JP2000352711A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2000352711A
JP2000352711A JP11163817A JP16381799A JP2000352711A JP 2000352711 A JP2000352711 A JP 2000352711A JP 11163817 A JP11163817 A JP 11163817A JP 16381799 A JP16381799 A JP 16381799A JP 2000352711 A JP2000352711 A JP 2000352711A
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light
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JP11163817A
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Masaru Higuchi
勝 樋口
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】視野角をほぼ全方向に広くするとともに、輝度
バランスの良い画面を得る。 【解決手段】液晶セル1をはさんでその前面と背面とに
前面側偏光板2および背面側偏光板3を配置し、前記背
面側偏光板3の背後にバックライト4を配置するととも
に、前記液晶セル1と前面側偏光板2との間に、リタデ
ーションをもたない透明材料もしくは一軸性の低リタデ
ーションを有する透明材料からなり、前記液晶セル1の
前面に出射した光をほぼ全方向に拡散する光拡散板10
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液晶表示装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置としては、一般に、TN
(ツイステッドネマティック)型またはSTN(スーパ
ーツイステッドネマティック)型のものが利用されてい
る。
【0003】TN型またはSTN型の液晶表示装置は、
液晶分子がツイスト配向した液晶層をはさんで対向する
一対の基板の内面にそれぞれ電極を設けてなる液晶セル
をはさんで、その前面と背面とに前面側偏光板および背
面側偏光板を配置した構成のものであり、この液晶表示
装置としては、前記背面側偏光板の背後にバックライト
を配置し、前記バックライトからの照明光を利用して表
示する透過表示方式のものが広く利用されている。
【0004】ところで、上記TN型やSTN型の液晶表
示装置は、その表示特性に、前記液晶セルの液晶分子の
配向状態によって決まる方向性があり、表示を観察する
方向に応じて表示特性が変化するため、視野角(表示を
良好なコントラストで観察できる観察角範囲)が狭いと
いう問題をもっている。
【0005】これは、液晶セルのΔnd(液晶の屈折率
異方性Δnと液晶層厚dとの積)の値が観察方向によっ
て見かけ上変化するためであり、したがって、液晶セル
の一対の基板の内面にそれぞれ設けられている電極間へ
の印加電圧が同じであっても、つまり基板面に対する液
晶分子の立上がり角が同じであっても、光の透過率が観
察方向によって異なるから、上記液晶表示装置の電圧−
透過率特性には観察方向依存性がある。
【0006】この電圧−透過率特性の観察方向依存性
は、前記電極間への印加電圧を段階的に制御して、明る
さに階調をもたせた階調表示を行なうときにも問題とな
っており、この階調表示においては、中間調の表示の明
るさが観察方向によって大きく変化する。
【0007】そのため、前記液晶表示装置には、その電
圧−透過率特性の観察方向依存性によって決まる固有の
視角(表示が最もコントラストの高い状態で観察される
観察角)があり、その視角の方向の付近から表示を観察
したときのコントラストは高いが、視角方向からある程
度ずれた方向から観察すると、コントラストが著しく低
下し、また階調の反転を生じてしまう。
【0008】なお、前記液晶表示装置の視角は、一般
に、正面方向(画面に対して垂直な方向)に対して一方
の方向に若干傾いた方向にあり、したがって、正面方向
から前記視角のある方向への視野角範囲はある程度広い
が、反対方向の視野角範囲が狭い。
【0009】そのため、従来から、前記液晶表示装置の
前面(液晶セルの前面に配置された前面側偏光板の前
面)に、ルミスティの商品名で知られている特殊な散乱
特性をもった選択散乱板を設け、前方に出射する光を前
記選択散乱板により散乱させて視野角を改善することが
提案されている。
【0010】前記選択散乱板(ルミスティ)は、一方向
に沿った方向から入射する光に対してその入射角に応じ
た選択散乱特性を示すものであり、その方向から入射す
る光のうちの、選択散乱板の法線方向に対して特定の角
度範囲内の入射角で入射した光を散乱して透過させ、そ
れよりも大きい入射角で入射した光をほとんど散乱する
ことなく透過させる特性をもっている。
【0011】この選択散乱板を液晶表示装置の前面に設
ければ、前記液晶セルを透過して前方に出射する光のう
ちの一方向に沿った方向に出射する光が、前記選択散乱
板による選択散乱作用を受け、その光のうちの前記選択
散乱板の法線方向に対して特定の角度範囲内の入射角で
入射した光が散乱光となって出射するため、例えば前記
選択散乱板を、画面の上下方向に沿った方向から入射す
る光に対して前記選択散乱特性を示すように配置するこ
とにより、視野角を画面の上下方向に広くすることがで
きる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記選択散乱
板を備えた液晶表示装置は、前記選択散乱板が上述した
ような特殊な散乱特性を有しているため、画面の各領域
の輝度(出射光の強度)に、前記選択散乱板の散乱特
性、つまり散乱光となって出射する光の入射方向および
入射角度範囲と、バックライトからの照明光の強度分布
との関係による輝度むらが生じ、輝度バランスの良い画
面が得られないという問題をもっている。
【0013】しかも、この液晶表示装置は、前記選択散
乱板が、一方向に沿った方向から入射する光に対してそ
の入射角に応じた選択散乱特性を示すため、視野角が広
くなる方向は一方向(例えば画面の上下方向)だけであ
り、他の方向の視野角を同時に改善することはできなか
った。
【0014】この発明は、視野角をほぼ全方向に広くす
るとともに、輝度バランスの良い画面を得ることができ
る液晶表示装置を提供することを目的としたものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、液晶セルをはさんでその前面と背面とに前面側偏光
板および背面側偏光板が配置され、前記背面側偏光板の
背後にバックライトが配置されるとともに、前記液晶セ
ルと前記前面側偏光板との間に、リタデーションをもた
ない透明材料もしくは一軸性の低リタデーションを有す
る透明材料からなり、前記液晶セルの前面に出射した光
を全方向にほぼ同じ屈折率で拡散する光拡散板が設けら
れていることを特徴とするものである。
【0016】すなわち、この発明の液晶表示装置は、出
射光を前記光拡散板により拡散するものであり、前記光
拡散板は、前記液晶セルの前面に出射した光をほぼ全方
向に拡散するため、この液晶表示装置によれば、視野角
をほぼ全方向に広くすることができるとともに、輝度バ
ランスの良い画面を得ることができる。
【0017】しかも、この液晶表示装置は、前記光拡散
板を、前記液晶セルとこの液晶セルの前面に配置された
前面側偏光板との間に設けているため、液晶表示装置に
その前方から入射する外光は、前記前面側偏光板により
その吸収軸に沿った振動成分の光を吸収され、光強度を
ほぼ半減して前記光拡散板に入射する。
【0018】そのため、前方から入射する外光が前記光
拡散板により反射されても、その反射光の強度は弱く、
しかもその反射光が前記前面側偏光板を透過し、さらに
強度を減じて前方に出射するため、前記光拡散板による
外光の反射により表示が見づらくなることはない。
【0019】また、この液晶表示装置においては、前記
バックライトから出射し、前記背面側偏光板と前記液晶
セルとを順に透過した光が、前記光拡散板を経て前記前
面側偏光板に入射し、この前面側偏光板の検光作用によ
り画像光となって前方に出射するが、前記光拡散板はリ
タデーションをもたない透明材料もしくは一軸性の低リ
タデーションを有する透明材料からなっているため、こ
の光拡散板が表示特性に影響を及ぼすことはほとんどな
く、したがって、良好な品質の表示を得ることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示装置は、上記
のように、前記液晶セルの前面に出射した光をほぼ全方
向に拡散する光拡散板を備えることにより、視野角をほ
ぼ全方向に広くするとともに、輝度バランスの良い画面
が得られるようにし、さらに、前記光拡散板を、前記液
晶セルとその前面に配置された前面側偏光板との間に設
けることにより、前記光拡散板での外光の反射により表
示が見づらくなるのを防ぎ、また、前記光拡散板に、リ
タデーションをもたない透明材料もしくは一軸性の低リ
タデーションを有する透明材料からなるものを用いるこ
とにより、良好な品質の表示を得ることができるように
したものである。
【0021】この発明の液晶表示装置においては、前記
光拡散板として、一方の面が平坦面であり、他方の面
に、凸レンズ状の曲面をもった周面と平坦面からなる頂
面とを有する複数の微小な凸部が配列形成された構造の
ものを用い、この光拡散板を、前記凸部の形成面を前記
液晶セルの前面に対向させて配置するのが好ましい。
【0022】このような構成によれば、前記液晶セルを
透過して前記光拡散板に入射した光のうち、前記複数の
凸部の平坦面からなる頂面に入射した光が拡散すること
なく前方に出射し、前記複数の凸部の凸レンズ状の曲面
をもった周面に入射した光がほぼ全方向に拡散して前方
に出射するため、視野角がほぼ全方向に広く、しかも正
面輝度の高い表示を得ることができる。
【0023】前記複数の凸部を有する光拡散板は、例え
ば、前記凸部の底面形状が円形であり、互いに隣接する
複数の凸部が、それぞれの底面の周縁の一点において互
いに接している構成のものが好ましく、この光拡散板
は、底面の周縁の一点において互いに接する複数の凸部
により囲まれた領域に入射した光も拡散することなく前
方に出射するため、より正面輝度の高い表示を得ること
ができる。
【0024】また、前記複数の凸部を有する光拡散板
は、前記凸部の底面形状が正六角形であり、互いに隣接
する複数の凸部が、それぞれの底面の一辺において互い
に接している構成のものでもよく、この光拡散板は、隣
接する凸部同士が隙間なく連続しているため、全方向の
視野角をより広くすることができる。
【0025】
【実施例】図1〜図5はこの発明の一実施例を示してお
り、図1は液晶表示装置の側面図である。
【0026】この液晶表示装置は、TN型またはSTN
型のものであり、図1に示すように、液晶分子がツイス
ト配向した液晶層を有する液晶セル1と、この液晶セル
1をはさんでその前面と背面とに配置された前面側偏光
板2および背面側偏光板3とを備えている。
【0027】前記液晶セル1は、その構造は図示しない
が、枠状のシール材を介して接合された一対の透明基板
間の前記シール材で囲まれた領域に液晶層を設けたもの
であり、前記一対の基板の内面にはそれぞれ透明な電極
が設けられるともに、その上に配向膜が形成されてお
り、前記液晶層の液晶の分子は、前記配向膜によりそれ
ぞれの基板の近傍における配向方向を規制され、前記一
対の基板間において所定のツイスト角でツイスト配向し
ている。
【0028】なお、この液晶セル1は、例えば、一方の
基板の内面に、マトリックス状に配列する複数の画素電
極と、これらの画素電極にそれぞれ接続された複数のT
FT(薄膜トランジスタ)と、これらのTFTにゲート
信号およびデータ信号を供給するゲート配線およびデー
タ配線を設け、他方の基板の内面に一枚膜状の対向電極
を設けたアクティブマトリックス方式のものか、あるい
は、一方の基板の内面に行方向に沿う複数本走査電極を
互いに平行に設け、他方の基板の内面に列方向に沿う複
数本信号電極を互いに平行に設けた単純マトリックス方
式のものであり、両基板の電極が互いに対向する領域が
それぞれ画素領域となっている。
【0029】また、この液晶表示装置は、バックライト
4からの照明光を利用して表示する透過表示方式のもの
であり、前記バックライト4は、前記背面側偏光板3の
背後に配置されている。
【0030】図1に示したバックライト4は、一般にサ
イドランプ型と呼ばれるものであり、端面から光を取り
込んでその光を前面全体から出射するアクリル樹脂等か
らなる導光板5と、この導光板5の前記端面に対向させ
て配置された光源6とからなっている。なお、前記光源
6は、例えば、直管状の蛍光ランプ7と、この蛍光ラン
プ7からの放射光を前記導光板5の端面に向けて反射す
るリフレクタ8とにより構成されている。
【0031】そして、この液晶表示装置では、前記液晶
セル1と前記前面側偏光板2との間に、リタデーション
をもたない透明材料もしくは一軸性の低リタデーション
を有する透明材料からなり、前記液晶セル1の前面に出
射した光をほぼ全方向に拡散する光拡散板10を設けて
いる。
【0032】図2および図3は前記光拡散板10の一例
を示す一部分の斜視図およびその凸部形成面の平面図で
あり、この前記光拡散板10は、一方の面が平坦面であ
り、他方の面に、凸レンズ状の曲面をもった周面13a
と平坦面からなる頂面13bとを有する複数の微小な凸
部13が配列形成された構造をなしている。
【0033】なお、この実施例で用いた光拡散板10
は、フィルム状の第1の透明材層11と、片面に前記凸
部13を有する第2の透明材層12とからなる二層構造
のものであり、この光拡散板10は、前記凸部13の外
形に対応する形状の複数の凹部を配列形成した金型上
に、前記第1の透明材層11となる透明フィルムを平坦
な支持部材に支持させて配置し、この透明フィルムと前
記金型との間に、前記第2の透明材層12となる透明材
料を流し込んでそれを硬化させることにより製造するこ
とができる。
【0034】この製造方法は、全体の厚さが薄く、しか
も片面に前記微小な複数の凸部13が配列形成された複
雑な形状の光拡散板10を、歩留良くしかも安価に量産
する上で、有効な方法である。
【0035】前記第2の透明材層12となる透明材料
は、UV(紫外線)硬化性樹脂が好ましく、このUV硬
化性樹脂を用いることにより、その硬化をUV照射によ
り容易に行なうことができる。その場合は、前記第1の
透明材層11となる透明フィルムを支持する支持部材と
前記金型との少なくとも一方を透明材料で形成すればよ
い。
【0036】また、前記光拡散板10を構成する第1と
第2の透明材層11,12は、リタデーション(複屈折
性)をもたない透明材料もしくは一軸性の低リタデーシ
ョンを有する透明材料からなっている。
【0037】リタデーションをもたない透明材料として
は、例えばアクリル樹脂があり、また一軸性の低リタデ
ーションを有する透明材料としては、例えば偏光板のベ
ースフィルム等に用いられているTAC(トリアセチル
セルロース)等の透明樹脂がある。
【0038】前記第1と第2の透明材層11,12は、
その両方を、リタデーションをもたない透明材料(例え
ばアクリル樹脂)により形成しても、また両方を、一軸
性の低リタデーションを有する透明材料(例えばTA
C)により形成してもよく、さらに、第1と第2の透明
材層11,12のいずれか一方をリタデーションをもた
ない透明材料により形成し、他方を一軸性の低リタデー
ションを有する透明材料により形成してもよい。
【0039】ただし、前記第1と第2の透明材層11,
12のうち、少なくとも前記凸部13を配列形成した第
2の透明材層12は、できるだけリタデーションが小さ
く、また、前記液晶セル1の前面側基板および前面側偏
光板2のいずれに対しても高い光屈折率を有する透明材
料で形成するのがより望ましく、したがって、前記第2
の透明材層12の好ましい材料は、高屈折率でリタデー
ションをもたないアクリル樹脂である。
【0040】図4および図5は前記光拡散板10の1つ
の凸部13の拡大斜視図およびハッチングを省略した断
面図であり、この凸部13は、その底面の形状が円形
で、頂面13bが前記底面と同心円状でそれよりも径の
小さい円形面となっている。
【0041】この凸部13は、その底面の半径R1と、
頂面13bの半径R2と、底面から頂面13bまでの高
さHとが、R1−R2=Hの関係になるように設計され
ており、また、前記底面の直径(R1×2)は、前記液
晶セル1の1つの画素領域の縦幅および横幅よりも充分
小さく設定されている。
【0042】例えば、前記液晶セル1の1つの画素領域
の大きさが約100μm×約128μmである場合、前
記凸部13の底面の直径は、64μm程度が好ましく、
前記底面の直径を64μm(半径R1=32μm)とす
る場合は、前記凸部13の頂面13bの半径R2と、前
記底面から頂面13bまでの高さHとを、R2=約1
0.66μm、H=約21.33μmとすればよい。
【0043】また、前記凸部13の周面13aは、例え
ば、前記頂面13bの輪郭線を前記底面に投影した線上
を中心Oとする円弧状の断面形状を有する曲面であり、
この曲面13aの曲率半径rは、前記高さHと同じであ
る。
【0044】前記複数の凸部13は、図3に示したよう
に、互いに隣接する複数の凸部13、つまり3つずつの
凸部13が、それぞれの底面の周縁の一点において互い
に接するように配列形成されており、前記光拡散板10
の凸部形成面のうち、前記互いに接する3つの凸部13
により囲まれたほぼ三角形の領域14は、平坦面となっ
ている。
【0045】そして、前記光拡散板10は、図1に示し
たように、前記凸部13の形成面を前記液晶セル1の前
面に対向させ、反対側の平坦面を前記前面側偏光板2に
対向させて配置されている。
【0046】この液晶表示装置は、バックライト4から
の照明光を利用して表示するものであり、前記バックラ
イト4の光源6を点灯させると、この光源6からの照明
光が導光板5にその端面から取り込まれ、この導光板5
内を導かれてその前面全体から出射する。
【0047】このバックライト4からの照明光は、背面
側偏光板3の偏光作用により、その吸収軸に沿った振動
成分の光を吸収され、この偏光板3の透過軸に沿った直
線偏光となって液晶セル1に入射し、その液晶層を透過
する過程で印加電圧により変化する液晶分子の配向状態
に応じた複屈折作用により偏光状態を変え、この液晶セ
ル1の前面に出射する。
【0048】前記液晶セル1の前面に出射した光は、こ
の液晶セル1の前面に配置された光拡散板10により、
図1に破線矢印で示したようにほぼ全方向に拡散され、
この光拡散板10の前面に出射する。
【0049】そして、前記光拡散板10の前面に出射し
た光は、前面側偏光板2に入射し、この前面側偏光板2
の検光作用により、その吸収軸に沿った偏光成分の光を
吸収され、画像光となって前方に出射する。
【0050】すなわち、この液晶表示装置は、出射光を
前記光拡散板10により拡散するものであり、前記光拡
散板10は、前記液晶セル1の前面に出射した光をほぼ
全方向に拡散するため、この液晶表示装置によれば、視
野角をほぼ全方向に広くすることができるとともに、輝
度バランスの良い画面を得ることができる。
【0051】また、この実施例では、前記光拡散板10
として、一方の面が平坦面であり、他方の面に、凸レン
ズ状の曲面をもった周面13aと平坦面からなる頂面1
3bとを有する複数の微小な凸部13が配列形成された
構造のものを用い、この光拡散板10を、その凸部形成
面を前記液晶セル1の前面に対向させて配置しているた
め、視野角がほぼ全方向に広く、しかも正面輝度(正面
方向から観察される画面の輝度)の高い表示を得ること
ができる。
【0052】すなわち、[従来の技術]で説明した特殊
な散乱特性を有する選択散乱板を備えた液晶表示装置
は、一方向に沿った方向に出射する光のうちの前記選択
散乱板の法線方向に対して特定の角度範囲内の入射角で
入射した光が前記選択散乱板により散乱されるため、正
面輝度が低くなってしまう。
【0053】しかし、この実施例の液晶表示装置は、上
記のような構造の光拡散板10を、その凸部形成面を液
晶セル1の前面に対向させて配置しているため、図5に
前記液晶セル1を透過して前記光拡散板10に入射した
光の経路を破線矢印で示したように、その光のうちの前
記複数の凸部13の平坦面からなる頂面13bに入射し
た光が拡散することなく前方に出射し、前記複数の凸部
13の凸レンズ状の曲面をもった周面13aに入射した
光が、この周面13aにより屈折され、ほぼ全方向に拡
散して前方に出射する。
【0054】なお、前記凸部13の周面13aは、上述
したように、前記頂面13bの輪郭線を凸部13の底面
に投影した線上を中心Oとする円弧状の断面形状を有す
る曲面であるため、この周面13aに入射した光は、そ
の凸部13の中心から遠い領域に入射した光ほど大きく
屈折し、光拡散板10の法線に対して大きな出射角で出
射する。
【0055】そのため、この実施例の液晶表示装置によ
れば、視野角がほぼ全方向に広く、しかも正面輝度の高
い表示を得ることができる。なお、この実施例で用いた
光拡散板10は、前記凸部13の底面形状が円形であ
り、隣接する凸部13,13同士が、図3に示したよう
に、それぞれの底面の周縁の一点において互いに接して
いる構成のものであり、したがって、前記底面の周縁の
一点において互いに接する複数の凸部13により囲まれ
た領域14に入射した光も拡散することなく前方に出射
するため、より正面輝度の高い表示を得ることができ
る。
【0056】また、前記光拡散板10は、前記複数の凸
部13を、隣接するもの同士がそれぞれの底面の周縁の
一点において互いに接する状態で配列するとともに、こ
れらの凸部13の底面の直径(R1×2)を、前記液晶
セル1の1つの画素領域の縦幅および横幅よりも充分小
さく設定したものであり、したがって、前記液晶セル1
の全ての画素領域を透過した光がそれぞれ前記光拡散板
10の少なくとも1つの凸部13に入射し、そのうちの
前記凸部13の頂面13bに入射した光が拡散すること
なく前方に出射し、周面13aに入射した光がほぼ全方
向に拡散して前方に出射するため、画面に輝度むらを生
じることはない。
【0057】さらに、上記液晶表示装置は、前記光拡散
板10を、液晶セル1とこの液晶セルの前面に配置され
た前面側偏光板2との間に設けているため、液晶表示装
置にその前方から入射する外光(液晶表示装置の使用環
境の光)は、前記前面側偏光板2によりその吸収軸に沿
った振動成分の光を吸収され、光強度をほぼ半減して前
記光拡散板10に入射する。
【0058】そのため、前方から入射する外光が前記光
拡散板10により反射されても、その反射光の強度は弱
く、しかもその反射光が前記前面側偏光板2を透過し、
さらに強度を減じて前方に出射するため、前記光拡散板
10による外光の反射により表示が見づらくなることは
ない。
【0059】また、この液晶表示装置においては、バッ
クライト4から出射し、背面側偏光板3と液晶セル1と
を順に透過した光が、前記光拡散板10を経て前面側偏
光板2に入射し、この前面側偏光板2の検光作用により
画像光となって前方に出射するが、前記光拡散板10
は、リタデーションをもたない透明材料もしくは一軸性
の低リタデーションを有する透明材料からなっているた
め、この光拡散板10が表示特性に影響を及ぼすことは
ほとんどなく、したがって、良好な品質の表示を得るこ
とができる。
【0060】なお、前記光拡散板10に一軸性の低リタ
デーションを有する透明材料からなるものを用いる場合
は、この光拡散板10を、その光学軸の方向を前面側偏
光板2の透過軸または吸収軸とほぼ平行にして配置する
のが好ましく、このようにすることにより、前記光拡散
板10のリタデーションによる表示特性への影響をより
効果的に少なくすることができる。
【0061】図6および図7は前記光拡散板10の他の
例を示す一部分の斜視図およびその凸部形成面の平面図
であり、この前記光拡散板10も、一方の面が平坦面で
あり、他方の面に、凸レンズ状の曲面をもった周面13
aと平坦面からなる頂面13bとを有する複数の微小な
凸部13が配列形成された構造をなしている。
【0062】なお、この光拡散板10も、フィルム状の
第1の透明材層11と、片面に前記凸部13を有する第
2の透明材層12とからなる二層構造のものであり、前
記第1と第2の透明材層11,12は、リタデーション
をもたない透明材料(例えばアクリル樹脂)もしくは一
軸性の低リタデーションを有する透明材料(例えばTA
C)からなっている。
【0063】この光拡散板10は、前記凸部13の底面
形状が正六角形であり、互いに隣接する複数の凸部1
3、つまり3つずつの凸部13が、それぞれの底面の一
辺において互いに接している構成のものであり、互いに
隣接する凸部13,13同士が図7のように隙間なく連
続している。
【0064】前記凸部13は、その底面形状が正六角形
であるため、この凸部13の周面13aは、前記底面の
各辺に沿った領域をそれぞれ、その辺に沿って垂直に切
り落とした形状の曲面となっており、隣接する凸部1
3,13同士は、前記垂直な切り落とし面において互い
に接する形状に形成されている。
【0065】なお、この光拡散板10は、例えば、図2
および図3に示した光拡散板の製法と同様に、前記凸部
13の外形に対応する形状の複数の凹部を配列形成した
金型上に、前記第1の透明材層11となる透明フィルム
を平坦な支持部材に支持させて配置し、この透明フィル
ムと前記金型との間に、前記第2の透明材層12となる
透明材料を流し込んでそれを硬化させることにより製造
されたものであり、したがって、隣接する凸部13,1
3は、前記垂直な切り落とし面に相当する面(実際には
無い仮想面)において一体に連続している。
【0066】また、この光拡散板10の前記複数の凸部
13は、その正六角形状底面の対角線の長さが、上記液
晶セル1の1つの画素領域の縦幅および横幅よりも充分
小さく設定されている。
【0067】この光拡散板10は、前記凸部13の底面
形状が正六角形であり、互いに隣接する複数の凸部13
が、それぞれの底面の一辺において互いに接している構
成のものであり、隣接する凸部13,13同士が隙間な
く連続しているため、この光拡散板10を用いれば、全
方向の視野角をより広くすることができる。
【0068】なお、上記実施例で用いた光拡散板10
は、図2および図3に示したものも、図6および図7に
示したものも、フィルム状の第1の透明材層11と、片
面に前記凸部13を有する第2の透明材層12とからな
る二層構造のものであるが、この光拡散板10は、リタ
デーションをもたない透明材料(例えばアクリル樹脂)
もしくは一軸性の低リタデーションを有する透明材料
(例えばTAC)のいずれかからなる一層構造のもので
もよい。
【0069】また、上記実施例で用いた光拡散板10
は、一方の面が平坦面であり、他方の面に、凸レンズ状
の曲面をもった周面と平坦面からなる頂面とを有する複
数の微小な凸部が配列形成された構造のものであるが、
液晶セル1と前面側偏光板2との間に配置する光拡散板
は、上記実施例のものに限らず、リタデーションをもた
ない透明材料もしくは一軸性の低リタデーションを有す
る透明材料からなり、前記液晶セル1の前面に出射した
光をほぼ全方向に拡散する特性を有するものであればよ
い。
【0070】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、液晶セルを
はさんでその前面と背面とに前面側偏光板および背面側
偏光板が配置され、前記背面側偏光板の背後にバックラ
イトが配置されるとともに、前記液晶セルと前記前面側
偏光板との間に、リタデーションをもたない透明材料も
しくは一軸性の低リタデーションを有する透明材料から
なり、前記液晶セルの前面に出射した光を全方向にほぼ
同じ屈折率で拡散する光拡散板が設けられていることを
特徴とするものであり、この液晶表示装置によれば、視
野角をほぼ全方向に広くすることができるとともに、輝
度バランスの良い画面を得ることができる。
【0071】しかも、この液晶表示装置は、前記光拡散
板が、前記液晶セルとこの液晶セルの前面に配置された
前面側偏光板との間に設けられているため、前記光拡散
板による外光の反射により表示が見づらくなることはな
く、また、前記光拡散板がリタデーションをもたない透
明材料もしくは一軸性の低リタデーションを有する透明
材料からなっているため、この光拡散板が表示特性に影
響を及ぼすことはほとんどないから、良好な品質の表示
を得ることができる。
【0072】この発明の液晶表示装置においては、前記
光拡散板として、一方の面が平坦面であり、他方の面
に、凸レンズ状の曲面をもった周面と平坦面からなる頂
面とを有する複数の微小な凸部が配列形成された構造の
ものを用い、この光拡散板を、前記凸部の形成面を前記
液晶セルの前面に対向させて配置するのが好ましく、こ
のような構成によれば、視野角がほぼ全方向に広く、し
かも正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0073】前記複数の凸部を有する光拡散板は、例え
ば、前記凸部の底面形状が円形であり、互いに隣接する
複数の凸部が、それぞれの底面の周縁の一点において互
いに接している構成のものが好ましく、この光拡散板
は、底面の周縁の一点において互いに接する複数の凸部
により囲まれた領域に入射した光も拡散することなく前
方に出射するため、より正面輝度の高い表示を得ること
ができる。
【0074】また、前記複数の凸部を有する光拡散板
は、前記凸部の底面形状が正六角形であり、互いに隣接
する複数の凸部が、それぞれの底面の一辺において互い
に接している構成のものでもよく、この光拡散板は、隣
接する凸部同士が隙間なく連続しているため、全方向の
視野角をより広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示装置の側面
図。
【図2】実施例の液晶表示装置に用いた光拡散板の一例
を示す一部分の斜視図。
【図3】前記光拡散板の凸部形成面の一部分の平面図。
【図4】前記光拡散板の1つの凸部の拡大斜視図。
【図5】前記凸部のハッチングを省略した断面図。
【図6】実施例の液晶表示装置に用いた光拡散板の他の
例を示す一部分の斜視図。
【図7】前記光拡散板の凸部形成面の一部分の平面図。
【符号の説明】
1…液晶セル 2,2…偏光板 4…バックライト 10…光拡散板 13…凸部 13a…周面 13b…頂面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶セルをはさんでその前面と背面とに前
    面側偏光板および背面側偏光板が配置され、前記背面側
    偏光板の背後にバックライトが配置されるとともに、前
    記液晶セルと前記前面側偏光板との間に、リタデーショ
    ンをもたない透明材料もしくは一軸性の低リタデーショ
    ンを有する透明材料からなり、前記液晶セルの前面に出
    射した光をほぼ全方向に拡散する光拡散板が設けられて
    いることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】光拡散板は、一方の面が平坦面であり、他
    方の面に、凸レンズ状の曲面をもった周面と平坦面から
    なる頂面とを有する複数の微小な凸部が配列形成された
    構造をなしており、前記凸部の形成面を前記液晶セルの
    前面に対向させて配置されていることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】凸部の底面形状が円形であり、互いに隣接
    する複数の凸部が、それぞれの底面の周縁の一点におい
    て互いに接していることを特徴とする請求項2に記載の
    液晶表示装置。
  4. 【請求項4】凸部の底面形状が正六角形であり、互いに
    隣接する複数の凸部が、それぞれの底面の一辺において
    互いに接していることを特徴とする請求項2に記載の液
    晶表示装置。
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