JP2000508965A - 多重膜フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複数層の膜（９０、９２）を有するフィルタエレメント（２８）。このフィルタエレメントは、多孔質の側壁を有するフィルタ部材よりなる。この側壁は、ガスが通過できる外面及び内面を有する。第１の膜（９０）は外面と連通して粒状物がその外面を通過する。第２の膜（９２）は内面と連通して粒状物がその内面を通過するのを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】 多重膜フィルタ発明の分野 本発明は一般的に高温ガス清浄化システムに関し、さらに詳細には、ガスから 微細な汚染粒状物を濾過し、フィルタエレメントが故障して再生不能な目詰まり にならないように該フィルタエレメントを保護する高温ガス清浄化多重膜フィル タに関する。 発明の背景 ガス流から粒状物を除去して清浄化する高温ガス清浄化システムは、当該技術 分野でよく知られている。これらのシステムは現在、石炭燃焼ガス、加圧流動床 燃焼ガス、ガス化及び廃棄物の焼却により発生するガスを清浄化するために使用 されている。加えて、これらのガス清浄化システムは触媒及び貴金属回収、か焼 、触媒分留及び化学工程時における物質の回収に適用可能である。 従来式高温ガス清浄化システムは通常、圧力容器内に取り付けたフィルタアセ ンブリよりなる。このフィルタアセンブリはさらに、複数のフィルタエレメント 、フィルタエレメントを支持する複数の管板、プレナムパイプ、及びフィルタエ レメントから粒状物を除去する逆方向脈動流システムよりなる。これらのシステ ムは、ガス流から汚染粒状物を濾過するために種々のフィルタエレメントを使用 することができる。 使用される典型的なフィルタエレメントの例として、Ｃｉｌｉｂｅｒｔｉへ付 与された米国特許第４，７３７，１７６号（本明細書の一部を形成するものとし て引用する）に開示されたクロスフロー型フィルタ、同じくＣｉｌｉｂｅｒｔｉ に付与され米国特許第４，７６４，１９０号（本明細書の一部を形成するものと して引用する）に開示されたフィルタバッグ、多孔質金属フィルタ、単層膜フィ ルタ、一端が開放され一端が閉じるかまたは両端が開放されたセラミックの円筒 形フィルタ（キャンドルフィルタ及び管状フィルタ）、即ちＡＳＡＨＩフィルタ エレメントがある。 フィルタエレメントは通常、圧力容器内に取り付けられており、ガス内のかな りの量の微細な汚染粒状物が除去されるようにガスがフィルタエレメントを貫流 する。一般的に、ガス流がフィルタエレメントを流れると、微細な汚染粒状物が フィルタの外側に溜まる一方、清浄なガスはフィルタの媒体を通過してプレナム パイプへ流入し、管板の清浄ガス側へ出る。フィルタエレメントの外側に溜った かなりの量の微細な汚染粒状物は、その粒状物をフィルタエレメントから吹き飛 ばす逆方向脈動流システムにより提供される逆方向脈動ガス流により除去される 。除去された微細な汚染粒状物はホッパーに集められ排出される。 使用される別タイプの管状フィルタエレメントには、孔部を画定し２つの開端 部を有する側壁と、内面に設けた膜と備えたもの、即ちＡＳＡＨＩシステムがあ る。汚染ガスはその管の内径部に沿って流れることにより濾過され、清浄なガス がその壁を通過しフィルタエレメントの外径部に沿って流出する。 フィルタエレメントは、粒状の灰がたまるか或いは目詰まりを起こすと、また 熱衝撃、熱疲労、クリープまたは割れ目の成長等、材質が劣化すると、故障する 。フィルタエレメントが故障または破損状態になると、粒状物は管板の清浄ガス 側へ流れ続けるため幾つかの問題が発生する。粒状物が清浄側へ到達すると、逆 方向脈動流システムの作動時にこの粒状物は隣接する正常状態のフィルタエレメ ントの内部に入り込んで、これらの正常なフィルタエレメントの孔を塞ぎ目詰ま りを起こることによって汚染させる。 現在、フィルタエレメントが故障または破損状態になると、清浄化システム全 体を何日も運転停止にして破損したフィルタエレメントの位置を突き止め、取り 替える必要がある。しかしながら、汚染状態のフィルタエレメントはそのままで ある。ところが、汚染したフィルタエレメントが依然としてシステム内に存在す ると、システム全体の濾過性能が低下する。従って、フィルタ汚染の可能性を軽 減し清浄化システム全体の濾過能力を向上させる改良型フィルタエレメントを提 供することが望ましい。 発明の概要 本発明によると、複数層の膜を有するフィルタエレメントが提供される。この フィルタエレメントは多孔質の側壁を備えたフィルタ部材よりなる。その側壁は 外面と内面を有し、これらを粒状物を含んだガスが通過することにより粒状物が 濾過される。第１の膜は側壁の外面と連通関係にあり、粒状物が外面を貫流する のを阻止する。第２の膜はその内面と連通し、粒状物が内面を貫通するのを阻止 する。 図面の簡単な説明 添付図面は本発明の１つの実施例を示し、明細書の説明と共に本発明の原理を 説明するものである。 図１は、本発明による多重膜フィルタエレメントを組み込んだ圧力容器の縦方 向断面図である。 図２は、図１に示す圧力容器の内側において管板に結合された多重膜フィルタ エレメント・アレイの側立面図である。 図３は、本発明による多重膜フィルタエレメントの斜視図である。 図４は、図３に示す多重膜フィルタエレメントの線４−４に沿う横断面図であ る。 発明の詳細な説明 図１は、ガス流から粒状物を分離するためのフィルタ装置２０を示す。この装 置は、複数のクラスタ２４を取り付けた圧力容器２２を含む。各クラスタ２４は 、複数のフィルタエレメント・アレイ２６よりなる。各フィルタエレメント・ア レイ２６は、複数のフィルタエレメント２８を含む。 圧力容器２２は、ドーム形ヘッド３０と本体３２を有する。ドーム形ヘッド３ ０の端部の直線状先端部３４は、容器２２内で処理されたガスの出口開口または ノズル３６を画定する。本体３２は、汚染ガス入口２５、ほぼ円筒形の上部３８ 、該上部に接合された円錐台形の下部４０を含む。下部４０は粒状物を受けるよ うに形成してある。下部４０は開口またはノズル４２を画定する直線状先端部を 含み、この開口またはノズル４２は粒状物を集めるホッパー（図示せず）に接続 される。複数のポート４４がドーム形ヘッド３０から延びている。これらのポー ト４４は、計測器具を挿入するため、また運転停止期間にドーム形ヘッド３０の 内部を視認するためのサイトを提供する。キャンドル形フィルタ２８を清浄化す るため逆方向脈動ガス流を供給する管４６は、それに対応するポート４４に結合 されている。 図２を参照して、圧力容器は管板４８を含む。各管板４８は上部プレート５０ 及び該プレートから垂下する下部プレート５２よりなる。各フィルタエレメント ２８はフィルタホルダ／ガスケットアセンブリ６０内に保持され、対応する下部 プレート５２に結合されている。フィルタエレメント２８は、プレナムパイプ５ ４により一体的構造体に構成されている。各プレナムパイプ５４は、圧力容器２ ２内の中央（同軸位置）に固定されている。ほぼ円錐台形のシェッドまたは粒子 偏向部材５６が各管板５０の上方に固定されている。図３を参照して、該図は本 発明のフィルタエレメント２８、好ましくは中空管状のフィルタエレメントを示 す。このフィルタエレメント２８はキャンドル形フィルタ部材２８ａよりなり、 多孔質の側壁７２、閉鎖端部７６及び開口端部７４を有する。多孔質の側壁７２ は、外面７８と内面８０とを含む（図４に示す）。フィルタエレメントの好まし い実施例は、従来型のガス清浄化システムに使用される第１の膜層９０と第２の 膜層９２とを含む（図４に示す）。第１の膜層９０は外面７８と連通している。 第２の膜層９２は内面８０と連通している（図４に示す）。これらの膜層９０， ９２は逆方向脈動流システムの作動時或いは通常のガス流が存在する時、粒状物 がフィルタの孔を通過しないように設けられている。 図４を参照して、該図は多孔質の側壁７４、外面７８、内面８０、膜層９０， ９２を示す。側壁７２は開口端部７４から閉鎖端部７６へ延びる孔部８２を画定 する。この孔部８２は、清浄なガスまたは粒状物を含んだガスのいずれかの流路 を提供する。 各膜層９０，９２は、好ましくは、多孔質セラミックまたは焼結金属材料で作 られるが、その下の支持母材と同様の粒度のより小さい材料、切断されたまたは 連続した細い繊維母材の層、焼結金属、被覆されたまたは被覆されていない細い またはより緊密にラッピングされたセラミック糸状物、または粒状物、ＣＶＩ、 及びゾル−ゲル並びに同様な母材よりなる繊維束により形成することも可能であ る。 膜層９０，９２はモノリシックなセラミック材料、複合セラミック材料、焼結 金属材料または複合金属材料で作られたフィルタエレメントに適用することがで きる。これらの膜層９０，９２は、好ましくは、フィルタエレメントの製造工程 でフィルタエレメントに適用される。膜層９０，９２は、スラリー法、アイソプ レス法、化学的蒸気浸透法、巻回法、真空浸透法、スリップキャスティング法等 により適用可能である。 キャンドル形フィルタエレメント２８としては、従来型のキャンドルフィルタ かまたは「反転型」キャンドルフィルタを使用できることに注意されたい。従来 型キャンドルフィルタは、粒状物を含んだガスがフィルタエレメントの外面７８ を通過して内面８０から流出し、清浄なガスが孔部８２を流れて圧力容器の清浄 ガス側へ送られるように、清浄化システム内で用いられる。これとは対照的に、 反転型キャンドルフィルタエレメントは、粒状物を含んだガスが孔部８２と内面 ８０を流れて濾過され、清浄なガスがフィルタエレメントの外面７８を通って流 出するように清浄化システム内で使用される。 当業者は、本発明が他のタイプのフィルタエレメント、例えばクロスフロー型 フィルタエレメント、ＡＳＡＨＩシステムのような２つの開口端部を有する管状 フィルタエレメントにも同様に利用可能であることが分かるであろう。そしてこ れらのフィルタエレメントは全てガス清浄化システム内で使用可能である。 本発明の好ましい実施例による清浄化システムは、粒状物を含んだガスが汚染 ガス入口２５を通って流入するのを可能にする。ガスに含まれる粒状物は、各フ ィルタエレメント２８の外面７８の上に溜まる。濾過された清浄なガスは孔部８ ２を進んで管板５０の清浄ガス側へ流入する。この清浄なガスはその後、各プレ ナムパイプ５４を流れてドームのガス出口３６に達し、そこから流出する。逆方 向脈動流システムにより提供される加圧ガスの短時間脈動流により、フィルタエ レメント２８から定期的に粒状物を取り除く。 本発明は、その精神または本質的特徴から逸脱することなく他の種々の構成で 実施可能である。従って、本発明の技術的範囲については上記説明でなく後記の 請求の範囲を参照されたい。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年４月８日（１９９８．４．８） 【補正内容】 請求の範囲 １．ガスを通過させる外面（７８）と内面（８０）を有する多孔質の側壁を備 えたフィルタ部材（２８ａ）と、 前記外面と連通して粒状物が外面から前記側壁内へ貫流するのを阻止する第１ の膜（９０）と、 前記内面と連通して粒状物が内面から前記側壁内へ貫流するのを阻止する第２ の膜とよりなり、 前記第１及び第２の膜は側壁より小さい孔径の多孔質構造を有し、 前記第１及び第２の膜は、側壁と同様であるがより小さい孔径の多孔質セラミ ック粒子材料、焼結金属、切断された細い繊維母材の層、連続する細い繊維母材 の層、粒状物、ＣＶＩ、ゾル−ゲルよりなるラッピングされたセラミック糸状体 、粒状物、ＣＶＩ、ゾル−ゲルよりなる被覆されラッピングされたセラミック糸 状体よりなる群のうちの任意の１つで作られているフィルタエレメント。 ２．前記フィルタ部材はほぼ円筒形の横断面を有する請求項１のフィルタエレ メント。 ３．前記フィルタ部材は開口端部及び閉鎖端部を有し、前記側壁は開口端部が 始まる位置から延びて閉鎖端部で終端するガスが流れる孔部を画定する請求項１ のフィルタエレメント。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．複数層の膜を有するフィルタエレメントであって、前記フィルタエレメン トは、 開口端部、閉鎖端部及び多孔質の側壁を有し、前記側壁には前記開口端部で始 まる位置から延びて閉鎖端部で終端するガスが流れる孔部が画定され、前記側壁 にはガスが通過できる外面及び内面が設けられているフィルタ部材と、 前記外面と連通して粒状物が外面を通過するのを阻止する第１の膜と、 前記内面と連通して粒状物が内面を通過するのを阻止する第２の膜とよりなる フィルタエレメント。 ２．前記第１及び第２の膜は、その下の支持母材と同様の細い多孔質セラミッ ク粒子の材料、焼結金属、切断された細い繊維母材の層、連続する細い繊維母材 の層、粒状物、ＣＶＩ、ゾル−ゲルよりなるラッピングされたセラミック糸状体 、粒状物、ＣＶＩ、ゾル−ゲルよりなる被覆されラッピングされたセラミック糸 状体よりなる群のうちの任意の１つで作られている請求項１のフィルタエレメン ト。 ３．前記フィルタ部材はモノリシックセラミック、複合セラミック及び焼結金 属材料よりなる群の材料で作られている請求項１のフィルタエレメント。 ４．前記フィルタ部材は実質的に円筒状横断面を有する請求項１のフィルタエ レメント。 ５．複数層の膜を有するフィルタエレメントであって、前記フィルタエレメン トは、 ガスを通過させる外面と内面を有する多孔質側壁を備えたフィルタ部材と、 前記外面と連通して粒状物が外面を通過するのを阻止する第１の膜と、 前記内面と連通して粒状物が内面を通過するのを阻止する第２の膜とよりなる フィルタエレメント。 ６．前記第１及び第２の膜は、その下の支持母材と同様の細い多孔質セラミッ ク粒子の材料、焼結金属、切断された細い繊維母材の層、連続する細い繊維母材 の層、粒状物、ＣＶＩ、ゾル−ゲルよりなるラッピングされたセラミック糸状体 、粒状物、ＣＶＩ、ゾル−ゲルよりなる被覆されラッピングされたセラミック糸 状体よりなる群のうちの任意の１つで作られている請求項５のフィルタエレメン ト。 ７．前記フィルタ部材が、モノリシックなセラミック材料、複合セラミック材 料、及び焼結金属材料よりなる群から選択した材料で作られている請求項５のフ ィルタエレメント。 ８．前記フィルタ部材はクロスフロー型フィルタである請求項５のフィルタエ レメント。 ９．前記側壁は２つの対向する開口端部とその間を延びる孔部とを画定する請 求項５のフィルタエレメント。