JP2000353667A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2000353667A JP11165231A JP16523199A JP2000353667A JP 2000353667 A JP2000353667 A JP 2000353667A JP 11165231 A JP11165231 A JP 11165231A JP 16523199 A JP16523199 A JP 16523199A JP 2000353667 A JP2000353667 A JP 2000353667A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、大面積に渡り半径方向に均一
で他界プラズマ密度の磁気によって促進された容量結合
型の平板プラズマを提供することを企図している。この
プラズマ処理装置は、反応容器10でCDV過程によっ
て大面積基板17に成膜を行うためのものである。反応
容器は、上部プレート11、底部プレート12、円筒形
側壁13を有する。さらにプラズマ処理装置は、上部高
周波電極14、下部高周波電極12、複数のリングマグ
ネット26を備える。処理されるべき基板17は、下部
高周波電極の上に搭載され、そして、上部と下部の高周
波電極の間で両方の高周波電極からの容量結合によって
プラズマが生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理装置に
関し、特に、半導体産業における化学気相成長過程(C
VD)または集積回路でのミクロン規模の素子のエッチ
ングのため、有用なイオン、電子、中性ラジカルを供給
できる改善されたプラズマ源を備えたプラズマ処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体産業に対する直径300mmのシ
リコンウェハー(または基板)の到来に伴って、処理さ
れるべき基板の前面に渡って均一なプラズマ密度を有す
る高密度プラズマが非常に要求されている。直径200
mmのウェハー処理のために設計された現存するプラズ
マ装置のスケールアップはこの要求を満たす1つのアプ
ローチであるけれども、それは現存するプラズマ装置の
ハードウェア的な困難性によって妨げられる。このこと
は、図5と図6に従って、主に従来の直径200mmの
ウェハーのプラズマ処理装置に用いらる、2つの従来の
プラズマ源を用いて説明される。
【0003】図5は従来のプラズマ源の一例を示す。反
応容器50は上部プレート51と底部プレート52と円
筒形側壁53によって構成されている。当該反応容器5
0において、同様にまた基板ホルダである高周波電極(a
n rf electrode) 54が、通常、底部プレート52に接
近した低い位置に配置され、かつそれは上部プレート5
1と底部プレート52の両方に平行となっている。高周
波電極54は絶縁ステージ55によって反応容器50か
ら電気的に絶縁されており、絶縁ステージ55は底部プ
レート52の上に配置されている。高周波電極54は整
合回路57を介して高周波電源56によって生成された
高周波電流を供給される。反応容器50は電気的にワイ
ヤ58を通して接地されている。処理されるべき基板5
9は高周波電極54の上に載置されている。さらに、円
筒形側壁53は基板出し入れポート60とガス排気ポー
ト61を有している。図5においてガス排気ポート61
に接続される排気機構は示されていない。
【0004】反応容器50の構成によれば、所定の条件
において、上部プレート51と高周波電極54との間の
空間において高周波電力の容量結合に基づいてプラズマ
が発生させられる。
【0005】図6は従来のプラズマ源の他の例を示す。
この例において、反応容器50の構成は、上部高周波電
極62と呼ばれるもう一つの高周波電極を除いて、図5
に示された反応容器とほとんど同じである。この上部高
周波電極62に対し、ここでは、前述の高周波電極54
を下部高周波電極と呼ぶこととする。反応容器50は、
同様にまた、上部プレート51と底部プレート52と円
筒形側壁53を有している。上部高周波電極62は同様
にまた絶縁体63によって反応容器50から電気的に絶
縁されている。絶縁体63は上部プレート51の外側に
設けられ、上部高周波電極62は絶縁体63の下面の中
央部に固定されている。この例において、上部プレート
51は中央開口部を有し、上部高周波電極62は上部プ
レート51の中央開口部に配置されている。上部高周波
電極62は整合回路65を介して高周波電源64によっ
て高周波電流を与えられている。上部高周波電極62に
供給された高周波電流は、通常、下部高周波電極54に
供給された高周波電流よりもより高い周波数を持つ。上
部高周波電極と下部高周波電極(62,54)の間に高
周波電力の容量結合によってプラズマが生成される。
【0006】加えて、マグネットを利用する良く知られ
た成膜装置として、JP−B−8−16266号の公告
公報がある。この成膜装置はいろいろなマグネットを備
えたスパッタリング装置である。これらのいろいろなマ
グネットは、ターゲットの内側表面の前における制限さ
れた領域内にプラズマ電子を閉じ込めるために用いられ
ている。
【0007】
【発明によって解決されるべき課題】図5と図6に示さ
れた従来のプラズマ源の主たる問題の1つは、高周波電
源からプラズマへの電力伝送効率が低いということであ
る。このことは、高周波電力のかなりの部分が、望まし
くないイオンの加速に消費されることに起因している。
これは容量結合型プラズマの固有の属性である。これ
は、より低いプラズマ密度という結果をもたらす。さら
に、直径300mmウェハー処理は0.25μm−パタ
ン技術と結合することが期待されているので、化学的処
理は低い圧力で、例えばおよそ10mTorr の圧力で実施
されなければならないと考えられている。しかしなが
ら、容量結合型プラズマのプラズマ密度は圧力の低下に
伴ってさらに低下する。このようにして、経済的に実行
可能な装置に要求される、より高い処理速度が得られな
い。
【0008】もし処理されるべき基板の直径が小さい、
例えば200mmであるならば、より高い高周波電力が
プラズマ密度を増加させるために印加され得る。しかし
ながら、もし基板の直径が300mmであるならば、同
じ電力密度を維持するためには、供給される高周波電力
は直径200mmの処理に用いられた高周波電力よりも
2.25倍だけ少なくとも増加されなければならない。
何故ならば、直径300mmのウェハーの表面面積は直
径200mmのウェハーのそれよりも2.25倍大きい
からである。それ故に、望ましい電力密度を維持するた
めの高周波電力に要求されることは、いくつかの応用に
制限する。加えて、直径200mmウェハー処理装置が
直径300mmウェハー処理装置にその規模を拡大され
たとき、処理チャンバにおける排気速度も同様にまた同
じ反応速度を維持するために増加されなければならな
い。
【0009】これらのハードウェア的な困難性のため
に、図5と図6で示された直径200mmウェハー処理
のための従来のプラズマ源は直径300mmウェハープ
ラズマ源として単純に規模を大きくするということはで
きない。これらの問題を避けるためには、プラズマ源
を、それが300mm直径領域の全般に渡ってより高い
プラズマ密度を作り出すことができるように設計するこ
とが重要である。さらに、その直径300mmウェハー
の表面全般に渡ってより高いプラズマの均一性が達成さ
れなければならない。それ故に、プラズマ支援異方性エ
ッチング法のごときいくつかの半導体処理方法は、処理
されるべき基板の全表面に渡って95%を越えるプラズ
マ均一性を必要とする。
【0010】本発明の目的は、半導体産業で使用される
大面積基板の化学気相成長またはエッチングに関して、
均一なプラズマ密度で大きな面積に渡って高い密度のプ
ラズマを作り出すことができ、カスプ磁界を利用して容
量結合型の機構と電子の閉じ込めとを組み合わせること
によって、上部高周波電極、上部プレート、そして円筒
形側壁での電子損失を防止する、磁気によって促進され
る容量結合型プラズマを作り出すためのプラズマ処理装
置を提供することにある。
【0011】さらに本発明の他の目的は、より低いアス
ペクト比を有するプラズマ源を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラズマ処
理装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成
される。
【0013】当該プラズマ処理装置は、反応容器におい
て、化学気相成長法(CVD過程)によって基板の上に
膜を堆積する、または基板の表面をエッチングするため
のものである。この反応容器は上部プレート、底部プレ
ート、円筒形側壁から構成される。さらに、プラズマ処
理装置は上部高周波電極と下部高周波電極と複数のリン
グマグネットを含んでいる。上部高周波電極は非磁性金
属で作られ、一方、下部高周波電極は金属で作られてい
る。これらの電極は反応容器から電気的に絶縁されてお
り、さらに容量型にて結合されている。処理されるべき
基板は下部高周波電極の上に搭載され、両方の高周波電
極からの高周波電力の容量結合によって上部高周波電極
と下部高周波電極の間にプラズマが生成される。複数の
リングマグネットは上部高周波電極の上部表面の上に配
置され、それらは同心円的な位置関係を持っている。リ
ングマグネットの共通の中心は上部高周波電極の中心に
一致している。上記の構造において、リングマグネット
の反応容器の内側に向かう極性は交互に変えられ、リン
グマグネットは上部高周波電極の内側表面の近くで閉じ
た磁束線を持つ円形線状のカスプ磁界を生成する。円形
線状のカスプ磁界は上部高周波電極の内側表面での電子
損失を防止するようにプラズマ電子を閉じ込める。
【0014】上記の構造において、上部高周波電極は平
板型の円形形状を有し、複数のリングマグネットが直接
的に上部高周波電極の外側表面に固定されている。
【0015】上記の構造において、上部高周波電極はド
ームの形状を有する。
【0016】上記の構造において、さらに、上部高周波
電極と上部プレートの両方は同じ平面内に配置され、リ
ングマグネットは同様にまた上部プレートと円筒形側壁
の外側に配置され、それらは同心円の位置関係にて交互
の極性を持ち、そしてさらにリングマグネットは上部プ
レートと円筒形側壁の各々の内側表面の近くで閉じた磁
束線を持つ円形線状のカスプ磁界を生成する。
【0017】前述の構造において、上部高周波電極と下
部高周波電極は単一の高周波電源から生成された高周波
電力を供給され、あるいは2つの異なる高周波の周波数
で動作する個々の高周波電源から高周波電力を供給され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、添付された図面に従って
好ましい実施形態が説明される。実施形態の説明を通し
て本発明の詳細が明らかにされる。
【0019】本発明の第1実施形態は図1と図2に従っ
て説明される。図1は第1実施形態のプラズマ源の断面
図を示し、図2は上部高周波電極の上のリングマグネッ
トの配列を示す上部高周波電極の平面図である。第1実
施形態のプラズマ処理装置は反応容器10を有し、反応
容器10は上部プレート11と底部プレート12と円筒
形側壁13とから構成されている。さらに反応容器10
は上部高周波電極14と下部高周波電極15を含んでい
る。
【0020】下部高周波電極15は金属で作られ、かつ
基板ホルダとして役立ち、さらに底部プレート12に固
定された絶縁体ステージ16の上に配置されている。下
部高周波電極15は絶縁体ステージ16によって反応容
器10から電気的に絶縁されている。処理されるべき基
板17は下部高周波電極15の上に搭載されている。さ
らに、下部高周波電極15は整合回路19を介して高周
波電源18によって生成された高周波電流が供給され
る。
【0021】上部高周波電極14は非磁性金属で作ら
れ、例えばアルミニウムで作られる。上部プレート11
は比較的大きな直径を有する中央開口部を有し、上部高
周波電極14はこの中央開口部の中に配置されている。
上部高周波電極14と上部プレート11は同じ平面内に
位置する。絶縁体20は上部プレート11の上側に設け
られ、上部高周波電極14は絶縁体20の下側表面の中
央部分に固定されている。こうして上部高周波電極14
は絶縁体20によってそれが上部プレート11の中央部
分に位置するように支持されている。上部高周波電極1
4は下部高周波電極15に対して平行に対向している。
さらに、上部高周波電極14は絶縁体20によって反応
容器10から電気的に絶縁されている。上部高周波電極
14は整合回路22を通して高周波電源21から高周波
電流が与えられる。上部高周波電極14に供給された高
周波電流は、通常、下部高周波電極15に供給される高
周波電流よりも高い。上部高周波電極と下部高周波電極
は容量的に結合されている。高周波電極の容量結合によ
って上部高周波電極と下部高周波電極(14,15)の
間にプラズマが生成される。
【0022】反応容器10はワイヤ23を通して電気的
に接地されている。加えて、円筒形側壁13は基板出し
入れポート24とガス排気ポート(真空出口)25を有
している。図1において、ガス排気ポート25に接続さ
れる排気機構(またはポンプ装置)は図示されていな
い。反応容器10の内部はガス排気機構によってガス排
気ポート25を通して所定の真空状態になるように排気
される。
【0023】複数のリングマグネット26が上部高周波
電極14の上に配置されている。この実施形態によれ
ば、例えば、4つのリングマグネット26が用いられて
いる。これらのリングマグネット26は、好ましくは、
丸いあるいは円形の形状を有し、図2に示されるように
同心円となるように配置されている。リングマグネット
26の共通の中心は円形の形状をした上部高周波電極1
4の中心に一致している。上部高周波電極14の上に配
置された複数のリングマグネット26は上部高周波電極
14の上に設けられた絶縁体20の中に埋設されてい
る。
【0024】前述の通り、上部と下部の電極14,15
は両方とも反応容器10から絶縁されており、整合回路
22,19を通して個々の高周波電源21,18から高
周波電力を供給される。しかしながら、両方の高周波電
極に対し高周波電流を供給するように電力分配器を用い
て1つの高周波電源を用いてもよい。図1に示されるご
とく分離された高周波電源18,22が用いられるなら
ば、通常、上部高周波電極14に供給される高周波は、
下部高周波電極15に提供される高周波よりもより高い
周波数を有する。
【0025】プロセスガスは、通常、上部高周波電極1
4の上に作られたガス導入孔を通して供給される。図1
においてプロセスガス供給機構あるいはガス導入孔は図
示されていない。上部と下部の電極の直径は、基板17
の直径によって決められる。通常、下部高周波電極15
の直径は基板17の直径と同じであり、一方、上部高周
波電極14の直径は、僅かばかり、通常、30〜50m
m基板の直径よりも大きい。上部高周波電極14の厚み
は重要なことではなく、およそ10mm程度である。
【0026】もし2つの異なる周波数がそれぞれ上部高
周波電極14と下部高周波電極15に印加されるのであ
るならば、通常、プラズマは上部高周波電極14からの
高周波電力の容量結合によって生成され、上部高周波電
極14では高い周波数の高周波電力が印加される。下部
高周波電極15に与えられる低い周波数の高周波電力は
ほとんどプラズマにおいて下部高周波電極15に向かう
イオンを加速するのに消費される。もし上部と下部の高
周波電極14,15に単一な周波数が与えられるのであ
るならば、両方の高周波電極からの高周波電力の容量結
合によってプラズマが生成される。
【0027】以下において、リングマグネット26の配
列と、それらのプラズマ生成のための利用について説明
される。リングマグネット26は上部高周波電極14の
上側表面の上に配列される。リングマグネット26の断
面形状は重要なことではなく、正方形または長方形の形
状である。リングマグネット26の寸法も同様にまた重
要なことではない。リングマグネットの断面の寸法は1
0×10mm〜40×40mmで変わり得る。さらに、
各々のリングマグネットに関して異なる断面寸法を採用
することができ、例えば、内側のリングマグネットから
外側のリングマグネットへ向かって断面寸法を大きくす
ることもできる。最も内側のリングマグネットの直径は
通常50〜100mmである。リングマグネットの各々
の対の間隔は通常およそ20〜50mmに維持される。
内側リングマグネットと外側リングマグネットの間の間
隔は同じであることは必要ではない。中心から外側に向
かってリングマグネット間の間隔を次第に減少すること
もできるし、または増加することもできる。リングマグ
ネット26の個数は上部高周波電極14の直径とリング
マグネット26の間の間隔によって決定される。リング
マグネット26は必ずしも単一部材(a single piece)と
して作られる必要はない。代わりに、小さなマグネット
を複数用いて図2に示されるごとく円形を有するように
配列することもできる。この場合において、唯一の要求
されることは、各々の小さいマグネットにおける反応容
器10の内部に向かう磁極が同じであるということであ
る。
【0028】リングマグネット26は反応容器10の内
部に向かう交互の極性を持つように配置されており、そ
れ故に、円形線状のカスプ磁界27が図1に示されるご
とくリングマグネット26の間に生成される。これらの
線状のカスプ磁界の重要な事実は、リングマグネットの
1つの磁極によって生成される磁界の線束の線が内側お
よび外側の隣のリングマグネットに向かって曲り、反応
容器10の中において下流に向かって深く入り込まない
ことである。こうして、上部高周波電極14から近い距
離、通常は、上部高周波電極14からおよそ30mm〜
50mmの距離で、磁界のない環境が得られる。
【0029】リングマグネット26の磁界の強さは各々
のリングマグネットの磁極においておよそ300Gauss
〜1kGaussの範囲で変えることができる。リングマグネ
ットの磁界の強さは、通常、上部高周波電極14の下側
表面で200Gauss 〜500Gauss の範囲の磁界の強さ
を持つようにするために決定される。従って、もし上部
高周波電極14の厚みがより高くなるならば、強い磁界
を持ったリングマグネットが要求される。各々のリング
マグネット26の磁界の強さは同じであるということは
必要ではなく、例えば、磁極の磁界の強さは内側のリン
グマグネットから外側のリングマグネットへ向かって増
加することができる。
【0030】反応容器10の内部で一旦プラズマが生成
されると、リングマグネット26によって作られた磁界
によって電子はサイクロトロン回転を受ける。それ故
に、熱電子(hot electrons) はより大きな進路長さ(pat
h length) を有し、それ故により高いイオン化率を有す
る。このことはプラズマ密度の増加という結果をもたら
す。加えて、電子はE×Bによって定義されるドリフト
を受け、ここでEとBはそれぞれ上部高周波電極14に
おける直流(dc)電界と上部高周波電極14に平行な
磁界の強さである。このドリフトの方向はEとBの両方
に垂直であるので、電子は円形の進路(軌道)で移動
し、ここで各円形の進路の中心は上部高周波電極14の
中心である。電子のこれらのサイクロトロン回転とE×
Bのドリフトの原因による円運動のために、電子は上部
高周波電極14に接近して適宜に閉じ込められる。すな
わち、拡散過程による電子の損失は大きく制限される。
これが、同様にまた、プラズマ密度の増加の原因とな
る。
【0031】円形の軌道上での電子のドリフトは、上部
または下部の高周波電極を横切る均一な磁界におけるそ
れらと比較するとき、重要な違いである。上部あるいは
下部の高周波電極を横切り、そして平行である均一な磁
界において、電子はE×Bのドリフトによって反応容器
の一方の側に向かって移動する。このことは、半径方向
において非常に高い不均一なプラズマをもたらすという
結果になり、結局は基板17の表面におけるデバイスに
ダメージを与える原因となる。この実施形態のプラズマ
源で、電子はE×Bのドリフトが原因で円形の軌道の上
を移動するので、電子は反応容器10の一方の側に向か
ってドリフトされない。しかしながら、カスプ磁界27
の内部の電子密度は、カスプ磁界の内部の電子の閉じ込
めに起因して、カスプ磁界の外部のそれに比較してより
高くなる。それ故に、上部高周波電極14の近傍におい
て半径方向のプラズマ密度は不均一である。しかしなが
ら、磁界の強さは下流に向かって急速に衰退するので、
下流における電子は拡散し、均一なプラズマを作る。そ
れ故に、半径方向に均一なプラズマが、上部高周波電極
14の下側の数センチメートルの箇所で得ることができ
る。
【0032】次に、図3に従って第2の実施形態が説明
される。第2実施形態で用いられる構造はほとんど第1
実施形態の構造と同じである。第2実施形態によれば他
のリングマグネット26A,26Bが反応容器10に追
加され、それ故に反応容器10におけるリングマグネッ
トの全体の個数が増加される。複数のリングマグネット
26Aは、リングマグネット26と同心円となるように
リングマグネット26の外側に設けられる。従って、リ
ングマグネット26Aは絶縁体14の中に配置され、か
つ上部プレート11の上側に位置する。複数のリングマ
グネット26Bは円筒形側壁13の外側にその中心軸に
沿って水平に配置され、等しい間隔で配置される。こう
して、図3に示されるごとく、前述のリングマグネット
26と実質的に同一なマグネット配列が上部プレート1
1の上側および円筒形側壁13の外側にリングマグネッ
ト26Aと26Bとして拡張される。このリングマグネ
ット26A,26Bの配列によって、円形線状のカスプ
磁界27が上部プレート11と円筒形側壁13の隅から
隅まで生成される。その大きさ、リングマグネット(2
6A,26B)の間の間隔、そしてその磁界の強さは、
第1実施形態で説明されたそれらと同じである。
【0033】第2実施形態で与えられた構成の技術的な
利点は、上部プレート11と円筒形側壁13に対する電
子損失がカスプ(円形線状のカスプ)の磁界27によっ
て減じられることである。このことはプラズマ密度の増
加と半径方向のプラズマの均一性という結果をもたら
す。
【0034】次に第3の実施形態が図4に示された概略
構成図に従って説明される。上部電極の構成を除いてす
べての他の構成要素は第1実施形態で与えられたものと
同じである。第3実施形態における上部電極28はドー
ムの形状を有している。ドーム形状の上部電極28の内
径は重要なことではない。もしドーム形状の上部電極2
8の高さがHとして示されるならば、図4に示されるよ
うに、Hは30〜100mmの範囲にある。Hの値は本
来上部電極28の外側の直径に依存し、それは同様に基
板17の直径に依存する。
【0035】リングマグネット26は第1実施形態にお
いて説明されたごとくドーム形状の上部電極28の上に
設けられる。その大きさ、磁界の強さ、リングマグネッ
ト間の間隔は上記実施形態で説明されたように変化させ
ることが可能である。
【0036】第3実施形態の技術的な利点は、上部電極
28の表面面積が第1実施形態における表面面積と比較
してより大きくなることである。それ故に、第1実施形
態に比較して、大きな面積でプラズマが生成される。第
2に、通常の平行平板型の容量結合型プラズマでは、半
径方向のプラズマ密度は反応容器10の中心に向かって
ピークを示す。このプラズマの半径方向の不均一性は、
中心部におけるプラズマ生成領域を上昇させるドーム形
状の高周波電極28を用いることによって減じることが
できる。第3に、ドーム形状の上部高周波電極28は、
平板形状の対応物に比較して、より高い差圧に耐えるこ
とができる。それ故に、ドーム形状の上部高周波電極2
8は、より薄い板材を用いて作ることができる。これに
より、上部高周波電極28の下側の表面の下側により強
い磁界が作られる。
【0037】前述の第2実施形態は、図3に示されるご
とく、第1実施形態の修正構造のように修正されること
が可能である。すなわち、リングマグネットの全体の個
数が増加され、そして追加されたリングマグネットが、
上部電極に配置されたリングマグネットの構造と類似さ
せて上部プレートおよび円筒形側壁の外側に設けられ
る。
【0038】本発明のプラズマ処理装置によれば、前述
の構造を有するリングマグネットを用いることで、円形
線状のカスプ磁界が上部電極の内側表面の近く、あるい
は上部プレートおよび円筒形側壁の内側表面の近くで生
成され、これで電子を基板の前面空間に閉じ込める。円
形線状のカスプ磁界はプラズマ密度の増加をもたらし、
電子の損失の顕著な抑制をもたらす。なお、高周波電極
に対する磁界の応用はプラズマ密度を増加させることで
あり、他の壁部(上部プレートと円筒形側壁)に対する
磁界の応用はこれらの壁での電子損失を減じることであ
る。その結果、下流側において、すなわち、基板が配置
された場所において、半径方向に均一なプラズマが作り
出され、大面積の基板を処理することが可能となる。こ
うしてプラズマ処理装置は、半径方向にその寸法が拡大
することができるので、低アスペクト比のプラズマ源を
備える。
【0039】
【発明の効果】本発明によるプラズマ処理装置は、大面
積を有する基板の当該表面に渡る平面にて均一に分散さ
れた大面積でかつ高い密度のプラズマを作ることがで
き、かつ低アスペクト比のプラズマ源を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の第1実施形態の断面図を示
し、かつ反応容器の内部構造を示す。
【図2】この図は、上部電極の上に配置されたリングマ
グネットの平面図を示す。
【図3】この図は、本発明の第2実施形態の断面図を示
す。
【図4】この図は、本発明の第3実施形態の断面図を示
す。
【図5】この図は、CVDの応用に用いられる従来のプ
ラズマ処理装置の断面図を示す。
【図6】この図は、CVDの応用に用いられる他の従来
のプラズマ処理装置の断面図を示す。
【参照符号の説明】
10 反応容器 11 上部プレート 12 底部プレート 13 円筒形側壁 14,28 上部電極 15 下部電極 16 絶縁体ステージ 17 基板(ウェハー) 20 絶縁体 26,26A,26B リングマグネット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部プレートと底部プレートと円筒形側
    壁を有する反応容器で、CVD過程によって基板上に膜
    を堆積するため、または基板の表面をエッチングするた
    めのプラズマ処理装置であり、 前記反応容器から電気的に絶縁されかつ容量型にて結合
    され、非磁性金属で作られる上部電極と金属で作られる
    下部電極を有し、前記基板は前記下部電極の上に搭載さ
    れ、前記上部電極と前記下部電極の間でプラズマが生成
    され、 前記上部電極の外側表面で配列される複数のリングマグ
    ネットを有し、これらのリングマグネットは同心円状の
    位置関係を有し、かつその共通の中心は前記上部電極の
    中心に一致しており、 上記で、前記反応容器の内側に向かう前記リングマグネ
    ットの極性は交互に変えられ、前記リングマグネットは
    前記上部電極の内側表面の近くで閉じた磁束線を有する
    円形線状のカスプ磁界を生成する、 ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記上部電極は平板円形の形状であり、
    前記リングマグネットは前記上部電極の外側表面に直接
    に固定されていることを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記上部電極はドームの形状であること
    を特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記上部電極と前記上部プレートの両方
    共同じ平面内に配置され、前記リングマグネットは、前
    記上部電極の外側と前記円筒形側壁の外側に交互に変わ
    る極性を有しかつ同心円的位置関係にて配置され、前記
    リングマグネットは前記の上部プレートと円筒形側壁の
    内側表面の近くに閉じた磁束線を有する円形線状のカス
    プ磁界を生成することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記の上部電極と下部電極は両方共1つ
    の高周波電源から高周波電力を供給されるか、または2
    つの異なる高周波周波数で動作する異なる高周波電源か
    ら高周波電力を供給されることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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JP2010263051A (ja) * 2009-05-01 2010-11-18 Ulvac Japan Ltd ドライエッチング装置

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