JP2000500323A - レセプター媒介トランス活性化による植物内のコントロール遺伝子発現のための化学リガンドとしての幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つ - Google Patents

レセプター媒介トランス活性化による植物内のコントロール遺伝子発現のための化学リガンドとしての幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は植物内の遺伝子発現のコントロール法を記載する。具体的に、本方法はUSPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現カセットおよび標的ポリペプチドをコードする標的発現カセットで植物を形質転換することを含む。この形質転換植物の幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つへの接触により、USPレセプターポリペプチドの存在下で標的ポリペプチドの発現が活性化する。所望により"第2の"レセプター発現カセットを使用し得、第2のレセプター発現カセットはUSPと異なるレセプターポリペプチドをコードする。この方法は植物繁殖能力のような種々の農学的に重要な性質のコントロールに有用である。以前は未知であったUSPのリガンドの同定法も記載されている。試験すべき物質を、USPレセプター発現カセットおよび標的発現カセットで形質転換した植物細胞と接触させることにより同定する。標的発現カセットはレセプターポリペプチドをコードし、その発現が定質的または定量的に測定され、それにより試験物質がUSPのリガンドであると同定される。

Description

【発明の詳細な説明】 レセプター媒介トランス活性化による植物内のコントロール遺伝子発現のための 化学リガンドとしての幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つ 本発明は、植物内の遺伝子発現の化学コントロールに関する。特に、幼若ホル モンまたはそのアゴニストの一つを化学リガンドとして使用し、植物細胞、およ びトランスジェニック植物内の標的ポリペプチドのレセプター媒体発現を調整す ること、並びに適当な発現カセットを含む植物材料または植物およびその子孫に 関する。 ある場合、植物、植物細胞または植物組織における発現形質を時間的にまたは 発現の程度をコントロールすることが望ましい。理想の状態は、意志によるこの ような発現の調整であり、農作物、鑑賞用低木等に容易に適用できる化学物質に より引き金を引く。この理想の状態を達成するために使用する、遺伝子発現を調 整するこのようなシステムの一つは、植物に本来存在するかまだ未知であるが、 核レセプターのステロイドおよびチロイドホルモンスーパーファミリーである。 核レセプターのステロイドおよびチロイドホルモンスーパーファミリーは、哺乳 類および昆虫で発見され、100を超える既知のタンパク質から成る。哺乳類で 発見されたスーパーファミリー内のレセプターのいくつかは、レチノイン酸レセ プター(RAR)、ビタミンDレセプター(VDR)、チロイドホルモンレセプター (T3R)およびレチノイックXレセプター(RXR)である。スーパーファミリー のこれらおよび他のレセプターは、標的遺伝子の5'調整領域に結合し、化学リ ガンドのレセプターへの結合により、標的遺伝子発現をトランス活性化する。 上記のように哺乳類で発見されたレセプターに加えて、類似の構造および活性 を有するレセプターが、昆虫ショウジョウバエで同定されている。Koelle et al .,Cell 67:59(1991);ChristiansonおよびKafatos,Biochem.Biophys.Res.Co mm.193:1318(1993);Henrich et al.,Nucleic Acids Res.18:4143(1990)。エ クジソンレセプター(EcR)は昆虫ステロイドホルモン20−ヒドロキシエクジ ソ ンを結合し、Ultraspiracle遺伝子(USP)の生産物とヘテロダイマー化した時 、遺伝子発現をトランス活性化する。20−ヒドロキシエクジソン以外の、ホル モンアゴニストのような更なる化学リガンドは、またEcRに同様の条件下で結 合し、標的遺伝子のトランス活性化をもたらす。 USPはまた、そのリガンドが同定されていないため、“オーファン”レセプ ターであると見なされるが(Seagraves,Cell 67:225-228(1991))、核レセプター のステロイドおよびチロイドスーパーファミリーの仲間であることが示されてい る。USPはRXRα(Oro et al.,Nature,347:298-301(1990))と配列におい て関連し、RXRはEcRとヘテロダイマーを形成することが可能である(Thoma s et al.,Nature 362:471-475(1993))。幼若ホルモンアゴニストであるメトプ レンおよびその誘導体であるメトプレン酸は、RXRαを経由した作用により、 昆虫および哺乳類細胞の両方の組み換えレセプター遺伝子を転写的に活性化する ことが示されている(Harmon et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.92:6157-6160(19 95))。幼若ホルモンは、しかしながらRXRα−媒体トランス活性化を誘導しな い(Harmon et al.)。今日まで、核幼若ホルモンレセプターに関する決定的証拠 はないが(Harmon et al.:HenrichおよびBrown,Insect Biochem.Molec.Biol. 25:881-897(1995))、オーファンレセプターUSPが候補であり得るとして示さ れている(Harmon et al:Seagraves;Oro et al.,Current Opinion in Genetics and Development 2:269-274(1992)もまた参照)。 幼若ホルモンおよびそのアゴニストは、これらの化学物質の農学的使用が既知 であったため、以前には認識されていなかった植物内の遺伝子発現の化学物質の コントロールの性質を提供する。今日まで欠失していたのは、これらの化学物質 をトランスジェニック植物の標的遺伝子のトンラス活性化の誘導のために使用で きるようにする手段である。幼若ホルモンおよびそのアゴニストは、本明細書で オーファンレセプターUSPのリガンドとして示されている。この発見は、植物 で本来存在しない核レセプターを利用する、植物の遺伝子制御法の実施を可能に する。これは、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの適用の作用のみが、 遺伝子的操作された標的遺伝子の発現を誘発することを意味する。本発明で証明 するように、USPレセプターポリペプチド、およびそれをコードする植物発現 可能遺伝子は、植物内での機能が、標的ポリペプチドの発現をコントロールする ものであり、それは幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在下で、US Pレセプターポリペプチドが標的発現カセットの5'調整領域を活性化するもの であるように、開発される。このような植物内での遺伝子発現をコントロールす る方法は、植物繁殖能力のような農学的に重要な種々の性質のコントロールに有 用である。 本発明は、植物内の遺伝子発現をコントロールする方法を記載する。具体的に 、この方法は、植物を、USPレセプターポリペプチドをコードする、USPレ セプター発現カセット、少なくとも一つの標的ポリペプチドをコードする標的発 現カセット、および所望によりUSPレセプターポリペプチドと異なる第2のレ セプターポリペプチドをコードする第2のレセプター発現カセットで形質転換す ることを含む。この形質転換植物の幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つと の接触により、USPレセプターポリペプチドの存在下で標的ポリペプチドの発 現を活性化または阻害する。所望により、更なる“第2の”レセプター発現カセ ットが使用し得、第2のレセプター発現カセットはUSPと異なるレセプターポ リペプチドをコードする。この方法は、植物繁殖能力のような農学的に重要な種 々の性質のコントロールに有用である。 本発明は、更に、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つにより活性化され るUSPレセプター発現カセットおよび標的発現カセットを含むトランスジェニ ック植物に関する。植物細胞環境内で有効なUSPの以前は未知であったリガン ドの同定の方法もまた本発明に含まれる。試験すべき物質は、それをUSPレセ プター発現カセットおよび標的発現カセットで形質転換した植物細胞と接触させ ることにより同定する。標的発現カセットはレポーターポリペプチドをコードし 、その発現が定量的または定質的に測定でき、それにより試験物質がUSPのリ ガンドとして同定される。図1 は、5'調整領域に存在する重複反応エレメントと共に、VP16-USPレセプタ ー発現カセットおよび標的発現カセットを含む植物細胞の図式的提示である。幼 若ホルモンまたはそのアゴニストの一つ存在下で、VP16-USPレセプターは標的ポ リペプチドの発現を活性化する。図2 は、USP-VP16およびGAL4-EcRレセプター発現カセットの両方を含む植物細胞 の図式的提示である。幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つへの暴露により 、GAL4-EcRおよびUSP-VP16レセプターポリペプチドの組み合わせによる標的ポリ ペプチドの発現の活性化が逆転する。図3 は、化学リガンドテブフェノジド(RH5992としても既知)が存在する以外、図 2に対応する。幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在により、また活 性化がこれらの環境で逆転する。 “幼若ホルモン”は、昆虫により製造される化学化合物のクラスを意味する。 幼若ホルモンは、昆虫の幼若特性の保持および続く成熟の防止により、幼虫変態 をコントロールする。幼若ホルモンの作用は、行動的、生科学的または分子効果 として生物学的に証明されている。数個の天然に存在する幼若ホルモンが単離さ れ、特徴付けされている。幼若ホルモンのアゴニストは、幼若ホルモンの生理学 的活性の1個またはそれ以上を示す化合物のクラスを意味する。幼若ホルモンの アゴニストは、幼若ホルモンの構造的アナログであっても無くてもよい。上記幼 若ホルモン様生理的効果を直接産生する化合物の代謝前駆体であり得る化合物も またこの記載に含まれる。例えば、メトプレンはメトプレン酸の代謝前駆体であ り、それは次に、メトプレンの投与により観察される幼若ホルモン様生理的効果 を産生する。 本明細書で使用の“レセプターポリペプチド”は、適用された化学リガンドに 反応して、標的ポリペプチドの発現を活性化または阻害できるポリペプチドを意 味する。レセプターポリペプチドは、リガンド結合ドメイン、DNA結合ドメイ ンおよびトランス活性化ドメインから成る。リガンド結合ドメインは、その構造 が相補的化学リガンドに非共有的に結合する、アミノ酸の配列を含む。従って、 リガンド結合ドメインおよびその化学リガンドが相補的結合対を形成する。DN A結合ドメインは、反応エレメント(RE)として知られる特異的ヌクレオチド配 列に非共有的に結合する、アミノ酸の配列を含む。1個またはそれ以上の反応エ レメントが標的発現カセットの5'調整領域に位置する。各REは、ハーフサイ トの対を含み、各ハーフサイトは5−6塩基対コアを有し、そこで一本鎖DNA 結合ドメインが一つのハーフサイトを認識する。ハーフサイトは、重複、回帰性 反復または逆位反復として相対的直線配向で配列し得る。ヌクレオチド配列、間 隙およびハーフサイトの直線的配向は、DNA結合ドメイン(複数もある)が反応 エレメントと相補的結合対を形成するように決定される。トランス活性化ドメイ ンは、TATAボックスにおける開始前(preinitiation)および集合中に、転写 因子の操作に影響するサブドメインとして作用するアミノ酸の1個またはそれ以 上の配列を含む。トランス活性化ドメインの効果は、転写開始事象の反復を可能 にし、遺伝子発現の大きなレベルを導く。 “レセプター発現カセット”は、レセプターポリペプチドをコードするヌクレ オチド配列に作業可能に結合した5'調整領域および非翻訳3'停止領域(停止コ ドンおよびポリアデニル化配列)を含む。5'調整領域は、植物内の発現の促進を 可能にする。 “USP”は、ショウジョウバエで発見されたレセプターUltraspiracleを意 味する。“XR2C”としてもまた既知であり、それは単離およびクローンされ 、そのリガンド結合ドメインは、既知のリガンド結合ドメインとの配列相同性に より同定されているが(Henrich et al.,Nucleic Acids Research 18:4143-4148 (1990))、それに結合する化学リガンド(複数もある)は現在まで未知である。本 明細書で使用する定義“USP”は、レセプターの天然形およびその変異または キメラ形を意味する。これは、本明細書に記載の変異またはキメラ形および、天 然USPのリガンド結合ドメインを最少に含むUSPのキメラ形およびその変異 体も含むが、これらに限定されない。USPの1つ以上の形を、本発明において 同時に使用し得る。 “第2のレセプター発現カセット”は、3'停止領域に作業可能に結合したU SPと異なったレセプターポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作業可 能に結合した5'調整領域のヌクレオチド配列を含む。第2のレセプター発現カ セットは、EcR、RXR、DHR38(Kafatos et al.,Proc.Natl.Acad.S ci.92:7966-7970(1995))およびその変異およびキメラ形を含むが、これらに限 定されない。 “部分”は、示された源由来のレセプターポリペプチドの部分を意味する。例 えば、“USP−部分”は、天然Ultraspiracleレセプター由来のレセプターポ リペプチドの部分を意味する。本明細書で使用の部分は、1個またはそれ以上の ドメインを含み得、最少では、それに関連して部分が名づけられているレセプタ ーのリガンド結合ドメインを含む。 “キメラ”なる用語は、レセプターポリペプチドが、他の存在するドメインに 関して異種のものである起源を有する少なくとも一つのドメインを含むことを意 味する。“異種”は、レセプターポリペプチドに存在する1個またはそれ以上の ドメインが、他の存在するドメインに関して本来の起源が異なることを意味する 。例えば、単純ヘルペスVP16タンパク質由来のトランス活性化ドメインがショウ ジョウバエ由来のUSPレセプターに作業可能に結合している場合、VP16トラン ス活性化ドメインは、USP−部分に関して異種である。更に、USP由来のド メインがRXR由来のドメインと作業可能に結合し、機能性レセプターを製造す る場合、キメラ融合体は、互いに異種であるドメインを有する。これらのキメラ レセプターポリペプチドは、作業可能に結合したヌクレオチド配列によりコード され、天然で発生しないコード配列をもたらす。本発明のキメラレセプターポリ ペプチドは、ポリペプチドのN−末端からC−末端部分の直線的命名法を参考に している。この命名法を使用して、USPレセプターのN−末端領域に付加され たVP16由来のトランス活性化ドメインを有するキメラレセプターポリペプチ ドは、VP16-USPと名づけられる。逆に、VP16がUSPレセプターのC−末端 に付加されている場合、キメラレセプターポリペプチドは、USP-VP16と呼ばれる 。 遺伝子構築物は、5'調整領域およびその作業可能に結合したコード配列に関 連して名づけられ、5'調整領域はスラッシュ(/)の前に、コード配列はスラッ シュの後に記される。例えば、遺伝子構築物35S/USP-VP16は、VP16のトラン ス活性化ドメインがUSPのC−末端領域に付加されている、キメラレセプター USP-VP16をコードするDNAに作業可能に結合したカリフラワー・モザイク・ウ イルスの35Sプロモーターを意味する。レセプターポリペプチドを参考にした 場合、プロモーターは示されない。例えば、上記遺伝子構築物はUSP-VP16ポリペ プチドをコードする。 “標的発現カセット”は、化学リガンドの存在下で、その発現がレセプターポ リペプチドにより活性化または阻害される、標的ポリペプチドをコードするヌク レオチド配列に作業可能に結合した5'調整領域のヌクレオチド配列を含む。標 的遺伝子の5'調整領域は、コアプロモーター配列、転写配列の開始および反応 エレメントまたはレセプターポリペプチドの相補的結合に必要な反応エレメント を含む。5'調整領域は植物における発現を促進できる。標的発現カセットは、 また3'停止領域(停止コドンおよびポリアデニル化配列)も含む。 幼若ホルモンI、II、IIIおよびOが、Iの置換変異体として既知である。例 えば、Fundamentals of Insect Physiology,M.S.Blum,Ed.John Wiley & So ns,New York,1985編参照。幼若ホルモンIは、式10,11−エポキシ−7− エチル−3,11−ジメチル−トランス−2,6−トリデカジエン酸メチルを有す る。幼若ホルモンIの構造を下に示す。 幼若ホルモンアゴニストは、幼若ホルモンの1個またはそれ以上の生理活性を 示す化合物である。幼若ホルモンと構造関連性を有する、この特性を有する化合 物は、キノプレン、メトプレン、ヒドロプレンおよびメトプレン酸を含むが、こ れらに限定されない。これらの幼若ホルモンアゴニストの一つの例としてのキノ プレンの構造を下に示す。 幼若ホルモンと構造関連性を有しない幼若ホルモンアゴニストもまた既知であ る。このような化合物は、多環性、非イソプレノイド化合物フェノキシカルブで あり、これは既知の幼若ホルモンアゴニストであるが、これに限定されない。フ ェノキシカルブの式は、[2−(4−フェノキシフェノキシ)エチル]カルバミン酸 エチルである。フェノキシカルブの構造を下に示す。 本発明で有用な他の幼若ホルモンアゴニストは、化合物ジオフェノラン、ジフ ェニルエーテル化合物である。ジオフェノランの式は、4−(2−エチル−1,3 −ジオキソラン−4−イルメトキシ)フェニルフェニルエーテルである。この化 合物は既知の幼若ホルモン活性を有し、化合物フェノキシカルブまたはメトプレ ンと同様の方法で機能すると予期される。 本発明における幼若ホルモンの使用は、いくつかの利点を提供する。第1に、 化合物は合成物であり、容易に入手可能である。第2に、多くのこれらの化合物 が農学的製品として既に試験され、このような化合物が作物への野外適用に“直 ぐに使用できる”という利点を有する。 本発明は、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つがUSPレセプターに対 する化学リガンドとして作用するという発見の使用を成す。USPに対する化学 リガンドは、以前は未知であったが、本発明より植物発現可能USP−レセプタ ー発現カセットおよび適当な標的発現カセットと共に使用され、植物における遺 伝子発現のコントロールの新規方法を製造する。 多くの昆虫成長調整物が、昆虫の脱皮を阻害することが判明し、脱皮の開始に 関与するレセプターに直接機能しているようである。このような昆虫成長調節物 は、トリフルムロン((1−2−クロロベンゾイル)−3−(4−トリフルオロメト キシフェニル)ウレア)、ヘキサムフルムロン(1−[3,5−ジクロロ−4−(1, 1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾ イル)ウレア)、テフルベンズロン(1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフ ェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)、フルフェノキシウロン( 1 −[4−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)−2−フル オロフェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)、フルシクロキシ ウロン(1−[α−(4−クロロ−α−シクロプロピルベンジリデンアミノ−オキ シ)−p−トルイル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)およびルフェ ヌロン(1−[2,5−ジクロロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロ ポキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)を含むが、これ らに限定されない。更なるベンゾイルフェニルウレア殺虫剤は、ジフルベンズロ ンおよびクロルフルズロンを含むが、これらに限定されず、本発明で使用し得る 。 レチノイン酸またはその誘導体もまたトランスジェニック植物の遺伝子発現の コントロールに有用なリガンドであり得る。レチノイン酸は、最近、培養哺乳類 細胞系においてUSP遺伝子生産物の異種発現を活性化することが示されている (Harmon et al.)。従って、昆虫レセプターは、下記のように、レセプターおよ び標的遺伝子構築物の適当な組み合わせを担持するトランスジェニック植物への レチノイン酸誘導体の適用により調整し得る。 天然源は、トランスジェニックメイズまたはコムギのようなトランスジェニッ ク植物における昆虫レセプター発現のリガンドとしても作用し得る。多くの植物 が昆虫脱皮を加速または阻害する化合物を合成することが判明している。例えば 、最も活性なエクジステロイドの一つであるムリステロンが植物源から単離され ている。植物の多くのファミリーがエクジステロイドまたは幼若ホルモン活性を 製造することが知られている。 幼若ホルモンアンタゴニストは、リガンドとして働き、トランスジェニック植 物における遺伝子発現を調整し得る。このようなリガンドの例は、4−[2−ter t−ブチルカルボキシルオキシ]−安息香酸エチル;ビスチオカルバメート、5− メトキシ−6−[1−(4−メトキシフェニル)エチル]−1,3−ベンゾジオキソ ールまたはE−3−メチル−2−ドデセン酸エチルである。このようなアンタゴ ニストリガンドは、修飾昆虫レセプターを発現する異種植物システムにおけるト ランス遺伝子の低基底発現を活性化するか、高基底遺伝子発現を阻害するために 働く。 本発明の方法は、植物細胞または植物をUSPレセプター発現カセットおよび 標的発現カセットで形質転換することを含む。得られる植物細胞、植物またはそ の子孫内での、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在下の、USPレ セプターポリペプチドの発現により、トランスジェニック細胞または植物内の標 的発現カセットの5'調整領域が活性化される(図1)。本発明によりUSPのリ ガンド結合ドメインに結合すると認識された幼若ホルモンまたはそのアゴニスト の一つは、本発明に必須である。 標的発現カセットの発現のコントロールは、植物内に、USPと異なる第2の レセプターポリペプチド(複数もある)を所望により発現させることによりまた達 成できる(図2および3)。本発明に含まれる付加的な第2のレセプターポリペプ チドの例は、EcR、RXR、DHR38(Kafatos et al.,Proc.Natl.Acad. Sci,92:7966-7970(1995))およびこれらの変異またはキメラ形を含むが、これ らに限定されない。リガンド誘発トランス活性化を媒介するためのこれらのレセ プターの使用は、1996年2月19日に出願された国際出願PCT/EP96 /00686に記載され、本明細書に引用して包含させる。 USPレセプターポリペプチドのリガンド結合ドメインは、幼若ホルモンまた はそのアゴニストの一つによる標的発現カセットの5'調整領域の活性化の化学 コントロールの手段を提供する。USPはステロイドレセプターRXRαと類似 であり、それは化学リガンドとして、9−cis−レチノイン酸を有する。USP はまたEcRレセプターポリペプチドとヘテロダイマーを形成し、幼若ホルモン およびそのアゴニストとは無関係である、EcRに結合する昆虫ホルモンである エクジソンの投与に反応して形質転換マウス腎臓における標的ポリペプチドの発 現を調整することが示されている(WO94/01558)。レセプターUSPお よびそのリガンド結合ドメインは、本発明において、下記実施例に記載のように 、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの適用に反応して、植物内の標的ポ リペプチド発現のコントロールに特に有用であることが判明した。 USPレセプターポリペプチドのキメラ形は、また、本発明で使用され、幼若 ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在下で標的ポリペプチドの発現を活性 化し得る。キメラUSPレセプターポリペプチドのDNA結合ドメインまたはト ランス活性化ドメインは、そのトランス活性化またはDNA結合の効果を基本に して、異種源から選択し得る。キメラレセプターポリペプチドのこのドメインは 、同様な転写調整機能を有する任意の生物、例えば植物、昆虫および哺乳類から 得られ得る。本発明の一つの態様において、これらのドメインは核レセプターの ステロイドおよびチロイドホルモンスーパーファミリーのメンバーから選択され る。キメラUSPレセプターポリペプチドの使用は、異なる源からのドメインの 組み合わせによる利点を有する。本明細書に記載のキメラレセプターポリペプチ ドは、リガンドとしての幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つと共に特異的 反応エレメントの、最適トランス活性化活性または改変RE結合または認識の組 み合わせの利点を有する。従って、キメラポリペプチドは具体的目的に適合する ように構築し得る。これらのキメラレセプターポリペプチドはまた植物細胞中の 異種環境において改善された機能性も提供する。 トランス活性化、リガンド結合およびDNA結合ドメインを機能的配列でキメ ラレセプターポリペプチドに集合し得ることも本発明の一部であると見なされる 。例えば、トランス活性化ドメインの一つのサブドメインが天然に存在するN− 末端部分に見られる時、本発明のキメラレセプターポリペプチドは、N−末端の サブドメインの代わりに、またはそれに加えて、C−末端にトランス活性化サブ ドメインを含み得る。本明細書に記載のキメラレセプターポリペプチドは、また 同じタイプの多重ドメインを含み得、例えば、レセプターポリペプチド当たり1 個以上のトランス活性化ドメイン(または二つのサブドメイン)を含み得る。 従って、本発明の一つの態様は、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの 存在下で標的ポリペプチドの発現を活性化し、またトランス活性化に優れた特性 を有する、USPレセプターポリペプチドを提供する。トランス活性化ドメイン は、RNAポリメラーゼにより生産的転写開始を増加する、アミノ酸配列として 定義できる。(generally Ptashne,Nature 335:683-689(1988)参照)。異なるト ランス活性化ドメインは、転写開始の増加に関して異なる効果の程度を有するこ とが知られてる。本発明において、植物細胞内において優れたトランス活性効果 を有するトランス活性化ドメインを使用することが望ましく、幼若ホルモンまた はそのアゴニストの一つの存在に反応して高レベルの標的ポリペプチド発現を産 生する。本発明の方法で特に有効であることが示されているトランス活性化ドメ インはVP16(単純ヘルペスウイルスから単離)を示すが、これに限定されない 。本発明の一つの好ましい態様において、VP16由来のトランス活性化ドメイ ンはUSP−部分に作業可能に結合し、植物内の標的ポリペプチド発現をコント ロールするためのキメラUSPレセプターポリペプチドを製造する。他のトラン ス活性化ドメインもまた有効である。 DNA結合ドメインは、標的発現カセットの5'調整領域に存在する、反応エ レメントと呼ばれるヌクレオチドの特異的配列へのUSPレセプターポリペプチ ドの結合を担うある機能的特性を有するアミノ酸配列である。核レセプターのス テロイドおよびチロイドスーパーファミリーのDNA結合ドメインの構造は、種 間で非常に保存的であり、従って、相補的結合対を形成するために使用される反 応エレメントにおける変化を限定する。(Evans,Science 240:889-895(1988))。 それにもかかわらず、かなりの柔軟性が、他の方法で反応エレメントを使用する ことにより遺伝子発現のコントロール法に挿入できる。本発明の好ましい態様に おいて、適当な反応エレメントの多重コピーおよび好ましくは1から11の間の コピーを5'調整領域に置き、これは多重部位のUSPへのまたは任意の第2の レセプターポリペプチドへのの結合を可能にし、活性化のより大きな程度をもた らす。 遺伝子コントロール法における更なる柔軟性が、5'調整領域における反応エ レメントの直線配向または位置の変化により達成できる。クラスIIレセプタータ ンパク質により認識される反応エレメントは、二つの“ハーフサイト”で対称的 に構成された“二分子”を有する。(Evans,Science 240:889-895(1988))。各レ セプターポリペプチドは、“ハーフサイト”に結合する。これらの“ハーフサイ ト”は、重複、逆位反復または回帰性形式で配向し得る。本発明の一つの態様に おいて、一つ以上のUSPレセプターポリペプチド分子が重複(DR)反応エレメ ントを認識し、それにより標的発現カセットの活性化が幼若ホルモンまたはその アゴニストの一つの存在下で達成される。 本発明による遺伝子発現のコントロールの更なる柔軟性は、LexAまたはG AL4タンパク質を含むが、これらに限定されない、他の転写活性化因子DNA 由来の結合ドメインおよび反応エレメントの使用により得られ得る。LexAタ ンパク質由来のDNA結合ドメインはE.coli由来のlexA遺伝子によりコー ドされ、その相補的結合部位(BrentおよびPtashne,Cell 43:792-736,(1985), これは、LexA/GAL4転写活性化因子を記載する)が使用できる。他の有用な源は、 酵母のGAL4タンパク質由来である(Sadowski et al.,Nature 335:563-564(1 988)、これはGAL4-VP16転写活性化因子を記載する)。本発明の好ましい態様の一 つにおいて、任意の第2のレセプターポリペプチドのキメラバージョンが、GAL4 DNA結合ドメインを、EcR由来のリガンド結合ドメインを含む部分に融合させ ることにより構築される。 USPおよび任意の第2のレセプター発現カセットの5'調整領域は、更に植 物組織および細胞内での発現を可能にするプロモーターを含む。適当なプロモー ターは、レセプターポリペプチドの発現が構造的であり、増殖的に調整され、組 織特異的、細胞特異的または細胞区画特異的であるように、レセプター発現カセ ットに関して選択する。プロモーターは、レセプターポリペプチド自体の発現が 、植物内で化学的誘発され、それによりリガンドによるプロモーター誘導レベル が増加するように、選択し得る。特異的発現を付与するプロモーターエレメント と、化学的誘発発現を付与するものを組み合わせることにより、レセプターポリ ペプチドは、植物の特異的細胞または組織内で、化学物質適用に反応して発現ま たは活性化され得る。 レセプターポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、植物内の発現の改 善、機能の改善または両方のために修飾し得る。このような修飾は、コドン使用 の改変、イントロンの挿入または変異の製造を含むが、これらに限定されない。 本発明の一つの態様において、USPレセプターポリペプチドをコードするヌク レオチド配列に作業可能に結合した約特異的または雌しべ特異的プロモーターを 含む発現カセットを使用し、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在下 で標的ポリペプチドの発現を活性化する。 その発現が幼若ホルモンまたはそのアゴニストの存在下でレセプターポリペプ チドにより活性化される、標的ポリペプチドをまた記載する。コード配列の発現 は、本発明によりコントロールされ得るが、ただし、このコード配列に作業可能 に結合したプロモーターを、USPレセプターのDNA結合ドメインに相補的な 反応エレメント(複数もある)および、所望により、第2のレセプターに必要な反 応エレメント(複数もある)を含むように操作する。例えば、植物繁殖能力のコン トロールに有効な標的ポリペプチドを、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一 つの存在下でUSPレセプターポリペプチドにより活性化する。 USPレセプターポリペプチドの変異体はまた本発明に包含される。標的発現 カセットの減少した背景活性化レベルの特性を有し、誘導が非誘発背景発現と比 較して大きいように、変異体が製造できる。更に、幼若ホルモンまたはそのアゴ ニストの一つへの結合を改変された変異体も開発できる。改変された結合特性を 有する変異体は、そのアゴニストに独特な方法で、異なるアゴニストに反応する 。例えば、変異USPレセプターは、フェキシカルブのみに反応し、ヒドロプレ ンに反応しないように、従って、イソプレノイドおよび非イソプレノイド幼若ホ ルモンアゴニストの間を区別するように開発できる。化学変異誘発または部位直 接変異誘発のような有用な変異誘発の方法が当分野で既知である。 他の方法において、変異レセプターポリペプチドは、USPのリガンド結合ド メインをコードするヌクレオチド配列のPCR変異誘発により製造される。これ らの変異レセプターポリペプチドは、酵母のような、それ自身簡便なスクリーニ ングおよび単離技術に適した宿主生物で発現される。このような宿主生物中で減 少した基底活性および大きな倍率の誘導を示す変異レセプターポリペプチドのス クリーニングは、しかしながら、植物細胞における更なる試験のための候補を提 供するに過ぎない。なぜなら、ステロイドおよびチロイドホルモンスーパーファ ミリー由来のレセプターが酵母中で機能できるが、トランスジェニック植物中で は機能が予測したものでないことがグルココルチコイドレセプターでの仕事から 明らかであるからである(Lloyd et al.,Science 226:436(1994))。酵母から得 られる結果の適用の更なる限定は、GRを発現する酵母細胞が通常使用される化 学リガンドであるデキサメタゾンに反応しないが、このリガンドは他の異種シス テムで機能的であるという観察である(Schena et al.,Proc.Natl.Acad.Sci. USA 88:10421-10425(1991))。 植物細胞における更なる試験が、変異レセプターポリペプチドをコードするレ セプター発現カセットを製造し、それを標的発現カセットと組み合わせて植物細 胞に形質転換することにより達成される。形質転換植物細胞は、標的発現カセッ トの5'調整領域の活性化について、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つ の存在下で、変異レセプターポリペプチドにより試験する。幼若ホルモンまたは そのアゴニストの一つの非存在下で標的ポリペプチドの低基底発現を誘発し、幼 若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在下で標的ポリペプチドの高発現を 誘発する変異レセプターポリペプチドが植物内の遺伝子発現のコントロールに有 用である。 上記のように、本発明の方法は、遺伝子発現を、最低、基底レベルよりも統計 的有意に増加させるために使用できる。しかしながら、本発明はまたUSPおよ びEcRのようなレセプターにより形成される複合体により媒介される遺伝子発 現の活性化の統計的有意な減少または阻害にも使用できる。このようなレセプタ ー複合体により媒介される植物内の遺伝子発現のコントロールは、1995年3 月3日に出願のPCT/EP96/00686の主題であり、本明細書に引用し て包含させる。これらのレセプター複合体により媒介される活性化の逆転は、U SPレセプターポリペプチドの化学リガンドである幼若ホルモンまたはそのアゴ ニストの一つの存在によりもたらされる(図2および3参照)。幼若ホルモンまた はそのアゴニストの一つの存在下において、USP:EcR複合体が分解され、それに より活性化を逆転させる。例えば、USPおよびGAL4-EcR-C1レセプターポリペ プチドを発現し、GAL4結合部位エレメントを有する標的発現カセットを含む トランスジェニック植物において、複合体によりもたらされる標的ポリペプチド の遺伝子発現の活性化は逆転される。この逆転は、テブフェノジド(RH5992とし ても既知)またはEcRのリガンド結合ドメインに結合する他の化学リガンドの 存在下、またはこのような化学リガンドの非存在下で起こる。 植物内での発現のために、レセプター発現カセットおよび標的発現カセットの 両方に関して適当なプロモーターを選択しなければならない。特記しない限り、 下記のプロモーターがレセプターポリペプチドまたは標的ポリペプチドの植物に おける発現を指示するために使用し得る。これらのプロモーターは、構造的、誘 導可能、一時的調整、増殖的調整、化学的調整、組織優先的および組織特異的プ ロモーターを含むが、これらに限定されない。好ましい構造的プロモーターは、 CaMV 35Sおよび19Sプロモーターを含むが、これらに限定されない(米国特許第5 ,352,605号)。更なる好ましいプロモーターは、数個のアクチン遺伝子の 一つを含むが、これらに限定されず、これはほとんどの細胞タイプで発現される ことが知られている。McElroy et al.,Mol.Gen.Genet.231:150-160(1991)に より記載されるプロモーターは、本発明のレセプター発現カセットに容易に挿入 され、単子葉植物宿主への使用に特に適している。更に別の好ましい構造的プロ モーターは、ユビキチン由来であり、これは多くの細胞タイプで蓄積されること が知られているもう一つの遺伝子生産物である。ユビキチンプロモーターは、ト ランスジェニック植物で使用するために数個の種からクローンされている(例え ば、ヒマワリ−Binet et al.,Plant Science 79:87-94(1991);メイズ−Christ ensen et al.,Plant Molec.Biol.12:619-632(1989))。メイズユビキチンプロ モーターはトランスジェニック単子葉システムで開発され、その配列および単子 葉植物の形質転換のために構築されたベクターはEP−A−342926に記載 されている。ユビキチンプロモーターはトランスジェニック植物、特に単子葉植 物において、本発明で使用するのに適している。更に有用なプロモーターはメイ ズ由来のU2およびU5 snRNAプロモーター(Brown et al.,Nucleic Aci ds Res.17:8991(1989))およびアルコールデヒドロゲナーゼ由来のプロモーター( Dennis et al.,Nucleic Acids Res.12:3983(1984))である。 植物、特にメイズにおいて、本発明で有用な組織特異的または組織優先的プロ モーターは、根、木髄、葉または花粉で直接発現するものである。このようなプ ロモーターはWO93/07278に記載され、その全体を本明細書に引用して 包含させる。更に有用なのは、Schernthaner et al.,EMBO J.7:1249(1988)に 記載のような種子特異的発現を付与するプロモーター;その全体を本明細書に引 用して包含させるEP−A−578611に記載の約特異的プロモーターant32 およびant43D;葯(タペート)特異的プロモーターB6(Huffman et al.,J.Cell . Biochem.17B:Abstract #D209(1993));修飾S13プロモーター(Dzelkalns e t al.,Plant Cell 5:855(1993))のような雌しべ特異的プロモーターである。 本発明でまた有用なのは化学誘発プロモーターである。このカテゴリーの植物 内のレセプターポリペプチドまたは標的ポリペプチドの発現の指示に有用な具体 的プロモーターは、例えば、その全体を引用して本明細書に包含させるEP−A −332104記載のものである。 レセプター発現カセットまたは標的発現カセットの5'調整領域は、また他の 促進的配列も含み得る。多くの配列が、トランスジェニック植物において遺伝子 発現を促進することが発見されている。例えば、ウイルス由来の多くの非翻訳リ ーダー配列が発現を促進することが知られている。特に、タバコ・モザイク・ウ イルス(TMV、“Ω−配列”)、メイズ・クロロティック・モトル・ウイルス( MCMV)およびアルファルファ・モザイク・ウイルス(AMV)のリーダー配列 が、発現の促進に有効であることが示されている(例えば、Gallie et al.,Nucl .Acids Res.15:8693-8711(1987);Skuzeski et al.,Plant Molec.Biol.15:6 5-79(1990))。文献により既知の他のリーダーは: ・ピコルナウイルスリーダー、例えば、EMCVリーダー(エンセファロミオカ ルディティス5'非コード領域)(Elroy-Stein,0.Fuerst,T.R.,およびMoss, B.PNAS USA 86:6126-6130(1989)); ・ポチウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコ・イッチ・ウイルス) (Allison et al.,(1986);MDMVリーダー(メイズ・デュオルフ・モザイク・ ウイルス);Virology,154:9-20); ・ヒト免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(Bip)リーダー(Macejak,D.G.およ びSarnow,P.,Nature,353:90-94(1991)); ・アルファルファ・モザイク・ウイルスのコートタンパク質由来の非翻訳リーダ ・アルファルファ・モザイク・ウイルスのコートタンパク質由来の非翻訳リーダ ー(AMV RNA 4)(Jobling,S.A.,およびGehrke,L.,Nature,325:622-625(1987) ); ・タバコ・モザイク・ウイルスリーダー(TMV)(Gallie,D.R.et al.,Molec ular Biology of RNA,237-256頁(1989));および ・メイズ・クロロティック・モトル・ウイルスリーダー(MCMV)(Lommel,S. A.et al.,Virology,81:382-385(1991)) を含むが、これらに限定されない。Della-Cioppa et al.,Plant Physiology,8 4:965-968(1987)もまた参照。 種々のイントロン配列が、特に、単子葉植物細胞において、5'調整配列に添 加した場合、発現を促進することが示されている。例えば、メイズAdh1遺伝 子のイントロンは、メイズ細胞に挿入した時、その同種プロモーター下に、野生 型遺伝子の発現を有意に促進することが判明している(Callis et al.,Genes De velep 1:1183-1200(1987))。 標的発現カセットの5'調整領域への1個またはそれ以上の上記エレメントの 挿入に加えて、標的発現カセットに固有の他のエレメントも挿入し得る。このよ うなエレメントは最小プロモーターを含むが、これに限定されない。最小プロモ ーターにより、上流活性化因子の結合部位無しに、基底プロモーターエレメント が不活性になるか、ほとんど不活性となる。このようなプロモーターは、トンラ ス活性化因子が存在しないか、促進剤または反応エレメント結合部位が欠失して いる時、植物内で低背景活性を有する。植物内の標的遺伝子に特に有用な一つの 最小プロモーターはBz1最小プロモーターであり、これはメイズのbronze1遺 伝子から得られる。Bz1コアプロモーターは−53から−58に位置するNhel 部位で開裂して、“myc”変異Bz1-ルシフェラーゼ構築物pBz1LucR98から得た (Roth et al.,Plant Cell 3:317(1991))。誘導化Bz1コアプロモーターは、 従って、−53から+227に伸び、トランスジェニックメイズに使用する時、 5'非翻訳領域にBz1イントロン−1領域を含む。 プロモーターに加えて、種々の3'転写ターミネーターがまた本発明での使用 に利用可能である。転写ターミネーターは転写の停止および正しいmRNAポリ アデニル化を担う。適当な転写ターミネーターおよび植物で機能することが知ら れているものは、CaMV 35Sターミネーター、tmlターミネーター、ノパ リンシンターゼターミネーター、エンドウマメrbcS E9ターミネーターおよ び当分野で既知の他のものである。これらは単子葉および双子葉の両方で使用で きる。 ンドとしてどの程度まで有用か発見し得、または幼若ホルモンまたはそ 本発明 の発現カセットは、多くの当分野で認識された方法で植物細胞内に挿入できる。 当業者は、方法の選択が植物のタイプ、即ち単子葉植物または双子葉植物、形質 転換の標的に依存することを認識する。適当な植物細胞の形質転換法は、マイク ロインジェクション(Crossway et al.,BioTechniques 4:320-334(1986))、エレ クトロポレーション(Riggs et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:5602-5605 (1986))、アグロバクテリウム媒体形質転換(Hinchee et al.,Biotechnology 6: 915-921(1988))、直接遺伝子移入(Paszkowsiki et al.,EMBO J.3:2717-2722(1 984))およびAgracetus,Inc.,Madison,Wisconsin and BioRad,Hercules,Cal iforniaから入手可能な装置を使用した弾道粒子加速(例えば、Sangort et al., 米国特許第4,945,020号;およびMcCabe et al.,Biotechnology 6:923-9 26(1988)参照)を含むが、これらに限定されない。またWeissinger et al.,Annu al Rev.Genet.22:421-477(1988);Sanford et al.,Particulate Science and Technology 5:27-37(1987)(タマネギ);Christou et al.,Plant Physiol.87:67 1-674(1988)(ダイズ);McCabe et al.,Bio/Technology 6:923-926(1988)(ダイズ );Datta et al.,Bio/Technology 8:726-740(1990)(イネ);Klein et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA,85:4305-4309(1988)(メイズ);Klein et al.,Bio/Tec hnology 6:559-563(1990)(メイズ);Klein et al.,Plant Physiol.91:440-444( 1988)(メイズ);Fromm et al.,Bio/Technology 8:833-839(1990)(イネ);Gordon- Kamm et al.,Plant Cell 2:603-618(1990)(メイズ);Svab et al.,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 87:8526-8530(1990)(タバコ葉緑体);Kozeil et al.,Biotech nology 11:194-200(1993)(メイズ);Shimamoto et al.,Nature 338:274-277(198 9)(イ ネ);Christou et al.,Biotechnology 9:957-962(1991)(イネ);EP-A-332581(カ モガヤおよび他のプーイデアエ(Pooideae));Vasil et al.,Biotechnology 11:1 553-1558(1993)(コムギ);Weeks et al.,Plant Physiol.102:1077-1084(1993)( コムギ)も参照。 本発明の発現カセットのマイクロプロジェクタイルボンバードメントよる挿入 の好ましい一連の態様の一つが、Koziel et al.,Bio/Technology 11:194-200, 1993に記載され、その全体を本明細書に引用して包含させる。更に好ましい態様 は、EP−A−292435に記載のメイズの原形質形質転換法であり、その全 体を本明細書に引用して包含させる。マイクロプロジェクタイルボンバードメン トによるコムギへの本発明の発現カセットの挿入のための特に好ましい一連の態 様の一つは、WO94/13822に見られ、その全体を本明細書に引用して包 含させる。 植物の形質転換は、一つのDNA分子または多重DNA分子(即ち、共形質転 換)で行うことができ、これらの技術の両方が本発明の発現カセットでの使用に 適している。多くの形質転換ベクターが植物形質転換について入手可能であり、 本発明の発現カセットはこのようなベクターと共に使用できる。ベクターの選択 は好ましい形質転換技術および形質転換の標的種に依存する。 多くのベクターが、Agrobacterium tumefaciensを使用して利用可能である。 これらは、展開的に少なくとも一つのT−DNA境界配列を担持し、pBIN19のよ うなベクターを含む(Bevan,Nucul.Acids Res.(1984))。一つの好ましい態様 において、本発明の発現カセットは、Agrobacteriumでの使用のためにバイナリ ーベクターpCIB200およびpCIV2001に挿入し得る。Agrobacterium媒介形質転換の ためのこれらのベクターカセットは、以下の方法で構築された。pTJS75kanを、P TJS75のNarI消化により製造し(Schmidhauser & Helinski,J.Bacteriol.164:4 46-455(1985))、テトラサイクリン耐性遺伝子の切断をし、続いてNPTIIを担持す るpUC4K由来のAccIフラグメントを挿入した(Messing & Vierra,Gene 19:2 59-268(1982);Bevan et al.,Nature 304:184-187(1983);McBride et al.,Plan t Molecular Biology 14:266-276(1990))。左および右T−DNA境界、植物選 択可能nos/nptIIキメラ遺伝子およびpUCポリリンカー(Rothstein et al.,Ge ne 53:153-161(1987))を含むpCIB7のEcoRVフラグメントに、XhoIリンカーをライ ゲートし、XhoI-消化フラグメントをSaII-消化pTJS75kanにクローンし、pCIB200 を製造した(EP−A−332104、実施例19もまた参照)。pCIB200は以下 の独特なポリリンカー制限部位を含む:EcoRI、SstI、KpnI、BgIII、Xbalおよび SaII。プラスミドpCIB2001はpCIB200の誘導体であり、更なる制限部位のポリリ ンカーへの挿入により製造された。pCIB2001のポリリンカーの独特な制限部位は 、EcoRI、SstI、KpnI、BgIII、XbalおよびSaII、MluI、BcII、AvrII、ApaI、Hpa IおよびStuIである。これらの独特な制限部位の包含に加えて、pCIB2001はまた 植物および細菌カナマイシン選択、Agrobacterium媒体形質転換の左および右T −DNA境界、E.coliおよび他の宿主の間の移動のためのRK2−由来trf A機能並びにまたRK2由来であるOriTおよびOriV機能も含む。pCIB20 01ポリリンカーはそれ自体の調整シグナルを含む植物発現カセットのクローニン グに適している。 Agrobacterium媒体形質転換に有用な更なるベクターは、バイナリーベクターp CIB10であり、これは植物の選択のためのカナマイシン耐性をコードする遺伝子 、T−DNA右および左境界配列を含み、広範囲の宿主範囲プラスミドpRK2 52由来の配列を含み、E.coliおよびAgrobacteriumの両方での増殖を可能にす る。その構築はRothstein et al.,Gene 53:153-161(1987)に記載されている。p CIB10の種々の誘導体が構築され、Gritz et al.,Gene 25:179-188(1983)に記載 のようにヒグロマイシンBホスホトランスフェラーゼを挿入している。これらの 誘導体はヒグロマイシンのみ(pCIB743)またはヒグロマイシンおよびカナマイシ ン(pCIB715、pCIB717)でのトランスジェニック植物の選択を可能にする。 直接遺伝子移入またはAgrobacterium媒体移入の形に使用される方法は、通常 、抗生物質(例えば、カナマイシン、ヒグロマイシンまたはメトトレキサート)ま たは除草剤(例えば、ホスホイノスリシン)に耐性を付与し得る選択可能マーカー と共に行うが、必須ではない。しかしながら、植物形質転換の選択可能マーカー の選択は、本発明では重要ではない。 ある植物種について、異なる抗生物質または除草剤選択マーカーが好ましいこ とがある。形質転換に慣用的に使用される選択マーカーは、カナマイシンおよび 関連抗生物質への耐性を付与するnptII遺伝子(Messing & Vierra,Gene 19:259- 268(1982);Bevan et al.,Nature 304:184-187(1983))、除草剤ホスホイノスリ シンへの耐性を付与するbar遺伝子(White et al.,Nucl Acids Res.18:1062(19 90),Spencer et al.,Theor.Appl.Genet.79:625-631(1990))、抗生物質ヒグ ロマイシンへの耐性を付与するhph遺伝子(Blochinger & Diggelmann,Mol.Cell . Biol.4:2929-2931)およびメトトレキサートに耐性を付与するdhfr遺伝子(Bou rouis et al.,EMBO J.2:1099-1104(1983))である。 除草剤Basta(またはホスホイノスリシン)による選択と組み合わせた直接遺伝 子移入法に有用なこのようなベクターの一つは、pCIB3064である。このベクター はプラスミドpCIB246に基づいており、E.coli GUS遺伝子に作業的に融合し たCaMV 35SプロモーターおよびCaMV 35S転写ターミネーターを 含み、本明細書に引用して包含させるWO93/07278に記載されている。 ホスホイノスリシンに対する耐性を付与するために有用な遺伝子の一つはStrept omyces viridochromogenes(Thompson et al.,EMBO J.6:2519-2523(1987))由来 のbar遺伝子である。このベクターは、それ自体の調整シグナルを含む植物発現 カセットのクローニングに適している。 更なる形質転換ベクターはpSOG35であり、メトトレキサートに対する耐性を付 与する選択可能マーカーとしてのE.coli遺伝子ジヒドロフォレートレダクター ゼ(DHFR)を使用する。35Sプロモーター(〜800bp)、メイズAdh1遺伝子 由来のイントロン6(〜550bp)およびpSOG10由来のGUS非翻訳リーダー配列 18bpの増幅のためにPCRを使用した。E.coliジヒドロフォレートレダクタ ーゼタイプII遺伝子をコードする250bpフラグメントをまたPCRで増幅し、 これら二つのPCRフラグメントを、pUC19ベクター骨格およびノパリンシンタ ーゼターミネーターを含むpBI221(Clontech)由来のSacI-PstIフラグメントと集 合させた。これらのフラグメントの集合は、pSOG19を産生し、これはイントロン 6配列、GUSリーダー、DHFR遺伝子およびノパリンシンターゼターミネー ターと融合した35Sプロモーターを含んだ。pSOG19中のGUSリーダーのメイ ズ・クロロティック・モトル・ウイルス・チェック(MCMV)遺伝子由来のリー ダー配列への置換は、ベクターpSOG35を産生した。pSOG19およびpSOG35はアンピ シリン耐性のためのpUC−由来遺伝子を担持し、外来配列のクローニングに利 用可能なHindIII、SphI、PstIおよびEcoRI部位を有する。 本発明の有利な態様の一つは、野外条件下での植物繁殖能力のコントロールへ の使用である。有効な繁殖能力は生存可能な接合体の形成からもたらされ、生存 可能な接合体を形成する種子の割合として計算できる。本発明により、繁殖能力 は適当な標的をコードするヌクレオチド配列の標的発現カセットへの挿入により コントロールでき、その標的ポリペプチドの発現は植物繁殖能力を妨害し、植物 繁殖能力を統計的有意に減少または増加することを意味する。本発明の好ましい 態様において、この標的ポリペプチドは繁殖過程を無効にし、生存可能な接合体 の形成が妨害されるか止められることを意味する。このような無効繁殖能力は、 生存可能な接合体を形成しない種子の割合として測定でき、種々の手段によりも たらし得る。これらは1)生存可能配偶子の形成に重要な過程の中断または改変 、2)もし形成されるなら、機能しない花粉または胚珠、または3)胚嚢、雌し べ、柱頭または子孫を発育させるための導管の不全を含むが、これらに限定され ない。本発明により、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つを、野外条件下 でトランスジェニック植物に適用するか、接触させ、標的ポリペプチドが活性化 し、繁殖能力を無効とする。本発明の他の態様において、この標的ポリペプチド の発現は、植物の繁殖能力を増加または回復させる。 異なる割合の有効または無効な繁殖能力が本発明により達成できることは認め られる。好ましい態様において、80%以上および好ましくは95%以上の無効 な繁殖能力が達成できる。繁殖能力の種々なレベルを提供する能力は、種々の農 学的目的に適合する。 標的ポリペプチドのコード有用なコード配列は、繁殖能力を無効にできる生産 物をコードするものを含むが、これに限定されない。これらのコード配列は、同 種または異種起源であり得る。コード配列の遺伝子生産物は: ・ジフテリア毒素A鎖(DTA)、タンパク質合成を阻害する、Greenfield et al .,Proc.Natl.Acad.Sci.:USA,80:6853(1983),Palmiter et al.,Cell,50: 435(1987); ・Erwinia chrysanthemi EC16由来のペクテートリアーゼpelE、ペクチンを分解 し、細胞融解をもたらす、Keen et al.,J.Bacteriology,168:595(1986); ・cms-Tメイズミトコンドリアゲノム由来のT-urf13(TURF-13);この遺伝子はU RF13と名付けられたポリペプチドをコードし、ミトコンドリアまたは細胞質 膜を分解する。Braun et al.,Plant Cell,2:153(1990);Dewey et al.,Proc. Natl.Acad.Sci.:USA,84:5374(1987);Dewey et al.,Cell,44:439(1986); ・β−1,3グルカナーゼ、小胞子カロース壁の早熟分解をもたらす。Worral et al.,Plant Cell 4:759-771(1992); ・ファージMu a遺伝子由来のGinリコンビナーゼ、部位特異的DNAリコ ンビナーゼをコードし、植物の細胞内に発現された時、ゲノム再配列および細胞 生存性の損失をもたらす。Maeser et al.,Mol.Gen.Genet.,230:170-176(199 1); ・Pseudomonas syringae由来のインドール酢酸−リジンシンテターゼ(iaaL)、リ ジンをインドール酢酸(IAA)に結合させる酵素をコードする。植物細胞内で発現 された時、結合による細胞からのIAAの除去により、発育異変をもたらす。Roman o et al.,Genes and Development,5:438-446(1991);Spena et al.,Mol.Gen. Genet.,227:205-212(1991);Roberto et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.:USA,8 7:5795-5801; ・Bacillus amyloliquefaciens由来のリボヌクレアーゼ(バルナーゼとしても既 知)、それが発現された細胞内のmRNAを消化し、細胞死を導く。Mariani et al.,Nature 347:737-741(1990);Mariani et al.,Nature 357:384-387(1992); および ・Bacillus thuringiensis israeliensis由来のCytA毒素遺伝子、殺蚊剤および 溶血性であるタンパク質をコードする。植物細胞内で発現された時、細胞膜の分 解のために細胞の死をもたらす。McLean et al.,J.Bacteriology,169:1017-1 023(1987);Ellar et al.,米国特許第4,918,006号(1990) を含むが、これらに限定されない。 ・このようなポリペプチドはまたアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ( APRT)(MoffattおよびSomerville,Plant Physiol.,86:1150-1154(1988);D NAse、RNAse:プロテアーゼ;サリチレートヒドロキシラーゼ等を含む 。 標的発現カセットが、転写された時、APRTのような生存可能配偶子の形成 に重要なコード配列のアンチセンスバージョンを製造するヌクレオチド配列に作 業可能に結合した5'調整領域を含み得ることも更に認められる。あるいは、配 偶子形成または機能に重要な遺伝子からのmRNAを標的とするリボザイムを利 用できる。このようなリボザイムは、約9ヌクレオチドのハイブリダイズ領域を 含み、それは標的RNAの少なくとも一部のヌクレオチド配列および標的RNA の開裂に適した触媒領域と相補的である。リボザイムはEP−A−321201 およびWO88/04300に記載され、本明細書に引用して包含させる。また HaseloffおよびGerlach,Nature,334:585-591(1988);FedorおよびUhlenbeck,P roc.Natl.Acad.Sci.:USA,87:1668-1672(1990);CechおよびBass,Ann.Rev. Biochem.,55:599-629(1986);Cech,T.R.,236:1532-1539(1987);Cech,T.R. Gene,73:259-271(1988);およびZangおよびCech,Science,231:470-475(1986) も参照。 上記の標的ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を、組織−または細胞 −特異的方法でその発現を指示する5'調整領域に作業可能に結合できることも また認められる。このような組織−または細胞−特異的発現を提供する手段は上 記である。発現のこの特異性は、標的ポリペプチドの効果が生存可能な接合子の 形成に必要な組織または細胞でのみ作用し、繁殖能力以外の植物へのその効果が 有害でないことを確実とする。 トランスジェニック植物の雄性繁殖能力、トランスジェニック植物の雌性繁殖 能力または両方をコントロールし得ることは、本発明の範囲内と認められる。雄 性不稔性は機能的または生存可能な花粉の製造不全または不能である。雄性不稔 性は、花粉の非形成をもたらす欠失または形成された場合、花粉の機能の欠失か らもたらされ得る。従って、花粉が形成されないか、形成された場合、生存して いないか、通常の条件下で有効な繁殖が不可能である。 雌性不稔性は、機能的または生存可能大胞子または胚嚢、または花粉発芽、生 育または繁殖に必要な他の組織の形成の不全または不能である。雌性不稔性は、 大胞子または胚嚢の非形成、または子房、胚珠、雌しべ、柱頭または子孫を発育 させるための導管の不全をもたらす欠失に由来し得る。従って、生存可能胚嚢が 発育しないか、または形成された場合、通常の条件下で有効な繁殖が不可能であ る。 例えば、適当なヌクレオチド配列に作業可能に結合した約特異的プロモーター を使用して、葯内にUSPレセプターポリペプチド(複数もある)を発現するトラ ンスジェニック植物を得ることができる。加えて、トランスジェニック植物は、 更に、リボヌクレアーゼバルナーゼのコード配列に作業可能に結合した、Bz1 由来のコアプロモーターエレメントと共に適当な反応エレメント配列を含む5' 調整配列を有する標的発現カセットを含む。幼若ホルモンまたはそのアゴニスト の一つの、USPレセプターポリペプチド発現トランスジェニック植物への適用 により、標的発現カセットの5'調整配列の活性化が、続く標的ポリペプチドバ ルナーゼの製造と共に起こる。葯内に特異的な得られるバルナーゼの発現は、細 胞子および続く雄性不稔性をもたらす。レセプターポリペプチドをコードするヌ クレオチド配列に作業可能に結合した雌しべ特異的プロモーターを使用した、レ セプターポリペプチドおよび標的発現カセットの同様の組み合わせが、雌性不稔 性を発生させ得る。 あるいは、植物を、標的ポリペプチドの発現が、雄性不稔性または雌性不稔性 植物の繁殖能力を回復させるように操作できる。例えば、Ant43D、Ant32またはB 6プロモーターの制御下にバルナーゼ遺伝子を発現させて、またはMariani et al .,Nature 347:737-741(1990)およびMariani et al.,Nature 357:384-387(1992 )に記載のように、TA29プロモーターの制御下に発現させて、植物が得られる。 これらの植物は、更に、USPレセプターポリペプチドおよび、同じ葯特異的プ ロモーターまたは、メイズユビキチン、35Sまたはイネアクチンプロモーター の ような構造的プロモーター由来の任意の第2のレセプターポリペプチドを含む。 これらの植物は、更に、Bz1のコアプロモーターエレメントと共に、バルナー ゼ阻害剤であるバルスターのコード配列に作業可能に結合した、適当な反応エレ メント配列を有する5'調整配列を有する標的発現カセットを含む。植物は雄性 不稔性であるが、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの適用により、標的 発現カセットの5'調整配列の活性化が、続く標的ポリペプチドバルスターの製 造と共に起こる。バルスターはバルナーゼポリペプチドのリボヌクレアーゼ活性 を阻害し、約および花粉発育が正常に進行する。従って、繁殖能力が回復する。 同様の試みが、雌性不稔性のコントロールに使用できる。約特異的プロモータ ーの代わりに、雌性生殖組織での発現に特異的なプロモーターを使用することに より、バルナーゼ発現を導き、雌性不稔性植物を得ることができる。バルスター コード配列を含む標的系発現カセットの幼若ホルモンによる誘発は、雌性繁殖能 力の回復をもたらす。 上記の試みは、回復剤遺伝子が創案できる雌性または雄性不稔性に利用できる 。バルスター以外の可能性のある回復剤遺伝子はEP−A−412911に記載 されている。 上記のトランスジェニック植物およびその種子に操作された遺伝子特性は、有 性繁殖または無性増殖により経代され、従って子孫植物に維持され、伝達する。 一般に、この維持および伝達は、耕作、種まきまたは収穫のような、特異的目的 に合うように開発された既知の農業的の使用を可能にする。水栽培または温室法 のような特異的方法がまた適用できる。生育農作物が昆虫または感染体による攻 撃および傷害ならびに雑草との競争に弱いため、雑草、植物疾病、昆虫、線虫お よび他の不利な状況をコントロールするための手段を行い、収率を改善する。こ れらは、土壌の耕作または雑草および感染植物の除去のような機械的手段ならび に、除草剤、殺菌剤、殺配偶子剤、殺線虫剤、成長調節剤、成熟剤および殺虫剤 のような農学的化学物質の適用を含む。 本発明のトランスジェニック植物および種子の有利な遺伝的特性の使用は、更 に植物育種においてもなし得、それは害虫、除草剤、または負荷に対する抵抗、 改善された栄養価、増加した収率または少ない寄宿または破損の損失による改善 された構造のような改善された特性を有する植物の開発を目的とする。種々の育 種段階が、交配すべき系の選択、親系の受粉の管理、または適当な子孫植物の選 択などのような非常に定義された人的介在により特徴づけられる。所望の特性に 依存して、異なる育種手段が取られる。関連技術は、当分野で既知であり、雑種 形成、同系交配、戻し交配、多系交配、種々の混合、種間雑種形成、異数体法等 を含むが、これらに限定されない。従って、本発明のトランスジェニック植物お よびその種子は、改善された植物系の育種に使用でき、それは例えば、修飾遺伝 的特性により除草剤または殺虫剤処置のような慣用の方法の効果を増加し、また はこの方法を省略可能にする。あるいは、改善された負荷耐性の新規作物を得る ことができ、その最適遺伝子“設備”により、かなり不利な発育条件に耐性でな い生産物よりも高品質の生産物が収穫される。 種子製造において、種子の発芽の質および均質性は必須生産物特性であるが、 農家により回収され、売られた種の発芽の質および均質性は重要ではない。作物 を他の作物および雑草種子から離すこと、および種子運搬疾病のコントロールお よび良好な発芽率の種子の製造が難しいため、かなり広範囲な、良く定義された 種子製造習慣が、純粋な種子の生育、条件付けおよび販売の分野の経験を有する 種子製造者により開発されている。従がって、農家にとって、彼ら自身の作物か ら収穫した種子を使用するよりも、特異的質標準に合う保証された種子を買うこ とが一般的習慣である。種子として使用する繁殖材料は、除草剤、殺虫剤、殺菌 剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺軟体動物剤またはそれらの混合物を含む保護コーテ ィングで通例処理されている。通例使用される保護コーティングは、カプタン、 カルボキシン、シラム(TMTD(登録商標))、メタラキシル(Apron(登録商標)) およびピリミフォス−メチル(Actellic(登録商標))を含む。所望により、これら の化合物を、通例製剤分野で使用されている更なる担体、界面活性剤または適用 促進アジュバントと共に製剤し、細菌、真菌または有害動物による傷害からの防 御を提供する。防御コーティングは、液体製剤に繁殖材料を浸すか、複合湿潤ま たは乾燥製剤でコーティングすることにより適用し得る。芽または果実の直接処 置 のような、他の方法の適用がまた可能である。 本発明のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物材料またはトラン スジェニック種子を使用することを特徴とする、上記に例示の方法のような、新 規農学的方法の提供が本発明のさらなる態様である。 本発明は、形質転換およびトランスジェニック植物への再生ができる植物で使 用可能である。雄性不稔性、雌性不稔性または両方が適当な化学リガンドの適用 によりコントロールできる。植物繁殖能力のコントロールはハイブリッド種子の 製造に特に有用である。自己種子により汚染されていないハイブリッド種子を製 造するために、受粉コントロール法は、交差受粉であり、自己受粉でないことを 確実にするように実施しなければならない。これは、通常、機械的、遺伝的また は化学的ハイブリダイジング剤(CHA)で達成する。例えば、メイズにおいて、 現在の方法は雌性(または種子)親の機械的なふさの除去であり、時間がかかり、 労働集約的方法である。コムギにおいて、機械的手段による繁殖能力のコントロ ールは、種子製造規模で実際的でなく、繁殖能力コントロールの遺伝的源は確立 されていない。ハイブリッド種子の製造における本発明の使用は、有利な信頼性 、雄性または雌性繁殖能力の容易な使用およびコントロールを提供する。 適当なレセプター発現カセットおよび標的発現カセットを含むトランスジェニ ック植物は、同型接合をなし、不明確に維持され得る。ハイブリッド種子を得る ために、親1および親2の同型接合系を交配する。ハイブリッド種子を製造する ための本発明を使用した一つの例は、親1を幼若ホルモンまたはそのアゴニスト の一つの存在下で雄性不稔性に操作し、一方親2を幼若ホルモンまたはそのアゴ ニストの一つの存在下で雌性不稔性に操作する。両方の親1および親2を幼若ホ ルモンまたはそのアゴニストの一つと接触させることにより、成功した種子産生 のみが親1胚珠に受粉した親2花粉からもたらされる。本発明を使用した第2の 例において、親1を幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの非存在下で雄性 不稔性に操作し、親2を幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの非存在下で 雌性不稔性に操作する。親1および親2を幼若ホルモンまたはそのアゴニストの 一つと接触させて、自己受粉を経由した各系の維持をさせる。ハイブリッド種子 を 製造するために、二つの親系を間作し、ハイブリッド種子のみを得る。繁殖能力 は導入回復剤遺伝子により子孫ハイブリッド植物に貯蔵される。これらの手段に より、所望のハイブリッド種子を製造し得る。 植物トランス遺伝子の化学的コントロールは、標的作物の全体的発育上の変化 の調整、不良環境により適合するための作物の改変、特異的代謝経路の流動の改 変、または単に単一の所望タンパク質生産物の高レベル発現の誘発に有用であり 得る。植物における発育プログラムの化学的コントロールは、農家が、花発育、 葉または果実器官脱離、または他の重要な発育段階開始のような特異的事象を決 定できるようにし得る。特異的発育事象におけるこのような化学的コントロール は、農家が植え、収穫する時期に大きな柔軟性を可能にし、並びに早い冬または 高湿度の春のような特異的環境条件の予報に反応できるようにする。このような 変化は、ショウジョウバエの異形化遺伝子と類似した、発育的または条件的反応 経路に必要な遺伝子のコントロールにより成す。 代謝経路の遺伝子発現のコントロールも有用であり得る。固定された量のエネ ルギーのみが植物により消費され、貯蔵タンパク質の生合成のような特異的経路 の促進は、澱粉または脂質の合成のようなエネルギー消費経路を経由した生合成 流動の同時の損失をもたらすと考えられている。生合成経路が植物がある発育段 階に到達した後のみ許容可能であるようなこのような条件において(即ち、成熟 対生育)、遺伝子発現の化学的調整は有用であるか、恐らく到達する特異的生合 成変化に必要ですらある。 遺伝子発現の化学的調整は、特異的タンパク質を高レベルで過発現させるのに 有用であり得る。あるタンパク質は、異種宿主の細胞内、外来細胞下区画で発現 した時、または過度に高レベルで発現した時でさえ、有毒であることが知られて いる。このようなタンパク質の化学的コントロールは、正常植物生育に有利であ るか、または生合成タンパク質産業の植物の使用を正当化するために十分な植物 量を得るためには必要ですらある。植物における大規模生合成が有用であり得る タンパク質は、産業的酵素、医薬タンパク質、抗原および他のタンパク質を含む 。 ステロイドホルモンレセプターのリガンドを同定するための生物検定は既知で ある(Evans et al.,米国特許第5,298,429号)。記載のレセプターはグ ルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、エストロゲン関連およびチロイドホ ルモンレセプターに限定されている。これらのレセプターはマウス腎臓細胞培養 系(CV−1またはCOS細胞系)に形質転換され、適当な哺乳類ホルモン存在下 でのキメラCAT遺伝子のトランス活性化発現の能力を試験された。これらのレ セプターでの植物細胞の形質転換、または植物発現可能遺伝子の構築、またはリ ガンドとしての哺乳類ホルモンを有するこれ以外のレセプターも記載されていな い。 USPは、OroおよびEvans、WO91/14695で“昆虫レチノイドレセプ ター”であると示唆された。予言的例において、USPをコードするXR2Cを 昆虫細胞培養系(S2細胞系)に形質転換し、レチノイン酸の添加に反応してキメ ラCAT遺伝子をトランス活性化した。この記載は、このような“昆虫レチノイ ドレセプター”での昆虫または動物細胞の形質転換は、レセプターの活性化を導 くことができる化合物のスクリーニングに使用できることを示唆する。しかしな がら、Oro et al.は、後に、USPはショウジョウバエ細胞培養系検定におてレ チノイン酸で活性化されず、RXRが反応性である条件下でUSPはメトプレン 酸を含む試験したレチノイドまたは幼若ホルモンに反応しないと報告している(H armon et alおよびその中の引用文献)。 幼若ホルモンおよびそのアゴニストがUSPのリガンドであり、植物細胞内で 、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存在下でUSPが標的遺伝子発現 を活性化するために使用できるという本明細書の発現により、植物細胞環境で有 効なUSPレセプターの新規リガンドの発見が可能となった。スクリーニングは トランスジェニック植物または植物細胞内でレセプター調整レポーター遺伝子を コードする標的発現カセットの発現を基本にしており、これはまたトランスジェ ニックUSPレセプターポリペプチドおよび所望によりUSPレセプターポリペ プチドと異なる第2のレセプターポリペプチドも発現する。標的ポリペプチド発 現のUSPレセプター媒体活性化の誘導をする能力を試験する化学物質を種々の 濃度でトランスジェニック植物または植物細胞と接触させ、その後、レポーター 遺伝 子の発現の検定を行い、標的ポリペプチドの発現を測定する。標的ポリペプチド の活性化または統計学的有意な増加を示す試験物質および標的ポリペブチド発現 の阻害または統計的有意な減少を示す試験物質がUSPレセプターポリペプチド のリガンドとして同定される。この方法は、植物環境内でUSPのリガンドであ るか以前は未知であった試験物質を、このように同定するか、または植物細胞環 境内でUSPのリガンドであることが疑われる試験物質をこのように確認するこ とを可能にする。従って、本発明により以下の段階を行うことによりUSPレセ プターポリペプチドのリガンドの製造が可能となった: −化学分野で既知の慣用法に従った新規試験物質の製造; −USPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現カセットお よび標的ポリペプチドをコードする標的発現カセットでの植物細胞の形質転換; −形質転換植物細胞の子孫細胞の培養; −子孫細胞内でのUSPレセプターポリペプチドの発現; −子孫細胞と上記のように合成した新規試験物質の接触;および −標的ポリペプチドの発現の測定; −更なる新規試験物質での上二つの工程の反復; −標的ポリペプチドを有意に活性化または阻害する試験物質の選択;および −選択物質の化学合成の反復。 上記の段階に従がって得られるUSPレセプターポリペプチドのリガンドは、 本発明の更なる主題を構成する。 更に、この方法は、標的ポリペプチド発現のUSPレセプター媒体活性化のア ンタゴニストまたは阻害剤の同定に使用できる。このようなアンタゴニストは、 標的ポリペプチド発現のリガンド誘発活性を減少させる能力により同定できる。 異なるレポーター遺伝子がスクリーニング法における標的発現カセットとして 使用できる。一つの有用なレポーターはホタルルシフェラーゼである。標的発現 カセットにおけるその使用は下記実施例7および9に記載する。他の有用なレポ ーター遺伝子はGUSまたはグルクロニダーゼであり、5−ブロモ−4−クロロ −3−インドリルβ−D−グルクロニダーゼまたはo−ニトロフェニル−β−D −グルクロニダーゼのような色素原性基質の開裂を触媒する。GUSレポーター は、例えば分光光度測定により定量的に、または可視検査により定質的に測定で きる色素原性反応生産物を製造する利点を有する。スクリーニング法に有用なレ セプター発現カセットはUSP、もしくはUSP-VP16またはVP16-USPのようなUS Pのキメラバージョンである。 USPが哺乳類RXRαと配列において関連しており、RXRがEcRとのヘ テロダイマーの形成が可能であるため(Thomas et al.,Nature 362:471-475(199 3))、RXRをコードするレセプター発現がまたスクリーニング法にも使用でき る。この方法において、USPのリガンドが植物細胞内でRXRのリガの一つ以 外の化学物質が植物細胞内の適当な化学リガンドとして同定し得る。 実施例 下記の実施例は、さらに、本発明を遂行する場合に使用する物質および方法並 びにその結果を記載する。説明の目的で提供され、その詳説は請求の発明を制限 するものではない。 実施例1:エクジソンレセプターをコードする、植物発現可能レセプター発現カ セットの構築 ショウジョウバエのエクジソンレセプター(EcR)のDNAコード領域を、 λgt11(Clontech、製造番号IL 1005b)に調製したカントンSさなぎ(6日) 由来のcDNAライブラリーから、およびEcRのB1アイソフォームの公表さ れている配列(Koelle et al.、Cell67:59、1991)から設計したオリゴヌクレオ チドを用いたゲノムPCRで作製したフラグメントから、単離した。B1アイソ フォームEcR配列は、標準的な方法を用いた自動シークエンス解析で確認し、 公表されている配列と並べた(Talbot et al.、Cell73:1323、1993)。発現され た全長のEcRコード領域を、PCR反応でオリゴヌクレオチドSF43(5'− CGC GGA TCC TAA ACA ATG AAG CGG CGC TGG T CG AAC AAC GGC−3';配列番号1)を用いて修飾して、開始コドン からすぐ近くの上流にBamHIサイトを含むようにした。植物発現ベクターであ るpMF6およびpMF7は、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモータ ー(CaMV 35S)、メイズAdh1 イントロン1、およびノパリンシンセ ターゼポリアデニル化および終止シグナルを含む(Goff et al.、Genes and dev elopment5:298、1991参照)。ベクターpMF6およびpMF7は、所望のコー ド配列の挿入に使用するポリリンカーの向きが異なるだけである。全長のEcR コード配列を、フランキングBamHI制限部位を用いて植物CaMV 35S発現 ベクターpMF6にライゲーションした。このレセプター発現カセットを35S /EcRと呼ぶ。 実施例2:ウルトラスピラクル(Ultraspiracle)レセプターをコードする、植 物発現可能レセプター発現カセットの構築 ショウジョウバエの天然ウルトラスピラクルレセプター(USP)をコードす るcDNAは、Henrich et al.、Nucleic Acids Research 18:4143(1990)に記 載されている。フランキング5'および3'非翻訳領域をもつ全長のUSPコード 配列を、フランキングEcoRI制限部位を用いて植物発現ベクターpMF7(実 施例1に記載)にライゲーションした。このレセプター発現カセットを35S/ USPと呼ぶ。 実施例3:GAL4由来のDNA結合ドメインおよびEcR由来のリガンド結合 ドメインをもつレセプター発現カセットの構築 EcRのDNA結合ドメインが、N末端で融合したGAL4のDNA結合ドメ インで置換されている、レセプター発現カセットを構築した。ショウジョウバエ のEcRのDNAコード領域は、実施例1に記載のようにして得た。GAL4の DNA結合ドメインのコード配列を、プラスミドpMA210からサブクローニ ングした。Ma and Ptashne、Cell、48:847(1987)。 GAL4−EcRキメラレセプターポリペプチドをコードするレセプター発現 カセットは、GAL4のDNA結合ドメインをEcRのリガンド結合ドメインお よびカルボキシ末端に融合させることにより構築した。融合させるために、オリ ゴヌクレオチドSF23(5'−CGC GGG ATC CAT GCG GCC GGA ATG CGT CGT CCC G−3';配列番号2)を使用して、PC Rにより、BamHI部位を、アミノ酸残基330に相当するヌクレオチド位置 (直後にEcR DNA結合ドメインが続く)のEcRのcDNA配列に導入した。 得られた短縮されたEcRコード配列(EcR330-878)をプラスミドpKS+(S tratagene)にサブクローニングした。 GAL4のサブクローンは、前記したように、GAL4からClaI部位のDN A配列をコードするアミノ末端をpSK+(Stratagene)にサブクローニングす ることにより、DNA結合ドメインのコード配列(アミノ酸1−147)を含む プラスミドpMA210から得た(Goff et al.、Genes and Development 5:298 ,1991)。このプラスミドはpSKGAL2と呼び、ClaIおよびKpnIで切断 し、下記の二本鎖オリゴヌクレオチドを挿入した: 得られたプラスミドをpSKGAL2.3と呼ぶ。完全に融合した35S/G AL4−EcR330-878は、pSK+中のGAL4のDNA結合ドメインおよびpK S+中のEcR330-878にフランキングなポリリンカーのBamHI部位を用いて作 製した。これらのコード配列を、フランキングEcoRI制限部位を用いることに より、単子葉植物発現ベクターpMF6(実施例1に記載)にライゲーションし た。このレセプター発現カセットを35S/GAL4−EcR330-878と呼ぶ。 実施例4:ウルトラスピラクル由来のリガンド結合ドメインおよびVP16由来 のトランス活性化ドメインをもつ、植物発現可能レセプター発現カセットの構築 USPポリペプチドのN末端かC末端のいずれかに融合したVP16のトラン ス活性化ドメインと共にUSPのリガンド結合ドメインを含む、レセプター発現 カセットを構築した。 C末端にVP16のトランス活性化ドメインをもつキメラポリペプチドをコー ドするレセプター発現カセットを構築するために、レセプターUSPのcDNA のカルボキシ末端および終止コドン(実施例2に記載)を、コード配列のUSP ヌクレオチド番号1471のXhoI部位を用いてpKS+(Stratagene)にサブ クローニングすることにより除去した。アミノ酸1〜490をコードする得られ たUSPサブクローンを、USPサブクローンのフランキングKpnI制限部位、 およびVP16のカルボキシ末端80アミノ酸をコードするpSJT1193C RF3のKpnI部位を用いて、VP16のトランス活性化ドメインに融合させた (Triezenberg et al.、Genes and Develop.2:718-729(1988))。得られたUSP −VP16融合物を、USP−VP16のコード配列にフランキングなEcoRI およびBamHI制限酵素部位を用いてCaMV35S植物発現ベクターpMF7( 実施例1に記載)にクローン化した。このレセプター発現カセットを、35S/ USP−VP16と呼ぶ。 アミノ末端に融合した転写化活性ドメインをもつUSP誘導体は、最初に、P CR反応で、オリゴヌクレオチドSF42(5'−CGC GGA TCC ATG GAC AAC TGC GAC CAG GAC−3';配列番号5)を用いて、 USP開始コドンに隣接したBamHI部位を改変することにより構築した。VP 16の終止コドンを削除し、フランキングBamHI部位をオリゴヌクレオチドS F37(5'−GCG GGA TCC CCC ACC GTA CTC GTC A AT TC−3';配列番号6)を用いて導入し、開始コドンのすぐ上流に植物共 通配列をもつ開始コドン並びにBamHI部位を、PCR反応で、プライマーとし てオリゴヌクレオチドSA115(5'−GTC GAG CTC TCG GAT CCT AAA ACA ATG GCC CCC CCG ACC GAT GTC− 3';配列番号7)を用いてアミノ末端に導入した。得られたVP16活性化ド メインおよびUSPコード配列(アミノ酸1〜507をコードしている)を、フ レーム中で、隣接したBamHI部位に加え、VP16−USPコード配列を、5 'BamHIおよび3'EcoRI部位において、CaMV35S植物発現ベクターpM F7に挿入した。このレセプター発現カセットは35S/VP16−USPと呼 ぶ。 実施例5:EcR由来DNA結合ドメインおよびリガンド結合ドメイン、並びに メイズのC1調節遺伝子由来トランス活性化ドメインをもつ、レセプター発現カ セットの構築 EcR227-825−C1融合物は、PCR反応に使用したオリゴヌクレオチドSF 30(5'−CGC−GGA−TCC−ATG−GGT−CGC−GAT−GA T−CTC−TCG−CCT−TC−3';配列番号8)をもつEcR DNA結 合ドメインの直前の開始コドンを全長のEcRコード配列に配置することにより 作製した。メイズC1タンパク質の転写活性化ドメイン(アミノ酸219−27 3)のコード配列(Goff et al.、Genes and Develop.5:298-309(1991))を、フ レーム中で、EcRのアミノ酸51〜825のコード配列(EcR KpnI制限酵 素部位)に融合した。C1トランス活性化ドメインを、VPGPPSRSRVS ISLHA(配列番号9)をコードするポリリンカーを用いてEcRに連結させ た。35S/EcR227-825−C1植物発現ベクター融合物は、コード配列を有す るBamHIフラグメントをpMF7ベクターに挿入することにより構築した。こ のレセプター発現カセットを35S/EcR227-825−C1と呼ぶ。 実施例6:GAL4由来DNA結合ドメイン、EcR由来リガンド結合ドメイン 、およびメイズのC1調節遺伝子由来トランス活性化ドメインをもつ、レセプタ ー発現カセットの構築 GAL4−EcR330-825−C1融合物は、実施例3に記載のGAL4−EcR3 30-878 構築物、および実施例5のEcR227-825−C1構築物を用いて構築した。 EcRコード領域(アミノ酸456が開始点)を、AatlI部位で交換した。この レセプター発現カセットを35S/GAL4−EcR330-825−C1と呼ぶ。 実施例7:GAL4DNA結合ドメインに対する応答エレメントをもつホタル・ ルシフェラーゼをコードする、植物発現可能標的発現カセットの構築 GAL4のDNA結合ドメインに対する反応エレメントを有するホタル・ルシ フェラーゼをコードする、植物発現可能標的発現カセットは、下記の方法で構築 した。ホタル・ルシフェラーゼの合成を誘導するメイズ・ブロンズ−1(Bz1 )コア・プロモーターは、NheIおよびSphI部位を介してBz1レセプターpB z1LucR98(Roth et al.、Plant Cell 3:317,1991)から取り出し、ルシフ ェラーゼ遺伝子をもつpUC6S由来プラスミドに配置した。修飾されたBz1 コア・プロモーターはヌクレオチド位置−53までのNheI部位(GCTAGC )およびBz1プロモーター配列を含む(Roth et al.、Plant Cell 3:317,1991 )。 10個のGAL4結合部位を、EcoRIおよびPstIで消化することによりGA L4調節レポーターpGALLuc2(Goff et al.、Genes and Development 5:2 98,1991)から取り、同じ制限酵素部位を用いてpBlueScript(Stratagene)に 挿入した。GAL4結合部位の5'末端のHindIII部位を、HindIII/BamHI /HindIIIアダプターを挿入することによりBamHI部位に変化させ;得られた GAL4結合部位を含むBamHIフラグメントを取り出し、ルシフェラーゼを誘 導するBz1コア・プロモーターの上流のBglII部位に配置した。この標的発現 カセットを(GAL4b.s.)10−BZ1TATA/Lucと呼ぶ。 実施例8:重複配列反応エレメントをもつホタル・ルシフェラーゼをコードする 、植物発現可能標的発現カセットの構築 EcREハーフサイトおよびRXR優先ハーフサイトと共に重複配列(DR) 反応エレメントを有するホタル・ルシフェラーゼをコードする植物で発現される 標的発現カセットは、下記の方法で構築した:実施例7に記載のpUC6S由来 プラスミド中、メイズBz1コア・プロモーター−ルシフェラーゼ構築物を開始 点として使用した。ハーフサイト間にDR REおよび3塩基対スペーシングを 含む二本鎖合成オリゴヌクレオチドを、BamHIおよびBglII粘着末端(SF7 7:5'−GAT CCG TAG GGG TCA CGA AGT TCA CTC GCA−3';配列番号10)(SF78:5'−GAT CTG CGA GTG A AC TTC GTG ACC CCT ACG−3';配列番号11)を用いて合成 し、リン酸化し、アニーリングし、独特なBglII部位に挿入することによりBz 1コア・プロモーターの上流にライゲーションさせた。 実施例9:植物細胞の形質転換および化学リガンドの存在下における標的ポリペ プチドの発現コントロール 種々のレセプターポリペプチド(本発明のキメラレセプターポリペプチドを含 む)による標的ポリペプチド発現のコントロールは、高速マイクロプロジェクタ イル・ボンバードメント法を用いて必要な遺伝子構築物で植物細胞を同時に形質 転換し、次いで標的ポリペプチドの存在についての生化学的アッセイを行うこと により示すことができる。必要な遺伝子構築物は、USPレセプター発現ポリペ プチドをコードするUSPレセプター発現カセットを含む(図1)。所望により 、USPレセプター発現カセットは、USPとは異なるレセプターポリペプチド をコードする第2のレセプター発現カセットを用いて形質転換し得る(図2およ び3)。加えて、標的ポリペプチドをコードする標的発現カセットもまた必要で ある。 発現カセットは、同時に、マイクロプロジェクタイルへのDNS沈殿および圧 縮ヘリウムにより引き起こされる高速ボンバードメント法という標準的技術を用 いた高速マイクロプロジェクタイル・ボンバードメント法を用いて、液体N6培 地に培養したメイズ懸濁細胞(Chu et al.Scientia Sinica XVIII:659-668,197 5)に移した(PDS-1000/He、BioRad、Hercules、CA)。形質転換細胞を、N6培 地中、約48時間、適当な化学リガンドの存在下、液体懸濁液中でインキュベー トした。インキュベート後、形質転換細胞を採取し、次いで、0℃でホモジナイ ズした。抽出物の残骸を4℃で5分間10,000gで遠心することにより除去 した。 標的ポリペプチド発現を、標的発現カセットによりコードされている生成物の 存在について抽出物をアッセイすることにより検知した。化学リガンドの存在下 でレセプターポリペプチドによる発現の制御を試験する場合、一般的に標的ポリ ペプチドに使用されるコード配列はホタル・ルシフェラーゼである。ホタル・ル シフェラーゼの活性は、Analytical Luminescence Model2001Luminometerを 用いて、基質としてATPを用いたルシフェリンのルシフェラーゼ触媒リン酸化 (Promega Luciferase Kit、製造番号E1500)により産生された化学発光を定量 することにより測定する。 実施例10:レセプターポリペプチドGAL4−EcR330-825−C1およびUS P−VP16は植物細胞の標的ポリペプチドの発現を活性化し、この活性化は幼 若ホルモンアゴニストにより阻害される 実施例9の形質転換法を用いて、レセプター発現カセット35S/GAL4− EcR330-825−C1(実施例6)、レセプター発現カセット35S/USP−V P16(実施例4)および標的発現カセット(GAL4b.s.)10−Bz1TATA/Lu c(実施例7)をメイズ細胞に同時形質転換した。形質転換細胞を、約48時間 、化学リガンドとして10μMフェノキシカルブ(Fenoxycarb)またはメトプレ ン(Methoprene)の存在下でインキュベートした。実施例9に記載のようにルシ フェラーゼアッセイを行った。結果を表1に示す。 上記の結果により、GAL4反応エレメントを含む標的発現カセットの5'調 整領域は、植物細胞において、レセプターポリペプチドGAL4−EcR−C1 およびUSP−VP16により活性化することができ、この活性化は幼若ホルモ ンアゴニストの存在下で逆転することが示されている。標的ポリペプチド・ルシ フェラーゼの発現レベルは、幼若ホルモンアゴニストの存在下では、その非存在 下に比較して3.5〜31倍低かった。 実施例11:レセプターポリペプチドGAL4−EcR330-825−C1およびUS P−VP16は植物細胞の標的ポリペプチドの発現を活性化し、この活性化は幼 若ホルモンアゴニストにより阻害される 実施例9の形質転換法を用いて、レセプター発現カセット35S/GAL4− EcR330-825−C1(実施例6)、レセプター発現カセット35S/USP−V P16(実施例4)および標的発現カセット(GAL4b.s.)10−Bz1TATA/L uc(実施例7)をメイズ細胞に同時形質転換した。形質転換細胞を、約48時 間、化学リガンドとして、10μMフェノキシカルブまたはメトプレンと共にお よびそれ無しで、10μMテブフェノジドの存在下、インキュベートした。実施 例9に記載のようにルシフェラーゼ・アッセイを行った。結果を表2に示す。 上記の結果により、GAL4応答因子を含む標的発現カセットの5'調整領域 は、植物細胞において、化学リガンドのテブフェノジドに応答してレセプターポ リペプチドGAL4−EcR−C1およびUSP−VP16により活性化するこ とができ、この活性化は幼若ホルモンアゴニストであるメトプレンの存在下で阻 害されることが示される。テブフェノジド誘導ルシフェラーゼ遺伝子発現活性化 のレベルは単独で使用した場合には約6倍増加し、幼若ホルモンアゴニストであ るメトプレンが存在すると完全に阻害された。 実施例12:レセプターポリペプチドVP16−USPは植物細胞の標的ポリペ プチドの発現を活性化する 実施例9の形質転換法を用いて、レセプター発現カセット35S/VP16− USP(実施例4)および標的発現カセット(DR3)3−Bz1TATA/Luc(実施 例8)を含むプラスミドをメイズ細胞に同時形質転換した。形質転換細胞を、4 8時間、化学リガンドとして10μMメトプレンの存在下でインキュベートした 。 実施例9に記載のようにルシフェラーゼアッセイを行った。結果を表3に示す。 上記の結果により、重複配列反応エレメントを含む標的発現カセットの5'調 整領域は、植物細胞において、幼若ホルモンアゴニストの存在下、レセプターポ リペプチドVP16−USPにより活性化することができることが示される。標 的ポリペプチド・ルシフェラーゼの発現レベルは幼若ホルモンアゴニストの非存 在下において観察されたものの約16倍であった。 実施例13:EcR、USP、またはRXR誘導体を発現し、レセプター調整レ ポーターを有する、シロイナズナ属植物を形質転換するためのベクターの構築 アグロバクテリウムT−DNAベクタープラスミドは、前記したプラスミドp GPTV−KanおよびpGPTV−Hyg(Becker et al.、Plant Mol.Biol.20:1 195-1197(1992))から構築した。pGPTV−KanおよびpGPTV−Hygプラ スミド両方のSacI/HindIII uidA(GUS)レポーター遺伝子を、pGEM4Z f(+)、pSPORT1、pBluescriptKS(+)、pIC20H、またはpUC18由 来のSacI/HindIIIポリリンカーで置換し、プラスミドpSGCFW、pSG CFX、pSGCFY、pSGCFZ、pSGCGA、pSGCGC、pSGC GD、pSGCGE、pSGCGF、およびpSGCGGをそれぞれ得た。標的 発現カセットであるGAL4調整ルシフェラーゼレポーターを、はじめに実施例 7に記載の10個のGAL4結合部位およびメイズBronze−1TATAをもつ3 28bp KpnI/HindIIIフラグメントを、修飾ルシフェラーゼレポータープラ スミドpSPLuc+(Promega)のKpnI/HindIII部位にサブクローニング することにより、T−DNAアグロバクテリウムプラスミドとして構築し、プラ スミドpSGCFO1を作製した。GAL4結合部位Bz1TATA−ルシフェ ラーゼレポーターを含むpSGCFO1由来の1.991Kb KpnI/XbalIフ ラグメントを、pSGCFX1の7.194Ndel/Spelフラグメントおよび上 記のpSGCFZ1の4.111Ndel/KpnIフラグメントへライゲーションす ることにより、T−DNAベクターにサブクローニングした。得られたプラスミ ドはpSGCGL1と呼び、トランスジェニック植物においてカナマイシンに耐 性を付与するnosプロモーターにより誘導されるNPTII選択マーカー、およ びGAL4調整ルシフェラーゼレポーターを有する。10個のGAL4結合部位 をもつGAL4調整GUSレポーター、35S TATA領域およびGUSコー ド領域を同様な方法で構築し、pAT86と呼ぶ。実施例8に記載したものと類 似の、3コピーのDE RE、Bz1 TATA、ルシフェラーゼコード領域、お よびnosターミネーターをもつ重複配列(DR)反応エレメントレポーターを 、pSGCGL1に記載したのと類似の方法で構築し、pSGCHU1と呼ぶ。 実施例3〜6に上記のレセプター発現カセットを使用して、CaMV 35Sプ ロモーターおよびnosポリアデニル化シグナルを有する類似アグロバクテリウ ムT−DNA構築物を構築した。一重または二重レセプター構築物を、適当な発 現カセットをGAL4−ルシフェラーゼレポーターpSGCGL1にサブクロー ニングすることにより作製した。 実施例14:VP16−USPを発現し、DR−ルシフェラーゼレポーターを有 するトランスジェニックシロイナズナ属の作製 シロイナズナ(コロンビア)を、CaMV 35SプロモーターおよびDR− ルシフェラーゼレポーター(実施例13に上記)をもつアグロバクテリウムベク ターを用いて、下記の真空−浸潤法で形質転換した。エレクトロコンピテントG V3101アグロバクテリウム細胞は、0.5〜0.7単位のOD600で24〜3 0時間、通気して、28℃で、2×YT培地中でGV3101アグロバクテリウ ムをインキュベートすることにより調製した。細胞を10〜30分間氷上で冷し 、4℃で5,000RPMで5分間遠心した。上清を廃棄し、細胞ペレットを1 容 量の氷冷10%グリセロール中に再び懸濁した。細胞を再度4℃で5,000R PMで5分間遠心した。上清を廃棄し、細胞ペレットを0.05容量の氷冷10 %グリセロール中に再び懸濁した。細胞を再び4℃で5,000RPMで5分間 遠心した。上清を廃棄し、細胞ペレットを0.02容量の氷冷10%グリセロー ルに再び懸濁した。細胞を再び4℃で5,000RPMで5分間遠心した。上清 を廃棄し、細胞ペレットを0.02容量の氷冷10%グリセロール中に再び懸濁 した。細胞を再度4℃で5,000RPMで5分間遠心した。上清を廃棄し、細 胞ペレットを0.01容量の氷冷10%グリセロールに再度懸濁した。細胞を1. 5mlのマイクロヒュージチューブに200mlずつに分け、液体N2で急速冷凍し 、−80℃で貯蔵した。エレクトロコンピテント細胞を使用し、その後−80℃ で貯蔵した。冷凍エレクトロコンピテント細胞を氷上で解凍し、40mlを冷凍前 の1.5mlマイクロヒュージチューブに移した。適当なアグロバクテリウムプラ スミドDNA(2〜10ng)1mlを解凍した細胞に加え、氷上で混合した。細胞 /プラスミド混合物を冷凍前の0.2cmBio-Radエレクトロポレーションキュベッ トに移し、2.0キロボルト、600オーム、25μファラドで、一律6秒でエ レクトロポレーションを行った。2×YT培地1mlをエレクトロポレーションキ ュベットに加え、細胞/プラスミド溶液をピペットチップで混合し、内容物を新 しい1.5mlマイクロヒュージチューブに移した。次いで、細胞を200RPM で撹拌機で37℃で1時間インキュベートした。細胞を、エッペンドルフ適用ス ピード遠心機で6の設定で2分間遠心し沈降させ、上清をデカントし、細胞ペレ ットを残りの液体に再び懸濁した。再懸濁した細胞を適当な抗生物質と共にLB 培地プレートに撒いた。プレートを2〜3日間28〜30℃でインキュベートし た。LB培養物50mlを、100μg/mlリファンピシンおよび25μg/mlゲント マイシンおよび100μg/mlカナマイシンと共に250mlフラスコ中、単一の形 質転換コロニーを用いて接種した。培養物を250RPM、28℃で24〜36 時間インキュベートし、培養物10mlを用いて2lフラスコ中の500mlLB+ 抗生物質に接種した。この培養物を250RPMで撹拌しながら、28℃で一晩 インキュベートした。プラスミドDNAをこのアグロバクテリウム培養物から単 離し、 制限解析により確認した。 シロイナズナ属植物を、16時間明るく、8時間暗く、20℃であるように設 定したフィトトロン中の3インチ平方のプラスチック鉢でメッシュで覆った土壌 で4〜5週間成育させた。花芽分裂組織が約2インチの高さになるまで植物を成 長させた。形質転換すべきシロイナズナ属植物の花芽分裂組織を、アグロバクテ リウムにさらす2日前に取り除いた。アグロバクテリウム培養物を5000RP Mで5分間遠心し、得られたペレットを500ml浸潤培地(4.3g MS塩/l、 5%スクロース、0.01mg/mlベンジルアミノプリン、100ml/lSilwet L77、 pH5.8)に再び懸濁した。シロイナズナ属植物を水に浸し、土壌を飽和する。 細菌細胞懸濁液500mlを滅菌真空デシケーターの底に移し、鉢植えのシロイナ ズナ属植物をアグロバクテリウム溶液に逆にしておく。5分間デシケーターを真 空にし、次いでゆっくりと解除する。この真空処理を3回繰り返し、植物を過剰 のアグロバクテリウムで洗浄し、成育チャンバーに戻す。真空−浸潤植物を成熟 させ、花を咲かせ、種を付けさせた。得られた種をさらに約5〜10日間、95 ℃、低湿度の乾燥室で乾燥させた。種を乾燥した花から破砕して取り、次いで4 25ミクロンのメシュのふるいを通して濾過した。真空浸潤後、種を得るのに約 5週間かかる。完全に乾燥したら、約240mgの種を70%EtOH1mlを加え て滅菌し、しっかりとボルテックスをかけ、室温で2分間インキュベートした。 種をエッペンドルフマイクロヒュージ中で短く高速遠心し、上清を廃棄した。ペ レット状の種を滅菌緩衝液1ml(1部の10%TritonX−100、10部の漂白剤 、20部のdd H2O)中に再度懸濁し、ボルテックスをかけ、室温で30分間イ ンキュベートした。種をエッペンドルフマイクロヒュージ中で短く高速遠心し、 上清を除去した。種を滅菌dd H2O1mlに懸濁し、ボルテックスをかけ、マイク ヒュージで高速遠心し、上清を除去した。この洗浄工程を3回繰り返し、次いで 、種をdd H2O5ml中で最終洗浄として50mlの遠心チューブに移した。種をBe ckman卓上型遠心機で最高速度で短く遠心した。上清をデカントし、種を50℃ で滅菌0.8w/v%低沸点アガロース24ml中に再び懸濁し、混合し、8mlを、選 択用の抗生物質(カナマイシン50μg/mlまたはヒグロマイシン50μg/mlのい ずれ か)およびカルベニシリン500μg/mlを含有する、各3つの150mm発芽培地 (GM)プレート(Murashige and Skoog、Physiol Plant 15:473-497,1962)に 等分した。撒いた種を4℃で暗所で24時間インキュベートし、次いで、1日当 たり20℃で16時間明るく、8時間暗くなるように設定した成育チャンバーに 移した。発芽した実生を5〜10日間プレート上で選択し、小さい植物を新しい 選択プレートに移植し、5〜10日間さらに選別した後、土壌に移植した。新し く移植した小さい植物を2〜3日間プラスチックの覆いで覆い、次いで花芽分裂 組織の開始まで成育させた。 実施例15:単離トランスジェニック植物組織の化学誘導 トランスジェニック植物を下記の技術により誘導性遺伝子発現について試験し た。およそ同じサイズの2枚の葉をトランシジェニック植物から取り、0.1% エタノールまたは0.1%エタノールおよび10μMメトプレンまたはフェノキ シカルブと共に、カナマイシン50μg/ml(または導入遺伝子がこのマーカーを 保持すればヒグロマイシン25μg/ml)を含有する水中でインキュベートした。 葉を実施例14に記載した標準的な成育条件下で約24時間インキュベートした 。誘導化合物でインキュベートした後、葉抽出物を500μlの100mM KP O4 1mM DTT、pH7.8緩衝液中で0℃で葉をホモジナイズすることによ り調製した。抽出物をエッペンドルフマイクロヒュージ中、4℃で5分間遠心し 、アッセイまで0℃で貯蔵した。各抽出物のルシフェラーゼ活性を、製造業者の 指示に従って、Analytical Luminescence Model 2010 LuminometerおよびPromeg a Luciferase Assay Systemを用いて測定した。抽出タンパク質濃度はPierce BC A Protein Assayを用いて測定した(Smith et al.、Anal.Biochem.150:76-85) 。ルシフェラーゼ値は、室温における抽出タンパク質100μg当たりの10秒 当たりの光単位として示す。下の表4に示すように、フェノキシカルブ処理によ り、ルシフェラーゼ活性が6.2倍増加し、メトプレンはルシフェラーゼ活性が 25倍増加した。実施例16:USPまたはRXR誘導体を発現し、レセプター調整レポーターを 有する、トランスジェニック植物または植物細胞を用いた、USPに結合する新 リガンドのスクリーニング 植物細胞環境において有効なUSPまたはRXRの新リガンドは、適当なレセ プターポリペプチドも発現するトランスジェニック植物または植物細胞において 標的発現カセットであるレセプター調整レポーターの発現に基づくスクリーニン グ法を用いて検知することが可能である。このように、標的ポリペプチド発現の USPまたはRXR活性化を仲介する能力について試験すべき化学物質を、種々 の濃度でトランスジェニック植物または植物細胞と接触させ、その後、レポータ ー遺伝子発現のアッセイを行う。例えば、1)標的発現カセットとして、GAL 4−EcRおよびUSP−VP16およびレセプター発現カセットとしてGAL 4調整ルシフェラーゼレポーターを有するトランスジェニック植物または植物細 胞を、試験すべき物質にさらし、Hamamatsu Light Detection Deviceなどの光増 幅装置を用いてさらされていない植物と比較することができ、2)標的発現カセ ットとしてGAL−4調整GUSレセプターおよびGAL4−EcR−C1およ びVP16−RXRのレセプター発現カセット有するトランスジェニック植物ま たは植物細胞を、試験すべき物質にさらし、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン ドリルβ−D−グルクロニドまたはo−ニトロフェニル−β−D−グルクロニド などの色素生産性物質の除去を触媒する能力についてさらされていない植物と比 較することができ、3)DR RE調整ルシフェラーゼレポーターおよびVP1 6−USPの発現カセットを有するトランスジェニック植物または植物細胞を試 験すべき物質にさらし、Hamamatsu Light Detection Deviceなどの光増幅装置を 用 いて、さらされていない植物と比較することができる。上記のスクリーニング法 で利用できないことが分かった陽性対照は、テブフェノシドおよびメトプレンを 含むがそれに限定されない。上記の各場合において、試験物質の非存在下におけ る発現レベルと比較して試験物質の存在下における標的ポリペプチド発現検知レ ベルが高かったことは、この方法で使用したレセプター発現カセットに依存して 、試験物質はUSPまたはRXRのいずれかのリガンドであることを示している 。このように、植物細胞環境においてUSPのリガンドであると以前は知られて いなかった試験物質がそうであると同定され得、または、植物細胞環境において USPのリガンドであることが疑わしい試験物質がそうでないと確認することが できる。 実施例17:低い基礎活性をもつレセプターポリペプチド変異体の単離 Ultraspiracleレセプター(USP)のリガンド結合ドメインにおける変異は 、Leung et al.、Technique 1:11-15(1989)が記載したPCR変異生成を用い てインビトロでおこした。変異USPリガンド結合ドメインのPCRフラグメン トを、VP16の転写活性化ドメインに作業可能に結合させた酵母発現ベクター にクローン化した。変異構築物を、酵母GAL4レポーター株GGY::171に 形質転換した。酵母形質転換体をインディケーターX−Galを含む培地に撒いた 。ヘテロダイマーに対するUSPレセプターポリペプチド活性の基礎レベルが低 い突然変異体は、X−Galインディケータープレート上に白色から明青色のコロ ニーを産生し、一方、非突然変異USPレセプターポリペプチドを発現する形質 転換体は暗青色のコロニーを産生した。白色から明青色のコロニーを、レセプタ ーポリペプチド活性の基礎および化学リガンド誘導レベルについて、グリセロー ル、エタノールおよびガラクトースを炭素源として含むS培地にそれらの選択し たコロニーを示す酵母細胞を成長させることにより試験した。得られた培養物を 2部に分け、1つは幼若ホルモンまたはそのアゴニストの1つで処理し、他方は 化学リガンドの非存在下における対照として使用した。幼若ホルモンまたはその アゴニストにさらした後、培養物の処理および対照部分を、Millerの実験方法( Experiments in Molecular Genetics、p.352-355、J.H.Miller編、Cold Spring Harb or Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.、1972)にしたがってβ−ガラクト シダーゼ活性についてアッセイした。この技術で単離され同定された変異レセプ ターポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、さらに続く試験の候補であ る。なぜなら、コードするレセプターポリペプチドは、植物細胞において、低い 基礎活性、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの1つのの存在下における標的遺 伝子発現の誘導の大きな増加、または異なる幼若ホルモンのアゴニストに異なる 応答を示し得るからである。 実施例18:植物細胞の改善された機能をもつ変異ポリペプチドの同定 実施例15の変異USPレセプターポリペプチドをコードするレセプター発現 カセットを、上記の実施例2および4に従って調製した。実施例8の標的発現カ セットと組み合わせた、これらのレセプター発現カセットを、実施例9の方法に 従って植物細胞に形質転換した。形質転換した植物細胞を、幼若ホルモンまたは そのアゴニストの1つの存在下、変異レセプターポリペプチドによる標的発現カ セットの5'調整領域の活性化について試験した。変異USPレセプターポリペ プチド(これは、植物細胞において、幼若ホルモンまたはそのアゴニストの1つ の存在下で化学リガンドの非存在下で標的ポリペプチドの基礎発現が低く、標的 ポリペプチドの発現が高い)は、植物における遺伝子発現をコントロールするの に有益である。 実施例19:トランスジェニック植物の子孫栽培 実施例14で調製したシロイナズナ(コロンビア)の形質転換植物を、16時 間明るく、8時間暗い20℃に設定したフィトトロン装置中の3インチ平方のプ ラスチック鉢でメッシュで覆った土壌で4〜5週間成育させる。植物は、外来D NAを本発明に記載のレセプターおよび標的発現カセットの形でゲノムに組み込 んで含む。この組み込まれたDNAは、形質転換植物の生活環により、繁殖の過 程を通してある植物世代から次の世代へと移行する。繁殖は、雄性配偶体および 胞子体または配偶体雌性組織が相互作用して良好な接合体を産生する過程である 。成熟した花粉粒は花の葯で産生され、柱頭の表面に付き(授粉)、水和し発芽 して花粉管へと成育する。花粉管の精子細胞は子房(雌雄異株)に存在する胚嚢 に 運ばれ、受精が起こり(配偶子融合)接合体ができる。種の形の接合体は、次世 代の植物系統の実現である。この次世代を、形質転換植物の「子孫」と呼ぶ。子 孫は自家受精により形成され得、雄性配偶体および雌性配偶体組織は同じ個体の 植物から生じる。これは、単一の植物が次世代のゲノムDNAの源であることを 意味する。別に、次世代の植物を産生するために、ある植物由来の雄性配偶体を 別の植物の雌性胞子体組織と接触させることによる、2つの別々の植物の他家受 精により、子孫を産生し得る。この場合、子孫のゲノムDNAは2つの別々の植 物由来である。さらに、形質転換植物を非形質転換植物と他家受精すると、子孫 のゲノムDNAはある植物由来のトランスジェニックDNAおよび別の植物由来 の非トランスジェニックゲノムDNAからなる。形質転換植物の子孫が、自家受 精または他家受精により産生されたかにかかわらず、ゲノムに取り込まれた外来 DNAの存在のために、いくつかの子孫においては、遺伝的寄与は等価ではない 。この等価でない遺伝的寄与は、古典的な遺伝学および分子生物学の技術を用い て確認することができる。 本発明に記載のレセプターおよび標的発現カセットを含む次世代の植物を産生 するために、元の形質転換植物を、コントロールされた環境条件下、成熟させ、 花を付け、種を付けさせる。得られた種は、さらに、低湿度で95°Fで約5〜 10日間乾燥室で乾燥させる。種を長角果を破砕して乾燥させた花から取り除き 、次いで、425μmのメッシュのふるいを通して濾過し、種を他の植物物質か ら分離する。次いで、種を使用して植物のさらに次の世代を育てる。 形質転換植物の次世代を産生するこの方法は、シロイナズナ属について記載し たが、一般的に、ゲノムに、本発明に記載のレセプターおよび標的発現カセット を取り込んだ、全ての被子植物に適用可能である。 本明細書に記載の全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する当業者の技 術レベルを示すものである。全ての刊行物および特許出願は、各々の個々の刊行 物または特許出願が個々に引用して取り込むと特別に個々に示したと同じように 、本明細書において引用して取り込む。 前記の発明は、理解し易くするために説明を加え詳細に記載したが、変化およ び修飾を、添付の請求の範囲内においてなし得ることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 5/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AU,BA,BB,BG ,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,HU, IL,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR,L T,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL ,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,US, UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)USPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現カ セット;および b)標的ポリペプチドをコードする標的発現カセット: を含む、トランスジェニック植物細胞、植物材料または植物およびそれらの子孫 。 2.標的発現カセットの発現が植物繁殖能力を妨害する、請求項1記載の植物 細胞、植物材料または植物。 3.植物細胞または植物を a)USPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現カセット ;および b)標的ポリペプチドをコードする標的発現カセット で形質転換することを含む、請求項1記載の植物または植物の製造法。 4.発現カセットで形質転換した植物細胞または植物の子孫を得ることを含む 、請求項3記載の方法。 5.植物がメイズである、請求項1記載の植物。 6.植物がコムギである、請求項1記載の植物。 7.a)レセプターポリペプチド(複数もある)を植物内で発現させる;および b)幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つと植物を接触させる: ことを含む、請求項1記載の植物またはUSP受容体ポリペプチドと異なる第2 のレセプターポリペプチドをコードする第2のレセプター発現カセットを更に含 むこのような植物の遺伝子発現をコントロールする方法。 8.標的ポリペプチドの発現が幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存 在下で増加または活性化する、請求項7記載の方法。 9.標的ポリペプチドの発現が幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの存 在下で減少または阻害される、請求項7記載の方法。 10.USPレセプターポリペプチドが異種トランス活性化ドメインを含む、 請求項7記載の方法。 11.異種トランス活性化ドメインが単純ヘルペスウイルスのVP16タンパク質 由来である、請求項10記載の方法。 12.第1のレセプターポリペプチドが、EcR、DHR38およびRXRからな る群から選択される、請求項7記載の方法。 13.アゴニストがフェノキシカルブ、ジオフェノラン、キノプレン、メトプ レン、ヒドロプレン、ジオフェノラン、メトプレン酸、トリフルムロン、ヘキサ ムフルムロン、テフルベンズロン、フルフェノキスロン、フルシクロキスロンお よびルフェヌロン、ジフルベンズロンおよびクロルフルズロンからなる群から選 択される請求項7記載の方法。 14.標的発現カセットが反応エレメントの1から11コピーの間の5'調整 領域を含む、請求項7記載の方法。 15.a)レセプターポリペプチド(複数もある)を植物内で発現させる;およ び b)幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つと植物を接触させる: ことを含む、請求項2記載の植物または、第2のレセプターポリペプチドをコー ドする第2のレセプター発現カセットを更に含むこのような植物の繁殖能力をコ ントロールする方法。 16.標的ポリペプチドの発現が幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの 存在下で増加または活性化する、請求項15記載の方法。 17.標的ポリペプチドの発現が幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つの 存在下で減少または阻害される、請求項15記載の方法。 18.USPまたは第2のレセプター発現カセットが、レセプターポリペプチ ドのコード配列に作業可能に結合した約特異的プロモーターを含む、請求項15 記載の方法。 19.USPまたは第2のレセプター発現カセットが、レセプターポリペプチ ドのコード配列に作業可能に結合した雌しべ特異的プロモーターを含む、請求項 15記載の方法。 20.標的ポリペプチドがリボヌクレアーゼバルナーゼである、請求項15記 載の方法。 21.標的発現カセットが、繁殖能力を無効にするアンチセンス配列をコード する、請求項15記載の方法。 22.標的ポリペプチドが有効な繁殖能力を回復させる、請求項15記載の方 法。 23.標的ポリペプチドがリボヌクレアーゼ阻害剤バルスターである、請求項 22記載の方法。 24.a)USPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現 カセットおよび標的ポリペプチドをコードする標的発現カセットによる植物細胞 の形質転換; b)植物細胞内でのUSPレセプターポリペプチドの発現; c)植物細胞と試験物質の接触; d)標的ポリペプチドの発現の測定;および e)標的ポリペプチドの発現を有意に活性化または阻害する試験物質の同定: の段階を含む、植物細胞内で標的発現カセットの発現を活性化または阻害するU SPレセプターポリペプチドのリガンドの同定法。 25.更に、形質転換細胞をUSPレセプターポリペプチドとは異なる第2の レセプターポリペプチドをコードする第2のレセプター発現カセットで形質転換 し、第2のレセプターポリペプチドを発現させることを含む、請求項24記載の 方法。 26.標的ポリペプチドの発現が定質的に測定される、請求項24記載の方法 。 27.標的ポリペプチドの発現が定量的に測定される、請求項24記載の方法 。 28.a)当分野で既知の慣用法に従がった新規試験物質の製造; b)USPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現カセット および標的ポリペプチドをコードする標的発現カセットでの植物細胞の形質転換 ; c)形質転換植物細胞の子孫細胞の培養; d)子孫細胞内でのUSPレセプターポリペプチドの発現; e)子孫細胞と段階a)の試験物質の接触;および f)標的ポリペプチドの発現の測定; g)段階a)に従がった異なる試験物質での段階e)およびf)の反復; h)標的ポリペプチドを有意に活性化または阻害する試験物質の選択;および i)段階h)で選択した物質についてa)の段階の反復: を含む、USPレセプターポリペプチドのリガンドの製造法。 29.請求項28記載の方法により得られるUSPレセプターのリガンド。 30.a)USPレセプターポリペプチドをコードするUSPレセプター発現 カセット;および b)標的ポリペプチドをコードする標的発現カセット: を含むトランスジェニック植物材料または植物の製造により使用する、農学的方 法。 31.請求項1記載の植物における標的ポリペプチドの発現をコントロールす るための幼若ホルモンまたは幼若ホルモンアゴニストの使用。
JP9514672A 1995-10-10 1996-09-27 レセプター媒介トランス活性化による植物内のコントロール遺伝子発現のための化学リガンドとしての幼若ホルモンまたはそのアゴニストの一つ Pending JP2000500323A (ja)

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