JP2000505300A - 組換えリボヌクレアーゼタンパク質 - Google Patents

組換えリボヌクレアーゼタンパク質

Info

Publication number
JP2000505300A
JP2000505300A JP9530289A JP53028997A JP2000505300A JP 2000505300 A JP2000505300 A JP 2000505300A JP 9530289 A JP9530289 A JP 9530289A JP 53028997 A JP53028997 A JP 53028997A JP 2000505300 A JP2000505300 A JP 2000505300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
met
ribonuclease
sequence
amino acid
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9530289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3469247B2 (ja
Inventor
エム. リバク,スザンナ
エル. ニュートン,ダイアン
ボクィー,リュイス
ウロダワー,アレクサンダー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
US Department of Health and Human Services
Original Assignee
US Department of Health and Human Services
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by US Department of Health and Human Services filed Critical US Department of Health and Human Services
Publication of JP2000505300A publication Critical patent/JP2000505300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3469247B2 publication Critical patent/JP3469247B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/463Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from amphibians
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/22Ribonucleases RNAses, DNAses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ラナ・ピピエンス(Rana pipiens)の卵母細胞内に見い出されるネイティブリボヌクレアーゼ由来のリボヌクレアーゼに関する。これらの分子の種々のヒトに適応させた及び組換えの形態、並びにそれらについての使用が記載される。

Description

【発明の詳細な説明】 組換えリボヌクレアーゼタンパク質 発明の分野 本発明は、関心の細胞に毒性であるリボヌクレアーゼ分子の生産に関する。 発明の背景 リボヌクレアーゼA(“RNase A”)のようなリボヌクレアーゼ及びそれらの 腫瘍細胞に対する細胞毒性は、1960年代及び1970年代に行われた研究から十分に 証明されており、Roth J.(1963,Cancer Res. 23:657-666)に報告されている 。ヒト血清も、組織特異的様式で発現されるいくつかのRNase(Reddi,E.,1975 ,Biochem.Biophys.Res.Commun.67:110-118,Blankら、Human body fluid ribonucleases:detection,interrelationships and significance 1-203-209( IRL Press,London,1981))を含むことが発見されている。好酸球のホスト防御 活性に関連するタンパク質はRNaseと相同であり、RNase活性を発現する(Gleich ら、1986,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 83:3146-3150;Slifmanら、1986,J .Immunol,137:2913-2917)。これにより、ヒト血清RNaseはホスト防御活性も 有すると信じられている。 これらに加えて、初期の研究は、ラナ・ピピエンス(Rana pipiens)の卵母細 胞からの抗腫瘍タンパク質がRNase Aとの相同性を有することを発見した(Arde ltら、1991,J.Biol.Chem.256:245 orporation,N.J.,例えばDarzynkiewiczら(1988)Cell Tissue K inet .21,169-182,Mikulskiら、(1990)Cell Tissue Kinet.23,237-246も 参照のこと)。このタンパク質は米国特許第4,888,172号にも記載される。種々 の固体腫瘍の患者における単一治療剤(Mikulskiら(1993)Int.J.of Oncology 3 ,57-64)として、又は進行した膵臓癌の患者におけるタモキシフェンと組み合わ せたONCONA いる(Chunら(1995)Proc Amer Soc Clin Oncol 14 No.157,210) の腫瘍細胞に対する能力を増加させた(Rybakら(1993) Drug Deli 在的な選択物細胞殺傷剤の製造に有利である特性を有することを示す。 しかしながら、これはヒト由来タンパク質でないので、ヒトに用いる場合に不 要な免疫応答を剌激する傾向がある。これにより、ヒトにおけるその免疫原性を 削減しながらこの分子の潜在的細胞毒性特性を保持することが要求されよう。更 に、特定の細胞に標的づけするためによりよく他の分子に化学的にコンジュゲー トされ又は組換え的に連結され得るように、組換えでのこの分子の誘導体を作る ことが要求されよう。本明細書に記載される本発明に至るまでは、 は困難であった。組換え分子のイチオニン−グルタミン酸アミノ末端は分子が大 きな酵素活性を有することを妨げると考えられるが、この問題を解決するための 手段は、本明細書の本発明まではなかった。 更に、タンパク質デザイン技術の進展は免疫毒性の抗体部分に関連する免疫毒 性のいくつかを緩和しそうである(Birdら、1988,Science 242:423;Hustonら 、1988,Proc Natl Acad Sci USA 85 :5879;Wardら、1989,Nature 341:544)、患者の免疫抑制以外の毒素部分の 免疫原性についての解決策はない(Khazaeliら、1988,Proceedings of AACR 29 :418)。これにより、ラナ・ピピエンス(Rana pipiens)由来の毒素成分の免 疫原性を減らすであろう方法及び組成物についての継え間ない必要性がある。 化学的(Rybakら(1991) J .Biol.Chem 266,1202-21207,Newtonら(1992) J .Biol.Chem 267,19572-19578)又は組換え的手段(RybakらProc .Natl.Acad .Sci.USA 89,3165,Newtonら(1994) J .Biol.Chem.269,26739-26745)に よる腫瘍関連抗原に関連するRNase Aスーパーファミリーの非細胞毒性ヒトメン バーは、植物及びバクテリア毒素を用いる現在のストラテジーより少ない免疫原 性で腫瘍細胞を選択的に殺すためのストラテジーを供することが示されている( Rybak,S.M.& Youle,R.J.(1991) Immunol .and Allergy Clinics of Nor th America 11:2,359-380)。関心のヒト由来リボヌクレアーゼは、好酸球由 来ニューロトキシン(EDN)及びアンギオゲニンを含む。 発明の概要 体であるRNaseをいかに作製するかを発見した。nOncが組換え発現された場合、 大きな細胞毒性を有することは見い出されなかった。しかしながら、我々の改良 した型(rOnc)は高い細胞毒性を有し、 定の場合にはそれらは増加された細胞毒性特性も有する。rOnc分子は単独で用い ても便利には化学的コンジュゲートを形成するように用いてもよく、そして標的 組換え免疫融合体を形成する。これらのrOnc分子は腫瘍細胞成長を減少させるた めに用いることができる、 nOncの有効な組換え形態は、有利にはその組換え分子が組換えにより、関心の他 の治療又は標的分子に融合するのを許容する。更に、rOnc分子は、以下に示すよ うに、細胞毒性を増強するように修飾することができる。nOncは、標的化剤を用 いずに腫瘍細胞増殖を減少又は阻害するために患者に直接単独で投与することが できる点で特有のリボヌクレアーゼであるので、我々のnOnc由来分子も要求され る。 本発明は、本発明の選択的細胞毒性試薬を作り出すためにリガンドに結合した rOncを用いて細胞を選択的に殺す方法も含む。本方法は、殺されるべき細胞に試 薬を特異的に送るリガンド結合成分を有する本発明の細胞毒性試薬に、殺される べき細胞を接触させることを含む。この本発明の方法は、要求されない細胞の型 を選択的に殺すことにより試験管内での細胞分離のため、例えば骨髄剥離を患う 患者への移植の前に骨髄において、又は移植片対ホストの病気を引きおこすであ ろう白血病細胞又はT細胞を殺すために用いることができる。その毒素は培養中 に不要な細胞を選択的に殺すのにも用いることができる。 人体に適応させた型の我々のrOnc分子は、アンギオゲニン又はヒト好酸球由来 ニューロトキシン(EDN)のような哺乳動物又はヒト由来RNaseのrOnc由来分子への 移植部分についても記述される。本発明の好ましい実施形態は、EDNのアミノ末 端をrOnc分子のアミノ末端上におく分子である。リボヌクレアーゼ活性及び試験 管内抗腫瘍効果に関するこれらのハイブリッドタンパク質の驚くべき特性が記載 される。 図面の簡単な説明 図面の凡例 図1は、以下に記載されるラナ(Rana)クローン9の予想されるアミノ酸配列 (配列番号:2)及びnOncのアミノ酸配列(配列番号:1)での配列アラインメ ントを示す。ボールド部分はnOncとラナクローン9との間の同一の残基を示す。 ドットは、PCRクローンにおいて見い出せなかったアミノ酸を示す。 図2A及び2Bは、実施例に例示されるDNA構成物の配置を示す。ラナ・ピピ エンスDNAが得られたPCR産物はラナ9として同定される。そのN−及びC−末端 は合成的に満たされており、N末端のEDN/Oncハイブリッドについて〔Met−( −1)〕rOnc又はEDNをコードする構成物内nOncとして同定される。対応するア ミノ酸残基を各々の構成物の下に示す。図2Bは、nOnc(配列番号:3)、rEDN (配列番号:4)、位置20においてAspのかわりにGly(G)を含む〔Met−(− 1)〕rOnc(配列番号:5)、アミノ酸位置26においてAspを有するrEDN(1-21)r Onc(配列番号:6)及び位置26においてGlyを有するrEDN(1-21)rOncG26(配列 番号:7)のN末端配列の配列アラインメントを示す。ボールド文字は保存性残 基を示し、大文字は、ラナクローン9から予想される配列を示す。 図3A−3Dは、nOnc,rEDN,〔Met−(−1)〕rOnc又はハイブリッドタン パク質によるヒト腫瘍細胞におけるタンパク質合成の阻害を示す。細胞(104)を 個々の96ウエルマイクロタイター培養プレート中にプレートし、48時間、種々の 濃度の各々の剤で処理した。細胞生存力を、以下の実施例セクションに記載され るように決定した。1超の個体の実験からの結果を組み合わせて平均データ点を 算出した。それらがそのシンボルより大きい場合、その平均の標準誤差を示す。 細胞系:ACHN、腎臓癌(図3A);MDA−MB−231(図3B)及びHS 578T(図3 D)、乳癌;SF−539(図3C)、CNS癌;EDN(中あき三角形):nOnc(中あき 四角形);〔Met−(−1 )〕rOnc(中ぬり三角形);rEDN(1-21)rOnc(中あき円);rEDN(1-21)rOncG26 (中ぬり円)。 図4は、RNase Aスーパーファミリーのいくつかのメンバーの配列アラインメ ントを示す。カエルレクチンはラナ・カテスベイアナ 酸球カチオン性タンパク質)、Angはウシアンギオゲニン、精液はウシ精液RNase 、そしてRNase Aはウシ膵臓RNase Aである(各々配列番号:8、1及び9−13 )。全てのメンバー内で保存されるアミノ酸は大文字で示し、そして活性部位残 基H12,K41、及びH119(RNase Aナンバリング)はアスタリスクで示す。 図5は、MetSerOnc及びMetSer−又はMetGlu−OncFvsによるタンパク質合成の 阻害を示す。一本鎖抗体rOnc融合タンパク質;E6FB〔Met−(−1)〕SerrOnc (中ぬり円)、〔Met−(−1)〕SerrOnc−Ang FBE6(中あき四角)及び〔Met −(−1)〕GlurOnc FBE6(中ぬり四角)の細胞毒性効果を、SF539細胞内のタ ンパク質合成の阻害を決定することにより、非標的化組換えタンパク質〔Met− (−1)〕SerrOnc(中あき円)と比較した。細胞を、10%熱不活性化胎児ウシ 血清を加えたダルベッコの最小必須培地内の96ウエルマイクロタイタープレート 内にプレートした。全量を10μlにし、そのプレートを3日間、37℃でインキュ ベートした。0.1mCiの〔14C〕ロイシンを含むリン酸緩衝塩類溶液を2〜4時間 加え、その細胞を:PHD細胞ハーベスターを用いてガラスファイバーフィルター 上に収集し、水で洗い、エタノールで乾燥して計数した。その結果は、偽処理ウ エル内の〔14C〕ロイシン組込みのパーセントとして表現される。 図6A及び6Bは、細胞系SF 539、ヒトグリオーム細胞、並びにMetLysTryrOn cと呼ばれるrOnc融合タンパク質(中あき円、図6A );MetAlaAlaTyrOnc(中ぬり円、図6A);並びにシグナルペプチド、MetKDEL SerrOnc(中あき円、図6B)及びMetNLSerrOnc(中ぬり円、図6B)とのrOnc 融合タンパク質を用いて、図3A−3Dに記載されるようなアッセイにおけるタ ンパク質合成の阻害を示す。 図7は、細胞系SF 539、ヒトグリオーマ細胞を用いて図3A−3Dについて記 載されるようなアッセイにおけるタンパク質合成の阻害を示し、MetSerOncに対 応する3つの融合タンパク質(Met−Serアミノ末端を有する配列番号:39):Met SerOnc(中ぬり円)、MetSerOnc C4(配列番号:39のアミノ酸位置5において Cysを有するMetSerOnc、中ぬり四角)及びMetSerOnc C72(配列番号:39のアミ ノ酸位置73においてCysを有するMetSerOnc、中あき円)を比較する。 詳細な記載 本発明は、細胞、特に腫瘍細胞を選択的に殺し標的化するのに用いることがで きる高い活性で細胞毒性のリボヌクレアーゼ分子を供する。特定の実施形態にお いて、その分子は、高い活性及び細胞毒性を有するが、ヒトにおいて免疫原性が 弱い重なる利点を有するヒト由来のリボヌクレアーゼからの配列を組み込むよう にデザインされる。本発明のrOnc分子は、組換えnOnc由来配列であるものである 。 nOnc分子は後の配列番号:1のアミノ酸配列を有する。ウシ膵臓RNase Aは後 の配列番号:13のアミノ酸配列を有する。他に示さなければ、本明細書に記載さ れるアミノ酸配列位置は、RNaseの分野で一般に用いられる引用配列であるよう な、配列番号:13の標準のウシ膵臓RNase A配列の枠として用いる。このような 位置デザイン がクレームされる分子自体のアミノ酸の数を示すのではなく、クレームされる分 子配列をウシRNaseとアラインした時にクレームされる分子内での残基のある位 置を示すものであることが理解されるはずである。 本明細書に記載され、クレームされるrOnc分子は、好ましくは、アミノ酸位置 26,40,58,84,95及び110に対応するアミノ酸位置でのシステイン残基;位置4 1のリシン及び位置119のヒスチジンを、ウシRNase A(配列番号13)を引用して 有する(このような位置は配列番号:1に示されるnOnc配列のアミノ酸位置19, 30,48,68,75及び90並びに87及び104に各々相当する)。 本発明のrOnc分子は、以下に定義されるように、測定可能なリボヌクレアーゼ 活性を有するものである。そのリボヌクレアーゼは、(a)メチオニンで始まり 、次にグルタミン酸(Glu)以外のいずれかのアミノ酸があるアミノ末端;(b) ウシRNase Aのアミノ酸配列(配列番号:13)の番号を引用して決定した位置に おけるアミノ酸位置26,40,58,84,95及び110におけるシステイン;位置41に おけるリシン及び位置119におけるヒスチジン;並びに(c)nOnc由来アミノ酸 配列も有するであろう。 好ましくは、rOnc分子は、 Met-Ala; Met-Ala-Ala-Ser; Met-Arg; Met-(J); Met-Lys-(J); Met-Arg-(J); Met-Lys; Met-Lys-Pro; Met-Lys-(J)-Pro(配列番号:14); Met-Lys-Pro-(J)(配列番号:15); Met-Asn; Met-Gln; Met-Asn-(J); Met-Gln-(J); Met-Asn-(J)-Pro(配列番号:16); Met-(J)-Lys; Met-(J)-Lys-Pro(配列番号:17);及び Met-(J)-Pro-Lys(配列番号:18); (ここで(J)はSer,Tyr又はThrである)からなる群から選択されるアミノ末 端を有するだろう。 更に、rOnc分子は、nOncのアミノ酸位置2(ウシRNase Aの配列を引用して位 置4)のアスパラギン酸が欠失され又はAlaもしくはAsnにより置換されるように 修飾されるのか好ましい。 rOnc分子の他の形態において、その分子は、EDNのアミノ末端由来の配列及び 次のrOncからの配列によりコードされるアミノ末端を用いるであろう。このよう な形態において、そのアミノ酸配列は、式: Met(−1)EDN(1-m) Onc(n-104) (式中、Met(−1)はMetのアミノ末端残基をいい;EDN(1-m)は、EDN(配列 番号:9)のアミノ酸位置1で始まり、それに続いてEDNのアミノ酸位置“m” までを含む、長さのアミノ酸の連続配列をいい;Onc(n-104)は、アミノ酸位置“ n”で始まりそれに続いて配列番号:1に示すようなアミノ酸位置104までを含 む連続アミノ酸の配列をいい、ここで、 mが21であるなら、nは16又は17であり; mが22であるなら、nは17であり; mが20であるなら、nは16であり; mが19であるなら、nは15であり; mが18であるなら、nは14であり; mが17であるなら、nは12又は13であり; mが16であるなら、nは11,12,13又は14であり; mが15であるなら、nは10であり; mが14であるなら、nは9であり; mが13であるなら、nは8であり;そして mが5であるなら、nは1である)の配列と実質的に同一である配列からなる 群から選択されるものである。 他のかわりの実施形態において、rOnc分子は、そのカルボキシル末端において アンギオゲニンからの配列、例えば配列番号:11に例示される配列又は配列番号 20のアミノ酸位置101〜107における配列に融合されるであろう。ヒトアンギオゲ ニンの核酸配列は周知であり、米国特許出願第08/125,462号に記載される。 好ましいrOnc核酸配列は、配列番号:20,22,24,26,28及び30の配列と実質 的に同一である好ましいrOncアミノ酸配列をコードする配列である(対応する核 酸配列は各々配列番号19,21,23,25,27及び29に示される)。最も好ましいrOn cアミノ酸配列は、実質的に、配列番号:20,22,24及び26に記載される配列と 同一である配列である。それらに対応する核酸配列も好ましく、それらの保存的 に修飾された変異体を含む配列番号19,21,23及び25に示される。最も好ましい 配列は、nOncのアミノ酸残基20(Asp)がGlyで置換された、nOnc配列の16〜104ア ミノ酸に移植されたEDNのアミノ末端の1〜21(典型的には21)のアミノ酸を含 むアミノ末端を用いる配列番号:22を含む。好ましい、rOnc配列は、任意に、配 列番号:39 を引用して、アミノ酸位置5もしくは73に相当する位置にCys、又はCysの位置の アミノ酸配列88にAlaを含むであろう。 本明細書に供されるrOnc配列の比較は、膵臓RNase Aスーパーファミリー内の 記載される配列に対して行うことができる。このようなメンバーの多くは周知で あり、これらに限定されないが、ラナ・カテスベイアナ(Rana catesbeiana)か らのカエルレクチン(Tita .ら、J .Biol.Chem. 266:245(1991));好酸球由来ニューロトキシン(EDN)(R osenbergら.,前掲);ヒト好酸球カチオン性タンパク質(ECP)(Rosenbergら., J .Exp.Med .170:163(1989));アンギオゲニン(Ang)(Fett,J.W.ら., Bioc hemistry 24:5480(1985));ウシ精液 RNase(Preussら., Nuc .Acids.Res. 18:1057(1990));及びウシ膵臓RNase(Beintamaら.,Prog .Biophys.Mol.Bi ol. 51:165(1988))を含む。これら全てのタンパク質についての文献は、本明 細書に引用により組み込まれる。このようなRNaseについてのアミノ酸配列アラ インメントは、図4並びに引用により本明細書に組み込まれるYouleら(Crit .Re v.Ther.Drug.Carrier Systems 10:1-28(1993))及び米国特許出願通し番号08 /125,462号に示される。 定義 本明細書で他に示さない限り、本明細書に用いられる全ての技術的及び科学的 用語は、本発明の属する当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。 Singletonら((1994)Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,s econd edition,John Wiley and Sons(New York))、並びにHale及びMarham( (1991)The Harper Collins Dictionary of Biology,Harper Perennial,NY) は、本明細書に用いられる用語の多くの一般的辞書を当業者に供する 。本明細書に記載されるものと同様又は同等であるいずれかの方法及び材料を、 本発明の実施及びテストに用いることができるが、好ましい方法及び材料が記載 される、本発明の目的のため、以下の用語は次のように定義される。 アミノ酸は、本明細書で、IUPAC-IUB生化学命名協会により推奨される一般的 に知られる3文字記号又は1文字記号のいずれかにより言及され得る。同様に、 ヌクレオチドは、それらの一般的に許容される一文字コードにより言及され得る 。 用語“測定可能なリボヌクレアーゼ活性”又は“大きなリボヌクレアーゼ活性 ”とは、タンパク質合成を、酸沈澱性タンパク質への〔35S〕メチオニンの組込 みにより測定しながら阻害するウサギ網状赤血球ライゼートアッセイに加えた時 に40未満のIC50(ng/ml)を有する分子をいう。IC50は、アッセイにおいて50% だけタンパク質合成を阻害するのに必要なタンパク質の濃度である。そのライゼ ートアッセイは、Promega Corporation,Madison,WIから市販されるPromegaラ イゼートアッセイキットに記載されるように行うことができる。高分子量RNA及 びtRNAを用いるリボヌクレアーゼ活性は、公開されているプロトコル(Newton,D .L.ら(1996)Biochemistry 35:545-553)に従う過塩素酸可溶性ヌクレオチド の形成により37℃で決定される。ポリ(A,C)UpG及びポリUと共に、リボヌ クレアーゼ活性は、DePriscoら.,並びにLibonati及びFloridi(DePrisco,R.,ら .(1984)Biochimica et Biophysica Acta 788:356-363;Libonati,M.ら. (1969)European J.Biochem.8:81-87)に従ってアッセイされる。活性は、26 0nmにおける吸光度の時間での増加を測定することによりアッセイされる。イン キュベーション混合物(10mMイミダゾール、0.1M NaCl,pH6.5又はpH7の1ml )は、25℃において基質及び適切な量の酵素溶液を含む。試験 管内翻訳アッセイ(St.Clair,D.K.ら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.84,8330 -8334)及び3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニ ルテトラゾリウムブロマイド;チアゾリルブルー(MMT)を用いる細胞生存率アッ セイ(Mossman,T.(1983)J.Immunol.Methods 65:55-63)は、上述のように 行われる(Pearson,J.Wら(1991) J .Natl.Cancer Inst. 83:1386-1391)。 “nOnc由来”アミノ酸配列は、nOncアミノ酸配列(配列番号:1)のアミノ酸 位置1(Gluがpyro Gluにおきかわる)、2,3,4,5,6,7,8,11,12 ,13,14,15,16,18,19,20,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32 ,33,34,35,36,37,41,42,43,44,45,46,47,50,52,54,56,59,60 ,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,76,80,81,82, 84,85,86,87,91,92,93,95、又は96で始まる配列の群から選択される6ア ミノ酸の連続配列と同一である6連続アミノ酸の少なくとも1のストリングを含 むものである。 特定の核酸配列の“保存的に修飾された変異体”とは、同一もしくは本質的に 同一のアミノ酸配列をコードする核酸、又は核酸がアミノ酸配列をコードしない なら、本質的に同一の配列をいう。遺伝子コードの縮重のため、大数の機能的同 一の核酸がいずれかの所定のポリペプチドをコードする。例えば、コドンGLA,G CC,GCG及びGCUは全てアミノ酸アラニンをコードする。これにより、アラニンが コドンにより特定される各々の位置において、そのコドンは、そのコードされた ポリペプチドを変えずに、記載される対応するコドンのいずれかに変えることが できる。このような核酸変異は保存的に修飾された変異体の一種である“サイレ ント変異”である。ポリペプチドをコードする本明細書の各々の核酸は、その核 酸の各々の 可能なサイレント変異体を記述する。当業者は、(通常、メチオニンのための唯 一のコドンであるAUGを除く)核酸における各々のコドンが、修飾されて機能的 に同一の分子を作り出すことができることが認められよう。従って、ポリペプチ ドをコードする核酸の各々のサイレント変異体は、各々の記載される配列に含ま れる。更に、当業者は、単一のアミノ酸又はコード化配列中のアミノ酸の数%を 変換、付加又は削除する個々の置換、欠失又は付加は、その変換が化学的に類似 したアミノ酸であるアミノ酸の置換を生ずる場合、“保存的に改変された変異体 ”であることを認めるであろう。機能的に類似したアミノ酸を供する保存的置換 テーブルは当該技術で公知である。以下の6つのグループ各々は、互いに保存的 置換であるアミノ酸を含む。 1)アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リシン(K); 5)イソロイシン(Z)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、 バリン(V);及び 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。 Creighton(1984)Proteins W.H.Freeman and companyも参照のこと。 用語“単離”又は“生物学的に純粋”とは、その天然の環境で見い出されるな 通常それに伴う構成物が実質的又は本質的にない材料をいう。その単離された材 料は、任意に、その自然の環境内の材料と共に見い出されない材料を含む。本明 細書に記載されるrOncsは単離され、それらが関係のないラナ・ピピエンスタン パク質の欠如 下で組換え生産されるので、生物学的に純粋である。しかしながら、それらは、 異種細胞構成物、リガンド結合成分、及びラベル等を含む。 用語“核酸”とは、一本鎖又は二本鎖形態のいずれかのデオキシリボヌクレオ チド又はリボヌクレオチドポリマーをいい、他に限定しなければ、天然のヌクレ オチドと同様に核酸にハイブリダイズする天然のヌクレオチドの周知のアナログ を含む。他に示さなければ、特定の核酸配列はその相補配列を含む。核酸は、そ れが特定の核酸と同じであるか又は特定の核酸と相補的である他の核酸をコード する。 “発現ベクター”は、細胞により転写され翻訳され得るrOncポリペプチドをコ ードする核酸を含む組換え発現カセットを含む。組換え発現カセットは、標的細 胞内で特定の核酸の転写を許容する一連の特定の核酸要素と共に、組換え又は合 成で作られた核酸構成物である。発現ベクターは、プラスミド、ウィルス、又は 核酸フラグメントの一部であり得る。典型的には、発現ベクターの組換え発現カ セット部分は転写されるべき核酸、及びプロモーターを含む。 タンパク質を引用して用いられる用語“組換え”とは、細胞が、その起源がそ の細胞に対して外因性である核酸によりコードされるペプチド又はタンパク質を 発現することを示す。組換え細胞は、その細胞のネイティブ(非組換え)形態に おいて見い出されない遺伝子を発現することができる。組換え細胞は、その遺伝 子が人工的な手段により細胞内に再導入される細胞のネイティブ形態において見 い出される遺伝子を、異種プロモーターの制御下で発現することもできる。 特定の核酸又はポリペプチド配列の文脈における用語“サブ配列”とは、特定 の核酸又はポリペプチドに等しい又はそれより小さい 核酸又はポリペプチドの領域をいう。 核酸ハイブリダイゼーション実験例えばサザン及びノーザンハイブリダイゼー ションの文脈における“ストリンジエントハイブリダイゼーション洗浄条件”は 配列依存性であり、異なる環境パラメータ下において異なる。核酸のハイブリダ イゼーションへの更なる案内は、Tijssen((1993 Laboratory Techniques in Bi ochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Acid Probes Part I,Chapter 2“Overview of principles of hybridization and the stra tegy of nucleic acid probe assays”,Elsevier,New York)に見い出される 。一般に、高いストリンジェント洗浄条件は、所定のイオン強度及びpHにおいて 特定の配列について熱的融点より約5℃低いように選択される。Tmは、標的配列 の50%が完全に適合したプローブにハイブリダイズする(所定のイオン強度及び pH下での)温度である。極めてストリンジェントな条件は、特定のプローブにつ いてTm点に等しいように選択される。ストリンジェント条件下で互いにハイブリ ダイズしない核酸は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であるな ら、なお実質的に同一である。これは、例えば核酸のコピーが、遺伝コードによ り許容される最大のコドン縮重を用いて作られた場合におこる。 2つの核酸又はポリペプチド配列の文脈における用語“同一”とは、特定の比 較窓にわたって最大の一致でアラインした場合に同じである2つの配列中の残基 をいう。配列同一性のパーセンテージがタンパク質プロペプチドを引用して用い られる場合、同一でない残基部分は、保存的アミノ酸置換によりしばしば異なり 、ここでアミノ酸残基は同様の化学特性(例えば電荷又は疎水性)の他のアミノ 酸残基に置換され、それゆえその分子の機能的特性を変化させないことが認めら れる。配列が保存的置換において異なる場合、置換の 保存的性質を正すために、配列同一性の割合(%)は上昇するよう調整すること ができる。この調整を行うための手段は当業者に公知である。典型的には、これ は、全てのミスマッチよりむしろ部分的なミスマッチとして保存的置換を点数化 することにより、配列同一性の割合を増加させることに関する。これにより、例 えば、同一のアミノ酸なら1のスコアが供され、非保存性置換なら0のスコアが 供され、保存性置換なら0と1との間のスコアが供される。保存性置換の点数化 は、例えばプログラムPC/GENE(Intelligenetics,Mountain View,California ,USA)において扱われるMeyer及びMiller(Computer Applic.Biol.Sci.,4:1 1-17(1988))のアルゴリズムに従って計算される。 比較のための配列のアラインメントの方法は当該技術で公知である。比較のた めの配列の最適のアラインメントは、Smith及びWaterman((1981)Adv.Appl.Ma th.2:482の局所的相同性アルゴリズムにより;Needleman及びWunsch((1970) J.Mol.Biol.48:443の相同性アラインメントアルゴリズムにより;Pearson及 びLipman((1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85.2444)の類似性方法につい ての調査により;これらのプログラムのコンピュータ化操作(例えばこれらに限 定されないが、the PC/GeneプログラムのCLUSTAL(Intelligenetics,Mountain View,California),GAP,BESTFIT,FASTA,及びTFASTA(Wisconsin Genetics Sof tware Package,Genetics Computer Group(GCG),575 Science Dr.,Madison,W isconsin,USA))により行うことができる。CLUSTALプログラムはHiggins及びSha rp((1988)Gene,73:237-244)並びにHiggins及びSharp((1989) Computer App lications in the Biosciences 5:151-153);Corpet,ら.((1988)Nucleic A cids Research 16,10881-90);Huang,ら.(1992)Computer Applications in t he Bi osciences 8,155-65),及びPearson,ら.((1994)Methods in Molecular Biolog y 24,307-31)に十分に開示される。アラインメントは、しばしば視察及び手動 のアラインメントにより行われる。 ポリペプチドの文脈における用語“実質的同一性”又は“実質的類似性”とは 、ポリペプチドが、引用配列と少なくとも70%の配列同一性、又は好ましくは引 用配列と80%、もしくはより好ましくは85%の配列同一性、又は最も好ましくは 約10〜20アミノ酸残基の比較窓にわたって90%の同一性の配列を含むことを示す 。2つのポリペプチド配列が実質的に同一であることの示唆は、1つのペプチド が第2のペプチドに対して生じた抗体と免疫学的に反応することである。これに より、ポリペプチドは、例えば2つのポリペプチドが保存的置換によってのみ異 なる場合に、第2のポリペプチドと実質的に同一である。 2つの核酸配列が実質的に同一であることの1つの指摘は、1番目の核酸がコ ードするポリペプチドが、2番目の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫 学的に交差反応することである。 2つの核酸配列が実質的に同一であることを指摘は、2つの分子がストリンジ ェント条件下で互いにハイブリダイズすることである。ストリンジェント条件は 配列依存性であり、異なる環境パラメータ下で異なる。一般に、ストリンジェン ト条件は、所定のイオン強度及びpHにおいて特定の配列について熱的融点(Tm) より約5℃〜20℃低くなるよう選択される。Tmは、標的配列の50%が完全に適応 したプローブとハイブリダイズする(所定のイオン強度及びpH下での)温度であ る。しかしながら、ストリンジェント条件下で互いにハイブリダイズしない核酸 は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一でなくてもなお実質的に同 一である。これは、例えば核酸のコピーが遺伝コードにより許容される最大のコ ドン縮重を用 いて作られる場合におこる。 本明細書に用いられる用語“特異的に送り出す(特異的デリバリー)”とは、 標的分子を欠く細胞又は組織には会合しないが特定の標的分子又はマーカーを有 する細胞又は組織との優先的な会合をいう。もちろん、分子と非標的細胞又は組 織との間にある程度の非特定の相互作用がおこり得ることが認められる。しかし ながら、特異的デリバリーは、標的分子の特定の認識を通して媒介されることで 区別することができる。典型的な特異的デリバリーは、送り出された分子と標的 分子を欠く細胞との間より送り出された分子と標的細胞を有する細胞との間のか なり強い会合を生ずる特異的デリバリーは、典型的には、標的分子又はマーカー を欠く細胞又は組織と比べて、標的分子を有する細胞又は組織に対する送り出さ れた分子の(単位時間当りの)量で2倍超、好ましくは5倍超、より好ましくは 10倍超、そして最も好ましくは100倍超、増加する。 本明細書に用いられる用語“残基”とは、ポリペプチドに組み込まれたアミノ 酸をいう。そのアミノ酸は天然のアミノ酸であり得、そして他に限定しなければ 、天然のアミノ酸と同様に機能し得る天然のアミノ酸の周知のアナログを含み得 る。 “融合タンパク質”又は分子が他の分子に“連結される”場合とは、1つのポ リペプチドのアミノ末端と他のポリペプチドのカルボキシ末端との間に形成され たペプチドを通して2又はそれ超のポリペプチドの連結により形成されたキメラ 分子をいう。融合タンパク質又は連結した分子は、その構成分子の化学的カプリ ングにより形成されるか、又は一本鎖の連続する融合タンパク質をコードする核 酸配列からの一本鎖ポリペプチドとして表現され得る。一本鎖融合タンパク質は 、一本鎖の連続したポリペプチド骨格を有する融合タンパク質である。 本明細書に用いられる“リガンド”又は“リガンド結合成分”とは、一般に、 分子を特異的に送り出し、標的細胞上のレセプターと反応し又はさもなければそ れを認識もしくはそれと結合することができる全ての分子をいう。特に、リガン ドの例は、これらに限られないが、抗体、リンホカイン、サイトカイン、レセプ タータンパク質、例えばCD4及びCD8、可溶化レセプタータンパク質、例えば可 溶性CD4、ホルモン、成長因子、及び要求される標的細胞に特異的に結合する他 のものを含む。 rOnc 由来核酸及びポリペプチドの作製 rOnc由来ポリペプチドをコードするいくつかの特定の核酸が本明細書に記載さ れる。これらの核酸は、標準的な組換え又は合成技術を用いて行うことができる 。本発明の核酸を仮定すれば、当業者は、同じポリペプチドをコードする核酸の ような機能的に等価な核酸を含む種々のクローンを作製することができる。これ らの目的を達成するためのクローニング方法及び核酸の配列を確認するための配 列決定法は当該技術で公知である。適切なクローニング及び配列決定技術の例、 並びに多くのクローニング課題を通して当業者に指示するのに十分な説明は、Be rger及びKimmel(Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymo logy volume 152 Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger));Sambrook ら((1989)Molecular Cloning‐A Laboratory Manual(2nd ed.)Vol.1-3); 並びにCurrent Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.,eds. ,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associate s,Inc.and John Wiley&Sons,Inc.,(1994 Supplement)(Ausubel))に見い出 される。生物学的試薬及び実験装置の製造元からの製品情報は、周知の生物学的 方法に役立つ情報も提供する。このような製造元は、SIGMA chemical company (Saint Louis,MO),R&D systems(Minneapolis,MN),Pharmacia LKB Biotechno logy(Piscataway,NJ),CLONTECH Laboratories,Inc.(Palo Alto,CA),Chem Genes Corp.,Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI),Glen Research,Inc .,GIBCO BRL Life Technologies,Inc.(Gaithersberg,MD),Fluka Chemica-B iochemika Analytika(Fluka Chemie AG,Buchs,Switzerland),Invitrogen,Sa n Diego,CA,及びApplied Biosystems(Foster City,CA)、並びに当業者に周知 である多くの他の商業的ソースを含む。 本発明の核酸組成物は、RNA,cDNA、ゲノムDNA、又は種々の組合せのハイブリ ッドにかかわらず、生物学的ソースから単離されるか、又は試験管内で合成され る。本発明の核酸は、形質転換又は形質導入された細胞中、形質転換又は形質導 入された細胞ライゼート中、又は部分的に精製もしくは実質的に純粋を形態で存 在する。 分子プローブとして用いるための配列を増幅するため又は後のサブクローニン グのための核酸フラグメントを形成するための試験管内増幅技術は周知である。 このような試験管内増幅法を通して当業者に指図するのに十分な技例の例、例え ばポリメラーゼ鎮反応(PCR)、リガーゼ鎮反応(LCR)、Qβ−レプリカーゼ増幅及 び他のRNAポリメラーゼ媒介技術(例えばNASBA)は、Berger,sambrookら.((198 9)Molecular Cloning‐A Laboratory Manual(2nd Ed)Vol.1-3);及びAusube l,並びにMullisら((1987)米国特許第4,683,202号;PCR Protocols A Guide to Methods and Applications((Innis et al.eds)Academic Press Inc.San Die go,CA(1990)(Innis));Arnheim&Levinson((October 1,1990)C&EN 36-47); The Journal of NIH Research((1991)3,81-94);Kwohら.((1989)Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 86,1173);Guatelliら.((1990)Proc.Natl.Acad.Sci .USA 87,1874);Lomellら.((1989 )J.Clin.Chem35,1826);Landegrenら((1988)Science 241,1077-1080);Van Brunt((1990)Biotechnology 8,291-294);Wu及びWallace,((1989)Gene 4 ,560);Barringerら.((1990)Gene 89,117)、並びにSooknanan及びMalek( (1995)Biotechnology 13:563-564)に見い出される。試験管内で増幅された核 酸の改良された方法は、Wallaceら(米国特許第5,426,039号)に記載される。 例えば試験管内rOnc核酸増幅方法において、又はrOnc核酸を検出するために核 酸プローブとして用いるためのプローブとしての使用のためのオリゴヌクレオチ ドは、典型的には、例えばNeedham-VanDevanterら((1989)Nucleic Acids Res., 12:6159-6168)に記載されるような、例えば自動合成機を用いて、Beaucage及び Caruthers((1981),Tetrahedron Letts.,22(20):1859-1862)により記載さ れる固相ホスホルアミジトトリエステル法に従って化学的に合成される。オリゴ ヌクレオチドは、注文生産され、当業者に周知の種々の商業的ソースからオーダ ーすることができる。オリゴヌクレオチドの精製は、必要なら、典型的には、Pe arson及びRegnier((1983)J.Chrom.255:137-149)に記載されるように、ネイテ ィブアクリルアミドゲル電気泳動又は陰イオン交換HPLCのいずれかにより行われ る。合成オリゴヌクレオチドの配列は、Maxam及びGilbert(1980)(Grossman and Moldave(eds.)Academic Press,New York,Method in Enzymology 65:499-56 0)の化学的デグラデーション法を用いて確認することができる。 当業者は、所定の核酸配列において要求される変換を行う多くの方法を認める だろう。このような公知の方法は、部位特異的変異誘発、縮重したオリゴヌクレ オチドを用いるPCR増幅、核酸を含む細胞の、変異誘発剤又は放射線への露出、 要求されるオリゴヌクレオ チドの化学合成(例えば大きな核酸を作り出すための連結及び又はクローニング と組合わせたもの)及び他の公知の技術を含む。Giliman及びSmith((1979)Gene 8:81-97);Robertsら.((1987)Nature 328:731-734)並びにSambrookら. ((1989)Molecular Cloning‐A Laboratory Manual(2nd Ed)Vol.1-3);Inni s,Ausbel,Berger,NeedhamVanDevanter及びMullis(全て前掲)を参照のこと 。 本発明のポリペプチドは、広範囲の公知の方法において合成で調製することが できる。比較的短い大きなのポリペプチドは、典型的には、慣用的な技術に従っ て、溶液又は固体支持体内において合成される。例えば、Merritield((1963)J. Am.Chem.Soc.85:2149-2154)を参照のこと。種々の自動合成機及びシーケン サーが市販されており、周知のプロトコルに従って用いることができる。例えば 、Stewart及びYoung((1984)Solid Phase Peptide Synthesis,2d.ed.Pierce Chemical co)を参照のこと。ポリペプチドは、そのポリペプチドをコードする 核酸の組換え発現、及びその後の標準的技術を用いる精製により製造することが できる。 本発明の核酸及びポリペプチドの保存的改変物の作製 当業者は、開示される配列の多くの保存的変異が実質的に同一のrOncを生産す ることを認めるであろう。例えば、遺伝コードの縮重のため、“サイレント置換 ”(即ちコードされたポリペプチドにおいて変化を生じない核酸配列の置換)は 、アミノ酸をコードする各々の核酸配列の内在する特徴である。同様に、アミノ 酸配列における1又はいくつかのアミノ酸が高い類似特性で異なるアミノ酸で置 換されている保存的アミノ酸置換(定義セクション、前掲を参照のこと)は、開 示されるアミノ酸配列と、又はアミノ酸をコードする開示される核酸配列と高い 類似性を有するとしても直ちに同定され る。このように保存的に置換された(又は改変された)各々の明らかに開示され た配列の変異は本発明の特徴である。 当業者は、所定の核酸配列において要求される変換を行う多くの方法を認める だろう。このような公知の方法は、部位特異的変異誘発、縮重したオリゴヌクレ オチドを用いるPCR増幅、核酸を含む細胞の、変異誘発剤又は放射線への露出、 要求されるオリゴヌクレオチドの化学合成(例えば大きな核酸を作り出すための 連結部及び又はクロ−ニングと組合わせたもの)及び他の公知の技術を含む。Gi liman及びSmith((1979) Gene8:81-97);Robertsら.((1987)Nature 328: 731-734)並びにSambrook,らInnis,Ausbel,Berger,Needham VanDevanter及 びMullis(全て前掲)を参照のこと。 最も一般的には、ポリペプチド配列は、対応する核酸配列を変化させ、そのポ リペプチドを発現させることにより変えられる。しかしながら、ポリペプチド配 列は、任意に、いずれかの要求されるポリペプチドを作り出すために、市販のペ プチド合成機を用いて合成して作られる(Merrifield,並びにStewart及びYoung 、前掲を参照のこと)。 当業者は、供される配列及びリボヌクレアーゼ全般に関する当該技術の知識に 基づいて本発明の要求される核酸又はポリペプチドを選択することができる。RN aseの物理的特徴及び一般的特性は当業者に周知である。RNaseにおける特定の変 異の特定の効果は周知である。更に、タンパク質及び核酸の性質に関する一般的 知識により、当業者は、本明細書に列記される配列において開示される核酸及び ポリペプチドに類似した又はそれと等価な活性を有する適切な配列を選択するこ とができる。本明細書の定義セクションは、典型的な保存性アミノ酸置換を記載 する。 最後に、核酸及びポリペプチドへのほとんどの改変は、要求され る特徴のための適切なアッセイにおける慣用的なスクリーニング技術により評価 される。例えば、ポリペプチドの免疫学的特徴における変化は、適切な免疫学的 アッセイによって検出することができる。他の特性、例えば標的核酸への核酸ハ イブリダイゼーション、タンパク質の酸化還元もしくは熱的安定性、熱的ヒステ リシス、疎水性、タンパク質分解に対する感受性、又は凝集する傾向は、全て標 準的技術に従ってアッセイされる。 rOnc 融合タンパク質及び他の治療成分 rOnc分子は、種々の薬理剤を含む薬理剤又はカプセル化システムも含み得る。 それらは、典型的には、要求される細胞にrOncを向けるための標的化分子として 機能するためのリガンドを含むであろう。rOncは、rOncを送り出すのを助けるで あるリガンド又はアンチセンス分子に直接、結合させることができる。例えば、 配列番号:40−61を参照のこと。rOncは、細胞内でrOncを方向づけるために、配 列番号:32(及び配列番号:31)のアミノ酸位置1〜7に記載されるもののよう な核局在化シグナル(“NLS”)を含むように処理することもできる。あるいは 、配列番号:31の位置8のMet及び位置22−24の対応する核酸が省略されており 、又は省略することができる。NLSについての核酸配列は、配列番号:31の核酸 1−21である。シグナルペプチドは、配列番号:63のアミノ酸位置1−25にも例 示される。 rOnc分子は遺伝子治療の適用に独特に適用される。それらは、他の治療剤に融 合させることができ、例えばそれらは抗B細胞リンパ腫抗体に融合させることが できよう。例えば、以下により詳細に説明されるであろうように、抗トランスフ ェリンレセプター抗体又は抗結腸癌抗体に組換えで融合したrOnc分子は活性であ った。上述の通り、nOncは、生体内で抗腫瘍効果を有し、血清又はrasのような 成長促進剤により刺し殺された迅速に分割する細胞を優先的に殺す。その分子は 、細胞内で直ちにインターナライズされる。それらの活性は、細胞内で分子を方 向づけるために、核局在化シグナル等にそれらを連結することにより、更に容易 にすることができる。腫瘍細胞における特別の使用は、酵素をRNaseによるデグ ラデーションにしむけるテロメラーゼを標的化することであろう。 我々は、マイクロインジェクション研究においてOncがrasと共同作用すること を見い出した。これは、Onc及びrasが細胞内で一緒でなければならないことを意 味する。Oncは、それ自体の経路を経て細胞に入った時にrasと共同作用しない。 CAAX(配列番号:33)モチーフは、形質膜においてrasを局在化するために必要 とされる。(C=Cys,A=脂肪族アミノ酸、X=S,M,C,A、又はQ、一例 はCys-Val-Ile-Met(配列番号:34)である)。重要なのは、この型の配列は、異 種タンパク質を形質膜に標的化することが示されていることである(Hancock,J. ,Cadwallader,K.,Paterson,H.及びC.Marshall(1991)EMBOJ.10:4033)。 実施例で供されるようなCAAX(配列番号:33)シグナル、又は以下に記載される ようなKDELをコードするDNAにrOnc遺伝子を連結することが要求されるであろう 。 テロメラーゼは、“普遍的癌標的”として研究されている(G.B.Morin,JNC I.(1995)87:859)。それは、核の中に位置するRNAタンパク質である。テロ メラーゼRNAに対するアンチセンスは、その酵素の機能を阻害し、癌細胞の増殖 をブロックすることができることが示されている(J.Fengら、Science(1995) 269:1236)。RNaseは、酵素の活性も破壊することができる。Oncは、テロメラ ーゼを含む細胞抽出液とインキュベートした場合、酵素の活性を破壊することも できる。(配列番号:32に示されるような)NLS/ Onc分子は、それがテロメラーゼを分解できるようにOncを核に導くために作製す ることができる。我々の用いるNLSは、核の抗原の機能を妨害する目的のため、 タンパク質を核に再び向かわせることが示されている(S.Bioca,M.S.Neuber ger and A Cattaneo,(1990)9:101)。我々のNLS/Onc分子は細胞を殺すのに 有効である。 その組換え分子のアミノ末端配列は、標的細胞のサイトソルへ分子を転移され るのに要求される場合に好ましい。このようなシグナルペプチドは、典型的には 、タンパク質のアミノ末端に挿入される。例えば、(Metの後の)本明細書に記 載される組換え分子の最初のアミノ酸はKDEL(配列番号:64)であり得、そして その分子を小胞体にシグナルを送るのを達成するであろう。本明細書に“内質保 持配列”として言及されるKDEL,KDELの繰返し、又はタンパク質を小胞体内に維 持し、又はリサイクルするよう機能する他の配列を用いることができる。 任意に、リガンドに結合したrOnc分子は、カプセル化システム、例えば更なる 治療組成物、例えば好ましくは循環系への直接的露出からシールドされた薬剤、 核酸(例えばアンチセンス核酸)、又は他の治療成分を含むリポソーム又はミセ ルを含み得る。抗体に結合したリポソームを調製する手段は当業者に公知である 。例えば米国特許第4,957,735(Connorら、Pharm.Ther.,28:341-365(1985) を参照のこと。 当業者は、リガンド分子又は他の治療構成物及びrOnc分子かいずれかの順番で 一緒に連結され得ることを認めるであろう。これにより、リガンドがポリペプチ ドである場合、rOncはそのリガンドのアミノもしくはカルボキシ末端のいずれか に連結され得、又はその結合が分子の各々の活性を妨害しない限り、いずれかの 分子の内部領 域に連結され得る。 その分子は、当業者に公知であるいくつかの手段のいずれかにより結合させる ことができる。典型的には、rOncは、リガンドに、直接的に又はリンカー(スペ ーサー)を通してコンジュゲートされるであろう。しかしながら、rOnc及びリガ ンド又は他の治療剤の両方がポリペプチドであるなら、一本鎖融合タンパク質と してキメラ分子を組換え発現するのが好ましい。 一実施形態において、rOnc分子は他の分子(例えばサイトトキシン、ラベル、 リガンド、又は薬剤もしくはリポソーム)に化学的にコンジュゲートされる。分 子を化学的にコンジュゲートする手段は当業者に公知である。 剤を抗体又は他のポリペプチド標的化分子に結合させるための手順は、その剤 の化学構造により種々であろう。ポリペプチドは、典型的には、種々の官能基; 例えば他の分子をそれに結合するrOnc分子上の適切な官能基との反応のために利 用できるカルボン酸(COOH)又は遊離アミン(−NH2)基を含む。 あるいは、リガンド及び/又はrOnc分子は、更なる反応性官能基を露出し又は それに結合するために誘導化することができる。その誘導化は、いくつかのリン カー分子のいずれか、例えばPierce Chemical Company,Rockford.Illinotsか ら利用できるものの結合に関連し得る。 本明細書に用いられる“リンカー”は、2つの分子を連結するのに用いられる 分子である。そのリンカーは、両方の分子に共有結合を形成することができる。 適切なリンカーは当業者に公知であり、これらに限定されないが、直鎖もしくは 分枝鎖炭素リンカー、ヘテロ環式リンカー、又はペプチドリンカーを含む。両方 の分子がポリペプチドである場合、そのリンカーは、それらの側鎖を通して(例 えばシステインへのジスルフィド結合を通して)構成アミノ酸に連結され得る。 しかしながら、好ましい実施形態において、リンカーは、末端アミノ酸のα炭素 原子及びカルボキシル基に連結されよう。 特定の剤上の基と反応性のある1の官能基、及び抗体と反応性のある他の基を 有する二種官能性リンカーを、要求されるイムノコンジュゲートを形成するのに 用いることができる。あるいは、誘導化は、リガンドの化学的処理、例えば遊離 アルデヒド基を作り出すためのペルイオデートでのグリコプロテイン抗体の糖成 分のグリコール開裂を含み得る。抗体上の遊離アルデヒド基は剤に結合するため の剤上の遊離アミン又はヒドラジン基と反応し得る(米国特許第4,671,958号を 参照のこと)。抗体又は抗体フラグメントのようなポリペプチド上の遊離スルフ ヒドリル基を形成するための手順も周知である(米国特許第4,659,839号を参照 のこと)。 放射性核種金属キーレート剤、毒素及び薬剤を含む種々の化合物の、抗体のよ うなタンパク質への結合のための多くの手順及びリンカー分子が周知である。例 えば、引用により本明細書に組み込まれる欧州特許出願第188,256号;米国特許 第4,671,958、4,659,839、4,414,148、4,699,784;4,680,338:4,569,789;及び 4,589,071号;並びにBorlinghausら(Cancer Res.47:4671-4075(1987)を参 照のこと。特に、種々のイムノトキシンの生産は当該技術において公知であり、 例えば引用により本明細書に組み込まれる“Monoclonal Antibody-Toxin Conjug ates:Aiming the Magic Bullet,”(Thorpeら.,Monoclonal Antibodies in Cli nical Medicine,Academic Press,pp.168-190(1982)),Waldman(Science,25 2:1657(1991)、米国特許第4,545,985号及び4,894,443号において見い出すこ とができる。 特定の環境において、キメラ分子がその標的部位に達した時にリガンドからrO ncを遊離することが要求される。それゆえ、標的部位の近傍において開裂する結 合を含むキメラコンジュゲートは、そのエフェクターが標的部位において遊離さ れる場合に用いることができる。リガンドから剤を遊離するための結合の開裂は 、酵素活性又はイムノコンジュゲートが標的細胞の内側又は標的部位の近傍のい ずれかにおいてさらされる条件により刺し殺され得る。標的部位が腫瘍であるな ら、腫瘍部位において存在する条件下で開裂可能であるリンカー(例えば腫瘍関 連酵素又は酸性pHに露出された場合)を用いることができる。 いくつかの異なる開裂性リンカーが当業者に知られている。米国特許第4,618, 492号;4,542,225号、及び4,625,014号を参照のこと。これらのリンカー基から の剤の遊離のためのメカニズムは、例えば、光不安定性結合の照射及び酸触媒性 加水分解を含む。米国特許第4,671,958号は、例えば、患者の補足システムのタ ンパク質分解酵素により生体内で標的部位で開裂されるリンカーを含むイムノコ ンジュゲートの記載を含む。種々の放射性診断化合物、放射性治療化合物、薬剤 、毒素、及び他の剤を抗体に結合させることについて報告されている多数の方法 に関して、当業者は、抗体又は他のポリペプチドに所定の剤を結合するための適 切な方法を決定することができるであろう。 rOnc 分子又は融合タンパク質の生産 関心の分子が比較的小さい(即ち約50アミノ酸未満)場合、それらは標準的な 化学的ペプチド合成技術を用いて合成することができる。関心の2つの分子が比 較的短い場合、そのキメラ分子は一本鎖の連続ポリペプチドとして合成すること ができる。あるいは、その分子は、別個に合成して、次に1つの分子のアミノ末 端の、他方の 分子のカルボキシ末端との縮合によりペプチド結合を形成することにより融合さ せることができる。あるいは、その分子は、各々ペプチドスペーサー分子の一端 と縮合させて連続した融合タンパク質を形成することができる。 配列のC末端アミノ酸が不溶性支持体に結合され、次にその配列の残りのアミ ノ酸が連続的に付加される固相合成法が、本発明のポリペプチドの化学的合成の ための好ましい方法である。固相合成のための技術は、引用により本明細書に組 み込まれるBarany及びMerrifield(Solid-Phase Peptide Synthesis;pp.3-284 in The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology.Vol.2:Special Methods in Peptide Synthesis,Part A.,)Merrifield,ら.(J.Am.Chem.Soc.,85:2 149-2156(1963)),並びにStewartら,(Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed .Pierce Chem.Co.,Rockford,III.(1984))に記載される。 好ましい実施形態において、本発明のキメラ融合タンパク質は、組換えDNA法 を用いて合成される。一般に、これは、融合タンパク質をコードするDNA配列を 作り、特定のプロモーターの制御下で発現カセット中にそのDNAをおき、宿主内 でそのタンパク質を発現させ、その発現したタンパク質を単離し、そして必要に 応じてそのタンパク質を再生することに関する。 本発明の融合タンパク質をコードするDNA及びrOnc分子自体は、いずれかの適 切な方法、例えば適切な配列のクローニング及び制限、又は全て引用により本明 細書に組み込まれるNarangら(Meth.Enzymol.68:90-99(1979))のホスホトリ エステル法;Brownら,(Meth.Enzymol.68:109-151(1979))のホスホジエステ ル法;Beaucageら(Tetra.Lett.,22:1859-1862(1981))のジエチルホスホルア ミジト法及び米国特許第4,458,066号の固体支持体法のよう な方法による直接的化学合成により調製することができる。 化学的合成は、一本鎖オリゴヌクレオチドを作り出す。これは、相補的配列と のハイブリダイゼーションにより、又はテンプレートとして一本鎖を用いてDNA ポリメラーゼでの重合化により、二本鎖DNAに転化することができる。当業者は 、DNAの全体の化学合成が約100塩基の配列に制限されるが、短い配列の連結によ りより長い配列を得ることができることを認めるであろう。 あるいは、サブ配列はクローンすることができ、適切なサブ配列は、適切な制 限酵素を用いて開裂することができる。次にそのフラグメントを連結して要求さ れるDNA配列を作ることができる。 好ましい実施形態において、本発明の融合タンパク質又はrOnc分子をコードす るDNAは、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)のようなDNA増幅法を用いてクローンするこ とができる。2分子が一緒に連結されるなら、当業者は、その分子が1又は複数 のアミノ酸からなるペプチドスペーサーにより分離することができることを認め るだろう。一般に、スペーサーは、タンパク質を連結すること又はそれらの間の 特定の距離又は他の空間的関係を保護すること以外に特定の生物活性を有さない であろう。しかしながら、そのスペーサーの構成アミノ酸は、ホールディング、 正味の電荷、又は疎水性のような分子の特定の特性に影響を与えるように選択す ることができる。 rOnc分子又は融合タンパク質をコードする核酸配列は、種々の宿主細胞、例え ば大腸菌、他のバクテリア宿主、イースト、及び種々の高等真核細胞、例えばCO S,CHO及びHeLa細胞系及びミエローマ細胞系において発現させることができる。 組換えタンパク質遺伝子に、各々の宿主のための適切な発現調節配列に作用的に 結合されるであろう。大腸菌について、これは、プロモーター、例えばT7,tr p、又はラムダプロモーター、リボソーム結合部位及び好ましくは 転写終了シグナルを含む。真核細胞について、調節配列は、プロモーター及び好 ましくは、イムノグロブリン遺伝子、SV40、サイトメガロウィルス等由来のエン ハンサー、並びにポリアデニル化配列を含むであろう。そしてそれはスプライス ドナー及びアクセプター配列を含み得る。 本発明の発現ベクター又はプラスミドは、公知の方法、例えば大腸菌について 塩化カルシウム形態転換及び哺乳動物細胞についてリン酸カルシウム処理又はエ レクトロポレーションにより、所定の宿主細胞に移すことができる。プラスミド により形質転換された細胞は、プラスミド上に含まれる遺伝子、例えばamp,gpt ,neo及びhygにより供される抗生物質に対する耐性により選択することかできる 。 発現された後、組換えrOnc又は融合タンパク質は、当該技術の標準的手順、例 えば硫酸アンモニウム沈澱、アフイニティーカラム、カラムクロマトグラフィー 、ゲル電気泳動等(全般的に、R.Scopes,Protein Purification,Springer-Ve rlag,N.Y.(1982),Deut scher,Methods in Enzymology Vol.182:Guide to Protein Purification.,Academic Press,Inc.N.Y.(1990)を参照のこと) に従って精製することができる。少なくとも約90〜95%の均一性の実質的に純粋 な組成物が好ましく、98〜99%又はそれ超の均一性が医薬として用いるために最 も好ましい。精製した後、次に、部分的に又は要求される均一性まで、ポリペプ チドは治療に用いることができる。 従って、本発明は、上述の核酸配列を含む宿主細胞及び発現ベクターも提供す る。 更に、本発明は、本発明の選択的細胞毒性試薬を作るために、リガンドに連結 したrOncを用いて細胞を選択的に殺す方法を含む。そ の方法は、殺されるべき細胞に試薬を特異的に送り出すリガンドを有する本発明 の細胞毒性試薬に、殺すべき細胞を接触させることを含む。この本発明の方法は 、例えば、移植片対ホストの病気を引きおこすであろう白血病細胞又はT細胞を 殺すために、放射により骨髄剥離を患う患者への移植の前に骨髄において、不要 な細胞の型を選択的に殺すことにより試験管内で細胞分離を行うために用いるこ とができる。 試験管内での使用の方法について、好ましくは、この方法に用いられる試薬の 哺乳動物タンパク質は、その試薬が使用を意図する種に対して異種である。好ま しくは、ヒトにおける使用のために、細胞毒性試薬は、ヒトに適応させたキメラ 抗体及びヒトに適応させたrOncを含む融合タンパク質である。本発明の特定の生 体内方法は、哺乳動物において癌を化学治療的に緩和する方法であって、細胞毒 性の量の本発明による選択的細胞毒性試薬を投与することを含む方法を含む。そ の方法は、特に、細胞毒性試薬にセンシティブな腫瘍を治療するのに役立つ。特 定の関心の腫瘍は、膵臓、直腸胸及び腎臓腫瘍を含む。 医薬組成物 rOnc分子及び本発明のそれらを用いる融合タンパク質は、診断及び/又は治療 処置のために、エーロゾルにより又は経皮により、非経口的、局所的、経口的、 又は局所的投与のために役立つ。その医薬組成物は、投与の方法により種々の単 位投与形態で投与することができる。例えば、経口投与に適した単位投与形態は 、粉末、錠剤、丸剤、カプセル及びロゼンジを含む。本分子及び融合タンパク質 、並びに本発明の医薬組成物は、経口的に投与した時に消化から保護されなけれ ばならないことが認められる。これは、典型的には、そのタンパク質を、酸及び 酵素加水分解に対してそのタンパク質を 耐性にする組成物と複合化することにより、又はそのタンパク質を、リポソーム のような適切な耐性担体中に充填することにより達成される。タンパク質を消化 から保護する手段は当該技術で公知である。 本発明の医薬組成物は、静脈内投与又は体腔もしくは器官のルーメン内への投 与のような非経口的投与について特に役立つ。投与のための組成物は、一般に、 医薬として許容される担体、好ましくは水性担体中に溶かしたキメラ分子の溶液 を含むであろう。種々の水性担体、例えば緩衝塩類溶液等を用いることができる 。これらの溶液は滅菌状態であり、一般に不要な物質を含まない。これらの組成 物は、慣用的な公知の滅菌技術により滅菌することができる。その組成物は、適 切な生理条件に必要とされるような医薬として許容される補助剤、例えばpH調節 及び緩衝剤、毒性調節剤等。例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カ リウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含み得る。これらの製剤中の治療 分子の濃度は極めて広範囲であり得、選択された投与の特定の態様及び患者の必 要に従って、主に流体容量、粘度、体重等から選択されよう。 これにより、静脈内投与のための典型的な医薬組成物は、1日当り患者当り約 0.1〜10mgであろう。1日当り患者当り0.1から約100mgまでの投与量が、特にそ の薬剤を血液内でなく隔離した部位、例えば体腔又は器官のルーメン内に投与す る時に用いることができる。非経口投与可能な組成物を調製するための実際の方 法は当業者に周知又は明らかであろうし、Remington's Pharmaceutical Science ,15th ed(Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania(1980)のような 出版物により詳細に記載される。 本rOnc分子もしくは融合タンパク質又はその混合物(即ち他のタンパク質との 混合物)を含む組成物は、治療処置のために投与する ことができる。治療的適用のために、組成物は、関心の細胞を殺すのに十分な量 である細胞毒性量で、病気を患う患者に投与される。これを達成するのに適した 量は、“治療に有効な投与量”として定義される。これに有効な量は病気の厳し さ及び患者の健康の全般的状態によるであろう。 本組成物の単一又は多重の投与を、その投与量並びに患者により必要とされ許 容される頻度により、行うことができる。いずれの場合にも、本組成物は患者を 有効に治療するのに十分な量の本発明のタンパク質を供するべきである。 本明細書に言及される全ての特許、出願及び出版物は引用により本明細書に組 み込まれる。以下の実施例は詳説目的のために供され、いずれかの方法によって 本発明を限定するものとして解釈すべきでない。 実施例 実施例1 rOnc及びEDNとのOncコンジュゲートのクローニング及び発現 A.材料 (1991)J.Biol.Chem.256,245-251)及び組換えヒトEDN(“rEDN”)(配列 番号:9)(Newtonら(1994)J.Biol.Chem.269,26739-26745)を、各々記載 されるようにラナ・ピピエンス卵母細胞(NASCO,Fort Atklnson,WI)及び大腸 菌から精製した。変性させたタンパク質に対する抗体を、Assay Research,Inc .(College Park,MD)により精製した。PCR及びPCR産物の直接的クローニング を行うための試薬をPerkin-Elmer Corp.(Norwalk,CT)及びInvitrogen(San Di ego,(A)から各々得た。リボヌクレアーゼアッセイの ための基質を、Sigma(St.Louis,MO)及びBoehringer Mannheim(Indianapolis ,IN)から購入した。その作製及び組換えタンパク質の発現に用いる材料及びそ れらのソース並びに網状赤血球ライゼートは、Newtonら(Biochemistry 35:545 (1996)に記載される。 B.オンコナーゼのPCRクローニング ラナ・ピピエンスゲノムDNAを、プロテインキナーゼKを用いて標準的手順に 従って単離した(Maniatis,T.,Fritsch,E.F.&Sanbrook,J,Molecular Clo ning,a laboratory manual(Cold Spring Harbor,Laboratory,Cold Spring H arbor,New York,1982)。一連の縮重プライマーを、公開させたnOnc配列の種 々の領域中のアミノ酸に対応するようにデザインした(Ardeltら(1991)J.Biol .Chem.256,245-251)。そのPCR反応を、100μl中15μgのゲノムDNAを用い て、製造元の説明に従って行った。DNAを除く全ての試薬を組み合わせ、8分間 、95℃でインキュベートして、TagDNAポリメラーゼを加える前にいずれの残った プロテインキナーゼKも不活性化した。94℃、1分の変性、55℃、2分のアニー リング、及び72℃、2分のプライマー伸長の40サイクルについてPCRを行った。 いくつかのプライマーの対により、予想される大きさの産物を供した。最も大き な産物(252bp)は、アミノ酸残基15-23(AG(GA)GATGT(GT)GATTG(TC)GATAA(CT)ATCA TG)(配列番号:35)をコードする正プライマー及びアミノ酸残基90-98(TGTGA(A G)AA(CT)CAGGC(AC)CC(TA)GT(GT)CA(CT)TTT)(配列番号:36)をコードする逆プ ライマーを用いて得た。このフラグメントをTAクローニングによりpCRTMIIにサ ブクローンし、適切な大きさの挿入物を有するクローンを通接配列決定し、nOnc のアミノ酸残基16−98(“Rana9”)(配列番号:2)をコードすることが見い 出された。対応する核酸配列を配列番号:37に示す。 C.プラスミド作製、発現、タンパク質精製及び試験管内アッセイ nOncのN−及び−C−末端を、nOncのアミノ酸残基1−15又はN末端における EDNのアミノ酸残基1-21及びC末端におけるnOncのアミノ酸残基99−104でのオー バーラップ伸長(Hortenら(1990)Biotechniques 8,528-532)によるスプライ シングのPCR技術を用いて再構成した。そのアセンブルした遺伝子を、バクテリ ア発現ベクターpET-lld(Novagen,Madison,WI)のXbaI及びBamHI部位の間に挿入 した。全ての手順は、本質的にNewtonら((1994)J.Biol.Chem.269,26739-267 45)に記載されるように行った。供給元(Novagen,Medison WI)により推奨され るように、BL21(DE3)大腸菌細胞内でプラスミドを発現させた。その融合タン パク質を(M−Sephadex C−50カラム(Pharmacia Biotech Inc.,Piscataway ,NJに適用する前にNewtonら((1994)J.Biol Chem.269,26739-26745に記載さ れるように封入体から単離し、変性し、そして透析した。そのタンパク質を、10 %グリセロールを含む20mM Tris-HCl,pH7.5中NaCl勾配10-0.5μ)で溶出した。 95%超への最終的精製を、平衡化したSephadey G−100上で5%ギ酸で溶出する サイズ排除クロマトグラフィーにより行った。そのタンパク質をプールし、YM3 膜(Amicon,Beverly,MA)を用いるアミコン限外ろ過により濃縮(又は凍結乾燥 )し、アッセイする前に、10%グリセロールを含む20mM Tris-HCl,pH7.5に対し て透析した。 高分子量RNA及びtRNAを用いるリボヌクレアーゼ活性を、公開されたプロトコ ル(Newtonら(1996)Biochem.35:545-553)に従う過塩素酸可溶性ヌクレオチド の形成を通して37℃で、公開されたプロトコル(Newtonら、(1994)J.Neurosci 14,538-544)に従って決定した。ポリ(A,C),UpG及びポリUで、DePriscoら, 並びにLibo nati及びFlorida Depriscoら.(1984)Biochimica et Biophysica Acta 788,3 56-363,Libonati,M.&Floridi,A.(1969)European J.Biochem.8,81-87に 従って、リボヌクレアーゼ活性を分光光度測定でアッセイした。要約すると、26 0nmでの吸光度の増加を測定することにより活性をアッセイした。インキュベー ション混合物(1mlの10mMイミダゾール、0.1M NaCl,pH6.5又はpH7)は、25℃に おいて基質及び適切な量の酵素を含んでいた。3−(4,5−ジメチルチアゾー ル−2−イル−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド;チアゾリルブル ー〕(MTT)(Mossman,T.(1983)は、Immunol Method 65,55-63)を用いる試験 管内翻訳アッセイ(St.Clalrら(1987)Proc.Natl.Acad.Scl.84,8330-8334) 、及び細胞生存アッセイ(Pearsonら、(1991)J.Natl.Cancer Inst.83,1386 -1391)を上述の通り行った。 D.〔Met−(−1)〕rOnc及びrOncキメラのクローニング及び発現 8の異なるオリゴヌクレオチドプライマーを、nOncの一次アミノ酸構造内の特 定領域に対応するようにデザインし(Ardeltら((1991)J.Biol.Chem.256,245 -251)、ラナ・ピピエンスゲノムDNAの増幅を、上述の通り熱的サイクラー内で行 った。nOncのアミノ酸残基15〜23及び90〜98に対応する各々のプライマー対は25 2bpフラグメントを形成した。本明細書でラナ・クローン9と呼ぶこのPCR産をpC RTMII内にクローン化し、配列分析により、そのPCR産物がアミノ酸残基16〜98か らのOnc(全部で104アミノ酸)をコードすることを確認した(図1)。 全体の組換えOnc(“rOnc”)遺伝子(配列番号:38)を、PCR伸長により作製し 、上述の方法を用いて発現ベクターにクローン化した(Newtonら(1994)J.Biol .Chem.269,26739-26745)。rOncの アミノ及びカルボキシ末端を、各々nOncの最初の15及び最後の6アミノ酸を挿入 して完成させた。半合成rOnc遺伝子の配置を図2Aの上に示す。そのプライマー を、ラナ・クローン9PCR産物のDNA配列とオーバーラッブするようデザインした 。そのプラスミドをBL21(DE3)大腸菌内で発現させ、組換えタンパク質を、CM Sephadex C−50カラムに適用する前にNewtonら((1994)J.Biol.Chem.26 9,26739-26745に記載されるように封入体から単離した。サイズ排除クロマトグ ラフィーにより95%超までの最終的精製を達成した。この発現システムにおいて バクテリアから得たrOncは、ネイティブタンパク質(配列番号:1)の真のピロ グルタミンアミノ酸残基(<Glu-1)と対照的に、アミノ末端の〔Met−(−1 )〕において付加的なメチオニンを含む(配列番号:9)。 活性部位残基のアラインメントを維持しながら〔Met−(−1)〕rOncをヒト に適合させるために(図2B)、ラナ・クローン9のN末端も、ヒト好酸球RNas e,EDNの最初の21アミノ酸残基(図2B,rEDN(1-21)Onc)をコードするオリゴヌ クレオチドで再構成した。PCRクローニングは配列誤差を生じ得る。実際、EDN(1 -21) Oncをコードする遺伝子のDNA配列は、AからGへの置換を含んでおり、それ はキメラ(nOnc中残基20)において位置26のAspからGlyへの変化を生じ、図2B においてrEDN(1-21)rOncG26としてデザインされる。コード化rEDN(1-21)rOncを 含む他のプラスミドを配列決定し、正確なDNA配列を有することを見い出した。 その変異は、電界のあるアミノ酸の小さな中性残基での置換を生ずるので、その 変異キメラも発現し、活性についてキヤラクタライズした。更に、〔Met−(− 1)〕rOncを位置20においてAspからGlyに変異させた(rOncGly20、図2A及び B)。 E.Onc,EDN、〔Met−(−1)〕rOnc及びハイブリッドrOncタ ンパク質のリボヌクレアーゼ活性 nOnc(Lin,J.J.ら(1994)Biochem.Biophys,Res.Commun.204,156-162) 及びEDN(Saxenaら(1992)J.Biol.Chem.267,21982-21986)の両方は、それら の各々の核分解活性に依存するメカニズムによりウサギ網状赤血球ライゼート内 の試験管内翻訳の潜在的インヒビターである。表1に示すように、ウサギ網状赤 血球ライゼートへのnOnc又はEDNの添加は、〔35S〕メチオニンの酸沈澱性タン パク質への組込みにより測定されるようなタンパク質合成の阻害を引きおこした 。nOnc及びEDNの両方は各々に0.2及び1.3ng/mlのIC50で、タンパク質合成を阻 害したので、〔Met−(−1)〕rOnc、〔Met−(−1)〕rOncG20、及びrEDN(1 -21) 、rOncG26はかなり小さい能力であった(各々98,28及び28ng/mlのIC50) 。このアッセイにおける最少の活性のRNaseは1600ng/mlのrEDN(1-21)rOncであ った。脂質リボヌクレアーゼインヒビター(PRI)はEDNに堅く結合し、その酵素活 性を阻害する(Sorrentinoら(1992)J.Biol.Chem.267,14859-14865)が、そ のEDN及び膵臓RNaseスーパーファミリーの他のメンバーとの相同性にかかわらず 、nOnc活性はPRIによりほとんど影響を受けない(Wu,Y.Nら(1993)Journal o f Biological Chemistry 268,10686-10693及び表1)。この点に関してrEDN(1- 21) rOncの活性は、nOncと同様に、ほとんどPRIにより影響を受けず、他方Gly変 異を有するハイブリッドRNaseは、その活性がPRIにより大きく阻害される(21倍 )点においてEDNと同様にふるまう。 これらのタンパク質のリボヌクレアーゼ活性を、高及び低分子量基質を用いる アッセイにおいても評価した。表2に示すように、EDN及びnOncは、先に公開さ れた結果(Ardeltら.(1991)J.Blol.Chem.256,245-251,Sorrentinoら.(19 92)J.Biol.Chem.267, 14859-14865,Ardeltら.(1994)Proteln Sci 3,Suppl.1,137)と一貫して異 なる基質特異性を有する。表1に供される結果で一貫して、〔Met−(−1)〕r Onc(配列番号:39)及びrEDN(1-21)rOncは、全ての基質で極めて小さな活性で あった(用いてアッセイ条件下で検出できないか又は極めて小さい活性)。驚く ことに、ハイブリッドタンパク質を含むGlyは、特にEDN酵素活性について最適な 条件下で、大きなリボヌクレアーゼ活性を示した。EDNは中性pHにおいてより活 性であり(Sorrentinoら(1992)J.Biol.Chem.267,14859-14865)、表2に見 られるように、pH6と比較してpH7.5においてtRNAのEDNデグラデーションの著し い増加があった(42.3倍)。また、EDNと同様に、Gly含有ハイブリッドは6から 7.5へのpHシフトで活性が増加し(21.7倍)、他方nOncは6〜6.5の範囲の至適pH で、一貫してpH7.5で活性を失った(Ardeltら(1991)J.Blol.Chem.256,245 -251,Ardeltら(1994)Protein Sci 3,Suppl.1,137)。Gly含有ハイブリッド タンパク質の増強されたEDN様活性は、EDNのための優れた基質であるポリ(A, C)でのそのふるまいによっても証明される。表2で見ることができるように、 rEDN(1-21)rOncG26のみがこの基質でEDNの酵素活性の約50%を示し、他方他のR Naseの活性は無視できるものである。ポリ(U)でも同様の結果が観察された。 対照的に、最適なオンコナーゼ(Onconase)基質であるUpGではrEDN又はrEDN(1- 21) rOncG26の活性は検出できなかった(Ardeltら(1994)Protein Sci 3,Supp l.1,137)。要約すると、〔Met−(−1)〕rOnc及びrEDN(1-21)rOncの両方は nOnc又はrEDNより小さい酵素活性である。rEDN(1-21)rOncG26は、所定の基質及 びEDNのための最適の条件を用いてアッセイした時、大きなEDN様酵素活性を示す が、それはいずれのアッセイにおいてもEDNほど活性ではない、これは、減ぜら れた酵素基質相互 作用から、又はこのハイブリッド酵素のためのサブ最適アッセイ条件の使用から 生じ得るのであろう。 表1. PRIの存在又は欠如下でのrEDN又はnOncと比較したウサギ網状赤血球 ライゼート中での〔Met−(−1)〕rOnc又はハイブリッドタンパク質の活性 aIC50は、ウサギ網状赤血球ライゼート中で50%だけタンパク質合成を阻害す るのに必要なタンパク質の濃度である。データーは、少なくとも3回のアッセイ の平均からのものである。 表2.異なる基質でのRNaseの活性 aRNase活性は、過塩素酸可溶性ヌクレオチドの形成により定量 した。unitは、アッセイの直線的部分の傾斜から計算した分当りのA266の変化 量として定義される。各々の値は別個の実験の2〜3回のアッセイの平均値であ る。b分光光度測定アッセイは、Materials and Methodsに記載されるDepriscoら( 1984)並びにLibonati及びFloridら(1969)に従って行った。unitは、アッセイ の直線部分の傾斜から計算した分当りのA260の変化量として定義される。各々 の値は2又はそれ超の測定の平均値である。 c〔Met−(−1)〕rOncG20は検出可能な活性を有さなかった。 F. RNaseによる4つのヒト腫瘍細胞系におけるタンパク質合成の阻害 〔Met−(−1)〕rOnc及び2つのハイブリッドRNaseの細胞毒性効果を、MTT アッセイを用いて細胞生存性を測定することによりrEDN及びnOncと比較した。図 3に示すように、nOncは全ての4つのヒト腫瘍細胞系において腫瘍細胞生存性を 減少させた。示される濃度において、rEDNはいずれの細胞系の生存性にも効果を 有さなかった。nOncと対照的に、〔Met−(−1)〕rOnc及び〔Met−(−1)〕 rOncG20は一貫して、全ての4つの細胞系において毒性が少なかった。しかし、 rEDN(1-21)rOncG26は、ヒト腎臓癌細胞であるACHNにおいてnOncより細胞毒性で あり、ヒト乳癌細胞系のMDA−MB−231において等しく細胞毒性であった。rEDN(1 -21) rOncG26はSF−539及びHS 578Tヒトグリオーム並びに乳癌細胞系各々にお いてnOncより活性がなかった。それはなお、位置26にAsnを含む〔Met−(−1) 〕rOnc又はrEDN(1-21)rOncタンパク質より活性であった。 G.ハイブリッドRNaseの構造分析 ハイブリッドRNaseのモデリングは、Oncについての構造のアラ インメント(Mosimann S.C.,Ardelt W.,James M.N.G.,(1994),P30タンパ ク質の精密化した1.7ÅX線結晶構造、抗腫瘍活性を有する両性数のリボヌクレ アーゼ(J.Mol.Biol 236,1141-1153)及びEDN(Mosimann S.C.Newton D.L. ,Youle R.J.,James M.,X−ray crystallograplic structure of recombin ant eosinophil-derived neurotoxin at 1.83Åresolution J.Mol.Biol.)に 基づいた。これ及び次のアラインメントは、ALIGN(Satow Y.,Cohen G.H.,Pa dlan E.A.,Davies,D.R.,(1986),J.Mol.Biol190,593-604)を用いて行 った。 H.ハイブリッドRNaseの構造のモデリング Onc及びEDNの座標をCαトレースアラインメントに基づいて重ね合わせた。 保存的ゾーン、特に活性部位における残基は、両方の構造を比べた場合、極めて 少しの置換しか示さなかった(90のCα原子対について1.44Åの球状r.m.s.d .)。そのハイブリッドタンパク質を、手動の再構成及びTOM(Combillaw C.,Hor jales E.,(1987),J.Mol.Graph 5,174-177)を用いる幾何学的標準化により モデル化した。次に、rEDN(1-21)rOnc及びrEDN(1-21)rOncG26のモデルを、全て の非水素原子について15Å2の全体のB因子にアサインし、独立して、プログラ ムXPLORでのポテンシャルエネルギー最小化の300サイクルにかけた(Brunger A .(1992)XPLOR:a system for X−ray crystallogvrphy and NMR.,New Haven :Yale University Press)。その最小化は、両方の場合で実質的に同一の構造を 生じ、Cαトレースアラインメントに基づく最も高い距離は変異した残基26のCα について0.44であった。最終的なモデルの幾何学的質は、PROCHECKで評価した (Laskowski R.A.,MacArthur M.W.,Moss D.S.,Thornton J.M.,(1993),J .Appl.Crystallogr 26,283-291)。 ハイブリッドRNaseを含むGlyとAsp間の活性の著しい差についての構造的基板 は、特に残基26が活性部位から離れているのでこれらのタンパク質のモデリング からは明らかでない。ペンタヌクレオチドと複合化したRNase Aの高い相同性の 構造(Fontecilla-Camps J.C.,delorens R.,leDu M.H.,Cuchillo C.M.,( 1994),J.Biol Chem 269,21526-21531)をハイブリッドタンパク質モデルの構 造と重ね合わせた場合、そのヌクレオチドも変異の領域から遠いことが観察され た。しかしながら、異なるRNaseにおけるポリヌクレオチド鎖の配列は必ずしも 一致しない。EDNの構造において、活性部位におけるものに加えて、2番目の硫 酸イオンが見い出された(Mosimann S.C.,Newton D.L.,Youle R.J.James M.,X−ray crystallographic structure of recombinant eosinophil-derived neurotoxin at 1.83Åresolution J.Mol.Biol)。この第2の硫酸は、開裂 するヌクレオチドからのリン酸を置換するが、RNase A−ペンタヌクレオチド複 合体内の同じ位置に位置するリン酸イオンはないようである。更に、この複合体 中のリン酸の1つは、それが両分子内で異なるトポロジーを有するループ内に位 置するので、Onc内に対を有さない残基であるLys-66と塩橋を形成している。こ れにより、キメラ内でのAsp及びGly変異体間での酵素活性の差が基質についての 結合アフィニティーの変化に関連するか否かは未解決の問題のままである。 2つのEDN−Oncハイブリッドの活性の差についての構造的基盤は明らかでない が、rEDN(1-21)rOncG26ハイブリッドのEDN様のふるまいは、N末端領域の形状 に寄与し得るようである。なぜなら、nOnc中のピログルタミン酸及びEDN中のLys -1の両方は活性部位の領域に位置するからである。(Mosimann S.C.,Ardelt W.,James M.N.G.,(1994),Refined 1.7A X-ray crystallographic st ructure of p-30 protein,an amphibian ribonuclease with anti-tumor activ ity J Mol Biol 236,1141-1153;Mosimann S.C.,Newton D.L.,Youle R.J. ,James M.,X-ray crystallographicstructure of recombinant eosinophil-de rived neurotoxin at 1.83A resolution J Mol Biol)。更に、〔Met−(−1 )〕rOnc内のGly変異の導入は酵素活性に大きな影響を与えなかった。RNaseAの B1サブ部位におけるCより優るUの選択性は、特定の残基(Asp-83)の存在に 関連している(DelCardayre S.B.Raines R.T.,(1995)。残基間の水素結合 はリボヌクレアーゼAのヌクレオチド特異性を媒介する(J.Mol.Biol 252,328 -336)。nOnc中の対応する残基もアスパラギン酸(Asp-67)であるが、EDNにおい てはこの位置がヒスチジン(His-82)により占有されている。EDNがポリ(A, C)に対してより活性があることは、おそらくそれがnOnc及びRNase Aにおいて アスパラギン酸であるのに対してヒスチジン残基を含むので、B1サブ部位にお いてCを“好む”ことを示唆する。まとめると、これは、rEDNに関するハイブリ ッドを含むGlyの活性の減少を説明し得るであろう。なぜなら、この仮説に従う と、rOnc配列により供されるAsp残基の存在はCよりもUの結合を好むであろう からである。PRI阻害の差に関して、ハイブリッドタンパク質とRNase Aとの間 の重ね合わせは、EDN−Oncキメラ内のAsp-26が、PRIと接触すると報告されてい るRNase A中のAsn-27と等しい位置にあることを証明する(Kobe B.,Deisenhof er J.,(1995),Nature 374,183-186)。更に、両方のキメラにおけるAsp-24は この領域において極めて近接している。これにより、この領域における負の電荷 の蓄積はインヒビターによる結合を防ぎ得るであろう。もしそうなら、AspのGly への置換は、負の電荷を減少させ、結合能力をもとにもどすであろう。 実施例II rOnc−抗体融合タンパク質 更なるrOnc−抗体及びリガンドタンパク質を作製した。それは高度に活性であ る。E6FB〔Met−(−1)〕SerrOncは、配列番号:40に示す核酸配列及び配列 番号:41に示すアミノ酸配列を有し、抗トランスフェリンレセプター抗体である 抗体E6からのFv配列を含むrOnc分子である。配列番号:41のアミノ酸位置1− 237におけるE6の配列を参照のこと。“FB”とは、抗体及び分子のrOnc部分を 連結するのに用いられ、配列番号:40の核酸位置712〜750で見い出されるリンカ ーをいう。この分子は、アミノ酸位置252において、GluのかわりにSerを含む。 E6FB〔Met−(−1)〕GlurOncとは、配列番号:40の配列をいう。同様のハイ ブリッド分子を作製した。Met−NLS(シグナルペプチド)−Gln−rOnc FBE6につ いての核酸及びTミ酸配列を配列番号:42及び43に示す。他のE6/rOnc分子を Met−Ser−rOncA87 FBE6とデザインし、配列番号:44及び45に見い出される。 “A87”とは、Alaがアミノ酸位置87にある事実をいう。 Met−Ser−rOnc−Ang−FBE 6は配列番号:46及び47に示す。 E6FBMet−Ser−rOncは配列番号:48及び49に示す。 Met−Glu−rOnc FBE6は配列番号:50及び51に示す。 Met−Ser−rOnc FBE6は、アミノ酸位置2においてSerがGluを置換すること を除いて配列番号:50及び51に示す。 MOC31及びMOC162は、Dr.Hennie Hoogenboomが得た17−1−A汎癌(pancar cinoma)抗原に対して生じた抗直腸癌抗体をいう。これらの抗体のFv領域をrOnc に融合した。MetSerrOncA87 FBMOC31についての核酸及びアミノ酸配列を配列 番号:52及び53に示す。MOC31FBMetSerrOncについての核酸及びアミノ酸配列を 配列番号:54 及び55に示す。MetSerrOncFBMOC161についての核酸及びアミノ酸配列を配列番号 :56及び57に示す。 リガンドIL2(インターロイキン2)を更にrOncに組換えで融合させた。IL2 FBMetSerrOnCについては配列番号:58及び59を参照のこと。MetSerrOncFBIL2に ついては配列番号:60及び61を参照のこと。 (トランスフェリンレセプターを有する)SF539細胞におけるタンパク質合成 の阻害を、〔Met−(−1)Ser〕rOnc,E6FB〔Met−(−1)Ser〕rOnc,〔Met −(−1)Ser〕rOnc-AngFBE6及び〔Met−(−1)Glu〕rOnc FBE6構成物につい て、上述の通り測定し、nOncと比較した。その結果を表3に示す。3つのE6構 成物は、特に、2つの非E6分子より45倍までの差の極めて高レベルの活性を有 した。図5も参照のこと。MetSerrOncAng分子を、配列番号:47のアミノ酸1−1 07に対応させて作製した。 表3.タンパク質合成への改変rOnc及び改変rOncFvsの活性 ヒトグリオーム細胞において50%だけタンパク質合成を阻害するのに必要な濃 度。NSD、大きな差なし。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 9/22 5/10 A61K 37/54 9/22 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN,YU (72)発明者 ボクィー,リュイス アメリカ合衆国,メリーランド 21702, フレデリック,グリーンウェイ ドライブ 187 (72)発明者 ウロダワー,アレクサンダー アメリカ合衆国,メリーランド 21702, フレデリック,ブットジャック ドライブ 5512

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a)測定可能なリボヌクレアーゼ活性と;(b)メチオニンで始まり、 次にグルタミン酸以外のいずれかのアミノ酸が続くアミノ末端と;(c)ウシRN ase A(配列番号:13)で特定されるアミノ酸位置を基準にして決定した位置に おいて、アミノ酸位置26,40,58,84,95及び110におけるシステイン;位置41 におけるリシン;並びに位置119におけるヒスチジンと;(d)nOnc由来のアミ ノ酸配列と、を有するリボヌクレアーゼ分子。 2. Met−Lys;Met−Tyr;Met−Ser;Met−Ala;Met−Arg;及びMet−Asnから なる群から選択されるアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 3. Met-Ala; Met-Ala-Ala; Met-Ala-Ala-Ser; Met-Arg; Met-(J); Met-Lys-(J); Met-Arg-(J); Met-Lys; Met-Lys-Pro; Met-Lys-(J)-Pro(配列番号:14); Met-Lys-Pro-(J)(配列番号:15); Met-Asn; Met-Gln; Met-Asn-(J); Met-Gln-(J); Met-Asn-(J)-Pro(配列番号:16); Met-(J)-Lys; Met-(J)-Lys-Pro(配列番号:17);及び Met-(J)-Pro-Lys(配列番号:18); (ここで、(J)はSer,Tyr又はThrである) からなる群から選択されるアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアー ゼ。 4. Met-Alaのアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 5. Met-Argのアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 6. Met-Lysのアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 7. Met-Asnのアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 8. Met-Glnのアミノ末端を有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 9. Met-Ser;Met-Tyr又はMet-Thrからなる群から選択されるアミノ末端を有 する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 10.nOncのアミノ酸位置2(ウシRNaseの配列を基準にして位置4)のアスパ ラギン酸が削除され、又はAlaもしくはAsnにより置換されていることを特徴とす る請求項3に記載のリボヌクレアーゼ。 11.rOncからの配列の前に、EDNのアミノ末端由来の配列によりコードされる アミノ末端を有する分子を含む請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 12.前記アミノ酸配列が、式: Met(−1)EDN(1-m) Onc(n-104) (式中、Met(−1)はMetのアミノ末端残基であり;EDN(1-m)は、EDN(配列 番号:9)のアミノ酸位置1で始まり、それに続いて、EDNのアミノ酸位置“m ”までを含む長さのアミノ酸の隣接配列であり;Onc(n-104)は、配列番号:1に 示す配列の、アミノ酸位置“n”で始まり、それに続いて、アミノ酸位置104ま でを含む隣接アミノ酸の配列であり、ここで、 mが21である場合、nは16又は17であり; mが22である場合、nは17であり; mが20である場合、nは16であり; mが19である場合、nは15であり; mが18である場合、nは14であり; mが17である場合、nは12又は13であり; mが16である場合、nは11,12,13又は14であり; mが15である場合、nは10であり; mが14である場合、nは9であり; mが13である場合、nは8であり;そして mが5である場合、nは1である) の配列と実質的に同一である配列からなる群から選択される配列であることを特 徴とする請求項11に記載のリボヌクレアーゼ。 13.配列番号:28に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項1に記載のリボヌクレアーゼ。 14.配列番号:22に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項1に記載のリボヌクレアーゼ。 15.配列番号:24に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項1に記載のリボヌクレアーゼ。 16.配列番号:26に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配 列を含む請求項1に記載のリボヌクレアーゼ。 17.配列番号:30に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項1に記載のリボヌクレアーゼ。 18.配列番号:32に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項1に記載のリボヌクレアーゼ。 19.配列番号:2に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項1に記載のリボヌクレアーゼ。 20.アンギオゲニン由来のカルボキシル末端を含む請求項1に記載のリボヌク レアーゼ。 21.配列番号:20に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む請求 項20に記載のリボヌクレアーゼ。 22.配列番号:2に記載の配列と実質的に同一であるアミノ酸配列。 23.リガンド結合成分又はラベルに連結した請求項1に記載のリボヌクレアー ゼ。 24.前記分子が抗体に連結している請求項23に記載のリボヌクレアーゼ分子。 25.請求項1に記載のアミノ酸配列をコードする核酸配列。 26.細胞毒性の量の請求項1に記載のリボヌクレアーゼと、医薬として許容さ れる担体と、を含む医薬組成物。 27.前記リボヌクレアーゼが、リガンド結合成分に連結している請求項26に 記載の医薬組成物。 28.投与すべき細胞を、リガンド結合成分に連結した請求項1に記載のリボヌ クレアーゼに接触させることを含む細胞を選択的に殺す方法。 29.核局在化シグナルを更に有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ分子。 30.内質保持配列を更に有する請求項1に記載のリボヌクレアーゼ分子。 31.請求項1に記載のリボヌクレアーゼをコードする核酸を含むベクター。 32.請求項1に記載のリボヌクレアーゼをコードする核酸を含む宿主細胞。
JP53028997A 1996-02-21 1997-02-19 組換えリボヌクレアーゼタンパク質 Expired - Fee Related JP3469247B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1180096P 1996-02-21 1996-02-21
US60/011,800 1996-02-21
PCT/US1997/002588 WO1997031116A2 (en) 1996-02-21 1997-02-19 Recombinant ribonuclease proteins

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000505300A true JP2000505300A (ja) 2000-05-09
JP3469247B2 JP3469247B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=21752018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53028997A Expired - Fee Related JP3469247B2 (ja) 1996-02-21 1997-02-19 組換えリボヌクレアーゼタンパク質

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0896625B1 (ja)
JP (1) JP3469247B2 (ja)
CN (1) CN1229498C (ja)
AT (1) ATE281528T1 (ja)
AU (1) AU726379B2 (ja)
DE (1) DE69731463T2 (ja)
ES (1) ES2232860T3 (ja)
IL (2) IL125771A0 (ja)
NZ (1) NZ331298A (ja)
WO (1) WO1997031116A2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6555651B2 (en) * 1997-10-09 2003-04-29 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Ligand binding site of rage and uses thereof
JP3835827B2 (ja) * 1997-05-02 2006-10-18 ザ ガバメント オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,アズ リプレゼンティッド バイ ザ セクレタリーオブ ザ デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ 悪性細胞に対する、oncタンパク質を含む、免疫毒素
AU748992B2 (en) * 1998-03-11 2002-06-13 Immunomedics Inc. Recombinant onconase, and chemical conjugates and fusion proteins of recombinant onconase
ATE420961T1 (de) * 1998-03-27 2009-01-15 Us Gov Health & Human Serv Rekombinante anti-tumor rnase
US6869604B1 (en) 1998-03-27 2005-03-22 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Recombinant anti-tumor RNAse
EP1277838A1 (en) * 1998-03-27 2003-01-22 THE GOVERNMENT OF THE UNITED STATES OF AMERICA as represented by the SECRETARY OF THE DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES Recombinant anti-tumor RNASE
US6239257B1 (en) * 1998-12-30 2001-05-29 Alfacell Corporation Family of proteins belonging to the pancreatic ribonuclease a superfamily
US6175003B1 (en) * 1999-09-10 2001-01-16 Alfacell Corporation Nucleic acids encoding ribonucleases and methods of making them
CA2404616C (en) 2000-04-12 2009-08-18 Vlaams Interuniversitair Instituut Voor Biotechnologie Vzw Use of vegf and homologues to treat neuron disorders
JPWO2007013265A1 (ja) * 2005-07-26 2009-02-05 タカラバイオ株式会社 新規なエンドリボヌクレアーゼ
WO2007041361A1 (en) * 2005-09-30 2007-04-12 The Government Of The United States, As Represented By The Secretary Of Health And Human Services, National Institutes Of Health, Office Of Technology Transfer Modified recombinant anti-tumor rnase
CN101450214B (zh) * 2007-12-06 2011-10-26 上海南方模式生物科技发展有限公司 转铁蛋白-蛙卵核糖核酸酶偶联物及其制法和用途
CN101613410B (zh) * 2008-06-25 2016-01-20 上海南方模式生物科技发展有限公司 核糖核酸酶与毒蛋白膜转位结构域融合蛋白及其制备方法和用途
US9919034B2 (en) 2014-03-28 2018-03-20 Tamir Biotechnology, Inc. Methods of treating and prophylactically protecting mammalian patients infected by viruses classified in Baltimore group V
US10835598B2 (en) 2014-08-18 2020-11-17 Orgenesis Inc. Prophylactic protection against viral infections, particularly HIV
AU2016277827B2 (en) 2015-06-15 2021-04-29 Orgenesis Inc. Pharmaceuticals for treatment of viral infections of the eye
WO2020099451A1 (en) * 2018-11-14 2020-05-22 Dna Script Terminal deoxynucleotidyl transferase variants and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
DE69731463D1 (de) 2004-12-09
JP3469247B2 (ja) 2003-11-25
IL125771A (en) 2006-08-20
ES2232860T3 (es) 2005-06-01
CN1229498C (zh) 2005-11-30
EP0896625A2 (en) 1999-02-17
AU2130697A (en) 1997-09-10
EP0896625B1 (en) 2004-11-03
DE69731463T2 (de) 2005-10-27
AU726379B2 (en) 2000-11-02
NZ331298A (en) 2000-03-27
WO1997031116A2 (en) 1997-08-28
ATE281528T1 (de) 2004-11-15
WO1997031116A3 (en) 1997-09-25
CN1212016A (zh) 1999-03-24
IL125771A0 (en) 1999-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Matoušek Ribonucleases and their antitumor activity
Boix et al. Role of the N terminus in RNase A homologues: differences in catalytic activity, ribonuclease inhibitor interaction and cytotoxicity
KR100188302B1 (ko) 활성화피브린용해성과항-혈전성단백질
JP3469247B2 (ja) 組換えリボヌクレアーゼタンパク質
US6045793A (en) Recombinant ribonuclease proteins
ZA200202206B (en) Fibrinolytically active polypeptide.
EP0538459A1 (en) Phospholipid-targeted thrombolytic agents
JP3612020B2 (ja) 低減されたリボヌクレアーゼインヒビターアフィニティーを有するヒトリボヌクレアーゼa
US6607724B2 (en) Compositions and methods for inhibiting angiogenesis
CA2104998A1 (en) Bone-related carboxypeptidase-like protein and process for its production
US20030099629A1 (en) Recombinant onconase and chemical conjugates and fusion proteins of recombinant onconase
US6869604B1 (en) Recombinant anti-tumor RNAse
CA2150909A1 (en) Clotting inhibitor made from protostomia saliva
EP1068332B1 (en) Recombinant anti-tumor rnase
AU773347B2 (en) Recombinant anti-tumor RNASE
EP1062348B1 (en) Recombinant onconase and fusion proteins of recombinant onconase
WO1995030428A1 (en) Human dnase
CA2245804C (en) Recombinant ribonuclease proteins
CA2401916A1 (en) Recombinant anti-tumor rnase
EP1277838A1 (en) Recombinant anti-tumor RNASE
US6991788B1 (en) Utilization of wolinella succinogenes asparaginase to treat diseases associated with asparagine dependence
JPH10501966A (ja) ヒトdnaトポイソメラーゼi−アルファ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees