JP2000509489A - 作物の品質を判定する方法及びシステム - Google Patents

作物の品質を判定する方法及びシステム

Info

Publication number
JP2000509489A
JP2000509489A JP9536974A JP53697497A JP2000509489A JP 2000509489 A JP2000509489 A JP 2000509489A JP 9536974 A JP9536974 A JP 9536974A JP 53697497 A JP53697497 A JP 53697497A JP 2000509489 A JP2000509489 A JP 2000509489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parameter
crop
quality
relaxation
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9536974A
Other languages
English (en)
Inventor
クーテン・オラフ ファン
ハービンソン・ジェレミー
Original Assignee
インスチチュート ボーア アグロテクノロギッシュ オンダーゾエク(エーティーオー―ディーエルオー)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インスチチュート ボーア アグロテクノロギッシュ オンダーゾエク(エーティーオー―ディーエルオー) filed Critical インスチチュート ボーア アグロテクノロギッシュ オンダーゾエク(エーティーオー―ディーエルオー)
Publication of JP2000509489A publication Critical patent/JP2000509489A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01CPLANTING; SOWING; FERTILISING
    • A01C1/00Apparatus, or methods of use thereof, for testing or treating seed, roots, or the like, prior to sowing or planting
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10S436/905Photochemical activation of reactions

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、作物の品質指標としての役割を果たす、作物の光合成プロセスにおける少なくとも1つの特定のパラメータの決定からなる、作物の品質を判定する方法において、前記パラメータが、それ自体は既知のフォトシステムI(PSI)に属し、前記パラメータの決定が(a)PSIのドナー側に位置する複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化状態にするステップと、(b)酸化された分子の少なくとも一部を還元するステップと、(c)還元の速度に関する情報を含む緩和パラメータを決定するステップとを備え、ステップ(c)が、(1)還元される間に、作物中の酸化された分子による、予め設定された波長領域の光吸収を測定するサブステップと、(2)時間関数として、測定された吸収の変化の速度に関する情報を含む速度パラメータを計算し、この速度パラメータを緩和パラメータとするサブステップを備えることからなる品質判定方法に関する。また、本発明は、前記方法を用いて得られた緩和パラメータに基づく、作物における品質指標を判定するシステムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 作物の品質を判定する方法及びシステム 本発明は、作物の光合成プロセスの少なくとも一つの特定パラメータを判定し 、この特定パラメータが作物の品質指標としての役割を果して、作物の品質を判 定する方法に関する。 草木及び花とともに、野菜及び果実のような作物は、生存に必要なエネルギー を環境から取り出すために、光合成のプロセスを利用している。ここで、「作物 」という用語は、畑の作物及びそれから収穫された産物の両者を示すために用い られる。上記光合成のプロセスにおいて、二酸化炭素は太陽光により炭化水素化 合物に変換され、酸素が放出される。各作物は、このために光合成システムを備 えており、この光合成システムは葉、茎又は果実のような作物の緑色部分に位置 している。このタイプの光合成システムは、特に、2つの重要な色素−たんぱく 質複合体、すなわち、光量子変換要素をもつフォトシステムI及びII(PSI及 びPSII)を有する光インタセプトシステムを備えている。この光インタセプト システムを用いて、作物が太陽光を吸収する。太陽光は、特に光合成システムに おける構成要素の連鎖した酸化/還元反応を与え、インタセプトされた太陽エネ ルギーは、光量子変換要素によってPSI及びPSIIに運ばれる。運ばれてきた 太陽エネルギーは、作物における光化学反応を生起し、この間に電子が伝達され 、酸素の放出が行われる。 作物の品質を判定する方法は、1991年にActa Horticulturae 298でvan Ko otenなどによって、表題“Determination of the phyciological state of pott ed plants and cut flowers by modulated chlorophyll flourescence”の文献 に開示されている。既知の方法を用いて、鉢植え植物及び切り取られたばらの光 合成膜中の電子の線形ストリームの効率がインビボで測定される。このために、 まず、PSIIの一部を形成するクロロフィル分子の蛍光生産Fが、周囲の光の通 常の強度下、かつ、特定の波長範囲中で測定される。次に、クロロフィル分子の 最大蛍光生産Fmが、周囲の光の飽和強度の同一波長領域で測定される。既知の 方法では、調整可能な光強度の第1の活性化光源と一定の光強度の第2の測定用 光源とを用いている。両光源は、約350〜700nmの波長を有する第1 波長領域の光を発生する。一定の時間の経過後、クロロフィルの蛍光が、700 〜730nmの第2波長領域で検出される。蛍光自体が、作物によってインタセ プトされた太陽エネルギーの損失を表すため、検出された蛍光生産F及びFmは 、電子の線形的なストリームの効率を計算するために用いられる。このパラメー タを、作物に対する品質指標として既知の方法では用いていた。 この既知の方法では、前記方法によって判定されたパラメータ値が、特に周囲 光の強度に極めて依存するという不都合がある。大気の温度、気体組成及び相対 湿度の大きさのような他の周囲の条件もパラメータ値に影響を及ぼしている。既 知の方法を用いて判定したパラメータを、絶対的な品質指標として用いる前に、 これら要因の全てを補正する必要がある。これら環境的な要因の影響を軽減させ るために、その方法を実施する間は、この環境からできる限り遮断する必要があ る。これは補足的で複雑な装置、すなわち、高価な遮断装置が要求されることに なる。 本発明の目的は、上記不都合を克服するとともに、作物に対する絶対的な品質 指標を、信頼性のある方法によってインビボで測定できる作物の品質を判定する ことができる方法を提供することである。 このために、本発明による方法は、前記パラメータがそれ自体は既知のフォト システムI(PSI)に属し、前記パラメータの測定が次のステップからなるこ とを特徴としている。 (a)PSIのドナー側に配置された複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化 状態にするステップと、 (b)酸化された分子の少なくとも一部を還元するステップと、 (c)還元の速度の情報を有する緩和パラメータ(relaxation parameter)を決 定するステップとを備え、 このステップ(c)が、少なくとも、 (1)還元の間に作物中の酸化された分子による、予め定められた波長領域の 光吸収を測定するサブステップと、 (2)時間の関数として、測定された吸収の変化速度の情報を有する速度パラ メータを計算し、この速度パラメータを前記緩和パラメータとするサブステッ プとを備える。 PSIのドナー側には、一連にリンクした3組の分子、特に、P−700、プ ラストシアニン及びチトクローム−fが存在する。PSIのドナー側の還元では 、光合成電子伝達の酸化/還元反応の連鎖における最も遅いリンクが形成される 。前記酸化還元反応の緩和速度は、光合成代謝に対する作物全体の要求によって 調節される。この結果、作物の全光合成プロセスの緩和速度の基準となる。前記 緩和速度は緩和パラメータによって特徴づけられ、この値は光に依存しない。し たがって、緩和パラメータを、測定中の作物に対する通常の周囲状態に補正する 必要がなく、作物の絶対的な品質指標として用いることが可能になる。 本発明の方法において、このような緩和パラメータの判定のステップは、少な くとも(1)還元中に作物の酸化された分子によって予め定められた波長領域の 光の吸収を測定するサブステップと、(2)時間の関数として、測定された吸収 の変化速度の情報を含む速度パラメータを計算し、この速度パラメータを前記緩 和パラメータとするサブステップとを有している。この測定技術を用いることに よって、数kHzのダイナミクスを有する作物中のプロセスを測定することがで きるようになる。この測定技術は、上記緩和パラメータの測定に対して特に適切 である。この理由は、例えば、上記3組のものから酸化した分子の還元に対する 速度定数(rate constant)の特定値が、一般的に数Hzから数kHzまでの大 きさのオーダーとなるためである。 すでに説明したような還元プロセスのダイナミクスのために、本発明方法によ ると、緩和パラメータの形で、作物の品質指標をリアルタイムで事実上判定でき るという利点を提供できることは明らかである。 好適例において、分子の少なくとも一部は、第1波長領域の光によって酸化さ れ、この第1波長領域は、本質的に350〜700nmの間の波長を有している 。この場合、酸化された分子の数が増大し、この結果、更に強力な吸収シグナル を測定することができる利点がある。 他の好適例において、吸収の変化は、本質的に800〜850nmの波長領域 の光で測定され、緩和パラメータは、作物のPSI複合体の酸化されたP−70 0の反応中心における還元速度の情報を本質的に含んでいる。このような波長の 光は、3組の分子が酸化状態にあり、光合成電子伝達に用いられていない場合に 、3組の分子によって実際的かつ有利に吸収される。したがって、この波長領域 の光を用いて、吸収の変化をよい状態のシグナル/ノイズ(S/N)比で測定で きるようになる。この理由は、電子伝達にノイズの影響を与えることなく、測定 された光強度を高くすることができるためである。 また、本発明は、上記方法で得られた緩和パラメータに基づいて、作物に対す る品質指標を判定するシステムであって、このシステムには、 − 緩和パラメータと、作物に対してデータベースに記憶された1又はそれ以上 の緩和パラメータ又は緩和パラメータ範囲とを比較する比較手段と、 − データベースにセーブされた緩和パラメータ又は緩和パラメータに本質的に 対応する緩和パラメータ範囲に関連した品質指標を、データベース中でサーチす るサーチ手段とが設けられている。かかるシステムは、ソフトウェアを用いて確 実かつ有利に実現できる。また、このソフトウェアを用いることによって、作物 に対する品質指標を事実上リアルタイムで判定することができるようになる。 本発明を添付図面により、以下に詳細に説明する。 図1は、光強度に対するP−700+反応中心の還元の速度定数のプロットを 示している。 図2は、5つの異なった作物のP−700+の還元の速度定数に対するCO2固 定の最大速度のプロットを示している。 図3は、本発明によるシステムの好適実施形態のブロック図を示している。 図1は、2つの相違する作物、すなわち、とうもろこしとジュアヌロア(juanu lloa)の光強度に対するP−700+反応中心の還元の速度定数をプロットしたも のである。速度定数として示された値は、820nmの波長の光を用いて測定し た吸収の変化に基づいて計算されている。かかる速度定数が光強度に殆ど依存し ていないことは図1から明らかである。この驚くべき結果は、本出願人による別 の実験的研究に基づいて示されたように、多数のタイプの作物に対してもあては まることが確認されている。速度定数の光に対する非依存性は、一般的に690 〜1100nmの波長の光に対して測定された吸収の変化にも該当することが実 験から確認されている。このような波長範囲を有する光は、上記分子が酸化状 態にある場合に、PSIのドナー側の上記3つの分子の2つ、すなわち、P−7 00及びプラストシアニンによって容易に吸収されるものである。 図2は、5つの相違する作物の約P−700+の還元の速度定数に対するCO2 固定の最大速度をプロットしたものである。ここでは再度、速度定数として示さ れた値を、実質的に820nmの波長を有する光を用いて測定した吸収の変化に 基づいて計算した。測定は、20℃の室温及び2%の酸素濃度で行われた。5つ の作物として、ジュアヌロア(juanulloa)、ロドデンドロン(rhododendron)、セ ントポーリア(saintpaulia)、ヘデラ(hedera)及びピース(peas)が用いられた。 P−700+の還元の速度定数とCO2固定の最大速度が、比例することが図2か らわかる。このような比例関係を、次式(1)によって概略示すことができる。 y=aKe−b …(1) ここで、yはCO2固定に対する最大速度を示し、また、KeはP−700+の 還元の速度定数である。概略、0.07<a<0.21及び0.5<b<1.5 であり、a及びbに対する正確な値は主として酸素濃度に依存する。図2に示す 比較においては、a=0.143及びb=1.018が与えられる。数式(1) は、種々の実験から確認されたように、多種類の作物に対して有効であり、波長 に依存しない。 作物がCO2を結合できる最大速度が、作物の生理的な状態を示していること は経験的によく知られている。このことは、作物にとって最も重要なプロセスで ある光合成のプロセスにおいて、二酸化炭素が次式(2)によって、炭化水素化 合物及び酸素に変換されることから容易に理解できる。 CO2+H2O→(CH2O)+O2 …(2) 本発明のコンセプト、すなわち、PSIのドナー側に位置する複数の分子タイ プの少なくとも一部が酸化状態からの還元速度に関する情報を有する緩和パラメ ータに基づいて、その作物の品質を判定するということは、図1及び図2に示さ れた上述の驚くべき結果に端を発している。品質指標として緩和パラメータを用 いることの最も重要な利点は、この値を周囲の光の強度に依存せずに決定できる ことである。 本発明によれば、緩和パラメータの判定は、吸収の変化から時間の関数として 緩和パラメータを判定するため、作物によって予め設定された波長の光の吸収を 少なくとも測定することによって行われる。かかる測定技術を用いる最大の利点 は、この技術がリアルタイムで適用できるということである。更に、前記測定技 術を、既知の手段を用いてコンパクトなシステム構成によって、信頼性のある方 法で実現できる。 本発明による方法の好適な実施の形態において、緩和パラメータは、酸化状態 から上記分子の1又はそれ以上の還元に対して複数のステップで判定される。第 1ステップにおいて、分子の少なくとも一部を、第1の予め設定された波長範囲 にある波長の光で酸化する。この好適な光は、350〜700nmの間における 予め設定された波長を有する。この後、酸化された分子による第2の予め設定さ れた波長域における光の吸収を、予め設定された時間にわたって測定する。第2 の予め設定された波長は、好ましくは690〜1100nm、より好ましくは8 00〜850nm、例えば、820nmである。820nmの波長の測定光を用 いて測定した吸収の変化を、以下ΔA820と示す。 測定された吸収は、酸化された分子の自然に発生する還元の結果として時間と ともに変化する。吸収シグナルの減少は、次式(3)に示されるように、ほぼ一 次指数的な挙動を示す。 ここで、A(t)は時間tにおける吸収であり、Keは還元速度に対する基準 である関連した特定の速度定数である。次に、既に説明した時間の関数としての 吸収の変化に基づいて、還元に対する関連した速度定数を、本発明方法の第3ス テップで計算する。速度定数に対する他の例として、もちろん、半減期のような 異なる速度定数パラメータを決定することもできる。 好適な測定光は、約820nmの波長である。この波長に対して、測定された 吸収における変化の約60パーセントは、酸化されたP−700分子、すなわち 、PSIの反応中心を形成する特定のクロロフィルaの還元によって発生する。 付加的には、ΔA820に関連する速度定数を、数式(1)を用いて作物のCO2固 定における最大速度を決定する際に用いて、CO2固定における最大速度を、関 連の作物に対する品質指標として用いることもできる。 作物に対し、完全な一連の実験の実施に基づいて、本発明方法で判定した緩和 パラメータに品質指標をリンクさせることができる。かかる品質指標を、消費者 にとって重要な特定の作物の特性に関連させることができる。例えば、ばらに対 して、花瓶での花のつぼみの開花を品質特性として選択することができる。既に 行った実験に基づいて、ばらが100s-1より大きいΔA820における速度定数 で事実上常に適切に開花することが確認されている。40s-1より小さいΔA82 0 のにおける速度定数では、ばらは開花せず、花が数日内でしおれ始める。また 、中間範囲の速度定数で、ばらは部分的に開花する。したがって、本例では、こ の3っの品質範囲を、上記本発明方法により決定される速度定数に直接関連して 表示することができる。この例における速度定数は、20℃の温度で少なくとも 2時間水中にあるばらの葉で決定された。 選択すべき品質基準は作物ごとに相違する。例えば、きゅうりの場合、皮のク ロロフィル含量の減少を品質基準として採用することができる。きゅうりの緑が 濃くなるに従って品質の等級が高くなる。きゅうりが標準的な状態の下で「青白 くなり始める」割合が寿命の基準となる。ここでも上記例に同様に、3つの品質 範囲で表示することができ、この限界を各々100s-1及び50s-1の速度定数 によって決定する。きゅうりの露出割合が低くなるにしたがって、速度定数が高 くなる。 カルセオラリアのような鉢植え植物の場合において、この品質は、植物がもは や売り物にならなくなる前の経過時間で表現できる。この場合、75s-1の速度 定数は極めて良いものであり、20s-1の速度定数は極めて悪いものである。 選択される品質指標は、生産者にとっても重要な作物特性に関係する。例えば 、作物の成長段階を品質基準として選択し、この選択した基準に基づいて、作物 、例えば、りんごやバナナのような果物の最適な収穫時期が決定できるようにな る。実験では、緩和パラメータが、収穫すべき作物の成長段階、すなわち、熟し た時期に関連した最適曲線に従うことが示された。一般的には、曲線における最 適とされる緩和パラメータ値よりも先行する緩和パラメータ値が適切な収穫時期 を示すことになる。緩和パラメータ値が、この「最適値」をどの程度先行する必 要があるかは、後熟に関連する予測される運搬時間に依存する。更に、じゃがい もの 成長段階に対して、例えば、掘り出し前の散布又はたたき打ちによって地上に出 ている部分を枯らす最も適切な時点を決定する場合に利用することができる。こ の場合、前記「最適値」をちょうど越える(地上に出ている部分で測定された) 緩和パラメータ値は、これに対する適切な時点を示すことになる。 このように、品質範囲を、予め選択された品質基準の観点から、各作物に対し て規定することができる。作物に対して判定された緩和パラメータは、関連する 作物の現在の品質範囲を表すことになる。以下に説明する方法で、緩和パラメー タを温度に応じて修正することができる。二酸化炭素濃度が通常値の範囲内(す なわち、容量で300〜700ppmのCO2濃度)で変化する場合、緩和パラ メータの決定に対して実際に影響を及ぼさない。 上記事項に基づいて、例えば、緩和パラメータにおける異なる値又は範囲が品 質指標に関連する各作物におけるデータベースをコンパイルすることができる。 本発明による方法の好適実施形態において、このデータベースを、測定された緩 和パラメータに基づいて、作物の品質指標を判定するのに用いることができる。 このために、前記方法は、以下のステップを備える。 − データベースに記憶された作物に対する1つ以上の緩和パラメータ又は緩和 パラメータの範囲を用いて決定した緩和パラメータの比較。 − 決定された緩和パラメータに対応する、データベースに記憶された緩和パラ メータ又は緩和パラメータの範囲に関連した品質指標に対するデータベースのサ ーチ。 図3は、本発明による方法を実施するシステムの好適例を示す。 この図3にあって、システム1は、本発明に関連する作物のPSIのドナー側 の前記分子の少なくとも一部を酸化するために適切な第1波長領域の光を放出す る第1光源2を備えている。作物の葉3を図式的に示す。第1光源2は、好適に は400〜700nmの波長の光を放射する。更に好適には、光は短いフラッシ ュの形態で放出される。このようなフラッシュの持続時間を好適には約1ミリ秒 とする。このような光フラッシュの結果として、葉3に存在する前記分子の少な くとも一部が酸化する。酸化状態にある分子は、690〜1100nmの波長を 有する第2波長範囲の光に対して酸化されていない分子の吸収挙動とは異なる吸 収挙動を示す。かかる光を第2光源4から発生させる。更に好適には、第2光源 4からの光は、800〜850nmの波長、例えば、820nmの波長である。 このような波長の光は、葉3の酸化された分子によって容易に吸収される。この 吸収に続いて、酸化された分子は、この後の光合成プロセスの結果として自然に 還元する。この結果、第2の予め設定された波長領域の光の吸収が、時間が経過 するに従って減少する。既に説明したように、前記吸収の減少は、概略一次指数 的挙動を示し、したがって、速度定数あるいは半減期のような他の速度パラメー タに基づいて特徴づけられる。検出手段5が吸収を測定するために設けられてい る。この検出手段は、葉3から送られる散乱した第2波長領域の光の強度の変化 を検出する。図示した実施の形態において、検出手段5を葉3から散乱した光を 集光するように配置する。 光源4として、好ましくは赤外光を放射する発光ダイオードを用い、これには フィルタを任意に設けることが可能である。第2光源4からの出力シグナルが、 極めて安定していことが重要である。この理由は、測定される吸収の変化が非常 に小さい(10-4のオーダー)ためである。図3に示した好適実施形態において 、光源4からの光は変調器/復調器7によって変調/復調される。変調光を検出 手段5が容易に検出し、同一波長領域の他の光による干渉をできる限り除去する 。この変調を好適には振幅変調とする。変調周波数は、検出シグナルをフィルタ 処理し及び/又は復調できる程度に高い周波数にする必要がある。このシグナル は、光源4から発生した光ビームの強度に比例し、数ミリ秒内で発生する吸収シ グナルの小さい変化を決定することができる。要求される変調周波数は、種々の 要因に依存するが、好適には20kHz以上の周波数である。 検出手段5は、好ましくは1つ以上のフォトダイオード、例えば、シリコンダ イオードからなる。吸収の変化が生じる範囲内で、光学的なフィルタを用いて、 検出手段5を関連の波長領域に対して、より感度が高くなるようにする。この光 学的なフィルタは、有色ガラス(例えば、Schott RG9又はRG780 )あるいは薄膜タイプとすることができる。シリコンフォトダイオードからは、 低出力のシグナルが生じるため、このシグナルを好ましくは処理前にまず増幅す る。このために、標準的なプリアンプ6を利用することができる。検出手段5及 びプリアンプ6を組み合わせた周波数特性は、周波数領域で葉3によって散乱さ れた振幅変調光を検出するために適切に設定する必要がある。検出手段5を用い て検出した吸収シグナルは変調器/復調器7でまず復調される。 この後、復調シグナルをフィルタ手段8に供給して、好ましくないノイズ成分 を除去する。ここでは低透過度フィルタのような一般的なフィルタ手段を用いる 。図示した装置1の実施の形態において、減算手段9を設けて、関連の波長、例 えば、820nmでの葉3における標準吸収シグナルを、測定されたシグナルか ら減算する。このようにして、前記酸化された分子の還元によって生じた吸収差 (すなわち、目的とするシグナル)を更に明瞭に識別する。吸収差シグナルの大 きさを図示することによって、例えば、特定の作物に存在する全てのP−700 反応中心の完全な酸化の結果、散乱した光ビームの強度が、5000mVから4 975mVまで変化する。このようにして処理したシグナルを、別の処理のため にメモリ10にセーブすることができる。 図示した好適実施形態において、システム1は、検出手段5により検出され、 かつ、上記シグナル処理手段を用いて処理した、一定時間における吸収変化によ って品質指標を決定するシステム11を備えている。このシステム11には、一 定時間における吸収の変化に関連する速度定数のような緩和パラメータを計算す る演算手段12を設けられている。システム11は、既に説明したように、計算 された緩和パラメータとデータベースに記憶された作物の1つ以上の緩和パラメ ータ又は緩和パラメータの範囲とを比較する比較手段13を有している。システ ム11は、計算した緩和パラメータに本質的に対応するデータベースに記憶した 緩和パラメータ又は緩和パラメータの範囲に関連する品質指標をサーチするサー チ手段14を備えている。システム11は、吸収の変化を決定中に周囲の状態を 考慮するため、緩和パラメータを補正する補正手段(図示せず)を任意に設ける ことができる。温度やO2/CO2濃度のような周囲の状態に基づいて、例えば、 緩和パラメータの補正係数を決定することができる。これを実験中に計測する必 要がある。好適には、補正手段を設けて、緩和パラメータを再計算し、作物の品 温を利用した標準温度での緩和パラメータを付与する。実験によれば、例えば、 最適曲線による前記速度定数が吸収測定中の作物の温度に依存することがわかる 。 速度定数が最大である温度は、種々の作物において多少異なる。更に、最適温度 から多少相違する温度で測定された速度定数は、速度定数の最大値より4から5 低い係数とする。しかしながら、温度の関数としての速度定数の変化は全ての作 物に対して本質的に同一である。したがって、例えば、全ての作物において単一 モデルに基づいて温度補正を行うことができる。上記データベースは温度をした ものとすることができる。品質指標を、温度の値及び緩和パラメータの値に基づ いて決定することができる。 最後に、好適実施形態においては、光源2は作動手段15に接続されている。 この作動手段を、好ましくは、メモリ10に接続して、測定の開始時に始動シグ ナルを送出する。このような始動シグナルを、例えば、光源2からの光フラッシ ュの放射後に発生させる。メモリ10は、始動シグナルを受信した後、検出手段 5から発生したシグナルを自動的にセーブする。 上記構成要素6〜15を、好ましくは、適切なソフトウェアによって制御され るマイクロプロセッサのような1つ以上のハードウェアで可能な限り構成する。 かかる好適実施形態では、極めて小型化され、かつ、特に広範囲のメンテナンス が不要であり、信頼性の高いシステムが得られるという利点がある。更に、計算 ステップ、比較ステップ及びサーチステップを事実上リアルタイムで実行するこ とができる。 他の好適な実施の形態において、システム1は、作物の葉及び茎のような緑の 部分の周辺にシステムを配置するための手段を備えている。好ましくは、配置手 段はクランプ手段(図示せず)を備え、これによってシステムを作物に対して固 定することができるようする。光源2及び/又は光源4を、好ましくは、発光ダ イオードの形でクランプ手段に配置する。クランプ手段を用いてシステムを作物 の葉又は茎の1つにクランプして、1つ以上の光源が作物に対して固定される。 上記システムがコンパクト形態で構成されるので、ユーザが容易に携帯可能にな る。 上記実施の形態の種々の変形が可能であることは当業者には明らかである。し たがって、例えば、光源2を、図3に示したようなシステム1から任意に省略す ることができる。しかしながら、この場合、前記分子の酸化状態を測定する他の 手段が必要になる。このような手段の一例では、作物が事実上他の光を受光しな いようにする必要がある。この場合、存在する前記タイプの酸化された分子の全 てが事実上自然に還元する。この還元に関連した特定の緩和パラメータを、一次 指数的な挙動として仮定することによって、再び決定することができる。関連の 速度定数を計算すると、「一次指数的な」(mono-exponential)アプローチの代 替として「振動子」アプローチを選択することもできる。「振動子」(oscillat or)アプローチの場合、各分子を振動子と見なし、この酸化を光パルスで誘発 し、また還元を電子伝達で誘発する。変調した化学作用のある投光が照射される 作物において、予め設定された、例えば、820nmの波長での時間関数として 、振幅及び吸収シグナルの位相の周波数特性の分析によって、電子伝達に対する 速度定数を計算することができる。 更に、緩和パラメータ又は緩和パラメータの範囲が品質指標に関連している前 記データベースの代案として、決定された緩和パラメータに基づく品質指標の計 算にアルゴリズムを利用することができる。 本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記説明及び添付図面 に一致するとともに、添付した請求の範囲内にある任意の実施の形態に関する。 図面の説明 図1 縦座標:P−700+還元における速度定数(s-1) 横座標:光強度(μmol m-2-1) MAIS=メイズ 図2 縦座標:CO2固定における最大速度(μmol m-2-2) 横座標:P−700+還元における速度定数(s-1) RODODENDRON=ロドデンドロン ERWT=ピーズ
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年5月15日(1998.5.15) 【補正内容】 請求の範囲 1.作物の品質指標としての役割を果たす、作物の光合成プセロスにおける少な くとも1つの特定のパラメータの判定からなる、作物の品質を判定する方法にお いて、前記パラメータが、それ自体は既知のフォトシステムI(PSI)に属し 、前記パラメータの判定が以下のステップからなる作物の品質判定方法。 (a)PSIのドナー側に位置する複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化状 態にするステップと、 (b)酸化された分子の少なくとも一部を還元するステップと、 (c)還元の速度に関する情報を含む緩和パラメータを決定するステップとを備 え、ステップ(c)が少なくとも次のサブステップからなる、 (1)還元される間に、作物中の酸化された分子による、予め設定された波長 領域の光吸収を測定するサブステップと、 (2)時間関数として、測定された吸収の変化の速度を計算し、この速度パラ メータを緩和パラメータとするサブステップ。 2.ステップ(a)が、第1波長領域の光により、分子の少なくとも一部を酸化 することからなり、この第1波長領域が、本質的に350〜700nmの波長か らなることを特徴とする請求の範囲1記載の品質判定方法。 3.前記ステップ(c1)が、予め設定された時間中の酸化された分子による第 2波長領域の光の吸収を測定することからなり、この第2波長領域が、本質的に 690〜1100nmの波長からなることを特徴とする請求の範囲1又は2記載 の品質判定方法。 4.第2波長領域が本質的に800〜850nmの波長からなることを特徴とす る請求の範囲3記載の品質判定方法。 5.緩和パラメータをが還元における速度定数であり、次式 y=aKe−b (式中、yはCO2固定における速度であり、又、Keは速度定数であり、ここで 概略0.07<a<0.21及び0.5<b<1.5である) に従う速度定数に基づいて、作物におけるCO2固定の最大速度を決定するステ ップからなる請求の範囲3又は4記載の品質判定方法。 6.緩和パラメータに基づいて品質指標を決定するステップを更に含み、かかる ステップが次のステップからなる請求の範囲1から5のいずれかに記載の品質判 定方法。 − 緩和パラメータと、作物に対してデータベースに記憶された1又はそれ以上 の緩和パラメータ又は緩和パラメータ範囲との比較、 − データベースにセーブされた緩和パラメータ又は緩和パラメータに本質的に 対応する緩和パラメータ範囲に関連した品質指標を、データベース中でのサーチ 。 7.作物の品質指標としての役割を果たす、作物の光合成プロセスにおける少な くとも1つの特定のパラメータの判定からなる、作物の品質を判定する装置にお いて、前記パラメータが、それ自体は既知のフォトシステムI(PSI)に属し 、前記装置が以下の手段からなる作物の品質を判定する装置。 (a)PSIのドナー側に位置する複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化状 態にする手段(2)と、 (b)酸化された分子の少なくとも一部を還元する手段(4)と、 (c)還元の速度に関する情報を含む緩和パラメータを決定する手段とを備え、 緩和パラメータを決定する手段が少なくとも次の手段からなる、 (1)還元される間に、作物中の酸化された分子による、予め設定された波長 領域の光吸収を測定する手段(4,5)と、 (2)時間関数として、測定された吸収の変化の速度を計算し、この速度パラ メータを緩和パラメータとする手段(12)。 8.緩和パラメーターを判定する手段が、更に以下の手段を含むことを特徴とす る請求の範囲7記載の品質判定装置。 − 緩和パラメータと、作物に対してデータベースに記憶された1又はそれ以上 の緩和パラメータ又は緩和パラメータ範囲とを比較する比較手段(13)と、 − データベースにセーブされた緩和パラメータ又は緩和パラメータに本質的に 対応する緩和パラメータ範囲に関連した品質指標を、データベース中でサーチす るサーチ手段(14)。 9.装置に、吸収の測定中周囲の状態を考慮するため、緩和パラメータを補正す る補正手段をが更に設けられていることを特徴とする請求の範囲8記載の品質指 標判定装置。 10.作物の品温を利用した標準温度での緩和パラメータを付与するため、緩和 パラメータを再計算するための補正手段が設けられていることを特徴とする請求 の範囲9記載の品質指標判定装置。 11.装置が、 − PSIのドナー側に位置する複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化状態 にする手段が、分子の少なくとも一部を酸化するための本質的に400〜700 nmからなる第1波長領域の光を放射する第1光源(2)によって構成され、 − 酸化された分子の少なくとも一部を還元する手段が、酸化された分子を還元 させるための本質的に680〜1100nmからなる第2波長領域の光を放射す る第2光源(4)によって構成され、 − 還元される間に、作物中の酸化された分子による、予め設定された波長領域 の光吸収を測定する手段(4,5)が、予め設定された時間の間に、酸化された 分子によって第2光源から発生する光の吸収を測定するための検出手段によって 構成される ことを特徴とする請求の範囲7,8,9又は10記載の品質指標判定装置。 12.光源中の少なくとも1つが発光ダイオードであることを特徴とする請求の 範囲11記載の品質指標判定装置。 13.装置が、作物を固定するために設けられたクランプ手段からなり、光源の 少なくとも1つがクランプ手段に取り付けられていることを特徴とする請求の範 囲11又は12記載の品質指標判定装置。 このために、本発明による方法は、前記パラメータがそれ自体は既知のフォト システムI(PSI)に属し、前記パラメータの測定が次のステップからなるこ とを特徴としている。 (a)PSIのドナー側に配置された複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化 状態にするステップと、 (b)酸化された分子の少なくとも一部を還元するステップと、 (c)還元の速度の情報を有する緩和パラメータ(relaxation parameter)を決 定するステップとを備え、 このステップ(c)が、少なくとも、 (1)還元の間に作物中の酸化された分子による、予め定められた波長領域の 光吸収を測定するサブステップと、 (2)時間の関数として、測定された吸収の変化速度を計算し、この速度パラ メータを前記緩和パラメータとするサブステップとを備える。 PSIのドナー側には、一連にリンクした3組の分子、特に、P−700、プ ラストシアニン及びチトクローム−fが存在する。PSIのドナー側の還元では 、光合成電子伝達の酸化/還元反応の連鎖における最も遅いリンクが形成される 。前記酸化還元反応の緩和速度は、光合成代謝に対する作物全体の要求によって 調節される。この結果、作物の全光合成プロセスの緩和速度の基準となる。前記 緩和速度は緩和パラメータによって特徴づけられ、この値は光に依存しない。し たがって、緩和パラメータを、測定中の作物に対する通常の周囲状態に補正する 必要がなく、作物の絶対的な品質指標として用いることが可能になる。 本発明の方法において、このような緩和パラメータの判定のステップは、少な くとも(1)還元中に作物の酸化された分子によって予め定められた波長領域の 光の吸収を測定するサブステップと、(2)時間の関数として、測定された吸収 の変化速度の情報を含む速度パラメータを計算し、この速度パラメータを前記緩 和パラメータとするサブステップとを有している。この測定技術を用いることに よって、数kHzのダイナミクスを有する作物中のプロセスを測定することがで きるようになる。この測定技術は、上記緩和パラメータの測定に対して特に適切 である。この理由は、例えば、上記3組のものから酸化した分子の還元に対する 速度定数(rate constant)の特定値が、一般的に数Hzから数kHzまでの大 きさのオーダーとなるためである。 すでに説明したような還元プロセスのダイナミクスのために、本発明方法によ ると、緩和パラメータの形で、作物の品質指標をリアルタイムで事実上判定でき るという利点を提供できることは明らかである。 好適例において、分子の少なくとも一部は、第1波長領域の光によって酸化さ れ、この第1波長領域は、本質的に350〜700nmの間の波長を有している 。この場合、酸化された分子の数が増大し、この結果、更に強力な吸収シグナル を測定することができる利点がある。 他の好適例において、吸収の変化は、本質的に800〜850nmの波長領域 の光で測定される。このような波長の光は、3組の分子が酸化状態にあり、光合 成電子伝達に用いられていない場合に、3組の分子によって実際的かつ有利に吸 収される。したがって、この波長領域の光を用いて、吸収の変化をよい状態のシ グナル/ノイズ(S/N)比で測定できるようになる。この理由は、電子伝達に ノイズの影響を与えることなく、測定された光強度を高くすることができるため である。 また、本発明は、上記方法で得られた緩和パラメータに基づいて、作物に対す る品質指標を判定する装置であって、この装置は、以下の手段から構成されてい る。 (a)PSIのドナー側に位置する複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化状 態にする手段と、 (b)酸化された分子の少なくとも一部を還元する手段と、 (c)還元の速度に関する情報を含む緩和パラメータを決定する手段とを備え、 緩和パラメータを決定する手段が少なくとも次の手段からなる、 (1)還元される間に、作物中の酸化された分子による、予め設定された波長 領域の光吸収を測定する手段と、 (2)時間関数として、測定された吸収の変化の速度に関する情報を含む速度 パラメータを計算し、この速度パラメータを緩和パラメータとする手段。 かかる装置は、ソフトウェアを用いて確実かつ有利に実現できる。また、この ソフトウェアを用いることによって、作物に対する品質指標を事実上リアルタイ ムで判定することができるようになる。 本発明を添付図面により、以下に詳細に説明する。 図1は、光強度に対するP−700+反応中心の還元の速度定数のプロットを 示している。 図2は、5つの異なった作物のP−700+の還元の速度定数に対するCO2固 定の最大速度のプロットを示している。 図3は、本発明による装置の好適実施形態のブロック図を示している。 図1は、2つの相違する作物、すなわち、とうもろこしとジュアヌロア(juan ulloa)の光強度に対するP−700+反応中心の還元の速度定数をプロットした ものである。速度定数として示された値は、820nmの波長の光を用いて測定 した吸収の変化に基づいて計算されている。かかる速度定数が光強度に殆ど依存 していないことは図1から明らかである。この驚くべき結果は、本出願人による 別の実験的研究に基づいて示されたように、多数のタイプの作物に対してもあて はまることが確認されている。速度定数の光に対する非依存性は、一般的に69 0〜1100nmの波長の光に対して測定された吸収の変化にも該当することが 実験から確認されている。このような波長範囲を有する光は、上記分子が酸化状 態にある場合に、PSIのドナー側の上記3つの分子の2つ、すなわち、P−7 00及びプラストシアニンによって容易に吸収されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.作物の品質指標としての役割を果たす、作物の光合成プロセスにおける少な くとも1つの特定のパラメータの判定からなる、作物の品質を判定する方法にお いて、前記パラメータが、それ自体は既知のフォトシステムI(PSI)に属し 、前記パラメータの判定が以下のステップからなる作物の品質判定方法。 (a)PSIのドナー側に位置する複数の分子タイプの少なくとも一部を酸化状 態にするステップと、 (b)酸化された分子の少なくとも一部を還元するステップと、 (c)還元の速度に関する情報を含む緩和パラメータを決定するステップとを備 え、ステップ(c)が少なくとも次のサブステップからなる、 (1)還元される間に、作物中の酸化された分子による、予め設定された波長 領域の光吸収を測定するサブステップと、 (2)時間関数として、測定された吸収の変化の速度に関する情報を含む速度 パラメータを計算し、この速度パラメータを緩和パラメータとするサブステッ プ。 2.ステップ(a)が、第1波長領域の光により、分子の少なくとも一部を酸化 することからなり、この第1波長領域が、本質的に350〜700nmの波長か らなることを特徴とする請求の範囲1記載の品質判定方法。 3.前記ステップ(c1)が、予め設定された時間中の酸化された分子による第 2波長領域の光の吸収を測定することからなり、この第2波長領域が、本質的に 690〜1100nmの波長からなることを特徴とする請求の範囲1又は2記載 の品質判定方法。 4.第2波長領域が本質的に800〜850nmの波長からなり、緩和パラメー タが、作物中のPSI複合体における酸化されたP−700反応中心の還元の速 度に関する情報を含むことを特徴とする請求の範囲3記載の品質判定方法。 5.緩和パラメータをが還元における速度定数であり、次式 y=aKe−b (式中、yはCO2固定における速度であり、又、Keは速度定数であり、ここで 概略0.07<a<0.21及び0.5<b<1.5である) に従う速度定数に基づいて、作物におけるCO2固定の最大速度を決定するステ ップからなる請求の範囲3又は4記載の品質判定方法。 6.緩和パラメータに基づいて品質指標を決定するステップを更に含み、かかる ステップが次のステップからなる請求の範囲1から5のいずれかに記載の品質判 定方法。 − 緩和パラメータと、作物に対してデータベースに記憶された1又はそれ以上 の緩和パラメータ又は緩和パラメータ範囲との比較、 − データベースにセーブされた緩和パラメータ又は緩和パラメータに本質的に 対応する緩和パラメータ範囲に関連した品質指標を、データベース中でのサーチ 。 7.請求の範囲1から4のいずれかに記載の方法を用いて得られた緩和パラメー タに基づく、作物の品質指標を判定するシステムであって、このシステムは、 − 緩和パラメータと、作物に対してデータベースに記憶された1又はそれ以上 の緩和パラメータ又は緩和パラメータ範囲とを比較する比較手段と、 − データベースにセーブされた緩和パラメータ又は緩和パラメータに本質的に 対応する緩和パラメータ範囲に関連した品質指標を、データベース中でサーチす るサーチ手段 を備えている。 8.システムに、吸収の測定中周囲の状態を考慮するため、緩和パラメータを補 正する補正手段をが更に設けられていることを特徴とする請求の範囲7記載の品 質指標判定システム。 9.作物の品温を利用した標準温度での緩和パラメータを付与するため、緩和パ ラメータを再計算するための補正手段が設けられていることを特徴とする請求の 範囲8記載の品質指標判定システム。 10.システムは、緩和パラメータを判定する手段を更に備え、この手段が、 − 分子の少なくとも一部を酸化するための第1波長領域の光を放射する第1光 源であって、第1波長領域が本質的に400〜700nmからなる − 酸化された分子を還元させるための第2波長領域の光を放射する第2光源で あって、第2波長領域が本質的に680〜1100nmからなる − 予め設定された時間の間に、酸化された分子によって第2光源から発生する 光の吸収を測定するための検出手段、及び − 時間の関数として、吸収の変化に関連する速度パラメータを計算する演算手 段であって、速度パラメータが緩和パラメータである ことを特徴とする請求の範囲7,8又は9記載の品質指標判定システム。 11.光源中の少なくとも1つが発光ダイオードであることを特徴とする請求の 範囲10記載の品質指標判定システム。 12.システムが、作物を固定するために設けられたクランプ手段からなり、光 源の少なくとも1つがクランプ手段に取り付けられていることを特徴とする請求 の範囲10又は11記載の品質指標判定システム。
JP9536974A 1996-04-15 1997-04-09 作物の品質を判定する方法及びシステム Pending JP2000509489A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NL1002870A NL1002870C2 (nl) 1996-04-15 1996-04-15 Werkwijze en stelsel voor het bepalen van de kwaliteit van een gewas.
NL1002870 1996-04-15
PCT/NL1997/000182 WO1997039350A1 (en) 1996-04-15 1997-04-09 Method and system for determining the quality of a crop

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000509489A true JP2000509489A (ja) 2000-07-25

Family

ID=19762682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9536974A Pending JP2000509489A (ja) 1996-04-15 1997-04-09 作物の品質を判定する方法及びシステム

Country Status (15)

Country Link
US (1) US6100093A (ja)
EP (1) EP0897539B1 (ja)
JP (1) JP2000509489A (ja)
AP (1) AP972A (ja)
AT (1) ATE204382T1 (ja)
AU (1) AU703267B2 (ja)
BR (1) BR9708662A (ja)
CA (1) CA2251137A1 (ja)
DE (1) DE69706162T2 (ja)
EA (1) EA000801B1 (ja)
IL (1) IL126608A0 (ja)
NL (1) NL1002870C2 (ja)
NO (1) NO984707L (ja)
NZ (1) NZ332259A (ja)
WO (1) WO1997039350A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000245260A (ja) * 1999-03-02 2000-09-12 Satake Eng Co Ltd 穀類の品質推定方法及びその装置
NL1012948C2 (nl) * 1999-09-01 2001-03-05 Ato Bv Werkwijze en inrichting voor het meten van de invloed van een externe factor op een gewas.
US20050281027A1 (en) * 2003-05-13 2005-12-22 Solaroasis, Llc Device and method for observing plant health
DE102004062649C5 (de) 2004-12-21 2013-06-06 Kronotec Ag Verfahren zur Herstellung einer Holzfaserdämmstoffplatte bzw.-matte und nach diesem Verfahren hergestellte Holzfaserdämmstoffplatten bzw.-matten
US20060282467A1 (en) * 2005-06-10 2006-12-14 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Field and crop information gathering system
US8046280B2 (en) * 2005-06-10 2011-10-25 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Method for using environmental classification to assist in financial management and services
US20070005451A1 (en) * 2005-06-10 2007-01-04 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Crop value chain optimization
CN101404873B (zh) 2006-01-06 2013-10-02 瑞克斯旺种苗集团公司 用于选择显示减少的损伤诱导的表面变色的植物的筛选方法和所获得的植物及植物部分
US20080086340A1 (en) * 2006-10-04 2008-04-10 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Crop quality insurance
WO2008083062A1 (en) * 2006-12-29 2008-07-10 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Automated location-based information recall
US20110010213A1 (en) * 2009-07-09 2011-01-13 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Method for capturing and reporting relevant crop genotype-specific performance information to scientists for continued crop genetic improvement
CA2776577C (en) * 2010-10-05 2021-03-30 Bayer Cropscience Lp A system and method establishing an agricultural pedigree for at least one agricultural product
DE102019131650A1 (de) * 2019-11-22 2021-05-27 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zum Ermitteln und Optimieren des Gehalts von wenigstens einem Pflanzeninhaltsstoff von wenigstens einem Teil einer Pflanze
DE102022107746A1 (de) 2022-03-31 2023-10-05 Lytegate GmbH Verfahren und Messanordnung zur Untersuchung organischen Materials

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5012609A (en) * 1988-12-12 1991-05-07 Automated Agriculture Associates, Inc. Method and apparatus for irradiation of plants using optoelectronic devices
US4942303A (en) * 1989-01-31 1990-07-17 Associated Universities, Inc. Computer controlled fluorometer device and method of operating same
DE4232281C1 (de) * 1992-09-26 1994-03-31 Meinhard Prof Dr Knoll Verfahren zur Bestimmung von Stoffkonzentrationen in Luft, Wasser oder Boden mit Hilfe lebender Pflanzen sowie Vorrichtungen zur Durchführung des Verfahrens
US5602446A (en) * 1993-10-21 1997-02-11 Associated Universities, Inc. Fast repetition rate (FRR) flasher
DE4427438C2 (de) * 1994-08-03 1996-07-11 Gsf Forschungszentrum Umwelt Verfahren zur Charakterisierung des Photosynthesesystems von Pflanzen zum Nachweis der Wirkung von Herbiziden und/oder zum Nachweis von Wassermangel
US5854063A (en) * 1996-01-16 1998-12-29 The State Of Oregon Acting By And Through The State Board Of Higher Education On Behalf Of Oregon State University Method and apparatus for spectrophotometric observation of plants

Also Published As

Publication number Publication date
EA199800925A1 (ru) 1999-06-24
AU703267B2 (en) 1999-03-25
WO1997039350A1 (en) 1997-10-23
NL1002870C2 (nl) 1997-10-17
AP972A (en) 2001-06-04
EA000801B1 (ru) 2000-04-24
US6100093A (en) 2000-08-08
IL126608A0 (en) 1999-08-17
DE69706162T2 (de) 2002-04-11
DE69706162D1 (de) 2001-09-20
CA2251137A1 (en) 1997-10-23
EP0897539B1 (en) 2001-08-16
NO984707D0 (no) 1998-10-09
EP0897539A1 (en) 1999-02-24
ATE204382T1 (de) 2001-09-15
AP9801359A0 (en) 1998-12-31
NZ332259A (en) 2000-03-27
NO984707L (no) 1998-12-10
BR9708662A (pt) 1999-08-03
AU2309797A (en) 1997-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000509489A (ja) 作物の品質を判定する方法及びシステム
Schapendonk et al. Effects of water stress on photosynthesis and chlorophyll fluorescence of five potato cultivars
Hák et al. Decrease of the chlorophyll fluorescence ratio F690/F730 during greening and development of leaves
Masojídek et al. The synergistic effect of drought and light stresses in sorghum and pearl millet
Loach SHADE TOLERANCE IN TREE SEEDLINGS: I. LEAF PHOTOSYNTHESIS AND RESPIRATION IN PLANTS RAISED UNDER ARTIEICIAL SHADE
Critchley et al. Leaf chlorophyll fluorescence as an indicator of high light stress (photoinhibition) in Cucumis sativus L
Healey The mechanism of hydrogen evolution by Chlamydomonas moewusii
Harren et al. Online, real-time detection of volatile emissions from plant tissue
Terashima et al. Effects of leaf chilling on thylakoid functions, measured at room temperature, in Cucumis sativus L. and Oryza sativa L.
Nouchi et al. Acceleration of 13C-labelled photosynthate partitioning from leaves to panicles in rice plants exposed to chronic ozone at the reproductive stage
Smillie Coloured components of chloroplast membranes as intrinsic membrane probes for monitoring the development of heat injury in intact tissues
Kellomäki et al. Effects of elevated O3 and CO2 on chlorophyll fluorescence and gas exchange in Scots pine during the third growing season
Šprtová et al. Seasonal changes of photosynthetic assimilation of Norway spruce under the impact of enhanced UV-B radiation
Strand et al. Recovery of photosynthesis in 1-year-old needles of unfertilized and fertilized Norway spruce (Picea abies (L.) Karst.) during spring
Iacono et al. Photoinhibition of photosynthesis and photorespiration in Vitis vinifera under field conditions—effects of light climate and leaf position
Bredemeier et al. Non-contacting chlorophyll fluorescence sensing for site-specific nitrogen fertilization in wheat and maize
Lintel Hekkert et al. Laser photoacoustic trace gas detection, an extremely sensitive technique applied in biological research
Norikane et al. Water stress detection by monitoring fluorescence of plants under ambient light
Schapendonk et al. Chlorophyll fluorescence: a non-destructive method for detecting damage in the photosynthetic apparatus in plants
Chappelka et al. An ozone‐low temperature interaction in loblolly pine (Pinus taeda L.)
Kitano et al. Dependence of calcium uptake on water absorption and respiration in roots of tomato plants (Lycopersicon esculentum Mill.)
Hoddinott et al. The responses of photosynthesis and translocation rates to changes in the ζ ratio of light
Moraes et al. Photosynthetic responses of tropical trees to short-term exposure to ozone
Runeckles et al. Observations on the in situ detection of free radicals in leaves using electron paramagnetic resonance spectrometry
Marron et al. Modulation of leaf physiology by age and in response to abiotic constraints in young cuttings of two Populus deltoides $\times $ P. nigra genotypes