JP2000504576A - エストロゲン応答エレメント結合タンパク質およびそれをコードするヌクレオチド - Google Patents

エストロゲン応答エレメント結合タンパク質およびそれをコードするヌクレオチド

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の発見および精製に関する。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、エストロゲンレセプターおよび他の細胞内レセプター(例えば、エストロゲンレセプター)とは異なる。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、エストロゲンレセプターおよび他の関連細胞内レセプタータンパク質の生物学的活性に干渉し得る。本発明の1つの局面は、精製されたエストロゲン応答エレメント結合タンパク質を提供することである。本発明の別の局面は、本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質に結合し得る抗体を提供することである。本発明の別の局面は、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質とエストロゲン応答エレメントとの間の相互作用に干渉する治療的化合物を検出するかまたはスクリーニングするアッセイを提供することである。

Description

【発明の詳細な説明】 エストロゲン応答エレメント結合タンパク質 およびそれをコードするヌクレオチド 1.0 発明の分野 本発明は、エストロゲンシグナル伝達の分野に存在する。本明細書中に記載の 本発明の部分は、部分的にNIH認可 AR37399およびDK07682により援助された研究 の一環としてなされた。米国政府は、本発明において特定の権利を有し得る。 2.0 発明の背景 エストロゲンレセプターに結合するエストロゲンおよび他の関連するステロイ ド(天然および合成の両方)は、ヒトおよび他の動物において意味深い生理学的 効果を有する。これらの効果は、骨吸収速度を低減させること、凝固因子の循環 レベルを変化させること、胸部発達を刺激すること、およびその他多数を含む。 エストロゲンの生理学的効果の詳細な記載は、GoodmanおよびGilmanの The Phar macological Basis of Therapeutics .第8版 およびGoodmanら、Pergaman Press Elmsford,NY (1990)を含む、多数の標準的な教科書において見出され得る。 エストロゲンは、細胞内エストロゲンレセプター(ER)に結合することが公知 である。細胞内エストロゲンレセプターは、DNA結合ドメインを含む細胞内レセ プターのスーパーファミリーに属することが公知である。エストロゲンレセプタ ーは、コンセンサスエストロゲン応答エレメント5’-AGGTCACAGTGACCT、(Tsai ら、Annu .Rev.Biochem 63:451-486 (1994)を参照のこと)に結合する。 本明細書中に記載の発明は、エストロゲン応答エレメント(ERE)に対するエ ストロゲンレセプターの結合を阻害する新規タンパク質の発見に関する。エスト ロゲン応答エレメントに対するエストロゲンレセプターの結合を阻害することに よって、エストロゲンレセプターを介したエストロゲンにより調節される遺伝子 の発現を調整することが可能である。例えば、エストロゲン応答エレメント結合 タンパク質は、受胎能を調整するために使用され得る。さらに、エストロゲンお よびエストロゲンレセプターは、骨粗鬆症およびガン(例えば、エストロゲン応 答腫瘍)のような多数の疾患の病因において重要な役割を果たすことが公知であ る。従って、エストロゲン応答エレメントと相互作用するタンパク質およびその ようなタンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供することは興味深い。 3.0 発明の要旨 本発明は、新規なエストロゲン応答エレメント結合タンパク質(ERE-BP)の発 見および精製ならびにタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の単離に関 する。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は興味深い。なぜなら、それ らは、新世界霊長類において観察される高レベルのステロイドホルモンを媒介し 得るからである。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、エストロゲン レセプターおよび他の細胞内タンパク質レセプター(例えば、エストロゲンレセ プター)とは異なる。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、エストロ ゲンレセプターおよび他の関連した細胞内レセプタータンパク質の生物学的活性 に干渉し得る。本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、エスト ロゲン調節遺伝子の調節領域の間で保存(または部分的に保存)されているエス トロゲン応答エレメントとして知られるDNA配列に結合し得る。 エストロゲン応答エレメントに結合することにより、エストロゲン応答エレメ ント結合タンパク質はエストロゲンレセプター複合体が応答エレメントに結合す ることを防ぐ。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質のこれらの特性は、 意味深い生理学的効果を有する。従って、本エストロゲン応答エレメント結合タ ンパク質の細胞内レベルを調節することにより、所望の生理学が得られ得る。 本発明の1つの局面は、実質的に精製されたエストロゲン応答エレメント結合 タンパク質を提供することである。精製されたタンパク質は、組換え細胞または 天然に生じる細胞のいずれかから得られ得る。本発明の精製されたエストロゲン 応答エレメント結合タンパク質は、哺乳動物起源であり得る。ヒトおよびCallit hrix jacchus (普通マモセット)を含む霊長類に由来のエストロゲン応答エレ メント結合タンパク質は、本出願において特に提供される種々のエストロゲン応 答エレメント結合タンパク質の例である。 本発明はまた、天然に生じるエストロゲン応答エレメント結合タンパク質の対 立遺伝子変異体および生物学的に活性な誘導体を提供する。 本発明の別の局面は、本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質を コードするポリヌクレオチドを提供すること、およびポリヌクレオチドコード鎖 に相補的なポリヌクレオチドを提供することである。本発明のポリヌクレオチド は、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の組換え発現を提供するために 使用され得る。本発明のポリヌクレオチドはまた、エストロゲンレセプターおよ びエストロゲンレセプターに結合するリガンドに関する疾患を処置するために遺 伝子治療の目的で使用され得る。 本発明はまた、天然に生じるエストロゲン応答エレメント結合タンパク質をコ ードするポリヌクレオチドの検出のためのハイブリダイゼーションプローブおよ び増幅プライマーとしての使用のためのポリヌクレオチドを提供する。 本発明の別の局面は、本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質に 結合し得る抗体を提供することである。抗体は、ポリクローナルまたはモノクロ ーナルであり得る。本発明はまた、インビトロまたはインビボのいずれかでエス トロゲン応答エレメント結合タンパク質の発現を検出し、そして測定するために 本抗体を使用する方法を提供する。 本発明の別の局面は、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質とエストロ ゲン応答エレメントとの間の相互作用に干渉する治療的化合物の検出またはスク リーニングのためのアッセイを提供することである。本発明のアッセイは、エス トロゲン応答エレメント結合タンパク質とエストロゲン応答エレメントとの間の 結合における目的の化合物の効果を測定する工程を含む。結合は、標識されたエ ストロゲン応答エレメント結合タンパク質またはエストロゲン応答結合エレメン トを含む標識されたDNAの使用を含む、種々の様式で測定され得る。 4.0 特定の実施態様の説明 本発明は、新規のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質の発見および精 製に関する。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は興味深い。なぜなら 、特に、それらはエストロゲンレセプターの活性を調整するからである。エスト ロ ゲン応答エレメント結合タンパク質は、エストロゲンレセプターとは異なる。エ ストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、同じDNA配列(すなわち、エスト ロゲンレセプター結合エレメント)に結合することによりエストロゲンレセプタ ーの活性に干渉する。従って、本エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の 細胞内レベルを調節することにより、目的の生理学的効果が得られ得る。このよ うな効果は、受胎能を調整するか、または骨粗鬆症、グルココルチコイド媒介障 害、高カルシウム症、肉芽腫形成疾患、およびエストロゲン応答性腫瘍もしくは 増殖性障害を含む、細胞内レセプターにおいてシグナル伝達に関与する種々の疾 患を処置するために使用され得る。 本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、エストロゲン応答エ レメントコンセンサス配列および1つ以上の遺伝子由来のエストロゲン応答エレ メントを含むエストロゲン応答エレメントDNA配列に特異的に結合する生物学的 活性を有する。 本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、種々の哺乳動物種か ら単離され得る。単離に好ましい哺乳動物種は、霊長類、ヒトおよび特に好まれ る新世界霊長類である。ヒトおよび旧世界霊長類は、新世界霊長類において見ら れる高いステロイドホルモン現象を示すのに十分多い量のエストロゲン応答エレ メント結合タンパク質を産生しないとはいうものの、ヒトおよび旧世界霊長類( ならびに他の哺乳動物)は、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質を産生 すると考えられる。本発明はまた、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質 の対立遺伝子変異体を意図する。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は 、種々の哺乳動物組織から調製され得る;しかし、白血球および白血球から樹立 された細胞株が、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の非組換え供給源 として好ましい。 好ましくは、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、遺伝子操作され て顕著な量のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質を発現する組換え宿主 細胞から得られる。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、当業者に周 知の種々の様式において非組換え細胞から単離され得る。このような単離方法の 1つの例は、以下の実施例の部で提供される。遺伝子操作された宿主細胞からの 組換えタンパク質を精製する方法は、宿主細胞の型により異なり、そして当業者 に周知である。 エストロゲン応答エレメント結合タンパク質を用いる実験は、B95-8細胞から 単離されたタンパク質(実施例の部を参照のこと)は、SDS-PAGEにより決定され たところ、約44〜45kDa(キロダルトン)の相対分子量を有することを示唆する 。 本明細書において使用される用語「エストロゲン応答エレメント結合タンパク 質」は、天然に生じるエストロゲン応答エレメント結合タンパク質のアミノ酸残 基配列を有するタンパク質のみをいうのではなく、天然に生じるエストロゲン応 答エレメント結合タンパク質の機能的な誘導体および変異体もいう。 ネイティブなポリペプチドの「機能的な誘導体」は、ネイティブなポリペプチ ドと共通の質的な生物学的活性を有する化合物である。従って、ネイティブなエ ストロゲン応答エレメント結合タンパク質の機能的な誘導体は、ネイティブなエ ストロゲン応答エレメント結合タンパク質と共通の質的な生物学的活性(例えば 、EREおよび他の同族のリガンドに結合すること)を有する化合物である。より 好ましくは、ERE-BPの機能的な誘導体はERとは異なりかつ大きく無関連で、機能 的な誘導体がEREに特異的に結合し、そして、ERE-BPのように、好ましくは、電 気移動度シフトアッセイ(EMSA)により測定されるように、17β-エストラジオ ールに特異的に結合せず、そしてER特異的抗血清により認識されないという事実 により証明される。 「機能的な誘導体」は、それぞれのネイティブなポリペプチドと共通の生物学 的活性を有する場合、任意の動物種(ヒトを含む)由来のネイティブなポリペプ チドのフラグメント、ならびにネイティブ(ヒトおよび非ヒト)なポリペプチド の誘導体およびそのフラグメントを含むが、これらには限定されない。「フラグ メント」は、成熟ネイティブポリペプチドの配列内の領域を含む。用語「誘導体 」は、ネイティブなポリペプチドのアミノ酸配列およびグリコシル化変異体、な らびに共有結合修飾を定義するために使用される一方、用語「変異体」は、この 定義内のアミノ酸配列およびグリコシル化変異体をいう。 好ましくは、機能的な誘導体は、ポリペプチドであって、対応するネイティブ なポリペプチドの配列と少なくとも約65%のアミノ酸配列同一性、より好ましく は約75%のアミノ酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約85%のアミ ノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有す る。最も好ましくは、ネイティブなエストロゲン応答エレメント結合タンパク質 の機能的な誘導体は、リガンド結合に直接参加するネイティブなポリペプチド配 列内の領域(単数または複数)を保持または模倣する。このような機能的な誘導 体のさらなる特徴は、それらは、EMSAにより示されるように抗ER抗体により、実 質的に結合または阻害されていないということである。ERE-BPの機能的な誘導体 はまた、化学的に改変されたかまたは誘導されたERE-BP由来の分子を含む。 用語「機能的な誘導体」は、ネイティブなエストロゲン応答エレメント結合タ ンパク質と質的に共通な生物学的な活性を有するペプチドおよび小有機分子を、 さらにおよび特異的に含む。 ネイティブなポリペプチドおよびその機能的な誘導体に関する「同一性」また は「相同性」は、本明細書中で、配列を整列し、そして最大相同性パーセントを 達成するように必要に応じてギャップを導入した後、配列同一性の一部としてい かなる保存的置換も考慮することなく、ネイティブなポリペプチドの対応する残 基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基の百分率として定義される。N末 端またはC末端の伸長もしくは挿入のいずれも、同一性または相同性を低減する ものとみなされる。配列整列のための方法およびコンピュータープログラムは当 該分野で周知である。 ERE-BP活性をコードする遺伝子、またはその機能的な誘導体が、一旦同定され 、そしてクローン化されると、ネイティブなエストロゲン応答エレメント結合タ ンパク質およびエストロゲン応答エレメント結合タンパク質フラグメントのアミ ノ酸配列変異体が、当該分野で公知の方法により、適切なヌクレオチド変化をネ イティブなまたは変異体のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質をコード するDNAに導入することによるか、または所望のポリペプチドのインビトロ合成 により調製される。アミノ酸配列変異体の構築において2つの主変数がある:変 異部位の位置および変異の性質。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質を コードするDNA配列の操作を必要としない天然に生じる対立遺伝子を除いて、エ ストロゲン応答エレメントタンパク質のアミノ酸配列変異体は、好ましくは、天 然 に生じない対応するERE-BPアミノ酸配列変異体を生成するようにERE-BPコードDN Aを変異させることにより構築される。 このような変異体は、例えば、短縮型ERE-BP分子を産生するように、変化した リーディングフレームおよび初期翻訳終結を生じるフレームシフト変異として、 操作され得る。同様に、ERE-BPの別々の部分の除去を効果的に生じるインフレー ムの欠失が、ERE-BP遺伝子において作製され得る。このようなアミノ酸配列欠失 は、一般的に約1〜約30残基の範囲であり、より好ましくは、約1〜約10残基で あり、そして代表的には、(必ずしも必要ではないが)連続的である。欠失は、 一般的にリガンド結合に直接関与しない領域に導入される。 あるいは、または、さらに、アミノ酸変化は、達成される目的に応じて、種々 の種由来のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質において異なる部位、ま たは高度に保存された領域において作製され得る。 このような位置の部位は、代表的には連続して改変され、例えば、(1)まず保 存的な選択、そして次いで達成される結果に応じてより根本的な選択と置換する 工程、(2)標的残基(単数または複数)を欠失させる工程、または(3)位置決め した部位に隣接して同じまたは異なるクラスの残基を挿入する工程、あるいは( 1)〜(3)の組み合わせによる。 1つの有益な技術は「アラニンスキャニング」 (CunninghamおよびWells、Sc ience 244,1081-1085(1989)) と呼ばれる。ここで、標的残基のうち1つの残基 または群が同定され、そしてアラニンまたはポリアラニンで置換される。次いで 、アラニン置換に対する機能的な感受性を示すそれらのドメインは、アラニン置 換部位にさらなる置換基を導入するか、またはその部位の代わりに他の置換基を 導入することにより精密化される。 所望の変異(単数または複数)を同定した後、エストロゲン応答エレメント結 合タンパク質変異体をコードする遺伝子は、例えば、化学合成により得られ得る 。 より好ましくは、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質アミノ酸配列変 異体をコードするDNAは、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の初期に 調製した変異型または非変異型バージョンをコードするDNAの部位指向性変異誘 発により調製される。部位指向性(部位特異的)変異誘発は、所望の変異のDNA 配列をコードする特定のオリゴヌクレオチド配列、ならびに、交差される欠失接 合部の両側で安定な二重鎖を形成するのに十分な大きさおよび配列複雑度のプラ イマー配列を提供するための、十分な数の隣接ヌクレオチドの使用により、エス トロゲン応答エレメント結合タンパク質変異体の産生を可能にする。代表的には 、変化される配列の接合部の両側において少なくとも約5〜10残基を伴う長さ約 20〜約50ヌクレオチドのプライマーが好ましい。一般的に、部位特異的変異誘発 の技術は当該分野で周知であり、Edelmanら、DNA 2:183 (1983)のような刊行物 に例示される。理解されるように、部位特異的変異誘発技術は、代表的に一本鎖 形態および二本鎖形態の両方で存在するファージベクターを使用する。部位指向 性変異誘発において有用な代表的なベクターは、M13ファージのようなベクター を含む。これおよび他のファージベクターは市販されており、それらの使用は当 業者に周知である。M13由来のベクターを使用するDNAフラグメントにおけるオリ ゴデオキシリボヌクレオチド指向性部位特異的突然変異の構築のための汎用かつ 効率的な手順は、Zoller,M.JおよびSmith,M.、Nucleic Acids Res10,6487- 6500,1982により刊行された。さらに、一本鎖ファージ複製起点を含むプラスミ ドベクター(Veiraら、Meth .Enzymol. 153:3 (1987))が、一本鎖DNAを得るの に使用され得る。あるいは、ヌクレオチド置換は、インビトロで適切なDNAフラ グメントを合成すること、および当該分野で公知のPCR手順によりそれを増幅す ることにより導入される。 一般的に、部位特異的変異誘発は、まず配列中に関連タンパク質をコードする DNA配列を含む一本鎖ベクターを得ることにより実施され得る。所望の変異配列 を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般に合成的に(例えば、Creaら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 75,5765 (1978)の方法により)調製される。次い で、このプライマーは、一本鎖タンパク質配列を含むベクターにアニールされ、 そしてE.coliポリメラーゼIクレノウフラグメントのようなDNA重合化酵素にか け、変異を有する鎖の合成を完了する。このように、ヘテロ二重鎖が形成され、 ここで一方の鎖は元の変異されていない配列をコードし、そして第二鎖は所望の 変異を有する。次いで、このヘテロ二重鎖ベクターが、HB101細胞のような適切 な宿主細胞を形質転換するのに使用され、そして変異配列のアレンジメントを有 する組換えベクターを含むクローンが選択される。その後、変異された領域は切 り出され、タンパク質産生のための適切な発現ベクターに配置され得る。 PCR技術はまた、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質のアミノ酸配列 変異体を作製するのに使用され得る。PCRにおいて出発物質として、少量の鋳型D NAが使用される場合、鋳型DNAにおける対応する領域由来の配列においてわずか に異なるプライマーが、プライマーが鋳型と異なる位置のみにおいて鋳型配列と 異なる特定のDNAフラグメントを比較的多量に生成するために使用され得る。プ ラスミドDNAに変異を導入するために、プライマーの一方が、変異の位置を重複 し、そして変異を含むように設計される;他方のプライマーの配列は、プラスミ ドの反対側の鎖の配列の伸長部に同一でなければないが、この配列は、プラスミ ドDNAに沿って任意の場所に位置され得る。しかし、第二のプライマーの配列は 、第一の配列から200ヌクレオチド以内に位置され、その結果最後にプライマー により結合されたDNAの増幅領域全体が容易に配列決定され得ることが好ましい 。いま記載されたプライマーのようなプライマーペアを使用するPCR増幅は、プ ライマーにより特定された変異の位置において、および鋳型コピーがやや誤りが ちである場合おそらく他の位置においても異なる、DNAフラグメントの集団を生 じる。 上記のおよび同様の変異誘発技術のさらなる詳細は、例えば、Sambrookら、Mo lecular Cloning: H Laboratory Manual 第2版、Cold Spring Harbor Press,C old Spring Harbor (1989)、およびCurrent Protocols in Molecular Biology, Ausubelら編、John Wiley and Sons (1995)のような一般の教科書において見い 出される。 天然に生じるアミノ酸は、共通の側鎖特性に基づいて群に分割され得る: (1) 疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile; (2) 中性疎水性:cys、ser、thr; (3) 酸性:asp、glu; (4) 塩基性:asn、gln、his、lys、arg; (5) 鎖方向に影響する残基:gly、pro;および (6) 芳香環:trp、tyr、phe。 保存的置換は、同一群内の別のメンバーについて1つの群内のメンバーを交換 することを包含する一方、非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを 別の群と交換することを必要とする(一般的には、Orcutt、B.C.およびDayhoff 、M.O. Scoring Matrices、PIN Report MAT-0285、1985年2月を参照のこと) 。非保存的置換により得られる変異体は、得られる変異体の生物学的特性/機能 において有意な変化を生じると予測され、そしてエストロゲン応答エレメント結 合タンパク質生物学的活性(すなわち、エストロゲン応答エレメントに結合する こと)をブロックするエストロゲン応答エレメント結合タンパク質変異体を生じ 得る。種々の種の間で保存されているアミノ酸位置は、目的が生物学的機能を保 持することの場合、一般に比較的保存的な様式で置換される。 アミノ酸挿入は、1残基〜100以上の残基を含むポリペプチドの長さの範囲の アミノおよび/またはカルボキシ末端融合、ならびに1つまたは複数のアミノ酸 残基の配列内挿入を含む。配列内の挿入(すなわち、エストロゲン応答エレメン ト結合タンパク質アミノ酸配列内の挿入)は、一般に、約1〜10残基の範囲であ り得、より好ましくは1〜5残基であり得、より好ましくは1〜3残基であり得 る。終末挿入の例は、N末端のメチオニン残基を伴うエストロゲン応答エレメン ト結合タンパク質、細菌組換え細胞培養物における直接発現の人為産物、および 組換え宿主細胞由来の成熟エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の分泌を 容易にするエストロゲン応答エレメント結合タンパク質のN末端への異種N末端シ グナル配列の融合体を含む。このようなシグナル配列は、一般に意図される宿主 細胞種から得られ、従ってそれに相同的である。適切な配列は、E .coliについ てはSTIIまたはIpp、酵母についてはα因子、および哺乳動物細胞についてはヘ ルペスgDのようなウイルスシグナルを含む。ネイティブなエストロゲン応答エレ メント結合タンパク質分子の他の挿入変異体は、エストロゲン応答エレメント結 合タンパク質のNまたはC末端と免疫原性ポリペプチド(例えば、βラクタマー ゼまたはE.coliのtrp遺伝子座によりコードされる酵素のような細菌のポリペプ チド、あるいは酵母のタンパク質)との融合体、およびイムノグロブリン領域( 好ましくは、イムノグロブリン不変領域)、アルブミン、またはフェリチン(PC T公開出願第WO 89/02922号で記載のような)のような長い半減期を有するタ ンパク質を伴うC末端融合体を含む。 変異エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の特徴を予め予測することは しばしば困難であるため、最適な変異体を選択するためのスクリーニングが必要 とされることが理解される。この目的のために、本明細書中下記のように、生化 学的スクリーニングアッセイが容易に利用可能である。 いくつかのステロイドホルモン応答性疾患が、インビボまたはインビトロのい ずれかの遺伝子治療を通じて処置され得る。ウイルスベクターの使用を通じた遺 伝子治療のプロトコルは、特に、Viral Vector Gene Therapy and Neuroscience Applications ,KaplitおよびLowry、Academic Press,San Diego (1995)におい て見い出され得る。本発明の遺伝子治療の方法は、エストロゲン応答エレメント 結合タンパク質(または阻害的アンチセンスRNA)の発現のためのベクターを患 者の細胞に導入する工程を含む。患者細胞は、患者の中(すなわち、インビボ遺 伝子治療)または患者の外部で、そして続いて患者に再導入される(すなわち、 インビトロ遺伝子治療)のいずれかであり得る。本遺伝子治療方法により処置さ れ得る疾患は、骨粗鬆症、ビタミンD毒性、グルココルチコイドホルモン過剰産 生、性ステロイドホルモン過剰発現および過小発現、高カルシウム症(ビタミン D過剰発現に起因する)、肉芽腫形成疾患などを含む。 本発明は、本発明のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質に結合し得る 所望されない高レベルのエストロゲンまたは他のステロイドにより特徴づけられ る種々の疾患の処置のための方法を提供する。 当業者は、医療行為実施者または患者の見地から、所望されない症状(例えば 、疾患、環境または因子に対する感受性、通常の加齢などに関連する症状)の事 実上いかなる軽減または予防もが所望されることを理解する。従って、本出願の 目的について、本明細書中で使用される用語「処置」、「治療的使用」、または 「医学的使用」は、疾患状態または症状を治癒するか、またはさもなければ、な んらかの様式で疾患または他の望ましくない症状の進行を予防、遮断、遅延、ま たは好転させる本組成物の任意のおよび全ての使用をいう。 疾患の治療的処置において使用される場合、ERE-BPまたはその機能的な誘導体 の適切な投与量は、いくつかの十分に確立された方法論のいずれかにより決定さ れ得る。例えば、動物実験は、通常、1キログラム体重あたりの生理活性薬剤の 最大寛容用量(または、MTD)を決定するために使用される。一般に、試験され る動物種の少なくとも1つは哺乳動物である。当業者は、定期的に、ヒトを含む 他の種に対する効果のため、および毒性を避けるための用量を推定する。有効性 についてのヒトでの研究が行われる前に、正常被験体における第1相臨床試験は 、安全用量を確立するのに役立つ。 ERE-BPまたはその誘導体の診断的、治療的、または薬用使用が意図される場合 、ERE-BPは無菌状態下で調製され、そして維持され、従って微生物の汚染を避け 得る。ERE-BPを含む組成物はまた、使用前に無菌的に濾過され得る。上記の無菌 的な調製および濾過滅菌の方法に加えて、抗菌剤もまた、添加され得る。一般に 全処方物の約3%w/vまでの量で、好ましくは約0.5〜約2.5%で、使用され得る 抗菌剤は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベ ン、フェノール、デヒドロ酢酸、フェニルエチルアルコール、安息香酸ナトリウ ム、ソルビン酸、チモール、チメロサール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジル アルコール、クレゾール、p-クロロ-m-クレゾール、クロロブタノール、酢酸フ ェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、および塩化ベンジルアル コニウムを含むが、これらに限定されない。好ましくは、抗菌添加物は、ERE-BP の生化学的特性を増強するか、またはERE-BP活性に関して不活性であるかのいず れかである。所定の抗菌剤がERE-BP活性に対して有毒であると示され得る程度ま で、より少ない程度のERE-BP機能に効果のある別の薬剤が置換され得る。 活性な成分としてERE-BPを含む組成物は、確立された多数の方法のいずれかに よりインビボで導入され得る。例えば、薬剤は、吸入;皮下(sub-q)注射;静 脈(I.V.)注射、腹腔内(I.P.)注射、または筋内(I.M.)注射;直腸から投与 され得るか、局所的に適応する薬剤として(経皮パッチ、軟膏、クリーム、塗り 薬、点眼剤など)投与され得るか、あるいは腫瘍のような組織もしくは他の器官 または多腔内諸器官中へ周囲に直接的に注射され得る。 さらに、ERE-BPまたはその機能的な誘導体は、特異的に標的化される細胞また は組織へのERE-BPの送達を容易にするリガンドと結合され得る。このような標的 リガンドの例は、糖タンパク質、多糖類、レクチン、細胞レセプターまたは表面 マーカー(またはそれらのフラグメント)、抗体(またはそれらのフラグメント )、アパトメリック(apatmeric)なオリゴヌクレオチドなどを含むが、これら に限定されない。 本発明の別の局面は、目的の化合物がエストロゲン応答エレメント結合タンパ ク質に結合し、その結果エストロゲン応答エレメントのエストロゲン応答エレメ ントレセプタータンパク質への結合に干渉し得るかどうかを決定するために有用 なアッセイを提供する。アッセイは、目的の化合物のエストロゲン応答エレメン ト結合タンパク質への結合を測定する工程を含む。アッセイされる細胞内結合タ ンパク質または目的の化合物のいずれかが、検出可能な標識(例えば、放射標識 または蛍光標識)で標識され得、その結果、目的の化合物とエストロゲン応答エ レメント結合タンパク質との間の複合体形成の検出に備える。本アッセイの別の 実施態様において、アッセイは、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質と エストロゲン応答エレメントとの結合相互作用への目的の化合物の干渉(すなわ ち、競合的結合)を測定する工程を含む。例えば、放射標識されたEREとエスト ロゲン応答エレメント結合タンパク質との間の複合体の形成に対する目的の化合 物の量の増加の効果は、標識されたリガンド-エストロゲン応答エレメント結合 タンパク質複合体形成の形成を定量化することにより測定され得る。さらなるエ ストロゲン応答エレメント結合タンパク質へ結合するリガンドの測定方法は、以 下の実施例において見い出され得る。 エストロゲン応答エレメント結合タンパク質に対するポリクローナル抗体は、 一般に、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質およびアジュバントの複数 回の皮下(sc)注射または腹腔内(ip)注射により、動物内において産生され得 る。進化学的に保存されたタンパク質は、しばしば、種を超えて高い程度の相同 性を共有する。この高いレベルの相同性は、所定のタンパク質に対するポリクロ ーナル抗血清を生成する試みの間に使用される場合、所定のタンパク質に実質的 な非免疫原性を与え得る。このような場合、タンパク質(例えば、エストロゲン 応答エレメント結合タンパク質)または免疫される種において免疫原性であるタ ンパク質に標的アミノ酸配列を含むフラグメント(例えば、キーホールリンペッ トヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプ シンインヒビター)を、二官能性試剤または誘導性試剤(例えば、マレイミドベ ンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する結合)、N-ヒ ドロキシスクシンイミドエステル(リジン残基を介して)、グルタルアルデヒド 、無水コハク酸、SOCl2、またはR1N=C=NR(ここで、RおよびR1は異なるアルキル 基))を用いて、結合することは有用であり得る。あるいは、変性されたタンパ ク質は、免疫剤として使用され得る。 動物は、免疫原性結合体または誘導体に対して、1mgまたは1μgの結合体(そ れぞれ、ウサギまたはマウス)を3容量のフロイントの完全アジュバントと組み 合わせ、そしてその溶液を複数部位に皮内注射することにより免疫される。1ヶ 月後、動物は、フロイントの完全アジュバント中の元の結合体の量の1/5〜1 /10を複数部位で追加免疫する。7〜14日後、動物から採血し、そして血清を抗 エストロゲン応答エレメント結合タンパク質抗体力価についてアッセイする。動 物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫される。好ましくは、動物は、異な るタンパク質と(および/または異なる架橋剤により)結合されている同じエス トロゲン応答エレメント結合タンパク質の結合体を用いて追加免疫される。結合 体はまた、組換え細胞培養において融合タンパク質として作製され得る。さらに 、明礬のような凝集剤は、免疫応答を増強するために使用される。 モノクローナル抗体は、実質的に同種の抗体の集団(すなわち、集団を構成す る個々の抗体が、少量存在し得る天然に生じる可能性のある変異を除いて同一で ある)から得られる。従って、修飾語「モノクローナル」は、別々の抗体の混合 物でないものとしての抗体の特徴をいう。例えば、本発明の抗エストロゲン応答 エレメント結合タンパク質モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法(Kohlerお よびMilstein,Nature 256:495 (1975)により初めて記載された)を用いて作製 され得るか、または組換えDNA法により作製され得る(Cabillyら、米国特許第4, 816,567号)。 ハイブリドーマ法において、マウスまたは他の適切な宿主動物(例えば、ハム スター)は、上記のように免疫され、免疫に使用されたタンパク質に特異的に結 合する抗体を産生するかまたは産生し得る白血球を誘発する。あるいは、リンパ 球は、インビトロで免疫され得る。次いで、リンパ球は、適切な融合剤(例えば 、 ポリエチレングリコール)を用いてミエローマ細胞と融合され、ハイブリドーマ 細胞を形成する(Goding、Monoclonal Antibodies: Principals and Practice、 59〜103頁(academic Press、1986))。 本発明の抗エストロゲン応答エレメント結合タンパク質特異的抗体は、多数の 利用法を有する。抗体は、エストロゲン応答エレメント結合タンパク質を組換え 細胞または非組換え細胞のいずれかから精製するために使用され得る。本抗体は 、組織サンプル(例えば、血液、皮膚などから)におけるエストロゲン応答エレ メント結合タンパク質の存在を検出し、そして/または定量化するために使用さ れ得る。エストロゲン応答エレメント結合タンパク質の定量的測定は、エストロ ゲン応答エレメント結合タンパク質発現レベルの特定のレベルに関連したそれら の疾患および生理的または遺伝的状態について診断的に使用され得る。本発明は 、上に記載されているが、以下の実施例を参照することにより、より良く理解さ れ得る。以下の実施例は、本発明の例示の目的のために提供されるものであって 、本発明の限定として理解されるべきではない。 5.0.実施例 5.1.細胞培養 Bリンパ芽球腫細胞株B95-8およびMLA-144は、アメリカンタイプカルチャーコ レクション(ATCC、Rockville,MD)から得た。両細胞株とも、10%ウシ胎児血 清(FCSI Gemini Bioproducts,Calabasas,CA)、100μg/mlストレプトマイシ ン、2mM L-グルタミン(両者ともGIBCO-BRL、Grand Island,NY)をルーチンに 添加するRPMI-1640培地(Irvine scientific Irvine,CA)中で、95%空気、5 % CO2の雰囲気にて維持した。いくつかの実験において、コンフルエント培養物 を、100nM 17β-エストラジオール、25-ヒドロキシビタミンD3(25-OHD3)およ び1、25-ジヒドロキシビタミンD3(1,25-(OH)2D3)を含む培地中で一晩プレイン キュベートして、採集し、そして調製物を抽出した。 5.2.細胞性抽出物の調製 各細胞株の核後(postnuclear)抽出物を、Gacadら、J.Clin.Invest.87:99 6-1001 (1991)に以前に記載されたように調製した。簡潔にいうと、コンフルエ ントのB95-8細胞をトリプシン処理により、そしてMLA-144細胞は遠心分離により 、それぞれ採集した。採集した細胞を氷冷したリン酸緩衝化生理食塩水(PBS) で2回洗浄し、そして1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリド(phenylmeth ylulfonylflouride)(PMSF)を含むETD(1mM EDTA、10mM Tris-HCl,5mM ジチ オスレイトール(DTT);pH=7.4)緩衝液で2回洗浄した。次いで、細胞ペレッ トをETD緩衝液に再懸濁し、そして氷上で10秒バースト5回で均質化した。核ス テロイドホルモンレセプタータンパク質を伴う核は、4℃にて30分間の4000×g でペレットにした。この遠心の上清を、アリコートし、-70℃で保存する前の脱 塩および濃縮の目的のために、Microcon-30フィルター(分子量限界30kD;Amico n,Beverly,MA)で濾過した。 核抽出物を、ZervitzおよびAkusjarvi Gene Anal.Tech 6:101-109 (1989)に 記載のように調製した。培養したB95-8およびMLA-144細胞を、前記のように採集 した。細胞を、氷冷したPBSで2回洗浄し、緩衝液A(250mMショ糖、20mM HEPES 、10mM KCL、1.5mMスペルミン)で1回洗浄し、緩衝液Aに再懸濁し、そして室 温で5分間膨潤させた。細胞膜の溶解を、リゾレシチンを400mg/mlの濃度で添加 し、そして細胞を90秒間穏和な反復させて反転することにより達成した。細胞膜 溶解を、2容量の氷冷した緩衝液B(3%BSAを含む緩衝液A)を添加して終了 した。全ての後続の工程を4℃で行った。核を、最初に30秒間1000×gでぺレ ットにし、そして次いで60秒間の25,000×gで再度ペレットにした。得られた核 ペレットを緩衝液C(20mM HEPES[pH 7.9]、0.6M KCL、1.5mM MgCl2、0.2mM EDT A、0.5mM DTT、0.5mM PMSF、 25%[v/v]グリセロール)に再懸濁し、そして核膜 を23ゲージの針を反復させて通過させることにより破壊した。均質物を穏和に氷 上で30分間撹拌し、次いで25,000×gで30分間遠心した。上清を、核抽出物と命 名し、緩衝液D(20%グリセロール中、20mM HEPES(pH7.9)、0.1M KCL、0.2 M EDTA、0.5mM DTT、0.5mM PMSF)に対して30時間で3回交換して透析した。核抽 出物を、25,000×gでの20分間の遠心により清澄にし、アリコートし、−70℃で保 存した。核および核後抽出物のタンパク質濃度を、Bradfordの方法(Anal.Bioc hem 72:248-254(1976))により決定した。 5.3. 電気移動度シフトアッセイ(EMSA) 種々の形態のコンセンサスステロイド応答エレメントを示す合成オリゴヌクレ オチドは、Cedars-Sinai Research InstituteのMolecular Biology Core Facili tyで調製するか、またはPromega(Madison,WI)から購入したかのいずれかであっ た。種々のオリゴヌクレオチドについての配列は以下の通りであった:コンセン サスエストロゲン応答エレメント(ERE)5'-CTAGAAAGTCAGGTCACAGTGACCTGATCAAT -3';EREハーフサイト5'-CTAGAAAGTCAGGTCACAGGATCAAT-3';AGGTCAハーフサイト 直列反復(DR3) 5'-CTAGTGCTCGGGTAGAGGTCACAGAGGTCACTCGACTCGT-3';オステオ ポンチンビタミンD応答エレメント(VDRE) 5'-CTAGTGGGGCTCGGGTAGGGGTTCA-CG AGGTTCACTCGACTCGT-3';および無関係のCTF/NF1プローブ5'-CCTTTGGCATGCTGCCAA TATG-3'。過剰発現した野生型ヒトエストロゲンレセプター(ER)を、Phamら、M ol.Endocrinol、6:1043-1050(1992)に記載のように、S.cerevisiaeの抽出物 において回収した。抗エストロゲンレセプター抗体を、Santa Cruz BioTech、Sa nta Cruz,CAから購入した。抗C0UP-TF抗体は、M.J.およびS.Y.Tsai(BaylorCol lege of Medicine,Houston,TX)からの寛大な贈呈物であった。一本鎖オリゴ ヌクレオチドをそれらの相補配列とアニールし、そして32P-ATP(DuPont-NewEng land Nuclear,Boston,MA)でT4キナーゼ(GIBCO-BRL,Grand Island,NY)に より108cpm/μgDNAの非活性にまで放射標識した。100nMの17β-エストラジオ ール、25 OHD3または1,25-(OH)2D3で23℃にて1時間プレインキュベートした( またはしていない)核後抽出物または核抽出物(10μgタンパク質)を、2μgpo ly-dl-dC(Boehringer-Mannheim、Indianapolis、IN)および10%グリセロール 中の20mM HEPES(pH7.9)、100 mM KCl、5mM MgCl2で氷上で15分間インキュベー トし、32P標識プローブを添加し、そしてインキュベーションを室温にて15分間 続けた。この反応の試料を、100Vで0.5×TBE緩衝液中で6%ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動にかけた。ゲルを乾燥させ、そしてKodak X-OMAT AR フィルムに 曝露した。濃度測定は、Helena EDC濃度計(C.Helena Laboratories,Beaumont ,TX)で実施した。 5.4. NWP 細胞の核および核後抽出物は、EREに結合するタンパク質を含む 細胞抽出物を、代表的なNWPB95-8およびOWP MLA細胞株の両方から同一に調製 した。抽出の前に、細胞を破壊し、そして核ペレットに付随するERをGacadら、Bo ne Min.Res.8:27-35 (1993)のこれらの条件下で、細胞内ビタミンD結合タン パク質が富化されている核後上清から分離する(Tzu Kermanら、Mol .Endocrin8: 21-30(1994))ために、インタクトな核を「低塩」緩衝液中で細胞サイトゾルか ら分離した。「高塩」核抽出物を、透析により0.1 M KClに調整した一方、「低 塩」核抽出物を、希釈により同じ塩濃度に調整した。核後抽出物および核抽出物 のタンパク質濃度を一致させ、EMSAにおいて添加されたヒトERの存在下、または 非存在下で使用した。ステロイド抵抗性新世界霊長類細胞およびステロイド応答 性旧世界霊長類細胞の核抽出物および核後抽出物の特異的DNA結合能を、コンセ ンサスERE(エストロゲン応答エレメント)(AGGTCAcagTGACCT)を含むオリゴヌ クレオチドで合成的に調製したパネルを用いて試験した。実験は、ステロイド抵 抗性B95-8細胞の核後抽出物が、標識したエストロゲン応答エレメントの移動度 を遅延させたタンパク質(標識したERE-BP(エストロゲン応答エレメント結合タ ンパク質))を含んだことを示した。この複合体の存在は、ステロイド抵抗性表 現型の細胞抽出物に特異的であった;タンパク質濃度を一致させた野生型(wold type)OWP抽出物は、この様式ではEREを遅延しなかった。ゲルで見られた他の主要 なより遅く移動するバンドと比較すると、このタンパク質の結合は、EREまたは その内容物であるハーフサイトAGGTCAについて最も特異的であった。標識してい ないEREまたはヘキサヌクレオチドハーフサイトAGGTCAのいずれかの100倍モル過 剰の封入により、標識EREに対するERE-BPの結合を完全に競合して除くこと(comp lete away)に成功した。プローブおよび100倍モル過剰のAGGTCA DR3(AGGTCAcagA GGTCA) との同時インキュベーションは、EREの)ERE-BPによる競合において、ERE またはAGGTGA DR3のいずれかよりは効果的ではなかった。過剰量の放射不活性VD RE(ビタミンD応答エレメント)(ヒトオステオポンチンプロモーターにおいて 見い出された(Carlbertら、Nature 361:657-660 (1993)を参照のこと))との 同時インキュベーションにより、EREについての最小競合能を示した。無関係のC TF/NFlオリゴヌクレオチドは、ERE-BP-ERE複合体において効果がなか った。プローブとのインキュベーション前の抽出物の系列希釈により、遅延され たEREの出現は減少(1:10)し、次いで消滅した(1:50)。得られた結果は、こ のタンパク質または類似の挙動を示す種もまた、ステロイド抵抗性新世界霊長類 細胞において回収されたが、しかしステロイド応答性OWP細胞株の核抽出物にお いては回収されなかったことを確認した。 5.5 ステロール/ステロイドリガンドは、ERE-BP-ERE相互作用を変化させな それらの同族体リガンドによるステロイドレセプタータンパク質の修飾は、時 折、レセプターの二重化のパターンならびにレセプターの応答エレメント結合能 を決定するのに重要である。ERE-BPとEREとの相互作用がまた、可能性のあるリ ガンドとの前曝露により修飾されるか否かを試験するために、ステロイド抵抗性 NWP B95-8細胞を、抽出前かまたはインビトロでプローブとともにインキュベー ションする前のERE-BPを含む抽出物への曝露によりリガンドに曝露した。これら の実験について、細胞または細胞の抽出物は、プローブとの相互作用前に、ERを 飽和させる濃度の17β-エストラジオール(100 nM)または同様の濃度の25-OHD3 および1,25-(OH)2D3(細胞内ビタミンD結合タンパク質(IVD-BP)に対して最高 の親和性を示す化合物、Gacadら、Endocrinology 131:2581-2587(1992))でプレ インキュベートした(Gacadら、1991、J .Clin.Invest.87:996-1001に記載され る)。 採集の前の細胞の前曝露、または標識したEREとの相互作用前のこれらのリガ ンドに対する核後抽出物および核抽出物とのインキュベーションはいずれも、ER E-BP-ERE複合体の移動度には有意の影響を全く有さなかった。さらに、NWP核後 抽出物の、ER-ERE複合体を極度にシフトさせる抗ER抗体とのインキュベーション は、100 nM 17β-エストラジオールとの同時インキュベーションの前または後の いずれにおいても、ERE-BP-ERE複合体の移動度または強度に対して影響が無かっ た。EMSAの前に100 nMの25-OHD3および1,25-(0H)2D3とともにインキュベートし た細胞抽出物において同一の結果が得られた。 5.6. NWP ERE-BP は、ER-ERE相互作用を競合的に破壊する NWP細胞抽出物に存在するエストロゲン応答エレメント結合タンパク質は、機 能的にインビボで細胞にエストロゲン抵抗性を与え得る。その結果、ERE-BPは、 :[1]ERに匹敵する(またはより大きい)親和性でEREに対して結合し得るか、お よび/または細胞内でERよりはるかに高い濃度で存在するべきで;そして[2]ERE とERとの正常な相互作用を破壊し得るべきである。前述のように、活性化された エストロゲンレセプター(ER)をEREに曝露させた場合、ゲルにおけるEREの移動 度は、ERE-BPを含む新世界霊長類核抽出物または核後抽出物をEREプローブとイ ンキュベートした場合よりもかなりはるかに遅くなる。これらのデータは、ER-E RE複合体の分子量がERE-BP-ERE複合体より比較的大きいことを示唆した。ERおよ び核抽出物または核後抽出物のいずれかをEREプローブを用いて共インキュベー トした場合、ER-ERE複合体およびERE-BP-ERE複合体の両方を同じレーンで同定し た。活性化したERおよび標識したEREと共インキュベートする前の抽出物の希釈 により、ER-EREに有利なように、遅延された複合体のバランスをシフトさせた。 これらのデータは、ERE結合に対する競合が、ステロイド抵抗性表現型を示す新世 界霊長類細胞の抽出物に存在するERE-BPの相対量に依存することを明らかに示す 。 酵母エストロゲンレセプター抽出物および新世界霊長類細胞抽出物の適切な濃 度を事前に決定していたにも関わらず、エストロゲン応答エレメント結合タンパ ク質(ERE-BP)およびヒトエストロゲンレセプター(ER)濃度の割合が、上記の 実験においてモルベースで一致していたかどうかは不明である。しかし、内因性 ER-ERE複合体が、ERの正常な補体を有することが公知のB95-8細胞からの核抽出 物において検出されなかったならば、新世界霊長類細胞からの核抽出物が、内因 性エストロゲンレセプターと比較してERE-BPが比較的富化されたことを推定し得 る。 ヒトERを含む酵母抽出物の希釈していない調製物は、タンパク質濃度を一致さ せた場合、ERE-BPを含む新世界霊長類細胞抽出物よりもよりEREを遅延させた。 この実験において、標識していないEREの漸増濃度を、エストロゲンレセプター およびERE-BPの両方への結合に対する標識されたEREとの競合において使用した 。 標識していないEREの濃度において80倍の上昇が、ER-ERE複合体のほとんどを完全 に競合して除くために必要とされたのに対して、標識していないEREの20倍モル 過剰が、ERE-BP標識したERE複合体の存在を競合的に除去した。EREとの結合にお けるERおよびERE-BPの相対的な効力のよりよい考えを得るために、この実験を、 競合的であり標識していないEREのより広い用量範囲にわたり、ERを含む酵母抽出 物の1:15の希釈およびNWP ERE-BPを含む抽出物の同じ調製物を用いて繰り返した 。これらの条件下で、ER-ERE複合体の濃度がERE-BP-ERE複合体の濃度よりも大き いかわりに小さいことを観察した。標識していないEREの濃度における25倍の上 昇が、ER-ERE複合体からほとんどのERを競合して除去し、そしてERE-BP標識したE RE複合体からほとんどのERE-BPを競合して除くために必要とされた。希釈してい ないERおよびl:15で希釈したERを用いた2つの実験のEMSAの濃度測定分析は、同 じ結果を示し、EREからERまたはERE-BPのいずれかの半最大の置換を誘発するのに 7倍過剰の標識していないEREを必要とした。 このような因子の存在についてのスクリーニングとして電気泳動移動度シフト アッセイ(EMSA)におけるER-ERE相互作用を用いて、内因性ERを含む核抽出物お よびERを欠く核後抽出物の両方が、コンセンサスEREと直接相互作用する、ERとは 関連しないタンパク質を含んでいたことを発見した。 5.7. NWP ERE-BP の結合についてのDNA配列特異性 コンセンサスEREは、6塩基対ハーフサイトモチーフAGGTCA(18)の逆方向反復 により特徴付けられる。NWP ERE-BPの結合が、EREに特異的か否かを決定するため に、AGGTCAハーフサイトモチーフを含む他のレセプター応答エレメントを、標識 したERE-ERE-BP結合を競合して除くために使用した。AGGTCAハーフサイトを含む 標識していない競合的オリゴヌクレオチドのリストは、コンセンサスERE、TRE、 TREパリンドローム(TREpal)、RXREおよびC0UP-TFlEを含んだ。これらのうち、 100倍過剰のEREのみが競合的に標識したERE-ERE-BP結合を除去した。コンセンサ スEREにおいて見い出される、3ヌクレオチドcagにより分離されるAGGTCAハーフ サイトの直列反復を有する合成ヌクレオチドDR32は、標識したEREプローブとの 競合においてEREとほぼ同じくらい効果的であって、そしてこの競合能は、 ハーフサイトに隣接する配列には関係がなかった。これらの結果は、AGGTCAハー フサイトモチーフ単独だけではなく、AGGTCAハーフサイトならびに介在するcag 3ヌクレオチドが、EREに対するERE-BP結合の決定において重要であることを示 唆した。 次の疑問は、ERE-BP相互作用が、第二のハーフサイトの非存在下でAGGTGCAcag と相互作用するか否かであった。この疑問に回答するために、EREの3'AGGTCAを 欠失するが、コンセンサスEREにおいて見い出される5'AGGTCAおよび介在する3 ヌクレオチドcagを保持する合成オリゴヌクレオチドを調製した。このオリゴヌ クレオチドは、標識したプローブとの競合においてコンセンサスEREと同程度効果 的であり、このことは、ERE-BPがモノマーとして単一のコアエレメントに結合し 得ることを示す。 5.8. NWP ERE-BP のアフィニティー精製 AGGTCAcagモチーフが、ERE-BP結合に対する競合においてコンセンサスEREと同 程度に効果的であったことから、セファロースに連結したAGGTCAcagモチーフの コンカテマー(concatamer)をB95-8細胞の核後抽出物からのERE-BPのアフィニテ ィー精製において使用した;このストラテジーは、モノマーとしてハーフサイト AGGTCAと相互作用し、本発明者らの核後抽出物において不注意に保持され得るER の回収のチャンスを減少させるDNA結合タンパク質を回収する本発明者らの機会 を最適化した。タンパク質のクロマトグラフィーによる分離を、段階的な塩勾配 により実施した。勾配の中部(0.4〜0.7 M KCl)の画分は、EMSAにおいてEREと 相互作用するタンパク質が富化されていた。このERE結合活性の特異的な活性は 、0.5Mおよび0.6Mの塩を含む画分において最高であり、隣接する任意の画分で観 察されたよりも20〜30倍高く、出発物質の活性より20,000倍高かった。DNAアフィ ニティークロマトグラフィー由来のこれらの2つの画分のSDS-PAGEは、55〜65kDa の範囲における2つの異なる銀染タンパク質の存在を開示した。アフィニティー クロマトグラフィー由来の0.5 M KCl画分におけるタンパク質はまた、内因性エ ストロゲンレセプターとは区別され得;精製したERE-BPは、EMSAにおいて試験し たいかなる抗ER抗体とも相互作用せず、そして17β-エストラジオールとは特 異的に結合しなかった。 DNAアフィニティーカラムを、基本的にKadondagaおよびTijan(16)に記載さ れるように調製した。2つのゲルで精製したオリゴデオキシヌクレオチド(相補 配列の26ヌクレオチドを含み、そして付着末端である4塩基対を有する30マー; 5'-GATCCTA-GAAAGT-CAGGTCACAGGATCAAT-3'および5'-GATCATTGATCCTGTGACCTGACTT TC-TAG-3')を合成した。220μgの各オリゴヌクレオチドをアニールし、[γ-32 P]ATPで5' リン酸化して結合効率を確認し、そして連結した。次いで、得られた DNAオリゴマーを臭化シアン(CNBr)活性化Sepharose 4B(Pharmacia,Piscataw ay,NJ)と結合させた。残りの過剰な活性基をエタノールアミンでブロックした 後、DNA結合樹脂を、クロマトグラフィー用の2mlのポリプレップ(poly-prep) カラム (BIO-Rad、Hercules、CA)中に配置した。カラムを0.1 のKClを含む溶出 緩衝液(25 mM Hepes[pH 7.6]、12.5 mM MgCl2、1mM DTT、20 % グリセロール、 および0.1%ノニデット (nonldet)P-40)で平衡化した。B95-8細胞抽出物(13 〜20mg)(上記のように調製)を非特異的競合剤ポリdIdC(4mg/ml)を含む溶出 緩衝液中に可溶化し、そしてカラムに重力速度(12ml/時間)で添加した。次い で、タンパク質をカラムから段階的勾配様式により、0.1〜1.0M KClを含む溶出 緩衝液の10の10mLのアリコートの連続的な添加により溶出した。各カラム溶出液 の画分(2ml)をMicrocon-30フィルターで濃縮して脱塩し、そしてERE結合能をE MSAにより評価した。各画分のアリコートを使用して全タンパク質濃度を決定し た。各画分における内容タンパク質を、10%SDS-PAGEにおいて解析し、銀染色に より同定した。 上記の実験は、同定したエストロゲン応答エレメント結合タンパク質(単数ま たは複数)(ERE-BP)のインビトロでの機能的な局面の解明に役立った。ERE-BP は、ERとは関連しないようである。ER-ERE複合体およびERE-BP-ERE複合体の両方 が異なるバンドとして同じゲル上で観察され得、ERE-BP-ERE複合体の見かけ上の 分子量はER-ERE複合体の分子量より小さかった;データによりERE-BPは44〜45kD aの分子量を有することが示唆された。さらに、ERおよびERE-BPは、EREに対する 結合について競合する。 ERE-BPおよびERが異なる存在であるさらなる証拠が存在する。ヒトと非ヒト 霊長類(特に、NWP)との間の明確な種差があるという事実には矛盾しないよう に、ERE-BPは抗ER抗体により極度にシフトしない。そしてまた、ERE-BP複合体は 、ERに対するリガンドの選択肢である17β-エストラジオールへの前曝露により 変化しない。最終的に、好ましいERとEREとの好適な相互作用様式が、リガンド 転換(ligand-transformed)ホモダイマーとして(Tsaiら、Annu .Rev.Biochem 63:451-486 (1994))存在する。ERE-BPは、EREとモノマーとして相互作用し得る 。このことは、標識したERE-BP-ERE複合体が、ヘキサヌクレオチドハーフサイト AGGTCA単独の添加により、またはこのハーフサイトの直列反復により効果的に競 合されて除かれるという事実により支持される。 参考としての援用 本明細書中で引用される全ての特許、特許出願、および刊行物は、参考として 援用される。 同等性 上記の明細書は、当業者が本発明の実施をし得るのに十分であると考慮される 。実際、本発明を実施するにために、有機化学または関連分野の当業者に明らか な上記の方法の種々の改変は、以下の請求項の範囲内にあると意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 A61K 37/02 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に精製されたエストロゲン応答エレメント結合タンパク質。 2.前記タンパク質が哺乳動物起源である、請求項1に記載のエストロゲン応答 エレメント結合タンパク質。 3.前記哺乳動物が霊長動物である、請求項2に記載のエストロゲン応答エレメ ント結合タンパク質。 4.前記霊長動物がヒトである、請求項3に記載のエストロゲン応答エレメント 結合タンパク質。 5.前記霊長動物がCallithrix jacchusである、請求項3に記載のエストロゲン 応答エレメント結合タンパク質。 6.エストロゲン応答エレメント結合タンパク質を精製する方法であって、該方 法は以下の工程を含む、方法: ヌクレオチド配列AGGTCAに対してエストロゲン応答エレメント結合タンパク質 を曝露する工程。 7.請求項1に記載のエストロゲン応答エレメント結合タンパク質に特異的に結 合する特性を有する抗体。 8.前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項7に記載の抗体。 9.エストロゲン応答エレメント結合タンパク質を検出するための方法であって 、該方法は以下の工程を含む、方法: (a)請求項7に記載の抗体と細胞または細胞抽出物と接触をさせる工程;お よび (b)該抗体と該細胞または細胞抽出物中のエストロゲン応答エレメント結合 タンパク質との間に形成された複合体の形成を検出する工程。 10.動物に対して治療的利点を提供するための、請求項1に記載のエストロゲ ン応答エレメント結合タンパク質の使用。 11.前記治療的利点がガンの処置である、請求項10に記載の使用。 12.前記治療的利点が受胎能の調節である、請求項10に記載の使用。 13.前記動物が哺乳動物である、請求項10に記載の使用。 14.前記哺乳動物が霊長動物である、請求項13に記載の使用。 15.前記霊長動物がヒトである、請求項14に記載の使用。 16.前記治療的利点がガンの処置である、請求項15に記載の使用。 17.前記治療的利点が受胎能の調節である、請求項15に記載の使用。
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