JP2000506885A - 3―[4―(2―アミノエトキシ)ベンゾイル]―2―アリール―6―ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンの合成 - Google Patents

3―[4―(2―アミノエトキシ)ベンゾイル]―2―アリール―6―ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンの合成

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Abstract

(57)【要約】 本発明は2−アリール−6−ヒドロキシ−3−[4−(2−アミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンの化学的製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 3−[4−(2−アミノエトキシ)ベンゾイル]−2−アリール−6−ヒドロキシベ ンゾ[b]チオフェンの合成 発明の背景 本発明は2−アリール−6−ヒドロキシ−3−[4−(2−アミノエトキシ)− ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンの化学的製造方法に関する。芳香族ケトン の合成法はOrah,Friedel-Crafts and Related Reactions,Volume 3,Part 1, XXXI章(1964)中でGoreが概説している。一般に、アシル化合物と芳香族基質を ルイス酸触媒存在下で反応させ、芳香族ケトンを生成する。この種の反応に適し たルイス酸触媒には、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化第二鉄および 臭化第二鉄のような金属ハロゲン化物が含まれる(Orah,Friedel-Crafts and Re lated Reactions,Volume 1,II,IIIおよびIV章(1963)参照)。 この方法により製造される化合物は米国特許第4,133,814号に最初に記載され た。この特許は、2−アリールベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸とアルキ ルフェニルエーテルとの反応を含む、該化合物の多くの製造方法について記載し ている。この特許は、フェナシル、ハロフェナシル、およびアルキル保護基をフ ェノールヒドロキシル基のために用いることを開示した。アルキル保護基はフェ ノールエーテルを塩酸ピリジンで処理することにより除去された。本特許は、三 臭化ホウ素と反応させることにより3−アロイルアルコキシ基に影響を及ぼすこ となくフェノールメチルエーテルを開裂させることを開示したが、3−アロイル アルコキシ置換化合物の収量は低かった。 米国特許第4,358,593号に記載の方法は、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロ キシフェニル)−3−[4−(2−アミノエトキシ)ベンゾイル]−ベンゾ[b]チ オフェンを製造するのに特に有利な保護基を用いた。これら有利な保護基はアセ チル、置換アセチル、ベンゾイル、アルキルスルホニル、およびアリールスルホ ニル基である。本特許は、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、三 フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化チタン、四臭化チタン、塩化第二スズ、臭 化第二スズ、三塩化ビスマス、および塩化第二鉄といった金属ハロゲン化物を含 む保護2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェ ンのアシル化における伝統的Friedel-Crafts触媒の使用を開示した。アシル化後 、保護基は一般に塩基性条件下で除去された。 この一連の2−アリール−3−[4−(2−アミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ [b]チオフェン由来の特に有用な化合物は6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロ キシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)−ベンゾイル]ベンゾ[b ]チオフェンである。該化合物およびその製造方法は、米国特許第4,418,068号 に最初に記載された。該化合物は、エンドクリン標的器官のエストロゲン依存性 の病的状態を軽減するのに有用な選択的エストロゲンレセプターモジュレーター である。米国特許第5,393,763号は、この化合物を用いる骨損失の治療方法を記 載した。 6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−アミノエ トキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンの改良製造法は米国特許第4,380,63 5号に記載された。該化合物は、塩化アルミニウムを触媒に用いるジ−O−メチ ル保護ベンゾ[b]チオフェンのFriedel-Craftsアシル化により製造された。該 中間体アシル化生成物は、メタンチオール、エタンチオール、硫化ジエチルおよ びメチオニンのような硫黄化合物を用いてアシル化反応混合物を処理することに より脱メチル化された。この反応の生成物は、一般に、該ベンゾチオフェンから 除ェ去するのが困難なアルミニウム塩と種々のチオエステル副産物を含む。該生 成物は望ましくない残留チオールまたは硫化物臭も有する。 三塩化ホウ素および三臭化ホウ素のようなホウ素ハロゲン化物は、アリールメ チルエーテルを開裂するのに有用である(BahttおよびKulkarni,Synthesis,249- 282(1983)参照)。三臭化ホウ素は、以前はベンゾチオフェン化合物中のアリール メチルエーテルを開裂するのに用いられてきた(ドイツ特許第DE4117512A1号参 照)。 上記方法は、2−アリール−6−ヒドロキシ−3−[4−(2−アミノエトキシ ) ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンを製造するための大規模合成方法には適さ ない。好ましい方法では、単純なフェノール保護基(メチルエーテルのような)、 容易に利用可能な出発物質、容易に除去され、廃棄時に環境および健康事故を生 じないFriedel-Craftsアシル化触媒、単一反応容器を用い、容易に単離される形 の生成物が提供されるであろう。本発明の方法は、これらの要求をすべて満たす 。 発明の要約 本発明は、アミノアルキルフェニルエーテルを適切に保護されたベンゾ[b] チオフェンでアシル化し、該保護フェノール基を脱アルキル化することにより所 望の生成物を提供する2−アリール−6−ヒドロキシ−3−[4−(2−アミノエ トキシ)ベンゾイル]−ベンゾ[b]チオフェンの効率的合成方法に関する。本発 明の好ましい態様によれば、該アシル化および脱アルキル化工程は、単一反応容 器中で効率的に行われる。より具体的には、本発明は、 (a)式: [式中、R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、またはR2および R3は隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメ チレンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成し、 HXはHClまたはHBrである] で示される化合物を、BX’3(ここで、X’はクロロまたはブロモである)の 存在下で、式: [式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R6はクロロ、ブロモまたはヒドロキシルである]で示されるアシル化剤でアシ ル化し、 (b)さらにBX’3(ここで、X’は前記と同意義)と反応させることにより 1またはそれ以上のフェノール基を脱アルキル化し、 (c)結晶溶媒和物を単離する工程を含む、式: [式中、R1は水素またはヒドロキシルであり、 HX、R2およびR3は前記と同意義である] で示される化合物の結晶溶媒和物の製造方法に関する。 本発明の第二の目的は、式: [式中、R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、またはR2および R3は隣り合った窒素原子と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメチ レンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成し、 HXはCHlまたはHBrである]で示される化合物を、BX’3(ここで、X ’はクロロまたはブロモである)の存在下で、式:[式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R6はクロロ、ブロモまたはヒドロキシルである]で示されるアシル化剤でアシ ル化することを含む、式: [式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、または R2およびR3は隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、 ヘキサメチレンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成す る] で示される化合物またはその塩酸塩または臭化水素酸塩の製造方法を目的とする 。 発明の詳細な説明 上記式において、用語「C1−C4アルキル」は、炭素数1〜4の直鎖状アルキ ル鎖を表す。典型的なC1−C4アルキル基にはメチル、エチル、n−プロピル、 およびn−ブチルが含まれる。用語「C1−C4アルコキシ」は、メトキシ、エト キシ、n−プロポキシおよびn−ブトキシのような基を表す。好ましいC1−C4 アルコキシ基はメトキシである。 本明細書で用いている用語「モル当量」は、出発ベンゾチオフェン化合物のモ ル数に対するホウ素三ハロゲン化物試薬のモル数をいう。例えば、ベンゾチオフ ェン化合物1mmolと反応する三塩化ホウ素3mmolを三塩化ホウ素3モル当量いう 。 用語「溶媒和物」は、1分子またはそれ以上の、式Iの化合物のような溶質を 1分子の溶媒と共に含む凝集物を表す。代表的な溶媒和物は、塩化メチレン、1 ,2−ジクロロエタン、クロロホルムおよび1,2,3−トリクロロプロパンを 用いて形成される。 本発明の方法は、抗エストロゲン様および抗アンドロゲン様活性を有する一連 の化合物を合成するのに有用である(米国特許第4,418,068号、第4,133,814号お よび第5,393,763号参照)。本発明の方法による生成物である代表的な式Iの化合 物には以下の物が含まれる:6−ヒドロキシ−2−フェニル−3−[4−(2−ジ メチルアミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ジメチルアミノエトキシ) ベンゾイル]べンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−フェニル−3−[4 −(2−ジエチルアミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒ ドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ジエチルアミノエ トキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−フェニル− 3−[4−(2−ジイソプロピルアミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフ ェン、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ジイ ソプロピルアミノエトキシ)ベンゾイル]べンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキ シ−2−フェニル−3−[4−(2−ジ−n−ブチルアミノエトキシ)−ベンゾイ ル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル )−3−[4−(2−ジ−n−ブチルアミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チ オフェン、6−ヒドロキシ−2−フェニル−3−[4−(2−ピロリジノエトキシ )ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ フェニル−3−[4−(2−ピロリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフ ェン、6−ヒドロキシ−2−フェニル−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベ ンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフ ェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフ ェン、6 −ヒドロキシ−2−フェニル−3−[4−(2−ヘキサメチレンイミノエトキシ) ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ フェニル)−3−[4−(2−ヘキサメチレンイミノエトキシ)ベンゾイル]ベン ゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−フェニル−3−[4−(2−モルホリ ノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ−2−(4− ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−モルホリノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ [b]チオフェン。 本発明の方法の好ましい生成物は、R1がヒドロキシルであり、R2およびR3 が隣り合った窒素原子と一緒になってピロリジノ、ピペリジノまたはヘキサメチ レンイミノ基を形成する式Iの化合物である。この好ましい基からの代表的な生 成物には、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2 −ピロリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6−ヒドロキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベ ンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンおよび6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキ シフェニル)−3−[4−(2−ヘキサメチレンイミノエトキシ)ベンゾイル] ベンゾ[b]チオフェンが含まれる。より好ましくは、本発明の生成物は、R2 およびR3が隣り合った窒素原子と一緒になってピロリジノまたはピペリジノ基 を形成する式Iの化合物である。このより好ましい基からの代表的な生成物には 、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピロリジ ノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンおよび6−ヒドロキシ−2−( 4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベ ンゾ[b]チオフェンが含まれる。最も好ましくは、本発明の生成物は、R1が ヒドロキシルであり、R2およびR3が隣り合った窒素原子と一緒になってピペリ ジノ基を形成する式Iの化合物である。この最も好ましい生成物は6−ヒドロキ シ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベ ンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンである。 本発明は上記先行技術文献記載の方法に比べ種々の利点を有する。本発明の方 法では、塩化アルミニウムの代わりに三塩化ホウ素をアシル化触媒として用いる 。 塩化アルミニウムは、特に商業的規模での取り扱いが難しい。また、大量の塩化 アルミニウム(典型的には6当量)がアシル化および脱アルキル化に必要である。 塩化アルミニウムは、大量のアルミニウム副産物を生成するが、これは後処理溶 媒に不溶性であり、医薬的に活性な2−アリール−6−ヒドロキシ−3−[4−( 2−アミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンから除去するのが難 しい。塩化アルミニウム触媒反応物は、一般的には不均一な混合物である。本発 明の方法は、均質であり、ホウ素副産物は、後処理溶媒に可溶性である。さらに 、塩化アルミニウム触媒脱アルキル化では、悪臭を持った硫化ジアルキルを生成 するアルキルアリールエーテルの開裂のためにメルカプタンまたは硫化物を加え る必要がある。該メルカプタンまたは硫化物は再結晶化により除去できるが、こ れにより臭いのある不純物を有する再結晶溶媒が生じる。 典型的には、先行技術の方法では、最終産物中に大量の関連物質と高レベルの 残留アルミニウム塩が生じた。代表的な関連物質には、6−ヒドロキシ−2−( 4−メトキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル] ベンゾ[b]チオフェン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−3− [4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、6− ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−2−(4−ヒドロキシフェニル) ベンゾ[b]チオフェン、プロピル4−(2−ピペリジノエトキシ)チオベンゾエ ート、メチル4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾエート、6−ヒドロキシ−2 −(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル ]−5−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン、 および6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペ リジノエトキシ)ベンゾイル]−7−[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイ ル]ベンゾ[b]チオフェンが含まれる。本発明の方法では、ホウ素副産物は最 終産物から容易に除去される。また、本発明の方法ではアルミニウム廃棄物の処 理が必要でない。該反応を1,2−ジクロロエタン中で行う場合は、反応物は均 質で、より高濃度を用いることができるため、容易に単離される結晶溶媒和物が 生成される。 本発明の出発物質である式IIおよびIIIの化合物は、標準的な有機的合成方法 を用いて製造される。式IIの出発物質は以下に例示し、反応式Iに示す合成法に より容易に得ることができる。 4、R5およびR6が前記と同意義である式IIの化合物は、強塩基の存在下で 、3−アルコキシベンゼンチオールをフェナシルまたは4’−アルコキシフェナ シルブロミドと最初に反応させることにより製造することができる。この変換に 適した塩基には、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが含まれるが、これに 限 定されるものではない。典型的には、この反応は、エタノール、または水とエタ ノールの混合物中、約0〜約50℃の温度で行われる。 次の工程はアリールフェナシルスルフィドの環化である。環化はポリリン酸中 でアリールフェナシルスルフィドを加熱することにより好都合に行われる。環化 は典型的には温度約80℃〜約120℃、好ましくは85℃〜90℃で行われる 。中間体ベンゾチオフェンは、典型的には再結晶化により精製される。例えば、 R4がメトキシでありR5がメチルであるときは、中間体ベンゾチオフェン化合物 は酢酸エチルから再結晶させることができよう。 中間体ベンゾチオフェン化合物は、ハロゲン化、リチウム化(lithiation)お よびカルボキシル化を含む一連の工程により式IIの化合物に変換される。第一に 、ベンゾチオフェン中間体は、ハロゲン化炭化水素溶媒中で臭素と反応させるこ とにより対応する3−ブロモ同族体に変換される。この反応に適したハロゲン化 溶媒には、四塩化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレン、好ましくは四塩化炭 素とクロロホルムの混合物が含まれる。この変換は温度約25℃〜約55℃で行 われる。中間体3−ブロモベンゾチオフェン化合物は、再結晶化といつた標準的 技術を用いて単離される。 3−ブロモ中間体をリチウム化し、カルボキシル化することにより式IIの化合 物を製造する。3−ブロモベンゾチオフェン化合物を、乾燥極性有機溶媒中でn −ブチルリチウムのようなアルキルリチウムと反応させることにより、リチウム 化化合物を生成する。この反応に適した溶媒には、無水ジエチルエーテル、無水 テトラヒドロフランおよび無水ジメトキシエタンが含まれる。この反応は、典型 的には、温度約−78℃〜約−50℃で行われる。中間体3−リチウム化ベンゾ チオフェン化合物を固体またはガス状の二酸化炭素で処理し、R6がOHである 式IIの化合物を生成する。この変換はリチウム化反応と同じ溶媒中で好都合に行 われる。酸は、典型的には、反応混合物の酸性化、次いで再結晶化により単離さ れる。例えば、R4がメトキシであり、R5がメチルであり、R6がヒドロキシであ るときは、式IIの化合物を無水エタノールから再結晶化することができる。 R6がクロロまたはブロモである式IIの化合物は、R6がヒドロキシルである 式IIの化合物をハロゲン化することにより製造される。適切なハロゲン化剤には 、塩化オキザリル、塩化チオニル、臭化チオニル、三臭化リン、トリホスゲン、 およびホスゲンが含まれる。好ましくは、R6はクロロである。この反応に適し た溶媒は、塩化メチレン、1,2−ジクロロベンゼン、クロロベンゼンおよび1 ,2−ジクロロエタンが含まれる。好ましくは、ハロゲン化反応は、次のアシル 化反応と同じ溶媒中で行われる。約0.05〜約0.25当量の触媒量のジメチ ルホルムアミドを塩素化反応に加える。反応を1,2−ジクロロエタン中で行う ときは、約47℃で約2〜5時間後に反応を終了する。好ましくは、塩素化反応 とアシル化反応は同じ反応容器中で連続的に行う。 本発明の方法のためのアミノアルキルフェニルエーテルである式IIIの化合物 は、反応式IIに示す通りに製造することができる(ここで、変数R2、R3および HXは前記と同意義)。 一般的には、フェノールを無機塩基の存在下でクロロエチルアミンでアルキル 化し、塩酸塩または臭化水素酸塩として単離することにより、式IIIの化合物を 生成する。式Iの化合物を製造するのに有用なクロロエチルアミンの例には、1 −(2−クロロエチル)ピペリジン、4−(2−クロロエチル)モルホリンおよび1 −(2−クロロエチル)ピロリジンがある。このアルキル化に適した無機塩基には ,炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムが含まれる。このアルキル化に適した溶媒 は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドのような非反応性極性有機 溶媒である。 2−アリール−6−ヒドロキシ−3−[4−(2−アミノエトキシ)ベンゾイル [b]チオフェンは、異なる2工程でか、または「ワン−ポット」反応で連続的 に、アシル化、次いで脱アルキル化することにより製造される。段階的合成法は 、以下のパラグラフに記載されている。アシル化ベンゾチオフェン中間体である 式IVの化合物は、反応式IIIに示すごとく製造される(ここで、R2、R3、R4、 R5、R6およびHXは前記と同意義)。 一般的に、ベンゾチオフェン中間体IIを、三塩化ホウ素または三臭化ホウ素を アシル化触媒に用いて式IIIの化合物と反応させる。該反応は、クロロベンゼン 、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロベンゼン、ブロモ ベンゼン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2,3− トリクロロプロパンおよびフルオロベンゼンのような有機溶媒中で行われる。好 ましくは、アシル化は塩化メチレン、クロロベンゼンまたは1,2−ジクロロエ タン中で行われる。最も好ましくは、該アシル化工程は塩化メチレン中で行われ る。三臭化ホウ素はフェノールエーテルを脱アルキル化するのにより好ましいの で、アシル化を触媒するのに好ましいホウ素三ハロゲン化物は三塩化ホウ素であ る。塩化メチレン中の三塩化ホウ素触媒反応において、アシル化反応は、式III およびIVの化合物の脱アルキル化を最小限にして室温で行うことができる。他の 溶媒 中では、該アシル化反応は、反応出発物質および生成物の脱アルキル化される量 を最小限にするため−10℃〜10℃といった低温で行われる。R6がクロロで あるときは、アシル化には少なくとも2モル当量のホウ素三ハロゲン化物試薬が 必要である。3−安息香酸をアシル化剤(R6はOHである)に用いるときは、 典型的には、5当量のホウ素三ハロゲン化物を用いる。式IVの化合物は、塩酸塩 または臭化水素酸塩としてか、または遊離塩基として単離することができよう。 段階的方法では、アシル化中間体(式IVの化合物)を脱アルキル化し、反応式 IVに示すごとく式Iの化合物を生成する(ここで、R1、R2、R3、R4、R5およ びHXは前記と同意義)。 式Iの化合物は式IVの化合物の塩酸塩または臭化水素酸塩を、三臭化ホウ素ま たは三塩化ホウ素と反応させることにより生成することができる。脱アルキル化 のための好ましいホウ素三ハロゲン化物は三臭化ホウ素である。この脱アルキル 化反応は、塩化メチレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロホ ルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2,3−トリクロロプロパン 、1,2−ジクロロベンゼンおよびフルオロベンゼンのような種々の有機溶媒中 で行うことができる。好ましい溶媒は1,2−ジクロロエタンである。酸付加塩 を出発物質に用いるときは、アミノエチル基の脱アルキル化によって生じる副産 物 の量は最小限である。塩化メチレンを溶媒に用い、ホウ素試薬が三塩化ホウ素で あるときは、一般的に温度約55℃〜約75℃で反応を行うことにより、検出し 得るアミノエチル基の開裂を伴うことなく式Iの化合物が生成される。クロロホ ルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンお よびフルオロベンゼンのような他の溶媒中では、脱アルキル化は周囲温度で容易 に生じる。例えば、1,2−ジクロロエタンが溶媒であるときは、一般的には、 該反応は、25℃〜35℃で、検出し得るアミノエチル基の開裂を伴うことなく 行われる。典型的には、妥当な時間内に反応を終了するために少なくとも4当量 のホウ素三ハロゲン化物試薬を用いる。 好ましくは、式Iの化合物を反応式V(ここでR1、R2、R3、R4、R5、R6 およびHXは前記と同意義)に示したごとく式IIおよびIIIの化合物から「ワン −ポット」合成法により製造される。 式IIの化合物であるベンゾチオフェンを、三塩化ホウ素または三臭化ホウ素の 存在下で式IIIの化合物と反応させる(「ワン−ポット」法には三塩化ホウ素が好ま しい)。該反応は、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1 ,2,3−トリクロロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2 −ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、およびフルオロベンゼンのような種々の 有 機溶媒中で行うことができる。この合成のための好ましい溶媒は、1,2−ジク ロロエタンである。該反応は温度約−10℃〜約25℃、好ましくは0℃で行わ れる。該反応は、濃度約0.2M〜約1.0Mの式IIの化合物であるベンゾチオ フェンで最も良好に行われる。好ましくは、2〜5モル当量、最も好ましくは3 モル当量の三塩化ホウ素を反応混合物に加える。アシル化反応は一般的には約2 時間〜約8時間後に終了する。 式IVの化合物であるアシル化ベンゾチオフェンは、単離することなく式Iの 化合物に変換される。この変換は、さらにホウ素三ハロゲン化物を加え、反応混 合物を加熱することにより行われる。脱アルキル化するには、好ましくは2〜5 モル当量、最も好ましくは3モル当量の三塩化ホウ素を反応混合物に加える。該 反応は温度約25℃〜約40℃、好ましくは35℃で行われる。一般的には、該 反応は約4〜48時間後に終了する。 アルコールまたはアルコール混合物を用いてアシル化/脱アルキル化反応を止 める。反応を止めるために用いるのに適したアルコールには、メタノール、エタ ノールおよびイソプロパノールが含まれる。好ましくは、アシル化/脱アルキル 化反応混合物をエタノールとメタノールの95:5混合物(3Aエタノール)に 加える。3Aエタノールは室温であるかまたは還流温度に加熱することができる (好ましくは還流温度である)。この方法で反応を止めるときは、生じるアルコー ル混合物から式Iの化合物を好都合に結晶させる。一般的には、ベンゾチオフェ ン出発物質1mmolあたりアルコール1.25〜3.75mLを用いる。 BCl3を用いるときはこの「ワン−ポット」法の結晶生成物は、塩酸塩の溶 媒和物として単離される。該結晶溶媒和物は種々の条件下で得られる。R1がヒ ドロキシルであり、HXがHClであり、R2およびR3が隣り合った窒素原子と 一緒になってピペリジノ基を形成する式Iの化合物の溶媒和物の製造法はすでに 記載された(Jonesら、J.Med.Chem.,27,1057(1984))。一般的には、本発明の 方法による生成物の型は、アシル化/脱アルキル化溶媒、ホウ素三ハロゲン化物 および後処理条件の選択により決定される。 特に有用な式Iの化合物の溶媒和物は、1,2−ジクロロエタン溶媒和物であ る。この溶媒和物は1,2−ジクロロエタン中で「ワン−ポット」アシル化/脱 アルキル化工程を行うことにより製造される。R1がヒドロキシルであり、R2お よびR3が隣り合った窒素と一緒になってピペリジノ基を形成し、HXがHCl であるときは、1,2−ジクロロエタン溶媒和物は異なる2つの型で存在し得る 。I型結晶と名づけた一方の結晶溶媒和物型は、エタノールを用いて三塩化ホウ 素触媒アシル化/脱アルキル化反応を止めることにより製造される。好ましくは 、この結晶型の製造にはエタノールとメタノールの混合物(95:5)が用いら れる。 第二の結晶溶媒和物型をII型結晶と呼ぶ。この特定の型は、塩化メチレンまた はクロロホルムを溶媒に用いる三塩化ホウ素触媒アシル化/脱アルキル化工程に より製造される。 さらに以下の実施例により本発明の方法を例示する。実施例は本発明の範囲を 何ら限定するものではなく、そのように解釈すべきではない。すべての試験は乾 燥窒素の陽圧下で行う。すべての溶媒および試薬は得られるものを用いた。パー センテージは、HPLC溶媒を容量(v/v)単位で計算する以外は、一般的に 重量(w/w)単位で計算する。Bruker AC-300 FTNMR分光光度計を用い、30 0.135MHzでプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを得た。融 点はMel-Temp II装置(Laboratory Devices,USA)で測定し、補正せずに報告す る。 通常、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)または薄層クロマトグラフィ (TLC)を用いて反応の終了をモニターした。高性能液体クロマトグラフィ( HPLC)を用いて、アシル化、脱アルキル化、またはアシル化/脱アルキル化 反応の終了をモニターした。反応混合物の試料は、下記の勾配を用いて溶出する Zorbax RX-C8カラム(25cmx4.6mm ID、5μ粒子)を用いてアッセイした。 包配溶媒系 時間(分) A(%) B(%) 0 70 30 12 70 30 14 25 75 16 70 30 25 70 30 A: 0.075ホスフェート(pH=2.0) B: アセトニトリル 反応混合物の分析は、試料0.1〜0.2mLをA/Bの60:40混合物で 50mLに希釈して行った。製造例1 6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン 3−メトキシベンゼンチオール(100g)および水酸化カリウム(39.1 g)の水(300mL)溶液を変性エタノール(750mL)に加え、得られた 混合物を約0℃に冷却した。冷混合物を小部分に分けた4’−メトキシフェナシ ルブロミド(164g)で処理した。添加し終えたら、混合物をさらに10分間 冷却し、次いで室温に温めた。3時間後、混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水 (200mL)で処理した。得られる混合物を酢酸エチルで処理し、相を分離し た。有機層相を水(2x)、重炭酸ナトリウム溶液(2x)および塩化ナトリウム溶 液(2x)で洗浄した。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧 下で蒸発させて乾燥し、α−(3−メトキシフェニルチオ−4−メトキシアセト フェノン202gを得た。この粗生成物をメタノールから結晶させ、ヘキサンで 洗浄して158gを得た。 融点53℃。 ポリリン酸(930g)を85℃に加熱し、小部分に分けた上記中間体生成物 (124g)で30分間にわたり処理した。添加し終えたら、得られた混合物を 90℃で攪拌した。さらに45分後、反応混合物を室温に冷却した。この混合物 を氷浴中で冷却しながら砕いた氷で処理した。得られた混合物を水(100mL )で処理し、淡桃色の沈殿物を生成した。沈殿物をろ過して単離し、水とメタノ ールで洗浄し、減圧下、40℃で乾燥し、6−メトキシ−2−(4−メトキシフ ェニル)ベンゾ[b]チオフェン119gを得た。この粗生成物を熱したメタノ ー ル中でスラリーとし、ろ過し、冷メタノールで洗浄した。得られた固体物質を酢 酸エチル(4L)から再結晶し、ろ過し、ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥し、 表記化合物68gを得た。融点187−190.5℃。製造例2 3−ブロモ−6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフ ェン 製造例1の記載に従って製造した化合物(10.0g)とクロロホルム(40 0mL)の混合物を蒸気浴で加熱した。溶解し終えたら、クロロホルム溶液を5 0℃から25℃に冷却しながら、四塩化炭素中の臭素(5.9g)の溶液で処理 した。室温でさらに半時間後、該溶液を減圧下で濃縮し、放置すると結晶する油 状物を得た。この結晶物質を熱した無水エタノール(600mL)に溶解し、得 られたエタノール溶液の容量を蒸留により約400mLに濃縮した。生じた小さ な白色針状物をろ過して回収し、減圧下で乾燥して表記化合物11.9gを得た 。 C1613BrO2Sの分析: 理論値:C,55.03;H,3.75;Br,22.88。 実測値:C,55.30;H,3.52;Br,23.00。製造例3 6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−カ ルボキシサイクリック酸 ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(85mL、1.6M溶液)を無水ジ エチルエーテル(400mL)に加え、得られた溶液を約−78℃に冷却した。 製造例2に記載のごとく製造した化合物(40g)を(150mL)に溶解し、 得られた溶液を1〜1/2時間かけて徐々に冷n−ブチルリチウムに加えた。さ らに半時間後、さらにn−ブチルリチウムの部分(25mL)を加えた。さらに 半時間後、ドライアイス/アセトン冷浴を除去し、該溶液を徐々に室温に温めな がら、二酸化炭素を通気した(bubble)。一夜放置後、得られた混合物を氷(2L) に注ぎ、1N塩酸で酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過して回収し、水洗し 、空気乾燥した。この物質を熱した1N水酸化ナトリウム(150mL)に加え 、 得られた溶液をろ過した。ろ過物を濃塩酸で徐々に酸性化した。得られた白色沈 殿物をろ過して回収し、水洗し、空気乾燥した。この物質を無水エタノールから 結晶し、白色小柱状の標記化合物2.715gを得た。プロトン核磁気共鳴(1 H NMR)スペクトルは標記化合物の構造と一致した。製造例4 6−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−カ ルボキシクリック酸クロリド 1,2−ジクロロエタン(5mL)中のジメチルホルムアミド(2滴)および 製造例3に記載のごとく製造した化合物(300mg)の溶液を約0℃に冷却し た。この冷溶液を5分間かけて塩化オキザリル(110μL)で処理した。室温 で一夜攪拌した後、反応溶液を減圧下で蒸発させて乾燥した。残留物を1,2− ジクロロエタン(2x10mL)に溶解し、得られた溶液を蒸発させて乾燥した 。この物質をさらに精製することなくアシル化反応に用いた。製造例5 フェニル2−ピペリジノエチルエーテル塩酸塩 ジメチルホルムアミド(900mL)中のフェノール(46.5g)、1−(2 −クロロエチル)ピペリジン(103.5g)および炭酸カリウム(207g) の混合物を還流温度に加熱した。2時間還流後、反応混合物を室温に冷却した。 この混合物をろ過し、固形物をジメチルホルムアミド(100mL)で洗浄した 。混合ろ過物を減圧下で濃縮し、褐色油状物を得た。この油状物を酢酸エチル( 400mL)に溶解し、得られた溶液を水(2x200mL)および飽和食塩水( 2x200mL)で洗浄した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ 過し、減圧下で濃縮して褐色油状物とした。この油状物をメタノール(100m L)に溶解し、得られた溶液を3%メタノール塩酸(塩化アセチルとメタノール から製造、500mL)で酸性化した。得られた溶液を減圧下で蒸発させて乾燥 した。残留物(74g)をi−プロパノール(800mL)および酢酸エチル( 500mL)から結晶し、灰白色結晶固形の標記化合物59.6gを得た・融点 179−180℃。実施例1 6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジ ノエトキシ)ベンゾイル]べンゾ[b]チオフェン塩酸塩・1,2−ジクロロエ タン溶媒和物 1,2−ジクロロエタン(4mL)中の、製造例4に記載のごとく製造した酸 クロリド(302mg)の溶液を製造例5に記載のごとく製造した化合物(32 0g)で処理する。得られた溶液を約0℃に冷却し、三塩化ホウ素(1.2mL 、2.35M溶液)で処理した。冷目盛付シリンダー(ドライアイス/アセトン 浴)中で3塩化ホウ素を縮合し、0℃で1,2−ジクロロエタンを総量が10m Lとなるように加えることにより、1,2−ジクロロエタン中の、三塩化ホウ素 の2.35M溶液を製造する。反応生成物を0℃で攪拌した。6時間後、さらな る量の三塩化ホウ素(1.2mL、2.35M溶液)を反応混合物に加えた。反 応混合物を約16−20時間35℃に温める。得られる反応混合物を約18℃に 冷却し、エタノール(5mL)で処理し、得られる溶液を還流温度とした。得ら れる溶液に標記化合物の種結晶を入れ、室温で約65時間攪拌し、ろ過した。フ ィルターケーキ(平たく固まったもの)を冷メタノール(1x5mL)で洗浄し 、所望の化合物を40℃で減圧乾燥し、標記化合物220mgを得た。融点25 0−265℃。 製造例6 6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノ エトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン塩酸塩 メタノール(10mL)中の水酸化ナトリウム(0.313g)の溶液をさら にメタノール(40mL)および水(10mL)で希釈した。該溶液を実施例1 に記載のごとく製造した化合物(4.0g)で処理した。メタノール相を2N塩 酸(4mL)で処理した。1時間後、結晶生成物をろ過し、メタノール(5mL )で洗浄し、60℃で減圧乾燥し、標記化合物2.23gを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE, DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA ,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)式: [式中、R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、またはR2および R3は隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメ チレンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成し、 HXはHClまたはHBrである] で示される化合物を、BX’3(ここで、X’はクロロまたはブロモである)の 存在下で、式: [式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R6はクロロ、ブロモまたはヒドロキシルである]で示されるアシル化剤でアシ ル化し、 (b)さらにBX’3(ここで、X’は前記と同意義)と反応させることにより 工程(a)のアシル化生成物の1またはそれ以上のフェノール基を脱アルキル化 し、 (c)結晶溶媒和物を単離する工程を含む、式:[式中、R1は水素またはヒドロキシルであり、 HX、R2およびR3は前記と同意義である] で示される化合物の結晶溶媒和物の製造方法。 2.R6がクロロであり、HXがHClである請求項1に記載の方法。 3.R1がヒドキシルであり、R4がC1−C4アルコキシである請求項2に記載 の方法。 4.R2とR3が隣り合った窒素原子と一緒になってピロリジノ、ピペリジノお よびヘキサメチレンイミノからなる群から選ばれる複素環を形成する請求項3に 記載の方法。 5.X’がクロロである請求項4に記載の方法。 6.R4がメトキシであり、R5がメチルである請求項5に記載の方法。 7.R2とR3が隣り合った窒素原子と一緒になってピペリジノ基を形成する請 求項6に記載の方法。 8.アシル化が2〜5モル当量のBCl3の存在下で行われる請求項7に記載 の方法。 9.脱アルキル化が3〜10モル当量のBCl3の存在下で行われる請求項7 に記載の方法。 10.反応溶媒が、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、 1,2,3−トリクロロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1, 2−ジクロロベンゼン、クロロベンゼンおよびフルオロベンゼンからなる群から 選ばれる1またはそれ以上の溶媒である請求項7に記載の方法。 11.反応溶媒が1,2−ジクロロエタンである請求項7に記載の方法。 12.式:[式中、R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、またはR2および R3は隣り合った窒素原子と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメチ レンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成し、 HXはHClまたはHBrである]で示される化合物を、BX’3(ここで、X ’はクロロまたはブロモである)の存在下で、式: [式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R6はクロロ、ブロモまたはヒドロキシルである]で示されるアシル化剤でアシ ル化することを含む、式: [式中、R4およびR5は前記と同意義であり、 R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、または R2およびR3は隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、 ヘキサメチレンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成す る] で示される化合物またはその塩酸塩または臭化水素酸塩の製造方法。 13.R6がクロロであり、HXがHClである請求項12に記載の方法。 14.R4がC1−C4アルコキシである請求項13に記載の方法。 15.R2およびR3が隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペ リジノおよびヘキサメチレンイミノからなる群から選ばれる複素環を形成する請 求項14に記載の方法。 16.X’がクロロである請求項15に記載の方法。 17.R4がメトキシであり、R5がメチルである請求項16に記載の方法。 18.R2およびR3が隣り合った窒素原子と一緒になってピペリジノ基を形成 する請求項17に記載の方法。 19.アシル化が2〜5モル当量のBCl3の存在下で行われる請求項18に 記載の方法。 20.反応溶媒が、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、1,2− ジクロロエタン、1,2,3−トリクロロプロパン、1,1,2,2−テトラク ロロエタン、1,2−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼンおよびフルオロベンゼ ンからなる群から選ばれる1またはそれ以上の溶媒である請求項18に記載の方 法。 21.反応溶媒が塩化メチレンである請求項18に記載の方法。 22.R7がメチルである請求項21に記載の方法。 23.(a)式: [式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R6はヒドロキシルである]で示される化合物をホスゲン、塩化オキザリルまた は塩化チオニルで塩素化することによりR6がクロロである式IIの化合物を生成 し、(b)式: [式中、R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、またはR2および R3は隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメ チレンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成し、 HXはHClまたはHBrである]で示される化合物を、BX’3(ここで、X ’はクロロまたはブロモである)の存在下で、R6がクロロである式IIの化合物 でアシル化し、 (c)工程(b)のアシル化生成物の1またはそれ以上のフェノール基を、さら にBX’3(ここで、X’は前記と同意義)と反応させることにより脱アルキル 化し、 (d)結晶溶媒和物を単離する工程を含む、式: [式中、R1は水素またはヒドロキシルであり、 HX、R2およびR3は前記と同意義である] で示される化合物の結晶溶媒和物の製造方法。 24.R1がヒドロキシルであり、R4がC1−C4アルコキシである請求項23 に記載の方法。 25.X’がクロロであり、HXがCHlである請求項24に記載の方法。 26.R4がメトキシであり、R5がメチルである請求項25に記載の方法。 27.R2およびR3が隣り合った窒素原子と一緒になってピペリジノ基を形成 する請求項26に記載の方法。 28.(a)式: [式中、R4は水素またはC1−C4アルコキシであり、 R5はC1−C4アルキルであり、 R6はヒドロキシルである]で示される化合物を塩素化することによりR6がクロ ロである式IIの化合物を生成し、 (b)式: [式中、R2およびR3は独立してC1−C4アルキルであるか、またはR2および R3は隣り合った窒素原子と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメ チレンイミノおよびモルホリノからなる群から選ばれる複素環を形成し、 HXはHClまたはHBrである]で示される化合物を、BX’3(ここで、X ’はクロロまたはブロモである)の存在下で、R6がクロロである式IIの化合物 でアシル化し、 (d)工程(c)のアシル化生成物の1またはそれ以上のフェノール基をさらに BX’3(ここで、X’は前記と同意義)と反応させることにより脱アルキル化 し、 (e)結晶溶媒和物を単離する工程を含む、式:[式中、R1は水素またはヒドロキシルであり、 HX、R2およびR3は前記と同意義である] で示される化合物の結晶溶媒和物の製造方法。 29.R1がヒドロキシルであり、R4がC1−C4アルコキシである請求項28 に記載の方法。 30.X’がクロロであり、HXがHClである請求項29に記載の方法。 31.R4がメトキシであり、R5がメチルである請求項30に記載の方法。 32.R2およびR3が隣り合った窒素原子と一緒になつてピペリジノ基を形成 する請求項31に記載の方法。
JP9533424A 1996-03-19 1996-03-20 3―[4―(2―アミノエトキシ)ベンゾイル]―2―アリール―6―ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンの合成 Pending JP2000506885A (ja)

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