施例Xに記載の反応条件との相違点は、25mlのオクテンを重合
反応の開始前に反応器に導入したことである。
重合反応中に生成したポリマーを実施例Xの記載と同様に処理すると、1H−
NMRを使用した測定により、ポリマー鎖中のオクテン含量が19重量%であるコ
ポリマーであることが分かった。この高いオクテン含量にもかかわらず、Mz*
は1.3x106g/モルと高く、Mw*は560kg/モルであり、MWDは4.8であること
が分かった。実施例XIV
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2をSi02に担持させて含む触媒
系を使用したエテンホモポリマーの製造
担持触媒を次のようにして製造した。
40mlの脱水トルエンを1.04gのSiO2
(Aerosil380(登録商標)、400℃、脱水窒素下で4時間脱水した)に添加し
た。次いで、MAOの1.5Mトルエン溶液(Witco)18.5mlを、室温で絶えず攪拌
しながら、10分かけて添加した。混合物を、絶えず混合しながら、一夜排気した
。
次の工程で、12.05mlの脱水トルエンを、上記で得た1.026gのMAO/SiO2
に添加した。次いで、実施例Icの還元された遷移金属錯体の0.025モル/lの
溶液2.6mlを室温で添加した。混合物を、絶えず混合しながら、60分間排気し
た。
得られた脱水担持触媒からスラリーを得た。
この担持触媒を使用して、エテンのホモ重合を、実施例Xの記載に従って、9
6℃で10分間行った。ポリマーを、普遍的較正を使用したSEC−DVによっ
て調べた。Mnは、230kg/モルとなり、Mwは1120kg/モルであり、Mzは250
0kg/モルであることが分かった。実施例XV
二塩化(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(II
I)(C5Me4((CH2)2NMe2)TiCl2)をMgCl2に担持させて含む
触媒系を使用したエテンホモポリマーの製造
担持触媒を次のようにして製造した。
20mlの脱水トルエンを3.05gの脱水MgCl2(平均粒径:30μm)に添加し
た後、メチ
ルアルミノキサン(MAO、Wico)のトルエンにおける1.5モル/l溶液30mlを、
室温で絶えず攪拌しながら15分間かけて添加した。混合物を、絶えず混合しな
がら、2時間排気した。50mlのアルカン混合物(C6−画分)を添加し、懸濁物
を十分混合した。この混合物20mlに、実施例Icの還元された遷移金属錯体の0.
01Mトルエン溶液6.3mlを室温で添加した。混合物を、絶えず混合しながら、排気
した。こうして得られた固体に50mlのアルカン(C6−画分)を添加し、懸濁物
をかなり過剰のC6−画分で洗浄し、最後に、絶えず攪拌しながら排気した。こ
うして得られた粉末のスラリーを使用して、重合実験を実施例Xに記載したよう
に行った。生成したポリマーを、SEC−DVによって調べた。Mnを普遍的較
正を使用して測定すると175kg/モルであり、Mwは970kg/モルであり、Mzは2
250kg/モルであることが分かった。実施例XVI
Cp(iPr)3(EtNMe2)TiCl2を含む担持触媒系を使用したエテン
ホモポリマーの製造
担持触媒を次のようにして製造した。
10mlの脱水トルエンを1.45gのMAO/SiO2(Witco)に添加し、次いで、
実施例VIIの還元された遷移金属錯体の0.01M溶液4.1mlを室温で添加した。次
いで、その混合物を
室温で絶えず攪拌しながら排気した。50mlの脱水トルエンを添加し、懸濁物を混
合した。その懸濁物を過剰の脱水トルエンで洗浄し、絶えず混合しながら排気し
た。アルカン媒体(C6−画分)中のスラリーが、得られた自由に流動する粉末
から得られ、重合実験を実施例Xに記載の方法に従って行った。得られたポリマ
ー粒子は優れた形態学を示し、反応器への付着は少しも示さなかった。その分子
量特性を測定するために、普遍的較正を使用したSEC−DVによって調べた。
そのポリマーのMnは210kg/モルであり、Mwは800kg/モルであり、Mzは1800
kg/モルであることが分かった。実施例XVII a.担持触媒の合成
184mgのMAO/SiO2を100ml容のシュレンク容器において秤量した(MA
O/PQ MS3040シリカ、Witco GmbH製、21.7重量%のAl)。トルエン中のC5
Me4((CH2)2NMe2)TiMe2のlx10-2M溶液10mlを、室温で攪拌しな
がら、固体のMAO/SiO2に添加した。触媒を実施例I(A−C)に従って
製造した。触媒は、MeLi/ジエチルエーテルでメチル化した。次の工程で、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウムの
10-2M溶液 20mlをスラリーに添加した。得られたスラリーは、自由に流動する
乾燥粉末が得られるまで、攪拌し
ながら、室温で真空乾燥した。50mlの脱水ヘキサン画分を、自由に流動する粉末
に添加して、[Ti]=2x 10-6モル/mlの触媒スラリーを得た。b.担持触媒による重合
触媒供給容器において、10-5モルの担持触媒(Tiベース、すなわち、Al/
Ti=15、B/Ti=2)を1分間、100mlのペンタメチルヘプタン中でスラ
リー化した。そのスラリーを、95℃で0.75lのPMHを充填し、6バールの一
定エチレン圧で保持した1リットル容の反応器に導入した。活性はすぐに現れ、
やがて一定になった。触媒活性は、1535gPE/g触媒・時間であった。得られたポ
リマーをGPCを使用して分析した。Mwは960kg/モルであり、Mnは260kg・
モルであり、MWD=3.7であった。実施例XVIII
al.ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエンの製造
ペブル攪拌機、温度計、滴下漏斗およびN2入り口を備えた5リットル容の丸
底フラスコに、550mlの脱水THFを充填した。66g(1.0モル)の新しくクラッ
キングしたシクロペンタジエンをそれに添加した後、反応混合物を−40℃に冷
却した。冷却中に、1当量(625ml/1.6M)のブチルリチウムの滴下をゆっくり開
始した。45分後に滴下が完全に終了した。その後、反
応混合物を1.5時間攪拌し、次いで、15分で130ml(1.0モル)の塩化トリメ
チルシリルを添加した。GCによって、モノ置換Cpへの転化が1時間後に完了
したことが示された。30分で1当量(625ml/1.6M)のブチルリチウムを添加し
た(−40℃)。1.5時間攪拌した後、130ml(1.0モル)の塩化トリメチルシ
リルを−40℃で添加した。12時間攪拌した後、GCにより、10%のモノ−
および90%のビストリメチルシリル−Cpが反応混合物に存在することが示さ
れた。
反応混合物を4.4ミリバール、61℃で蒸留した。蒸留後、138gのビスト
リメチルシリル−Cpが得られた。その物質をGC、GC−MS、13C−および1
H−NMRで解析した。a2.ビス(トリメチルシリル)−N.N−ジメチルアミノエチルシクロペンタ ジエンの製造
温度計、滴下漏斗およびN2−入口を備えた250ml容の丸底フラスコに、80ml
の脱水THFを充填した。15g(71.43ミリモル)のビストリメチルシリル−Cp
をそれに添加した後、−30℃に冷却した。その後、1当量(44.6ml/1.6M)の
ブチルリチウムを10分で添加した。その反応混合物を室温まで温めた。温度計
、滴下漏斗およびN2−入口を備えた500ml容の丸底フラスコに、100mlの脱水T
HFおよび6.4g(71.9ミリモル)の塩化トシルを充填した。添加後、白色懸濁
物が生成し、それは、−30℃
に冷却中、0℃で消失した。その後、反応混合物にビストリメチルシリル−Cp
を添加した。反応混合物全体を12時間攪拌した。GCにより、94.4%のビス(
トリメチルシリル)−N,N−ジメチルアミノエチル−Cpが反応混合物に存在
することが示された。その生成物を0.6ミリバール、103℃で蒸留した。蒸
留後、10.5g(>95%純度)のビス(トリメチルシリル)−N,N−ジメチルア
ミノエチル−Cpが得られた。その物質をGC、GC−MS、13C-および1H−
NMRで解析した。b.担持触媒の合成
2.2gのMAO/SiO2を100ml容のシュレンク容器において秤量した(MA
O/シリカ、Grace XPO 2409、Grace GmbH製、14.3重量%のAl)。20.1ml
の脱水へキサン混合物を添加した。脱水ヘキサン混合物における((Cp(Si
Me3)2(EtNMe2))TiCl2の0.1M溶液0.4mlを、室温で攪拌しながら
、MAO/SiO2スラリーに添加した。得られたスラリーは、[Ti]=2x 10-6
モル/mlであり、これをエチレンの重合に使用した。c.担持触媒による重合
触媒供給容器において、10-5モルの担持触媒(Tiベース、Al/Ti=28
4)を1分間、100mlのペンタメチルヘプタン中でスラリー化した。そのスラリ
ーを、40℃で0.75lのPMHおよび4x10-3モルのトリオクチ
ルアルミニウム(TOA)を充填し、6バールの一定エチレン圧で保持した1リ
ットル容の反応器に導入した。活性はすぐに現れた。反応器の中身を、触媒導入
の直後から開始して8分で40℃から80℃に加熱した。触媒活性は183gPE/g
触媒・時間であった。自由に流動する細かいポリエチレン粉末が得られた。反応
器への付着は生じなかった。実施例XIX a.担持触媒の合成
1gのMAO/SiO2を100ml容のシュレンク容器において秤量した(MAO
/シリカPQ MS3040、24.7重量%のAl、Witco GmbH製)。((Cp(SiM
e3)2(EtNMe2))TiCl2(実施例XVIIIal)の脱水トルエン溶液0
.32mlを、室温で攪拌しながら、MAO/SiO2粉末に添加した。淡緑青色粉末
は、合成中は乾燥したままであったが、これをN2下で90分間攪拌した。次い
で、15.9mlの脱水トルエンを添加した。得られたスラリーは、[Ti]=2x10-6
モル/mlであり、これをエチレンの重合に使用した。b.担持触媒による重合
触媒供給容器において、10-5モルの担持触媒(Tiベース、Al/Ti=2
84)を1分間、100mlのペンタメチルヘプタン中でスラリー化した。そのスラ
リーを、40℃で0.75lのPMHおよび4x10-4モルのトリオクチ
ルアルミニウム(TOA)を充填し、6バールの一定エチレン圧で保持した1l
容の反応器に導入した。活性はすぐに現れた。反応器の中身を、触媒導入の直後
から開始して8分で40℃から80℃に加熱した。触媒活性は405 gPE/g触媒・
時間であった。自由に流動する細かいポリエチレン粉末が得られた。反応器への
付着は生じなかった。実施例XX a.(C5Me4(SiMe2CH2PPH2TiCl2の合成
10mlのジエチルエーテルに溶解した1.57g(4.15ミリモル)の{(2−ジフェ
ニルホスフィノ−1−シラ-1,1−ジメチル)エチル}テトラメチルシクロペ
ンタジエンに、8.3mlのリチウム−ジイソプロピルアミド(0.5Mのジエチルエー
テル溶液;4.15ミリモル)を−78℃で添加した。室温で18時間攪拌した後
、濁った黄橙色の溶液が生成した。ジエチルエーテルを蒸発させ、残渣を石油エ
ーテルで2回洗浄した。これを十分煮詰めた後、リチウム1(2−ジフェニルホ
スフィノ−1−シラ−1,1−ジメチル)エチル}テトラメチルシクロペンタジ
エニルを含む1.41gの淡黄色結晶性物質が残った。
その有機リチウム化合物を20mlのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、黄
橙色の溶液を−78℃で1.36g(3.76ミリモル)のTi(II
I)Cl3・3THFに添加した。反応混合物は次いで、冷浴中で3時間、次いで
、室温で18時間攪拌した。暗緑色の溶液が生成し、これを煮詰めて、10mlの石
油エーテルで2回洗浄した。すると、二塩化1−{(2−ジフェニルホスフイノ
−1-シラ−1,1−ジメチル)エチル}−2,3,4,5−テトラメチルシク
ロペンタジエニル〕チタン(III)を含む1.5gの緑色固体が残った。b.担持触媒の合成
1.5gのMAO/SiO2を100 ml容のシュレンク容器において秤量し(MAO
/シリカPQ MS3040、24.7重量%のAl、Witco GmbH製)、90分間真空乾燥
させた。(C5Me4(SiMe2CH2PPH2)TiCl2の0.08M脱水トルエン
溶液0.58mlを、室温で攪拌しながら、残りの1.45gのMAO/SiO2粉末に添
加した。淡黄色粉末は、合成中は乾燥したままであったが、これをN2下、室温
で90分間攪拌した。次いで、22.8mlの脱水トルエンを添加した。得られたスラ
リーは、[Ti]=2x10-6モル/mlであり、これをエチレンの重合に使用した
。c.担持触媒による重合
触媒供給容器において、3x10-5モルの担持触媒(Tiベース、Al/Ti=
284)を1分間、100mlのペンタメチルヘプタン中でスラリー化した。そのス
ラリーを、90℃で0.75
lのPMHおよび4x10-4モルのトリオクチルアルミニウム(TOA)を充填し
、6バールの一定エチレン圧で保持した1リットル容の反応器に導入した。活性
はすぐに現れた。反応器の温度は、100℃に設定した。自由に流動する粉末が
得られた。反応器への付着は生じなかった。製造されたポリマーのMwをGPC
で測定すると87kg/モルとなり、Mn=30kg/モル、MWD=2.9であった。実施例XXI〜XXII 担持触媒の製造
I)いわゆる湿式法
xgのMAO/PQMS3040シリカ(Witco GmbH)に、5〜20xmlのKPB(C6
−画分炭化水素)を添加した。次いで、必要量のメタロセンを通常はトルエンま
たはKPB溶液で添加した。得られたスラリー中の遷移金属濃度は、典型的には
5x10-6モル/mlであることが確認された。そのスラリーを使用して重合実験を
行った。全合成を、窒素下、グローブボックス中で行った。
II)いわゆる孔充填法
x gのMAO/PQ MS3040(Witco)を1.5時間排気した(典型的には、
5%の重量低下、主に有機溶媒)。次いで、メタロセン溶液を、典型的にはMA
O/シリカの孔の総体積の約30%添加した。触媒を添加した後、固体を1.5
時間攪拌した。次いで、触媒スラリーを調製
した。合成は全て、グローブボックス中で行った。一般的な重合法
Zr、Ti−濃度が約1x10-5モル/mlである触媒スラリーを調製した。重合
は、ガラス製のBuchi反応器で行った。1.5リットル容の反応器において、750ml
のペンタメチルヘプタンを添加し、次いで、4x10-3モルのトリオクチルアルミ
ニウム(TOA)をスカベンジャーとして添加した。必要量の触媒、通常は遷移
金属に対して5x10-6モル〜2x10-5モルを、触媒供給容器を介して40℃で反
応器に導入した。その反応器を80℃に加熱した。これは10分かかった。次い
で、重合をさらに10分行って、重合の合計時間を20分とした。反応器中のエ
チレン圧は5気圧で一定に保ち、その圧力を5気圧で維持するのに必要なエチレ
ン流を測定した。重合を停止し、ポリマースラリーを反応器から流出させた。ポ
リマースラリーは、メタノールを使用して急冷し、Irganox 1076の添加によって
安定化させ、減圧下、50℃で乾燥させた。ポリマーの収量を測定し、必要なら
ば分子量をGPCによって調べた。実施例XXIa
Cp(SiMe3)2(EtNMe2)TiCl2(TMS−触媒)および(Cp*
)(SiMe2−CH2)PPH2)TiCl2(PPH−触媒)の組み合わせ
TMS−触媒を実施例XVIIIaに記載の製造法に従って生成し、PPH−触
媒を実施例XXaに記載の方法に従って得た。
合成:合成法II)に従って、両方の触媒のトルエンにおける溶液を、激しく攪
拌しながら、脱水MAO/シリカに同時に添加した。淡黄色粉末が得られた。ト
ルエンにおける触媒スラリーを調製した(2x10-6モル/ml)。
一般的重合法に記載した標準的条件下、20μモルの触媒(Tiに対して)を使
用して重合を行ったが、40℃を100℃にし、4x10-4モルのTOAを使用し
た。反応器への付着は認められなかった。43.4gのPEが20分で生成した。M
w=1500kg/モル、Mn=165kg/モル、Mz=3500kg/モル。収量は、XXIb
の場合よりも1.5倍多かった。実施例XXIb
また、同じ触媒を、80℃、〔TOA〕=4x10-4モル/lで導入すると、重
合に15分を要した。生成した粒子の分子量は、Mw=950kg/モル、Mn=56k
g/モル、Mz=2400kg/モルであった。実施例XXII TMS−触媒とrac−Et(1−Ind)2ZrCl2との組み合わせ
(Et(1−Ind)2ZrCl2は、Witco GmbHから入手した。)
純粋なTMS触媒から純粋なジルコノセンま
での範囲の一連の触媒を製造した。また、2つの合成法、2種類のシリカおよび
2つのスカベンジャーレベルを比較した。GPCから、両方のメタロセンは、組
み合わせてもそのままであることが明らかである。a.WitcoのMAO/PQMS3040シリカ上での純粋な担持TMS触媒の合成
合成法I)に従って、Al/Ti=200、kpb中、スラリー濃度5x10-6
モル/mlの触媒を製造した。無色溶媒における淡緑色懸濁物が得られた。触媒を
40〜80℃、〔TOA〕=4x10-4モル/l、重合時間の合計=20分で試験す
ると、触媒による収量は279gPE/g触媒・時間であった。
Mw=2600kg/モル、Mn=870kg/モル、Mz=4800kg/モル。
b.Witco 製のMAO/シリカであるGrace Slopol 2104シリカ上での純粋な 担持TMS触媒の合成
合成法I)に従って、Al/Ti=200、kpb中、スラリー濃度5x10-6
モル/mlの触媒を製造した。無色溶媒における淡緑色懸濁物が得られた。触媒を
40〜80℃、〔TOA〕=4x 10-3モル/l、重合時間の合計=20分で試験
すると、触媒による収量は250gPE/g触媒・時間であった。
Mw=2100kg/モル、Mn=390kg/モル、Mz=4000kg/モル。c.WitcoのMAO/PMS3040シリカ上での純粋な担持rac−Et(1−Ind )2ZrCl2の合成
合成法I)に従って、濃度が2x10-6モル/mlであり、Al/Zr=284で
ある、KPB中の黄色懸濁物が得られた。触媒の試験は、4x10-3モルのTOA
、40〜80℃、20分の重合時間で行った。触媒による収量は435gPE/g触媒・時間
であった。
Mw=205kg/モル、Mn=47kg/モル、Mz=790kg/モル。d.MAO/PMS3040シリカ上での80/20比のTMS/Et(1-Ind)2 ZrCl2の合成
合成法I)に従い、両方のメタロセンの溶液を同時にMAO/シリカスラリー
に添加することにより、触媒を合成した。無色の溶媒中の淡緑色/黄色粉末のス
ラリーが、5x10-6モル/mlの遷移金属濃度で得られた。
触媒は、まず、4x10-4モル/lのTOA、40〜80℃、20分の重合時間で
試験した。生成物は、11.5dl/gのIV(デカリン、135℃)を有していた。
第二に、触媒を4x10-3モル/lのTOAを使用して同様に試験した。
Mw=1400kg/モル、Mn=83kg/モル、Mz=4000kg/モル。e.MAO/PMS3040シリカ上での50/5 0比のTMS/Et(1−Ind)2ZrCl2の合成
合成法I)に従い、両方のメタロセンの溶液を同時にMAO/シリカスラリー
に添加することにより、触媒を合成した。溶媒における明るい淡緑色/黄色の粒
子のスラリーが得られ、遷移金属濃度は2x10-6モル/mlであった。
触媒の試験をd.において記載したように行ったが、〔TOA〕=4x10-3モ
ル/lとした。反応器への付着は生じなかった。
Mw=740kg/モル、Mn=55kg/モル、Mz=3300kg/モル。f.合成法I)に記載した湿式法によるMAO/PMS3040シリカ上での20/8 0比のTMS/Et(1−Ind)2ZrCl2の合成
触媒を、e.において記載したように合成し、試験した。試験は20分行った
。反応器への付着は生じなかった。
Mw=340kg/モル、Mn=43kg/モル、Mz=2000kg/モル。g.合成法II)に記載した孔充填法の使用によるF)において記載した触媒の合 成
触媒を合成法II)に従って合成した。黄色粉末が得られた。
重合は、1.5μモルの遷移金属を使用し、e.において記載した重合法に従っ
て行った。一定の重合プロフィールにより、1080gPE/g触媒・時間の触媒収量が
得られた。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AU,BA,BB
,BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,
HU,IL,IS,JP,KP,KR,LC,LK,L
R,LT,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ
,PL,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,
US,UZ,VN,YU