JP2000353527A - 導電性多孔質とそれを用いた金属多孔質体および電池用極板 - Google Patents

導電性多孔質とそれを用いた金属多孔質体および電池用極板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性層にほとんど不純物を含まず、かつ、
電気抵抗値が極めて低い値に保持された金属多孔質体を
高い生産性・生産効率でもって製造することのできる、
新規な導電性多孔質体と、それを用いた金属多孔質体お
よび電池用極板を提供する。 【解決手段】 本発明の導電性多孔質体は、連続気孔構
造を有する合成樹脂製多孔質体の表面に、ニッケル化合
物を含む水溶液からチタン化合物を含む還元剤を用いて
析出したニッケルの導電性層が形成されたものである。
この導電性多孔質体を陰極とする電気めっきにより、当
該導電性多孔質体の表面に連続した金属めっき層が形成
された本発明の金属多孔質体を得ることができる。本発
明の電池用極板はかかる金属多孔質体を主体とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続気孔構造を有
する合成樹脂製の多孔質体の表面を導電化した導電性多
孔質体と、かかる導電性多孔質体を中間材料として製造
される、特にアルカリ2次電池等の電池用の極板として
好適な金属多孔質体と、かかる金属多孔質体を用いた電
池用極板とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ2次電池は高信頼性でかつ小型
化、軽量化が可能であるため、ポータブル機器用の小型
のものから産業用、大型設備用の大型なものまで、各種
装置の電源として多用されている。上記アルカリ2次電
池には正負両極の組み合わせにより多数の種類がある
が、ほとんどの場合、正極としてニッケル電極が使用さ
れる。一方、負極にはカドミウム電極、亜鉛電極、鉄電
極、水素電極等があり、これらのうちカドミウム電極が
最も一般的であるが、近年、活物質として水素吸蔵合金
を使用した水素電極が高容量化と低公害化との観点から
特に注目されている。
【0003】上記各種電極のうちニッケル電極として
は、従来いわゆるポケット式のものが用いられていた
が、近年、ニッケル等の導電性材料からなる多孔質の集
電用極板における空隙中に、水酸化ニッケル等の正極用
活物質粒子を多数充填したものを用いるのが、電池の密
閉化を可能にし、かつポケット式のものより電池の特性
を向上させることができるという理由から一般化してい
る。また、カドミウム電極や水素電極としても、上記と
同様に、多孔質の極板の空隙中にカドミウムや水素吸蔵
合金等の負極用活物質を多数充填したものが用いられて
いる。
【0004】活物質を充填するための多孔質の極板とし
ては、従来ニッケル粉末を焼結した焼結体が用いられて
きたが、近年、当該焼結体よりも活物質を多く充填する
ことができ、電池の高容量化に適した極板として、連続
気孔構造を有する空隙率の大きな合成樹脂製多孔質体
(例えば、ポリウレタンフォーム)を芯材として製造さ
れた金属多孔質体が実用化されつつある。かかる金属多
孔質体は一般に、(1) 前記芯材の表面を塩化パラジウム
等の触媒で処理し、次いで無電解ニッケルめっき等の無
電解めっきを行うことによって導電化した後、あるいは
(2) 前記芯材の表面に、黒鉛等の導電性を有するカーボ
ン微粒子を含むバインダ混合溶液を塗布し、これを乾燥
させることによって導電化した後、かかる導電化された
芯材(導電性多孔質体)を陰極として金属(例えばニッ
ケル)を電気めっきすることにより、前記芯材の表面に
連続した金属めっき層(例えばニッケルめっき層)を形
成し、さらに必要に応じて加熱処理を施して芯材を除去
することによって製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記(1) の
無電解めっきは貴金属であるパラジウムを使用すること
から、非常にコストの高い処理方法である。また、次工
程の処理液である電気めっき液にパラジウムが持ち込ま
れると、浴分解と呼ばれるニッケルイオンの急激な還元
反応が起こってめっき液中のニッケルがほとんど消費さ
れてしまい、めっき液として使用不可能となる。
【0006】また、上記(1) の方法で導電化した導電性
多孔質体は取り扱いが容易でなく、例えば、(i) 連続的
な生産設備を用いて前記芯材から導電性多孔質体を経て
金属多孔質体を連続的に製造するため、無電解メッキの
次工程である電気めっき工程へ導電性多孔質体を送り出
す場合において、曲げや張力による長さ方向への延伸、
(ii)導電性多孔質体の所定量をひとまとめにして、次工
程で一度に電気めっき処理を行う場合において、ロール
状、フープ状等の形状への捲回、または、(iii) あらか
じめロール状、フープ状等の形状に捲回された所定量の
芯材を一度に導電化処理した後、製造された導電性多孔
質体を次工程で連続的に電気めっき処理する場合におい
て、上記ロールやフープから巻き戻す際の繰り出し、等
によって導電性多孔質体が変形を受けると、その電気抵
抗が大きく上昇して、電気めっき工程におけるニッケル
等の金属めっき層の成長速度が低下し、その結果として
金属多孔質体の生産性や生産効率等が低下するおそれが
あった。
【0007】すなわち、無電解めっきにて芯材の表面に
形成される導電性層は、例えば無電解ニッケルめっきの
場合には0.1μm程度と、ごく薄くかつ連続した金属
膜であるため、上記のように導電性多孔質体に曲げ、延
伸、捲回、繰り出し等の変形が加えられると割れたり折
れたりしやすい。かかる割れや折れ等が発生すると導電
性多孔質体の導電性が低下し、上記のように電気抵抗値
が大きく上昇することから、その結果として、電気めっ
き工程おけるニッケル等の金属めっき層の成長速度が低
下するのである。
【0008】そこで、例えば導電性多孔質体に加わる張
力を抑制するため、送り速度を遅くしたり、曲げや捲回
の曲率を大きくしたりすることが検討されたが、その場
合には、金属多孔質体の生産性や生産効率が低下した
り、あるいは生産設備や運搬、貯蔵のための設備にこれ
までよりも大きなスペースが必要になるといった新たな
問題が生じる。さらに、上記(1) の無電解めっきとして
最も一般的な無電解ニッケルめっきでは、めっき液中の
ニッケルイオンを金属として析出させるための還元剤と
して、従来、次亜リン酸ナトリウム(NaH2 PO2
2 O)や水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4 )が使
用される。このため、芯材の表面に形成される導電性層
は、前記還元剤に由来するリンやホウ素を不純物として
数%程度含有するニッケル−リン合金、ニッケル−ホウ
素合金となってしまう。
【0009】この場合、導電性層上に電気めっきによっ
てニッケルめっき等の金属めっき層を形成した後、熱処
理して芯材を除去すると、上記リン等の不純物が金属め
っき層に拡散してしまい、製造された金属多孔質体の電
気抵抗が高くなる。その結果、例えば電池用の極板とし
て使用した場合にはその充放電効率が低下するという問
題があったり、長期充放電を繰り返すと電解液中にリン
が溶け出して充放電特性が劣化する可能性がある。
【0010】一方、上記(2) のように、カーボンの微粒
子によって表面を導電化した導電性多孔質体も、特に延
伸されることによってバインダー樹脂の割れ等が生じ
て、上記(1) のものと同様にその電気抵抗値が大きく上
昇してしまう。さらに、上記(2) の方法で得られる導電
性多孔質体は、そもそもカーボン自体の電気抵抗値が金
属に比べて大幅に高く、しかも導電性を有しないまたは
導電性が乏しいバインダでそのカーボン粒子を固着して
いることから、元来電気抵抗が大きかった。
【0011】従って、上記(2) の方法で導電化した導電
性多孔質体も、電気めっきにおける金属めっき層の成長
速度が著しく低く、金属多孔質体の生産性や生産効率が
低いという問題もあった。そこで、本発明の主たる目的
は、(a) 極力不純物を含有しないニッケルからなる導電
性層を形成し、(b) 電気めっきにおける金属層の成長速
度が高く、かつ取り扱いが容易で、大きな変形を加えて
も上記成長速度がほとんど低下せず、従って金属多孔質
体の生産性や生産効率に優れており、さらに(c) 電気抵
抗値が低い優れた金属多孔質体を製造することのでき
る、新規な導電性多孔質体を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、電気抵抗値が低く、
例えば電池用の極板として使用した際にその充放電の効
率を向上することができる新規な金属多孔質体を提供す
ることである。本発明のさらに他の目的は、充放電の効
率に優れた新規な電池用極板を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、ニッケルイオンを還元する物質とし
て、(A) ニッケルイオンを還元するのに十分な還元電位
を有し、(B) それ自体のイオン化傾向が極めて大きく、
水溶液中では金属に還元されることがないために、めっ
き工程中に析出して、ニッケル皮膜中に金属として混入
することがなく、かつ(C) 一旦還元剤として作用して還
元剤自体が酸化しても、容易に元の酸化数に復元させて
再利用することができるものを見出すべく、さらには、
合成樹脂製の多孔質体である芯材の表面に前記微粒子を
良好な密着性でもって付着させることのできる処理方法
を見出すべく、種々の検討を行った。
【0014】その結果、本発明者らは、以下に示す種々
の知見を得た。 (I) まず、本発明者らは、合成樹脂製多孔質の表面にニ
ッケル微粒子より構成される導電性層を形成するには、
還元剤として、三塩化チタンを含む塩化チタン水溶液に
チタンイオンの還元電位を大きくする所定の錯化剤を混
合したものを用いるのが好ましいことを見出した。2価
のニッケルイオンを金属ニッケルに還元するには電位差
として0.257Vが必要であるのに対し、三塩化チタ
ンに含まれる3価のチタンイオンを4価のイオンに酸化
する際の電位差は0.04Vにしか過ぎない。しかしな
がら、3価のチタンイオンを所定の錯化剤と反応させる
ことでチタンイオンの3価と4価との電位差を大きくす
ることができる。例えば、クエン酸と錯化させると、3
価と4価との電位差がpH9.0で1Vを超える大きな
値となる。
【0015】ところで、従来ニッケルの還元剤として使
用されている次亜リン酸ナトリウムや水素化ホウ素ナト
リウムを用いても、1V以上の還元電位を得ることがで
きるが、水溶液中のニッケルイオンは水和されてアコ錯
体と呼ばれるより安定な錯イオンとして存在するため、
次亜リン酸ナトリウムや水素化ホウ素ナトリウムだけで
は還元できない。そこで、従来の無電解ニッケルめっき
では、ニッケルアコ錯体をパラジウム触媒の表面に吸着
させて分解し、裸のニッケルイオンとすることによっ
て、初めて金属ニッケルへの還元反応を実現している。
なお、発明者らの研究において、パラジウム等の貴金属
を使用せずに水溶液から直接ニッケルを析出させた公知
技術等は見出されなかった。
【0016】これに対し、本発明では、三塩化チタンを
含む塩化チタン水溶液にクエン酸等の錯化剤を混合した
還元剤を使用しており、さらに、ニッケル源として硫酸
ニッケルを使用し、これを水溶液中でアニモニアと反応
させてニッケルアンモニウムアコ錯体としている。これ
により、本発明によれば、パラジウム等の高価な貴金属
触媒を使用しなくてもニッケルイオンの還元反応および
それに伴うニッケル微粒子の析出を実現することができ
る。すなわち、非常にコストの高い処理方法を経る必要
がなくなり、さらには、パラジウム触媒が電気メッキ液
中に持ち込まれるおそれもなくなるため、浴分解が生じ
るおそれをも除去することができる。なお、本発明は積
極的にパラジウムの使用を除外するものではなく、生産
速度等の工業上の理由からパラジウム触媒を併用するこ
とも可能である。
【0017】(II) また、本発明者らは、前記塩化チタ
ンが、いわゆるチーグラー−ナッタ触媒においてアルキ
ルアルミニウムとともにオレフィン類のアイソメトリッ
ク重合の触媒作用を示す(具体的には、塩化チタンがオ
レフィンのπ電子雲に作用して遷移状態を形成する。)
という知見をもとにして、合成樹脂製の多孔質体にあら
かじめまたはニッケルの還元反応と同時に塩化チタンを
吸着させることによって、協奏的に析出するニッケルの
前記多孔質体への密着性を確保できるという新たな事実
を見出した。
【0018】(III) さらに、チタンは、アルカリ土類金
属のマグネシウムやベリリウムに次いでイオン化傾向が
大きな元素であり、通常、水溶液中のチタンイオンを金
属チタンへ還元するのは不可能である。このため、無電
解めっき工程にて還元されて、合成樹脂製多孔質体の表
面に析出するニッケル皮膜中には、金属チタンが不純物
として混入することがない。 (IV) 従来還元剤として用いられている次亜リン酸ナト
リウムや水素化ホウ素ナトリウムは、無電解めっき工程
を経た後で再利用が不可能なものに変化してしまう。こ
れに対し、上記のチタン化合物を含む還元剤を無電解め
っき工程に供することによって生じる4価のチタンは、
塩酸酸性の水溶液中において、陽極と陰極をイオン交換
膜で区切って電気分解することにより、陰極で還元され
て再び3価のチタンに戻すことができる。すなわち、還
元剤の酸化数を元の状態に復元して、再利用することが
できる。
【0019】(V) 還元剤として、三塩化チタンを含む塩
化チタン水溶液にチタンイオンの還元電位を大きくする
所定の錯化剤を混合したものを用い、さらに硫酸ニッケ
ルをニッケル源として、これを水溶液中でアニモニアと
反応させてニッケルアンモニウムアコ錯体とした場合に
は、無電解めっき工程にてニッケル皮膜を形成する際に
基本的に触媒を必要としない。また、自己触媒反応が確
認されないことも本発明者らにより見出された。従っ
て、合成樹脂製多孔質体表面への無電解めっき処理の初
期に析出したニッケル微粒子は、成長せずに微粒子まま
存在する。
【0020】(VI) ニッケル微粒子よって形成される導
電性層は、ニッケル自体の特性に起因して薄い不動態皮
膜を形成しており、水および酸素に対して安定で、その
表面がほとんど酸化されないために、常に高導電率でか
つ低抵抗の状態を維持している。かかる導電性層は、ニ
ッケル微粒子の析出量が比較的少量である場合には、微
粒子間の電気伝導が悪いことに起因して乾燥状態での電
気抵抗値が高くなるが、次工程である電気めっき工程に
おいては高い成長速度でもって金属めっき層を形成する
ことができる。これは、前記導電性層が電気めっき浴に
浸漬されると、微粒子間の細かな隙間に浸透しためっき
液を介して微粒子間の電気伝導が維持されて電気抵抗値
が低くなるためと推測される。その結果、金属多孔質体
を生産性よく、高い生産効率でもって製造できる。
【0021】しかも驚くべきことに、上記の高い成長速
度は、導電性多孔質体に前記のような種々の変形が加え
られた後においてもほとんど変化しない。これは、上記
の導電性層の構造と電気めっき浴への浸漬状態での電気
伝導の機構にはほとんど影響がないためであると推測さ
れる。そこで、本発明者らは、上記(I) 〜(VI)の知見を
もとに、ニッケルからなる導電性層のミクロな構造に着
目してさらに検討を行った結果、導電性層がニッケル微
粒子の集合体で構成される場合には、前述の優れた特性
を発揮し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0022】すなわち、前述の技術的課題を解決するた
めの本発明の導電性多孔質体は、連続気孔構造を有する
合成樹脂製多孔質体の表面に、ニッケルイオンを含む水
溶液からチタン化合物を含む還元剤を用いて析出したニ
ッケル微粒子より構成される導電性層が形成されたこと
を特徴とする。上記本発明において、還元剤は三塩化チ
タンとクエン酸との混合物であるのが好ましい。また、
ニッケルイオンは硫酸ニッケルに由来するもの、塩化ニ
ッケルに由来するもの、炭酸ニッケルに由来するもの、
ニッケル合金に由来するもの等が好ましく、特に硫酸ニ
ッケルを出発物質として水溶液中でアンモニアと反応し
たニッケルアンモニウムアコ錯体であるのが好ましい。
【0023】上記本発明の導電性多孔質体における導電
性層は、その表面に形成する金属めっき層の成長速度を
高める上で、導電性層を形成するニッケル微粒子の粒径
が10nm以上、300nm以下であり、当該微粒子が
集合することによって導電性層全体で連続した導電性を
示すものであるのが好ましい。また、上記導電性層は、
還元剤に由来する酸化チタンの含有量が100ppm以
下であるのが好ましい。前記導電性層には、ニッケルの
還元過程で副生する酸化チタンがごく微量ではあるもの
のニッケル皮膜の析出核として混入し得るが、金属チタ
ンは実質的に混入することがない。さらに、前記酸化チ
タンの混入量も不可避的な量にとどまっており、具体的
にはその含有量が導電性層中で100ppm以下であれ
ば、当該導電性層の電気抵抗値にはほとんど影響が生じ
ない。
【0024】本発明の金属多孔質体は、上記本発明の導
電性多孔質体を陰極とする電気めっきにより、当該導電
性多孔質体の表面に、連続した金属めっき層(例えば、
ニッケルめっき層)が形成されたことを特徴とする。上
記導電性多孔質体を用いて製造された本発明の金属多孔
質体は、例えば熱処理して芯材を除去する際などに、還
元過程で副生する極微量の酸化チタンが極めて少量なが
ら不純物として金属めっき層中に拡散するために、純粋
な金属単体(例えばニッケル単体)に比べて僅かに電気
抵抗値が上昇する。しかしながら、その上昇の度合い
は、前述した無電解ニッケルめっき層からのリンの拡散
による電気抵抗値の上昇に比べて著しく小さいため、金
属多孔質体の全体的な電気抵抗値にはほとんど影響しな
い。
【0025】従って、本発明によれば、金属多孔質体の
生産性や生産効率に優れるとともに、電気抵抗値の低い
優れた金属多孔質体を製造し得る導電性多孔質体と、か
かる導電性多孔質体から製造されるために電気抵抗値が
低く、例えば電池用の極板として使用した際にその充放
電の効率を向上し得る金属多孔質体とが得られる。上記
金属多孔質体は、金属めっき層の形成後に加熱処理し
て、合成樹脂製多孔質体を除去したものであってもよ
い。
【0026】本発明の電池用極板は、上記本発明の金属
多孔質態を主体とするものであることを特徴とする。か
かる電池用極板は、上記金属多孔質体にて形成されるた
めに充放電効率に優れたものとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 〔導電性多孔質体〕本発明の導電性多孔質体は、前述の
ように、連続気孔構造を有する合成樹脂製の多孔質体を
芯材として、その表面にニッケルの微粒子の集合体から
なる導電性層が形成されたものである。
【0028】上記導電性多孔質体を得るのに用いられる
還元剤には、前述のように、チタン化合物を含むもの、
とりわけ三塩化チタンを含む塩化チタン水溶液に錯化剤
を混合したものが好適に用いられる。なお、チタンイオ
ンのうち還元剤として機能するのは3価のイオンのみで
あるが、水溶液中に3価のイオンのみを溶解した場合に
は加水分解が起こり、水酸化チタンを経て沈殿を生じ
る。ところが、4価のチタンを3価のチタンに対して4
%以上の割合で混合しておけば、3価と4価とのイオン
の相互交換による安定化効果によって沈殿の発生を抑制
することができる。
【0029】前記錯化剤としては、例えばクエン酸、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)等のカルボン酸誘導
体が挙げられる。導電性多孔質体を得るのに用いられる
ニッケルイオンを含む水溶液、すなわちニッケル源とし
ては、例えば硫酸ニッケル等が好適である。なお、硫酸
ニッケルに代えて塩化ニッケルを使用することも可能で
あるが、塩化ニッケルを使用するとニッケルの還元速度
(すなわち析出速度)に大幅な低下がみられた。また、
めっき液のpH調整を行う際に希塩酸を用いた場合に
も、同様の析出速度の低下がみられた。従って、めっき
液中に過剰の塩素イオンを添加することは反応速度の低
下をもたらすものと考えられる。従って、ニッケル源と
して塩化ニッケルを使用する場合には、塩素イオン濃度
の調整に十分留意する必要がある。
【0030】本発明においては、還元剤として、例えば
三塩化チタンを含む塩化チタン水溶液にクエン酸等の錯
化剤を混合したものを使用し、ニッケル源として、例え
ば硫酸ニッケルを出発物質として、これを水溶液中でア
ニモニアと反応させたニッケルアンモニウムアコ錯体を
使用することによって、ニッケルの微粒子を生成させる
ことができる。これは、前述のように触媒を使用してお
らず、かつ、自己触媒反応もないため、初期に析出した
ニッケルが成長せず微粒子のまま存在するからである。
生成するニッケル微粒子の粒径はpHや温度条件により
若干異なるが、通常、10〜300nm程度である。
【0031】本発明においては、ニッケル微粒子の粒径
が10nm以上、300nm以下、好ましくは100〜
300nm、より好ましくは100〜200nmとなる
ように、pHや温度条件を適宜設定するのが好ましい。
粒径が上記範囲にある微粒子が集合することによって、
連続気孔構造を有する合成樹脂表面上に形成された導電
性層が全体として連続した導電性を示す。ニッケルが析
出する際、チタンはニッケル皮膜中に金属チタンとして
混入することはなく、還元過程で副成する酸化チタンが
極微量、析出核として存在する。このため、析出粒子の
粒径にも依存するが導電性層を形成するニッケル中にチ
タン化合物に由来する酸化チタンを不可避的な量以上、
100ppm以下含むこととなる。しかし、酸化チタン
は母層であるニッケルと合金を形成することがなく、ニ
ッケルの導電性を低下させることもない。
【0032】本発明において、導電性多孔質体の導電層
を形成するのに用いられるめっき液には、上記還元剤、
錯化剤およびニッケル源のほかに、例えばpH調整剤
(pH緩衝剤)、ニッケルの安定化剤等を添加すること
ができる。上記pH調整剤としては、例えばホウ酸、ホ
ウ酸アンモニウム、アンモニウム等が挙げられる。上記
例示のpH調整剤のうち、ホウ酸やホウ酸アンモニウム
の濃度は0.001〜0.2M(mol/L)となるよ
うに設定するのが好ましい。濃度が0.001Mを下回
るとpHを安定化させる効果が少なくなり、濃度が0.
2Mを超えるとホウ酸またはホウ酸アンモニウムが析出
する不具合が生じるおそれがある。
【0033】上記ニッケルの安定化剤としては、例え
ば、鉛を主体とする金属イオン〔具体的には、鉛(P
b)のほか、スズ(Sn),ヒ素(As),タリウム
(Tl),モリブデン(Mo),ガリウム(Ga)
等〕;ヨウ素酸カリウム(KIO3 )等のヨウ化物;お
よびチオ尿素等の硫化物;などが挙げられる。 (芯材)芯材としては、合成樹脂にて形成された、連続
気孔構造を有する従来公知の種々の多孔質体がいずれも
使用可能である。
【0034】すなわち、例えば、内部に連続気孔構造を
有する、3次元編み目構造を備えた発泡体、合成樹脂製
の繊維からなる不織布または織布等が挙げられる。前記
発泡体の具体例としては、ポリウレタンフォーム;メラ
ミン樹脂製のフォーム(発泡体);ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂の発泡体等
が挙げられる。前記不織布および織布を構成する合成樹
脂の繊維としては、例えばポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ナイロン等の、従来公知の種々の
合成樹脂繊維が挙げられる。
【0035】本発明の導電性多孔質体から製造される金
属多孔質体が、後述するように芯材を除去せずに残した
ままのものである場合において、かかる金属多孔質体を
アルカリ2次電池用の極板として使用するには、かかる
芯材がアルカリ電解液の強アルカリに対する耐性を有す
ること、すなわち耐アルカリ性に優れている必要があ
る。具体的には、アメリカ試験材料協会(ASTM)の
規格ASTM D543−63Tに規定の耐薬品性試験
において、アルカリ電解液に相当するpH11以上の強
アルカリ液に対してG(良好)以上、特にE(優秀)の
評価が得られるものが好ましい。
【0036】かかる耐アルカリ性に優れた芯材として
は、例えばポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフ
ィンにて形成された多孔質体が好適である。その具体例
としては、これに限定されるものではないが、直径約1
0〜40μm程度のポリオレフィン製の短繊維を、平均
粒径約0.6mm以下程度の不織布状となるように短繊
維の交差部分で結合し、さらにそれを1方向に引き延ば
したような形状を有する多孔質体〔例えば日立化成
(株)製の商品名「RF−30」等〕が挙げられる。
【0037】一方、本発明の導電性多孔質体から製造さ
れる金属多孔質体が、後述するように芯材を除去したも
のである場合、あるいは芯材を除去せずに残したもので
あっても、アルカリ2次電池用極板以外の他の用途に使
用される場合には、芯材が上記のように高い耐アルカリ
性を有している必要はない。むしろ、熱処理による除去
の容易さやコスト面等を考慮すると、ポリウレタンフォ
ーム等の汎用の多孔質体が芯材として好適である。
【0038】芯材の厚み、平均口径、空隙率等は、金属
多孔質体の用途に応じて適宜、設定すればよい。 (導電性層)上記芯材の表面に形成される導電性層は、
前記のように、ニッケルの微粒子の集合体にて形成され
ている必要がある。かかるニッケルの微粒子の大きさは
特に限定されないが、前述したように、電気めっき工程
における金属めっき層の成長速度を向上する効果を考慮
すると、その粒径は小さいほど好ましい。これは、ニッ
ケルの微粒子の粒径が小さいほど、先の述べた微粒子間
の隙間が小さくなって、めっきによって当該隙間に浸透
した金属層による前記微粒子間の電気伝導を維持する働
きが向上するためと考えられる。
【0039】ニッケル微粒子の具体的な粒径範囲につい
ては特に限定されないが、ニッケルの微粒子の平均粒径
が300nm以下であれば、後述する実施例の結果から
明らかなように、電気めっき工程における金属めっき層
の成長速度を向上することができる。なお、上記平均粒
径の範囲の上限値については特に限定されないが、およ
そ300nm程度であるのが好ましい。ニッケルの微粒
子の平均粒径が上記10nm未満では、導電性層が、ニ
ッケルの微粒子のとしてよりむしろ、数原子のニッケル
となるため、粒子表面に存在する酸化ニッケルの影響が
大きくなり、導電性が低下する傾向がある。
【0040】ニッケル微粒子の粒径は、上記範囲の中で
も特に100〜300nmであるのが好ましく、100
〜200nmであるのがより好ましい。また、上記導電
性層の厚みについても、本発明では特に限定されない
が、通常、厚さ1.4〜1.8mm、気孔率97〜98
%の芯材についての、芯材1m2当たりのニッケルの付
着量(g)を目付け量(g/m2 )で表した場合には、
その値が1〜7g/m2 であるのが好ましい。
【0041】導電性層の目付け量が上記の範囲未満で
は、芯材に充分な導電性層を付与することができないた
めに、電気めっき工程における金属めっき工程における
金属めっき層の成長速度が低下するおそれがある。導電
性層の目付け量は、ニッケルめっきを行う際の導電性と
コストのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に
2〜5g/m2 であるのが好ましい。 〔金属多孔質体〕次に、本発明の金属多孔質体について
説明する。
【0042】かかる金属多孔質体は、先に述べたよう
に、上記本発明の導電性多孔質体を陰極とする電気めっ
きにより、導電性多孔質体の表面に、連続した金属めっ
き層を形成することによって構成される。前記金属めっ
き層は、1種または2種以上の金属からなるものであ
り、単層または2層以上の複層のいずれであってもよ
い。例えばニッケルの単層構造のめっき層は、上記導電
性多孔質体を陰極として、これをニッケル板等の適当な
陽極とともにニッケル電気めっき浴に浸漬した状態で、
両極間に電圧印可して電気めっきすることによって形成
される。
【0043】また、金属めっき層は、少なくともその表
面が、極板として必要な金属(例えばニッケル)にて形
成されていればよいので、下地としてより安価な、ある
いは形成が容易な金属等の下地めっき層を1層または2
層以上形成し、その表層に、ニッケル等のめっき層を積
層した複層構造としてもよい。金属めっき層の厚みは、
本発明では特に限定されないが、当該金属めっき層の強
度や抵抗値等を考慮すると、5〜30μm程度が好まし
く、5〜10μm程度がさらに好ましい。かかる金属め
っき層の厚みは、単層構造の金属めっき層の場合はそれ
自体の厚みを示し、2層以上の積層構造からなる金属め
っき層の場合は各層の厚みの合計値を示す。
【0044】本発明の金属多孔質体においては、前述の
ように、熱処理によって芯材を除去したものであっても
よい。芯材の除去は、金属めっき層の形成後に行われ、
まず合成樹脂を酸化して熱分解させるために、金属多孔
質体全体を空気中で熱処理し、次に酸化、不動態化した
金属めっき層を還元するために、水素ガス等の非酸化性
雰囲気中で熱処理することによって行われる。前記熱処
理は、それぞれおよそ1000℃近い高温で行って、芯
材を完全に除去してもよい(すなわち、芯材を構成する
合成樹脂に由来するカーボンが全く検出されなくなるま
で加熱してもよい)。
【0045】この際、従来の電解ニッケルめっき層で
は、導電性層に含まれるリンが金属めっき層に拡散し
て、金属多孔質体の電気抵抗値が上昇するという問題を
生じる。これに対し、本発明の金属多孔質体では、前述
のように、導電性層に実質的に金属チタンが混入するこ
とがなく、さらに酸化チタンの混入量も不可避的な量、
具体的には100ppm以下であることから、金属多孔
質体の電気抵抗値が上昇するという問題を生じることが
ない。
【0046】すなわち、本発明の金属多孔質体は、前記
本発明の導電性多孔質体を中間材料として製造されるた
めに電気抵抗値が低く、例えば電池用の極板として使用
した際に、その充放電の効率を向上できるという、優れ
た特性を有するものである。上記本発明の金属多孔質体
は、電池用極板以外にも、例えば各種触媒用の担体、各
種暖房機器用部材(灯油の気化・霧化用部材、ガスの炎
口板等)、エンジンや空気機器の消音用サイレンサー、
オイルミスト分離器、ディーゼルエンジン等における排
気ガス中のすす補修部材、電磁波遮蔽部材、各種フィル
ター、ディーゼルエンジン等のピストン、油圧機器にお
ける耐摩耗性部品等の、種々の用途に使用することがで
きる。
【0047】〔電池用極板〕次に、本発明の電池用の極
板について説明する。かかる極板は、上記本発明の金属
多孔質体を主体とするものである。すなわち、本発明の
導電性多孔質体を陰極とする電気めっきにより製造され
た金属多孔質体がそのままで、あるいは前記のように熱
処理して芯材を除去した状態で、電池用の極板として使
用される。
【0048】かかる極板としての金属多孔質体において
は、その空隙率が約50%以上であるのが好ましい。空
隙率が上記の範囲未満では、連続気孔構造の空隙中に保
持し得る活物質の充填量が小さくなって、電池を高容量
化できないおそれがある。なお、空隙率は、上記の範囲
内でも特に98%以下であるのが好ましい。空隙率がこ
の範囲を超えると、金属多孔質体の全体としての強度が
著しく低下して、極板として使用できなくなるおそれが
ある。また、上記の各特性との兼ね合いを考慮すると、
空隙率は、上記範囲内でも特に90%〜93%程度であ
るのがより好ましい。
【0049】かかる本発明の極板は、上記のように本発
明の金属多孔質体を主体として構成されるために、充放
電の効率に優れており、例えば前述したアルカリ2次電
池等に好適に使用される。特に、単1型乾電池の大きさ
でおよそ100A程度の大容量の電流を必要とする、ハ
イブリッド自動車、電気自動車等の電源用電池として近
年開発が進められている、アルカリ−水素2次電池用の
極板等として好適である。
【0050】また、上記本発明の電池用極板は、アルカ
リ2次電池以外にも種々の電池に使用することができ
る。
【0051】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明する。 実施例1 厚み1mm、平均口径0.45mm、空隙率98%の、
連続気孔構造を有するポリウレタンフォームを芯材とし
て使用し、この芯材を60℃の水で湯洗して汚れを除去
した。
【0052】次に、表1に示す還元液(1) およびニッケ
ル液(1) のそれぞれ1リットルずつを、析出反応を行う
直前に混合して、全量2リットルのめっき液とした。
【0053】
【表1】
【0054】このめっき液に希硫酸または25%アンモ
ニア水溶液を加えてpHを9.0に調整した後、液温を
50〜60℃に保持して前記芯材を30分間浸漬して、
目付け量1g/m2 の導電性層を有する導電性多孔質体
を製造した。こうして得られた導電性多孔質体を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、芯材の表面にニッケル微
粒子の集合体からなる導電性層が形成されているのが確
認された。この導電性層を構成するニッケル微粒子の平
均粒径を走査型電子顕微鏡で撮影した写真を用いて算出
したところ、粒径が小さいものでは10〜12nmで、
平均粒径が100nmであった。また、粒径が180n
mを超えるニッケル粒子は観察されなかった。
【0055】実施例1における導電性層の走査型電子顕
微鏡写真を図1に示す。 実施例2 表2に示す還元液(2) およびニッケル液(2) のそれぞれ
1リットルずつを、析出反応を行う直前に混合して、全
量2リットルのめっき液とした。
【0056】
【表2】
【0057】このめっき液に希硫酸または25%アンモ
ニア水溶液を加えてpHを9.0に調整した後、液温5
0〜60℃に保持して、実施例1で用いたのと同じ芯材
を15分間浸漬した。上記めっき液に、前記還元液(2)
1リットルを徐々に加え、25%アンモニア水溶液でp
Hを9.0に調整し、かつ液温を50〜60℃に保持し
つつ、前記芯材をめっき液に引き続き15分間浸漬し
た。こうして、目付け量5g/m2 の導電性層を有する
導電性多孔質体を製造した。
【0058】こうして得られた導電性多孔質体を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、芯材の表面にニッケル微
粒子の集合体からなる導電性層が形成されているのが確
認された。この導電性層を構成するニッケル微粒子の平
均粒径を走査型電子顕微鏡で撮影した写真を用いて算出
したところ、粒径が小さいものでは10〜12nmで、
平均粒径が120nmであった。また、粒径が300n
mを超えるニッケル粒子は観察されなかった。
【0059】実施例2における導電性層の走査型電子顕
微鏡写真を図2に示す。 実施例3 表3に示すA液、B液およびC液を混合して、全量2リ
ットルのめっき液を調製した。
【0060】
【表3】
【0061】上記めっき液を50℃に加温し、アンモニ
アを加えてそのpHが8.4〜8.6となるように調整
した。一方、実施例1で用いたのと同じポリウレタンフ
ォーム性の芯材にあらかじめパラジウム触媒を施し、こ
の芯材を、上記めっき液に15分間浸漬して、目付け量
3g/m2 の導電層を有する導電性多孔質体を製造し
た。こうして得られた導電性多孔質体を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、粒径3〜10nmの一次粒子から
なる、平均二次粒子径が30nmのニッケル粒子が、芯
材の表面にて皮膜を形成しているのが観察された。
【0062】比較例1 実施例1で使用したのと同じ芯材を、10%の硫酸水溶
液に1g/Lの割合で界面活性剤を添加した処理液(6
0℃)に浸漬して、酸洗浄した。次いでこの芯材を水洗
し、液温を40℃に調整した感応化処理液(塩化パラジ
ウム−塩化スズ混合水溶液)に1分間浸漬して、その表
面に感応化処理を施した。前記感応化処理液を構成する
各成分の濃度を表4に示す。
【0063】次に、感応化処理後の芯材を水洗し、液温
を60℃に調整した電解ニッケルめっき浴に5分間浸漬
した後、水洗した。こうして、目付け量10g/m2
導電性層を有する導電性多孔質体を製造した。前記メッ
キ浴を構成する各成分の濃度を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】こうして得られた導電性多孔質体を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、芯材表面において一部粒
子の成長が認められるものの、ニッケル−4%リン合金
の連続膜からなる導電性層が形成されていることが確認
された。比較例1における導電性層の走査電子顕微鏡写
真を図3に示す。 比較例2 ポリビニルアルコールとフェノール樹脂とを7:3(重
量比)の割合で溶解したアルコール溶液に、平均粒径が
0.8μmの黒鉛微粒子をその濃度が100g/Lとな
るように分散して塗布液を調製した。
【0066】次に、この塗布液を、実施例1で使用した
のと同じ芯材の両面にスプレー塗布し、100℃に加熱
して乾燥させることにより、目付け量20g/m2 の導
電性層を有する導電性多孔質体を製造した。上記実施例
および比較例の導電性多孔質体について、以下の各試験
を行ってその特性を評価した。 〔電気抵抗の測定I(初期値)〕各実施例および比較例
の導電性多孔質体を幅1cm、長さ10cmの矩形状に
切り出し、その長さ方向における両端間の乾燥状態での
電気抵抗値(Ω)を測定した。
【0067】〔電気抵抗の測定II(延伸後)〕各実施例
および比較例の導電性多孔質体を一方向に10%延伸し
た後、これを元に戻し、延伸した方向が長さ方向と一致
するようにして幅1cm、長さ10cmの矩形状に切り
出し、その長さ方向における両端間の乾燥状態での電気
抵抗値(Ω)を測定した。 〔電気抵抗の測定III (曲げ後)〕各実施例および比較
例の導電性多孔質体を幅1cmの矩形状に切り出し、半
径6cmの丸棒にあてがって、180℃にて曲げ試験を
行った後、これを元に戻し、その長さ方向における両端
間の乾燥状態での電気抵抗値(Ω)を測定した。
【0068】〔金属めっき層の成長試験〕各実施例およ
び比較例の導電性多孔質体を幅10cm、長さ30cm
の矩形状に切り出し、その長さ方向の一端を、導電性多
孔質体の全幅にわたる一対の銅製の冶具で挟むととも
に、他方の端にポリ塩化ビニル性の錘を取り付けた。次
に、前記冶具のみ液面上に出るように、錘を下にして導
電性多孔質体を垂直に吊り下げた状態で、液温45℃の
ニッケルめっき浴に浸漬した。このメッキ浴を構成する
各成分の濃度を表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】電気めっき浴の錘よりさらに下方には、導
電性多孔質体と接触しないようにして白金電極を配置
し、銅製の冶具を電源の陰極に、白金電極を電源の陽極
にそれぞれ接続して、電流密度10A/dm2 の条件で
ニッケルめっきを行った。この際、導電性多孔質体の表
面におけるめっき浴の液面側から下方、すなわち錘を漬
けた先端側へ成長するニッケルめっき層の成長速度(c
m/分)を目視により測定した。
【0071】試験は、各実施例および比較例の導電性多
孔質体についてそれぞれ、変形を加えない初期の状態
(初期)、前記の延伸を加えた状態(延伸後)、および
前記の曲げを加えた状態(曲げ後)の各サンプルで行っ
た。 〔金属多孔体の製造とその電気抵抗の測定〕変形を加え
ない初期の状態における各実施例および比較例の導電性
多孔質体について、上記「金属めっき層の成長試験」と
同様にしてニッケルめっき層の成長速度を測定した後、
さらに同じ条件でニッケルの電気めっきを継続して行っ
た。
【0072】こうして、各導電性多孔質体の表面に目付
け量600g/m2 の電気めっき層を形成した後、90
0℃の空気雰囲気中で5分間、さらに900℃の還元性
雰囲気中で30分間それぞれ熱処理を行うことによっ
て、芯材としてのポリウレタンフォームを除去して、金
属多孔質体を得た。こうして得られた各金属多孔質体を
幅1cm、長さ10cmの矩形状に切り出し、その長さ
方向における両端間の乾燥状態での電気抵抗値(Ω)を
測定した。
【0073】以上の結果を表6および表7に示す。
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】表6および表7より明らかなように、実施
例1〜3では、いずれも導電性多孔質体の電気抵抗が低
く、延伸または曲げ後においても十分に低い電気抵抗が
保たれた。また、ニッケルめっき層の成長速度も速く、
金属多孔質体としても低い電気抵抗が得られた。特に、
実施例3では、ニッケル触媒を併用したため、析出した
ニッケル粒子の平均粒径がより小さく、初期値や曲げ後
の電気抵抗がより一層低く保たれた導電性多孔質体を得
ることができた。
【0077】これに対し、従来の電解めっき浴にて導電
性層を形成した比較例1では、導電性層がニッケル微粒
子から構成されずに、ニッケルの連続膜となったため
に、導電性多孔質体の電気抵抗が初期段階では十分に低
い値であるものの、延伸や曲げによって連続膜に破壊が
生じた。その結果、曲げ後においては、電気抵抗が極め
て高くなった。また、延伸後においては、導電性が失わ
れてしまい、電気めっき工程においてニッケルめっき層
を成長させることができなかった。
【0078】カーボン微粒子を含むバインダ混合溶液で
導電性層を形成した比較例2では、導電性多孔質体の電
気抵抗が初期段階から高く、延伸後においては、電気め
っき工程においてニッケルめっき層を成長させることが
できなかった。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
パラジウム等の高価な触媒を使用しなくても導電化が可
能で、導電性に優れ、延伸や曲げなどの変形によっても
導電性が低下せず、電気めっきにおける金属層の成長速
度が高く、かつ電気抵抗値が低い金属多孔質体を高い生
産性・生産効率でもって製造することのできる導電性多
孔質体を得ることができる。
【0080】さらに、かかる導電性多孔質体を用いるこ
とで、電気抵抗値が低く、例えば電池用の極板として使
用した際にその充放電の効率を向上することのできる金
属多孔質体と、充放電の効率に優れた電池用極板とが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における導電性層の走査型電子顕微鏡
写真である。
【図2】実施例2における導電性層の走査型電子顕微鏡
写真である。
【図3】比較例1におけるニッケル−4%リン合金の走
査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真嶋 正利 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 4K022 AA13 AA37 AA43 BA14 BA31 DB01 DB04 DB07 DB08 5H017 AA02 BB01 BB14 BB16 CC28 DD05 EE04 HH03 HH06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続気孔構造を有する合成樹脂製多孔質体
    の表面に、ニッケルイオンを含む水溶液からチタン化合
    物を含む還元剤を用いて析出したニッケルの導電性層が
    形成されたことを特徴とする導電性多孔質体。
  2. 【請求項2】前記還元剤が三塩化チタン、四塩化チタン
    およびクエン酸の混合物である請求項1記載の導電性多
    孔質体。
  3. 【請求項3】前記ニッケルイオンが硫酸ニッケル、塩化
    ニッケル、炭酸ニッケルまたはニッケル合金に由来する
    ものである請求項1記載の導電性多孔質体。
  4. 【請求項4】前記ニッケルイオンがニッケルアンモニウ
    ムアコ錯体である請求項1記載の導電性多孔質体。
  5. 【請求項5】前記導電性層を構成するニッケルが、粒径
    が10nm以上、300nm以下の微粒子であり、当該
    微粒子が集合することによって前記導電性層全体が連続
    した導電性を有する請求項1記載の導電性多孔質体。
  6. 【請求項6】前記導電性層中の、還元剤に由来する酸化
    チタンの含有量が100ppm以下である請求項1記載
    の導電性多孔質体。
  7. 【請求項7】前記合成樹脂性多孔質体がポリウレタンフ
    ォームからなるものである請求項1記載の導電性多孔質
    体。
  8. 【請求項8】請求項1記載の導電性多孔質体を陰極とす
    る電気めっきにより、当該導電性多孔質体の表面に、連
    続した金属めっき層が形成されたことを特徴とする金属
    多孔質体。
  9. 【請求項9】金属めっき層がニッケルめっき層である請
    求項8記載の金属多孔質体。
  10. 【請求項10】請求項8記載の金属多孔質体を加熱処理
    して、合成樹脂製多孔質体を除去したことを特徴とする
    金属多孔質体。
  11. 【請求項11】請求項8〜10のいずれかに記載の金属
    多孔質を主体とすることを特徴とする電池用極板。
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