JP2000500929A - 高められた漏れインダクタンスを有する電流補償形無線障害抑制チョーク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 差動モードで減衰特性を高めるために、それぞれ閉じた磁心（Ｋ１、Ｋ ２）上にある二つの巻線（Ｗ１、Ｗ２）を有し、その磁心（Ｋ１：Ｋ２）が結合巻線（Ｗ３）によって互いに結合され、結合巻線上に補助磁心（ＺＫ１、ＺＫ２）が設けられている電流補償形無線障害抑制チョークを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】 高められた漏れインダクタンスを有する電流補償形無線障害抑制チョーク 本発明は、漏れインダクタンスを高めるための構造的処置が講じられ且つ動作 電流が流れる少なくとも二つの巻線を備え、その巻線方向が、動作電流で誘導さ れた磁界が相殺され、自己容量を介して大地に接続される地電流が相補磁界を発 生するように選定され、巻線の各々がそれぞれ軟磁性材料製の閉じた磁心上に巻 きつけられ、巻線を備えた磁心が互いに結合巻線を介して接続されている電流補 償形無線障害抑制チョークに関する。 この種の無線障害抑制チョークはドイツ特許出願公開第９５１５４９４号明細 書に記載されている。 この電流補償形チョークの課題は、動作電流に比べて高い周波数の妨害電流を 減衰することにある。この場合、導線および負荷の自己容量を介して大地に接続 される大地に対し非対称の電流を区別する。これらの電流は軟磁性材料製の閉じ た磁心内に磁界を発生し、この磁界は、磁心がこれらの妨害電流の周波数で逆磁 化されて、これらの妨害電流に対して強いチョーク作用を有するように相補う。 更に、動作電流と同様に、リード線を通り負荷を介して回路網に戻る妨害電流も 生じ得る。この妨害電流は動作電流と同じように磁心上の巻線を通って流れるの で、その磁界は磁心内で相殺される。ここでも減衰作用を得るために例えば磁心 の周囲に磁気を案内する材料が設けられ、巻線を有する磁心から成る電流補償チ ョークの漏れインダクタンスが高められ、そのようにして動作電流を重畳する大 地に対し対称な電流の減衰も達成される。 本発明の課題は、この種の電流補償チョークに対する配置を、大地を介して接 続される妨害電流の減衰作用を一層改善するように（差動モードをもたらすよう に）改良することにある。 本発明によればこ解決は、結合巻線が動作電流の流れる巻線を備えた磁心に付 加して、漏れインダクタンスを一層高めるために、軟磁性材料から成る 二つ以上の閉じた補助磁心を取り巻くか、又は軟磁性材料から成る少なくとも一 つの閉じた補助磁心により包囲されることにある。 これにより、この補助磁心が、結合巻線の巻線により発生される磁界の合計が ０でないときのみ逆磁化されるという特別な利点が生ずる。 本発明の実施形態は各従属請求項に記載されている。 本発明は図に例が示され、以下図に示した実施例を参照して詳細に説明する。 図１は結合巻線を包囲する二つの閉じた補助磁心を備えた単相負荷のための電 流補償形無線障害抑制チョークの概略構成図、 図２は結合巻線を包囲する一つの閉じた補助磁心を備えた単相負荷のための電 流補償形無線障害抑制チョークの概略構成図、 図３は大地を介して接続される妨害電流に対する減衰経過の線図である。 図１において交流電圧源１は導線２、巻線Ｗ２および導線３を介して抵抗とし て示されている負荷４に接続されている。負荷４から交流電圧源の反対側の極へ の帰路は導線５、巻線Ｗ１および導線６を介して行われる。巻線Ｗ１、Ｗ２は電 流補償形チョークの巻線である。その巻線Ｗ１は磁心Ｋ１上に、巻線Ｗ２は磁心 Ｋ２上に巻かれている。両磁心は短絡された結合巻線Ｗ３を介して互いに接続さ れており、この短絡結合巻線Ｗ３は一つあるいは複数のターンから成ることがで き、有利にはＵ形あるいは半円形の中実部品の差込み結合部としても形成するこ とができる。導線３と大地７との間に破線によってコンデンサ８が示されており 、このコンデンサ８は例えば接続された導線３、５を含む負荷４の自己容量を表 す。 更に結合巻線Ｗ３は、動作電流が流される巻線Ｗ１、Ｗ２を備えた磁心Ｋ１、 Ｋ２に加えて、磁心Ｋ１、Ｋ２と同様に軟磁性材料から成っている二つの閉じた 補助磁心ＺＫ１、ＺＫ２を取り巻いている。 次のこの装置の機能について説明する。動作電流Ｉｎは、例えば所定の半波 で、矢印で示されている方向に、導線２を介して巻線Ｗ２および導線３を通って 負荷４に流れる。その場合磁界Ｈｎ２が発生される。負荷から帰還する電流Ｉｎ は同様に矢印で示されている方向に巻線Ｗ１および導線６を通 って交流電圧源１に戻る。その場合磁心Ｋ１に磁界Ｈｎ１が、磁心Ｋ２に磁界Ｈ ｎ２が生ずる。これらの磁界は結合巻線Ｗ３の内部において磁界変化を引き起こ し、これによって結合巻線Ｗ３内に電流を発生させ、この電流は抵抗が小さいた めに磁界Ｈｎ１、Ｈｎ２と逆向きの磁界を磁心Ｋ１、Ｋ２に発生させるので、実 際にはどの磁心にも顕著な磁界は形成されない。 いま動作電流Ｉｎ内に外乱によって、動作電流Ｉｎと周波数が高い点だけが相 違する電流が同じ方向に重畳されると、同じ極性において同じ磁界方向が生ずる 。 しかしながら、高い周波数の妨害電流に関連して結合巻線Ｗ３に表皮効果が認 められる、即ち結合巻線Ｗ３の抵抗が高い周波数の妨害電流に関しては比較的低 い周波数の動作電流の場合よりも大きい。このように増大した結合巻線Ｗ３の抵 抗は、その巻線内に動作電流の場合よりも高い電圧を誘導させるように働く。し かしこの電圧は妨害電流の周波数に伴って結合巻線Ｗ３の内部に磁界変化をもた らすので、両巻線Ｗ１、Ｗ２は妨害電流に関しては動作電流の場合よりも大きな チョーク作用を有する。 更になお、両巻線Ｋ１、Ｋ２の互いに反対側に巻線Ｗ１、Ｗ２が設けられてい る。これら両巻線間の距離は両者の結合を減少するので、装置全体は、構造的形 態によっても、漏れインダクタンスが増大する。 しかしこの漏れインダクタンスは、結合巻線Ｗ３が動作電流が流される巻線Ｗ １、Ｗ２を備えた磁心Ｋ１、Ｋ２に付加して、二つの閉じた補助磁心ＺＫ１、Ｚ Ｋ２を取り巻いていることによって、決定的に高められる。 図２に原理的に図１と同じ装置が示され、ここでは結合巻線Ｗ３が一つの閉じ た補助磁心ＺＫ３で取り巻かれている。 これによって上述の両装置の場合、これらの補助磁心は、巻線Ｗ１、Ｗ２によ って結合巻線Ｗ３内に発生された磁界の総計が０でないときのみ逆磁化されると いう特別な利点が生じる。 半波の極性がＩｅを付された矢印で表示されている地電流に対して、（これは 自己容量（コンデンサ８）を介して大地に流れるので）磁心Ｋ１、Ｋ２にＨｅ １、Ｈｅ２で表示された磁界経過が生ずる。これらの磁界が結合巻 線Ｗ３の内部でそれぞれ異なった方向を有し、従って結合巻線Ｗ３の内部におけ る総磁界変化は０であることが理解できる。即ちこの場合、結合巻線は磁心Ｋ１ 、Ｋ２における磁界の形成を妨げないので、大地を介して流れるこれらの電流は 比較的大きく減衰される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．漏れインダクタンスを高めるための構造的処置が講じられ且つ動作電流が流 れる少なくとも二つの巻線（Ｗ１、Ｗ２）を備え、それらの巻き方向が、動作電 流（Ｉｎ）で誘導される磁界（Ｈｎ１、Ｈｎ２）が相殺され、自己容量を介して 大地に接続される地電流（Ｉｅ）が相補磁界（Ｈ１ ｅ、Ｈ２ ｅ）を発生する ように選定され、巻線（Ｗ１、Ｗ２）の各々がそれぞれ軟磁性材料製の閉じた磁 心（Ｋ１、Ｋ２）上に巻きつけられ、巻線（Ｗ １、Ｗ２）を備えた磁心（Ｋ１ 、Ｋ２）が互いに結合巻線（Ｗ３）を介して結合されている電流補償形無線障害 抑制チョークにおいて、結合巻線（Ｗ３）が動作電流（Ｉｎ）の流れる巻線（Ｗ １、Ｗ２）を備えた磁心（Ｋ１、Ｋ２）に付加して、漏れインダクタンスを一層 高めるために二つ以上の閉じた磁心（ＺＫ１、ＺＫ２）を取り巻いていることを 特徴とする電流補償形無線障害抑制チョーク。 ２．漏れインダクタンスを高めるための構造的処置が講じられ且つ動作電流が流 れる少なくとも二つの巻線（Ｗ１、Ｗ２）を備え、それらの巻き方向が、動作電 流（Ｉｎ）で誘導される磁界（Ｈｎ１、Ｈｎ２）が相殺され、自己容量を介して 大地に接続される地電流（Ｉｅ）が相補磁界（Ｈ１ ｅ、Ｈ２ ｅ）を発生する ように選定され、巻線（Ｗ１、Ｗ２）の各々がそれぞれ軟磁性材料製の閉じた磁 心（Ｋ１、Ｋ２）上に巻きつけられ、巻線（Ｗ １、Ｗ２）を備えた磁心（Ｋ１ 、Ｋ２）が互いに結合巻線（Ｗ３）を介して結合されている電流補償形無線障害 抑制チョークにおいて、結合巻線（Ｗ３）が軟磁性材料製の少なくとも一つの閉 じた補助磁心（Ｋ３）によって取り囲まれていることを特徴とする電流補償形無 線障害抑制チョーク。 ３．補助磁心（ＺＫ１、ＺＫ２；ＺＫ３）が巻線を持っていないことを特徴とす る請求項１又は２記載の電流補償形無線障害抑制チョーク。 ４．閉じた磁心（Ｋ１、Ｋ２）および又は閉じた補助磁心（ＺＫ１、ＺＫ ２； ＺＫ ３）が軟磁性板が積層された環状磁心であることを特徴とする請求項１な いし３のいずれか１つに記載の電流補償形無線障害抑制チョーク。 ５．軟磁性板が非晶質あるいはナノ結晶質の合金から成っていることを特徴とす る請求項４記載の電流補償形無線障害抑制チョーク。 ６．閉じた磁心（Ｋ１、Ｋ２）が結合巻線（Ｗ３）によって互いに密に並べて保 持され、動作電流（Ｉｎ）が流れる巻線（Ｗ１、Ｗ２）が閉じた磁心（Ｋ１、Ｋ ２）の結合巻線（Ｗ３）と反対側上に巻きつけられていることを特徴とする請求 項１ないし５のいずれか１つに記載の電流補償形無線障害抑制チョー ク。 ７．結合巻線（Ｗ３）が互いに差込み結合された中実の銅部品から成っているこ とを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１つに記載の電流補償形無線障害抑 制チョーク。