JP2000509490A - 標本の光学分析装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 標本、特に血液サンプルの光分析装置は、皿形状の半透明のプレート形状部分（２）の形であり、この部分（２）は、皿の底部を構成する標本受容面（９）と、プレート形状部分に係合し、その壁を形成するフレーム（１）とを有する。標本受容面からの余分な液体を捕捉するために、標本を受け、その標本を付着し、それを回転し、標本を着色するために、プレート形状部分の円周に沿って吸収材料（３）がループ形状に配置されている。この装置の構成は、健康に有害な標本を安全に容易に取り扱うことを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】 標本の光学分析装置 発明の分野 本発明は、標本受容面を備えた半透明のプレート形状部分と、プレート形状部 分に係合するフレームと、を有する、標本、特に血液のサンプルの光学分析装置 に関する。 発明の背景 健康産業並びに医薬産業において、体液または組織の標本を取り、いくつかの 他の光学方法を用いることによって顕微鏡の下で標本を分析することは通常よく 行われることである。分析を可能にするために、採取された標本は、ガラス、ス ライドまたは小さい水ばちのようないくつかの試験装置に配置されなければなら ない。 上述した１つの例は、病気−健康の種々の状態を指示するために白血球の５つ の主なクラスの間の白血球の相対分布を決定するいわゆる白血球の微分法である 。 従来、微分法は、処理全体が手動で実施される。血液サンプルは、血液を分析 する患者から採取される。数滴のサンプルがガラススライドに滴下され、傾斜し た小さいガラススライドによってスライドの表面に薄い層として塗り付けられる 。血液がスライドに固着し、着色される。最後に、スライドは、顕微鏡に配置さ れ、血液は、研究所の技術者によって研究される。技術者は、スライド上の適当 な面積の白血球を数え、これらがどのクラスに属するかを決定する。 手動による微分法は、時間がかかり、あまり合理的ではない。したがって、そ れを種々の方法で自動化する試みがなされてきた。 例えば、スピナによってスライドの血液を塗布することが知られている。この 空のスライドは、スピナのホルダに手動で保持される。数滴の血液が、回転する スライドに滴下され、スライド表面上に薄い層として血液を分配する。次に、ス ライドはスピナから手動で除去される。 回転動作と関連する困難性は、余分な血液、すなわち、回転中にスライドの表 面から除去される血液をどのように処理するかである。血液の一部分は、スライ ドの鋭い縁部で霧となり、スピナの内側の種々の部分に付着するが、血液の一部 分はスライドの縁部を流れ、スライドホルダに固定される。なぜならば、血液の 取り扱いは、健康上の危険性を生じ、白血球の処理をすべての手によって行うこ とは避けるべきであるからである。多少は複雑であるが、スピナの白血球を扱う ために水のカーテンおよび廃棄装置を有する高価な装置が提案された。米国特許 第４，１０６，８２８号参照。 米国特許第５，３２６，３９８号は、回転動作の間、分離したプラスティック ケースのスライド構成を示している。このケースは、血液がスライド上に滴下さ れる小さい開口部を有し、このケースは、スライドから除去される血液がケース に捕捉されるようにスライドの大部分を包囲する。しかしながら、回転の前後に はスライドは、ケースなしに手で取り扱われる。 米国特許第４，１９７，３２９号は、スライドが回転可能な部分の溝に配置さ れる血液スピナを示す。例えば、スポンジの形の廃棄物受容材料は、回転可能な 部分の溝の周りに配置される。回転中に、廃棄される血液は、廃棄物受容材料に 受けられる。しかしながら、スライドは、従来の方法で手によって処理され、米 国特許第４，１０８，１０９号は、小さいスピナを示している。 液状の血液を自動的に分析するフローセル装置によって微分法を実行すること が次第に一般的になってきている。上述した方法に対して、サンプルは、フロー セル装置の分析の後に消費される。これは、もしサンプルがさらにチェックを必 要とする場合には、顕微鏡での手動による第２のチェックを行うことができない ことを意味する。しかしながら、高価なフローセル装置は、この方法の大きな欠 点である。よって、サンプルの手動および自動的な分析の双方が可能であるスラ イドの使用に基づいた微分法が必要になる。 微分法の上述した光学的な方法は、すべてが広範な手動による取り扱いによっ てスライドを使用することに基づく。よく知られているように、スライドは、２ つの平行な主面を有し、一方の面に、分析するサンプルを乗せるガラスまたはプ ラスティックの矩形のプレートである。しかしながら、スライドは、処理するの が困難である。それらは、ピップアップし、保持し、収納するのが困難である。 それらは、比較的もろく、切れ目の形の傷が生じる。もしスライド上に配置され るサンプルが感染病を伝染させる血液等からなる場合には、その処理は、同様に 健康上の危険性を含む。 米国特許第５，２２５，２６６号は、矩形のプラスティックフレームによって 包囲される矩形のスライドを有する装置を示す。スライドの短い側において、フ レームの幅がさらに大きくなり、把持部分を形成する。フレームの厚さは、スラ イドの厚さとほぼ同じである。 さらに、米国特許第４，１５９，８７５号は、一方がスライドを支持する、矩 形のほぼ平坦なスライドホルダを有する装置を示す。ホルダは、搬送中にスライ ドにひっかき傷を生じないように、また自動的な処理において、スライドの積み 重ねおよびスライドの積み重ねを可能にするように構成されている。 しかしながら、２つの試験装置のいずれもが、余分な試験または追加的な材料 を処理する問題を解決していない。よって、それらのいずれもが、血液等を安全 に処理するために使用することができない。 上述した側面において、本発明の目的は、血液および他の標本を従来の装置よ り安全に処理することができる、この明細書の導入部で説明したような装置を提 供することである。 この目的は請求の範囲１による装置によって達成される。好ましい実施例はサ ブクレームによって述べられる。 新しい装置は、皿形状であり、このプレート形状の部分は、底部を形成する。 吸収材料のストリングは、プレート形状部分の周縁に沿ってループ状に配置され ている。吸収材料は、プレート形状部分の標本受容面から余分な標本液体および 添加物液体を吸収するように作用し、これは、ユーザが実際の標本に接触する危 険性を低減する。吸収材料のストリングは、プレート形状部分の周縁に直接接触 するように配置されることが好ましいが、それは必ずしも必要ではない。さらに 吸収材料は、装置が、回転される血液に使用されるとき、特に重要な目的を果た す。吸収材料をプレート形状部分の周縁に沿って配置することによって、回転中 に血液を通常は霧を生じる鋭い縁部が実際には省略される。 吸収材料は、装置の一部であるので、装置が使用された後、ミスによって再使 用することができないことは明らかである。 装置が皿形状であり、これは、把持することを容易にし、標本の物質が装置か ら出る危険性が非常に小さくなり、血液が指の先から標本受容面に直接転移しな ければならないとき有利であることを意味する。 このフレームは、ユーザが吸収材料と直接接触することを防止する。１つの実 施例において、吸収材料のストリングは、装置のフレームを形成する。このフレ ームの外側は、吸収液体がフレームから飛び散ることを防止する保護衝撃と適合 される。 フレームはコヒーレントユニットを形成するようにプレート形状部分に係合す る。１つの実施例において、フレームとプレート形状部分は１つの部品でつくら れる。 プレート形状部分は、光学的な分析が、標本受容面の標本を通して伝達される 光によって実行されるように半透明である。この側面において、プレート形状部 分は、光が光学的な分析において標本を通って戻るように反射することができる ように下側に反射層を備えている。 本発明は、表面に塗り付けられ、光学的に分析されるすべてのタイプの標本に 使用することができるが、血液サンプルにおいて特に有利である。 図面の簡単な説明 本発明を図面を参照して詳細に説明する。 図１は、本発明の実施例を上方から見た斜視図である。 図２は、図１に示した本発明の実施例の断面図である。 本発明の好ましい実施例の説明 図１および図２に示す装置は、液体不透過性材料のフレーム１と、標本を受け る半透明のプレート形状部分２と、プレート形状部分の周縁に沿ってループを形 成する吸収材料３のストリングとを有する。その装置は、皿形状形状であり、そ の底部は、プレート形状部分と、皿の壁を形成するフレームとを有する。本装置 は、液体添加物を含む液体標本または固体標本に用いられ、余分な液体は吸収材 料によって吸収される。 さらに詳細には、フレーム１は、プレート形状部分２の円形ホルダを構成し、 その周縁に係合する。このフレームは、皿の壁と、底部部分５とを形成する円筒 形部分４とを有し、この円筒形部分４の下側は、装置の環状支持面６、すなわち 、装置の下の縁部を形成する。 壁部分４は、上縁部７を有する。図示した実施例において、装置の外径は底部 分５の近辺より、上縁部７の近傍においてわずかに大きく、それによって互いに いくつかの装置を積み重ねることを可能にする。壁部分４の高さは、プレート形 状の部分の厚さより厚いが、その半径より小さく、トレイは、壁部分４とプレー ト形状部分２によって画定される。壁部分４は、吸収材料は吸収しない液体の保 護障壁として、また、把持を容易にし、装置の安全で簡単な処理を可能にする部 分として作用する。 皿の底部において、さらに詳細には、底部部分５の上側であって、壁部分の内 側において、吸収材料３を受ける環状溝８が設けられている。 図示した実施例において、プレート形状部分は、２つの平行な主面９，１０を 備えた円形のガラスプレートである。プレート形状部分は、底部部分５のステッ プ部分１１のフレーム１の円周に沿って係合し、規則的な間隔で底部部分から突 出している固定ラグ１２によって保持される。プレート形状部分は、プレート形 状部分の下側１０に傷がつく危険性がなく、本装置を表面に配置することができ るように壁部分の上縁７より底部部分の環状支持面６に接近しているが、支持面 ６からある距離離れるように配置されている。所望ならば、プレート形状部分は 、フレームから取外し可能につくられる。これは、例えば、固定ラグを弾性的に つくることによって達成することができ、この場合、吸収材料のストリングが固 定ラグの固定リングとして作用する。もちろん、固定ラグ以外の他の固定装置も プレート形状部分を保持するために使用することができる。別の例として、プレ ート形状部分は、フレームと一体につくることができる。例えば、装置全体は、 プラスティックによる射出成形することができる。 プレート形状部分の上方の大部分の面９は、標本受容面を形成する。もし所望 ならば、表面は、例えば、微生物を成長させる試薬、着色剤、抗体または培養地 で製造と関連するいくつかの適当な方法で準備することができる。 好ましくは、余分な液体は、毛管引力によって吸収することができるように多 孔性材料、または余分な液体を吸収する細かな構造の材料からつくられる。適当 な材料の例は、ポリマーまたは繊維マトリクス、例えば、焼結プラスティック、 セルロース、紙または木綿ウールである。ジベソール(Gevesol)または木製含浸 剤のような殺菌剤が適当に加えられる。上述したように、吸収材料はこの装置が 廃棄可能であることを意味する。 溝８のベースおよび、よって、吸収材料の下縁は、図示した実施例において、 液体が吸収材料の下側に移動する傾向を有するように、プレート形状部分の標本 受容面以外の装置の下縁６に接近するように配置される。さらに吸収材料は、標 本の受容面が吸収材料の上方縁部の下に配置されるような厚さを有する。その結 果、これはプレート形状部分の円周部分には標本を霧化する鋭い部分がなくなる 。溝８に吸収材料を配置する代わりに、その周縁の標本受容面にそれを配置する ことも可能である。しかしながら、この場合、液体が吸収材料に下方に向かう利 点は得ることができない。 この装置は、標本受容面を保護し、それをごみから保護する着脱可能なカバー を備えることができる。装置が血液のサンプルに使用することができるとき、例 えば、薄い孔を有するプラスティックフィルムを備えている。血液サンプルはプ ラスティクフィルムを通して注入することができ、プラスティックフィルムは血 液が装置から出る危険性を低減するように回転、または着色の場合に保持される 。その後、血液サンプルを分析するとき、プラスティックフィルムが取り外され る。 装置の外側は円筒形であり、これは、装置を把持し、種々の装置のホルダに配 置することを容易にする。なぜならば、装置の角度位置が問題とはならないから である。さらに、標本受容面が円形であり、これは有利である。なぜならば、そ れは、分析面の周縁に関連した分析を可能にするもっとも大きな面をつくるから である。特に、装置全体がプラスティックの射出成形である場合には、標本受容 面に直角に伸びる軸線の周りで回転対称であることが有利である。なぜならば、 力が対称的に配分されるからである。しかしながら、回転対称を有する必要は必 ずしもないが、皿と吸収材料の形状は、従来技術のスライドに比較して、また、 装置が円形以外の断面を有するとき、非常に有利である。 他の実施例において、フレームを吸収材料から形成してもよい。この場合、吸 収材料のストリングは、フレームの統合された部分を構成する。この実施例にお いてフレームを通して液体が逃げることを防止する観点から、フレームの外側に は、液体不透過性の保護障壁を設ける。これは吸収材料にラッカーを塗ることに よって達成することができる。 上述したように、上述した装置は、血液サンプルを安全に処理する、特に、回 転され、特に微分法のような選択的に光学的に分析するために使用することが有 利である。しかしながら、この装置は、光学的に分析されるべき、子宮の標本お よび微生物の培養地のような他のサンプルにおいても有利である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 ラグナー、セゲルステン スエーデン国エンゲルホルム、ファルムガ タン、15

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 標本受容面（９）を有する半透明のプレート形状部分（２）と、前記プ レート形状部分に係合するフレーム（１）とを有する標本の光学的な分析装置に おいて、前記装置は皿形状であり、前記プレート形状部分は、前記皿の底部を構 成し、前記標本受容面から液体を吸収するようになっている吸収材料のストリン グ（３）が、前記プレート形状部分（２）の周縁に沿って輪状に配置されること を特徴とする標本の光学分析装置。 ２． 前記吸収材料のストリングは、前記フレームに形成された溝（８）に収 容されていることを特徴とする請求項１に記載の光学分析装置。 ３． 前記標本受容面（９）は、前記フレーム（１）の上縁部よりも前記フレ ームの下縁部（６）にさらに接近して配置されており、前記フレームの前記溝（ ８）の前記ベースは、前記フレームの下縁部と前記標本受容面（９）との間に配 置されていることを特徴とする請求項２に記載の光学分析装置。 ４． 前記フレーム（１）は、吸収材料と少なくとも同じ高さを有することを 特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の光学分析装置。 ５． 前記フレーム（１）は、吸収材料から形成され、外側に液体不透過性障 壁を備えていることを特徴とする請求項１に記載の装置。 ６． 前記装置は、プレート形状部分（２）に直角に伸びている軸線の周りに ほぼ回転対称であることを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の装置 。 ７． 前記フレーム（１）は、円筒形外面を有することを特徴とする請求項１ ないし６のいずれかに記載の光学分析装置。 ８． 前記標本受容面（９）は、円形の周縁を有することを特徴とする請求項 １ないし７のいずれかに記載の光学分析装置。 ９． 前記吸収材料（３）は、ポリマーまたは繊維マトリクスからなることを 特徴とする請求項１ないし７のいずれかに記載の光学分析装置。 １０． 前記吸収材料（３）は、殺菌剤を含むことを特徴とする請求項１ない し９のいずれかに記載の光学分析装置。 １１． 前記装置は、多孔性カバーで適合されていることを特徴とする請求項 に１ないし１０のいずれかに記載の装置。 １２． 前記フレーム（１１）および前記プレート形状部分は１つの部品でつ くられることを特徴とする請求項１ないし１１のいずれかに記載の光学分析装置 。