【発明の詳細な説明】
正又は逆ハイドロサイクロンシステム及びその方法
発明の背景
本発明は、製紙業者の紙料として一般に公知である、製紙業者の繊維の懸濁液
を清浄にし且つ濃縮するハイドロサイクロンクリーナを使用するシステム及びそ
の方法に関する。この方法及びシステムは、正ハイドロサイクロン清浄化補助シ
ステムと、それに続く、逆ハイドロサイクロン清浄化補助システムとを備えてい
る。各々のクリーナにおいて、供給分の流れは、少なくとも1つの精選紙料と、
1つのスクリーン粕の流れとに分割される。
「正清浄化(forward cleaning)」及び「逆清浄化(reverse cleaning)」と
いう語は、製紙業者の紙料を清浄にする技術分野にて十分に理解されるに至って
おり、サイクロン式の遠心型クリーナが作動するときの方法に関するものである
。精選紙料の流れがコーンの基部にて除去される一方、スクリーン粕の流れは頂
部から除去される、正クリーナとして接続され且つ使用されるサイクロン型クリ
ーナが1945年6月5日付けで付与されたサムソン(Samson)及びその他の者に対す
る米国特許第2,377,524号に、及び1969年12月30日付けで付与されたグランドリ
ウス(Grundelius)及びその他の者に対する米国特許第3,486,619号の明細書に
記載されている。逆クリーナシステムにおいて、サイクロン型クリーナは、精選
紙料の流れがコーンの頂部から除去される一方、より軽いスクリーン粕の流れは
基部から除去されるような方法にて作動する。このことは、1975年10月14日付け
で付与されたブラウン(Braun)に対する米国特許第3,912,579号、及び1971年1
月26日付けで付与されたブラウン及びその他の者に対する米国特許第3,557,956
号の明細書に記載されている。
正ハイドロサイクロン清浄化システムは、重質の粒子及び汚染物質を除去する
ために一般に、採用される一方、逆ハイドロサイクロン清浄化システムは、軽量
な汚染物質を除去するために利用される。正及び逆クリーナの双方において、供
給濃度が低ければ、汚染物質の除去効果がより向上することが一般に公知である
。
多くの設備ににおいて、紙料の処理装置は、清浄化システムが効率的であるとい
う特別な結果が得られるように、システム内の別個の位置に配置された、正及び
逆サイクロン型クリーナ、又は清浄化システムの双方を備えている。しかしなが
ら、正及び逆クリーナを組み合わせて単一の一体型の清浄化システムにし、その
システムにおいて、その各システムの固有の作動上の特徴を利用して、もう一方
の効率を高めることが、依然として必要とされている。
コーンの基部に供給分ポートを有し、コーンの頂部に精選紙料の出口及びスク
リーン粕の出口を有する、いわゆる「スルーフロー」クリーナも従来技術で公知
である。かかるクリーナは、1985年3月に、テリー・ブリス(Terry Bliss)がパ
ルプ&ペーパ(Pulp & Paper)誌に発表した「スルーフロークリーナは、少ない
圧力降下にて良好な効率を提供する(Through-flow Cleaners Offer Good Effic
iency with Low Pressure Drop)」という表題の論文に掲載されている。この論
文は、また、スルーフロークリーナと従来の正及び逆クリーナとの便宜な概略的
比較も行っている。
逆クリーナ用の従来のシステムは、段状機構を含んでおり、これにより、第一
の段からのスクリーン粕は第二の段内で再度、清浄にされる。第二の精選紙料は
、第一の供給材と混合する一方、第二のスクリーン粕は、第三の段に進む。第三
の精選紙料は、第二の供給分と混合し、第三のスクリーン粕は、システムから外
に出る、即ち、上述したのと同一の方法にて第四の段に進む。かかるシステムは
高効率ではあるが、第一、第二及び第三の段を通じて圧送される量は極めて多量
であり、従って、圧送に必要とされる電力量もまた大きくなる。システム全体か
らのスクリーン粕の量は比較的少ないため、主たるクリーナからの精選紙料の濃
度は、供給材の濃度に略等しい、即ち、何ら顕著な濃縮化又は希釈効果が生じな
い。
基本的な段状型システムの一つの改変例は、ブリスの論文の図4に記載されて
おり、システムの必要な電力量が多少、少ない。
今日、入口圧力が低くてよく、またスクリーン粕が少ないため、従来のスルー
フロークリーナが使用されることが多い。後者の結果、小型の第二のシステムと
なる。その結果、投資額及び必要な電力量が少なくて済む。かかるシステムはブ
リスの論文の図6に記載されている。残念なことに、逆クリーナの効率に比較し
て、清浄化の効率は低く、これを補うため、直列に接続された主たるスルーフロ
ークリーナを使用すること、即ち、パルプを2回、清浄にすることが今日の一般
的な方法である。システムの精選紙料の濃度は、供給材の濃度と略等しくなる。
また、ブリスの論文の図5に図示されるように、主たる逆クリーナと第二のス
ルーフロークリーナとを組み合わせたものも使用されている。重要なことは、第
二の精選紙料は、従来の段状の形態にて主たる供給分のポートに再循環されるこ
とである。図5のデータは、この清浄化システムに供給されるパルプ、即ち、線
で標識した「紙料」の入力量、濃度、重量及び流量を計算することを可能にする
。従って、次のような値となる。
供給分の重量=150T/D
供給分の流量=最大1645gpm(白水タンクからの流量を「0」と想定)、従
って、
供給分の濃度=最小1.6%(同様に、白水タンクからの流量を「0」と想定)
このため、紙料は殆ど濃縮化されない。また、通常、多少の白水の流れは許容
され、必要とされる供給紙料の濃度が一層、高くなる。
当然に、このシステム内では何ら顕著な濃縮化は為されず、主たる逆クリーナ
を流れる流量、従ってその段に対する電力必要量も極めて大きいものとなる。
発明の概要
より広い意義において、本発明は、主たる逆クリーナ段と、スルーフロークリ
ーナの第二の段とから成る清浄化システムである。第二の段からの精選紙料の流
れを従来から公知でない方法にて使用する。本発明は、第二の精選紙料の流れの
特別な品質、即ち、その濃度が極めて低いこと、及び清浄さの程度が優れている
ことを認識する。換言すれば、この水は、極めて薄く且つ極めて清浄であり、こ
のため、従来、デッカーろ液が使用される方法と同一の方法にて、上流の希釈液
として使用することができる。重要なことは、該システムは、供給材の濃度に比
較して、より高濃度の主たる精選紙料の流れを出力として供給することである。
主たる逆クリーナへの流量、従って、その必要な電力量は、比較的少ない。この
ため、本発明のシステムは、紙料クリーナ及び紙料濃縮化装置の双方どして機能
する。
本発明の別の形態は、共通に接続されたサージ室を有する、一般的な一体型の
システム内で正及び逆サイクロンを採用することであり、この場合、清浄にすべ
き紙料は、正清浄化補助システムに供給され、その後、逆清浄化補助システムに
直接、供給される。正補助システムの第一の段は正方向に接続されたサイクロン
を採用する。この正清浄化補助システムの第一の段からの精選紙料の流れは、逆
清浄化補助システム内の主たるサイクロンに対するポンプの入口に直接、送られ
る。該主たる逆サイクロンは、約35%という、多量の液体のスクリーン粕の量を
提供し得る寸法とした出口を備えている。主たる逆サイクロンからの精選紙料の
流れは、下流の装置により更に取り扱い又は処理するためにシステム外に直接、
排出される。
正清浄化補助システム内の主たるサイクロンからのスクリーン粕の流れは、第
二のサイクロンにより、また、選択随意的に、第三のサイクロン、或いは段状に
接続された更なるサイクロンにより処理され、そのサイクロンの段の各々は、サ
ージ室から補充流体を受け入れ得るように接続されている。
主たる逆サイクロンからのスクリーン粕の流れは極めて低濃度であり、低ハイ
ドロ割り型(低スクリーン粕)のスルーフローサイクロンクリーナを含む低損失
型ループ内で処理され、この場合、精選紙料の流れの大部分は、集められて且つ
サージ室に直接、戻される。スルーフロークリーナからのスクリーン粕の僅かな
部分は、選択随意的に、第三の逆クリーナを通じて処理するか、又は単にシステ
ムから排出することができる。
補助システムの各々に対するサージ室は、共通に接続し、逆クリーナの補助シ
ステムのサージ室からの溢れ分がサージ室内に流入し、正クリーナの補助システ
ムを希釈するようにすることができる。適当な制御システムは、外部の白水ルー
プから得られた補充水により、液位制御弁を使用して、正サージ室内の白水の液
位を所定の液位に保ち、希釈の程度又は濃度を保ち且つ制御することを含む。正
清浄化補助システム及び逆清浄化補助システムの双方は、低入力濃度にて作動し
、それぞれのサイクロン内にて高い分離効率を維持する一方、逆クリーナシステ
ムからの精選紙料の出力は、正サイクロン清浄化システムへの入力の濃度の約2
倍の濃度にて、下流の装置に供給される。
紙料の懸濁液を濃縮化するために逆クリーナの固有の能力を利用することによ
り、下流で処理するために、清浄化された紙料懸濁液を入口濃度の少なくとも1.
5乃至2倍の濃度にて提供し、これにより、水分含有率を50%低下させることに
匹敵する、約100%の濃度の増大を達成することを可能にする。高濃度の出力は
ユーザにとって多数の有利な点がある。例えば、本発明のシステムを細かいスク
リーンから下流の位置に配置するならば、その後続の脱水装置は遥かに小さい寸
法とすることができ、また、そのコストを著しく削減することができる。
本発明によるシステムを細かいスクリーンの下流に配置するならば、より小さ
い摩耗性材料を除去することによるその正清浄化の高効率は、摩耗を軽減し、こ
のため、所要の形状をした細かいスクリーンが、より長期間、作動することを可
能にする。細かいスクリーンからの流れは、従来よりも高濃度であるため、濃縮
化のコストが削減される。
本発明のクリーナシステム自体が極めて高効率にて作動可能である。主たる正
クリーナは、低濃度にて作動されるため、このクリーナは、性質上、高効率にて
作動し、その基部の受け入れ出口を通じて、主たる逆クリーナに対してより低濃
度の紙料を供給する。このため、より低濃度の紙料が主たる逆サイクロンに供給
され、このことは、32℃(90°F)といった比較的低い分離温度の場合であって
も、同様に、その効率を向上させる。入口濃度は、第二のスルーフローのクリー
ナの清浄な低濃度の精選紙料の流れを集める、サージ室からの希釈水を再使用す
ることにより維持される。また、この装置は、主たる逆クリーナの自然の濃縮化
効果の有利な点を活用し、高濃度の精選紙料を提供するのみならず、スルーフロ
ークリーナに直接、低濃度の供給分を提供する。
本発明の一つの形態において、その紙料懸濁液を逆クリーナの主たる段に供給
するステップと、逆クリーナから流量の約30乃至65%の体積量にて精選紙料の流
れを除去するステップと、逆クリーナからスクリーン粕の流れを除去するステッ
プと、スクリーン粕の流れをスルーフロークリーナの入口に供給するステップと
、スルーフロークリーナから精選紙料の流れを除去するステップと、主たる段の
上流にて希釈のために該精選紙料の流れを使用するステップと、更なる処理のた
めにスルーフロークリーナからスクリーン粕の流れを除去するステップとを含む
方
法により、軽量な望ましくない成分は製紙紙料の紙料懸濁液から除去される。更
に別の形態において、スルーフロークリーナの精選紙料の流れは、希釈ステップ
にてサージタンクに供給される。
本発明の別の形態において、かかる紙料供給源からの製紙紙料を清浄にするハ
イドロサイクロン型清浄化システムは、円錐形の形状の基部の入口と、頂部の精
選紙料の出口と、基部のスクリーン粕の出口とを有し、液体のスクリーン粕が約
35%以上である逆サイクロンクリーナと、供給源からの紙料懸濁液を逆サイクロ
ンクリーナの入口に供給する手段と、システムの出口として逆サイクロンクリー
ナからの精選紙料の流れを供給する手段と、入口と、基部のスクリーン粕の出口
と、基部の精選紙料の出口とを有し、液体のスクリーン粕の量が約10%以下であ
るスルーフロー型サイクロンクリーナと、逆サイクロンクリーナのスクリーン粕
の出口からスルーフロークリーナの入口にスクリーン粕を供給する手段と、紙料
懸濁液の供給分を上流で希釈するために、スルーフロークリーナの精選紙料の出
口からの流れを供給する手段と、処理又は処分のために、スルーフロークリーナ
のスクリーン粕の出口からの液体流を供給する手段とを備える一方、逆サイクロ
ンクリーナの精選紙料の出口から供給された液体は、紙料供給分の濃度を実質的
に上廻る濃度を有し且つ軽量な汚染物質が実質的に存在しない、システムに対す
る出口分を形成する。
従って、本発明の一つの重要な目的は、高効率で、しかも比較的低い特定の電
力入力にて清浄化が行われる、製紙繊維の懸濁液に対するサイクロン型クリーナ
システム及びその方法を提供し、入力分よりも実質的に高い濃度を有する出力分
を提供し、紙料の懸濁液を更に処理するのに必要される下流の装置の寸法及びコ
ストの削減を可能にするものである。
本発明の更に別の目的は、逆クリーナの補助システムに直接、供給する正清浄
化補助部分を備え、該補助部分が共通のサージ室を共有する、製紙業者の紙料に
対するサイクロンクリーナを提供することである。
本発明の更に別の目的は、正清浄化補助システムを採用して、製紙業者の繊維
の紙料懸濁液を清浄化するためにサイクロンクリーナを使用するシステム及びそ
の方法を提供するものであり、この場合、精選紙料は、主たる正クリーナから逆
クリーナの補助システム内で主たる逆クリーナの入力ポンプに直接、供給され、
また、逆クリーナの補助システムは、スルーフロークリーナの形態をした、第二
のクリーナを採用するスクリーン粕の清浄化ループを備えており、該スルーフロ
ークリーナは、低濃度、高効率にて作動し、また液体のスクリーン粕の量が少な
い。主たる逆及び第二のスルーフロークリーナの効率は、ループ内にて汚染物質
が蓄積するのを防止し得るよう釣り合わせる必要がある。
本発明の更に別の目的は、正清浄化及び逆又は軽量物の除去、清浄化を行う間
に性質上の相違点の最適な利点を活用して、最大の効率が得られ、また、これと
同時に、入力よりも実質的に高濃度の出力を提供し得るように、これらのクリー
ナの機構の各々を最適にする、紙紙料のサイクロン型クリーナを提供することで
ある。
本発明の上記及びその他の目的並びに有利な点は、以下の説明、添付図面、添
付した請求の範囲から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
図面は、本発明のシステム及び本発明を実施する方法を示すフロー図である。
好適な実施の形態の説明
清浄化システムは、逆清浄化補助システム12に直接取り付けられ且つ補助シ
ステム10、12の各々に共通するサージ室15を有する正清浄化補助システム
10を含むものとして図示されている。該サージ室15は、正清浄化補助部分1
0と主に協動する部分15aと、共通の溢れダム又は堰16により互いに接続さ
れた、補助部分12と協動する部分15bという、2つの部分に分割し又は仕切
ることができる。この溢れダム又は堰により、逆清浄化室部分15bからの白水
の流れが、制御された方法にて、正清浄化室部分15aに提供される。サージ室
15への補充水は、システムの白水の供給源19aから液位制御装置19に応答
可能な液位制御弁18により制御される。
システムの補助部分10、12は、互いに協動して、清浄化システム用の新規
な装置を形成し且つ新規な方法を実施し、この方法において、重質及び軽量な汚
染物質の双方が製紙紙料から除去される。しかしながら、補助部分12は、独立
的に作動させ、又は補助部分10が存在しない場合、補助部分12内への入口部
分内に低濃度紙料の供給分を供給するだけで(ポンプ57にて)作動させること
ができる。この新規な着想は、その紙料が軽量な汚染物質を含み且つその入口濃
度が極めて低い、主たるクリーナを使用する逆清浄化システムから成っている。
逆クリーナからのスクリーン粕の流れは、スルーフロークリーナに導かれ、その
精選紙料の流れは、通常のデッカーろ液と同等に清浄で且つ低濃度であると認識
される。このため、かかる精選紙料は、デッカーろ液と組み合わされ、又は上流
で希釈するために独立的に使用される。補助システム10、12の双方は、必要
電気量比較的少ない状態で作動する。このことは、清浄化する第二の精選紙料は
、再度、清浄化する必要がないため、特に、当て嵌まり、また、主たる精選紙料
の出力がより高濃度であるから、より小型の下流システムの濃縮装置を採用する
ことができる。
正清浄化補助部分10は、従来構造の主たるサイクロン30を備えている。該
サイクロンの入口には、従来のポンプ35により供給され、該従来のポンプは望
ましくない重質及び軽量な成分を清浄化し且つ除去し得るように希釈した完成紙
料、又は製紙業者の紙料の懸濁液の供給源40に接続される。適正に希釈するた
めの補充液体は、従来通り、図示するように、正室部分15aからポンプ30の
入口に供給される。サイクロン30に使用される型式の正清浄化サイクロンは、
オハイオ州、ミドルタウンのブラック・クラウソン・カンパニー(Black Clawso
n Company)のシャトル・パンディア部門の「ウルトラ・クローン(ULTRA-CLONE
)」クリーナを備えることができる。その他の例は、ペッシュ(Pesch)の米国
特許第3,085,927号、及びマルム(Malm)の米国特許第3,352,745号に見ることが
できる。
主たる正クリーナ30からの重質なスクリーン粕は、ポンプ35に対応する、
更に別の供給ポンプ42の入口への頂部32を介して、第二の正クリーナ45の
入口に供給され、クリーナ45からの精選紙料は、クリーナ30に対するポンプ
35の入口に管46を介して供給されて戻る一方、重質なスクリーン粕は、ポン
プ48への頂部を介して選択随意の第三の正クリーナ50へ供給され、その精選
紙料は、ポンプ42の入口に管52を介して供給される。クリーナ50の重質な
スクリーン粕は、埋め立て場所のようなゴミ捨て場53、又は排液場所に従来通
りに排出される。
補助システム10内の第二の正クリーナ45及び選択随意的な第三の正クリー
ナ50は、当該技術分野で公知であり、グランドリウス及びその他の者に対する
米国特許第3,486,619号の図2に関して説明したように、従来の段状の方法にて
接続されている。その各々は、20%以下といった、比較的少ない量の液体のスク
リーン粕を有する。
本発明の一つの形態を理解する上で重要なことは、第一の正クリーナ30から
の精選紙料が、基部の精選紙料の出口34から集められ且つ管55を介して逆ク
リーナの補助部分12の入力ポンプ57に直接、供給される点である。この点に
て、正供給補助部分10は、ポンプ35により供給される、比較的低濃度にて作
動することが好ましいことを認識するのが有用である。クリーナ30への入口濃
度は、約0.7%乃至1.2%であることが好ましく、また、この低濃度は、供給源4
0からの分及び正サージ室15からの分を混合させることで保たれる。また、補
助システム12への入力は、クリーナ30の作動のため、性質上、依然として低
濃度であることを認識することも重要である。このため、重質な汚染物質が除去
された、管55における清浄な紙料は、入力又は供給体の濃度よりも約0.1%低
い濃度を有する。このため、供給源40からの入力が0.6%乃至1.1%の範囲にあ
るとき、補助システム12への供給量は、約0.5%乃至0.8%の濃度となる。
重質な汚染物質が何ら顕著な量にて存在せず、又は考慮する必要がないような
、補助システム10の特別な清浄化機能が不要な場合、紙料は、供給源40から
代替的な管57aを介するといった方法にて、補助システム12への入口を形成
する、ポンプ57に直接、供給することができる。
主たる正クリーナ30からの出力は、ポンプ57の入口への管55を介して主
たる逆クリーナ60の入口に導かれる。このクリーナ60は、セイフェルト(Se
ifert)及びその他の者の米国特許第4,155,839号に図示されるように、オハイオ
州45042、ミドルタウンのクラーク・ストリート605のブラック・クラウソン・カ
ンパニー、シャトル・パンディア部門の「コントラ・クローン(CONTRA-CLONE)
」クリーナから形成することができる。この発明の目的上、これは、液体のスク
リーン粕の量が約35%以上という多量であるクリーナである。上述したように、
こ
のクリーナは比較的低濃度、従って高効率レベルにて作動する。しかしながら、
最高の効率を得るためには、その開示内容を参考として引用し本明細書に含めた
、1995年8月11日付けで出願されたマックカーシー(McCarthy)のシリーズ同時
継続出願出願第60/002,177号の明細書に記載されているような、滞在時間の長
い逆ハイドロサイクロンクリーナを使用することが好ましい。
クリーナ60からの精選紙料の流れは、下流の処理のためにシステム外に管6
3の頂部62を介して供給される。該クリーナ30は、液体のスクリーン粕の量
が約50%であるため、出口管63における精選紙料の流れは、供給源40又はポ
ンプ57の何れかにて、入力濃度の約2倍の濃度を有する。このため、記載した
例において、入力濃度が0.5%乃至1.0%であるならば、出口濃度はそれぞれ約1.
0%乃至1.6%の範囲となる。このことは、液体成分の約1/2が除去されたことを
意味する。これと同時に、望ましくない重質及び軽量な汚染物質は、除去され、
軽量な汚染物質は、補助システム12内で更に処理するために基部又はスクリー
ン粕の出口65を介して除去される。
補助システム12のもう一つの重要な特徴は、多量のスクリーン粕の液体を連
続的に取り扱う方法である。極めて低濃度であるが、比較的多量である、スクリ
ーン粕の液体は、ポンプ66へのスクリーン粕の出口65から、スルーフローク
リーナ70の入口に供給され、その液体のスクリーン粕の量は約5%乃至10%程
度と比較的少ない。
このクリーナ70は、上記のシャトル・パンディア部門から販売され、ブリス
の米国特許第4,564,443号により製造される、X−クローン(X-CLONE)(登録商
標名)とすることができる。このクリーナは、極めて低濃度の紙料懸濁液中で作
動するとき、軽量な汚染物質の濃縮物を提供するその機能のため特に注目され、
また、その圧力降下が小さいことで特に注目される。
スルーフロークリーナ70は、その管72がサージタンク15bに直接、戻る
、その精選紙料のループにて図示されている。その高効率のため、この入力の大
部分は清浄化され且つ戻される一方、5%乃至10%という程度の僅かな量は、シ
ステム外に直接、供給するか、又は、選択随意的に、ポンプ79により第三の逆
クリーナ78に供給することができる。このクリーナ78は、処分のためにシス
テ
ム外に供給される極めて軽量な汚染物質を保持するそのスクリーン粕管81を有
するクリーナ60と同様のものとすることができる一方、その頂部から達するそ
の精選紙料の管82は、スルーフロークリーナ70に対するポンプ66への入口
管80に戻される。補充の液体流は、管81を介して室15bから回収される。
スルーフロークリーナ70からの精選紙料の流れは、室15bに直接、戻るも
のとして示されている一方、この精選紙料は、極めて低濃度であり、このため、
通常のデッカーろ液が使用される方法と同一の方法にて使用し得る程に清浄であ
る。このため、この精選紙料の流れは、上流の希釈のためにループにて室15に
戻すか、又は白水ループ内の何れかの場所に供給することが好ましい。
本発明のシステムの有利な点は、低濃度の入力のため、双方の補助システムの
サイクロンクリーナが、高効率にて作動する点である。更に有利な点は、システ
ムの全体がコンパクトであり、精選紙料の流れが最終的にシステムから出る、一
般的なサージ室の配置を採用し、この精選紙料の流れは、その濃度が約100%、
増大した状態で排出され、これにより、下流の紙料の処理、及び取り扱い装置の
コストの点で有利である。
逆クリーナ60からのサージタンクへの入口流は、理解し得るように、スルー
フローにより画成されるループ内で極めて低濃度である一方、このスルーフロー
は、サージタンク内にて紙料の濃度を低く保つ。この液体が、主たる正クリーナ
30の入口にて使用される、その濃度を低い値に保ち、その結果、スクリーン粕
の流れ中の繊維を最小に保ちつつ、主たるクリーナの効率が増大する。
第三のクリーナ78に代えて、スルーフロークリーナ70からのスクリーン粕
は、従来の清浄化装置に供給することができる。
システム内の液体の滞在時間は、特に、一般的なサージタンクを使用すること
により最大となるため、各種のサイクロン内の回転流は安定し、このため、固体
の除去が向上する。室部分15bを部分15aから仕切る堰又はダム16は、部
分15a内への流れを制御し、室部分15bが常に、クリーナ60、70に対す
る十分な紙料の供給量を有するようにする。室15への補充液体は、液位制御弁
18の要求に応じて、補充制御装置19により白水の供給源19aから供給され
る。
本発明により実施されるこの方法は、製紙紙料の紙料懸濁液から望ましくない
軽量な成分を除去するために特に有効であり、この方法は、紙料懸濁液を逆クリ
ーナの主たる段に供給するステップと、精選紙料の流れをこの主たる段から入力
の約30乃至65%の体積量にて除去するステップとを含み、この場合、精選紙料の
流れは、入力紙料の懸濁液の濃度よりも約30乃至60%高濃度である。スクリーン
粕の流れは、スルーフロークリーナの段に導かれ、この段において、スルーフロ
ークリーナの段の精選紙料は低濃度であり、上流の希釈のために使用される。ス
ルーフロークリーナのスクリーン粕の流れは、更なる清浄化又は処理のために除
去される。このように、この方法は、高効率及び必要な電力量に少ない状態にて
作動する一方、濃度を増大させるという有利な点がある。
本発明の別の形態において、この実施された方法は、清浄化すべき低濃度の紙
料を正クリーナに供給するステップと、正クリーナの精選紙料を液体のスクリー
ン粕の量が多い逆クリーナに供給するステップと、逆クリーナのスクリーン粕を
ループ状に接続されたスルーフロークリーナに供給する間に、逆クリーナから高
濃度にて精選紙料を回収するステップとを含み、この場合、主たる正クリーナへ
の入口濃度が約1%以下であり、主たる逆クリーナへの入口濃度は、正クリーナ
に供給されるものの濃度よりも低い。
逆清浄化システムの新たな着想は、主たるクリーナを使用するものであり、こ
の場合、スクリーン粕の流れは極めて低濃度であり且つ軽質な汚染物質が含まれ
る。この流れは、スルーフロ-逆クリーナ70に向けられ、その精紙料の流れは
、異常なデッカーろ液と同様に清浄で且つ低濃度であると認識される。このため
、こうした精選紙料は、デッカーろ液と混合するか、又は上流の希釈のために独
立的に、使用することができる。このシステムの設計は、主たる逆クリーナ60
から高濃度の精選紙料を生じさせ、これにより、後続の濃縮装置、又はデッカー
、電動ポンプの電力、及び投下資本の必要額を軽減するものである。
この新規なシステムは、第二のクリーナの精選紙料を再度、清浄化する必要が
ないため、逆クリーナの清浄化効率を高め且つ電力の必要量を比較的少なくし、
、また、主たる精選紙料の濃度は比較的高いため、より小型のシステムの濃縮装
置を使用することができる。
本明細書に記載した方法及びこの方法を実施する装置の形態は、本発明の好適
な実施の形態を構成する一方、本発明は、こうした方法及び装置の形態にのみ厳
密に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された、本発明の範囲から逸脱
せずにその変更が可能であることを理解すべきである。