JP2000504626A - 小さい落下物体の静電コーティング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、アースされていない小さい自由落下する物体上に、液体または粉末から平らな均質の被膜を生成する方法および装置に関する。本発明による方法および装置は、主として医薬製品および食品の表面コーティングを意図している。本発明によると、アースされていない物体は、適当な方法で正または負に帯電されているか、あるいは全く帯電されないで、自由にバラバラに、実質的に円筒形状の帯域（２）を、主としてその中心軸に沿って落下させられ、ここで初めに適当な方法で物体と反対の極性の電荷に帯電されたコーティング物質を、または帯電されていない場合は正または負に帯電させて、帯域（２）の周辺に置かれそして該帯域の中心軸に主として向けられた少なくとも一つのノズル、好ましくは二つのスプレーノズル（３）により、粒子上にスプレーし、これにより該コーティング物質は、該物体と該コーティング物質との電位差により該物体に引き付けられ、平らで均質の表面被膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 小さい落下物体の静電コーティング 本発明は、アースされていない小さい物体の静電表面コーティング方法および 装置に関する。更に詳しくは、本発明は、小さい自由落下物体上に、平らな均質 の、液体または粉末の被膜を形成する方法に関する。本発明による方法および装 置は、主として医薬製品のコーティングおよび食品の表面コーティングを意図し ている。 錠剤形の医薬製品の表面コーティングは、薬効的、実用的および美的理由から なされる。コーティングは、例えば投与を容易にするため、不快な味または臭い を隠すため、薬剤の機械的性質を改良するため、薬の有効物質を、例えば唾液ま たは胃汁による破壊から保護するため、または貯蔵中に錠剤を保護するためにな される。コーティングはまた、薬剤の人体内での抑制放出に使用される。 医薬製品のコーティングに現在使用されている方法は、多数の錠剤を、コーテ ィングパンとして知られる傾斜ドラム中でまたは水平に取付けられた穿孔シリン ダー中で回転し、同時に適当な物質中に溶解した表面コーティング材を該パンに 注入またはスプレーすることからなる。錠剤を回転すると錠剤は、コーティング パン中で該パンの側部に沿って上方に移動され、そして次に、該パンの真中で、 上方に移動している錠剤により形成された床の頂部の上に下方に落下する。コー ティング材の溶剤が蒸発するにつれ、コーティング材は錠剤の上に沈着するであ ろう。 現在の技術の大きい問題は、錠剤が球状であることが好ましくまたは凸状にま るい金型によって少なくも該錠剤が製造されることが必要であるということであ る。その理由は、錠剤に端部が存在すると、その上に適用された被膜が平らで均 質でなくなる傾向があるからである。しかし現在製造されている錠剤は、平らな 円形の形状を一般に有する。すなわち該錠剤は、例えば錠剤の凸状化（ｃａｐｉ ｎｇ）または錠剤製造機（深い凹状の金型、等）の需要の増大に関する問題を回 避するために、特別の端部表面を有する。現在採用されているコーティング方法 はバッチ式であり、また多量の手作業を含む多数の工程を各バッチ工程は通過す る。エネルギーの消費は比較的多く、そしてノイズ量はかなりの量である。スペ ースの必要量は大きく、換気の需要も切実である。またこれらの工程は長時間を 要する。 例えば（ノンーストップ）として知られているチョコレート菓子のような菓子 類のコーティングは、同様の方法で行われることが多い。 医薬品のコーティングのいわゆる高スピード方法が最近開発されている。しか しこれにもかかわらず、最終のコーティング薬剤を得る時間は約１ないし２日の 作業日数を要する。錠剤をコーティングする物質のコストは、コーティングの合 計コストに対して小さくなり得るのでかなり低価となる場合が多い。 流動床中でコーティングを達成することが同様に知られている。ガスそして好 ましくは空気によって推進される該床を通じて錠剤が上方向に移動され、そして コーティング材がその上にスプレーされる。 小物体の静電コーティング法が知られている。既知の技術にほぼ共通である特 徴は、コーティングされる物体がアース（接地）されている事である。例えば米 国特許４，７７４，１０２号公報を参照すると、アースされていない物体の静電 スプレーコーティング法が記載されている。 医薬製品の静電コーティング法も既知であり、例えばＷＯ第９２／１４４５１ 号公報にこのような方法が記載されている。該公報の方法によれば医薬製品は、 該医薬製品が粉体でコーティングされる移送器具上に配置される工程を用いて、 乾燥粉体にてコーティングされる。医薬製品と粉体との間のまたは移送器具と粉 体との間の電位差によって、該粉体が該医薬製品に引き付けられる。この方法に おいては、移送器具に接触している医薬製品の相当部分はコーティングされない 。該粉体のコーティング体は例えば加熱によって最後に処理されて、該医薬製品 上に熔融膜を形成する。該医薬製品の他の側面は次いで同様にコーティングでき る。 この以前の公知の技術、特に錠剤の表面コーティングにおける技術、の大きな 欠点は、殆どの場合、アースは、物体をある種の支持体、例えばコンベヤー、に 置くことによって達成されることである。このことは、物体は一時に一面がコー ティングされ、二面の表面被膜の間の境界線に縁が形成されるリスクがかなりあ ることを意味する。このことは、コーティングが平らで均質でないことを意味し 、 平らで均質なコーティングは、医薬製品のコーティングに、人体に緩慢な制御さ れた薬剤の放出をもたらすのに特に重要な特徴である。 欧州特許（ＥＰ−Ｂ−）第００８５１４９号公報には、液体又は粉体を用いた 、アースされていない物体の静電コーティングの方法および装置が記載されてい る。この方法によると、表面コーティングされる物体は、定置の分散（スプレッ ダー）システムによって、非導電性チューブの壁に沿った連続円形カーテンとし て落下させられ、ここで該物体はコロナ帯域を通過しそして正電荷を受ける。こ のチューブの中央に遠心スプレッド装置が置かれる。この装置内で、該物体にコ ーティングされる液体または粒状形の材料は負のコロナ帯域を通過することによ り負に帯電し、そしてこの装置によって該材料は次に該物体が形成する連続カー テン上にスプレーされる。該方法は主としてビタミン、抗生物質およびアミンの ような物質を異なる粉剤およびペレットに添加するかまたは顆粒および粉体形の 素材を湿潤化することを意図しており、医薬品のコーティングに必要なタイプの 表面コーティングを意図していないようである。 上記特許の記述部分には、発明の適用領域の多くの例が与えられているが、そ れらは全て、いくつかの物質をスキムミルク、肥料、殺菌剤等の物質に添加する ことに関する。該方法を表面コーティングに使用すると、いくつかの重大な不利 益があるであろう。それらの中で大きいリスクは、連続カーテン内の物体が互い にまたはチューブの壁に衝突し、新たにコーティングされた表面被膜が機械的応 力にさらされる結果になり、被膜に損傷を与え得ることである。また、物体は一 方向だけからスプレーされるので、完全に平らで均質な被膜を生成することは難 しい。さらに、上記の特許には、該方法が、医薬製品のコーティングに必要な硬 い表面を生成するのに使用できるとは述べられていない。 本発明による静電表面コーティングは１または２〜３の工程で実施されそして 自動化できる。表面コーティングは連続的にそして製品の製造速度で行うことが できる。更に、物体を帯電する必要がない。物体にコーティングしようとする物 質、即ち医薬製品のコーティングに特に好ましい何らかの物質、を帯電すれば十 分である。なぜなら、かかる製品は帯電により損傷され得るからである。 本発明による、小さい自由落下するアースされていない物体の、粉体または液 体の形体の物質による静電表面コーティングを用いた方法は、物体を適当な方法 で正または負に帯電することを特徴とする。この第１の工程は省略することもで きる。なぜなら、帯電されていない物体もまた、本発明の概念を用いてコーティ ングすることができるからである。帯電の後、物体は自由にバラバラに、主とし て円筒形状の帯域を、本質的には該帯域の中心軸に沿って落下させられ、ここで 初めに適当な方法で物体と反対の符号の電荷を受けた粉体または液体形の物質は 、または該物質が帯電していない場合は任意の電荷を受けて、該帯域の周辺に置 かれそして該帯域の中心軸に向けられた少なくとも一つのノズル、好ましくは二 つのノズルにより、該粒子上にスプレーされ、これにより粉体または液体形の物 質は、該物体と該物質との電位差により該物体に引き付けられ、平らで均質の表 面被膜が得られる。 本発明はまた、小さい自由落下するアースされていない物体の、粉体または液 体の形体の物質を用いた静電表面コーティング用の装置に関し、該装置は少なく とも１つの本質的に円筒形状の帯域と、正に帯電した、負に帯電したまたは帯電 されていない物体を、本質的に円筒形状の帯域を通る中心部に供給する手段と、 正または負に帯電した粉体または液体形の物質を、該円筒形状の帯域を通る該中 心部にスプレーする手段とを含むことを特徴とする。 本発明を、好ましい非限定的態様により、添付の概略図を参照して更に詳しく 記述する。粉体または液体形の物質の表面層でコーティングしようとする物体（ １）、好ましくは錠剤、を適当な従来技術の方法で、例えばコロナ帯域（図面に 示されていない）を通過させることによりまたは摩擦により、正または負に帯電 させる。この第１工程も省略できる。その後、帯電したまたは帯電していない物 体を自由にかつ本質的にバラバラに、円筒形状の帯域（２）の好ましくは中心を 通って落下させる。この帯域で、該物体は、初めに公知の方法で正または負に帯 電された粉体または液体形の物質を用いて、該帯域の周辺に置かれた一つ、好ま しくは二つのノズルによりスプレーされる。一つだけのノズルを用いた場合は、 該ノズルは環状であるのが好ましく、そして本質的には全帯域（２）の周りに置 く。該ノズルは帯域（２）の主として垂直軸に向くように置く。管理および調節 装置（図面に示されていない）および適当な投与装置（図面に示されていない） は、帯域（２）にスプレーされる帯電した粉体または液体物質を確実に常に正し い容積、量および位置を有するようにする。該粉体または液体の物質は、該自由 落下物体との電位差のため、該物体に引き付けられそして該物体の表面に均質な 層を形成する。 次に表面コーティングされた物体は帯域（４）を通過し、ここでコーティング された該物体は、好ましくは焼戻し、冷却、凝固、乾燥等により硬化層を形成さ せられる。 場合によっては、表面コーティングされた物体を、次に電場（５）を通過させ て、表面コーティングされた物体がアースされた表面と接触する前に残りの電荷 を中和させる。この工程の目的は、残留電荷をまだ持っている表面コーティング された物体がアースされた表面と接触すると生じるであろうスパークを防止する ことである。 粉体または液体の物質の表面被膜の厚さは、印加した電位差の大きさによって 調節される。 好ましい態様によると、表面被膜を形成する液体まだ粉体物質だけを正または 負に帯電し、コーティングされる物体は帯電されない。 バリヤー帯域（６）を帯域（２）の下に配置して、余分な表面コーティング材 が既にコーティングされた物体と共に落下するのを防止することができる。 本発明による装置は、錠剤の製造用に使用される設備と直接組み合わせて、製 造中の錠剤をコーティングすることができる。このことは、作業および不動産の 今日のコストの非常に大きい部分を節約できることを意味する。このいわゆる直 接コーティングシステムはまたダスト形成を減少させ、錠剤の取扱いによる損傷 のリスクを最小にする。本発明による方法および装置を用いると、騒音レベルも 大きく低減される。 本発明は主として錠剤のコーティングに使用されるよう意図されているが、カ プセル、座薬、顆粒の表面コーティング、並びに菓子およびその他の食品の表面 コーティングにも同様に有用である。これらの場合、表面コーティング材は、砂 糖、カカオパウダー、炭酸カルシウム、ポリエチレングリコール、セルロース誘 導体またはポリアクリレートのように非常にさまざまな種類であることができる 。 本発明はまた全く異種の領域、例えば電子部品の表面コーティングまたは機械 工業においてサビ保護体の生成、にも使用できる。 本発明は上記の例に制限されず、特許請求の範囲内でいくつかの方法で変更で きる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｅ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ， ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．小さい自由落下する、アースされていない物体の、コーティング物質を用い た静電表面コーティング法において：該物体を自由にかつバラバラに、本質的に 円筒形状の帯域（２）を該帯域（２）の本質的に中心軸に沿って落下させ、適当 な方法で該物体と異なる電荷を受けた該コーティング物質を、該帯域（２）の周 辺に置かれそして該帯域の該中心軸に本質的に向けられた少なくとも一つ、好ま しくは二つのノズル（３）により、該粒子上にスプレーし、これにより該コーテ ィング物質は、該コーティング物質と該物体との電位差により該物体に引き付け られ、平らで均質の表面被膜が得られることを特徴とする、コーティング法。 ２．上記コーティング物質がスプレーされる上記帯域（２）を通過した該物体を 、帯域（４）を通過させ、ここで表面層が例えば焼戻し、加熱、乾燥、冷却また は凝固により硬化する、請求の範囲１記載の方法。 ３．表面被膜の製造後に、該物体を電気中和化帯域（５）を通過させて、残留電 荷を中和する、請求の範囲１又は２に記載の方法。 ４．上記のスプレーノズル（３）が、全帯域の周りに置かれた実質的に環状のノ ズルからなる、請求の範囲１ないし３のいずれか１項記載の方法。 ５．コーティングされる表面層の厚さが、該物体と該コーティング物質との電位 差によって調節される、請求の範囲１ないし４のいずれか１項記載の方法。 ６．アースされていない小さい自由落下する物体を、コーティング物質を用いて 静電表面コーティングする装置において：少なくとも１つの実質的に円筒形状の 帯域（２）と、該物体を該円筒形状の帯域（２）を通る中心部に送る装置（１） と、該物体の電荷と異なる電荷を有するコーティング物質を、該円筒形状の帯域 （２）を通る該中心部に向いた方向にスプレーする装置（３）と、を含むことを 特徴とする、コーティング装置。 ７．上記の装置がまた、該物体にコーティングされた表面層を硬化するための帯 域（４）をも含む、請求の範囲６記載の装置。 ８．上記の装置がまた、残留電荷を中和するための帯域（５）をも含む、請求の 範囲６または７記載の装置。 ９．上記の装置が、余分のコーティング物質を集めるための手段（６）を含む、 請求の範囲６ないし８のいずれか１項記載の装置。 １０．請求の範囲１ないし５のいずれか１項記載の方法、または請求の範囲６な いし９のいずれか１項記載の装置の、医薬製品のコーティングへの使用。 １１．請求の範囲１ないし５のいずれか１項記載の方法、または請求の範囲６な いし１０のいずれか１項記載の装置の、食品、主として菓子製品、の表面コーテ ィングへの使用。