JP2000349568A - 増幅装置 - Google Patents

増幅装置

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JP2000349568A
JP2000349568A JP11286413A JP28641399A JP2000349568A JP 2000349568 A JP2000349568 A JP 2000349568A JP 11286413 A JP11286413 A JP 11286413A JP 28641399 A JP28641399 A JP 28641399A JP 2000349568 A JP2000349568 A JP 2000349568A
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mosfet
electrode
transistor
current
source
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JP11286413A
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English (en)
Inventor
Katsumi Miyazaki
勝己 宮崎
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Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3217Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion in single ended push-pull amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/30Single-ended push-pull [SEPP] amplifiers; Phase-splitters therefor
    • H03F3/3001Single-ended push-pull [SEPP] amplifiers; Phase-splitters therefor with field-effect transistors
    • H03F3/3022CMOS common source output SEPP amplifiers
    • H03F3/3023CMOS common source output SEPP amplifiers with asymmetrical driving of the end stage
    • H03F3/3027CMOS common source output SEPP amplifiers with asymmetrical driving of the end stage using a common source driving stage, i.e. inverting stage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイナミックレンジの向上と、アイドリング
電流の制御の容易化とを、両立的に実現する。 【解決手段】 電流ソース動作を担うMOSFET1と電流シ
ンク動作を担うMOSFET2が、いずれも、nチャネル型で
ある。MOSFET3のゲート電極に入力される入力電圧Vin
は、抵抗素子6と抵抗素子7とで分圧されて、MOSFET2
のゲート電極へ入力される。MOSFET3のドレイン電極と
MOSFET1のゲート電極との間には、トランジスタ4が介
挿されている。定電流源8が供給する一定の電流Ib1
は、トランジスタ4と抵抗素子5とに分流する。トラン
ジスタ4のベース電極には、MOSFET3を三極管領域で動
作させるほどに低い一定の参照電圧Vaが入力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、増幅装置に関
し、特に、ダイナミックレンジの向上とアイドリング電
流の制御の容易化とを、両立的に実現するための改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】電力用の増幅装置は、二つのトランジス
タを組み合わせたプッシュ・プル(push-pull)型のAB
級の増幅装置として構成されることが多い。AB級の増
幅装置とは、出力電流を正電源線から負荷へと吐き出す
トランジスタと、負荷から負電源線へと吸い込むトラン
ジスタとを備え、出力電流の吐き出しと吸い込みとを、
双方のトランジスタを交互にオンさせることにより実現
するとともに、吐き出しと吸い込みの切り替わりにおい
て、双方のトランジスタを、幾分かオンさせる増幅装置
をいう。
【0003】したがって、AB級の増幅装置では、出力
電流がゼロであるときには、双方のトランジスタには、
一方から他方へと、少量のアイドリング電流が流れるの
みであるため、消費電流が節減されるという利点があ
る。さらに、双方が同時にオフすることがないので、い
わゆるクロスオーバ歪が抑制されるとともにに、スイッ
チング特性が向上するという利点が得られる。
【0004】MOSFETを用いた従来のAB級の増幅装置
は、nチャネル型のMOSFETのソースフォロワとpチャネ
ル型のMOSFETのソースフォロワとが組み合わされた形態
を成している。図28は、その一例を示す回路図であ
る。この装置150では、互いのソース電極が接続され
たnチャネル型のMOSFET161とpチャネル型のMOSFET
162とが、正電源線163と負電源線164との間
に、介挿されている。双方のソース電極の接続部には、
出力端子165が接続されている。
【0005】さらに、正電源線170と負電源線171
との間には、抵抗素子169、nチャネル型のMOSFET1
66、pチャネル型のMOSFET167、および、nチャネ
ル型のMOSFET168が、この順序で接続された直列回路
が、介挿されている。MOSFET166とMOSFET167の間
では、それぞれのドレイン電極が、互いに接続されてい
る。
【0006】また、MOSFET166のゲート電極とソース
電極とが互いに接続され、同様に、MOSFET167のゲー
ト電極とソース電極とが互いに接続されている。さら
に、抵抗素子169とMOSFET166のソース電極との接
続部は、MOSFET161のゲート電極に接続されており、
MOSFET168のドレイン電極とMOSFET167のソース電
極との接続部は、MOSFET162のゲート電極に接続され
ている。さらに、MOSFET168のゲート電極には、入力
端子172が接続されている。
【0007】入力電圧Vinとして、MOSFET168が十分
にオンするような電圧が付与されたときには、MOSFET1
66およびMOSFET167を通じて、抵抗素子169に、
大きな電流が流れる。それにより、抵抗素子169での
電圧降下が大きくなるために、MOSFET161およびMOSF
ET162のゲート電圧が下降する。その結果、MOSFET1
61はオフし、MOSFET162はオンする。それにより、
出力電流が、出力端子165を通じて負荷から負電源線
164へと吸い込まれる。
【0008】一方、入力電圧Vinとして、MOSFET168
が十分にオフするような電圧が付与されたときには、抵
抗素子169には、小さな電流しか流れない。そのた
め、抵抗素子169での電圧降下が小さくなるために、
MOSFET161およびMOSFET162のゲート電圧が上昇す
る。その結果、MOSFET161はオンし、MOSFET162は
オフする。それにより、出力電流が、出力端子165を
通じて正電源線163から負荷へと吐き出される。
【0009】このようにして、入力電圧Vinに応答し
て、出力電流の吐き出し(電流ソース)と吸い込み(電
流シンク)が行われる。MOSFET166およびMOSFET16
7は、MOSFET161のゲート電極とMOSFET162のゲー
ト電極との間に、電位差を生成する役割を果たしてい
る。電流シンクと電流ソースの切り替えが行われるとき
には、MOSFET166とMOSFET167とを流れる電流に比
例した電流が、アイドリング電流として、MOSFET161
からMOSFET164へと流れる。それによって、MOSFET1
61とMOSFET162とが同時にオフすることのない、A
B級の動作が実現する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、装置150
では、単一の半導体チップにIC(集積回路)として作
り込む上で、つぎのような問題点があった。ICにおい
ては、負電源線164と負電源線171とは、共通の接
地電源線として形成されることが通例となっている。こ
のため、出力電圧Voutが、MOSFET168が十分にオン
(フルオン)したときの、MOSFET168のソース・ドレ
イン間電圧と、MOSFET162のゲート・ソース間電圧と
を、負電源線164の負電源電位-Vccへ加算した値を超
えて、低い値となることができないという問題点があっ
た。
【0011】すなわち、出力電圧Voutのダイナミックレ
ンジが、正電源電位Vccと負電源電位-Vccの間の電位差
(電源電圧)に比べて、狭く制限されるという問題点が
あった。特に、出力電流の定格が大きい増幅装置では、
MOSFETが十分にオンするためのゲート・ソース間電圧が
高く、電源電圧が低いときには、消失したダイナミック
レンジの電源電圧に対する比率が、無視できない大きさ
となる。この問題は、ICが、電池を電源とする携帯性
の電子機器に用いられるときには、特に顕著なものとな
る。
【0012】この問題を解消することを狙いとして、正
電源線と負電源線との間に、直列接続された2個のnチ
ャネル型のMOSFETが介挿され、これら2個のMOSFETを別
個に制御する2個の前置増幅器と、2個のMOSFETが同時
にオンすることを防止するための別のMOSFETとを備え、
それによって、AB級の動作を実現する増幅装置も知ら
れている。しかしながら、この装置では、2個のMOSFET
のアイドリング電流の制御が容易ではなく、スイッチン
グ歪、および、貫通電流(過大なアイドリング電流)が
発生し易いという問題点があった。
【0013】この発明は、従来の装置における上記した
問題点を解消するためになされたもので、ダイナミック
レンジの向上と、アイドリング電流の制御の容易化と
を、両立的に実現する増幅装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、ド
レイン電極が第1電源線に接続された第1MOSFETと、前
記第1MOSFETと同一チャネル型で、ソース電極が第2電
源線に接続され、ドレイン電極が前記第1MOSFETのソー
ス電極に接続された第2MOSFETと、前記第1MOSFETと同
一チャネル型で、ソース電極が前記第2電源線に接続さ
れ、ゲート電極が前記第2MOSFETのゲート電極に接続さ
れた第3MOSFETと、前記第1MOSFETのゲート電極とソー
ス電極とに、一端と他端とがそれぞれ接続された第1抵
抗素子と、第1ないし第3電極を有し、前記第1電極が
前記第3MOSFETのドレイン電極に接続され、前記第2電
極が前記第1MOSFETの前記ゲート電極に接続され、前記
第1電極と前記第2電源線との間の電位差が、前記第3
電極と前記第2電源線との間に印加される電圧によって
定まり、前記第1電極を流れる電流に比例した電流が前
記第2電極を流れる制御回路と、前記第2電極に出力端
が接続された第1定電流源と、を備える。
【0015】第2の発明の装置は、ドレイン電極が第1
電源線に接続された第1MOSFETと、前記第1MOSFETと同
一チャネル型で、ソース電極が第2電源線に接続され、
ドレイン電極が前記第1MOSFETのソース電極に接続され
た第2MOSFETと、前記第1MOSFETと同一チャネル型で、
ソース電極が前記第2電源線に接続され、ゲート電極が
前記第2MOSFETのゲート電極に接続された第3MOSFET
と、前記第1MOSFETのゲート電極とソース電極に一端と
他端がそれぞれ接続された第1抵抗素子と、第1主電極
が前記第3MOSFETのドレイン電極に接続され、第2主電
極が前記第1MOSFETの前記ゲート電極に接続され、制御
電極と前記第1主電極との間の電位差によって前記第2
主電極を流れる電流が制御される第1トランジスタと、
前記第2主電極に出力端が接続された第1定電流源と、
を備える。
【0016】第3の発明の装置では、第2の発明の増幅
装置において、前記第1トランジスタが、バイポーラト
ランジスタである。
【0017】第4の発明の装置では、第2の発明の増幅
装置において、前記第1トランジスタが、前記第1ない
し第3MOSFETと同一チャネル型のMOSFETである。
【0018】第5の発明の装置は、第1ないし第4のい
ずれかの発明の増幅装置において、前記第2MOSFETの前
記ゲート電極と前記第3MOSFETの前記ゲート電極とに、
一端と他端とがそれぞれ接続された第2抵抗素子と、前
記第2MOSFETの前記ゲート電極と前記第2電源線に一端
と他端がそれぞれ接続された第3抵抗素子と、をさらに
備える。
【0019】第6の発明の装置は、第2ないし第5のい
ずれかの発明の増幅装置において、前記第1トランジス
タの前記制御電極と前記第1主電極との間の前記電位差
を補償する第1補償回路を、さらに備え、当該第1補償
回路は、前記第2電源線に対する一定の電圧を出力端に
出力する定電圧回路と、第1主電極が前記定電圧回路の
前記出力端に接続され、制御電極と第2主電極が前記第
1トランジスタの前記制御電極に接続された第2トラン
ジスタと、出力端が前記第2トランジスタの前記第2主
電極に接続された第2定電流源と、を備える。
【0020】第7の発明の装置は、第1ないし第6のい
ずれかの発明の増幅装置において、前記第1定電流源
が、第4抵抗素子と、前記第4抵抗素子を流れる電流に
比例した電流を、前記第1定電流源の前記出力端へ出力
する電流源と、を備える。
【0021】第8の発明の装置は、第1ないし第7のい
ずれかの発明の増幅装置において、前記第1ないし前記
第3MOSFETの閾電圧を補償する第2補償回路を、さらに
備え、当該第2補償回路は、前記第1ないし前記第3MO
SFETと同一チャネル型で、ソース電極が前記第2電源線
に接続された第4MOSFETと、前記第4MOSFETを流れる電
流に比例した電流で、前記第1抵抗素子を流れる電流を
減殺する第1電流制御回路と、を備える。
【0022】第9の発明の装置は、第1ないし第8のい
ずれかの発明の増幅装置において、前記第1MOSFETの電
流の電圧依存性を補償する第3補償回路を、さらに備
え、当該第3補償回路は、前記第1ないし前記第3MOSF
ETと同一チャネル型で、ドレイン電極が前記第1電源線
に接続された第5MOSFETと、前記第5MOSFETのソース電
極とゲート電極に一端と他端がそれぞれ接続された第5
抵抗素子と、前記第5抵抗素子へ一定の電流を供給する
第3定電流源と、前記第1MOSFETの前記ソース電極と前
記第2MOSFETの前記ドレイン電極との接続部の電位の変
化を前記第5MOSFETの前記ソース電極へ伝える帰還回路
と、前記第5MOSFETを流れる電流に比例した電流で、前
記第1抵抗素子を流れる電流を減殺する第2電流制御回
路と、を備える。
【0023】第10の発明の装置は、第1ないし第9の
いずれかの発明の増幅装置において、前記第3MOSFETの
前記ゲート電極に出力が接続された増幅器を、さらに備
える。
【0024】第11の発明の装置では、第10の発明の
増幅装置において、前記増幅器が、非反転入力と反転入
力とを有する差動増幅器であり、前記増幅装置が、前記
第1MOSFETの前記ソース電極と前記第2MOSFETの前記ド
レイン電極との接続部と、前記非反転入力とを接続する
負帰還ループを、さらに備える。
【0025】第12の発明の装置では、第1ないし第5
のいずれかの発明の増幅装置において、前記第1定電流
源が、前記第1MOSFETと同一チャネル型の第4MOSFET
と、前記第4MOSFETのゲート電極およびソース電極に、
それぞれ、一端および他端が接続された第4抵抗素子
と、前記第4MOSFETのドレイン電極に出力端が接続され
た第2定電流源と、前記第4MOSFETのゲート電極および
ドレイン電極に、それぞれ、第1主電極および制御電極
が接続された第2トランジスタと、前記第2トランジス
タを流れる主電流に比例した電流を前記第1定電流源の
前記出力端から出力するカレントミラー回路と、を備え
る。
【0026】第13の発明の装置では、第12の発明の
増幅装置において、前記第4抵抗素子が前記第1抵抗素
子とペアリングがとれており、前記第4MOSFETが前記第
1MOSFETとペアリングがとれている。
【0027】第14の発明の装置は、請求項2ないし請
求項5のいずれかに記載の増幅装置において、前記第1
トランジスタと同一導電型で、第1主電極に電圧の印加
が可能であり、制御電極と第2主電極が前記第1トラン
ジスタの前記制御電極に接続された第2トランジスタ
と、前記第1トランジスタの前記第2主電極に第1主電
極が接続され、前記第1定電流源の前記出力端に第2主
電極が接続されることによって、前記第1トランジスタ
と前記出力端との間に介挿された第3トランジスタと、
前記第3トランジスタと同一導電型で、第1主電極が前
記第2トランジスタの前記第2主電極へ接続され、制御
電極と第2主電極が前記第3トランジスタの前記制御電
極に接続された第4トランジスタと、出力端が前記第4
トランジスタの前記第2主電極に接続された第2定電流
源と、をさらに備える。
【0028】第15の発明の装置では、第14の発明の
増幅装置において、前記第2トランジスタが前記第1ト
ランジスタとペアリングがとれており、前記第4トラン
ジスタが前記第3トランジスタとペアリングがとれてい
る。
【0029】なお、本発明において、トランジスタの
「導電型」とは、バイポーラトランジスタに関しては、
pnp型およびnpn型のいずれであるかを表現し、MO
SFETに関しては、nチャネル型およびpチャネル型のい
ずれであるかを表現する。
【0030】
【発明の実施の形態】<1. 実施の形態1>はじめに、
この発明の実施の形態1について、説明する。
【0031】<1.1. 構成> 図1は、実施の形態1の
増幅装置の構成を示す回路図である。この装置101
は、MOSFETを用いたAB級の増幅器として構成されてい
る。装置101では、さらに、出力電流の吐き出し(電
流ソース)を担うMOSFET1と、出力電流の吸い込み(電
流シンク)を担うMOSFET2との双方が、nチャネル型の
MOSFETとして構成されている。
【0032】MOSFET1のドレイン電極は正電源線9に接
続されている。MOSFET2のソース電極は接地電源線11
に接続され、ドレイン電極はMOSFET1のソース電極に接
続されている。MOSFET1とMOSFET2の接続部には、出力
端子12が接続されている。MOSFET1のソース電極とゲ
ート電極には、それぞれ、抵抗素子5の一端と他端が接
続されている。
【0033】MOSFET3は、MOSFET1,2と同じくnチャ
ネル型のMOSFETであり、そのソース電極は接地電源線1
1に接続され、ゲート電極は抵抗素子6を介してMOSFET
2のゲート電極に接続されている。MOSFET3のゲート電
極には、さらに、入力端子14が接続されている。MOSF
ET2のゲート電極は、抵抗素子7を介して接地電源線1
1に接続されている。
【0034】トランジスタ4は、npn型のバイポーラ
トランジスタであり、そのエミッタ電極はMOSFET3のド
レイン電極に接続され、コレクタ電極はMOSFET1のゲー
ト電極に接続されている。トランジスタ4のベース電極
には、別の入力端子13が接続されている。トランジス
タ4のコレクタ電極とMOSFET1のゲート電極との接続部
には、定電流源8の出力端が接続されている。定電流源
8は、正電源線10にも接続されており、出力端から一
定の電流を出力する。
【0035】<1.2. 電流ソース動作と電流シンク動作
> このように構成された装置101は、つぎのように
動作する。装置101を動作させるときには、参照電圧
Vaとして一定の電圧が、入力端子13へ供給される。入
力電圧Vinとして、MOSFET3の閾電圧Vth3よりも低い電
圧が、入力端子13へ入力されると、MOSFET3はオフす
る。このとき、定電流源8が供給する電流Ib1の多く
が、抵抗素子5を流れる。抵抗素子5の抵抗R1は、電流
Ib1による電圧降下が、MOSFET1の閾電圧Vth1よりも十
分に大きくなるように設定される。このため、電流Ib1
が抵抗素子5を流れることによって、MOSFET1はオン
(導通)する。
【0036】MOSFET2のゲート電圧(ゲート・ソース間
電圧)は、入力電圧Vinを、抵抗素子6と抵抗素子7と
で分圧して得られる電圧に等しい。抵抗素子6,7の抵
抗は、入力電圧VinがMOSFET3の閾電圧Vth3よりも低い
ときに、MOSFET2のゲート電圧がMOSFET2の閾電圧Vth2
よりも低くなるように設定される。このため、MOSFET2
はオフ(遮断)する。
【0037】MOSFET1がオンし、MOSFET2がオフする結
果、MOSFET1を流れるソース電流である電流Is1のすべ
てが、出力電流として、出力端子12に接続される図示
しない負荷へ吐き出される。この電流ソース動作は、図
2のグラフにおいて、区間Aの動作に相当する。図2
は、出力電圧が図示するような正弦波となるように負帰
還制御による入力電圧Vinを与えた際の、電流Is1、電流
(MOSFET2のドレイン電流)Id2、および、出力電圧
(出力端子12の電圧)Voutの波形を示している。
【0038】入力電圧Vinとして、MOSFET3の閾電圧Vth
3よりも十分に高い電圧が、付与されると、MOSFET3は
オンする。このとき、定電流源8が供給する電流Ib1の
多くが、トランジスタ4を通じて、MOSFET3へ流れる。
このとき、抵抗素子5には電圧降下があまり発生しない
ので、MOSFET1はオフする。
【0039】抵抗素子6,7の抵抗は、入力電圧VinがM
OSFET3の閾電圧Vth3よりも十分に高いときに、MOSFET
2のゲート電圧がMOSFET2の閾電圧Vth2よりも高くなる
ように設定される。抵抗素子6,7の抵抗を、先の条件
とこの条件とを同時に満たすように設定することは可能
である。したがって、MOSFET2はオンする。
【0040】MOSFET1がオフし、MOSFET2がオンする結
果、MOSFET2を流れるドレイン電流である電流Id2とし
て、負荷から出力電流が吸い込まれる。電流Id2のすべ
ては、負荷から吸い込まれた出力電流である。この電流
シンク動作は、図2のグラフにおいて、区間Cの動作に
相当する。MOSFET2は、nチャネル型のMOSFETであるた
めに、オンしたときに、閾電圧Vth2およびMOSFET3のド
レイン・ソース間電圧による制限を受けることなく、図
2が例示するように、出力電圧Voutを低い値へと引き下
げることができる。このため、出力電圧Voutのダイナミ
ックレンジが広く確保される。
【0041】正電源線10の電位は、正電源線9の電位
よりも高く設定されるのが望ましい。それによって、出
力電圧Voutを正電源線9の電位の付近まで引き上げるこ
とが可能となり、それによって、出力電圧Voutのダイナ
ミックレンジを、さらに広げることができる。しかしな
がら、正電源線10と正電源線9とを共通化すること
も、可能である。
【0042】<1.3. アイドリング動作> つぎに、電
流ソースと電流シンクの切り替え(シンクソース切り替
え)が行われる際の動作、すなわち、アイドリング動作
について説明する。アイドリング動作とは、シンクソー
ス切り替えの際に、電流ソースを担うMOSFET1と電流シ
ンクを担うMOSFET2とが、同時にオフしないようにし、
アイドリング電流として、少量の電流が一方から他方へ
と流れるようにした動作をいう。アイドリング動作によ
って、スイッチング歪、および、クロスオーバ歪が抑制
される。このアイドリング動作は、図2のグラフにおい
て、区間Bおよび区間Dの動作に相当する。
【0043】電流Is1と入力電圧Vinの関係は、次の数式
1:
【0044】
【数1】
【0045】で与えられる。また、抵抗素子6と抵抗素
子7とで定まる分圧比Kを用いると、電流Id2は、次の数
式2:
【0046】
【数2】
【0047】で与えられる。分圧比Kは、0<K<1の範
囲にある。
【0048】図3は、数式1が表す電流Is1と入力電圧V
inとの関係、および、数式2が表す電流Id2と入力電圧V
inとの関係を示すグラフである。MOSFET1から出力端子
12へと流れる電流には、電流Is1の他に、抵抗素子5
を流れる電流が含まれるが、この電流は電流Is1に比べ
て無視できるほどに小さくすることが可能である。した
がって、図3に描かれる電流Is1は、実質上、MOSFET1
から出力端子12へと流れる電流に相当する。
【0049】図3が示すように、電流Is1は、入力電圧V
inのある範囲Eにおいて、入力電圧Vinの増加とともに
減少し、他方の電流Id2は、入力電圧Vinのある範囲Fに
おいて、入力電圧Vinの増加とともに増加する。したが
って、範囲Eと範囲Fが交差する領域において、Is1=I
d2となる入力電圧Vinが、ただ一つ存在する。Is1=Id2
となる入力電圧Vinが存在するように、閾電圧Vth1〜Vth
3、抵抗R1、および、分圧比Kなどの諸パラメータを合わ
せ込むことは、可能である。
【0050】Is1=Id2となる電流Is1および電流Id2が、
アイドリング電流IIdに相当する。アイドリング電流IId
の大きさ、すなわち、Is1=Id2となる電流Is1および電
流Id2の大きさは、上記した諸パラメータを通じて、幅
広い所望の値に設定することが可能である。すなわち、
装置101は、広いダイナミックレンジと、アイドリン
グ電流IIdの制御の容易化とを、両立的に実現する。
【0051】<1.4. 望ましい使用条件> 参照電圧Va
は、MOSFET3が三極管領域(リニア領域)で動作するよ
うに付与されるのが望ましい。図4は、MOSFET3の出力
特性、すなわち、ドレイン電流である電流Id3と、ドレ
インソース間電圧である電圧VDとの関係を、模式的に示
すグラフである。図4が示すように、MOSFET3の動作領
域は、電圧VDの増加にともなって電流Id3が増加する電
圧VDの低い領域である三極管領域と、電圧VDにあまり依
存しない電圧VDの高い領域である五極管領域(飽和領
域)とに分けられる。
【0052】MOSFET3の動作が三極管領域にあるときに
は、MOSFET3のドレイン電流である電流Id3は、MOSFET
3のドレイン・ソース間電圧である電圧VDを用いて、次
の数式3:
【0053】
【数3】
【0054】で与えられる。電圧VDは、参照電圧Vaから
トランジスタ4のベース・エミッタ間電圧(閾電圧)Vb
eだけ低い値となるが、ベース・エミッタ間電圧Vbeは、
電流Id3にはほとんど依存しない。したがって、参照電
圧Vaを一定の低い値に保つことによって、電圧VDを、MO
SFET3が三極管領域で動作する一定の低い値に保持する
ことができる。それによって、数式3が示すように、電
流Id3と入力電圧Vinとの関係を、一次の関係とすること
ができる。
【0055】電流Id3と入力電圧Vinとが、一次の関係に
あるときには、数式1と数式3から、電流Is1は、入力
電圧Vinの二次関数で表現される。一方、数式2が示す
ように、電流Id2と入力電圧Vinの関係は、二次関数で表
現される。すなわち、参照電圧Vaをある範囲の低い値に
保持することによって、電流Is1と電流Id2の双方を、入
力電圧Vinの二次関数へと揃えることができる。
【0056】言い換えると、入力電圧Vinと電流Is1との
間の伝達コンダクタンス(入力電圧の変化に対する出力
電流の変化の比率)を、入力電圧Vinと電流Id2との間の
伝達コンダクタンスとを、近似した値とすることがで
き、それによって、電流ソース動作と電流シンク動作の
間の対称性を高めることが可能となる。
【0057】<1.5. 変形例> 装置101では、MOSFE
T1,2,3がnチャネル型であって、トランジスタ4
がnpn型であったが、装置101に対して相補的な回
路を構成することも可能である。すなわち、MOSFET1,
2,3をpチャネル型とし、トランジスタ4をpnp型
とし、電源線の電位を逆転させた回路を構成することも
可能である。しかしながら、pチャネル型のMOSFETで
は、キャリアがホールであるために、電子をキャリアと
するnチャネル型のMOSFETに比べて応答性が低いことは
周知である。
【0058】従来装置150では、nチャネル型のMOSF
ETとpチャネル型のMOSFETの双方が混載されているため
に、pチャネル型のMOSFETによって、必然的に応答性が
制約されるという問題点があった。これに対して、すべ
てのMOSFETに対してnチャネル型のMOSFETを採用した装
置101では、応答性に優れるという利点が得られる。
【0059】また、図5が示すように、トランジスタ4
の代わりに、nチャネル型のMOSFET15を用いることも
可能である。この装置102においても、参照電圧Vaと
して、十分に低い電圧を付与することにより、MOSFET3
を三極管領域で動作させることが可能である。MOSFET1
5の閾電圧Vth4は、トランジスタ4のベース・エミッタ
間電圧Vbeと同様に、電流Id3にはあまり依存しない。
【0060】装置102では、すべてのトランジスタが
MOSFETで構成されるので、製造工程が簡素化され、製造
コストを低廉化することができるという利点がある。一
方、MOSFETの閾電圧Vthに比べて、ベース・エミッタ間
電圧Vbeは、製造誤差を抑えることが容易であるため
に、装置101では、製品の間での特性の均一化が容易
であるという利点が得られる。
【0061】さらに、図6が示す装置103のように、
トランジスタ4あるいはMOSFET15に限らず、一般に、
それらと等価的な機能を果たす制御回路16を用いるこ
とが可能である。制御回路16の第1電極E1は、MOSFET
3ドレイン電極に接続され、第2電極E2は、MOSFET1の
ゲート電極に接続されている。電圧源17は、第1電極
E1と接地電源線11との間の電圧を、第3電極E3に付与
される参照電圧Vaによって定まる高さに保持する。ま
た、電流源18は、第1電極E1を流れる電流Id3に比例
(一致を含む)した電流を、第2電極E2に流す。トラン
ジスタ4およびMOSFET15は、制御回路16の最も簡素
な回路例に相当する。
【0062】また、図7が示すように、抵抗素子6およ
び抵抗素子7を除去し、MOSFET2のゲート電極とMOSFET
3のゲート電極とを直接に接続してもよい。この装置1
04においても、閾電圧Vth1,Vth2,Vth3、および、抵抗
R1などの諸パラメータを合わせ込むことによって、所望
の大きさのアイドリング電流IIdを実現することが可能
である。
【0063】装置104では、入力端子14と接地電源
線11とを接続する抵抗素子が存在しないので、入力イ
ンピーダンスが高いとという利点が得られる。一方、抵
抗素子6,7を備える装置101では、装置の製造工程
の最終段階で、抵抗素子6,7の抵抗を微調整すること
ができ、それによって、アイドリング電流IIdの微調整
が行い易いという利点がある。
【0064】<2. 実施の形態2>図8は、実施の形態
2の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置10
5は、トランジスタ4のベース・エミッタ間電圧Vbeを
補償し、それによって電圧VDを安定させる補償回路20
1を、さらに備えている点において、装置101(図
1)とは特徴的に異なっている。補償回路201は、ト
ランジスタ21,22,26、抵抗素子23,24、カ
レントミラー回路25、入力端子29、および、定電流
源27を備えている。
【0065】トランジスタ21,22,26は、いずれ
もnpn型のバイポーラトランジスタであり、トランジ
スタ21は、トランジスタ4とペアリングがとれてお
り、トランジスタ22とトランジスタ26は、互いにペ
アリングがとれている。また、抵抗素子23と抵抗素子
24も、互いにペアリングがとれている。同一種類の複
数の素子の間で、「ペアリングがとれている」とは、そ
れらの素子の特性に関して、製造誤差、温度変化にとも
なう変動(温度特性)等が、同等であることを意味す
る。同一の半導体基板の中の互いに近接した部位に、そ
れらの素子を作り込むことで、ペアリングをとることが
可能である。
【0066】トランジスタ21のベース電極は、トラン
ジスタ4のベース電極に接続されている。また、トラン
ジスタ21のコレクタ電極とベース電極は、互いに接続
されるとともに、さらに、カレントミラー回路25に接
続されている。また、トランジスタ21のエミッタ電極
は、抵抗素子23を通じて接地電源線11へ接続されて
いる。トランジスタ22のコレクタ電極はカレントミラ
ー回路25に接続され、トランジスタ22のエミッタ電
極は抵抗素子24を通じて接地電源線11に接続されて
いる。
【0067】トランジスタ26のベース電極はトランジ
スタ22のベース電極に接続されている。また、トラン
ジスタ26のコレクタ電極とベース電極は、互いに接続
されるとともに、さらに、定電流源27の出力端に接続
されている。トランジスタ26のエミッタ電極は、入力
端子29に接続されている。定電流源27は、正電源線
28にも接続されており、出力端から一定の電流を出力
する。正電源線28は、正電源線10と共通であっても
よい。入力端子29には、一定高さの参照電圧Vrefが入
力される。
【0068】入力端子29へ付与された参照電圧Vref
は、トランジスタ22のエミッタ電極の電圧へ反映され
る。そして、この電圧は、さらに、カレントミラー回路
25を通じて、トランジスタ21のエミッタ電極の電位
に反映される。したがって、トランジスタ4のベース・
エミッタ間電圧Vbeが、トランジスタ21のベース・エ
ミッタ間電圧Vbe1によって補償される。
【0069】すなわち、温度変化等によって、トランジ
スタ4のベース・エミッタ間電圧Vbeが変化しても、そ
の変化は、同等に変化するベース・エミッタ間電圧Vbe1
によって補償され、電圧VDには影響しない。すなわち、
温度変化等の影響を抑制して、電圧VDを参照電圧Vrefで
定まる値へと安定的に保持することができる。
【0070】ベース・エミッタ間電圧Vbeの変動の影響
を抑制するための補償回路として、補償回路201に例
示した形態以外に、一般に「レベルシフト回路」として
知られる様々な形態が採り得る。図9は、補償回路の一
般的形態を示す回路図である。この補償回路202は、
定電圧回路30、トランジスタ21、および、定電流源
31を備えている。トランジスタ21は、トランジスタ
4とペアリングがとれており、その導電形式はトランジ
スタ4と同一である。
【0071】定電圧回路30は、接地電源線11に対し
て一定の電圧を出力端に出力する。トランジスタ21の
エミッタ電極は、定電圧回路30の出力端に接続され、
ベース電極は、トランジスタ4のベース電極に接続され
ている。トランジスタ21のコレクタ電極は、トランジ
スタ21のベース電極と、定電流源31の出力端に接続
されている。したがって、電圧VDは、定電圧回路30が
出力する一定電圧Vrefに保持される。
【0072】<3. 実施の形態3>図10は、実施の形
態3の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
06は、定電流源8が、抵抗素子5の抵抗R1の変動を補
償し、それによってMOSFET1のゲート・ソース間電圧Vg
s1を安定させるように構成されている点において、装置
101(図1)とは特徴的に異なっている。定電流源8
の代わりを果たす定電流源203は、トランジスタ4
1,42,45,47、抵抗素子、43,44,46、
定電流源48、および、入力端子50を備えている。
【0073】トランジスタ41とトランジスタ42は、
いずれも、pnp型のバイポーラトランジスタであり、
互いにペアリングがとれている。また、抵抗素子43と
抵抗素子44も、互いにペアリングがとれている。さら
に、トランジスタ45とトランジスタ47は、いずれ
も、npn型のバイポーラトランジスタであり、互いに
ペアリングがとれている。また、抵抗素子46は、抵抗
素子5とペアリングがとれている。
【0074】トランジスタ41のコレクタ電極は、定電
流源203の出力端として、トランジスタ4のコレクタ
電極に接続されている。トランジスタ41のエミッタ電
極は、抵抗素子43を通じて正電源線10へ接続されて
いる。また、トランジスタ41のベース電極は、トラン
ジスタ42のベース電極に接続されている。トランジス
タ42のエミッタ電極は、抵抗素子44を通じて正電源
線10に接続されている。また、トランジスタ42のベ
ース電極とコレクタ電極は、互いに接続されるととも
に、さらに、トランジスタ45のコレクタ電極に接続さ
れている。
【0075】トランジスタ45のエミッタ電極は、抵抗
素子46を通じて、接地電源線11に接続されている。
また、トランジスタ45のベース電極は、トランジスタ
47のベース電極に接続されている。トランジスタ47
のベース電極とコレクタ電極は、互いに接続されるとと
もに、さらに、定電流源48の出力端に接続されてい
る。また、トランジスタ47のエミッタ電極は、入力端
子50に接続されている。入力端子50には、一定高さ
の参照電圧Vrefが入力される。定電流源48は、正電源
線49にも接続されており、出力端から一定の電流を出
力する。正電源線49は、正電源線10と共通であって
もよい。
【0076】入力端子50へ付与される参照電圧Vref
は、トランジスタ45のエミッタ電極の電圧へ反映され
る。その結果、抵抗R0の抵抗素子46には、Vref/R0の
大きさの電流が流れる。したがって、トランジスタ4
1,42および抵抗素子43,44を有するカレントミ
ラー回路の電流利得が1であるとすれば、Ib1=Vref/R
0の大きさの電流Ib1が、定電流源203から出力され
る。
【0077】電流Ib1のすべてが抵抗素子5へ流れ込む
ときには、ゲート・ソース間電圧Vgs1は、Vgs1=(R1/R
0)・Vrefとなる。抵抗素子5と抵抗素子46とは、互
いにペアリングがとれているので、それらの抵抗の比率
R1/R0は、温度等に依存しない一定となる。したがっ
て、ゲート・ソース間電圧Vgs1は、抵抗素子5の温度変
化等の影響を抑えて、一定に保持される。
【0078】MOSFET1,2をアイドリング電流IIdが流
れるときには、電流Ib1のすべてが抵抗素子5へ流れ込
むわけではなく、その一定割合のみが抵抗素子5へ流れ
る。その比率におうじて、アイドリング電流IIdへの抵
抗R1の変動の影響が抑制される。
【0079】抵抗R1の変動の影響を抑制する定電流源と
して、図10に示した定電流源203以外に様々な形態
が採り得る。図11〜図13は、その例を示す回路図で
ある。図11の定電流源204では、トランジスタ4
1,42および抵抗素子43,44が、一般的なカレン
トミラー回路51へ置き換えられている。
【0080】図12の定電流源205では、定電流源2
04(図11)に、トランジスタ52が付加されてい
る。トランジスタ52は、npn型のバイポーラトラン
ジスタであり、そのベース電極とエミッタ電極は、それ
ぞれ、トランジスタ47のコレクタ電極とベース電極と
に接続されている。また、トランジスタ52のコレクタ
電極は、正電源線53に接続されている。正電源線53
は、正電源線49と共通であってもよい。
【0081】図13の定電流源206は、定電流源20
3(図10)のトランジスタ47および定電流源48の
代わりに、増幅器61が備わっている。増幅器61の反
転入力に入力端子50が接続され、非反転入力にはトラ
ンジスタ42のコレクタ電極が接続されることにより、
負のフィードバックループが形成されている。したがっ
て、入力端子50へ付与された参照電圧Vrefが、トラン
ジスタ42のコレクタ電極の電圧に反映される。その結
果、抵抗素子46には、Vref/R0の大きさの電流が流れ
る。
【0082】図14は、図10〜図13に例示された定
電流源を含めて、抵抗R1の変動を補償する定電流源の一
般的形態を示す回路図である。この定電流源207は、
抵抗素子5とペアリングのとれた抵抗素子46と、電流
源83とを備えている。抵抗素子46の一端には、入力
端子50を通じて参照電圧Vrefが印加される。電流源8
3は、抵抗素子46を流れる電流I0に比例(一致を含
む)した電流を、電流Ib1として出力する。したがっ
て、電流Ib1のすべてが抵抗素子5を流れるときには、
ゲート・ソース間電圧Vgs1は、(R1/R0)・Vrefに比例す
る。
【0083】<4. 実施の形態4>図15は、実施の形
態4の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
07は、MOSFET1,2,3の閾電圧を補償し、それによ
ってアイドリング電流IIdを安定させる補償回路208
を、さらに備えている点において、装置101(図1)
とは特徴的に異なっている。補償回路208は、バイポ
ーラ型のトランジスタ70,78,79,80、nチャ
ネル型のMOSFET75、抵抗素子71,76,77、定電
流源72、および、入力端子82,83を備えている。
【0084】この装置107では、装置101のMOSFET
1,2,3、および、補償回路208のMOSFET75は、
互いにペアリングがとれている。トランジスタ70,7
8は、npn型であり、トランジスタ79,80は、互
いにペアリングのとれたpnp型である。
【0085】トランジスタ70のベース電極は入力端子
13を通じてトランジスタ4のベース電極に接続されて
いる。また、トランジスタ70のエミッタ電極は、抵抗
素子71を通じて接地電源線11に接続されている。さ
らに、トランジスタ70のベース電極とコレクタ電極
は、互いに接続されるとともに、定電流源72の出力端
に接続されている。定電流源72は、正電源線73にも
接続され、一定の電流を出力端へ出力する。
【0086】トランジスタ80のコレクタ電極は、トラ
ンジスタ70のエミッタ電極に接続されている。また、
トランジスタ80とトランジスタ79のエミッタ電極
は、ともに、正電源線81に接続されている。さらに、
トランジスタ79のベース電極とコレクタ電極は、互い
に接続されるとともに、トランジスタ80のベース電極
とトランジスタ78のコレクタ電極に接続されている。
【0087】トランジスタ78のエミッタ電極は、MOSF
ET75のドレイン電極に接続されている。トランジスタ
78のベース電極には、入力端子82が接続されてい
る。MOSFET75のソース電極は、接地電源線11に接続
されている。また、MOSFET75のゲート電極は、直列に
接続された抵抗素子76と抵抗素子77の接続部に接続
されている。また、抵抗素子77の他端には入力端子8
3が接続され、抵抗素子76の他端は接地電源線11に
接続されている。入力端子82には、一定の参照電圧Va
1が入力され、入力端子83には、別の一定の参照電圧V
ref1が入力される。
【0088】補償回路210がない図1の装置101で
は、MOSFET1,2,3の閾電圧が温度変化の影響などに
よって変動すると、それにともなって、アイドリング電
流IIdが変動する。例えば、これらの閾電圧が低くなる
と、アイドリング電流IIdは増加する。補償回路210
は、アイドリング電流IIdへの閾電圧の変動の影響を抑
制する。
【0089】数式1,3は、MOSFET3のドレイン電流で
ある電流Id3が増加すると、アイドリング電流IIdが減少
することを示している。補償回路210は、この関係を
利用しており、閾電圧が低下すると電流Id3を増加させ
るように働く。例えばMOSFET1,2,3の閾電圧が低下
すると、同じくMOSFET75の閾電圧も低下する。MOSFET
75のゲート電極には参照電圧Vref1を抵抗素子76,
77で分圧して得られる一定の電圧が印加されているの
で、MOSFET75の閾電圧が低下すると、MOSFET75を流
れるドレイン電流は増加する。
【0090】その結果、トランジスタ79,80を有す
るカレントミラー回路によって、トランジスタ80を流
れるコレクタ電流である電流I1が増加する。電流I1が増
加すると、抵抗素子71を流れる電流が増加するので、
トランジスタ70のエミッタ電極の電圧が上昇する。そ
の結果、電圧VDが上昇する。電圧VDの上昇は、数式3が
示すように、電流Id3の増加をもたらす。したがって、
アイドリング電流IIdが減少する。
【0091】逆に、MOSFET1,2,3の閾電圧が上昇す
るときには、電圧VDが低下し、電流Id3が減少する。こ
のようにして、MOSFET1,2,3の閾電圧の変化の影響
が抑制され、アイドリング電流IIdが安定化される。
【0092】また、補償回路208では、回路部分20
9が、実施の形態2の補償回路202と同等に構成され
ている。このため、補償回路208は、実施の形態2と
同様に、トランジスタ4のベース・エミッタ間電圧Vbe
を補償する効果も、同時に発揮する。
【0093】参照電圧Va1として、MOSFET75が三極管
領域で動作するような電圧が付与されるのが望ましい。
このとき、MOSFET75の閾電圧の変化は、一次の関係を
もって、MOSFET3の電圧VDの変化へ反映される。数式3
が示すように、電流Id3は、MOSFET3の閾電圧Vth3と電
圧VDの双方に対して、第1近似においては、一次の関係
を持つので、MOSFET75の閾電圧に対して、電圧VDが一
次の関係を持つときには、特に効果的に、閾電圧の影響
を減殺することができる。
【0094】閾電圧の変動の影響を抑制する補償回路と
して、図15に示した補償回路208以外に様々な形態
が採り得る。一例として、補償回路210の回路部分2
10を、図16の回路部分211へと置き換えることが
可能である。回路部分211は、MOSFET75、入力端子
82、および、カレントミラー回路86を備えている。
【0095】参照電圧Vref1が入力される入力端子82
には、MOSFET75のゲート電極が接続されている。MOSF
ET75のソース電極は接地電源線11に接続され、ドレ
イン電極は、カレントミラー回路86に接続されてい
る。そして、カレントミラー回路86の出力電流が、電
流I1として、抵抗素子71(図15)へ供給される。回
路部分211においても、図15の回路部分210と同
様に、MOSFET75の閾電圧が低下すると、電流I1が増加
する。
【0096】図17は、閾電圧の変動の影響を抑制する
補償回路に関して、さらに別の例を示す回路図である。
図17が示す補償回路212は、MOSFET75と、そのゲ
ート電極に接続された入力端子82とを備えている。MO
SFET75のソース電極は接地電源線11に接続され、ド
レイン電極はトランジスタ4のコレクタ電極に接続され
ている。入力端子83には、一定の参照電圧Vref1が付
与される。
【0097】MOSFET75の閾電圧が低下すると、そのド
レイン電流が増加する。したがって、電流Ib1の中で、M
OSFET75へと分流する成分が増加する。その結果、抵
抗素子5へ流れる電流Ib1の成分が減少するので、アイ
ドリング電流IIdが減少する。すなわち、補償回路20
8(図15)では、電流Id3を増加させることで、抵抗
素子5に流れる電流を減少させ、それによって、アイド
リング電流IIdを減少させるのに対して、補償回路21
2では、電流Ib1を減らすことによって、抵抗素子5に
流れる電流を減少させる。いずれの補償回路も、MOSFET
75の閾電圧の変化を、抵抗素子5を流れる電流の変化
へと反映させる点では、共通している。
【0098】図18は、図15〜図17に例示された補
償回路を含めて、MOSFET1,2,3の閾電圧の変化を補
償する補償回路の一般的形態を示す回路図である。この
補償回路213は、MOSFET75、入力端子83、およ
び、電流制御回路88を備えている。MOSFET75は、上
記の通り、MOSFET1,2,3とペアリングがとれてお
り、そのチャネル形式は、MOSFET1,2,3と同一であ
る。
【0099】MOSFET75のソース電極は接地電源線11
に接続され、ゲート電極は入力端子83に接続されてい
る。入力端子83には、一定の参照電圧Vref1が印加さ
れる。電流制御回路88は、MOSFET75のドレイン電流
の変化分ΔIに比例(一致を含む)した電流で、抵抗素
子5を流れる電流を減殺する。MOSFET75の閾電圧が低
下すると、変化分ΔIは、増加する。それにともなっ
て、抵抗素子5を流れる電流が減少する。
【0100】<5. 実施の形態5>図19は、実施の形
態5の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
10は、MOSFET1のドレイン電流のドレイン・ソース間
電圧への依存性を補償し、それによって、アイドリング
電流IIdの出力電圧Voutへの依存性を抑制する補償回路
214を、さらに備えている点において、装置101
(図1)とは特徴的に異なっている。
【0101】補償回路214がない図1の装置101で
は、アイドリング電流IIdが出力電圧Voutに依存して変
化する。この現象は、MOSFET1のドレイン・ソース間電
圧Vds1が変化すると、それに依存して数式3の係数βが
変動するという、五極管領域におけるドレイン電流のド
レイン・ソース間電圧依存性に由来する。
【0102】例えば、出力電圧Voutが上昇すると、ドレ
イン・ソース間電圧Vds1は低下するが、このとき、ドレ
イン電流のドレイン・ソース間電圧依存性によって、係
数βが減少する。その結果、数式1から明らかなよう
に、アイドリング電流IIdが減少する。出力電圧Voutが
下降すると、アイドリング電流IIdは、増加する。ドレ
イン電流のドレイン・ソース間電圧依存性によるアイド
リング電流IIdの変動は、無負荷に近い条件の下で、装
置101を用いたときに、特に顕著に現れる。
【0103】補償回路214は、バイポーラ型のトラン
ジスタ90,91,92、nチャネル型のMOSFET93、
抵抗素子96、および、定電流源95,97を備えてい
る。トランジスタ90,91はnpn型であり、トラン
ジスタ92はpnp型である。MOSFET93は、MOSFET1
とペアリングがとれており、抵抗素子96は、抵抗素子
5とペアリングがとれている。また、定電流源95,9
7は、いずれも、定電流源8とペアリングがとれてい
る。
【0104】トランジスタ90,91のエミッタ電極
は、いずれも、接地電源線11に接続されており、それ
らのベース電極は、互いに接続されている。トランジス
タ90のコレクタ電極は、トランジスタ4のコレクタ電
極に接続されている。また、トランジスタ91のベース
電極とコレクタ電極は、互いに接続されるとともに、ト
ランジスタ92のコレクタ電極に接続されている。トラ
ンジスタ92のベース電極は、MOSFET1のソース電極と
MOSFET2のドレイン電極との接続部に接続されている。
さらに、トランジスタ92のエミッタ電極は、MOSFET9
3のソース電極に接続されている。
【0105】MOSFET93のドレイン電極は、正電源線9
に接続されている。MOSFET93のゲート電極とソース電
極には、抵抗素子96の一端と他端とが、それぞれ接続
されている。また、抵抗素子96の一端には、定電流源
97の出力端が接続され、抵抗素子96の他端には、定
電流源95の出力端が接続されている。定電流源97は
正電源線98にも接続され、その出力端に一定の(正
の)電流を出力する。同様に、定電流源95は接地電源
線11にも接続され、その出力端に、定電流源97と同
じ大きさの一定の(負の)電流を出力する。正電源線9
8は、正電源線10と共通であるのが望ましい。
【0106】抵抗素子96には、定電流源95,97に
よって、一定の電流が供給されている。出力電圧Voutが
上昇すると、その上昇は、トランジスタ92を通じて、
MOSFET93のソース電極の電圧へ反映される。すなわ
ち、トランジスタ92は、帰還回路として機能する。MO
SFET93のソース電極の電圧が上昇すると、MOSFET93
のドレイン・ソース間電圧Vds0が低下する。それにとも
ない、MOSFET93の係数βが、ドレイン電流のドレイン
・ソース間電圧依存性によって低下する。
【0107】その結果、MOSFET93のドレイン電流が減
少する。トランジスタ90,91を有するカレントミラ
ー回路の働きにより、トランジスタ90には、MOSFET9
3のドレイン電流に比例したコレクタ電流が流れる。ト
ランジスタ90のコレクタ電流は、定電流源8が供給す
る電流Ib1から分流した成分である。したがって、MOSFE
T93のドレイン電流が減少すると、定電流源8が供給
する電流Ib1の中で抵抗素子5へ分流する成分が増加す
る。
【0108】その結果、MOSFET1のゲート・ソース間電
圧Vgs1が上昇する。ゲート・ソース間電圧Vgs1の増加
は、MOSFET1を流れる電流Is1を増加させ、それによっ
て、係数βの減少による電流Is1の減少を減殺する。出
力電圧Voutが下降するときには、係数βの増加による電
流Is1の増加が減殺される。補償回路214は、以上の
ように動作して、MOSFET1のドレイン電流のドレイン・
ソース間電圧依存性を補償し、アイドリング電流IIdの
安定化を達成する。
【0109】ドレイン電流のドレイン・ソース間電圧依
存性の影響を抑制する補償回路として、図19に示した
補償回路214以外に様々な形態が採り得る。図20
は、その一例を示している。図20が示す補償回路21
5では、補償回路214(図19)のトランジスタ9
0,91が、図15に示した回路部分209に置き換え
られている。そして、トランジスタ92のコレクタ電極
が、トランジスタ70のエミッタ電極に接続されてい
る。
【0110】この補償回路215では、ドレイン電流の
変化が電圧VDに伝わるため、トランジスタ4のコレクタ
電流も変化する。したがって、MOSFET93のドレイン電
流が減少すれば、抵抗素子5には、減少分に比例した電
流が余分に流れる。したがって、補償回路215も、補
償回路214と同様に、MOSFET1のドレイン電流のドレ
イン・ソース間電圧依存性の影響を抑制し、アイドリン
グ電流IIdの安定化を実現する。
【0111】図21は、図19および図20に例示され
た補償回路を含めて、MOSFET1のドレイン電流のドレイ
ン・ソース間電圧依存性を補償する補償回路の一般的形
態を示す回路図である。この補償回路216は、MOSFET
93、抵抗素子96、定電流源97、帰還回路84、お
よび、電流制御回路89を備えている。MOSFET93は、
既述の通り、MOSFET1と同一チャネル型でMOSFET1とペ
アリングがとれている。また、抵抗素子96は、抵抗素
子5とペアリングがとれている。
【0112】MOSFET93のドレイン電極は、正電源線9
に接続されており、ゲート電極とソース電極には、抵抗
素子96の一端と他端が、それぞれ接続されている。定
電流源は、その出力端が抵抗素子96の一端に接続され
ることにより、抵抗素子96へ一定の電流を供給する。
帰還回路84は、出力電圧Voutを検出し、これと同一の
高さの電圧を、MOSFET93のソース電極へ印加する。電
流制御回路89は、MOSFET93のドレイン電流に比例
(一致を含む)した電流で、抵抗素子5を流れる電流を
減殺する。
【0113】例えば出力電圧Voutが上昇すると、MOSFET
93のドレイン・ソース間電圧Vds0が下降し、ドレイン
電流のドレイン・ソース間電圧依存性により、MOSFET9
3のドレイン電流が減少する。すると、抵抗素子5を流
れる電流が増加する。したがって、補償回路216は、
補償回路214等と同様に、MOSFET1のドレイン電流の
ドレイン・ソース間電圧依存性の影響を抑制して、アイ
ドリング電流IIdの安定化を実現する。
【0114】<6. 実施の形態6>図22は、実施の形
態6の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
13は、前段の増幅器217を、さらに備えている点に
おいて、装置101(図1)とは特徴的に異なってい
る。増幅器217は、差動増幅器501、インピーダン
ス素子502〜505、および、入力端子506〜50
8を備えている。差動増幅器501の出力は、入力端子
14に接続されている。また、出力端子12は、インピ
ーダンス素子502を有する負帰還ループを通じて、差
動増幅器501の非反転入力に接続されている。
【0115】さらに、入力端子506は、インピーダン
ス素子503を通じて、差動増幅器501の非反転入力
へ接続され、入力端子507,508は、それぞれイン
ピーダンス素子504,505を通じて、差動増幅器5
01の反転入力に接続されている。インピーダンス素子
502〜505の値Z1〜Z4は、装置113の使用目的に
応じて、短絡から開放に至るまでの様々な値に設定され
る。
【0116】したがって、入力端子506〜508へそ
れぞれ入力される入力電圧Vm,Vp1,Vp2へ所望の演算を施
し、出力電圧Voutとして取り出すことが可能である。し
かも、クロスオーバ歪が抑制され、ダイナミックレンジ
の広い出力電圧Voutを得ることができる。また、最終出
力段を構成するMOSFET1,2にnチャネル型のMOSFETが
用いられるので、動作の高速化、および、装置113を
ICに組み込んだときの装置の小型化が実現する。
【0117】<7. 実施の形態7>図23は、実施の形
態7の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
14は、前段の増幅器として、コンパレータ509、お
よび、入力端子510,511を、さらに備えている点
において、装置101(図1)とは特徴的に異なってい
る。コンパレータ509の出力は、入力端子14に接続
されている。入力端子510,511は、コンパレータ
509の二入力へそれぞれ接続されている。
【0118】装置114は、装置113(図22)にお
いて、インピーダンスZ1,Z4を開放(無限大)に設定
し、インピーダンスZ2,Z3を短絡(ゼロ)に設定してえ
られる回路と同等であり、装置113の一例をなしてい
る。装置114は、入力端子510へ入力される入力電
圧Vinを、入力端子511へ入力される参照電圧Vrefと
比較し、その結果を、出力電圧Voutとして出力する。
【0119】図24は、装置114と比較対照される従
来の電流バッファ付きコンパレータの構成を示す回路図
である。また、図25は、装置114と図24の従来装
置における入力電圧と、それに応答して出力される出力
電圧を示す波形図である。図24のコンパレータは、電
流バッファとして、正電源線603と接地電源線との間
に介挿された、直列のnチャネル型のMOSFET601,6
02を備えている。MOSFET601,602の互いの接続
部に接続された出力端子607から、出力電圧Vout1が
出力される。
【0120】入力端子608へ入力される入力電圧Vin
は、インバータ604を通じてMOSFET601のゲート電
極へ伝えられ、インバータ606,605を通じてMOSF
ET602のゲート電極へ伝えられる。したがって、二つ
のMOSFET601,602は、互いに逆相で駆動される。
【0121】このコンパレータは、構成が単純である反
面、正電源線603と接地電源線との間を貫通電流が流
れることを防止するために、MOSFET601とMOSFET60
2とが同時にオフする動作期間を設定する必要があっ
た。この動作期間においては、出力端子607がハイイ
ンピーダンス状態となるので、図25(b)が示すよう
に、出力電圧Vout1に発振、チャタリング、スパイク等
発生する場合があった。これに対して、装置114で
は、最終段に属するMOSFET1,2が同時にオフすること
がないので、図25(c)が示すように、出力電圧Voutに
おける発振、チャタリング、スパイク等の発生が抑制さ
れる。
【0122】<8. 実施の形態8>図26は、実施の形
態8の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
15は、定電流源203aが抵抗素子5の抵抗R1の変動
を補償するだけでなく、MOSFET1の特性の変動をも補償
するように、構成されている点において、装置106
(図10)とは、特徴的に異なっている。定電流源20
3aでは、定電流源203において、トランジスタ47
および入力端子50が除去され、代わりに、nチャネル
型のMOSFET99が設けられている。
【0123】MOSFET99のドレイン電極は、定電流源4
8の出力端とトランジスタ45のベース電極とに接続さ
れている。MOSFET99のソース電極は、接地電源線11
に接続されている。さらに、MOSFET99のゲート電極
は、トランジスタ45のエミッタ電極と抵抗素子46と
の接続部に接続されている。また、MOSFET99は、MOSF
ET1とペアリングがとれている。
【0124】トランジスタ41とトランジスタ42、抵
抗素子43と抵抗素子44、および、抵抗素子46と抵
抗素子5が、それぞれ、互いにペアリングがとれている
点は、定電流源203(図10)と同様である。正電源
線49が、正電源線10と共通であってもよい点も、定
電流源203(図10)と同様である。
【0125】装置115は、以上のように構成されるの
で、以下のように動作する。MOSFET99のドレイン電流
Id4とゲート・ソース間電圧Vgs4の間の関係は、MOSFET
99の入出力特性を表現する関数f1を用いて、Id4=f1
(Vgs4);と表現される。同様に、MOSFET1のドレイン電
流Id1(=ソース電流Is1)とゲート・ソース間電圧Vgs1
の間の関係は、MOSFET1の入出力特性を表現する関数f2
を用いて、 Id1=f2(Vgs1); と表現される。
【0126】定電流源48が供給する電流をIbsとし、
トランジスタ41,42を有するカレントミラー回路の
カレントミラー比を1とし、トランジスタ41が供給す
る電流Ib1のすべてが抵抗素子5を流れるものと仮定す
ると、MOSFET1のドレイン電流Id1は、 Id1=f2{f1-1(Ibs)・R1/R0}; で与えられる。MOSFET1とMOSFET99の間で互いにペア
リングがとれているので、MOSFET1とMOSFET99の間で
のサイズの比率をSとすれば、関数f1と関数f2の間に、 f2=S・f1; の関係が成立する。抵抗素子5と抵抗素子46の間で、
ペアリングがとれているので、抵抗R1とR0の比率R1/R0
は、一定である。この比率を、1とすると、ドレイン電
流Id1は、 Id1=S・Ibs; と表される。すなわち、抵抗素子5の抵抗値R1の変動の
影響だけでなく、MOSFET1の特性上の変動の影響も抑え
られ、一定の電流Ibsのみで定まる安定したドレイン電
流Id1が得られる。このことは、トランジスタ41およ
び42が構成するカレントミラーのカレントミラー比が
1ではない場合、および、比率R1/R0が1ではない一般
の場合においても、同様である。
【0127】MOSFET1,2をアイドリング電流IIdが流
れるときには、電流Ib1のすべてが抵抗素子5へ流れ込
むわけではなく、その一定割合のみが抵抗素子5へ流れ
る。その比率におうじて、アイドリング電流IIdへのMOS
FET1の特性の変動および抵抗R1の変動の影響が抑制さ
れる。なお、トランジスタ45として、バイポーラ型の
トランジスタの代わりに、nチャネル型のMOSFETが用い
られても良い。このとき、MOSFETのゲート電極はバイポ
ーラトランジスタのベース電極に対応し、ソース電極は
エミッタ電極に対応し、さらに、ドレイン電極はコレク
タ電極へ対応する。
【0128】<9. 実施の形態9>図27は、実施の形
態9の増幅装置の構成を示す回路図である。この装置1
16は、図6に示した制御回路16の他の一例としての
制御回路16aを備えている。制御回路16aは、図1
の装置101に備わるトランジスタ4に該当するnpn
バイポーラ型のトランジス804、図9の補償回路20
2に備わるトランジスタ21に該当するnpnバイポー
ラ型のトランジスタ821、および、補償回路202に
備わる定電流源31に該当する定電流源831を備えて
いる。トランジスタ804とトランジスタ821は、互
いにペアリングがとれている。
【0129】したがって、装置116では、補償回路2
02を備えた装置101と同様に、MOSFET3のドレイン
電圧VDが、入力端子850を通じてトランジスタ821
のエミッタ電極に印加される一定の参照電圧Vrefで決ま
る値へと安定的に保持される。すなわち、温度変化等に
よって、トランジスタ804のベース・エミッタ間電圧
Vbeが変化しても、その変化は、同等に変化するベース
・エミッタ間電圧Vbe1によって補償され、電圧VDには影
響しない。
【0130】図9の補償回路202では、電圧VDは、ト
ランジスタ4のコレクタ・エミッタ間電圧が変動する
と、それにともなって、微妙ながら変動する。この現象
は、トランジスタ4のアーリー効果に由来する。電圧VD
の変動は、アイドリング電流の変動をもたらす。これに
対して、制御回路16aは、トランジスタ804のコレ
クタ・エミッタ間電圧の変動をも抑制するように構成さ
れている。それによって、電圧VDをより安定的に保持
し、アイドリング電流を一層安定化することが可能とな
っている。
【0131】すなわち、制御回路16aには、nチャネ
ル型のMOSFET810,811が、さらに備わっている。
MOSFET810は定電流源8とトランジスタ804との間
に介挿され、MOSFET811は定電流源831とトランジ
スタ821との間に介挿されている。
【0132】より詳細には、MOSFET810のドレイン電
極は定電流源8の出力端に接続され、ソース電極はトラ
ンジスタ804のコレクタ電極へ接続されている。ま
た、MOSFET811のドレイン電極は定電流源831の出
力端に接続され、ソース電極はトランジスタ821のコ
レクタ電極に接続されている。MOSFET811のゲート電
極とドレイン電極は、MOSFET810のゲート電極に接続
されている。さらに、MOSFET810とMOSFET811は、
互いにペアリングがとれている。
【0133】これらのMOSFET810,811の働きによ
り、トランジスタ804のコレクタ・エミッタ間電圧Vc
eは、 Vce=Vbe; となるように、クランプされる。したがって、コレクタ
・エミッタ間電圧Vceの変動に由来する電圧VDの変動が
抑制され、アイドリング電流の一層の安定化が実現す
る。
【0134】また、図1の装置101では、トランジス
タ4のコレクタ電極はMOSFET1のゲート電極に接続され
ているために、トランジスタ4のダイナミックレンジが
広い。したがって、トランジスタ4のために、コレクタ
・エミッタ間の耐電圧の高い素子を選定する必要があ
る。これに対して、制御回路16aのトランジスタ80
4では、コレクタ・エミッタ間電圧Vceが、低い一定値
に抑えられるので、トランジスタ804のために、コレ
クタ・エミッタ間の耐電圧の高い素子を選定する必要が
ないという利点も得られる。トランジスタ804では、
コレクタ・エミッタ間の耐電圧は、ベース・エミッタ間
電圧Vbeよりも高ければ足りる。
【0135】なお、MOSFET810およびMOSFET811
は、npnバイポーラ型トランジスタに置き換えること
も可能である。
【0136】
【発明の効果】第1の発明の装置では、第3MOSFETのゲ
ート電極に入力電圧を印加することにより、第1MOSFET
と第2MOSFETの接続部から、出力電流および出力電圧が
得られる。第1および第2MOSFETの双方が、同一チャネ
ル型であるため、出力電圧のダイナミックレンジを広く
確保することができる。しかも、第1〜第3MOSFETの閾
電圧を含めたパラメータを調整することにより、アイド
リング電流を幅広く設定することが可能である。すなわ
ち、広いダイナミックレンジと、アイドリング電流の設
定の容易化とが、両立的に実現する。特に、第3MOSFET
が三極管領域で動作するような一定の電圧を、第3電極
に印加することによって、電流ソース動作と電流シンク
動作との間の対称性を高めることが可能である。
【0137】第2の発明の装置では、第1の発明と同様
に、広いダイナミックレンジと、アイドリング電流の設
定の容易化とが、両立的に実現する。しかも、第1の発
明の制御回路が、トランジスタで置き換えられているの
で、装置の構成が簡素である。また、第3MOSFETが三極
管領域で動作するような一定の電圧を、トランジスタの
制御電極に印加することによって、電流ソース動作と電
流シンク動作との間の対称性を高めることが可能であ
る。
【0138】第3の発明の装置では、第1トランジスタ
が、バイポーラトランジスタであるので、トランジスタ
のベース・エミッタ間電圧のばらつきを抑え、製品の間
での特性の均一性を高めることが容易である。
【0139】第4の発明の装置では、第1トランジスタ
が、第1〜第3MOSFETと同一チャネル型のMOSFETである
ので、製造工程が簡素化され、製造コストを低廉化する
ことができる。
【0140】第5の発明の装置では、第2および第3抵
抗素子が備わるので、装置の製造工程の最終段階で、第
2および第3抵抗素子の抵抗を微調整することができ、
それによって、アイドリング電流の微調整を容易に行う
ことができるという効果が得られる。
【0141】第6の発明の装置では、第1トランジスタ
の制御電極と第1主電極との間の電位差が、第2トラン
ジスタの制御電極と第1主電極との間の電位差によっ
て、補償され、定電圧回路が出力する一定の電圧が、第
3MOSFETのドレイン電極へ伝達される。このため、第1
トランジスタの制御電極と第1主電極との間の電位差の
変化の影響を抑えて、装置の動作を安定化させることが
できる。
【0142】第7の発明の装置では、第4抵抗素子の一
端に、一定の電圧を印加することにより、第1MOSFETの
ゲート・ソース間電圧を、第1抵抗素子の抵抗と第4抵
抗素子の抵抗との比に比例した値とすることができる。
このため、第1MOSFETのゲート・ソース間電圧への第1
抵抗素子の抵抗の変化の影響を抑制して、装置の動作を
安定化させることができる。
【0143】第8の発明の装置では、第4MOSFETのゲー
ト電極に一定の電圧が印加されると、第1〜第3MOSFET
の閾電圧の変化による影響を第4MOSFETの閾電圧の変化
により減殺するように、第1抵抗素子を流れる電流が変
化する。したがって、第1〜第3MOSFETの閾電圧の変化
の影響を抑制して、アイドリング電流を安定化させるこ
とができる。
【0144】第9の発明の装置では、出力電圧の変化に
由来する第1MOSFETのドレイン電流のドレイン・ソース
間電圧依存性の影響を、第5MOSFETのドレイン電流のド
レイン・ソース間電圧依存性によって減殺するように、
第1抵抗素子を流れる電流が変化する。したがって、第
1MOSFETのドレイン電流のドレイン・ソース間電圧依存
性の影響を抑制して、アイドリング電流を安定化させる
ことができる。
【0145】第10の発明の装置では、前段に増幅器が
備わるので、ダイナミックレンジが広く、クロスオーバ
歪が少ない、電流バッファつきの増幅器あるいはコンパ
レータとして利用することができる。また、最終段に位
置する第1および第2MOSFETが同時オフしないように、
アイドリング電流を調整することができるので、出力電
圧に発振、チャタリング、スパイク等が出現するのを抑
制することができる。
【0146】第11の発明の装置では、最終段の出力電
圧を負帰還させた差動増幅器が前段に備わるので、様々
な演算を実行可能な電流バッファ付きの増幅器として利
用することができる。
【0147】第12の発明の装置では、第4抵抗素子に
よって第1抵抗素子の抵抗の変動が補償され、第4MOSF
ETによって第1MOSFETの特性上の変動が補償されるの
で、アイドリング電流へのこれらの変動の影響が緩和さ
れる。
【0148】第13の発明の装置では、特性上の変動を
補償し合う関係にある素子の間でペアリングがとれてい
るので、特性上の変動の補償が、効果的に行われる。そ
の結果、アイドリング電流への特性上の変動の影響が、
より効果的に緩和される。
【0149】第14の発明の装置では、第1トランジス
タの制御電極と第1主電極との間の電位差が、第2トラ
ンジスタの制御電極と第1主電極との間の電位差によっ
て、補償されるので、第2トランジスタの第1主電極へ
印加される電圧が、第3MOSFETのドレイン電極へ伝達さ
れる。このため、第1トランジスタの制御電極と第1主
電極との間の電位差の変化の影響を抑えて、アイドリン
グ電流を安定化させることができる。しかも、第3およ
び第4トランジスタによって、第1トランジスタの第1
主電極と第2主電極の間の電位差が、第1主電極と制御
電極の間の電位差へとクランプされる。このため、第1
トランジスタの第1主電極と第2主電極の間の電位差の
変動に由来する第3MOSFETのドレイン電極の電圧の微妙
な変動までも抑制されるので、アイドリング電流の安定
性がさらに高められる。また、第1トランジスタのため
に耐圧の高い素子を選定する必要がない。
【0150】第15の発明の装置では、特性上の変動を
補償し合う関係にある素子の間でペアリングがとれてい
るので、特性上の変動の補償が、効果的に行われる。そ
の結果、アイドリング電流の安定性が一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の装置の回路図である。
【図2】 図1の装置の動作を説明するグラフである。
【図3】 図1の装置の動作を説明するグラフである。
【図4】 図1の装置の動作を説明するグラフである。
【図5】 実施の形態1の別の装置例を示す回路図であ
る。
【図6】 実施の形態1のさらに別の装置例を示す回路
図である。
【図7】 実施の形態1のさらに別の装置例を示す回路
図である。
【図8】 実施の形態2の装置の回路図である。
【図9】 実施の形態2の別の装置例を示す回路図であ
る。
【図10】 実施の形態3の装置の回路図である。
【図11】 実施の形態3の別の装置例を示す回路図で
ある。
【図12】 実施の形態3のさらに別の装置例を示す回
路図である。
【図13】 実施の形態3のさらに別の装置例を示す回
路図である。
【図14】 実施の形態3のさらに別の装置例を示す回
路図である。
【図15】 実施の形態4の装置の回路図である。
【図16】 実施の形態4の別の装置例を示す回路図で
ある。
【図17】 実施の形態4のさらに別の装置例を示す回
路図である。
【図18】 実施の形態4のさらに別の装置例を示す回
路図である。
【図19】 実施の形態5の装置の回路図である。
【図20】 実施の形態5の別の装置例を示す回路図で
ある。
【図21】 実施の形態5のさらに別の装置例を示す回
路図である。
【図22】 実施の形態6の装置の回路図である。
【図23】 実施の形態7の装置の回路図である。
【図24】 図23の装置と比較対照される従来装置の
回路図である。
【図25】 図23の装置の動作を示す波形図である。
【図26】 実施の形態8の装置の回路図である。
【図27】 実施の形態9の装置の回路図である。
【図28】 従来の装置の回路図である。
【符号の説明】
1 MOSFET(第1MOSFET)、2 MOSFET(第2MOSFE
T)、3 MOSFET(第3MOSFET)、4,804 トラン
ジスタ(第1トランジスタ)、5 抵抗素子(第1抵抗
素子)、6 抵抗素子(第2抵抗素子)、7 抵抗素子
(第3抵抗素子)、8,203〜207 定電流源(第
1定電流源)、9 正電源線(第1電源線)、11 接
地電源線(第2電源線)、15 MOSFET(第1トランジ
スタ)、16制御回路、21,45,821 トランジ
スタ(第2トランジスタ)、30定電圧回路、31,4
8,831 定電流源(第2定電流源)、46 抵抗素
子(第4抵抗素子)、75,99 MOSFET(第4MOSFE
T)、83 電流源、84帰還回路、88 電流制御回
路(第1電流制御回路)、89 電流制御回路(第2電
流制御回路)、93 MOSFET(第5MOSFET)、96 抵
抗素子(第5抵抗素子)、97 定電流源(第3定電流
源)、201,202 補償回路(第1補償回路)、2
08,212,213 補償回路(第2補償回路)、2
14〜216補償回路(第3補償回路)、501,50
9 増幅器、810 MOSFET(第3トランジスタ)、8
11 MOSFET(第4トランジスタ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J091 AA01 AA17 AA41 AA63 CA32 CA81 FA07 HA02 HA10 HA18 HA25 KA00 KA02 KA05 KA09 KA11 MA02 MA21 TA02 TA06 UW08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレイン電極が第1電源線に接続された
    第1MOSFETと、 前記第1MOSFETと同一チャネル型で、ソース電極が第2
    電源線に接続され、ドレイン電極が前記第1MOSFETのソ
    ース電極に接続された第2MOSFETと、 前記第1MOSFETと同一チャネル型で、ソース電極が前記
    第2電源線に接続され、ゲート電極が前記第2MOSFETの
    ゲート電極に接続された第3MOSFETと、 前記第1MOSFETのゲート電極とソース電極とに、一端と
    他端とがそれぞれ接続された第1抵抗素子と、 第1ないし第3電極を有し、前記第1電極が前記第3MO
    SFETのドレイン電極に接続され、前記第2電極が前記第
    1MOSFETの前記ゲート電極に接続され、前記第1電極と
    前記第2電源線との間の電位差が、前記第3電極と前記
    第2電源線との間に印加される電圧によって定まり、前
    記第1電極を流れる電流に比例した電流が前記第2電極
    を流れる制御回路と、 前記第2電極に出力端が接続された第1定電流源と、を
    備える増幅装置。
  2. 【請求項2】 ドレイン電極が第1電源線に接続された
    第1MOSFETと、 前記第1MOSFETと同一チャネル型で、ソース電極が第2
    電源線に接続され、ドレイン電極が前記第1MOSFETのソ
    ース電極に接続された第2MOSFETと、 前記第1MOSFETと同一チャネル型で、ソース電極が前記
    第2電源線に接続され、ゲート電極が前記第2MOSFETの
    ゲート電極に接続された第3MOSFETと、 前記第1MOSFETのゲート電極とソース電極に一端と他端
    がそれぞれ接続された第1抵抗素子と、 第1主電極が前記第3MOSFETのドレイン電極に接続さ
    れ、第2主電極が前記第1MOSFETの前記ゲート電極に接
    続され、制御電極と前記第1主電極との間の電位差によ
    って前記第2主電極を流れる電流が制御される第1トラ
    ンジスタと、 前記第2主電極に出力端が接続された第1定電流源と、
    を備える増幅装置。
  3. 【請求項3】 前記第1トランジスタが、バイポーラト
    ランジスタである、請求項2に記載の増幅装置。
  4. 【請求項4】 前記第1トランジスタが、前記第1ない
    し第3MOSFETと同一チャネル型のMOSFETである、請求項
    2に記載の増幅装置。
  5. 【請求項5】 前記第2MOSFETの前記ゲート電極と前記
    第3MOSFETの前記ゲート電極とに、一端と他端とがそれ
    ぞれ接続された第2抵抗素子と、 前記第2MOSFETの前記ゲート電極と前記第2電源線に一
    端と他端がそれぞれ接続された第3抵抗素子と、をさら
    に備える、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の
    増幅装置。
  6. 【請求項6】 前記第1トランジスタの前記制御電極と
    前記第1主電極との間の前記電位差を補償する第1補償
    回路を、さらに備え、 当該第1補償回路は、前記第2電源線に対する一定の電
    圧を出力端に出力する定電圧回路と、 第1主電極が前記定電圧回路の前記出力端に接続され、
    制御電極と第2主電極が前記第1トランジスタの前記制
    御電極に接続された第2トランジスタと、 出力端が前記第2トランジスタの前記第2主電極に接続
    された第2定電流源と、を備える、請求項2ないし請求
    項5のいずれかに記載の増幅装置。
  7. 【請求項7】 前記第1定電流源が、 第4抵抗素子と、 前記第4抵抗素子を流れる電流に比例した電流を、前記
    第1定電流源の前記出力端へ出力する電流源と、を備え
    る、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の増幅装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第1ないし前記第3MOSFETの閾電圧
    を補償する第2補償回路を、さらに備え、 当該第2補償回路は、 前記第1ないし前記第3MOSFETと同一チャネル型で、ソ
    ース電極が前記第2電源線に接続された第4MOSFETと、 前記第4MOSFETを流れる電流に比例した電流で、前記第
    1抵抗素子を流れる電流を減殺する第1電流制御回路
    と、を備える、請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の増幅装置。
  9. 【請求項9】 前記第1MOSFETの電流の電圧依存性を補
    償する第3補償回路を、さらに備え、 当該第3補償回路は、 前記第1ないし前記第3MOSFETと同一チャネル型で、ド
    レイン電極が前記第1電源線に接続された第5MOSFET
    と、 前記第5MOSFETのソース電極とゲート電極に一端と他端
    がそれぞれ接続された第5抵抗素子と、 前記第5抵抗素子へ一定の電流を供給する第3定電流源
    と、 前記第1MOSFETの前記ソース電極と前記第2MOSFETの前
    記ドレイン電極との接続部の電位の変化を前記第5MOSF
    ETの前記ソース電極へ伝える帰還回路と、 前記第5MOSFETを流れる電流に比例した電流で、前記第
    1抵抗素子を流れる電流を減殺する第2電流制御回路
    と、を備える、請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の増幅装置。
  10. 【請求項10】 前記第3MOSFETの前記ゲート電極に出
    力が接続された増幅器を、さらに備える、請求項1ない
    し請求項9のいずれかに記載の増幅装置。
  11. 【請求項11】 前記増幅器が、非反転入力と反転入力
    とを有する差動増幅器であり、 前記増幅装置が、 前記第1MOSFETの前記ソース電極と前記第2MOSFETの前
    記ドレイン電極との接続部と、前記非反転入力とを接続
    する負帰還ループを、さらに備える、請求項10に記載
    の増幅装置。
  12. 【請求項12】 前記第1定電流源が、 前記第1MOSFETと同一チャネル型の第4MOSFETと、 前記第4MOSFETのゲート電極およびソース電極に、それ
    ぞれ、一端および他端が接続された第4抵抗素子と、 前記第4MOSFETのドレイン電極に出力端が接続された第
    2定電流源と、 前記第4MOSFETのゲート電極およびドレイン電極に、そ
    れぞれ、第1主電極および制御電極が接続された第2ト
    ランジスタと、 前記第2トランジスタを流れる主電流に比例した電流を
    前記第1定電流源の前記出力端から出力するカレントミ
    ラー回路と、を備える、請求項1ないし請求項5のいず
    れかに記載の増幅装置。
  13. 【請求項13】 前記第4抵抗素子が前記第1抵抗素子
    とペアリングがとれており、前記第4MOSFETが前記第1
    MOSFETとペアリングがとれている、請求項12に記載の
    増幅装置。
  14. 【請求項14】 前記第1トランジスタと同一導電型
    で、第1主電極に電圧の印加が可能であり、制御電極と
    第2主電極が前記第1トランジスタの前記制御電極に接
    続された第2トランジスタと、 前記第1トランジスタの前記第2主電極に第1主電極が
    接続され、前記第1定電流源の前記出力端に第2主電極
    が接続されることによって、前記第1トランジスタと前
    記出力端との間に介挿された第3トランジスタと、 前記第3トランジスタと同一導電型で、第1主電極が前
    記第2トランジスタの前記第2主電極へ接続され、制御
    電極と第2主電極が前記第3トランジスタの前記制御電
    極に接続された第4トランジスタと、 出力端が前記第4トランジスタの前記第2主電極に接続
    された第2定電流源と、をさらに備える、請求項2ない
    し請求項5のいずれかに記載の増幅装置。
  15. 【請求項15】 前記第2トランジスタが前記第1トラ
    ンジスタとペアリングがとれており、前記第4トランジ
    スタが前記第3トランジスタとペアリングがとれてい
    る、請求項14に記載の増幅装置。
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