JP2000356331A - 廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置 - Google Patents
廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置Info
- Publication number
- JP2000356331A JP2000356331A JP11171254A JP17125499A JP2000356331A JP 2000356331 A JP2000356331 A JP 2000356331A JP 11171254 A JP11171254 A JP 11171254A JP 17125499 A JP17125499 A JP 17125499A JP 2000356331 A JP2000356331 A JP 2000356331A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waste
- fluidized bed
- catalyst
- combustion
- air
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ２次燃焼装置や補助燃焼装置を必要とせず、
有害ガスの再合成が生じない廃棄物の触媒流動層低温燃
焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置を提供す
る。 【解決手段】 加熱手段（４）により初期加熱される燃
焼炉（６）と、燃焼炉（６）内で、空気輸送機（５）に
より送り込まれた空気を分散させる空気分散装置（３）
と、空気分散装置（３）により分散された空気により流
動層（２）を形成する媒体（７）と、を備えてなり廃棄
物を投入して燃焼を行う廃棄物の触媒流動層低温燃焼装
置において、媒体（７）を、酸化作用のある金属、セラ
ミックの単体、これらの成分を含む化合物、またはこれ
らを担持体に担持させた酸化性触媒としたを特徴とす
る。
有害ガスの再合成が生じない廃棄物の触媒流動層低温燃
焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置を提供す
る。 【解決手段】 加熱手段（４）により初期加熱される燃
焼炉（６）と、燃焼炉（６）内で、空気輸送機（５）に
より送り込まれた空気を分散させる空気分散装置（３）
と、空気分散装置（３）により分散された空気により流
動層（２）を形成する媒体（７）と、を備えてなり廃棄
物を投入して燃焼を行う廃棄物の触媒流動層低温燃焼装
置において、媒体（７）を、酸化作用のある金属、セラ
ミックの単体、これらの成分を含む化合物、またはこれ
らを担持体に担持させた酸化性触媒としたを特徴とす
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒を使用した流
動層燃焼炉において下水スラッジ、汚泥スラッジ等の高
含水性廃棄物、廃棄物燃料または家庭用ゴミ等の廃棄物
を焼却処理する廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃
棄物の触媒流動層低温燃焼装置に関する。
動層燃焼炉において下水スラッジ、汚泥スラッジ等の高
含水性廃棄物、廃棄物燃料または家庭用ゴミ等の廃棄物
を焼却処理する廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃
棄物の触媒流動層低温燃焼装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、下水スラッジ、汚泥スラッジ等
の高含水性廃棄物、廃棄物燃料または家庭用ゴミ等の廃
棄物を焼却処理する場合、例えば、図２に示す流動層燃
焼炉が使用されている。流動層低温燃焼装置では、図示
しない空気輸送機から送られた流動用空気１１が燃焼炉
１７内に導入されて、空気分散装置１２の多数のノズル
孔を通り抜けて、空気分散装置１２上の流動層１３を流
動化させる。流動層１３は、あらかじめ加熱手段である
スタートアップバーナ１４により燃料油を燃焼させて廃
棄物をガス分解・酸化できる温度、例えば約６００〜８
００゜Ｃまで加熱される。なお、加熱温度を維持するた
めに、助燃材投入装置から助燃材１８が燃焼炉１７内に
投入される。この状態で、図示しない廃棄物供給口から
廃棄物が投入される。流動層１３内の媒体としては珪砂
等である。
の高含水性廃棄物、廃棄物燃料または家庭用ゴミ等の廃
棄物を焼却処理する場合、例えば、図２に示す流動層燃
焼炉が使用されている。流動層低温燃焼装置では、図示
しない空気輸送機から送られた流動用空気１１が燃焼炉
１７内に導入されて、空気分散装置１２の多数のノズル
孔を通り抜けて、空気分散装置１２上の流動層１３を流
動化させる。流動層１３は、あらかじめ加熱手段である
スタートアップバーナ１４により燃料油を燃焼させて廃
棄物をガス分解・酸化できる温度、例えば約６００〜８
００゜Ｃまで加熱される。なお、加熱温度を維持するた
めに、助燃材投入装置から助燃材１８が燃焼炉１７内に
投入される。この状態で、図示しない廃棄物供給口から
廃棄物が投入される。流動層１３内の媒体としては珪砂
等である。
【０００３】かかる構成において、流動層１３内の媒体
と共に廃棄物が流動化されて脱水乾燥されて加熱分解温
度を超えるとガス化して燃焼し、未燃物の多くは上部の
フリーボード部１５で２次燃焼装置により完全燃焼され
る。焼却灰は排ガス１９と共に順次上部から排出され、
不燃物は珪砂と共に下部から取り出される。
と共に廃棄物が流動化されて脱水乾燥されて加熱分解温
度を超えるとガス化して燃焼し、未燃物の多くは上部の
フリーボード部１５で２次燃焼装置により完全燃焼され
る。焼却灰は排ガス１９と共に順次上部から排出され、
不燃物は珪砂と共に下部から取り出される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
流動層燃焼炉では、媒体を珪砂としているため流動層１
３内では単に廃棄物を均一に攪拌流動化するだけである
ので流動層１３内において完全燃焼させることは困難で
あり、未燃物をフリーボード部１５でさらに完全燃焼す
るようにしているので、２次燃焼装置が必要であるとい
う問題がある。これは、流動層１３内の燃焼速度が遅い
ため、層内で燃焼反応が完結する前に未燃ガスがフリー
ボード部へ抜けることによるものである。また、高含水
固体廃棄物の含水率は約８０％もあり、この水分を蒸発
させるだけでも容量の大きいバーナ等の助燃装置も必要
となる。
流動層燃焼炉では、媒体を珪砂としているため流動層１
３内では単に廃棄物を均一に攪拌流動化するだけである
ので流動層１３内において完全燃焼させることは困難で
あり、未燃物をフリーボード部１５でさらに完全燃焼す
るようにしているので、２次燃焼装置が必要であるとい
う問題がある。これは、流動層１３内の燃焼速度が遅い
ため、層内で燃焼反応が完結する前に未燃ガスがフリー
ボード部へ抜けることによるものである。また、高含水
固体廃棄物の含水率は約８０％もあり、この水分を蒸発
させるだけでも容量の大きいバーナ等の助燃装置も必要
となる。
【０００５】また、廃棄物を完全に分子レベルまで分解
且つ酸化するためには大きな熱エネルギが必要となる
が、実際には完全な分解及び酸化は困難であり、このた
め、有機塩素系有害物質の前駆体の一部がそのまま残存
することとなる。有機塩素系有害物質としてダイオキシ
ンを例にとると、前駆体はベンゼン環等である。燃焼炉
１７内において８００〜１０００°Ｃの高温で加熱され
ても、分解及び酸化が不完全なため、ガス中には有機塩
素系有害物質の前駆体が残存してしまい、燃焼後の冷却
過程において有機塩素系有害物質の再合成温度領域であ
る３００〜５００°Ｃを通過しなければならないため、
フリーボード部１５に連通した煙道ではダイオキシン等
の有機塩素系有害物質が再合成されてしまう。このた
め、有害ガス除去装置等も必要となり、このため装置が
大型化し多大なコストがかかるという問題がある。
且つ酸化するためには大きな熱エネルギが必要となる
が、実際には完全な分解及び酸化は困難であり、このた
め、有機塩素系有害物質の前駆体の一部がそのまま残存
することとなる。有機塩素系有害物質としてダイオキシ
ンを例にとると、前駆体はベンゼン環等である。燃焼炉
１７内において８００〜１０００°Ｃの高温で加熱され
ても、分解及び酸化が不完全なため、ガス中には有機塩
素系有害物質の前駆体が残存してしまい、燃焼後の冷却
過程において有機塩素系有害物質の再合成温度領域であ
る３００〜５００°Ｃを通過しなければならないため、
フリーボード部１５に連通した煙道ではダイオキシン等
の有機塩素系有害物質が再合成されてしまう。このた
め、有害ガス除去装置等も必要となり、このため装置が
大型化し多大なコストがかかるという問題がある。
【０００６】本発明は、このような事情に対処してなさ
れたもので、２次燃焼装置や補助燃焼装置を必要とせ
ず、有害ガスの再合成が生じない廃棄物の触媒流動層低
温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置を提供
することを目的とする。
れたもので、２次燃焼装置や補助燃焼装置を必要とせ
ず、有害ガスの再合成が生じない廃棄物の触媒流動層低
温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置を提供
することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、初期加熱された燃焼炉
（６）内に、空気を送り込んで媒体（７）を流動化させ
た流動層（２）を形成し、廃棄物を投入して燃焼を行う
廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法であって、媒体（７）
を酸化性触媒とすることにより、廃棄物が低温で燃焼さ
れることを特徴とする。
め、請求項１記載の発明は、初期加熱された燃焼炉
（６）内に、空気を送り込んで媒体（７）を流動化させ
た流動層（２）を形成し、廃棄物を投入して燃焼を行う
廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法であって、媒体（７）
を酸化性触媒とすることにより、廃棄物が低温で燃焼さ
れることを特徴とする。
【０００８】これにより、流動層（２）に酸化性触媒を
使用することにより、流動層（２）内の廃棄物から発生
した揮発性ガスを酸化性触媒の触媒作用により効率良く
酸化させることができる。また、ダイオキシン等の有機
塩素系有害物質の前駆体も媒体（７）による酸化作用で
効率良く酸化されるため、有機塩素系有害物質の生成が
抑制できる。ここで、廃棄物としては、下水スラッジ、
パルプスラッジ，汚泥スラッジ等の高含水性廃棄物、Ｒ
ＤＦ，ＲＰＦ等の廃棄物燃料または家庭用ゴミ等の一般
廃棄物をいう。
使用することにより、流動層（２）内の廃棄物から発生
した揮発性ガスを酸化性触媒の触媒作用により効率良く
酸化させることができる。また、ダイオキシン等の有機
塩素系有害物質の前駆体も媒体（７）による酸化作用で
効率良く酸化されるため、有機塩素系有害物質の生成が
抑制できる。ここで、廃棄物としては、下水スラッジ、
パルプスラッジ，汚泥スラッジ等の高含水性廃棄物、Ｒ
ＤＦ，ＲＰＦ等の廃棄物燃料または家庭用ゴミ等の一般
廃棄物をいう。
【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１記載の廃
棄物の触媒流動層低温燃焼方法において、前記酸化性触
媒を、酸化作用のある金属、セラミックの単体、これら
の成分を含む化合物、またはこれらを担持体に担持させ
た酸化性触媒とすることを特徴とする。
棄物の触媒流動層低温燃焼方法において、前記酸化性触
媒を、酸化作用のある金属、セラミックの単体、これら
の成分を含む化合物、またはこれらを担持体に担持させ
た酸化性触媒とすることを特徴とする。
【００１０】酸化作用のある金属、セラミックの単体及
びその化合物としては、例えば、Ｐｔ，ＭｏＯ3，Ｖ2０
5，Ｂｉ2Ｏ3−ＭｏＯ3，Ｓｂ2Ｏ5，ＴｉＯ2等である。
また、これらを担持する担持体としては例えばＡｌ2Ｏ3
等である。
びその化合物としては、例えば、Ｐｔ，ＭｏＯ3，Ｖ2０
5，Ｂｉ2Ｏ3−ＭｏＯ3，Ｓｂ2Ｏ5，ＴｉＯ2等である。
また、これらを担持する担持体としては例えばＡｌ2Ｏ3
等である。
【００１１】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法において、流動
層（２）を一旦、約３００〜６００゜Ｃとなるように初
期加熱することにより廃棄物の燃焼が継続的に行われる
ようにしたことを特徴とする。
記載の廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法において、流動
層（２）を一旦、約３００〜６００゜Ｃとなるように初
期加熱することにより廃棄物の燃焼が継続的に行われる
ようにしたことを特徴とする。
【００１２】これにより、媒体（７）による酸化作用は
低温で反応が進むため、流動層（２）内の廃棄物から発
生した揮発性ガスを酸化性触媒の触媒作用により効率良
く酸化させることができ、流動層（２）を一旦、約３０
０〜６００゜Ｃとなるように初期加熱するだけで廃棄物
の燃焼が継続的に行われるため、廃棄物を効率的に燃焼
させることができる。また、流動層（２）の酸化性触媒
を約３００〜６００゜Ｃとすることにより、有機塩素系
有害物質の前駆体も効率良く酸化させることができ、有
機塩素系有害物質の生成が抑制できる。
低温で反応が進むため、流動層（２）内の廃棄物から発
生した揮発性ガスを酸化性触媒の触媒作用により効率良
く酸化させることができ、流動層（２）を一旦、約３０
０〜６００゜Ｃとなるように初期加熱するだけで廃棄物
の燃焼が継続的に行われるため、廃棄物を効率的に燃焼
させることができる。また、流動層（２）の酸化性触媒
を約３００〜６００゜Ｃとすることにより、有機塩素系
有害物質の前駆体も効率良く酸化させることができ、有
機塩素系有害物質の生成が抑制できる。
【００１３】請求項４記載の発明は、加熱手段（４）に
より初期加熱される燃焼炉（６）と、燃焼炉（６）内
で、空気輸送機（５）により送り込まれた空気を分散さ
せる空気分散装置（３）と、空気分散装置（３）により
分散された空気により流動層（２）を形成する媒体
（７）と、を備えており、廃棄物を投入して燃焼を行う
廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置において、媒体（７）
を、酸化作用のある金属、セラミックの単体、これらの
成分を含む化合物、またはこれらを担持体に担持させた
酸化性触媒としたことを特徴とする。
より初期加熱される燃焼炉（６）と、燃焼炉（６）内
で、空気輸送機（５）により送り込まれた空気を分散さ
せる空気分散装置（３）と、空気分散装置（３）により
分散された空気により流動層（２）を形成する媒体
（７）と、を備えており、廃棄物を投入して燃焼を行う
廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置において、媒体（７）
を、酸化作用のある金属、セラミックの単体、これらの
成分を含む化合物、またはこれらを担持体に担持させた
酸化性触媒としたことを特徴とする。
【００１４】これにより、加熱手段（４）により初期加
熱される燃焼炉（６）内において、空気分散装置（３）
により分散された空気により流動層（２）を形成する媒
体（７）に酸化性触媒を使用することにより、流動層
（２）内の廃棄物から発生した揮発性ガスを酸化性触媒
の触媒作用により効率良く酸化させることができる。
熱される燃焼炉（６）内において、空気分散装置（３）
により分散された空気により流動層（２）を形成する媒
体（７）に酸化性触媒を使用することにより、流動層
（２）内の廃棄物から発生した揮発性ガスを酸化性触媒
の触媒作用により効率良く酸化させることができる。
【００１５】請求項５の発明は、請求項４記載の廃棄物
の触媒流動層低温燃焼装置において、加熱手段（４）
は、流動層（２）を一旦、約３００〜６００゜Ｃとなる
ように初期加熱して廃棄物の燃焼が継続的に行われるよ
うにしたことを特徴とする。なお、加熱手段（４）とし
ては、バーナ等の助燃装置である。
の触媒流動層低温燃焼装置において、加熱手段（４）
は、流動層（２）を一旦、約３００〜６００゜Ｃとなる
ように初期加熱して廃棄物の燃焼が継続的に行われるよ
うにしたことを特徴とする。なお、加熱手段（４）とし
ては、バーナ等の助燃装置である。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に基づ
いて説明する。図１は本発明の実施の形態を示す概要図
である。
いて説明する。図１は本発明の実施の形態を示す概要図
である。
【００１７】本発明の実施の形態の廃棄物の触媒流動層
低温燃焼装置では、空気輸送機５から送られた流動用の
空気が燃焼炉６内に導入されて、空気分散装置である多
数のノズル孔を有する分散板３を通り抜けて、分散板３
の上の流動層２を流動化させる。流動層２は、あらかじ
め加熱手段であるスタートアップバーナ４により燃料油
を燃焼させて廃棄物をガス分解・酸化できる温度、例え
ば約３００〜６００゜Ｃまで初期加熱される。この状態
で、廃棄物供給口１から廃棄物が投入される。
低温燃焼装置では、空気輸送機５から送られた流動用の
空気が燃焼炉６内に導入されて、空気分散装置である多
数のノズル孔を有する分散板３を通り抜けて、分散板３
の上の流動層２を流動化させる。流動層２は、あらかじ
め加熱手段であるスタートアップバーナ４により燃料油
を燃焼させて廃棄物をガス分解・酸化できる温度、例え
ば約３００〜６００゜Ｃまで初期加熱される。この状態
で、廃棄物供給口１から廃棄物が投入される。
【００１８】本発明では、媒体７を酸化作用のある金
属、セラミックの単体、これらの成分を含む化合物、ま
たはこれらを担持体に担持させた酸化性触媒としたこと
を特徴とするものである。酸化作用のある金属、セラミ
ックの単体としては、例えば、Ｐｔ，ＭｏＯ3，Ｖ
2０5，Ｂｉ2Ｏ3−ＭｏＯ3，Ｓｂ2Ｏ5，ＴｉＯ2等であ
る。また、これらを担持する担持体としては例えばＡｌ
2Ｏ3等である。
属、セラミックの単体、これらの成分を含む化合物、ま
たはこれらを担持体に担持させた酸化性触媒としたこと
を特徴とするものである。酸化作用のある金属、セラミ
ックの単体としては、例えば、Ｐｔ，ＭｏＯ3，Ｖ
2０5，Ｂｉ2Ｏ3−ＭｏＯ3，Ｓｂ2Ｏ5，ＴｉＯ2等であ
る。また、これらを担持する担持体としては例えばＡｌ
2Ｏ3等である。
【００１９】流動層２に酸化性触媒を使用することによ
り、流動層２内の廃棄物から発生した揮発性ガスを触媒
作用により効率良く酸化させることができる。以下に、
酸化性触媒を流動層２に入れることによる触媒流動体燃
焼について具体的に説明する。
り、流動層２内の廃棄物から発生した揮発性ガスを触媒
作用により効率良く酸化させることができる。以下に、
酸化性触媒を流動層２に入れることによる触媒流動体燃
焼について具体的に説明する。
【００２０】燃焼反応は酸化反応であり、その過程はま
ず燃焼対象分子が解離され、その後酸化反応が進行す
る。この場合、例えば水素は単体での解離エネルギＱは
４３６ｋＪ／ｍｏｌと大きいため、解離に必要なエネル
ギを供給する必要があるため、Ｑ＝ｍｃｔ（ｍはモル
数、ｃは熱容量、ｔは温度）であることより、触媒を使
用しない通常の燃焼では流動層２の温度を上げることに
より解離エネルギＱを供給する必要がある。
ず燃焼対象分子が解離され、その後酸化反応が進行す
る。この場合、例えば水素は単体での解離エネルギＱは
４３６ｋＪ／ｍｏｌと大きいため、解離に必要なエネル
ギを供給する必要があるため、Ｑ＝ｍｃｔ（ｍはモル
数、ｃは熱容量、ｔは温度）であることより、触媒を使
用しない通常の燃焼では流動層２の温度を上げることに
より解離エネルギＱを供給する必要がある。
【００２１】本発明では、媒体７としてＰｔ，Ｍｏ
Ｏ3，Ｖ2０5，Ｂｉ2Ｏ3−ＭｏＯ3，Ｓｂ 2Ｏ5，ＴｉＯ2
等の酸化性触媒を使用しているので、水素原子に対して
化学親和力が作用し、解離エネルギＱを小さくすること
ができる。これは、酸化性触媒金属をＭとすると、以下
のように酸化反応が進行することによる。 Ｈ−Ｈ＋Ｍ→Ｈ−Ｍ−Ｈ（中間生成体） Ｈ−Ｍ−Ｈ＋０→Ｈ2Ｏ＋Ｍ（酸化） このように、酸化性触媒金属Ｍを使用することにより上
述した解離及び酸化に必要なエネルギ及び反応時間が金
属表面上に中間生成体を形成することにより引き下げら
れることとなる。
Ｏ3，Ｖ2０5，Ｂｉ2Ｏ3−ＭｏＯ3，Ｓｂ 2Ｏ5，ＴｉＯ2
等の酸化性触媒を使用しているので、水素原子に対して
化学親和力が作用し、解離エネルギＱを小さくすること
ができる。これは、酸化性触媒金属をＭとすると、以下
のように酸化反応が進行することによる。 Ｈ−Ｈ＋Ｍ→Ｈ−Ｍ−Ｈ（中間生成体） Ｈ−Ｍ−Ｈ＋０→Ｈ2Ｏ＋Ｍ（酸化） このように、酸化性触媒金属Ｍを使用することにより上
述した解離及び酸化に必要なエネルギ及び反応時間が金
属表面上に中間生成体を形成することにより引き下げら
れることとなる。
【００２２】このため、解離エネルギＱ＝ｍｃｔの温度
ｔを小さくすることができる。触媒を使用しない通常の
燃焼では、８００〜１０００°Ｃ程度で燃焼が行われ、
発熱量が少ないと燃焼継続ができないが、媒体７に酸化
性触媒を使用すると、３００〜６００゜Ｃ程度という低
温で一旦初期加熱を行うだけで、燃焼反応を継続させる
ことができる。
ｔを小さくすることができる。触媒を使用しない通常の
燃焼では、８００〜１０００°Ｃ程度で燃焼が行われ、
発熱量が少ないと燃焼継続ができないが、媒体７に酸化
性触媒を使用すると、３００〜６００゜Ｃ程度という低
温で一旦初期加熱を行うだけで、燃焼反応を継続させる
ことができる。
【００２３】本発明のように、３００〜６００°Ｃで低
温触媒燃焼させた場合には、素早く完全に触媒中で分子
分解及び酸化が進行するため、有機塩素系有害物質の前
駆体が触媒上でＣＯ2及びＨ2Ｏに酸化して、また、仮に
微量の前駆体が残存したとしても、その後の煙道内の温
度は有機塩素系有害物質の再合成温度領域よりも低くな
るため、ダイオキシン等の有機塩素系有害物質の合成反
応が生じることはない。
温触媒燃焼させた場合には、素早く完全に触媒中で分子
分解及び酸化が進行するため、有機塩素系有害物質の前
駆体が触媒上でＣＯ2及びＨ2Ｏに酸化して、また、仮に
微量の前駆体が残存したとしても、その後の煙道内の温
度は有機塩素系有害物質の再合成温度領域よりも低くな
るため、ダイオキシン等の有機塩素系有害物質の合成反
応が生じることはない。
【００２４】また、本発明では、流動層２に媒体７とし
て酸化性触媒を使用することにより、効率よく流動層２
において完全燃焼することができるので、従来のような
フリーボード部における２次燃焼が不要となりフリーボ
ード部は単なる煙道となる。
て酸化性触媒を使用することにより、効率よく流動層２
において完全燃焼することができるので、従来のような
フリーボード部における２次燃焼が不要となりフリーボ
ード部は単なる煙道となる。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、流動
層（２）に酸化性触媒を使用することにより、流動層
（２）内の廃棄物から発生した揮発性ガスを酸化性触媒
の触媒作用により効率良く酸化させることができるの
で、低温で一旦初期加熱を行うだけで、燃焼反応を継続
させることができるため、多様な廃棄物を流動層（２）
において効率良く完全燃焼させることができる。
層（２）に酸化性触媒を使用することにより、流動層
（２）内の廃棄物から発生した揮発性ガスを酸化性触媒
の触媒作用により効率良く酸化させることができるの
で、低温で一旦初期加熱を行うだけで、燃焼反応を継続
させることができるため、多様な廃棄物を流動層（２）
において効率良く完全燃焼させることができる。
【００２６】また、媒体（７）による酸化作用によりダ
イオキシン等の有機塩素系有害物質の前駆体も効率良く
酸化するため、ダイオキシン等の有機塩素系有害物質の
生成を抑制でき、有機塩素系有害物質除去装置等を設置
する必要もなく装置コストを安価にできる。
イオキシン等の有機塩素系有害物質の前駆体も効率良く
酸化するため、ダイオキシン等の有機塩素系有害物質の
生成を抑制でき、有機塩素系有害物質除去装置等を設置
する必要もなく装置コストを安価にできる。
【図１】本発明の実施の形態を示す概要図である。
【図２】従来の流動層燃焼炉を示す概要図である。
１ 廃棄物供給口 ２ 流動層 ３ 分散板（空気分散装置） ４ スタートアップバーナ（加熱手段） ５ 空気輸送機 ６ 燃焼炉 ７ 媒体
フロントページの続き (72)発明者 松永 秀一 北海道室蘭市茶津町４ 株式会社日本製鋼 所内 (72)発明者 伊藤 献一 北海道札幌市北13条西８丁目 北海道大学 工学研究科内 (72)発明者 藤田 修 北海道札幌市北13条西８丁目 北海道大学 工学研究科内 (72)発明者 山根 清隆 北海道札幌市北13条西８丁目 北海道大学 工学研究科内
Claims (5)
- 【請求項１】 初期加熱された燃焼炉（６）内に、空気
を送り込んで媒体（７）を流動化させた流動層（２）を
形成し、廃棄物を投入して燃焼を行う廃棄物の触媒流動
層低温燃焼方法であって、 媒体（７）を酸化性触媒とすることにより、廃棄物が低
温で燃焼されることを特徴とする廃棄物の触媒流動層低
温燃焼方法。 - 【請求項２】 前記酸化性触媒は、酸化作用のある金
属、セラミックの単体、これらの成分を含む化合物、ま
たはこれらを担持体に担持させた酸化性触媒であること
を特徴とする請求項１記載の廃棄物の触媒流動層低温燃
焼方法。 - 【請求項３】 流動層（２）を一旦、約３００〜６００
゜Ｃとなるように初期加熱することにより廃棄物の燃焼
が継続的に行われるようにしたことを特徴とする請求項
１または２記載の廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法。 - 【請求項４】 加熱手段（４）により初期加熱される燃
焼炉（６）と、 燃焼炉（６）内で、空気輸送機（５）により送り込まれ
た空気を分散させる空気分散装置（３）と、 空気分散装置（３）により分散された空気により流動層
（２）を形成する媒体（７）と、を備えており、廃棄物
を投入して燃焼を行う廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置
において、 媒体（７）を、酸化作用のある金属、セラミックの単
体、これらの成分を含む化合物、またはこれらを担持体
に担持させた酸化性触媒としたことを特徴とする廃棄物
の触媒流動層低温燃焼装置。 - 【請求項５】 加熱手段（４）は、流動層（２）を一
旦、約３００〜６００゜Ｃとなるように初期加熱して廃
棄物の燃焼が継続的に行われるようにしたことを特徴と
する請求項４記載の廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11171254A JP2000356331A (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11171254A JP2000356331A (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000356331A true JP2000356331A (ja) | 2000-12-26 |
Family
ID=15919924
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11171254A Withdrawn JP2000356331A (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000356331A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106215691A (zh) * | 2016-07-28 | 2016-12-14 | 山东天景工程设计有限公司 | 化工废料处理装置及处理工艺 |
-
1999
- 1999-06-17 JP JP11171254A patent/JP2000356331A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106215691A (zh) * | 2016-07-28 | 2016-12-14 | 山东天景工程设计有限公司 | 化工废料处理装置及处理工艺 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4864811A (en) | Method for destroying hazardous organics | |
| US6655137B1 (en) | Advanced combined cycle co-generation abatement system | |
| JPH11501249A (ja) | 濃度が変動する揮発性有機化合物の流れを分解するための方法及び装置 | |
| JP3957737B1 (ja) | Ｐｃｂ等の難燃性高粘度廃棄物の燃焼システム | |
| US20110303134A1 (en) | Method and apparatus for treating solid wastes | |
| JP2005319374A (ja) | 汚泥の燃料化方法及び装置 | |
| EP0331723B1 (en) | Method and system for clean incineration of wastes | |
| JP2000356331A (ja) | 廃棄物の触媒流動層低温燃焼方法及び廃棄物の触媒流動層低温燃焼装置 | |
| JP5392988B2 (ja) | バイオマスのガス化方法及びバイオマスガス化装置 | |
| JP2003010641A (ja) | コークス炉ガス処理における廃ガス浄化方法及び装置 | |
| KR100447009B1 (ko) | 폐기물의 처리방법 및 장치 | |
| JP7460096B1 (ja) | 竪型ごみ焼却炉及び竪型ごみ焼却炉の燃焼方法 | |
| CN109268850A (zh) | 一种废气处理装置及具有该废气处理装置的热处理窑炉 | |
| JP2002147733A (ja) | 可燃性廃棄物の焼却方法及び装置 | |
| JP2001334243A (ja) | 廃棄物の処理方法及び装置 | |
| JP2006132885A (ja) | 含水廃棄物の燃焼方法及び装置 | |
| JP2002195519A (ja) | 廃棄物ガス化溶融方法とその装置 | |
| JPH10156142A (ja) | 触媒浄化装置 | |
| JP3366807B2 (ja) | 廃棄物焼却システム及びその運転・制御方法 | |
| JP3799846B2 (ja) | 廃棄物からの熱回収方法及び装置 | |
| JP2007269905A (ja) | ガス化装置 | |
| JP2001132922A (ja) | スラリー状廃棄物の焼却処理方法 | |
| JP2002188804A (ja) | 廃棄物の流動層低温燃焼方法及び低温燃焼装置 | |
| JP2004317087A (ja) | 芳香族化合物を含有する廃棄物の分解処理方法 | |
| JP2000028119A (ja) | ごみの焼却方法および焼却装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061020 |
|
| A072 | Dismissal of procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072 Effective date: 20070206 |